(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の図面を参照して、本発明の実施形態に係るプリント配線板の接続構造を説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は本発明の実施形態であって、特許請求の範囲に記載の内容を限定するものではない。
【0017】
まず
図1、
図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係るプリント配線板の接続構造1を説明する。
【0018】
本発明の第1の実施形態に係るプリント配線板の接続構造1は、2枚のプリント配線板を相互に接続させてなるもので、図示しない携帯電話機等の電子機器に内蔵されるものである。
このプリント配線板の接続構造1は、
図1、
図2に示すように、フレキシブルプリント配線板10と、プリント配線板20とから構成される。
【0019】
前記フレキシブルプリント配線板10は、プリント配線板20と接続されるプリント配線板であり、
図2に示すように、基材層11と、導電層12と、絶縁層13とから構成される。
【0020】
前記基材層11は、フレキシブルプリント配線板10の基台となるものであり、絶縁性の樹脂フィルムで形成されている。
樹脂フィルムとしては、柔軟性に優れた樹脂材料からなるものが使用される。例えばポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等、フレキシブルプリント配線板の基材を形成する樹脂フィルムとして通常用いられるものであれば、如何なるものを用いてもよい。
また特に、柔軟性に加えて高い耐熱性をも有しているものが望ましい。例えばポリアミド系の樹脂フィルムや、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのポリイミド系の樹脂フィルムや、ポリエチレンナフタレートを好適に用いることができる。
また耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等、フレキシブルプリント配線板を形成する耐熱性樹脂として通常用いられるものであれば、如何なるものを用いてもよい。
なお基材層11の厚みは、5μm〜50μm程度、より好ましくは12μm〜25μmとすることが望ましい。5μm未満だと絶縁性が維持できなくなるからであり、50μmを超えるとフレキシブル性が失われるからである。
【0021】
前記導電層12は、導電性金属からなる層であり、フレキシブルプリント配線板10の配線や端子等を形成する層である。
本実施形態においては、
図1(b)、
図2に示すように、後述する差し込み用片Sに端子12bを備えると共に、端子12bと接続する配線12aを備える構成としてある。
この配線12aは、例えば基材層11の表面に、銅等の導電性金属をめっきにより形成するアディティブ法等の公知の形成方法を用いて形成することができる。
また端子12bは、例えば配線12aの表面に、金等の導電性金属をめっきにより被覆させることで形成することができる。本実施形態においては、配線12aの表面にニッケルめっきした上に金をめっきにより被覆させることで端子12bを形成する構成としてある。
なお配線12aの厚みは、5μm〜50μm程度、より好ましくは12μm〜35μmとすることが望ましい。5μm未満だと配線の電気抵抗が大きくなるからであり、50μmを超えるとフレキシブル性が失われるからである。
また端子12bの厚みは、0.05μm〜20μm程度、より好ましくは0.1μm〜10μmとすることが望ましい。0.05μm未満だとめっきが薄すぎて配線12aが腐食するからであり、20μmを超えるとフレキシブル性が失われるからである。
【0022】
前記絶縁層13は、フレキシブルプリント配線板10の絶縁を確保するための層である。
本実施形態においては、詳しくは図示していないが、絶縁性接着剤付きの絶縁性樹脂フィルムで絶縁層13を形成する構成としてある。
なお絶縁性接着剤としては、エポキシ系接着剤等、フレキシブルプリント配線板の絶縁層を形成する絶縁性接着剤として通常用いられるものであれば、如何なるものを用いてもよい。
また絶縁性樹脂フィルムとしては、ポリイミドフィルム等、フレキシブルプリント配線板の絶縁層を形成する絶縁性樹脂フィルムとして通常用いられるものであれば、如何なるものを用いてもよい。また必ずしも絶縁性樹脂フィルムを用いる構成に限るものではなく、フレキシブルプリント配線板の絶縁層を形成するものとして通常用いられるものであれば、その性状は如何なる構成であってもよい。
また絶縁層13の厚みは、5μm〜50μm程度、より好ましくは12μm〜25μmとすることが望ましい。5μm未満だと絶縁性を確保できないからであり、50μmを超えるとフレキシブル性が失われるからである。
【0023】
また本実施形態においては、
図1(b)に示すように、フレキシブルプリント配線板10の一部に2つの差し込み用片Sを設ける構成としてある。
より具体的には、
図1(b)に示すように、フレキシブルプリント配線板10の長手方向に伸びる細長い長方形からなる差し込み用片Sを、フレキシブルプリント配線板10の長手方向と直交する線(
図1(b)において2点鎖線で示す)を対称軸として線対称に2つ設ける構成としてある。
この差し込み用片Sは、後述するように、金型を用いてフレキシブルプリント配線板10を厚み方向に所定形状に打ち抜くことで形成することができる。
【0024】
前記プリント配線板20は、フレキシブルプリント配線板10と接続されるプリント配線板であり、
図2に示すように、基材層21と、導電層22と、絶縁層23とから構成される。なお本実施形態においては、プリント配線板20としてフレキシブルプリント配線板を用いる構成としてある。
なお基材層21、導線層22(配線22a、端子22b)、絶縁層23は、既述したフレキシブルプリント配線板10を構成する基材層11、導電層12(配線12a、端子12b)、絶縁層13と同一部材で形成されるものであることから、以下の詳細な説明は省略するものとし、フレキシブルプリント配線板10と異なる構成のみを説明するものとする。
【0025】
本実施形態においては
図1(a)、(c)に示すように、プリント配線板20におけるフレキシブルプリント配線板10の差し込み用片Sと対応する位置に、切り欠き部Kを3つ設ける構成としてある。
より具体的には、プリント配線板20の長手方向に伸びる細長い長方形からなる切り欠き部K1を1つ設ける構成としてある。更にプリント配線板20の短手方向に伸びる直線からなる切り欠き部K2を、切り欠き部K1の外側で且つ切り欠き部K1の中心を通りプリント配線板20の長手方向と直交する線(
図1(c)において2点鎖線で示す)を対称軸として線対称に2つ設ける構成としてある。
この切り欠き部Kは、後述するように、金型を用いてプリント配線板20を厚み方向に所定形状に打ち抜くことで形成することができる。
また本実施形態においては
図1(c)、
図2に示すように、切り欠き部K1と切り欠き部K2との間に端子22bを設ける構成としてある。
なお、切り欠き部K1の幅E及び切り欠き部K2の幅Fは、差し込み用片Sの幅Gよりも大きいものであることが必要である。より具体的には、切り欠き部K1、K2の幅E、Fは、差し込み用片Sの幅Gの0.1%〜20%程度大きく、より好ましくは1%〜10%大きくすることが望ましい。0.1%未満であると差し込み用片Sを切り欠き部K1、K2に差し込むことができないからであり、20%を超えるとプリント配線板の接続構造1を形成した状態において振動等によって差し込み用片Sにズレが生じることで、端子12bと端子22bとの接触状態が解消される可能性があるからである。
また切り欠き部K1と切り欠き部K2との間隔Hは、差し込み用片Sの長さJよりも短いことが必要である。
また切り欠き部K1の長さLは、2つの差し込み用片Sの間隔Mと同一、若しくは間隔Mより20%程度以下で大きくし、より好ましくは10%程度以下で大きくすることが望ましい。20%を超えるとプリント配線板の接続構造1を形成した状態において振動等によって差し込み用片Sにズレが生じることで、端子12bと端子22bとの接触状態が解消される可能性があり、また2つの差し込み用片Sのうち何れか1つの差し込み用片Sを切り込み部Kに差し込むことができなくなるからである。
【0026】
このような構成からなるフレキシブルプリント配線板10とプリント配線板20とを相互に接続することで本実施形態に係るプリント配線板の接続構造1が形成される。
より具体的には、
図1(a)、
図2に示すように、差し込み用片Sを切り欠き部Kに差し込むことで、フレキシブルプリント配線板10(プリント配線板20)の長手方向と直交する線を対称軸(
図1(a)において2点鎖線で示す)として線対称に2つの差し込み接続部Cが形成される。これによって2つの差し込み接続部Cを介してフレキシブルプリント配線板10とプリント配線板20とが相互に接続固定されてプリント配線板の接続構造1が形成される。
また本実施形態においては
図1(a)、
図2に示すように、切り欠き部K1と切り欠き部K2との2つの切り欠き部Kに対して、プリント配線板20の一面側(おもて面側)から他面側(うら面側)を通って再び一面側(おもて面側)へと1つの差し込み用片Sを差し込むことで1つの差し込み接続部Cを形成する構成としてある。
より具体的には、まずプリント配線板20の一面側(おもて面側)から他面側(うら面側)へと差し込み用片Sを切り欠き部K1に差し込み、プリント配線板20の他面側(うら面側)を通って、プリント配線板20の他面側(うら面側)から一面側(おもて面側)へと差し込み用片Sを切り欠き部K2に差し込むことで1つの差し込み接続部Cを形成する構成としてある。
また本実施形態においては
図1(a)、
図2に示すように、プリント配線板の接続構造1を形成した状態において、フレキシブルプリント配線板10の端子12bとプリント配線板20の端子22bとを接触させることで電気接続させる構成としてある。
なお
図2は、説明の便宜上、切り欠き部K2を拡大して図示すると共に、差し込み用片Sを実際よりも大きく屈曲させて図示するものである。
このように形成されるプリント配線板の接続構造1は、例えば図示しない電子機器の筐体に接着剤(いわゆる粘着テープ等)を介して貼り付けられて使用される。
【0027】
このような構成からなる本発明の実施形態に係るプリント配線板の接続構造1は、以下の効果を奏する。
【0028】
差し込み用片Sを切り欠き部Kに差し込むことで差し込み接続部Cを形成し、この差し込み接続部Cを介してフレキシブルプリント配線板10とプリント配線板20とを相互に接続固定させてプリント配線板の接続構造1を形成する構成とすることで、プリント配線板の接続構造1の厚みの薄型化と小型化とを効果的に実現することができる。よって薄型化、小型化の進展が著しい近年の携帯電話機等の電子機器に対して好適に対応可能なプリント配線板の接続構造1とすることができる。
また差し込み用片Sを切り込み部Kに差し込むだけでプリント配線板の接続構造1を形成できることから、フレキシブルプリント配線板10とプリント配線板20との接続に熱処理工程等の別工程が必要ない。よって製造効率が良く、製造コストの省コスト化を実現可能なプリント配線板の接続構造1とすることができる。加えて、差し込み用片Sを切り欠き部Kに差し込むだけの構成であることから、リペアブル性を備えたプリント配線板の接続構造1とすることができる。
また差し込み用片Sに端子12bを設けると共に、切り欠き部K1と切り欠き部K2との間に端子22bを設ける構成とすることで、差し込み接続部Cを介してフレキシブルプリント配線板10とプリント配線板20との機械的な接続に加えて電気的な接続も行うことができる。よって機械的及び電気的な接続信頼性の良好なプリント配線板の接続構造1を容易に形成することができる。
またフレキシブルプリント配線板10の長手方向と直交する線を対称軸として線対称に差し込み用片Sを2つ設けると共に、この2つの差し込み用片Sをそれぞれに対応する切り欠き部K1、K2に差し込む構成とすることで、差し込み用片Sの差し込み箇所を線対称な位置に2箇所設けることができる。よってプリント配線板の接続構造1を形成した状態において、フレキシブルプリント配線板10若しくはプリント配線板20に振動等に伴うズレが生じるような場合(特に配線板の長手方向にズレが生じるような場合)でも、差し込み用片Sが切り欠き部Kから抜け出ることを効果的に防止することができる。また端子12bと端子22bとの接触状態が解消されることを効果的に防止することができる。従って機械的及び電気的な接続信頼性の良好なプリント配線板の接続構造1とすることができる。
更に切り欠き部K1と切り欠き部K2との2つの切り欠き部Kに対して、プリント配線板20の一面側(おもて面側)から他面側(うら面側)を通って再び一面側(おもて面側)へと1つの差し込み用片Sを差し込むことで1つの差し込み接続部Cを形成する構成とすることで、フレキシブルプリント配線板10とプリント配線板20とを一段と強固に機械的に接続することができる。よって機械的な接続信頼性の一段と良好なプリント配線板の接続構造1とすることができる。加えて、差し込み用片Sにプリント配線板20の側へと向かう弾性力を付加させることができる。よってこの弾性力によって差し込み用片Sに備える端子12bを端子22bに自発的に押し当てることが可能となり、差し込み接続部Cを形成するだけで端子12bと端子22bとの電気接続を一段と確実に行うことができる。従って電気的な接続信頼性の一段と良好なプリント配線板の接続構造1とすることができる。
【0029】
これに対して
図9に示す従来のプリント配線板の接続構造3は、フレキシブルプリント配線板4の端子T(配線4bの一部)とフレキシブルプリント配線板5の端子T(配線5bの一部)とをコネクタ6を介して機械的及び電気的に接続させるものが一般的であった。
よってコネクタ6の厚みの分だけプリント配線板の接続構造3の総厚みが増加することから、プリント配線板の接続構造3の薄型化、小型化を実現することができないという問題があった。
なお従来のプリント配線板の接続構造3を構成するフレキシブルプリント配線板4の基材層4a、配線4b、絶縁層4c及びフレキシブルプリント配線板5の基材層5a、配線5b、絶縁層5cは既述したフレキシブルプリント配線板10の基材層11、配線12a、絶縁層13と同一部材で形成されるものであることから、以下の詳細な説明は省略するものとする。
【0030】
よって本発明の第1の実施形態に係るプリント配線板の接続構造1の構成とすることで、プリント配線板の接続構造の薄型化、小型化を効果的に実現することができる。
【0031】
次に
図3〜
図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係るプリント配線板の接続構造1の製造方法を説明する。
【0032】
まず
図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係るプリント配線板の接続構造1を構成するフレキシブルプリント配線板10の製造工程を説明する。
図3(a)を参照して、絶縁性の樹脂フィルムからなる基材層11を準備する。
次に
図3(b)を参照して、基材層11の表面に公知の形成方法(例えばアディティブ法等)を用いて、銅等の導電性金属からなる配線12aを形成する。
次に
図3(c)を参照して、基材層11及び配線12aの表面に絶縁性接着剤付きの絶縁性樹脂フィルムを被覆させることで絶縁層13を形成する。なおこの際、
図3(c)、
図3(d)に示すように、後に端子12bを形成する配線12aの表面が露出状態となるように絶縁層13を形成する。
次に
図3(d)を参照して、露出状態にある配線12aの表面に公知のめっき方法(例えば電解めっき)を用いて金を被覆させることで、端子12bを形成する。
次に
図3(e)を参照して、図示しない金型を用いて配線板の所定領域を所定形状に打ち抜くことで、
図1(b)に示す差し込み用片Sを備えるフレキシブルプリント配線板10が形成される。
【0033】
次に
図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係るプリント配線板の接続構造1を構成するプリント配線板20の製造工程を説明する。
図4(a)を参照して、絶縁性の樹脂フィルムからなる基材層21を準備する。
次に
図4(b)を参照して、基材層21の表面に公知の形成方法(例えばアディティブ法等)を用いて、銅等の導電性金属からなる配線22aを形成する。
次に
図4(c)を参照して、基材層21及び配線22aの表面に絶縁性接着剤付きの絶縁性樹脂フィルムを被覆させることで絶縁層23を形成する。なおこの際、
図4(c)、
図4(d)に示すように、後に端子22bを形成する配線22aの表面が露出状態となるように絶縁層23を形成する。
次に
図4(d)を参照して、露出状態にある配線22aの表面に公知のめっき方法(例えば電解めっき)を用いて金を被覆させることで、端子22bを形成する。
次に
図4(e)を参照して、金型を用いて配線板の所定領域を所定形状に打ち抜くことで、
図1(c)に示す切り欠き部Kを備えるプリント配線板20が形成される。
【0034】
次に
図5を参照して、フレキシブルプリント配線板10とプリント配線板20とを接続してなるプリント配線板の接続構造1の形成方法を説明する。
まず
図5(a)を参照して、プリント配線板20の上方にフレキシブルプリント配線板10を準備する。
次に
図5(b)を参照して、切り欠き部K1と切り欠き部K2との2つの切り欠き部Kに対して、プリント配線板20の一面側(おもて面側)から他面側(うら面側)を通って再び一面側(おもて面側)へと1つの差し込み用片Sを差し込むことで差し込み接続部Cを2つ形成する。
これによってフレキシブルプリント配線板10とプリント配線板20とを機械的及び電気的に接続してなるプリント配線板の接続構造1が形成される。
なお
図5は、説明の便宜上、切り欠き部K2を拡大して図示すると共に、差し込み用片Sを実際よりも大きく屈曲させて図示するものである。
【0035】
次に
図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係るプリント配線板の接続構造1の変形例を説明する。
本変形例は、既述した本発明の第1の実施形態に係るプリント配線板の接続構造1に対して、差し込み接続部Cの表面に接着剤層30を被覆した構成とするものである。
その他の構成は既述した本発明の第1の実施形態に係るプリント配線板の接続構造1と同一であることから、同一部材、同一機能を果たすものには同一番号、同一アルファベットを付し、以下の詳細な説明は省略するものとする。
なお
図6(b)は、説明の便宜上、切り欠き部K2を拡大して図示すると共に、差し込み用片Sを実際よりも大きく屈曲させて図示するものである。
【0036】
図6(a)を参照して、本変形例においては、プリント配線板の接続構造1における差し込み接続部Cを含むうら面側の所定領域(
図6(a)において1点鎖線で示す領域)を接着剤層30で一体的に被覆する構成とするものである。なお本変形例においては、粘着テープで接着剤層30を形成する構成としてある。
【0037】
このような構成とすることで、差し込み用片Sをプリント配線板20に一段と強固に固定することができる。よってフレキシブルプリント配線板10とプリント配線板20とを一段と強固に機械的及び電気的に接続することができる。
従って機械的及び電気的な接続信頼性の一段と良好なプリント配線板の接続構造1とすることができる。
【0038】
次に
図7、
図8を参照して、本発明の第2の実施形態に係るプリント配線板の接続構造2を説明する。
本実施形態に係るプリント配線板の接続構造2は、既述した本発明の第1の実施形態に係るプリント配線板の接続構造1に対して、差し込み用片及び切り欠き部の構成のみを異なる構成としたものである。
その他の構成は既述した本発明の第1の実施形態に係るプリント配線板の接続構造1と同一であることから、同一部材、同一機能を果たすものには下一桁の番号及びアルファベットに同一なものを付し、以下の詳細な説明は省略するものとする。
なお
図8は、説明の便宜上、切り欠き部K3を拡大して図示すると共に、差し込み用片S1を実際よりも大きく屈曲させて図示するものである。
【0039】
図7を参照して、本実施形態に係るプリント配線板の接続構造2においては、フレキシブルプリント配線板40に4つの差し込み用片S1を設け、プリント配線板50に4つの差し込み用片S1にそれぞれ対応する4つの切り欠き部K3を設ける構成としてある。そしてこれら4つの差し込み用片S1をそれぞれ4つの切り欠き部K3に差し込むことで4つの差し込み接続部Cを形成し、この4つの差し込み接続部Cを介してフレキシブルプリント配線板40とプリント配線板50とを機械的及び電気的に接続する構成としてある。
より具体的には、
図7(b)を参照して、フレキシブルプリント配線板40においては、その短手方向に伸びる細長い長方形からなる差し込み用片S1を、フレキシブルプリント配線板40の短手方向の幅の垂直二等分線(
図7(b)において1点鎖線で示す)を対称軸として線対称に2つ(一対)設け、更にフレキシブルプリント配線板40の長手方向と直交する線(
図7(b)において2点鎖線で示す)を対称軸として既述した2つの差し込み用片S1と線対称に差し込み用片S1を2つ(二対)設ける構成としてある。
また
図7(c)を参照して、プリント配線板50においては、プリント配線板50の長手方向に伸びる直線からなる切り欠き部K3を、プリント配線板50の短手方向の幅の垂直二等分線(
図7(b)において1点鎖線で示す)を対称軸として線対称に2つ(一対)設け、更にプリント配線板50の長手方向と直交する線(
図7(b)において2点鎖線で示す)を対称軸として既述した2つの切り欠き部K3と線対称に切り欠き部K3を2つ(二対)設ける構成としてある。
また
図7、
図8に示すように、フレキシブルプリント配線板40においては4つの差し込み用片S1にそれぞれ端子42bを設けてある。またプリント配線板50においては4つの切り欠き部K3にそれぞれ4つの差し込み用片S1を差し込んだ状態において、端子42bと対応する(接触する)位置に端子52bを設ける構成としてある。
また本実施形態に係るプリント配線板の接続構造2においては、
図7(a)、
図8に示すように、プリント配線板の接続構造2における差し込み接続部Cを含むうら面側の所定領域(
図7(a)において1点鎖線で示す領域)を接着剤層60で一体的に被覆する構成としてある。なお本実施形態においては、粘着テープで接着剤層60を形成する構成としてある。
【0040】
このように、配線板の長手方向及び短手方向の線対称な位置に4つの差し込み接続部Cを設ける構成とすることで、フレキシブルプリント配線板40とプリント配線板50とを一段と多点で接続固定させることができる。よってプリント配線板の接続構造2を形成した状態において、フレキシブルプリント配線板40若しくはプリント配線板50に振動等に伴うズレが生じるような場合でも、差し込み用片S1が切り欠き部K3から抜け出ることを一段と効果的に防止することができる。また端子42bと端子52bとの接触状態が解消されることを一段と効果的に防止することができる。従って機械的及び電気的な接続信頼性の一段と良好なプリント配線板の接続構造2とすることができる。
またプリント配線板の接続構造2における差し込み接続部Cを含むうら面側の所定領域(
図7(a)において1点鎖線で示す領域)を接着剤層60で一体的に被覆する構成とすることで、差し込み用片S1をプリント配線板50に一段と強固に固定することができる。よってフレキシブルプリント配線板40とプリント配線板50とを一段と強固に機械的及び電気的に接続することができる。従って機械的及び電気的な接続信頼性の一段と良好なプリント配線板の接続構造2とすることができる。
【0041】
なお本実施形態においては、差し込み用片を備えるフレキシブルプリント配線板と接続されるプリント配線板として、フレキシブルプリント配線板を用いる構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、例えばリジッドフレキシブルプリント配線板等、他のプリント配線板を用いる構成としてもよい。
また差し込み用片、切り込み部の形状、数、形成位置、形成方法も本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
また配線、端子の数、形成位置も本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
また本発明の第1の実施形態の変形例及び第2の実施形態においては、プリント配線板の接続構造のうら面側に接着剤層を設ける構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、プリント配線板の接続構造のおもて面側に接着剤層を設ける構成としてもよい。