特許第6064863号(P6064863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6064863
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】車両用電力回生システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 11/18 20060101AFI20170116BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   B60L11/18 A
   B60R16/02 645B
   B60R16/02 645C
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-223363(P2013-223363)
(22)【出願日】2013年10月28日
(65)【公開番号】特開2015-89160(P2015-89160A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2015年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】石原 章生
【審査官】 武市 匡紘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−234479(JP,A)
【文献】 特開2008−072880(JP,A)
【文献】 特開2012−130108(JP,A)
【文献】 特開2008−029058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00−3/12
B60L 7/00−13/00
B60L 15/00−15/42
B60K 6/20−6/547
H02J 7/00−7/36
H01M 10/42−10/48
B60R 16/00−17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電線に発電機と第1側負荷と第1蓄電装置とが接続され、前記第1電線に第1スイッチング素子を介して第2電線が接続され、該第2電線に第2側負荷が接続されるとともに第2スイッチング素子を介して第2蓄電装置が接続された車両用電力回生システムであって、
前記第1電線の電圧値と前記第2電線の電圧値の両方を検出して、検出した電圧値の一方が予め設定された設定値まで低下すると前記第1及び第2スイッチング素子をオン状態とする制御部を備えたことを特徴とする車両用電力回生システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用電力回生システムにおいて、
前記制御部は、検出した電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、その旨を含む情報を報知手段により報知することを特徴とする車両用電力回生システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用電力回生システムにおいて、
前記制御部は、検出した電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、前記発電機が電力を供給できない状態では、前記第1側負荷及び第2側負荷の内の予め設定された非発電時遮断負荷を前記第1電線又は前記第2電線から遮断することを特徴とする車両用電力回生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用電力回生システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両には、車両用電力回生システムが備えられたものがある。車両用電力回生システムとしては、第1電線に発電機と第1側負荷と第1蓄電装置とが接続され、前記第1電線に第1スイッチング素子を介して第2電線が接続され、該第2電線に第2側負荷が接続されるとともに第2スイッチング素子を介して第2蓄電装置が接続されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような車両用電力回生システムでは、走行状況に応じて第1及び第2スイッチング素子がオンオフ制御される。例えば、減速時には、第1及び第2スイッチング素子がオン状態とされて、回生ブレーキによって発電機で発生される電力を第2蓄電装置にて早急に蓄えることが可能とされている。又、例えば、アイドリングストップ時には、第1スイッチング素子がオフ状態とされて、その後、第1電線に接続されたエンジンスタータを駆動する際には、その第1電線の電圧の変動が第2電線に接続されたオーディオ等の負荷に悪影響を及ぼさないようにすることが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−130108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような車両用電力回生システムでは、例えば、アイドリングストップ時(第1スイッチング素子がオフ状態の時)、第2蓄電装置が意図せず切断されたオープン故障状態となると、第2側負荷に電力を供給することができなくなるという問題がある。このとき、例えば、第2側負荷の1つがエンジンECUである場合では、エンジンを駆動することができなくなるといったことが考えられる。
【0006】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、第1及び第2蓄電装置の一方が意図せず切断されたオープン故障状態となっても第1側負荷及び第2側負荷に電力を供給することが可能となる車両用電力回生システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する車両用電力回生システムは、第1電線に発電機と第1側負荷と第1蓄電装置とが接続され、前記第1電線に第1スイッチング素子を介して第2電線が接続され、該第2電線に第2側負荷が接続されるとともに第2スイッチング素子を介して第2蓄電装置が接続された車両用電力回生システムであって、前記第1電線の電圧値と前記第2電線の電圧値の少なくとも一方を検出して、検出した電圧値が予め設定された設定値まで低下すると前記第1及び第2スイッチング素子をオン状態とする制御部を備える。
【0008】
同構成によれば、第1電線の電圧値と第2電線の電圧値の少なくとも一方が検出されて、検出された電圧値が予め設定された設定値まで低下すると第1及び第2スイッチング素子がオン状態とされる。よって、例えば、第1及び第2蓄電装置の一方(電圧値を検出している側)が意図せず切断されたオープン故障状態となっても第1及び第2蓄電装置の内の他方から第1側負荷及び第2側負荷に電力を供給することが可能となる。これにより、例えば、第1側負荷又は第2側負荷の1つであるエンジンECU等に電力を引き続き供給し続けることが可能となる。
【0009】
上記車両用電力回生システムにおいて、前記制御部は、前記第1電線の電圧値と前記第2電線の電圧値の両方を検出して、検出した電圧値の一方が予め設定された設定値まで低下すると第1及び第2スイッチング素子をオン状態とすることが好ましい。
【0010】
同構成によれば、第1電線の電圧値と第2電線の電圧値の両方が検出されて、検出された電圧値の一方が予め設定された設定値まで低下すると第1及び第2スイッチング素子がオン状態とされるため、第1及び第2蓄電装置のどちらが前記オープン故障状態となっても第1側負荷及び第2側負荷に電力を供給することが可能となる。
【0011】
上記車両用電力回生システムにおいて、前記制御部は、検出した電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、その旨を含む情報を報知手段により報知することが好ましい。
同構成によれば、検出された電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、その旨を含む情報が報知手段により報知されるため、運転手は前記情報(異常)を容易に知ることができる。
【0012】
上記車両用電力回生システムにおいて、前記制御部は、検出した電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、前記発電機が電力を供給できない状態では、前記第1側負荷及び第2側負荷の内の予め設定された非発電時遮断負荷を前記第1電線又は前記第2電線から遮断することが好ましい。
【0013】
同構成によれば、検出した電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、発電機が電力を供給できない状態では、第1側負荷及び第2側負荷の内の予め設定された非発電時遮断負荷が第1電線又は第2電線から遮断される。よって、発電機が電力を供給できない状態では、予め設定された非発電時遮断負荷への電力供給を行わないようにして、それ以外の負荷への電力供給時間を長くすることが可能となる。例えば、発電機が電力を供給できない状態となっても、走行に関する負荷のみに電力を供給して、その供給時間、ひいては走行可能時間を長くすることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の車両用電力回生システムでは、第1及び第2蓄電装置の一方が意図せず切断されたオープン故障状態となっても第1側負荷及び第2側負荷に電力を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態における車両用電力回生システムの電気回路図。
図2】(a)及び(b)は、一実施形態における車両用電力回生システムの動作例の説明図。
図3】別例における車両用電力回生システムの電気回路図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、車両に設けられた車両用電力回生システムの一実施形態を図1及び図2に従って説明する。
図1に示すように、車両用電力回生システムでは、第1電線L1に発電機11と第1蓄電装置12とが接続されるとともに、第1電線L1に第1スイッチング素子としての第1リレー13を介して第2電線L2が接続され、該第2電線L2に第2スイッチング素子としての第2リレー14を介して第2蓄電装置15が接続されている。
【0017】
又、前記第1電線L1には、第1側負荷21が接続され、前記第2電線L2には、第2側負荷22が接続されている。本実施形態の第1側負荷21は、ヘッドランプ23やワイパ24やブロアモータ等の種々の負荷であって、本実施形態の第2側負荷22は、エンジンECU25やオーディオ26やカーナビゲーション等の種々の負荷である。又、第1電線L1(第1蓄電装置12)には、エンジンスタータ27が接続されている。
【0018】
発電機11は、車両状況に応じて電力を発生するものであって、オンされた負荷の種類や数等に応じてエンジンに駆動されて電力を発生する場合や、減速時や停止時の回生ブレーキによって電力を発生する場合がある。
【0019】
第1蓄電装置12は、本実施形態では鉛蓄電池である。又、第2蓄電装置15は、本実施形態ではリチウムイオン電池であって、第1蓄電装置12よりも容量は小さいが急速な充放電が可能な特性のものが採用されている。
【0020】
そして、前記第1及び第2リレー13,14は、図示しない基本制御部によって、走行状況に応じて基本的なオンオフ制御が行われる。例えば、基本制御部は、減速時には、第1及び第2リレー13,14をオン状態として、回生ブレーキによって発電機11で発生される電力が第2蓄電装置15にて早急に蓄えられるようにする。又、例えば、基本制御部は、アイドリングストップ時、その後のエンジンスタータ27の駆動時、及び加速時等の非回生走行時には、第1リレー13をオフ状態として第1電線L1と第2電線L2とを遮断し、例えば、第2蓄電装置15から第2側負荷22に安定して電力が供給させるようにする。又、例えば、基本制御部は、第2蓄電装置15の充電量(電圧値)などに基づいて予め設定された充放電禁止状態の時(例えば過放電を防止する時)は第2リレー14をオフ状態とするとともに第1リレー13をオン状態として、第1蓄電装置12から第1側負荷21及び第2側負荷22に電力が供給させるようにする。
【0021】
ここで、本実施形態の車両用電力回生システムは、第1電線L1の電圧値と第2電線L2の両方を検出して、検出した電圧値の一方が予め設定された設定値まで低下すると第1及び第2リレー13,14をオン状態とする制御部31を備えている。
【0022】
詳述すると、制御部31は、第1及び第2電圧検出部32,33と、電源フェールセーフ制御部34と、リレー駆動部35とを備えている。第1電圧検出部32は、第1電線L1の電圧値を検出し、第2電圧検出部33は、第2電線L2の電圧値を検出する。電源フェールセーフ制御部34は、第1及び第2電圧検出部32,33にて検出された電圧値のいずれか一方が予め設定された設定値(例えば6ボルト)まで低下すると、リレー駆動部35にオン指示信号を出力する。リレー駆動部35は、前記オン指示信号が入力されると、第1及び第2リレー13,14を駆動してオン状態とする。
【0023】
又、本実施形態の制御部31(電源フェールセーフ制御部34)は、検出した電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、その旨を含む情報を報知手段36により報知する。尚、本実施形態の報知手段は運転席から視認可能な警告ランプとされている。
【0024】
次に、上記のように構成された車両用電力回生システムの作用について説明する。
例えば、図2(a)及び図2(b)に示すように、第1リレー13がオフ状態とされたアイドリングストップ中に、タイミングt1で第2蓄電装置15が意図せず切断されたオープン故障状態となると、第2電線L2における電圧値が急激に下降する。
【0025】
そして、第2電圧検出部33にて検出された第2電線L2の電圧値が予め設定された設定値(例えば6ボルト)まで低下すると(タイミングt2)、電源フェールセーフ制御部34からリレー駆動部35にオン指示信号が出力され、リレー駆動部35によって第1及び第2リレー13,14が駆動されオン状態とされる(タイミングt3)。すると、第1蓄電装置12から第2電線L2、ひいては第2側負荷22に電力が供給される。尚、図2(a)では、本実施形態の制御部31を有していない場合の特性を2点差線で図示しており、この場合では第2側負荷22への電力供給は不能となる。
【0026】
又、前述したように第2電圧検出部33にて検出された第2電線L2の電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、電源フェールセーフ制御部34によって、その旨を含む情報が報知手段36により報知、即ち本実施形態では警告ランプが点灯される。
【0027】
尚、前記設定値(例えば6ボルト)は、例えば第2側負荷22の1つであるエンジンECU25の最低動作電圧(例えば4ボルト)に基づいて設定された値であって、第2電線L2の電圧値が設定値まで低下してから第1リレー13がオン状態とされる(タイミングt3)までに第2電線L2の電圧値が最低動作電圧を下回らないように設定されている。これにより、例えば第2側負荷22の1つであるエンジンECU25には最低動作電圧を上回る電力が供給され、停止してしまうことが防止される。
【0028】
又、例えば、第1リレー13がオフ状態とされたアイドリングストップ中に、第1蓄電装置12が意図せず切断されたオープン故障状態となると、第1電線L1における電圧値が急激に下降する。そして、第1電線L1の電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、第1及び第2リレー13,14がオン状態とされる。すると、第2蓄電装置15から第1電線L1、ひいては第1側負荷21等に電力が供給される。又、本実施形態では警告ランプが点灯される。
【0029】
又、例えば、第1リレー13がオン状態とされつつ第2リレー14がオフ状態とされた前記充放電禁止状態中に、第1リレー13が故障するなど第1蓄電装置12が意図せず切断されたオープン故障状態となると、第2電線L2における電圧値が急激に下降する。そして、第2電線L2の電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、第1及び第2リレー13,14がオン状態とされる。すると、第2蓄電装置15から第2電線L2、ひいては第2側負荷22等に電力が供給される。又、本実施形態では警告ランプが点灯される。
【0030】
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)第1電線L1の電圧値と第2電線L2の電圧値の両方が検出されて、検出された電圧値の一方が予め設定された設定値まで低下すると第1及び第2リレー13,14がオン状態とされるため、第1及び第2蓄電装置12,15のどちらが前記オープン故障状態となっても第1側負荷21及び第2側負荷22に電力を供給することが可能となる。これにより、例えば、第2側負荷22の1つであるエンジンECU25等に電力を引き続き供給し続けることが可能となる。
【0031】
(2)第1又は第2電線L1,L2の電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、その旨を含む情報が報知手段36により報知(本実施形態では警告ランプが点灯)されるため、運転手は前記情報(異常)を容易に知ることができる。
【0032】
上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
図3に示すように、制御部31は、発電機供給不能信号受信部41と、負荷リレー駆動部42とを備えたものとしてもよい。
【0033】
詳しくは、発電機供給不能信号受信部41は、前記発電機11の制御回路11aからの信号を受信可能とされ、発電機11が電力を供給できない状態にあるか否かを検出可能とされている。
【0034】
又、この例の電源フェールセーフ制御部34は、検出された電圧値のいずれか一方が予め設定された設定値まで低下すると、発電機11が電力を供給できない状態では、第1側負荷21及び第2側負荷22の内の予め設定された非発電時遮断負荷を第1電線L1又は第2電線L2から遮断する遮断指示信号を負荷リレー駆動部42に出力する。尚、本実施形態の非発電時遮断負荷は、走行系負荷(走行を補助する負荷を含む)であるヘッドランプ23やワイパ24やエンジンECU25等を除く非走行系負荷であって、オーディオ26やカーナビゲーションやブロアモータやエアコンコンプレッサーやヒートシーターやデフォッガー等が設定されている。
【0035】
そして、負荷リレー駆動部42は、前記遮断指示信号が入力されると、前記非発電時遮断負荷である例えばオーディオ26と第2電線L2とを接続するリレー43をオフ状態とする。
【0036】
このように構成された車両用電力回生システムでは、検出した電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、上記実施形態と同様に作用するが、発電機11が電力を供給できない状態では、前記非発電時遮断負荷(非走行系負荷)が第1電線L1又は第2電線L2から遮断される。よって、発電機11が電力を供給できない状態では、予め設定された非発電時遮断負荷(非走行系負荷)への電力供給を行わないようにして、それ以外の負荷(走行系負荷)への電力供給時間を長くすることが可能となる。例えば、発電機11が電力を供給できない状態となっても、走行に関する負荷のみに電力を供給して、その供給時間、ひいては走行可能時間を長くすることが可能となる。
【0037】
・上記実施形態では、第1又は第2電線L1,L2の電圧値が予め設定された設定値まで低下すると(どちらの電線の電圧値が低下したかに関わらず)警告ランプを点灯させる構成としたが、低下した側の情報を含む情報を報知手段により報知する構成としてもよい。即ち、第1電線L1の電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、第1の報知手段により報知し、第2電線L2の電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、第2の報知手段により報知する制御部に変更してもよい。尚、前記報知手段(第1及び第2報知手段)は、警告ランプに限定されず、警告音や音声により報知するスピーカー等の他の報知手段に変更してもよい。
【0038】
このようにすると、検出された電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、第1電線L1の電圧値と第2電線L2の電圧値の低下した側の情報を含む情報が報知手段により報知されるため、運転手は電圧値の低下した側の情報を含む情報を容易に知ることができる。よって、例えば、本実施形態のように容量が大きい鉛蓄電池である第1蓄電装置12側の第1電線L1の電圧値が低下したような場合には、運転手はすぐに修理工場に向かう等、それ相応の対応を考えることが可能となる。
【0039】
・上記実施形態では、第1電線L1の電圧値と第2電線L2の電圧値の両方が検出されて、検出された電圧値の一方が設定値まで低下すると第1及び第2リレー13,14がオン状態とされる構成としたが、第1電線L1の電圧値と第2電線L2の電圧値のいずれか一方しか検出しない構成としてもよい。即ち、制御部は、第1電線L1の電圧値と第2電線L2の電圧値のいずれか一方のみを検出し、検出した電圧値が予め設定された設定値まで低下すると第1及び第2リレー13,14をオン状態とするものとしてもよい。
【0040】
・上記実施形態では、第1及び第2スイッチング素子を第1及び第2リレー13,14としたが、これに限定されず、第1及び第2リレー13,14の少なくとも一方をMOSFET(トランジスタ)等の他のスイッチング素子に変更してもよい。
【0041】
・上記実施形態では、第1蓄電装置12は鉛蓄電池であって、第2蓄電装置15はリチウムイオン電池であるとしたが、これに限定されず、それぞれ他の種類の蓄電装置に変更してもよい。
【0042】
上記実施の形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)車両用電力回生システムにおいて、前記制御部は、検出した電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、前記第1電線の電圧値と前記第2電線の電圧値の低下した側の情報を含む情報を報知手段により報知することを特徴とする車両用電力回生システム。
【0043】
同構成によれば、検出された電圧値が予め設定された設定値まで低下すると、第1電線の電圧値と第2電線の電圧値の低下した側の情報を含む情報が報知手段により報知されるため、運転手は電圧値の低下した側の情報を含む情報を容易に知ることができる。
【符号の説明】
【0044】
11…発電機、12…第1蓄電装置、13…第1リレー(第1スイッチング素子)、14…第2リレー(第2スイッチング素子)、15…第2蓄電装置、21…第1側負荷、22…第2側負荷、26…オーディオ(非発電時遮断負荷)、31…制御部、36…報知手段、L1…第1電線、L2…第2電線。
図1
図2
図3