(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記正極タブの第2の曲げ部と前記ケースとは互いに絶縁されており、前記負極タブの第2の曲げ部と前記ケースとは互いに絶縁されている、請求項1に記載の蓄電装置。
前記正極タブ群のうち、前記第1の曲げ部において最も外周側に位置する正極タブの先端部は、前記正極タブ群のうちで前記第1の曲げ部における最も内周側に位置する正極タブを有する正極電極に対して接触しており、
前記負極タブ群のうち、前記第1の曲げ部において最も外周側に位置する負極タブの先端部は、前記負極タブ群のうちで前記第1の曲げ部における最も内周側に位置する負極タブを有する負極電極に対して接触している、請求項1又は2に記載の蓄電装置。
前記正極タブの第2の曲げ部は、前記正極タブ群のうち、前記第1の曲げ部において最も外周側に位置する正極タブの先端部が、前記正極タブの第1の曲げ部から前記正極タブの第2の曲げ部までの範囲の前記延在部と平行をなすように湾曲もしくは屈曲されており、
前記負極タブの第2の曲げ部は、前記負極タブ群のうち、前記第1の曲げ部において最も外周側に位置する負極タブの先端部が、前記負極タブの第1の曲げ部から前記負極タブの第2の曲げ部までの範囲の前記延在部と平行をなすように湾曲もしくは屈曲されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態を
図1〜
図6にしたがって説明する。
【0009】
図1及び
図2に示すように、蓄電装置としての二次電池2には、ケース3に電極組立体5が収容されている。ケース3は、四角箱状の本体部材4と、本体部材4の開口部4aを閉塞する矩形平板状の蓋部材6とからなる。本体部材4と蓋部材6は、いずれも金属製(例えば、ステンレスやアルミニウム)である。また、本実施形態の二次電池2は、角型の外郭を有する角型電池である。そして、本実施形態の二次電池2は、リチウムイオン電池である。
【0010】
電極組立体5には、電極組立体5との間で電気を授受する正極端子7及び負極端子8からなる電極端子が電気的に接続されている。そして、これら正極端子7及び負極端子8は、蓋部材6に所定の間隔をあけて並設された一対の開口孔6aからケース3の外部に露出されている。また、正極端子7及び負極端子8には、ケース3から絶縁するためのリング状の絶縁部材9aがそれぞれ取り付けられている。
【0011】
図3に示すように、ケース3を構成する本体部材4の内面4bには、本体部材4と内部に収容された電極組立体5とを互いに絶縁するための絶縁シート9bが取着されている。また、ケース3を構成する蓋部材6の内面には、蓋部材6と内部に収容された電極組立体5とを互いに絶縁するための絶縁シート9cが取着されている。
【0012】
図4に示すように、電極組立体5は、シート状の正極電極10とシート状の負極電極11とを備える。正極電極10は、正極金属箔(本実施形態ではアルミニウム箔)13と、その両面に正極活物質を塗布してなる正極活物質層14とを有する。負極電極11は、負極金属箔(本実施形態では銅箔)17と、その両面に負極活物質を塗布してなる負極活物質層18とを有する。そして、電極組立体5は、正極電極10と負極電極11との間にこれらを絶縁するセパレータ12を介在させた積層構造を有する。電極組立体5は、例えば
図5に示すように、複数の正極電極10と複数の負極電極11とを積層して構成される。すなわち、電極組立体5には、正極電極10と、負極電極11と、セパレータ12とからなる組が複数組、設けられている。尚、電極組立体5がケース3内に収容されたときに、本体部材4の内面4bにおいて、絶縁シート9bは正極活物質層14や負極活物質層18が位置する範囲に設けられている。
【0013】
図4に示すように、正極電極10は、正極金属箔13に正極活物質が塗布されていない領域からなる正極未塗工部を有している。そして、正極電極10の縁部10aの一部には、縁部10aから突出した形状の、正極未塗工部からなる正極タブ15を有する。負極電極11は、負極金属箔17に負極活物質が塗布されていない領域からなる負極未塗工部を有している。そして、負極電極11の縁部11aの一部には、縁部11aから突出した形状の、負極未塗工部からなる負極タブ19を有する。そして、正極タブ15及び負極タブ19は、正極電極10及び負極電極11が積層された状態で、正極タブ15と負極タブ19とが重ならない位置にそれぞれ設けられている。
【0014】
電極組立体5を構成する正極電極10は、それぞれの正極タブ15が積層方向Lに沿って列状に配置されるように積層される。同様に、電極組立体5を構成する負極電極11は、それぞれの負極タブ19が積層方向Lに沿って列状に配置されるように積層される。そして、
図1に示すように、電極組立体5における全ての正極タブ15を積層方向Lに集めた正極タブ群21が電極組立体5の縁部5aに設けられている。即ち、積層方向Lの一側において最も外側に位置する正極タブ15から積層方向Lの他側において最も外側に位置する正極タブ15までが集められる。また、同様に、電極組立体5における全ての負極タブ19を積層方向Lに集めた負極タブ群22が電極組立体5の縁部5aに設けられている。即ち、積層方向Lの一側において最も外側に位置する負極タブ19から積層方向Lの他側において最も外側に位置する負極タブ19までが集められる。
【0015】
正極タブ群21には、電極組立体5と正極端子7とを電気的に接続するための正極導電部材23が接合される。また、負極タブ群22には、電極組立体5と負極端子8とを電気的に接続するための負極導電部材24が接合される。そして、
図3に示すように、正極端子7と正極タブ群21は、過電流保護回路25を介して互いに電気的に接続される。同様に、負極端子8と負極タブ群22も、過電流保護回路25を介して互いに電気的に接続される。
【0016】
図1に示すように、正極導電部材23及び負極導電部材24は、矩形平板状をなす。また、正極導電部材23及び負極導電部材24の短手方向に沿う長さは、電極組立体5の積層方向Lに沿う長さよりも短く設定されている。そして、正極導電部材23及び負極導電部材24の長手方向に沿う長さは、正極タブ群21及び負極タブ群22に接合した際に、他の部材と干渉しない長さに設定されている。本実施形態の場合、正極導電部材23及び負極導電部材24は、正極タブ群21及び負極タブ群22に接合した際、電極組立体5の積層方向Lに対して直交する方向に突出した形状である。具体的には、正極導電部材23及び負極導電部材24は、ケース3の本体部材4の内面4bに向かって突出した形状である。このため、正極導電部材23及び負極導電部材24は、正極タブ群21及び負極タブ群22に接合した際に、本体部材4の内面4bと干渉しない長さに設定されている。
【0017】
次に、正極タブ群21と正極導電部材23、及び負極タブ群22と負極導電部材24の接合構造について、
図5及び
図6にしたがって詳しく説明する。尚、
図5及び
図6には、正極タブ群21と正極導電部材23の接合構造を図示しているが、この接合構造は負極タブ群22と負極導電部材24の接合構造と同一構造である。このため、以下では正極タブ群21と正極導電部材23の接合構造について説明する。以下の説明では、正極タブ15を負極タブ19、正極タブ15の先端部15aを負極タブ19の先端部19a、正極タブ群21を負極タブ群22、正極導電部材23を負極導電部材24と読みかえれば、負極タブ群22と負極導電部材24の接合構造の説明となる。
【0018】
図5に示すように、正極タブ群21は、電極組立体5の積層方向Lにおいて、一側において最も外側に位置する正極タブ15(
図5に符号「H1」を付す)に対して、他側において最も外側に位置する正極タブ15(
図5に符号「H2」を付す)が接近するように集められている。このとき、本実施形態では、正極タブ15(H1)に正極導電部材23が当接している。これにより、積層段階で独立していた各正極タブ15は、正極タブ15(H1)に向かって集約されて正極タブ群21となっている。そして、正極タブ群21と正極導電部材23とは、抵抗溶接によって互いに接合されることにより、電気的にも互いに接続される。抵抗溶接は、接合対象(
図5では正極タブ群21及び正極導電部材23)を、一対の溶接用電極で挟み込んで溶着する方式である。
【0019】
本実施形態において、各正極タブ15はそれぞれ同じ大きさを有する。このため、電極組立体5の積層方向Lにおいて、正極タブ15(H1)からより離間した位置にある正極タブ15ほど、正極タブ群21として集約される正極タブ15の長さが短い。このため、全ての正極タブ15での溶接部位Wは、正極タブ15(H2)における他の正極タブ15との重なり合う領域に合わせて設けられている。本実施形態では、溶接部位Wによって正極タブ群21と正極導電部材23とが互いに接合されて、正極タブ群21と正極導電部材23とが互いに電気的に接続される。
【0020】
図6に示すように、正極タブ群21は、湾曲する第1の曲げ部27と、その第1の曲げ部27から電極組立体5の積層方向Lに延在する延在部28とを備えるものとなる。こうした正極タブ群21の構成は、正極タブ群21及び正極導電部材23を電極組立体5の積層方向Lの右側に向けて倒すことにより、正極タブ群21が折り曲げられてなされる。正極タブ群21のうち、第1の曲げ部27の曲げ方向において最も外周側に位置する正極タブ15(H1)の延在部28の溶接部位Wが、正極導電部材23との接続部となっている。また、正極タブ群21を折り曲げた後の正極導電部材23は、正極タブ群21における延在部28の外側に配置される。尚、延在部28の長さによっては、延在部28の延在方向における正極導電部材23の端部から先端部15aがはみ出ることがある。そして、はみ出した先端部15aは、電極組立体5をケース3内に収納したときに、ケース3の内面4bと接触するおそれがある。本実施形態では、正極タブ群21のうち、正極タブ15(H1)を含む、第1の曲げ部27での曲げ方向の外周側に位置する3つの正極タブ15の延在部28が、ケース3の内面4bに接触する程度の長さに設定されている場合を例示している。
【0021】
延在部28のうちで、延在部28の延在方向における正極導電部材23の端部から先端部15aがはみ出る延在部28は、第1の曲げ部27の延在方向の先端部15aで屈曲してなる第2の曲げ部29を有している。本実施形態では、第2の曲げ部29は、正極タブ群21での第1の曲げ部27の湾曲と同じ方向に、すなわち
図6において右方向(時計回り)に延在部28を屈曲させている。また、正極タブ群21のうち、正極タブ15(H1)を含む、第1の曲げ部27での曲げ方向の外周側に位置する3つの正極タブ15の延在部28が第2の曲げ部29を有している。すなわち、これら3つの正極タブ15の先端部15aが第2の曲げ部29を有している。
図6では、第2の曲げ部29を有している3つの延在部28に符号「R1」を付している。第2の曲げ部29は、延在部28(R1)をケース3の本体部材4の内面4bと接触する手前で屈曲させている。また、第2の曲げ部29は、
図6に一点鎖線で示す第2の曲げ部29を設けない場合と実線で示す第2の曲げ部29を設ける場合とで、正極タブ15(H1)の延在部28の先端部15aが所定の角度αをなすように延在部(R1)を屈曲させている。この角度αは鈍角である。こうした第2の曲げ部29によって、延在部28(R1)の延在方向にある先端部15aが、電極組立体5に近接する方向に延びている。そして、延在部28(R1)の先端部15aが、電極組立体5と第1の曲げ部27での最も内周側に位置する正極タブ15(H2)との間に位置している。言い換えると、延在部28(R1)の先端部15aは、電極組立体5と正極タブ群21とで区画された空間であって、第1の曲げ部27の内方に画定される空間Sに位置している。空間Sは、各正極タブ15における正極電極10の縁部10aから正極タブ群21の第1の曲げ部27までの領域を含む。そして、空間Sは、正極タブ群21と電極組立体5と、これらの間に配設される各正極タブ15の領域とによって区画された空間となっている。全ての延在部28(R1)の先端部15aは、電極組立体5と正極タブ15(H2)との間に位置することにより、すなわち空間Sに位置することにより、電極組立体5、タブ群21,22、及びケース3の内面4bのいずれにも接触しないものとなる。
【0022】
以下、本実施形態の二次電池2の作用を説明する。
【0023】
導電部材23,24との接触面積を十分に確保するために、正極タブ群21又は負極タブ群22における延在部28の長さを長くした場合には、延在部28(R1)の先端部15a,19aがケース3の内面4bに接触するおそれがある。こうした場合でも、延在部28(R1)の先端部15a,19aを本体部材4の内面4bから離間した位置に配置することができるため、先端部15aとケース3の内面4bとの接触を防止することができる。
【0024】
また、延在部28の長さによっては、正極タブ15(H1)や負極タブ19(H1)の延在部28(R1)の先端部15a,19aが正極タブ15(H1)又は負極タブ19(H1)と異なる極性の電極、例えば
図6の電極組立体5の積層方向Lの最も右側に位置する負極電極11や正極電極10と接触するおそれもある。本実施形態によれば、延在部28(R1)の先端部15a,19aを、電極組立体5と正極タブ15(H2)との間に位置するようにすることで、すなわち空間Sに位置するようにすることで、先端部15a,19aと異なる極性の電極との接触を防止することができる。
【0025】
以上説明したように、本実施形態によれば以下に示す効果を得ることができる。
【0026】
(1)正極タブ群21及び負極タブ群22の延在部28(R1)に第2の曲げ部29を設けるといった簡素な構成によって、正極タブ15とケース3や負極電極11との短絡や、負極タブ19とケース3又は正極電極10との短絡の発生を防止することができる。
【0027】
尚、タブ群21,22のうち、第1の曲げ部27の曲げ方向において最も外周側に位置する正極タブ15(H1)又は負極タブ19(H1)の延在部28の長さが、正極タブ群21や負極タブ群22の延在部28のうちで最も長い。このため、こうした正極タブ15(H1)又は負極タブ19(H1)の延在部28に上記構成のような第2の曲げ部29を設けるようにすれば、正極タブ15や負極タブ19とケース3や電極10,11との短絡の発生を防止することができる。
【0028】
(2)第2の曲げ部29は、延在部28(R1)をケース3の本体部材4の内面4bと接触する手前で屈曲させている。すなわち、延在部28(R1)は、第2の曲げ部29で既にケース3と絶縁されている。このため、第2の曲げ部29による延在部28(R1)の曲げ程度が小さくても、第2の曲げ部29よりも延在部28(R1)の延在方向にある先端部15a,19aが、電極組立体5と第1の曲げ部27での最も内周側に位置する正極タブ15(H2)又は負極タブ19(H2)との間に位置するようにすることができる。言い換えると、先端部15a,19aが、電極組立体5と正極タブ群21とによって区画された空間であって、第1の曲げ部27の内方に画定される空間Sに位置するようにすることができる。したがって、より容易に正極タブ15又は負極タブ19とケース3又は電極10,11との短絡の発生を防止することができる。
【0029】
(3)ケース3内において、第1の曲げ部27、延在部28、及び第2の曲げ部29といったタブ群21,22が占める領域を小さくすることができる。
【0030】
(4)延在部28(R1)に第2の曲げ部29を設けることにより、短絡の発生を抑制しつつ、延在部28の長さを長くして導電部材23,24と正極タブ群21又は負極タブ群22との接合面積を増大させることができる。したがって、導電部材23,24による集電効率を向上させることができる。
【0031】
(5)第2の曲げ部29により、延在部28(R1)の先端部15a,19aが電極組立体5と正極タブ15(H2)や負極タブ19(H2)との間に位置するように、言い換えると、空間Sに位置するようにされている。電極組立体5と正極タブ15(H2)や負極タブ19(H2)との間、すなわち空間Sは、正極タブ群21や負極タブ群22を、第1の曲げ部27及び延在部28を備えるものとした場合に生じるデッドスペースである。本実施形態によれば、こうしたデッドスペースを先端部15a,19aの曲げ入れ箇所として有効利用することができる。
【0032】
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
【0033】
○ 上記実施形態では、正極タブ群21の延在部28(R1)の先端部15aは、電極組立体5、タブ群21,22、及びケース3の内面4bのいずれにも接触しない位置に位置する。延在部28(R1)の先端部15aは、延在部28(R1)を備える正極タブ15と同極性の電極である正極電極10と接触するものとしてもよい。具体的には、
図7に示すように、第2の曲げ部29にて延在部28(R1)をケース3の本体部材4の内面4bと当接する手前の位置で屈曲させている。
図7には、正極タブ群21のうち、正極タブ15(H1)を含む、第1の曲げ部27での曲げ方向の外周側に位置する4つの正極タブ15の延在部28が、ケース3の内面4bに接触する程度の長さに設定されている場合を例示している。そして、第1の曲げ部27での曲げ方向の外周側に位置する4つの正極タブ15の延在部28(R1)が第2の曲げ部29を有している。すなわち、これら4つの正極タブ15の先端部15aが第2の曲げ部29を有している。そして、こうして第2の曲げ部29により屈曲させることにより、延在部28(R1)の先端部15aのうち、正極タブ15(H1)の延在部28の先端部15aを正極タブ15(H2)と接触させるようにしている。延在部28の先端部15aと正極タブ15(H2)との接触は、互いの表面が単に当接した状態とされている。一方、延在部28(R1)のうち、正極タブ15(H1)以外の正極タブ15における延在部28も、第2の曲げ部29によって屈曲されることより、延在部28の先端部15aが、電極組立体5と正極タブ15(H2)との間、すなわち空間Sに位置するものとしている。こうした形態によれば、より容易に正極タブ群21の形態を各正極タブ15の先端部15aがケース3の内面4bに接触しないような形態とすることができる。さらに、延在部28の先端部15aと先端部15aが接触する正極タブ15(H2)とは同じ極性のものであるため、こうした接触した形態とすることによって異なる極性の電極間で短絡が生じることを抑制することができる。また、正極電極10に代えて負極電極11について
図7に例示した形態を採用することも可能である。
【0034】
○
図7に示した形態では、延在部28の先端部15aと正極タブ15(H2)との接触は、互いの表面が単に当接した状態とされていた。これに代えて、溶接や接着等によって接合された状態としてもよい。こうした形態によれば、各正極タブ15の先端がケース3の内面4bに接触しないといった正極タブ群21の形態を安定した形で得ることができる。また、本形態において、正極電極10に代えて負極電極11を採用することも可能である。
【0035】
○
図7に示した形態では、正極タブ15(H1)の先端部15aのみを正極タブ15(H2)に接触させるようにしていた。延在部28の長さによっては、正極タブ15(H1)以外の正極タブ15の延在部28の先端部15aも同様に接触させるようにしてもよい。また、本形態において、正極電極10に代えて負極電極11を採用することも可能である。
【0036】
○
図7に示した形態では、延在部28の先端部15aを正極タブ15(H2)に接触させるようにしていた。これに代えて、正極タブ(H2)以外の正極タブ15に接触させるようにしてもよい。また、正極電極10の正極活物質層14や、セパレータ12に接触させるようにしてもよい。さらには、正極電極10として、正極タブ15が突出した形状の縁部10a付近の領域を正極金属箔13に正極活物質が塗布されていない領域からなる正極未塗工部とする正極電極10を採用し、この正極塗工部に先端部15aを接触させるようにしてもよい。また、本形態において、正極電極10に代えて負極電極11を採用することも可能である。
【0037】
○
図8に示すように、先端部15aが第1の曲げ部27から第2の曲げ部29までの範囲の延在部28aとほぼ平行をなすように、第2の曲げ部29によって延在部28を屈曲させるようにしてもよい。
図8には、正極タブ群21のうち、正極タブ15(H1)を含む、第1の曲げ部27での曲げ方向の外周側に位置する4つの正極タブ15の延在部28が、ケース3の内面4bに接触する程度の長さに設定されている場合を例示している。そして、第1の曲げ部27での曲げ方向の外周側に位置する4つの正極タブ15の延在部28(R1)が第2の曲げ部29を有している。すなわち、これら4つの正極タブ15の先端部15aが第2の曲げ部29を有している。こうした形態によれば、第2の曲げ部29による延在部28(R1)の曲げ程度を容易に設定することができる。さらに、第2の曲げ部29による延在部28(R1)の曲げ程度を大きくすることによって、各正極タブ15の先端部15aがケース3の内面4bや異なる極性の電極に接触しないといった正極タブ群21の形態を安定した形で得ることができる。尚、本形態には、先端部15aが第1の曲げ部27から第2の曲げ部29までの範囲の延在部28aと平行をなす形態も含まれる。また、正極電極10に代えて負極電極11について
図8に例示した形態を採用することも可能である。
【0038】
○ 第2の曲げ部29によって延在部28をケース3の内面4bの手前で屈曲させることにより、第2の曲げ部29とケース3とが絶縁されているようにしていた。第2の曲げ部29とケース3との間に絶縁シート9b等の絶縁部材を介在させることにより、タブ15,19とケース3の内面4bとの短絡発生の抑制をより確実なものとすることができる。
【0039】
○ 第2の曲げ部29は、延在部28を湾曲させるものであってもよい。
【0040】
○ 第1の曲げ部27は、タブ群21,22を屈曲させるものであってもよい。
【0041】
○ 各タブ15,19の延在部28の長さによって、延在部28のうちで、いずれの延在部28に第2の曲げ部29を設けるようにするかは自由に設定可能である。但し、タブ群21,22のうち、第1の曲げ部27での曲げ方向における最も外周側に位置する正極タブ15(H1)や負極タブ19(H1)の延在方向の先端部15a,19aは、第2の曲げ部29を有することとする。また、第2の曲げ部29は、先端部15a,19aが、電極組立体5と正極タブ15(H2)や負極タブ19(H2)との間、すなわち空間Sに位置するようにしてもよいし、同じ極性の電極と接触させるようにしてもよい。
【0042】
○ 第2の曲げ部29は、正極タブ群21や負極タブ群22での第1の曲げ部27の湾曲もしくは屈曲と異なる側に、すなわち例えば
図6〜8において左方向(反時計回り)に延在部28を湾曲もしくは屈曲させるものであってもよい。
【0043】
○ 上記実施形態では、正極タブ群21及び負極タブ群22の双方が第2の曲げ部29を備えるものとしていたが、正極タブ群21及び負極タブ群22のいずれか一方のみが第2の曲げ部29を備えるものであってもよい。また、例えば正極タブ群21は
図6に示すように、また負極タブ群22は
図7に示すように、それぞれ第2の曲げ部29によって延在部28を湾曲もしくは屈曲させる等、正極タブ群21と負極タブ群22とで第2の曲げ部29による延在部28の曲げ方が異なっていてもよい。
【0044】
○正極タブ群21と負極タブ群22で、第1の曲げ部27による曲げ方向を異なる方向としてもよい。また、第2の曲げ部29による曲げ方向も異なる方向としてもよい。
【0045】
○ タブ群21,22と導電部材23,24との接合後、第1の曲げ部27によるタブ群21,22の折り曲げ行うようにしていたが、これらの作業の順序を逆にしてもよい。
【0046】
○ 導電部材23,24を延在部28の外側に配置するものとしていたが、これを電極組立体5と正極タブ15(H2)や負極タブ19(H2)との間、すなわち空間Sに配置するものとしてもよい。
【0047】
○ 正極タブ15は全域が正極活物質の塗布がなされていない正極未塗工部からなるものでなくてもよい。また、負極タブ19も全域が負極活物質の塗布がなされていない負極未塗工部からなるものでなくてもよい。すなわち、正極タブ15及び負極タブ19は、部分的に活物質の塗布がなされているものであってもよい。尚、正極タブ15及び負極タブ19において、活物質の塗布がなされない領域は各タブ15,19の縁部側に位置する。
【0048】
○ 導電部材23,24は矩形平板状としていたが、例えば円柱状(棒状)や、直方体状等、その他の形状としてもよい。
【0049】
○ タブ群21,22と導電部材23,24との接合は、超音波溶接、はんだ付け等、抵抗溶接以外の接合方式で行うことも可能である。
【0050】
○ 電極組立体5に、3つ以上のタブ群を設けてもよい。この場合、複数の正極タブ群21と単数の負極タブ群22の組み合わせ、単数の正極タブ群21と複数の負極タブ群22の組み合わせ、又は複数の正極タブ群21と複数の負極タブ群22の組み合わせのいずれであってもよい。そして、これらのタブ群の全てに第2の曲げ部29を設けるようにしてもよいし、いずれか単数又は複数のタブ群に第2の曲げ部29を設けるようにしてもよい。
【0051】
○ 上記実施形態のような積層型の二次電池2に限らず、帯状の正極電極と負極電極を捲回して層状の積層構造をなす捲回型の二次電池に適用してもよい。尚、捲回型の二次電池においても、正極電極と負極電極の間はセパレータを介在させて絶縁される。そして、捲回型の二次電池に適用する場合には、実施形態のような正極タブ15、正極タブ群21、負極タブ19、及び負極タブ群22が設けられていればよい。
【0052】
○ 実施形態の二次電池2を搭載する車両は、自動車でもよいし、産業用車両でもよい。
【0053】
○ 二次電池2は、リチウムイオン二次電池であったが、これに限らず、他の二次電池であってもよい。要するに、正極活物質層と負極活物質層との間をイオンが移動するとともに電荷の授受を行うものであればよい。
【0054】
○ 本発明を、電気二重層コンデンサ等の蓄電装置に具体化してもよい。