(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前述の通りスイッチは電装品箱内部の基板に設けられており、電装品箱の外部からスイッチを押すことが困難である。
【0004】
そこで、本発明の目的は、電装品箱内部のスイッチを容易に押すことが可能な機構を有する冷凍装置の室外ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、基板と、ガイド部材と、電装品ケーシングと、を備える。基板にはスイッチが設けられている。ガイド部材は、棒状部材が挿入可能であり、棒状部材をスイッチの近傍に導くガイド空間を形成する。電装品ケーシングは、スイッチ及びガイド部材を収納する。ガイド部材は、電装品ケーシング内の基板の側の側面と奥側の面とを有し、棒状部材が奥側の面に当接した状態で棒状部材を側面から飛び出させることができるように構成され、側面から飛び出した棒状部材を使ってスイッチのON/OFF制御を行わせることができるように構成されている。
【0006】
この冷凍装置の室外ユニットによれば、ガイド部材は、電装品ケーシングの外側方向からスイッチの方向に沿って形成されており、棒状部材をスイッチの近傍に導く。よって、作業者は、棒状部材を用いて容易、かつ正確にスイッチを押すことができる。なお、スイッチの近傍には、スイッチそのものの位置だけでなく、ガイド部材により導かれた棒状部材の先端が可動な範囲においてスイッチを押すことのできる範囲を含む。
【0007】
ガイド部材は、例えば2面からなるL字状の板部材、3面からなるコの字状の板部材などにより形成される。また、ガイド空間の各面は板状に限られず、湾曲した曲面状であってもよい。
【0008】
本発明の第2観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、第1観点に係る冷凍装置の室外ユニットにおいて、ガイド部材が形成するガイド空間は筒状である。
【0009】
ここでは、筒状のガイド空間は棒状部材をスイッチの近傍に効率よく導く。また、作業者は、筒状のガイド空間を一見するだけで、棒状部材の挿入位置及びスイッチの操作位置を把握することができる。
【0010】
本発明の第3観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、第2観点に係る冷凍装置の室外ユニットにおいて、ガイド部材により形成されるガイド空間は、スイッチの近傍には指が到達しない大きさである。
【0011】
ここで、基板上に設けられたスイッチは非絶縁部材により形成されており、絶縁部材を介さずに指でスイッチを触ると危険である。よって、ガイド部材のガイド空間は、例え作業者が指を挿入したとしても、スイッチの近傍までは指が到達しない大きさである。あるいは、ガイド部材のガイド空間の大きさが、そもそも指が挿入できない大きさであるとさらに好ましい。
【0012】
本発明の第4観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、スイッチが設けられた基板と、棒状部材が挿入可能であり、棒状部材をスイッチの近傍に導くガイド空間を形成するガイド部材と、スイッチ及びガイド部材を収納する電装品ケーシングと、を備え、ガイド空間は筒状であり且つスイッチの近傍には指が到達しない大きさであり、ガイド部材は、電装品ケーシング内の基板の側の側面と奥側の面とを有し、スイッチの近傍に近づくほどガイド空間が階段状に狭くなり、ガイド部材の側面に対する棒状部材の角度を変化させることで、棒状部材によってスイッチのON/OFF制御を行わせることができるように構成されている。
【0013】
この構成によれば、ガイド部材がスイッチの近傍に近づくほど狭くなっているため、棒状部材はガイド部材に沿って自動的にスイッチの近傍に導かれる。よって、作業者は棒状部材によりスイッチを容易に操作可能である。
【0014】
本発明の第5観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、第3観点に係る冷凍装置の室外ユニットにおいて、ガイド部材はスイッチに面した開口を有している。この開口を介して棒状部材の先端とスイッチとが接触可能である。
【0015】
この構成によれば、作業者は、ガイド部材により棒状部材の先端をスイッチの近傍に近づけた後、棒状部材を可動させることで開口を介してスイッチを操作できる。
【0016】
本発明の第6観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、スイッチが設けられた基板と、棒状部材が挿入可能であり、棒状部材をスイッチの近傍に導くガイド空間を形成するガイド部材と、スイッチ及びガイド部材を収納する電装品ケーシングと、を備え、ガイド部材は、棒状部材の挿入方向に沿って延びる電装品ケーシング内の基板の側の側面と、側面に切込みを入れて形成され且つ棒状部材の動きに応じて可動しスイッチと接触可能な可動部材とを有している。
【0017】
この構成によれば、例えば、作業者が棒状部材をガイド部材に挿入して操作すると、棒状部材の先端はガイド部材の可動部材をスイッチの方向に押す。
【0018】
本発明の第7観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、第6観点に係る冷凍装置の室外ユニットにおいて、可動部材は、棒状部材がスイッチの近傍に近づくのに応じて可動し、スイッチと接触する。
【0019】
この構成によれば、棒状部材がガイド部材に挿入されるにつれて、棒状部材が可動部材を押して可動部材はスイッチと接触する方向に移動する。よって、作業者は、棒状部材をガイド部材に沿って挿入するだけで容易にスイッチを押すことが
できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、ガイド部材は、電装品ケーシングの外側方向からスイッチの方向に沿って形成されており、棒状部材をスイッチの近傍に導く。よって、作業者は、棒状部材を用いて容易、かつ正確にスイッチを押すことができる。
【0021】
本発明の第2観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、筒状のガイド空間は棒状部材をスイッチの近傍に効率よく導く。また、作業者は、筒状のガイド空間を一見するだけで、棒状部材の挿入位置及びスイッチの操作位置を把握することができる。
【0022】
本発明の第3観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、スイッチの近傍には指が到達しないため、非絶縁部材であるスイッチへの接触の危険が減る。
【0023】
本発明の第4観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、ガイド部材がスイッチの近傍に近づくほど狭くなっているため、棒状部材はガイド部材に沿って自動的にスイッチの近傍に導かれる。よって、作業者は棒状部材によりスイッチを容易に操作可能である。
【0024】
本発明の第5観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、作業者は、ガイド部材により棒状部材の先端をスイッチの近傍に近づけた後、棒状部材を可動させることで開口を介してスイッチを操作できる。
【0025】
本発明の第6観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、作業者が棒状部材をガイド部材に挿入して操作すると、棒状部材の先端はガイド部材の可動部材をスイッチの方向に押す。
【0026】
本発明の第7観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、棒状部材がガイド部材に挿入されるにつれて、棒状部材が可動部材を押して可動部材はスイッチと接触する方向に移動する。よって、作業者は、棒状部材をガイド部材に沿って挿入するだけで容易にスイッチを押すことがで
きる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0029】
<実施形態>
(1)室外ユニットの全体構成
まず、冷凍装置の室外ユニットの全体構成について説明する。
【0030】
図1は前板が外された室外ユニットの斜視図であり、
図2は前板、天板及び右側板が外された室外ユニットの斜視図である。
【0031】
室外ユニット100は、空気調和を行う対象空間である居室の外部に設置されるものである。室外ユニット100は、冷媒連絡配管(図示せず)を介して、室内の壁面や天井等に取り付けられている室内ユニット(図示せず)と接続されている。
【0032】
(1−1)室外ユニットの外側面
室外ユニット100は、
図1、
図2に示すように、外側面を形成する、前板(図示せず)、天板10、右側板11及び底板12を有する。
【0033】
天板10は、室外ユニット100の上面に配置され、室外ユニット100の内部空間の上面を覆う。天板10は板金で形成されている。
【0034】
前板(図示せず)は、例えばポリプロピレンなどの樹脂から形成されており、室外ユニット100の前面に設けられている。前板には、複数のスリット状の吹出し孔が設けられている。後述のファン20の回転により室外ユニット100の内部空間に取り込まれた空気流は、吹出し孔を通って室外ユニット100の外部へ排出される。
【0035】
右側板11は、室外ユニット100の内部空間の右側を覆い、板金で形成されている。
【0036】
底板12は、室外ユニット100の下面に配置され、室外ユニット100の内部空間の下方を覆う。底板12は板金で形成されている。
【0037】
(1−2)室外ユニットの内部空間
室外ユニット100の内部空間には、仕切板13、ファン20、室外熱交換器30、圧縮機40及び電装品箱50が配置されている。
【0038】
仕切板13は、底板12に対して垂直に設けられており、上面視において屈曲した形状をなしている。仕切板13は、前板から背面に向かって右側板11に概ね平行な部分と、その平行な部分から右側板11に向かって延びる部分と、を有している。この仕切板13は、室外ユニット100の内部空間を機械室S1と送風機室S2とに仕切る。機械室S1は仕切板13と右側板11と前板の右側一部分とに囲まれる空間であり、雨風の侵入が抑えられている。従って、機械室S1には、
図1および
図2に示すように、電装品箱50や圧縮機40などの風雨から保護する必要のある機械部品の多くが収容される。室外ユニット100の内部空間の他の空間は、室外ユニット100の外部から取り込まれた空気が、室外熱交換器30を通って室外へと排出される送風機室S2となっている。
【0039】
ファン20は、複数の羽を有するプロペラファンであり、送風機室S2に配置されている。ファン20は、送風機室S2のうち室外熱交換器30の前方、すなわち下流側に位置しており、前板の背面に位置している。ファン20は、正面視において、送風機室S2の略中央に配置されており、仕切板13の左側方に位置している。また、ファン20の中心にはファンモータ収容部21が設けられている。ファンモータ収容部21には、ファンモータ22が前面側から挿入されて収容される。ファン20は、ファンモータ22の回転軸に固定され、ファンモータ22によって前後方向に平行な軸を中心に回転駆動される。ファン20によって生成された空気流は、室外ユニット100の背面側から送風機室S2へと取り込まれ、室外熱交換器30及び前板の吹出し孔等を通って、室外ユニット100の外部へと排出される。
【0040】
室外熱交換器30は送風機室S2に配置されており、通過する空気との間で熱交換を行う。室外熱交換器30は、略L字形状の形状をなしており、室外ユニット100の背面に沿う部分と、背面に沿う部分から左側に屈曲して延在する部分と、を有する。
【0041】
圧縮機40は、機械室S1に配置されており底板12に固定される。圧縮機40は、冷媒を圧縮するためのものであって、圧縮機モータ(図示せず)によって駆動される。
【0042】
電装品箱50は、機械室S1の上部に、仕切板13に取り付けられて配置される。電装品箱50には、各種装置の制御を行うためのマイクロコンピュータチップや制御プログラムを格納するメモリなどの電子部品55(
図3参照)が内装されている。電装品箱50内の電子部品55は、圧縮機40等とハーネス41などによって接続される。電装品箱50については次に詳述する。
【0043】
(2)電装品箱
図3は電装品箱の斜視図である。電装品箱50は、電装品ケーシング51、ガイド部材52、端子台ユニット53及び制御基板54を有している。
【0044】
(2−1)電装品ケーシング
電装品ケーシング51は、弾性を有する樹脂材料から一体成型された箱状の形状を有し、前面全体に開口が形成されている。電装品ケーシング51は、制御基板54を内部に収容する。電装品ケーシング51の前面右側には、端子台53dを有する端子台ユニット53が設けられている。
【0045】
図4は電装品ケーシングの説明図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図及び(d)は上面図である。電装品ケーシング51は、上面51a、第1側面51b、第2側面51c、第3側面51d及び底面51eを有する。上面51aは、電装品箱50が仕切板13に取り付けられた状態で天板10に沿う面であり、制御基板54の上部を覆う面である。底面51eは、上面51aに対向する面であり、制御基板54の下部を覆う面である。第3側面51dは、機械室S1側に対向して制御基板54の背面を覆う側面である。第3側面51dには側面開口51fが設けられており、ヒートシンク(図示せず)が配置される。ヒートシンクは、インバータ制御素子等の運転時の発熱を外部に逃すための部材であり、アルミ板及び銅板等から構成され多数の伝熱フィンを有する。ヒートシンクは、制御基板54の背面から送風機室S2側に突出するように側面開口51fに嵌め込まれる。伝熱フィンは制御基板54上の電子部品55に接触しており、電子部品55から発生した熱を送風機室S2に放出する。第1側面51b及び第2側面51cは、それぞれ制御基板54の左側及び右側側方を覆う側面である。これらの上面51a、第1側面51b、第2側面51c、第3側面51d及び底面51eが
図3に示すように箱状を成すことで、制御基板54を収納する空間を形成する。
【0046】
また、電装品ケーシング51は、棒状部材であるドライバ70(
図7参照)等が挿入可能なガイド部材52を有する。
【0047】
(2−2)端子台ユニット
図5は端子台ユニットの説明図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図である。端子台ユニット53は、電装品ケーシング51の右前面に取り付けられている。端子台ユニット53は、端子台開口53a、端子台右側壁53b、端子台左側壁53c、端子台53d(
図3参照)及び端子台背面部53eを有する。端子台開口53aは、端子台背面部53eの平面部53e−1から端子台右側壁53bを切りおこすことで形成されている。作業者は、端子台開口53aを介して後述のガイド部材52にドライバ70等を挿入し、強制運転スイッチ55cを操作する。端子台右側壁53b及び端子台左側壁53cは、端子台背面部53eの平面部53e−1から突出しており、端子台53dの右側方及び左側方を覆うように形成されている。端子台53dは、室内ユニットとの間で送受信されるデータを伝送するための配線等が接続される端子部品からなる。
【0048】
端子台背面部53eは、平面部53e−1と突出部53e−2とを有する。平面部53e−1は、端子台右側壁53b及び端子台左側壁53cの基部と接続されている。突出部53e−2は、平面部53e−1から端子台53dが設けられた前面とは反対の背面に突出する。端子台背面部53eは、電装品ケーシング51の上面51a及び第2側面51cとネジを介して接続される。
【0049】
(2−3)制御基板
制御基板54は、電装品ケーシング51前面の開口を介して電装品ケーシング51の内部空間に導入され、
図3に示すようにその背面が電装品ケーシング51の第3側面51dに対向するように配置される。よって、制御基板54はその板状面が天板10及び底板12に対して垂直方向に沿って配置される。制御基板54上には、マイクロコンピュータ、抵抗、リアクタ55a、コンデンサ55b及び強制運転スイッチ55c(
図6参照)などの電子部品55が配置されている。リアクタ55aは、圧縮機40等を駆動するモータの整流回路を構成する。強制運転スイッチ55cは、室外ユニット100を含む冷凍装置を強制運転させるためのスイッチである。強制運転スイッチ55cは制御基板54上に載置されているため、電装品ケーシング51の前面の開口からは離れて位置している。この強制運転スイッチ55cは、作業者が後述のガイド部材52にドライバ70等を挿入することで操作される。
【0050】
(2−4)ガイド部材
図6はガイド部材の説明図である。
図7はドライバがガイド部材に挿入されている様子を示すガイド部材の斜視図である。
図8は
図7のA−Aにおけるガイド部材の断面図である。
【0051】
(a)ガイド部材の概略
図3、
図6〜
図8に示すように、ガイド部材52は、電装品ケーシング51の第2側面51cに形成されている。ガイド部材52は、上面である第1面52aと、側面である第2面52bと、下面である第3面52cと、奥側の面である第4面52dと、を有する。第2面52bは電装品ケーシング51内の制御基板54側の面である。第1面52a及び第3面52cは第2面52bに対して屈曲して形成される面であり、第1〜第3面52a〜52cの断面形状はコの字状を有している。第1〜第4面52a〜52dが電装品ケーシング51の第2側面51cに取り付けられることで、ガイド空間G(
図6参照)を形成する。このようにガイド空間Gは、第1〜第4面52a〜52dと第2側面51cとにより囲まれた筒状に形成されている。作業者は、ドライバ70を筒状のガイド部材52に挿入し、ドライバ70を操作することで強制運転スイッチ55cのON/OFFを制御する。
【0052】
ガイド空間Gが筒状であるため、ドライバ70は強制運転スイッチ55cの近傍に効率よく導かれる。また、作業者は、筒状のガイド空間Gを一見するだけで、ドライバ70の挿入位置及び強制運転スイッチ55cの操作位置を把握することができる。
【0053】
(b)可動部材
ガイド部材52の第2面52bには、ドライバ70の動きに応じて可動し強制運転スイッチ55cと接触可能な可動部材52eが設けられている。可動部材52eは第2面52bに例えばコの字状に切り込みを入れることで形成される。切り込みは、コの字状の閉じた部分がガイド空間Gの奥側に位置し、コの字状の開口がガイド空間Gの手前に位置するように形成される。なお、コの字状に開口している部分は、可動部材52eの平面と連続している。作業者がドライバ70をガイド部材52の奥に挿入して可動部材52eを押すと、第2面52bと連続している可動部材52eの一端を起点として、第2面52bとは切り離された部分が持ち上がる。可動部材52eの強制運転スイッチ55cと対向する部分には突起部52fが設けられている。よって、作業者が可動部材52eを操作することにより、突起部52fが強制運転スイッチ55cをON又はOFFする。
【0054】
可動部材52eは弾性変形可能な部材で形成されていると好ましい。作業者がドライバを操作することで、ドライバ70からの押圧に応じて可動部材52eは容易に変形する。よって、可動部材52eにより強制運転スイッチ55cを容易に押すことができる。
【0055】
なお、上記では可動部材52eは第2面52bに切り込みを入れることで第2面52bと一連に形成されている。しかし、第2面52bとは別途に可動部材52eを形成してもよい。例えば、可動部材52eを設ける位置に対応して第2面52bに開口を形成し、その開口に別途形成した可動部材52eを取り付けてもよい。
【0056】
(c)ガイド空間Gの大きさ
ガイド部材52が形成するガイド空間Gは、
図7に示すようにドライバ70等を挿入可能な大きさに形成されていればよい。さらに、ガイド空間Gは、例え作業者が指を挿入したとしても、強制運転スイッチ55cの近傍までは指が到達しない大きさに形成されていると好ましい。あるいは、ガイド空間Gは、ドライバ70等は挿入可能であるが、指が挿入できない大きさに形成されているとさらに好ましい。制御基板54上に設けられた強制運転スイッチ55cは非絶縁部材により形成されており、絶縁部材を介さずに指で強制運転スイッチ55cを触ると危険である。上記のようにガイド部材52に指が入らない大きさ、あるいは、強制運転スイッチ55cの近傍までは指が到達しない大きさに形成されていると、強制運転スイッチ55cを指で触る危険がなくなる。
【0057】
(d)ガイド空間Gの形状
また、ガイド部材52のガイド空間Gは、強制運転スイッチ55cの近傍に近づくほど狭くなっていると好ましい。ここで、
図6及び
図8に示すように、電装品ケーシング51の第2側面51cはガイド空間Gの一面を形成している。第2側面51cは、奥側に向かってガイド空間Gを狭めるように、ガイド部材52の第2面52bに対して傾斜している。強制運転スイッチ55cは制御基板54上に形成されており、電装品ケーシング51の奥側に位置する。ガイド空間Gが奥側に向かって狭まるように形成されているため、ガイド空間Gに挿入されたドライバ70は、電装品ケーシング51の奥側に配置された強制運転スイッチ55cの近傍に近づくように案内される。
【0058】
図9はガイド空間Gにドライバが挿入されている様子を示す断面図である。作業者は、強制運転スイッチ55cを操作する場合、
図3に示す端子台ユニット53の端子台開口53aからドライバ70をガイド部材52に挿入する。ガイド空間Gが強制運転スイッチ55cの近傍に近づくほど狭くなっているため、作業者がドライバ70を奥側に挿入するにつれて、ドライバ70はガイド部材52に沿って自動的に強制運転スイッチ55cの近傍に導かれる。また、ドライバ70が奥側に挿入されるのにつれて、
図9に示すようにドライバ70は可動部材52eを強制運転スイッチ55c側に押す。よって、作業者は、ドライバ70をガイド部材52に沿って挿入するだけで容易に強制運転スイッチ55cを操作することができる。
【0059】
なお、ガイド空間Gを奥側に向かって狭くする方法は、電装品ケーシング51の第2側面51cを傾斜させることに限定されず、第1〜第3面52a〜52cを傾斜させることで狭くしても良い。また、別途の部材をガイド空間Gに設けることで、ガイド空間Gを奥側に向かって狭くしてもよい。
【0060】
(e)ガイド部材の形成方法
上記のガイド部材52は、電装品ケーシング51の第2側面51cに第1〜第4面52a〜52dが取り付けられて形成される。つまり、ガイド部材52の第1〜第4面52a〜52dと電装品ケーシング51とは別体で形成され、第1〜第4面52a〜52dが電装品ケーシング51に取り付けられる。しかし、ガイド部材52は、電装品ケーシング51と一体に形成されてもよい。つまり、ガイド部材52の第1〜第4面52a〜52d及び電装品ケーシング51の第2側面51cが一連一体に形成されてもよい。
【0061】
(f)ガイド部材の作用及び効果
ガイド部材52は、電装品ケーシング51の外側方向からスイッチの方向に沿って形成されており、ドライバ70等の棒状部材を強制運転スイッチ55cの近傍に導く。よって、作業者は、ドライバ70等を用いて容易、かつ正確に強制運転スイッチ55cを押すことができる。
【0062】
強制運転スイッチ55cの操作をし易くする方法としては、電装品ケーシング51の外側に近い位置に別の基板を設けてその基板にスイッチを配置するなどの方法がある。しかし、上記構成によれば、強制運転スイッチ55cの位置を制御基板54から別の位置に変更する必要がない。よって、既存の構成を維持しながらも容易かつ正確に強制運転スイッチ55cを操作できるため、別途の構成の追加及び構成の変更によるコストアップを抑制できる。
【0063】
(3)特徴
(3−1)
冷凍装置を強制的に運転させる場合には、作業者は、例えば工具等を用いて電装品箱50の外部から制御基板54上の強制運転スイッチ55cを押す。このとき、作業者は、ドライバ70などの棒状部材をガイド部材52に挿入する。ガイド部材52は、電装品ケーシング51の外側方向から強制運転スイッチ55cの方向に沿って形成されており、棒状部材を強制運転スイッチ55cの近傍に導く。よって、作業者は、棒状部材を用いて容易、かつ正確に強制運転スイッチ55cを押すことができる。なお、強制運転スイッチ55cの近傍には、強制運転スイッチ55cそのものの位置だけでなく、ガイド部材52により導かれた棒状部材の先端が可動な範囲において強制運転スイッチ55cを押すことのできる範囲を含む。
【0064】
また、上記構成にれば、強制運転スイッチ55cの操作をし易くするために電装品ケーシングの外側に近い位置に別の基板を設けてその基板に強制運転スイッチ55cを配置するなど、強制運転スイッチ55cの配置を変更する必要がない。よって、既存の構成を維持しながらも容易かつ正確に強制運転スイッチ55cを操作できるため、別途の構成の追加及び構成の変更によるコストアップを抑制できる。
【0065】
ガイド部材52は、例えば2面からなるL字状の板部材、3面からなるコの字状の板部材などにより形成される。また、ガイド空間Gの各面は板状に限られず、湾曲した曲面状であってもよい。
【0066】
(3−2)
ガイド部材52が形成するガイド空間は筒状である。
【0067】
筒状のガイド空間Gは棒状部材を強制運転スイッチ55cの近傍に効率よく導く。また、作業者は、筒状のガイド空間Gを一見するだけで、棒状部材の挿入位置及び強制運転スイッチ55cの操作位置を把握することができる。
【0068】
(3−3)
ガイド部材52により形成されるガイド空間Gは、強制運転スイッチ55cの近傍には指が到達しない大きさである。
【0069】
制御基板54上に設けられた強制運転スイッチ55cは非絶縁部材により形成されており、絶縁部材を介さずに指で強制運転スイッチ55cを触ると危険である。よって、ガイド部材52のガイド空間Gは、例え作業者が指を挿入したとしても、強制運転スイッチ55cの近傍までは指が到達しない大きさである。あるいは、ガイド部材52のガイド空間Gの大きさが、そもそも指が挿入できない大きさであるとさらに好ましい。
【0070】
(3−4)
ガイド部材52は、強制運転スイッチ55cの近傍に近づくほどガイド空間Gが狭くなっている。
【0071】
ガイド部材52が強制運転スイッチ55cの近傍に近づくほど狭くなっているため、棒状部材はガイド部材52に沿って自動的に強制運転スイッチ55cの近傍に導かれる。よって、作業者は棒状部材により強制運転スイッチ55cを容易に操作可能である。
【0072】
(3−5)
ガイド部材52は強制運転スイッチ55cに面した開口を有している。この開口を介して棒状部材の先端と強制運転スイッチ55cとが接触可能である。
【0073】
作業者は、ガイド部材52により棒状部材の先端を強制運転スイッチ55cの近傍に近づけた後、棒状部材を可動させることで開口を介して強制運転スイッチ55cを操作できる。
【0074】
(3−6)
ガイド部材52は、棒状部材の動きに応じて可動し強制運転スイッチ55cと接触可能な可動部材52eを有している。
【0075】
例えば、作業者が棒状部材をガイド部材52に挿入して操作すると、棒状部材の先端はガイド部材52の可動部材52eを強制運転スイッチ55cの方向に押す。
【0076】
(3−7)
可動部材52eは、棒状部材が強制運転スイッチ55cの近傍に近づくのに応じて可動し、強制運転スイッチ55cと接触する。
【0077】
棒状部材がガイド部材52に挿入されるにつれて、棒状部材が可動部材52eを押して可動部材52eは強制運転スイッチ55cと接触する方向に移動する。よって、作業者は、棒状部材をガイド部材52に沿って挿入するだけで容易に強制運転スイッチ55cを押すことができる。
【0078】
(3−8)
可動部材52eは弾性変形可能な部材である。棒状部材からの押す力で可動部材52eを弾性変形させて強制運転スイッチ55cを押すことができる。
【0079】
(4)変形例
(4−1)変形例1A
上記実施形態では、ガイド部材52の第2面52bに可動部材52eを設けている。しかし、第2面52bに開口52gを設けてもよい。
図10はガイド部材の変形例1Aを示す斜視図である。開口52gは、強制運転スイッチ55cの近傍に設けられている。作業者は、ドライバ70をガイド部材52に挿入して、ドライバ70を強制運転スイッチ55c側に動かす。ドライバ70の先端が、開口52gを介して強制運転スイッチ55cを押すことで、強制運転スイッチ55cをON又はOFFすることができる。
【0080】
(4−2)変形例1B
上記実施形態では、第1〜第4面52a〜52dが電装品ケーシング51の第2側面51cに取り付けられることでガイド部材52が形成される。しかし、ガイド部材52は、上面である第1面52aと、下面である第3面52cと、奥側の面である第4面52dと、から形成されてもよい。
図11はガイド部材の変形例1Bを示す斜視図である。
図11のガイド部材52は、制御基板54側の面を有していない。作業者は、ドライバ70を第1面52a、第3面52c及び電装品ケーシング51の第2側面51cに沿って挿入する。作業者がドライバ70を強制運転スイッチ55c側に動かすことで、ドライバ70の先端により強制運転スイッチ55cをON又はOFFすることができる。
【0081】
図12はガイド部材の変形例1Bの別の例を示す斜視図である。
図12のガイド部材52は、
図11のガイド部材52に比べてさらに第1面52aを有しておらず、第3面52c及び第4面52dのみを有している。よって、作業者は、ドライバ70を第3面52c及び電装品ケーシング51の第2側面51cに沿って挿入し、強制運転スイッチ55cを操作する。
【0082】
なお、電装品ケーシング51の第2側面51cがガイド部材52の第4面52dも兼ねる場合には、第4面52dを省略することもできる。
【0083】
(4−3)変形例1C
上記実施形態では、ガイド空間Gの一部を形成する電装品ケーシング51の第1側面51bは、
図8に示すように奥側に向かって階段状に狭まる形状を有している。しかし、ガイド空間Gが奥側に行くほど狭まる形状であれば階段状に限定されない。
図13は、
図7におけるガイド空間GのA−A断面図の別の一例である。
図13に示すように、第2側面51cはスロープをなすように奥側に行くほど狭まる形状であってもよい。
【0084】
(4−4)変形例1D
上記実施形態では、ガイド部材52は板状の面により形成されている。しかし、ガイド部材52を形成する各面は板状に限られず、湾曲した曲面状であってもよい。
【0085】
(4−5)変形例1E
上記実施形態では、強制運転スイッチ55cの操作のためにのみガイド部材52が設けられている。しかし、ガイド部材52が設けられるスイッチは強制運転スイッチ55cに限定されず、あらゆるスイッチに対して上記ガイド部材52を適用可能である。特に、冷凍装置の設置作業及びメンテナンス作業の効率を低下させているスイッチに対してガイド部材52を設けるのが好ましい。