(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
A.第1実施例:
図1は、本発明を利用したゴルフのスイング映像記録システム1(以下、単に「映像記録システム1」とも呼ぶ)を示す説明図である。
図1(a)は、映像記録システム1の使用状態を示している。映像記録システム1は、ビデオカメラ11(以下、単にカメラ11と呼ぶ)と、マイクユニット12と、モニタ画面131を有するデータ処理装置13とを備えている。カメラ11およびマイクユニット12は、データ処理装置13に接続されている。
【0013】
カメラ11は、ユーザ(ゴルファー)2がショットをする際のスイングの全体像がカメラ11のフレームに収まるように配置されている。マイクユニット12は、周波数選択性と強指向性とを有するマイクであり、主としてユーザ2の方向で発生した特定の周波数の音を収音する。データ処理装置13は、CPU、ROM、RAM、および二次記憶装置(いずれも図示しない)を有するコンピュータとして構成されており、CPUがROMあるいはRAMに格納されたプログラムを実行することにより種々の機能が実現される。二次記憶装置としては、ハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等を使用することができる。
【0014】
データ処理装置13は、カメラ11から入力された映像をリアルタイムでモニタ画面131上に表示する。これにより、ユーザ2は、自分のスイングの様子を見ることが可能となる。データ処理装置13は、また、マイクユニット12から入力された音に応じて、カメラ11から入力された映像を画像データとして二次記憶装置に保存する。
図1(b)は、マイクユニット12から入力された音に応じて映像を保存する処理(映像記録処理)の流れを示すフローチャートである。
【0015】
ステップS1において、データ処理装置13は、カメラ11から入力された映像を予め割り当てられたメモリ領域(割当メモリ領域)に画像データとして格納する。割当メモリ領域に格納される画像データは、古い画像データから随時上書きされる。これにより、割当メモリ領域には、直近2〜3秒の映像が格納される。
【0016】
ステップS2において、データ処理装置13は、音響トリガが入力されたか否かを判断する。具体的には、データ処理装置13は、マイクユニット12から入力された特定の周波数の音(トリガ音)の音圧が所定の閾値を超えたか否かを判断する。音圧が所定の閾値を超えた場合には、音響トリガが入力されたと判断され、処理はステップS3に移される。一方、音圧が所定の閾値を超えていない場合には、音響トリガが入力されていないと判断され、処理はステップS1に戻される。
【0017】
ステップS3において、データ処理装置13は、音圧が所定の閾値を超えた時点(トリガポイント)の前後2秒の画像データを二次記憶装置に保存する。具体的には、データ処理装置13は、割当メモリ領域に格納されたトリガポイント以前の2秒間の画像データと、トリガポイント以後の2秒間にカメラ11から入力される映像の画像データとを二次記憶装置に保存する。画像データを保存する期間は、種々変更することができる。例えば、トリガポイント前の0.5〜5秒間およびトリガポイント後の0.1〜2秒間の期間の画像データを保存することも可能である。また、これらの期間をユーザ2が設定できるようにしても良い。二次記憶装置に画像データを保存する際には、先に保存された画像データを上書きしても良く、また、先に保存された画像データを上書きすることなく、二次記憶装置に画像データを蓄積しても良い。前者の場合、画像データの保存に使用される二次記憶装置の領域を小さくできる。後者の場合、複数回のスイングの映像を後からまとめて確認することが可能となる。
【0018】
図1(a)に示すように、ユーザ2がゴルフクラブ3によりボール(図示しない)を打つと、ゴルフクラブ3のヘッド31とボールとが衝突してインパクト音(打球音あるいは打音とも呼ばれる)が発生する。このインパクト音に含まれるトリガ音がマイクユニット12により収音されることにより、インパクトの前後2秒のスイングの映像が記録される。ユーザ2は、このように記録されたスイング時の映像を再生することにより、自分のスイングをチェックし、練習に活用することができる。なお、第1実施例では、周囲の雑音により音響トリガが入力されたと誤判断されることを抑制するため、トリガ音が大きくなるようにヘッド31が構成されている。
【0019】
記録された映像の再生は、データ処理装置13が音声認識プログラムを実行することにより認識するユーザ2の音声による指示に基づいて行われる。なお、映像の再生は、例えば、データ処理装置13に設けられたボタンやタッチパネル等(いずれも図示しない)のユーザ2による操作に基づいて行うものとしても良い。但し、ユーザ2が離れていても再生された映像を見ることができる点で、ユーザ2の音声による指示に基づいて映像を再生するのが好ましい。また、ユーザ2の音声による指示を受け付けるために、ユーザ2の口元に別途マイクを設置し、当該マイクからデータ処理装置13に無線データで音声を送信することも可能である。
【0020】
図2は、マイクユニット12の構成および機能を示す説明図である。
図2(a)に示すように、マイクユニット12は、トリガ音の波長λの間隔で配列された複数のマイク121(マイクアレイ)と、複数のマイク121を支持する支持棒122とにより構成されている。
【0021】
図2(b)は、マイクアレイによりトリガ音が増強される様子を示している。グラフに示すように、トリガ音の位相は、トリガ音の波長λの間隔で配列されたマイク121の位置で同一となる。そのため、個々のマイク121で収音された音を重畳することでトリガ音が増強され、インパクト音に含まれるトリガ音が選択的に収音される。これにより、周囲の雑音からトリガ音を弁別することができるので、雑音による映像記録システム1の誤作動を抑制することができる。なお、トリガ音の弁別は、例えば、収音された音を帯域通過フィルタ(BPF)に通して特定の周波数の音を通過させることによっても可能であり、また、収音された音をFFT等によりスペクトル分析することによっても可能である。これらの場合、異なる周波数のトリガ音に対応することがより容易となる。一方、マイクアレイによりトリガ音を弁別する場合には、マイクユニット12から出力される信号の処理を省略できるので、映像記録処理をより簡単に行うことができる。
【0022】
図2(c)は、マイクアレイにより指向性が高められる様子を示している。
図2(c)に示すように、音源から放射されたトリガ音の同一位相面(破線)は、半径差が波長λの複数の球面となる。そのため、マイクユニット12が音源方向を向いている場合には、トリガ音が増強されるが、マイクユニット12が音源方向を向いていない場合には、トリガ音が増強されない。このように、マイクユニット12をトリガ音の波長λの間隔で配列された複数のマイク121で構成することにより、ユーザ2の方向で発生したトリガ音を選択的に収音することができる。そのため、ゴルフ練習場のように複数のユーザが隣接してゴルフの練習をする際に、隣のユーザのショットによって発生するトリガ音により自分の映像記録システム1が誤作動することを抑制することができる。なお、マイクアレイを構成する個々のマイク121の配列は、種々変更することが可能である。例えば、複数のマイク121を音源方向と垂直な平面上に配置し、各マイク121の出力を適宜遅延させたうえで重畳することによっても指向性を高くすることも可能である。なお、後述するように他のユーザのショットで発生するトリガ音の影響が低減できる場合や、周囲にショットを行う他のユーザがいない場合には、必ずしもマイクユニット12の指向性を高める必要はない。この場合には、マイクアレイに換えて単一のマイクを使用することができる。
【0023】
図3は、ゴルフクラブ3(
図1(a))のヘッド31の構成を示す説明図である。
図3(a)の斜視図に示すように、ヘッド31は、フェイス部311と、クラウン部312と、ソール部313と、トウ部314と、ヒール部315と、シャフトが差し込まれるホーゼル部316とを有している。ヘッド31は、これらの各部311〜316が一体に形成された中空構造(シェル構造)となっている。
【0024】
図3(b)は、ヘッド31をA−A面で切断した断面を示している。
図3(b)に示すように、第1実施例のヘッド31では、フェイス部311の内面にヘッド31と一体に形成された片持ちハンマ形状の共振部材32が設けられている。共振部材32は、枠部321と、枠部321の略中央に配置されたハンマ部322と、枠部321およびハンマ部322を接続する接続部323とから構成されている。
【0025】
ヘッド31がボールと衝突すると、衝突の際の衝撃力によりヘッド31自体がヘッド31の全体形状で決定される固有振動モードで振動するとともに、共振部材32のハンマ部322がハンマ部322および接続部323の形状で決定される周波数(共振周波数)で振動する。このハンマ部322の振動が接続部323と枠部321とを介してヘッド31に伝達されることにより、ヘッド31の固有振動モードの周波数(固有振動周波数)の音と、共振周波数の音とがヘッド31から放射される。
【0026】
共振周波数は、任意の周波数とすることが可能であるが、ヘッド31の最低次の固有振動周波数よりも高くするのが好ましい。一般に、インパクト音の主な周波数成分は、ヘッド31の最低次の固有振動周波数であり、次数が高くなるに従って固有振動周波数の音は急速に小さくなる。そのため、共振周波数を最低次の固有振動周波数よりも高くすることにより、ヘッド31の固有振動周波数の音から共振周波数の音を弁別することが容易となる。さらに、共振周波数は、ヘッド31の固有振動の影響を低減し、共振周波数の音をヘッド31から放射させるのがより容易となるように、ヘッド31の最低次の固有振動周波数の10倍以上とするのがより好ましい。また、共振周波数は、可聴域よりも高い周波数とするのが好ましい。共振周波数を可聴域よりも高くすることにより、ユーザ2が聴取するインパクト音に影響を与えることなくトリガ音を発生させることができる。また、可聴域よりも高い周波数では、音が空気中を伝播する際の減衰量が大きくなるので、複数のユーザが隣接してゴルフの練習をする際に、隣のユーザのショットによって発生するトリガ音により自分の映像記録システム1が誤作動することを抑制することができる。
【0027】
共振部材32の共振周波数は、ゴルフクラブの種類(ドライバやアイアン等のゴルフクラブの種別、ゴルフクラブの番手、および、ゴルフクラブのモデル等)毎に異なる周波数としても良い。この場合、映像に併せてトリガ音として検出した音の周波数を記録することにより、ユーザ2は、ゴルフクラブの使用履歴を確認するとともに、使用したゴルフクラブの種類毎にスイングの様子を確認することが可能となる。また、トリガ音として検出した音の周波数のみを履歴として保存することも可能である。
【0028】
また、共振部材32の共振周波数は、同一種類のゴルフクラブにおいて個体毎に異なる周波数としても良い。具体的には、異なるユーザのゴルフクラブのヘッド31の共振周波数ができるだけ異なるように、同一種類のゴルフクラブについて共振周波数が異なる複数のヘッド31が準備される。このように、個体毎に共振周波数を変えることにより、複数のユーザが隣接してゴルフの練習をする際に、隣のユーザがショットを行って発生するトリガ音により自分の映像記録システム1が誤作動することを抑制することができる。
【0029】
なお、ゴルフクラブの種類や個体毎に共振周波数を変える場合、ユーザ2が保有するゴルフクラブの共振周波数を映像記録システム1に登録できるようにするのが好ましい。共振周波数を映像記録システム1に登録可能にすれば、映像記録システム1は、他のユーザのゴルフクラブから放射されるトリガ音から、ユーザ2のゴルフクラブから放射されるトリガ音を弁別することができる。共振周波数の登録は、例えば、ユーザ2が保有するゴルフクラブの型番と製造番号(ゴルフクラブのID)を入力し、映像記録システム1が型番と製造番号に基づいてデータベースから共振周波数を検索することにより行うことができる。また、映像記録システム1においてユーザ2の操作に基づいて起動される登録モードが実行されている際に、ユーザ2がショットを行い、その際に収音された所定の周波数帯域内の音の周波数を登録するものとしても良い。さらに、ユーザ2が共振周波数を映像記録システム1に直接入力することにより共振周波数を登録することも可能である。
【0030】
ヘッド31に設けられる共振部材は、
図3(b)に示す片持ちハンマ形状の他、両持ちハンマ形状等、種々の形状とすることができる。
図4は、このような共振部材の変形例を示す説明図である。共振部材32aは、例えば、
図4(a)に示すように音叉形状としてもよい。この場合、共振周波数は、音叉の枝部の形状によって決定される。また、共振部材32bを
図4(b)に示すように柱状としても良い。この場合、共振周波数は、フェイス部311の厚さと共振部材32bの厚さとを合わせた厚さ(実効厚)によって決定される。共振周波数は、具体的には、フェイス部311および共振部材32b中における音波の波長が実効厚の2倍となる周波数になる。さらに、
図4(c)に示すように、ヘッド31c内に複数の共振部材32cをトウ部314からヒール部315に向かって配列することも可能である。この場合、個々の共振部材32cの共振周波数を変えることにより、ボールの衝突位置を把握することが可能である。
【0031】
なお、第1実施例では、共振部材32をフェイス部311の内面に設けているが、共振部材は、ヘッド31の内部であれば、クラウン部312、ソール部313、トウ部314、あるいは、ヒール部315等の任意の部分の内面に設けることが可能である。また、共振部材32は、これらの部分311〜315のいずれか一つに限らず、複数の部分に渉って設けるものとしても良い。このようにしても、ヘッド31はシェル構造となっているので、ヘッド31と一体に形成された共振部材32からの振動は、ヘッド31の全体に伝達され、ヘッド31からはトリガ音が放射される。
【0032】
B.第2実施例:
図5は、第2実施例におけるヘッド31dの構成を示す説明図である。
図5(a)は、ヘッド31dの斜視図であり、
図5(b)は、ヘッド31dをB−B面で切断した断面を示している。
図5(b)に示すように、第2実施例では、ヘッド31d自体には共振部材を設けず、ヘッド31dのヒール部315dに取り付けられる錘33dに共振部材34dが設けられている。他の点は、第1実施例と同様である。
【0033】
図5(b)に示す錘33dは、外径が小さい小径部331dと、小径部331dよりも外径が大きい大径部332dとを有しており、小径部331dおよび大径部332dには、外側に向かって開口した穴333dが設けられている。錘33dは、小径部331dに設けられた図示しないネジによりヘッド31dに固定される。共振部材34dは、穴333dの底から外側の位置に配置されている。これにより、共振部材34dが外部空間に接続した穴333dに位置するため、共振部材34dから発せられるトリガ音がより効率良く外部に放射されるので、マイクユニット12により収音されるトリガ音の音圧が高くなる。そのため、映像記録システム1(
図1(a))は、周囲の雑音からトリガ音をより容易に弁別することができる。また、錘33dに共振部材34dを設けることにより、ゴルフクラブの個体毎に共振周波数を変えるのがより容易となる。なお、
図5(b)の例では、共振部材34dを音叉形状としているが、第1実施例で説明したように、共振部材の形状は種々変更可能である。
【0034】
図5(c)は、錘の変形例を示している。
図5(c)に示す錘33eは、小径部331eおよび大径部332eに設けられた穴333eが内側に向かって開口している点と、共振部材34eが穴333eの底から内側の位置に配置されている点とで、
図5(b)に示す錘33dと異なっている。この場合においても、錘33eに共振部材34eを設けることにより、ゴルフクラブの種類や個体毎に共振周波数を変えるのがより容易となる。また、穴333eが外部に開口していないため、スイング時に穴333eに気流が巻き込まれることが抑制され、気流の巻き込みによる空気抵抗の増加や音の発生を抑制できる。
【0035】
なお、第2実施例では、ヘッド31dに取り付けられる錘33d、33eに共振部材34d、34eを設けているが、一般的には、共振部材が交換可能であれば良く、例えば、錘とは別個に取り付けられる脱着可能な部材に共振部材を設けるものとしても良く、あるいは、共振部材を脱着可能な状態で直接ヘッドに取り付けるものとしても良い。また、第2実施例では、共振部材34d、34eを、ヒール部315dのソール側の位置に取り付けているが、共振部材の取り付け位置は、ヒール部のクラウン側、トウ部314、フェイス部311と対向するバック部等、任意の位置に変更することが可能である。
【0036】
C.第3実施例:
図6は、第3実施例におけるヘッド31f,31gの構成を示す説明図である。第3実施例は、ヘッド31f、31gの外形が異なっている点で、第1実施例と異なっている。他の点は第1実施例と同様である。
図6は、ヘッド31f,31gをB−B面(
図5(a)参照)で切断した断面を示している。
図6(a)に示すヘッド31fでは、トウ部314fに肉厚の肉厚部351f,352fが設けられ、2つの肉厚部351f,352fの間に外面が凹形状の凹部353fが形成されている。
図6(b)に示すヘッド31gは、トウ部314gを凹ませることにより凹部353gを形成している点で、
図6(a)に示すヘッド31fと異なっている。他の点は、
図6(a)に示すヘッド31fと同様である。
【0037】
これらのヘッド31f、31gにおいて、凹部353f,353gは、ヘッド31f,31g中における波長が凹部353f,353gの長さよりも短い音に対して音響レンズ(ホーン)として機能する。そのため、凹部353f,353gの形状で決定される所定の周波数よりも周波数の高い音は、トウ部314f,314gの方向(トウ方向)に集束する。そこで、共振部材32の共振周波数を当該所定の周波数よりも高くすることにより、共振部材32が発生するトリガ音は、トウ方向に選択的に放射される。このとき、トウ方向に配置されたマイクユニット12を配置すると、マイクユニット12により収音されるトリガ音の音圧が高くなるので、周囲の雑音からトリガ音をより容易に弁別することができる。さらに、可聴域よりも高い周波数の音は直進性が高いので、共振周波数を可聴域よりも高くすると、凹部353f、353gから放射される音は、周りにあまり広がらずにマイクユニットに到達する。そのため、共振周波数を可聴域よりも高くすることにより、マイクユニット12により収音されるトリガ音の音圧をより高くすることができる。
【0038】
なお、
図6の例では、トウ部314f,314gに凹部353f,353gを設けているが、凹部は、ヒール部315、クラウン部312、フェイス部311と対向するバック部分等、所望のトリガ音の放射方向に応じて適宜変更することができる。ゴルフ練習場のように複数のユーザが隣接してゴルフの練習をする場合には、凹部をバック部分に設け、他のユーザの映像記録システム1が誤作動しないように、他のユーザがいないバック方向にトリガ音を放射するのが好ましい。この場合、共振周波数を可聴域よりも高くすることにより、他のユーザの映像記録システム1のマイクユニット12にトリガ音が到達するのをさらに抑制することができる。
【0039】
D.変形例:
本発明は上記実施形態や限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0040】
D1.変形例1:
上記各実施例における映像記録システム1(
図1(a))では、ユーザ2のスイングフォームを撮影するためのカメラ11と、トリガ音を収音するためのマイクユニット12と、データ処理装置13とがそれぞれ別体となっているが、カメラ11およびマイクユニット12の少なくとも一方と、データ処理装置13とを一体に構成することも可能である。このような映像記録システムは、例えば、
図7に示すように、モニタ画面141と同一方向にカメラ142が設けられたタブレット型端末14で実現することが可能である。この場合、タブレット型端末14が有するマイク143によりトリガ音を収音するものとしても良い。また、映像記録システムとして、タブレット型端末14の他、スマートフォンや電子書籍端末等を用いても良い。このように、映像記録システムをタブレット型端末14やスマートフォン等で実現した場合、映像記録システムの持ち運びが容易となる。なお、タブレット型端末14等を地面に置く場合、モニタ画面141がユーザ2(
図1(a))の顔の方を向くようにスタンドを用いてタブレット型端末14等を立てるのが好ましい。
【0041】
また、タブレット型端末14のモニタ画面141は、通常、タッチパネルとなっており、ユーザ2の指のモニタ画面141への接触を検知することができる。そこで、タブレット型端末14が指によるモニタ画面141上の2点の指示を取得し、当該2点を結ぶ直線をモニタ画面141上に表示するものとしても良い。このようにすれば、
図7に示すように、スイング時の映像に基準となる線を重ね合わせて表示することができるので、ユーザ2は、より容易にスイングの軌跡を分析することが可能となる。指による2点の指示は、例えば、ユーザ2による指示に基づいて開始され、通常の動作モードと異なるライン記入モードにおいて取得される。また、モニタ画面141上の2点の指示に換えて、モニタ画面141に接触している指の軌跡に基づいてモニタ画面141上に線を表示することも可能である。さらに、モニタ画面141の表面に塗料やインクを拭き取り可能にする保護シートが取り付けられている場合、直接モニタ画面141に線を引くこともできる。なお、ここでは、タブレット型端末14を使用した場合について説明したが、
図1(a)のように単独のデータ処理装置13を用いた場合においても、モニタ画面131がタッチパネルとなっているか、あるいは、保護シートを有する場合には同様に線の表示等を行うことが可能である。
【0042】
D2.変形例2:
上記各実施例では、本発明をシェル構造を有するドライバのヘッド31〜31gに適用しているが、本発明は、一体に形成されたヘッドであれば、アイアンやパター等の種々のヘッドに適用することが可能である。これらの場合においても、ヘッドと一体に形成され、あるいは、ヘッドに固定される錘に設けられることによりヘッドに固定された共振部材を使用することにより、ヘッドから特定の周波数のトリガ音を放出させることができる。そのため、トリガ音に応じてスイング時の映像を記録することが可能となる。