(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2検索範囲設定部は、前記工事場所抽出部が抽出した前記第2工事情報群による工事の作業量に応じて、前記第2検索範囲の半径の大きさを変えることを特徴とする請求項1記載の工事支援装置。
【背景技術】
【0002】
配電線路工事の工事計画は、工事支援システムを用いて作成される。工事支援システムは、実施予定の工事情報が登録されているデータベースを備えている。工事情報には、工事毎に付せられるID番号、工事を行う電柱の位置情報等が含まれている。
【0003】
そしてオペレータが、工事支援システムを操作して、必ず実施すべき必須工事のID番号、及び必須工事場所を中心とする円形の検索範囲の半径の値(例えば、200m)を入力する。工事支援システムは、各工事情報の位置情報に基づいて、必須工事の工事場所を中心に半径200mの円内に位置している工事場所の工事情報をデータベースから探し出し、抽出してリスト表示する。
【0004】
これにより、作業員は、必須工事の機会に実施可能な工事に関する情報を工事支援システムから取得することができる。そして、作業員が、取得した各工事の内容、場所、更に作業員の施工能力等を考慮したうえで工事計画を作成することによって、工事計画を効率的に進めることが可能になる。
【0005】
また、従来この種の技術としては、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1には、配電工事の行われる箇所が工事の進捗状況に対応した表示のマークで表示される配電工事管理システムについて開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、配電線路は樹枝状に広がっていることを考慮すると、データベースから取得した工事場所は、円形の検索範囲内において偏って分布している場合が考えられる。
【0008】
ここで、半径200mの円内の工事場所が必須工事の実施機会に工事可能であるならば、作業員は、最大400mの距離であれば十分に移動可能とある。このため、偏って分布している工事場所において、検索範囲の近傍でかつ検索範囲から外れている工事場所の工事は、必須工事の機会に実施することが可能である。しかし、従来の工事支援システムによれば、そのような工事情報がデータベースから抽出されないため、結果として、更なる効率化を図ることが困難になる。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決し、必須工事の機会に実施可能な工事の情報をデータベースからより多く抽出可能にすることによって、より効率良く工事を進めることを可能にした工事支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
【0011】
(1) 工事毎に付せられた識別情報、工事場所を特定する位置情報及び工事に関連する関連情報を含む実施予定の工事情報が登録されるデータベースと、オペレータ操作により、前記データベースに登録されている工事情報の中から所定の工事情報を指定工事情報として選択する操作部と、前記操作部によって選択された指定工事情報の工事場所を中心として第1検索範囲を設定する第1検索範囲設定部と、前記位置情報に基づいて、前記データベースから前記第1検索範囲内に工事場所が位置する工事情報を探し出し、当該工事情報からなる第1工事情報群を前記データベースから抽出する工事場所抽出部と、前記第1検索範囲の中心を、前記第1工事情報群の工事場所が全て前記第1検索範囲内に含まれる範囲で移動させ、前記第1検索範囲の外側に位置する工事場所が含まれるように第2検索範囲を設定する第2検索範囲設定部と、を備え、前記工事場所抽出部は、前記データベースから前記第2検索範囲内に工事場所が位置する工事情報を探し出し、当該工事情報からなる第2工事情報群を前記データベースから抽出することを特徴とする工事支援装置。
【0012】
(1)によれば、工事場所抽出部が第1検索範囲を検索して、第1工事情報群を抽出し、更に、第1検索範囲の中心を移動させ、第1検索範囲の範囲外にあって工事場所ができるだけ範囲内に含まれるような中心位置を第2検索範囲の中心に設定する。これにより、最初の検索で抽出できなかった工事情報を次の検索で抽出できる場合がある。その結果、例えば、必須工事の実施機会に実施できる工事に関する情報を取得することが可能になり、より効率良く工事を進めることが可能になる。
【0013】
(2) (1)において、前記第1検索範囲及び第2検索範囲は、円形であることを特徴とする工事支援装置。
【0014】
(2)によれば、第1検索範囲及び第2検索範囲を、半径を指定することによって容易に設定可能になる。
【0015】
(3) (2)において、第2検索範囲設定部は、前記工事場所抽出部が抽出した前記第2工事情報群による工事の作業量に応じて、前記第2検索範囲の半径の大きさを変えることを特徴とする工事支援装置。
【0016】
(3)によれば、検索範囲の大きさを適宜変えることが可能になり、必須工事の実施機会に実施できる工事に関する情報をより多く取得することが可能になる。これにより、より効率良く工事を進めることが可能になる。
【0017】
(4) (1)〜(3)において、前記工事場所抽出部によって抽出された前記第1工事情報群の位置情報に基づいて、前記第1検索範囲における工事場所の分布に偏りがあるか否かを判定する偏り判定部を、更に備え、前記第2検索範囲設定部は、前記偏り判定部が、工事場所の分布に偏りがあると判定した場合に、前記第1検索範囲の中心を前記第1工事情報群の工事場所の分布における偏っている側に移動させて前記第2検索範囲を設定することを特徴とする工事支援装置。
【0018】
(4)によれば、工事場所抽出部が最初に抽出した第1工事情報群の工事場所の分布が第1検索範囲おいて偏っている場合、偏っている側に検索範囲を移動させて第2検索範囲を設定する。そして、次に、工事場所抽出部が第2検索範囲に含まれる工事情報をデータベースから検索し、第2工事情報群を抽出する。これにより、最初の検索で抽出できなかった工事情報を次の検索で抽出できる場合がある。その結果、例えば、必須工事の実施機会に実施できる工事に関する情報を取得することが可能になり、より効率良く工事を進めることが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、より効率的に工事計画を策定するための情報が取得できる工事支援装置を提供することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態における工事支援装置1の概略構成を示すブロック図である。工事支援装置1は、装置全体を制御するCPU10と、各種のプログラムやデータが記憶されている大容量記憶装置12と、オペレータの操作によって各種の入力を行うキーボード14及びマウス16と、各種の情報を表示するディスプレイ18と、を備えている。
【0022】
CPU10は、大容量記憶装置12に記憶されているプログラムを実行することにより、第1検索範囲設定部20、工事場所抽出部22、偏り判定部24、第2検索範囲設定部26、抽出結果表示部28、としての機能を果たす。
【0023】
大容量記憶装置12には、実施予定の工事情報が登録されている工事データベース12aが記憶されている。工事情報は、工事毎に付せられるID番号、工事を行う電柱の位置情報及び工事に関連する関連情報を含んでいる。電柱の位置情報は、GPS座標によって表される緯度、経度からなり、関連情報は、工事内容、修理内容、工事優先度、竣工指定日等の情報からなる。
【0024】
第1検索範囲設定部20は、第1検索範囲を規定する値を設定する。本実施形態においては第1検索範囲が円形であるため、第1検索範囲の中心となる位置情報と、半径の値が設定される。第1検索範囲の中心となる位置情報としては、オペレータがキーボード14を操作して、必ず実施すべき必須工事のID番号を指定入力した場合に、このID番号に関連付けられている位置情報、すなわち緯度、経度情報が設定される。半径の値としては、オペレータがキーボード14を操作して入力した値が設定される。
【0025】
工事場所抽出部22は、工事データベース12aに登録されている工事情報の中から、第1検索範囲設定部20で設定した第1検索範囲に含まれている位置情報を有する工事情報を探し出す。そして探し出した工事情報からなる第1工事情報群を工事データベース12aから抽出する。また、詳細は後述するが、第2検索範囲設定部26で第2検索範囲が再設定された場合、工事場所抽出部22は、再設定された第2検索範囲に含まれている位置情報を有する工事情報を探し出す。そして探し出した工事情報からなる第2工事情報群を工事データベース12aから抽出する。
【0026】
具体的に、工事場所抽出部22は、最初に、第1検索範囲の中心となる位置情報及び半径の値に基づいて、円形の第1検索範囲を囲む正方形の仮想領域を設定する。ここで、仮想領域の正方形における縦線は経線に平行であり、横線は緯線に平行であり、第1検索範囲の中心と正方形の中心は一致したものとする。次に、工事場所抽出部22は、工事データベース12aに登録されている工事情報の中から、正方形の仮想領域内に含まれている位置情報を有する工事情報を探し出す。次に、工事場所抽出部22は、探し出した工事情報の位置情報に基づいて第1検索範囲の中心から工事場所までの直線距離を求め、この直線距離と第1検索範囲の半径とを比較する。そして、正方形の仮想領域内の工事情報を、直線距離が半径以下の工事情報に絞り込む。この絞り込んだ工事情報が、第1工事情報群として工事データベース12aから抽出される。
【0027】
偏り判定部24は、工事場所抽出部22によって工事データベース12aから抽出された第1工事情報群の位置情報に基づいて、第1検索範囲内における工事場所の分布に偏りが見られるか否かを判定する。一例として、偏り判定部24は、中心から半径方向延びる2本の仮想線(
図4中の破線)によって、全ての工事場所が含まれるように第1検索範囲を区切り、これら2本の仮想線の中心角が180度以下であれば偏っていると判定する。
【0028】
第2検索範囲設定部26は、偏り判定部24が工事場所の分布に偏りがあると判定した場合に、第1検索範囲の中心を工事場所の分布における偏っている側に移動させて、第2検索範囲を設定する。一例として、工事場所の緯度における最上位と最下位の値の平均値及び経度における最上位と最下位の値の平均値の位置を、第2検索範囲の中心として設定する。
【0029】
抽出結果表示部28は、工事場所抽出部22が抽出した第1工事情報群あるいは第2工事情報群をディスプレイ18にリスト表示する。
【0030】
図2は、検索画面及び工事データベース12aに登録されている工事情報リストを示す説明図である。
【0031】
検索画面には、指定工事情報に相当するID番号の入力欄、半径値の入力欄、抽出ボタン、すべて表示ボタン、中心補正ボタン、抽出件数の表示欄、表示中工事額の表示欄、選択IDの緯度・経度の表示欄、中心補正後の緯度・経度の表示欄等が含まれている。
【0032】
ID番号及び半径値は、オペレータによるキーボード14の操作によって入力欄に入力される。抽出ボタン、すべて表示ボタン及び中心補正ボタンは、オペレータによるマウス16の操作によってカーソルをボタン上に置いてクリックすることにより、工事場所抽出部22による第1工事情報群の抽出処理、抽出結果表示部28による抽出結果のリスト表示処理、第2検索範囲設定部26及び工事場所抽出部22による第2検索範囲の設定、第2工事情報群の抽出処理が実行される。
【0033】
工事情報リストには、ID番号、地区名、線路名、請負代、工事の分類、優先度、竣工指定日までの残り日数、緯度・経度等の項目が含まれている。また、工事情報リストには、図示しないがそれ以外にも電柱番号、原票番号等の項目が含まれている。
【0034】
次に、本実施形態の工事支援装置1を用いた、必須工事の実施機会に実施できる工事情報の抽出手順について説明する。
【0035】
まず作業員は、
図2に示す工事情報リストを参照しながら、必ず実施する必須工事を決定する。本実施形態においては、ID番号(27)の工事を実施する場合を例として説明する。
【0036】
次に、作業員は、検索画面のID番号の入力欄及び半径値の入力欄にそれぞれ入力して、抽出ボタンを押下する。本実施形態においては、検索画面のID番号の入力欄に「27」と入力し、半径値の入力欄に「200」と入力する。これにより、ID番号(27)に関連付けられている緯度・経度の位置を中心とする半径200mの円内の範囲が第1検索範囲として設定され、この第1検索範囲に工事場所が含まれている第1工事情報群が工事データベース12aから抽出される。
【0037】
図3は、工事データベース12aに登録されている一部の工事情報に対応する工事場所を地図上に表したものである。
図2に示す地図には、ID番号(1)、(27)〜(30)、(997)、(998)に対応する工事場所が表示されている。
【0038】
図4は、
図3の地図に、ID番号(27)の工事場所を中心として半径200mの縮尺の実線の円を書き込んだ図である。なお、
図4に書き込まれている2点鎖線の円は、ID番号(27)の工事場所を中心として半径300mの範囲を示すものである。
図4に示すように、ID番号(27)の工事場所を中心として半径200mの縮尺の実線の円内には、ID番号(27)〜(30)の工事場所が位置しており、半径200mの円の外側に、ID番号(1)、(26)、(997)、(998)の工事場所が位置している。
【0039】
このため、オペレータが、
図2に示す検索画面のID番号の入力欄に「27」と入力し、半径値の入力欄に「200」と入力して、抽出ボタンを押下すると、ID番号(27)〜(30)の4つの工事情報が第1工事情報群として抽出される。このため、
図5に示すように、検索画面の抽出件数の欄には4件と表示され、選択IDの緯度・経度の欄には、ID番号(27)に関連付けられている緯度・経度が表示される。そして更に、オペレータが、すべて表示ボタンを押下すると、
図5に示すように、検索画面とともに、第1工事情報群すなわちID番号(27)〜(30)の4つの工事情報がリスト表示される。なお、
図5に示す検索結果を見て、検索範囲を広げて再検索したい場合には、半径値の入力欄に入力する値を任意に変更して、抽出ボタンを押下する。例えば、半径値の入力欄を「200」から「300」と変更して抽出ボタンを押下することにより、
図4における、ID番号(26)〜(30)、(997)、(998)の7つの工事情報が抽出される。
【0040】
次に、オペレータが、
図5に示す検索画面において中心補正ボタンを押下することにより、第2検索範囲の設定が行われる。まず、偏り判定部24が、抽出されたID番号(28)〜(30)の緯度・経度に基づいて、工事場所の分布が偏っているか否かを判定する。ID番号(28)〜(30)の工事場所は、
図4に示すように、中心角90°の扇形の範囲内にすべて収まることから、工事場所の分布は偏っていると偏り判定部24が判定する。
【0041】
次に、第2検索範囲設定部26は、工事場所の分布が偏っていると偏り判定部24が判定したことを条件に、新たな中心位置及び第2検索範囲を設定する。
図5に示すリスト表示によれば、必須工事以外に抽出されたID番号(28)〜(30)の工事場所において最大緯度は35.745度であり、最小緯度は35.737度である。同様に最大経度は139.745度であり、最小経度は35.743度である。そして、これらの値の平均を取ることにより、補正後の中心位置として緯度が139.741度、経度が35.743度の位置が中心位置として新たに設定される。これにより、新たに設定された中心位置から半径200mの円内の範囲が第2検索範囲として設定され、この第2検索範囲に含まれる工事場所の工事情報が第2工事情報群として工事データベース12aから抽出される。
【0042】
図6は、第2検索範囲を設定した場合の、第1検索範囲の移動を示す説明図である。
図5に示す検索画面において中心補正ボタンを押下することにより、第1検索範囲の中心が、緯度:35.6750度・経度:139.745度から、緯度:139.741度・経度:35.743度の位置に移動する。これにより、第1検索範囲の中心が、工事場所の分布における偏っている側に移動して、中心補正ボタンを押下する前の二点鎖線で示す第1検索範囲から実線で示す第2検索範囲に設定される。
【0043】
第2検索範囲が設定されると、
図6に示すように、ID番号(27)〜(30)の他に、ID番号(26)が第2検索範囲内に入ってくる。このため、オペレータが、検索画面の中心補正ボタンをクリックすることによって、ID番号(26)〜(30)の工事情報が第2工事情報群として抽出され、
図7に示すように、検索画面の抽出件数の欄には5件と表示され、中心補正後の緯度・経度の欄には、139.741度・35.743度と表示される。そして更に、オペレータが、
図5に示すすべて表示ボタンを押下すると、
図7に示すように、検索画面とともにID番号(26)〜(30)の5つの工事情報がリスト表示される。
【0044】
このように、第1検索範囲の中心を、工事場所の分布において偏っている側に移動させることにより、ID番号(26)の工事情報が新たにリストアップされる。これにより、作業員は、ID番号(27)の工事の実施機会に実施できる工事情報をより多く取得することが可能になる。
【0045】
以上説明したように構成された本実施形態によれば、工事場所抽出部22が最初に検索、抽出した第1工事情報群の工事場所の分布が第1検索範囲内において偏っている場合、第2検索範囲設定部26は、偏った方向に第1検索範囲を移動させて第2検索範囲を設定してから、再度、工事データベース12aを検索して、第2工事情報群を抽出する。これにより、第2工事情報群に含まれる工事情報の数は、第1工事情報群に含まれる工事情報の数と同じかそれ以上となるため、最初の検索で抽出できなかった工事情報を次の検索で抽出できる場合がある。したがって、必須工事の実施機会に実施できる工事に関する情報をより多く取得することが可能になり、より効率良く工事を進めることが可能になる。
【0046】
また本実施形態によれば、第1検索範囲及び第2検索範囲が円形であるため、これらの検索範囲の大きさを、半径を指定することによって容易に設定可能になる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限るものではない。例えば、上述した実施形態によれば、第2検索範囲を設定する際に、第1検索範囲の中心位置を移動させているが半径は変えていない。そこで、変形例として、第2検索範囲設定部26は、第1検索範囲の半径<第2検索範囲の半径、となるように、半径の値を自動的に変更してもよい。これにより、中心補正ボタンを押下するごとに、第2検索範囲の中心が補正されるとともに、第2検索範囲の半径が大きくなる。その結果、必須工事の実施機会に実施できる工事に関する情報をより多く取得することが可能になる。
【0048】
また、第2検索範囲の検索によって工事データベース12aからリストアップされた工事が比較的簡単であれば、より広い範囲で移動することが可能になるため、第2検索範囲を設定する際に、第2検索範囲の半径を大きくすることも可能である。
【0049】
そこで、第2検索範囲設定部26に、工事場所抽出部22によって工事データベース12aから抽出された第2工事情報群に基づいて全体の工事における作業量を推定し、その作業量に応じて第2検索範囲の半径の値を補正する機能を持たせ、全体の工事における作業量が比較的軽いと第2検索範囲設定部26が判断した場合には、半径の値を大きくしてもよい。
【0050】
具体的には、第2検索範囲設定部26に、必須工事の実施機会に実施できる工事としてリストアップされた第2工事情報群における請負代の総額や工事内容に基づいて作業量のランク付けを行い、そのランクに応じて半径を自動的に変化させる。
【0051】
例えば、
図5に示す検索画面において、中心補正ボタンを押下することにより、
図6に示すように第1検索範囲の中心が移動し、工事場所抽出部22が、移動した中心から半径を200m以内の工事情報(ID番号(26)〜(30))を抽出する。この際、第2検索範囲設定部26が、ID番号(26)〜(30)の工事内容に基づいて作業量のランクを求め、作業量のランクが低いと判断した場合に、半径を300mに自動的に設定するとともに、入力欄に書き込む。これにより、第2検索範囲は、緯度:139.741度・経度:35.743度の位置を中心として半径300m以内の円形に設定される。
【0052】
第2検索範囲が設定されると、
図8に示すように、ID番号(26)〜(30)の他に、ID番号(997)、(998)が第2検索範囲内に入ってくる。このため、検索画面の中心補正ボタンをクリックすることによって、ID番号(26)〜(30)、(997)、(998)の第2工事情報群が抽出され、
図8に示すように、検索画面の抽出件数の欄には7件と表示される。そして更に、オペレータが、すべて表示ボタンを押下すると、
図8に示すように、検索画面とともに、ID番号(26)〜(30)、(997)、(998)の7つの工事情報がリスト表示される。
【0053】
このように他の実施形態によれば、第2検索範囲設定部26が、工事場所抽出部22が抽出した第2工事情報群による工事の作業量に応じて、第2検索範囲の半径の大きさを変えることにより、必須工事の実施機会に実施できる工事に関する情報をより多く取得することが可能になる。これにより、より効率良く工事を進めることが可能になる。
【0054】
また、上述した実施形態によれば、偏り判定部24を備えているが、偏り判定部24は無くてもよく、その代わりに、第1工事情報群の工事場所の分布の中心点を演算によって求め、この中心点に、第1検索範囲の中心を移動させてもよい。要は、第1検索範囲の中心を、第1工事情報群の工事場所が全て第1検索範囲の円内に含まれる範囲で移動させ、第1検索範囲の外側に位置する工事場所が最も多く含まれる中心位置を第2検索範囲の中心として設定できるのであれば、第1検索範囲の中心の移動方法は問わない。