(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被洗浄車両に対して前後方向に相対移動させながら被洗浄車両の洗車を行う洗車機本体と、前記洗車機本体に対する被洗浄車両の進入経路上に沿って配されて洗車条件を設定するリモートパネルとを有した洗車機において、
前記リモートパネルの前面に使用者の手を入れることが可能な広さに開口して凹設されるとともに所定情報を格納した識別コードの被読取媒体が挿入される凹部と、前記凹部の周壁に設けられて前記凹部内に臨むとともに前記識別コードを読み取る読取部とを備え、
前記凹部の奥壁に設定操作を行うタッチパネルが設けられ、
前記タッチパネルが下方を前方に傾斜し、前記読取部が前記凹部の天井壁に配されることを特徴とする洗車機。
前記読取部による前記識別コードの読み取りの待機状態の時に、前記読取部に対向する読取位置に前記被読取媒体を案内する案内画像を前記タッチパネルに表示したことを特徴とする請求項1に記載の洗車機。
前記凹部に挿入される被読取媒体を監視して前記タッチパネル上に画像を表示するカメラを備え、前記タッチパネルの表示画面上に前記カメラの監視画像に重ねて前記読取部による読取領域を表示したことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の洗車機。
【背景技術】
【0002】
給油所等に設置される従来の洗車機は特許文献1に開示される。この洗車機は洗車機本体及びリモートパネルを備えている。
【0003】
洗車機本体は門型に形成され、被洗浄車両を跨いで前後方向に移動する。洗車機本体の上部や側部には回転ブラシや空気を送出するブロアが設けられる。回転ブラシはモータにより回転し、洗車時に被洗浄車両に沿って摺動して洗浄する。ブロアは回転ブラシによる洗浄後に空気を送出して被洗浄車両を乾燥させる。
【0004】
リモートパネルは被洗浄車両の進入経路上に設置され、操作部及び読取部を備えている。操作部は複数の設定ボタンを有し、ユーザが設定ボタンを操作することにより所望の洗車条件を設定する。読取部はリモートパネルの前面に配されて水平方向に投光し、携帯電話等の表示部に表示される識別コード(QRコード(登録商標))を読取部により読み取る。識別コードには洗車条件や洗車料金の割引情報等が格納されている。
【0005】
上記構成の洗車機において、ユーザがリモートパネルの面前に停止して洗車条件を入力する。この時、携帯電話の表示部を読取部に対向させ、識別コードを読取部に読み取らせる。その後、洗車機本体は被洗浄車両に対して前後方向に移動し、被洗浄車両の洗浄及び乾燥を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の洗車機によると、識別コードを読取部に読み取らせる際に表示部を鉛直に配して携帯電話を持つ必要があり、誤って手を滑られて携帯電話を落としてしまう虞がある。また、読取部から水平方向に投光した光がユーザの目に光が入り、ユーザに煩わしさを感じさせる。さらに、太陽光が携帯電話の表示部に入り込み、識別コードが読み取れない場合がある。これにより、洗車機の利便性が悪くなるという問題があった。
【0008】
本発明は、利便性を向上できる洗車機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、被洗浄車両に対して前後方向に相対移動させながら被洗浄車両の洗車を行う洗車機本体と、前記洗車機本体に対する被洗浄車両の進入経路上に沿って配されて洗車条件を設定するリモートパネルとを有した洗車機において、前記リモートパネルの前面に凹設されるとともに所定情報を格納した識別コードの被読取媒体が挿入される凹部と、前記凹部の周壁に設けられて前記凹部内に臨むとともに前記識別コードを読み取る読取部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記凹部の奥壁に設定操作を行うタッチパネルが設けられることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記タッチパネルが下方を前方に傾斜し、前記読取部が前記凹部の天井壁に配されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記読取部による前記識別コードの読み取りの待機状態の時に、前記読取部に対向する読取位置に前記被読取媒体を案内する案内画像を前記タッチパネルに表示したことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記凹部に挿入される被読取媒体を監視して前記タッチパネル上に画像を表示するカメラを備え、前記タッチパネルの表示画面上に前記カメラの監視画像に重ねて前記読取部による読取領域を表示したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記読取部を配した前記周壁上に緩衝材を設けたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記読取部の前方に洗車条件に必要な操作部材又は報知部材を配したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、QRコード(登録商標)等の識別コードの被読取媒体が挿入される凹部をリモートパネルの前面に凹設し、識別コードの読取部が凹部の周壁上に配される。これにより、携帯電話機等の被読取媒体を水平に配して識別コードを読み取ることができる。このため、ユーザが誤って手を滑らせることによる被読取媒体の落下を防止することができる。また、読取部から凹部内に投光されるため、ユーザの目に光が入ることがなくユーザの煩わしさを防止することができる。更に、太陽光が被読取媒体に入り込むことを防止し、識別コードの読取不良を防止することができる。従って、洗車機の利便性を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1、
図2は本発明の一実施形態の洗車機WAを示す側面図及び正面図である。洗車機WAは洗車機本体1、レール2及びリモートパネル40を備えている。洗車機本体1は左右の対向する2つのスタンド部90と、スタンド部90の上端を連結する天井部91とを有した門型に形成される。
【0019】
レール2は地面G上に左右一対設けられ、スタンド部90の底面に設けた車輪3がレール2上に配される。これにより、洗車機本体1はレール2上に立設し、走行モータ(不図示)の駆動によりレール2上を走行して被洗浄車両CAに対して前後に相対移動する。
【0020】
洗車機本体1には被洗浄車両CA上に摺動してブラッシングする複数の回転ブラシが設けられる。回転ブラシはそれぞれ回転モータ(不図示)によって回転するトップブラシ4、サイドブラシ5及びロッカーブラシ6から成る。トップブラシ4は被洗浄車両CAの上面に沿って移動し、被洗浄車両CAの上面を洗浄する。サイドブラシ5及びロッカーブラシ6は被洗浄車両CAの両側面を洗浄する。ロッカーブラシ6はサイドブラシ5の下方に配され、被洗浄車両CAの側面下部を洗浄する。
【0021】
洗車機本体1の側部には洗剤やワックス等の各種液剤を貯液した複数の貯液タンク(不図示)を収納するタンク収納部30が配される。タンク収納部30の上方には市水及び各貯液タンクからの液剤を分配する分配配管部31が設けられる。分配配管部31には第1、第2浄水ノズル11、13、第1、第2洗剤ノズル12、15、撥水コートノズル14、ワックスノズル16がそれぞれ電磁弁(不図示)を介して導出される。
【0022】
第1、第2浄水ノズル11、13は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して市水を噴射する。第1、第2洗剤ノズル12、15は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対してシャンプーなどの洗浄液を噴射する。撥水コートノズル14及びワックスノズル16は洗車機本体1の後面に配される。撥水コートノズル14は被洗浄車両CAに対して撥水コート剤の液剤を噴射する。ワックスノズル16は被洗浄車両CAに対してワックスを噴射する。
【0023】
また、洗車機本体1には気流を発生して被洗浄車両CAを乾燥させるブロア20が設けられる。ブロア20にはトップ送風ノズル21及びサイド送風ノズル22が接続される。トップ送風ノズル21は洗車機本体1の中央上部に設けられ、被洗浄車両CAの天井面に向けて送風する。サイド送風ノズル22は洗車機本体1の両側部に設けられ、被洗浄車両CAの側面に向けて送風する。トップ送風ノズル21及びサイド送風ノズル22の送風によって洗浄後の被洗浄車両CAを乾燥させる。
【0024】
洗車機本体1の前面上部、側部には車両形状センサ8、9が設けられている。車両形状センサ8、9は光電センサや超音波センサ等から成り、洗車機本体1に進入する被洗浄車両CAの外面形状を検知する。これにより、各回転ブラシの初期位置や洗車機本体1の走行範囲が決められる。
【0025】
洗車機本体1の一方のスタンド部90の前面には操作パネル7が配される。操作パネル7は洗車条件を設定する操作ボタン(不図示)を備え、被洗浄車両CAから降車したユーザ等の操作により洗車の受け付けや洗車条件の設定を行う。
【0026】
リモートパネル40は洗車機本体1の進入経路S上に沿って配される。
図3はリモートパネル40を示す正面図である。リモートパネル40は支柱42及びパネル本体41を備えている。支柱42は進入経路Sに立設され、支柱42の上端にパネル本体41が取り付けられている。
【0027】
パネル本体41の前面41aの上部には左から返却レバー43、コイン投入口44、紙幣投入口45及びカード投入口46が設けられている。返却レバー43はコイン投入口44や紙幣投入口45で投入されたコインや紙幣を返却する際に用いられる。
【0028】
コイン投入口44からはコインが投入され、紙幣投入口45からは紙幣が投入される。カード投入口46からはプリペイドカード等のカード型記録媒体が投入される。パネル本体41の下部にはつり銭やレシートを排出する返却口48が設けられる。
【0029】
パネル本体41の右部には昇降ボタン47が設けられる。昇降ボタン47は上から上昇ボタン47aと下降ボタン47bとからなり、上昇ボタン47aを操作するとパネル本体41が上昇する。下降ボタン47bを操作すると、パネル本体41が下降する。
【0030】
パネル本体41の前面41aの中央部には前方を開口した凹部50が凹設される。凹部50の奥壁50a(
図3参照)上には洗車の設定操作を行うタッチパネル52が設けられる。タッチパネル52の後部には駆動回路52dが設けられている。
【0031】
図4は
図3のA−A断面図を示している。凹部50の奥壁50aは下方を前方に傾斜する傾斜面に形成される。これにより、タッチパネル52が傾斜し、被洗浄車両CA(
図1参照)から操作するユーザの視認性を向上することができる。
【0032】
凹部50の天井壁50bに対向したアングル55上には凹部50内に臨む読取部53が設けられる。読取部53は発光部53aから下方に光Hを投光し、反射光によって識別コードQ(
図6参照)を読み取る。識別コードQはバーコード(1次元バーコード)やQRコード(登録商標)(2次元バーコード)等から成り、洗車情報や割引情報等の所定情報が格納される。
【0033】
識別コードQは携帯電話機、タブレット端末の表示画面やレシート等に表示され、識別コードQを表示した被読取媒体Kを凹部50内に挿入して読取部53により読み取られる。凹部50の天井壁50bの奥行dは約80〜100mmに形成され、被読取媒体Kを凹部50内に容易に挿入して識別コードQを読み取ることができる。
【0034】
また、天井壁50bにはスポンジ状の環状の緩衝材51が設けられる。これにより、天井壁50bとの接触による携帯電話機等の被読取媒体Kの傷付きを防止することができる。
【0035】
また、読取部53にはカメラ54が一体に設けられている。カメラ54によって凹部50内に挿入される被読取媒体Kを監視し、監視画像がタッチパネル52上に表示される。尚、被読取媒体Kを監視するカメラ54を読取部53と別体に設けてもよい。
【0036】
また、上昇ボタン47aは読取部53の前方に配置される。これにより、パネル本体41の省スペース化を図ることができる。読取部53の前方に他のボタン、スイッチ等の操作部材や、ランプ、ブザー、液晶パネル等の報知部材を配置してもよい。
【0037】
また、リモートパネル40にはスピーカ及び車両検知センサ(いずれも不図示)が設けられている。スピーカからは案内音声が出力され、車両検知センサはリモートパネル40の面前で停止した被洗浄車両CAを検知する。
【0038】
上記構成の洗車機WAにおいて、被洗浄車両CAはリモートパネル40の面前で停車すると、車両検知センサ(不図示)が被洗浄車両CAを検知する。そして、タッチパネル52が点灯して洗車条件等の入力操作が行われる。この時、所定の操作を行うと読取部53による識別コードQの読み取りの待機状態に移行する。
【0039】
例えば、ユーザが画面をタッチして洗車条件の入力モードになると、タッチパネル52上に割引ボタン及び「洗車割引を利用する場合は割引ボタンを押して下さい」等のメッセージが表示される。そして、割引ボタンの操作によって識別コードQの読み取りの待機状態に移行する。
【0040】
図5はリモートパネル40の要部を示している。ユーザは割引ボタンを操作すると、
図5に示すような案内画像52aが表示される。案内画像52aはタッチパネル52の周縁52c上の読取部53に対向する読取位置52dに被読取媒体Kを案内するように形成される。案内画像52aは静止画だけでなく、動画であってもよい。この時、スピーカから音声が出力されてもよい。
【0041】
ユーザは識別コードQが表示されている表示部K1を上にして被読取媒体Kを横向きに凹部50に挿入する(
図4参照)。
図6、
図7はこの時のタッチパネル52を示している。タッチパネル52に
図6に示すように被読取媒体Kの監視画像が表示される。なお、タッチパネル52上の一部にカメラ54の監視画像が表示されてもよい。
【0042】
タッチパネル52の表示画面上には読取部53による読取領域52bが表示されている。識別コードQが読取領域52b内に無い場合にはメッセージM1の案内によって読取領域52b内に移動するように促される。識別コードQが読取領域52b内に配置されて識別コードQを読み取ると、メッセージM2によって読取完了が案内される。
【0043】
読取部53によって識別コードQを読み取ると、割引された洗車料金で洗車が開始される。なお、識別コードQには洗車料金の割引以外に洗車条件の設定が格納されていてもよい。
【0044】
洗車機本体1はリモートパネル40により設定された洗車条件に基づいて前後方向に移動して洗浄を開始する。この時、複数の回転ブラシは被洗浄車両CA上に摺動してブラッシングして洗浄を行う。その後、洗車機本体1の進行方向を反転して乾燥が行われる。この時、ブロア20から気流が発生して被洗浄車両CAの乾燥が行われる。
【0045】
本実施形態において、読取部53は凹部50の周壁上に設けられていればよく、側壁に設けてもよい。また、読取部53がタッチパネル52を設置する凹部50に臨んで設置されるが、タッチパネル52と異なる位置にパネル本体41に凹設した凹部50に臨んで読取部53を配置してもよい。
【0046】
本実施形態によると、QRコード(登録商標)等の識別コードQの被読取媒体Kが挿入される凹部50をリモートパネル40の前面41aに凹設し、識別コードQの読取部53が凹部50の周壁上に配される。これにより、携帯電話機等の被読取媒体Kを水平に配して識別コードQを読み取ることができる。このため、ユーザが誤って手を滑らせることによる被読取媒体Kの落下を防止することができる。また、読取部53から凹部50内に投光されるため、ユーザの目に光Hが入ることがなくユーザの煩わしさを防止することができる。更に、太陽光が被読取媒体Kに入り込むことを防止し、識別コードQの読取不良を防止することができる。従って、洗車機WAの利便性を向上することができる。
【0047】
また、凹部50の奥壁50aに設定操作を行うタッチパネル52が設けられるため、タッチパネル52により凹部50内が照明される。これにより、読取部53に対向して被読取媒体K上の識別コードQを容易に配置することができる。
【0048】
また、タッチパネル52が下方を前方に傾斜し、読取部53が凹部50の天井壁50bに配されるため、凹部50の奥行を活用して読取部53の読み取りスペースを確保することができる。従って、リモートパネル40の省スペース化を図ることができる。
【0049】
また、読取部53による識別コードQの読み取りの待機状態の時に、タッチパネル52の周縁52c上の読取部53に対向する読取位置52dに被読取媒体Kを案内する案内画像52aを表示したため、容易に読取部53の位置を把握することができる。
【0050】
また、凹部50に挿入される被読取媒体Kを監視してタッチパネル52上に画像を表示するカメラ54を備え、カメラ54の表示画面上に読取部53による読取領域52bを表示したため、ユーザは容易に識別コードQを読取部53に読み取らせることができる。
【0051】
また、読取部53を配した天井壁50b上に緩衝材51を設けたため、被読取媒体Kの損傷を防止することができる。
【0052】
また、読取部53の前方に上昇ボタン47a等の洗車条件に必要な操作部材や報知部材を配すると、リモートパネル40の省スペース化を図ることができる。