(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
農産物乾燥用の乾燥室(3)と、低燃焼用燃料ポンプ(56a)と高燃焼用燃料ポンプ(56b)から燃料が送られ燃焼するガンタイプバーナ(5)と、内部に熱風の通過する空間を備えた遠赤外線放射体(23)とを備えた農産物用乾燥機において、バーナ(5)の燃焼開始時には低燃焼用燃料ポンプ(56a)を駆動してバーナ(5)の燃焼を開始し、設定時間経過後に低燃焼用燃料ポンプ(56a)の駆動状態で高燃焼用燃料ポンプ(56b)を駆動しバーナ(5)を燃焼する制御部(38)を設けたことを特徴とする農作物乾燥機。
請求項1の発明において、前記バーナ(5)の燃焼開始時には低燃焼用燃料ポンプ(56a)を設定周期で間欠駆動し、設定時間経過後に前記低燃焼用燃料ポンプ(56a)を間欠駆動又は連続駆動しながら高燃焼用ポンプ(56b)の間欠駆動を開始する制御部(38)を設けたことを特徴とする農作物乾燥機。
請求項1又は請求項2の発明において、乾燥運転終了後においてバーナ送風ファン(58)及び吸引排気ファン(7)を設定時間にわたり駆動を継続するバーナ冷却運転を行い、該バーナ冷却運転時間を低燃焼用燃料ポンプ(56a),高燃焼用ポンプ(56b)の駆動時間の長短に応じて前記バーナ冷却運転時間を長短に変更設定する制御部(38)を設けたことを特徴とする農作物乾燥機。
請求項1乃至請求項3のいずれかの発明において、前記乾燥室(3)における乾燥農産物の投入量を設定する投入量入力手段(26,48)を設け、前記低燃焼用燃料ポンプ(56a)と高燃焼用燃料ポンプ(56b)とをそれぞれ設定周期毎に送り工程と送り停止工程の間欠駆動をするにあたり、乾燥室(3)の農産物投入量の多少に応じて送り工程時間を増減し、前記投入量の多いときには前記バーナ(5)の燃焼開始時の再着火回数を少なくし、投入量の少ないときには再着火回数を多くする制御部(38)を設けたことを特徴とする農作物乾燥機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガンタイプバーナでは熱風温度を調節制御するために通常例えば1分間の1周期における燃焼工程と燃焼停止工程の時間をそれぞれ増減調節しながら燃焼工程と燃焼停止工程を交互に繰り返す燃焼制御がなされる。
【0005】
遠赤外線放射体を搭載する農作物用乾燥機においては、燃焼開始時に急激に温度を上昇させると、爆燃(ノッキング)による音を発することがある。
本発明は、このような不具合を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、農産物乾燥用の乾燥室(3)と、低燃焼用燃料ポンプ(56a)と高燃焼用燃料ポンプ(56b)から燃料が送られ燃焼するガンタイプバーナ(5)と、内部に熱風の通過する空間を備えた遠赤外線放射体(23)とを備えた農産物用乾燥機において、バーナ(5)の燃焼開始時には低燃焼用燃料ポンプ(56a)を駆動してバーナ(5)の燃焼を開始し、設定時間経過後に低燃焼用燃料ポンプ(56a)の駆動状態で高燃焼用燃料ポンプ(56b)を駆動しバーナ(5)を燃焼する制御部(38)を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記バーナ(5)の燃焼開始時には低燃焼用燃料ポンプ(56a)を設定周期で間欠駆動し、設定時間経過後に前記低燃焼用燃料ポンプ(56a)を間欠駆動又は連続駆動しながら高燃焼用ポンプ(56b)の間欠駆動を開始する制御部(38)を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、乾燥運転終了後においてバーナ送風ファン(58)及び吸引排気ファン(7)を設定時間にわたり駆動を継続するバーナ冷却運転を行い、該バーナ冷却運転時間を低燃焼用燃料ポンプ(56a),高燃焼用ポンプ(56b)の駆動時間の長短に応じて前記バーナ冷却運転時間を長短に変更設定する制御部(38)を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの発明において、前記乾燥室(3)における乾燥農産物の投入量を設定する投入量入力手段(26,48)を設け、前記低燃焼用燃料ポンプ(56a)と高燃焼用燃料ポンプ(56b)とをそれぞれ設定周期毎に送り工程と送り停止工程の間欠駆動をするにあたり、乾燥室(3)の農産物投入量の多少に応じて送り工程時間を増減し、前記投入量の多いときには前記バーナ(5)の燃焼開始時の再着火回数を少なくし、投入量の少ないときには再着火回数を多くする制御部(38)を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によると、遠赤外線放射体(23)の内部の温度が急激に上昇することによる爆燃(ノッキング)による音を発することを不具合を防止することができる。
請求項2の発明によると、遠赤外線放射体(23)の温度上昇を円滑良好にすることができる。
【0011】
請求項3の発明によると、請求項1又は請求項2記載の発明の前記効果に加えて、乾燥運転の終了に伴うバーナ(5)の燃焼停止後のバーナ冷却運転時間を適切に実行することができる。
【0012】
請求項4の発明によると、請求項1乃至請求項3のいずれかの発明の効果に加えて、バーナ(5)の燃焼開始時の着火を円滑適切にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
前記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下図面を参照しつつ説明する。
まず、
図1及び
図2に基づきこの発明を具備する循環式穀物乾燥機の全体構成について説明する。
【0015】
1は乾燥機の機枠で、この機枠1内には貯溜室2,乾燥室3,集穀室4を上方から下方に順次配設している。乾燥室3には複数の左右穀粒流下通路9,9を形成し、左右穀粒流下通路9,9の前後一側にはバーナ5のバーナ風胴25に通じる熱風室6を配設し、左右穀粒流下通路9,9の前後他側には吸引排気ファン7のファン胴7aに通じる排風室8,8を配設し、左右穀粒流下通路9,9の下端部に繰出バルブ10を設けている。
【0016】
前記機枠1の外側には集穀室4の前後一側に集めた穀粒を貯溜室2に揚穀還元する昇降機11を立設している。この昇降機11内の上下の駆動プーリ,従動プーリにバケットベルト13を巻き掛け、集穀室4の底部に設ける下部搬送装置14により乾燥穀粒を前後一側に移送し、昇降機11により揚穀するようにしている。昇降機11で揚穀された穀粒を上部搬送装置16の始端側に供給し、更に上部搬送装置16により横送して貯溜室2の上部中央に配設する回転拡散板18に送り、貯溜室2内に拡散落下させる。
【0017】
前記昇降機11,下部搬送装置14,上部搬送装置16から構成されている穀粒循環系は、昇降機11の機枠上部に配設している昇降機モータ(図示省略)により駆動される。また、昇降機11における上下中途部の壁面には水分計(図示省略)を設け、バケットベルト13の上昇行程と下降行程の間隔部に設けた取込み口(図示省略)からサンプル粒を取り込み、水分値を測定する。この水分計は、例えば一対の電極ロール間でサンプル粒を1粒づつ圧縮粉砕し、その抵抗値を電気的に処理し一粒づつの水分値に換算する公知のものである。
【0018】
図2〜
図4に示すように、吸引排気ファン7のファン胴7aに接続されている排風排出筒31の上部には排出された乾燥済み排風を熱風室6へ戻す排風戻し筒32を設け、排風戻し筒32の終端側を乾燥室3の後側機壁33の排風戻し口に接続し、排風戻し筒32を経由した乾燥済み排風を熱風室6に再度供給するようにしている。
【0019】
排風戻し筒32には排風調節弁34を設け、乾燥済み排風を機外への排出量と排風戻し筒32への戻し量との割合を調節するようにしている。排風調節弁34は排風調節モータ(図示省略)で駆動調節する。
【0020】
また、左右穀粒流下通路9,9の左右中間部に位置する乾燥室3には、遠赤外線放射体23を配設している。この遠赤外線放射体23は、熱風室6内にあってバーナ5の燃焼面と対向するように配設している前後方向に沿う内側遠赤外線放射体23aと、その外側を被覆するように配設されている外側遠赤外線放射体23bとで構成されている。
【0021】
この外側遠赤外線放射体23bの後側小径部に熱風排出筒24の始端側を後側に延出するように接続し、熱風排出筒24の始端側部を前側を向くように側面視半円状に屈曲形成し、その中間部,終端側を外側遠赤外線放射体23bの上側を通して前側に延出し、熱風室6の前側部に開口している。
【0022】
内側遠赤外線放射体23a,外側遠赤外線放射体23bには遠赤外線放射塗料を塗布し、集穀室4の左右穀粒流下通路9,9を流下する穀粒に遠赤外線放射熱を浴びせ穀粒の乾燥を促進させる。
【0023】
しかして、バーナ5で生成された熱はバーナ送風ファン58の圧風作用,吸引排気ファン7の吸引作用で内側遠赤外線放射体23a,外側遠赤外線放射体23b,熱風排出筒24の内部を順次通過し熱風室6内に熱風として供給され、更に、熱風は左右穀粒流下通路9,9,左右排風室8,8を流れながら穀粒を乾燥し、吸引排気ファン7により吸引排出される。吸引排気ファン9で排出された乾燥済み排風は排風戻し筒32の排風調節弁34を経て熱風室6の後側部に再度流れ、熱風室6の熱風と混合され左右穀粒流下通路9,9の穀粒に作用し乾燥する。
【0024】
図2に示すように、バーナ風胴25の上方にコントロールボックス35を設け、コントロールボックス35の前側に設けた操作パネル36には、張込スイッチ41,通風スイッチ42,乾燥スイッチ43,排出スイッチ44,停止スイッチ45を設けている。操作パネル36には運転表示画面(図示省略)を設け、乾燥運転中の検出熱風温度,測定水分値,乾燥運転終了までの残時間を順次表示するようにしている。
【0025】
また、操作パネル36には張込量を設定する張込量設定スイッチ48,到達目標水分値を設定する水分設定スイッチ49,及び,これらの張込量設定スイッチ48,水分設定スイッチ49の設定値を表示する設定表示パネル(図示省略),該設定表示パネルの設定値を変更する数値増減スイッチ51を設けている。また、乾燥対象である穀物種類を設定する穀物設定スイッチ52,乾燥速度を設定する乾燥速度設定スイッチ53を設けている。
【0026】
なお、熱風室6内の温度を検出する熱風温度検出センサ54,外気温度を検出する外気温度検出センサ55を設けている。
コントロールボックス35には制御部38を設け、制御部38の入力側には各種スイッチ,センサ類を接続し、出力側には、出力回路,駆動回路を経由して吸引排気ファン7,昇降機モータ(図示省略),繰出バルブモータ(図示省略),バーナ駆動手段(図示省略),水分計駆動手段(図示省略),表示装置(図示省略)などを接続している。
【0027】
次に、穀物乾燥機の乾燥運転の概要について説明する。
オペレータが張込スイッチ41を操作すると、昇降機,上部ラセン16が駆動され張込穀粒が順次貯溜室2に張り込まれる。張込運転が終了すると、オペレータは張込量スイッチ48を操作し張込穀粒量を設定する(なお、
図2に示すように張込量検出手段20を設け、張込量を検出し自動設定するようにしてもよい)。次いで、水分設定スイッチ49を操作し到達目標水分値(例えば14%)を設定し、次いで、穀物設定スイッチ52を操作し乾燥対象穀物を設定し、乾燥速度設定スイッチ53を操作し乾燥速度を設定する。
【0028】
次いで、乾燥スイッチ43を操作すると乾燥運転が開始され、繰出バルブ10,下部ラセン14,昇降機11,上部ラセン16の循環系の駆動が開始される。次いで、バーナ5の燃焼が開始され、制御部38の乾燥運転制御手段に基づき設定された穀粒張込量,設定乾燥速度,水分計26の測定穀物水分値,検出外気温度などの条件によりバーナ5の燃焼量が調節されつつ乾燥運転が実行され、水分計26の測定水分値が設定水分値に到達すると、バーナ5の燃焼を停止し乾燥運転を終了する。
【0029】
本実施の形態のバーナ5はいわゆるガンタイプバーナであり、燃料タンク(図示省略)から低燃焼用燃料ポンプ56a(例えば送り能力6リットル/1時間),高燃焼用燃料ポンプ56b(例えば送り能力6リットル/1時間)で送り出した燃料をバーナ5のノズルから噴霧し、イグナイタ57で着火燃焼させる。
【0030】
本実施の形態の燃料ポンプの繰り出し能力は常時一定のものを採用し、バーナ5を定常燃焼させ熱風温度は一定となるようにしている。しかしながら、穀物乾燥機の穀物の張込量や外気温度に応じて熱風温度を変更制御する必要がある。そこて、所定単位時間の周期(例えば1分)において低燃焼用燃料ポンプ56a,高燃焼用燃料ポンプ56bの燃料送り工程に伴う燃焼工程と燃料送り停止工程に伴う燃焼停止工程とを交互に設定し、所定の周期で燃焼,停止を繰り返すようにし熱風温度を高低に制御するようにしている。
【0031】
すなわち、目標熱風温度が低いほど、1周期の燃焼工程時間を短くし(例えば40秒)、燃焼停止工程を長く(例えば20秒)する。また、目標熱風温度が高いほど、1周期の燃焼工程を長くし(例えば55秒)、1周期の燃焼停止工程を短く(例えば5秒)している。
【0032】
図4に示すように、低燃焼用燃料ポンプ56aと高燃焼用燃料ポンプ56bは間欠燃焼運転と連続燃焼運転の組み合わせで熱風温度を調節している。そして、さらに、前述の通り間欠運転時の1周期の燃焼工程時間の調節により、無段階に近い熱風温度を調節できる構成である。
【0033】
吸引排気ファン7は排風ファンモータ60により駆動している。排風ファンモータ60は固定速モータを用いてもよいが、可変速モータを採用し、燃焼工程から燃焼停止工程に移行したときに、吸引排気ファン7の回転数を標準から低速に減少制御するようにしてもよい。これにより吸引排気ファン7で吸引する熱風量を減少させることにより、燃焼停止中の熱風室6内の熱風温度の急激な低下による穀温の低下を抑制し、穀粒の胴割れを防止することができる。さらに、吸引排気ファン7の回転数を減少制御すると共に乾燥済み排風を熱風室6に戻す割合を増加させ、燃焼停止工程から燃焼工程に移行したときには吸引排気ファン7の回転数を標準回転数に復帰させるようにしてもよい。
【0034】
次に、バーナ5の燃焼制御について説明する。
燃料ポンプは低燃焼用燃料ポンプ56aと高燃焼用燃料ポンプ56bとで構成し、制御部38の燃焼制御手段に基づきバーナ5の燃焼開始時には低燃焼用燃料ポンプ56aを間欠駆動し少量燃焼での燃焼を開始し、設定時間経過後、例えば1周期を2回行った(すなわち2分後)後に低燃焼用燃料ポンプ56aの間欠駆動を継続しながら高燃焼用燃料ポンプ56bの間欠駆動を開始し、順次、バーナ5を燃焼量を増加させるようにしている。
【0035】
前記構成によると、バーナ5の初期燃焼を円滑良好にすることができる。また、初期燃焼時に低燃焼用燃料ポンプ56aと高燃焼用燃料ポンプ56bを同時に駆動すると、遠赤外線放射体23内の急激な温度上昇により爆燃(ノッキング)による異常燃焼が発生し金槌でたたくような音を発することがあるが、このような不具合を防止することができる。
【0036】
また、低燃焼用燃料ポンプ56aと高燃焼用燃料ポンプ56bとをそれぞれ設定時間周期で燃料送り工程と燃料送り停止工程の間欠駆動をするようにし、バーナ5の燃焼開始時には低燃焼用燃料ポンプ56aを所定時間の設定周期で間欠駆動し、バーナ5の多量燃焼時には低燃焼用燃料ポンプ56aの間欠駆動を継続しながら高燃焼用ポンプ56bの間欠駆動を開始するようにし、遠赤外線放射体23の温度上昇を円滑にするようにしている。
【0037】
また、穀物乾燥機の乾燥運転停止時には、低燃焼用燃料ポンプ56a,高燃焼用燃料ポンプ56bの間欠駆動を停止し、設定時間にわたりバーナ送風ファン58及び吸引排気ファン7の駆動を継続しその後に停止するようにし、バーナ7を冷却した後に停止するバーナ冷却運転する。そして、このバーナ冷却運転時間は低燃焼用燃料ポンプ56a,高燃焼用ポンプ56bの1周期当りの駆動時間の長短に応じてバーナ冷却運転時間を長短に変更するようにし、乾燥運転終了後のバーナ5の冷却運転時間を適切にするようにしている。
【0038】
また、乾燥室3の穀物張込量の手動設定あるいは張込量自動設定の張込量の多少に応じて設定周期毎の低燃焼用燃料ポンプ56a,高燃焼用燃料ポンプ56bの燃料送り工程,燃料送り停止工程の間欠駆動比率を増減調節し、熱風温度を高低に調節するようにしている。
【0039】
また、乾燥室3の穀物張込量の多いときにはバーナ5の燃焼開始時における再着火回数を少なくし、穀物張込の少ないときには再着火回数を多くし、バーナ5の燃焼開始時の着火燃焼を円滑にしている。
【0040】
なお、
図6は、燃焼開始時における低燃焼用燃料ポンプ56a,高燃焼用燃料ポンプ56bの間欠駆動状態を示すタイムチャートである。
次に、バーナ5の燃焼制御の他の実施形態について説明する。
【0041】
貯溜室2,乾燥室3,集穀室4,遠赤外線放射体23を備え、穀粒の張込量を設定する手段,水分計26を備え、検出水分値,検出熱風温度,検出外気温度などのデータにより乾燥運転を制御する制御部38を備え、遠赤外線放射体23の左右両側に左右穀粒流下通路9,9を設け、低燃焼用燃料ポンプ56aと高燃焼用燃料ポンプ56bとをそれぞれ設定時間の周期で燃焼工程と燃焼停止工程の間欠駆動をしながらバーナ5を燃焼制御し、遠赤外線放射体23の下方に設けた単一の繰出バルブ10で穀粒を繰り出しながら穀粒を乾燥する穀物乾燥機において、制御部38の燃焼制御手段に基づきバーナ5の初期点火工程では低燃焼用燃料ポンプ56aだけを所定時間の周期(例えば1分)において所定時間のポンプのON,OFF駆動でバーナ5を燃焼させ、所定時間経過後には低燃焼用燃料ポンプ56aのON,OFF駆動を停止し、高燃焼用燃料ポンプ56bだけを所定時間の周期(例えば1分)で所定時間のポンプのON,OFF駆動でバーナ5を燃焼させ、次いで、設定時間経過後に低燃焼用燃料ポンプ56a及び高燃焼用燃料ポンプ56bを共にON/OFF駆動する通常の燃焼制御に移行する。
【0042】
前記構成によると、バーナ5の初期点火性能を向上させ、バーナ5の燃焼開始時における燃焼量を順次高め遠赤外線放射体23の初期温め効果を高め、遠赤外線放射効果を円滑化し乾燥効率を高めることができる。
【0043】
前記穀物乾燥機において、バーナ5の燃焼開始時にイグナイタ57を作動し着火燃焼させるにあたり、制御部38のバーナ着火制御手段に基づき穀粒の張込量の多少に応じてバーナ5の燃焼開始時のイグナイタ57の再着火作動回数を増減変更(例えば、張込量が所定量より少ない少量張込の場合には再着火回数を10回とし、所定量より多い多量張込の場合には着火回数を5回にする)するようにしている。
【0044】
少量張込の場合には外気温度が低いときにはバーナ5が着火しにくいことがある。これは張込穀物が少ないときには穀粒流下通路9,9全体に穀粒が満たされていないことがあり、熱風が穀粒流下通路9,9を吹き抜け風速が速くなりバーナ5の着火が困難となる。しかし、前記構成によると、少量張込時には着火回数を増やすことにより、再点火工程で正常燃焼に復帰させバーナ5を円滑に着火燃焼させることができる。
【0045】
前記穀物乾燥機において、繰出バルブ10の上方近傍に例えば圧電センサで構成されている投入量検出手段59,…(
図1に示す)を前後方向に複数設け、投入量検出手段59,…の検出投入量が所定の基準投入量より少なくなると、制御部38のバーナ燃焼減少制御手段に基づき低燃焼用燃料ポンプ56a,高燃焼用燃料ポンプ56bの燃料送り工程の時間を最小に調節しバーナ5の燃焼量を下げ、乾燥穀粒の過剰乾燥を防止するようにしている。
【0046】
前記穀物乾燥機において、繰出バルブ10の上方近傍に圧電センサで構成されている投入量検出手段59,…を前後方向に複数設け、投入量検出手段59,…の検出投入量が所定の基準投入量より少なくなると、制御部38のバーナ燃焼減少制御手段,バーナ風調ファン制御手段に基づき低燃焼用燃料ポンプ56a,高燃焼用燃料ポンプ56bの燃料送り工程の時間を最小に調節しバーナ5の燃焼量を下げると共に、バーナ風調ファン59の回転数を減少調節するようにしている。
【0047】
前記構成によると、低燃焼用燃料ポンプ56a,高燃焼用燃料ポンプ56bの燃料送り工程の時間を最小に調節しながらバーナ風調ファン59の回転数を下げることにより、バーナ5の失火を防止しながら燃焼量を減少させ、乾燥穀粒の過剰乾燥を防止することができる。
【0048】
前記穀物乾燥機において、排風温度センサ(図示省略)の検出値が所定基準値を超えて上昇した場合には、制御部38の異常報知手段に基づき乾燥異常報知をし,あるいは,例えばバーナ5の燃焼を停止する異常措置を講じるようにしている。なお、穀粒の貯溜量が乾燥室3を超えて貯溜室2の下部まで満たされている場合には、基準値を例えば50℃とし、あるいは、穀粒の貯溜量が乾燥室3を満たしていない場合には例えば基準値を55℃とし、前記所定基準値を変更設定できるようにしている。
【0049】
前記構成によると、穀物乾燥機の穀粒張り込み量の多少に応じて乾燥済み排風の異常高温を適切に判定し、乾燥穀粒の過剰乾燥を適切に防止することができる。