特許第6065738号(P6065738)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6065738
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20170116BHJP
   H01M 10/6555 20140101ALI20170116BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20170116BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
   H01M10/6555
   H01M10/613
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-101447(P2013-101447)
(22)【出願日】2013年5月13日
(65)【公開番号】特開2014-222591(P2014-222591A)
(43)【公開日】2014年11月27日
【審査請求日】2015年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】加藤 崇行
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
【審査官】 田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−516003(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/050011(WO,A1)
【文献】 特開2007−224585(JP,A)
【文献】 特開2014−010952(JP,A)
【文献】 特開2002−211892(JP,A)
【文献】 特開2014−120340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 10/65 − 10/6555
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並設された複数の電池セルと該電池セル間に設けられ前記電池セルと熱的に結合された複数の伝熱プレートとを有する電池モジュールと、
前記電池モジュールが接合される被接合体と、を備えた電池パックであって、
前記電池モジュールにおける前記電池セルの並設方向中央から最も離れた位置に設けられた前記伝熱プレートを両端の伝熱プレートとしたとき、
前記両端の伝熱プレートとは異なる伝熱プレートは、接合部材によって前記被接合体に機械的に接合されており
前記両端の伝熱プレートは、接合部材によって前記被接合体に機械的に接合されていないことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
記接合部材は、前記電池モジュールにおける前記電池セルの並設方向中央から最も離れた位置に設けられた前記接合部材に比べて、前記被接合体への接合強度が強いことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記電池セルの並設方向両端にはブラケットが設けられており、
前記電池モジュールは、前記ブラケットによって前記被接合体に押しつけられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記被接合体は、産業車両に搭載されるカウンタウェイトであることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールを備えた電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールを有する電池パックとしては、例えば、特許文献1に記載の二次電池装置が挙げられる。特許文献1に記載の二次電池装置は、複数の電池積層アッセンブリを備えている。電池積層アッセンブリは、床板と、床板から立設された背面板と、床板上に固定されたベース板とを有している。ベース板上には、電池モジュールが載置されている。電池モジュールは、背面板に当接している。ベース板の縁部には、電池モジュールを挟むように側面板が立設されている。電池モジュール上には、パッキンを介してベース板が設けられ、このベース板上に電池モジュールが載置されることで、電池モジュールが積層配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−54353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電池モジュールが発する熱を背面板に伝導させて放熱する場合、電池モジュールと背面板との接触状態が維持されることが好ましい。しかしながら、電池モジュールの放熱に伴う膨張と収縮の繰り返しや、電池モジュールを背面板に固定するための部材などの関係から、電池モジュールが背面板から離れる方向にたわむ場合がある。電池モジュールがたわむと、電池モジュールと背面板との接触状態を維持しにくく、電池モジュールの温度が過剰に上昇し、電池モジュールの寿命が短くなるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電池セルが発した熱を被接合体に伝導させやすい電池パックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電池パックは、並設された複数の電池セルと該電池セル間に設けられ前記電池セルと熱的に結合された複数の伝熱プレートとを有する電池モジュールと、前記電池モジュールが接合される被接合体と、を備えた電池パックであって、前記電池モジュールにおける前記電池セルの並設方向中央から最も離れた位置に設けられた前記伝熱プレートを両端の伝熱プレートとしたとき、前記両端の伝熱プレートとは異なる伝熱プレートは、接合部材によって前記被接合体に機械的に接合されており前記両端の伝熱プレートは、接合部材によって前記被接合体に機械的に接合されていないことを要旨とする。
【0007】
これによれば、接合部材によって、両端の伝熱プレートとは異なる伝熱プレートを被接合体に機械的に接合することができる。このため、電池モジュールが被接合体から離れる方向にたわもうとしても、両端の伝熱プレートとは異なる伝熱プレートが被接合体から離間しにくく、被接合体と伝熱プレートとの接触状態を維持しやすい。このため、電池セルが発した熱を被接合体に伝導させやすく、電池セルの温度が過剰に上昇することを抑制することができる。したがって、電池モジュール(電池セル)の長寿命化が図られる。
【0009】
複数の電池セルを並設した電池モジュールにおいては、電池モジュールにおける電池セルの並設方向中央に近くなるほど熱が篭りやすい。このため、電池セルの並設方向中央に最も近い位置に設けられた電池セルは、電池セルの並設方向中央から最も離れた位置に設けられた電池セルに比べて温度が高くなりやすい。電池モジュールにおける電池セルの並設方向中央から最も離れた位置に設けられた伝熱プレートを両端の伝熱プレートとしたとき、この両端の伝熱プレートとは異なる伝熱プレートを被接合体と機械的に接合することで、両端の伝熱プレートとは異なる伝熱プレートと熱的に結合された電池セルが発した熱を被接合体に伝導させやすい。このため、熱が篭りやすく、温度の上昇しやすい電池セルの放熱効率を向上させることができ、各電池セルの温度差を小さくすることができる。したがって、電池モジュールの長寿命化が図られる。
【0010】
上記電池パックについて、前記接合部材は、前記電池モジュールにおける前記電池セルの並設方向中央から最も離れた位置に設けられた前記接合部材に比べて、前記被接合体への接合強度が強いことが好ましい。
【0011】
これによれば、接合部材のうち、電池モジュールにおける電池セルの並設方向中央から最も離れた位置に設けられた接合部材とは異なる接合部材が設けられる伝熱プレートの被接合体への密着強度を強くすることができる。密着強度が強くなることで、伝熱プレートから被接合体に熱が伝導しやすい。したがって、電池セルの並設方向中央から最も離れた位置に設けられた接合部材とは異なる接合部材によって機械的に接合された伝熱プレートと熱的に結合された電池セルが発した熱を被接合体に伝導させやすい。このため、熱が篭りやすく、温度の上昇しやすい電池セルの放熱効率を向上させることができ、各電池セルの温度差を小さくすることができる。したがって、電池モジュールの長寿命化が図られる。
上記電池パックについて、前記電池セルの並設方向両端にはブラケットが設けられており、前記電池モジュールは、前記ブラケットによって前記被接合体に押しつけられていてもよい。
【0012】
上記電池パックについて、前記被接合体は、産業車両に搭載されるカウンタウェイトであることが好ましい。
これによれば、産業車両に搭載されるカウンタウェイトを被接合体として兼用することができる。このため、部品点数の増加を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電池セルが発した熱を被接合体に伝導させやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態における電池パックを示す斜視図。
図2】実施形態における電池モジュールを示す斜視図。
図3】実施形態における角型電池、電池ホルダ及び伝熱プレートの斜視図。
図4】実施形態における電池パックを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、電池パックの一実施形態について説明する。
図1に示すように、電池パック10は、ケース11に電池モジュール31が収容されている。ケース11は、産業車両(例えば、フォークリフトやパワーショベル)に搭載されるカウンタウェイト12を備えている。カウンタウェイト12は、産業車両が運搬する積荷と釣り合いをとるための部材である。カウンタウェイト12は、直方体状をなすウェイト部13と、ウェイト部13の短手方向一端13aからウェイト部13の厚み方向に立設されるとともに、ウェイト部13の長手方向一端13cから長手方向他端13dに亘って延びる矩形板状のウェイト本体14とからなる。換言すれば、ウェイト部13は、ウェイト本体14の基端からウェイト本体14の厚み方向に立設されている。ウェイト本体14の先端(ウェイト本体14の基端とは反対側の端部)には、ウェイト本体14を該ウェイト本体14の厚み方向に切り欠いた切欠部15が形成されている。
【0016】
ウェイト部13の短手方向他端13bには、ウェイト本体14から離間して設けられる逆U字状のフレーム20がウェイト部13から立設されている。フレーム20は、ウェイト部13の上面における短手方向他端13bの縁部の2つの角部から立設された第1の柱部21及び第2の柱部22と、第1の柱部21及び第2の柱部22の上端部(ウェイト部13と接合される端部と反対側の端部)を繋ぐ基部23と、からなる。つまり、ケース11は、ウェイト部13の短手方向他端13b側に、ウェイト部13とフレーム20によって囲まれた正面開口部10aを有する。なお、ケース11において、この正面開口部10aは、矩形板状をなす蓋部材24によって閉塞されている。
【0017】
各柱部21,22の立設方向への長さ(各柱部21,22の長手方向の長さ)は、ウェイト部13の上面から、ウェイト本体14の先端面までの最短の長さと同一となっており、フレーム20の上面とウェイト本体14の上面には、天板25が支持されている。この天板25によって、ウェイト本体14とフレーム20との間の開口部(図示せず)が閉塞されている。更に、ケース11は、ウェイト部13の長手方向一端13c側に、ウェイト本体14と、ウェイト部13と、第1の柱部21と、天板25によって囲まれた一端側開口部10bを有する。また、ケース11は、ウェイト部13の長手方向他端13d側に、ウェイト本体14と、ウェイト部13と、第2の柱部22と、天板25によって囲まれた他端側開口部10cを有する。なお、一端側開口部10bは、一端側蓋部材26によって閉塞され、他端側開口部10cは、他端側蓋部材27によって閉塞されている。そして、カウンタウェイト12、フレーム20、天板25及びそれぞれの蓋部材24,26,27でケース11が形成されている。
【0018】
ウェイト本体14の厚み方向の一面(ケース11の内面)は電池モジュール31が設置される設置面14aとされている。したがって、ウェイト本体14(カウンタウェイト12)が、電池モジュール31が固定される被接合体となる。設置面14aには、ウェイト本体14の短手方向に3個の電池モジュール31が並べられた電池列が、ウェイト本体14の長手方向に二組設けられている。切欠部15には、矩形平板状をなす載置板16が固定されている。載置板16上には、電池モジュール31の制御を行う制御機器(電池ECUなど)が収容される収容ケース17及びリレーや配線などが収容されるジャンクションボックス18が配設されている。
【0019】
図2及び図3に示すように、電池モジュール31は、電池セルとしての角型電池32(例えば、リチウムイオン二次電池や、ニッケル水素蓄電池などの二次電池)が、樹脂製の電池ホルダ33に保持された状態で並設されるとともに、隣り合う角型電池32の間に金属製(例えばアルミニウム製)の伝熱プレート41が介装されている。本実施形態では、14個の角型電池32と14個の伝熱プレート41が並設されている。
【0020】
図4に示すように、電池モジュール31において、角型電池32の並設方向両端にはエンドプレート35が設けられている。各エンドプレート35には、ブラケット36が設けられている。ブラケット36は、ブラケット36を貫通したボルトB1がウェイト本体14に螺合されることでウェイト本体14に固定されている。
【0021】
図3に示すように、伝熱プレート41は、金属板を屈曲させて形成されており、矩形平板状の吸熱部42と、矩形平板状の放熱部43を有している。放熱部43は、吸熱部42の長手方向一端に設けられており、吸熱部42の厚み方向に屈曲している。放熱部43は、長手方向の中央に、螺合穴44を有している。螺合穴44は、内周面に雌ねじを有している。なお、放熱部43と吸熱部42は、短手方向及び長手方向が異なる方向となっており、吸熱部42の長手方向は、放熱部43の厚み方向と一致し、吸熱部42の短手方向は、放熱部43の長手方向と一致している。また、吸熱部42の厚み方向は、放熱部43の短手方向と一致する。
【0022】
図4に示すように、伝熱プレート41は、吸熱部42が角型電池32の厚み方向に隣り合って設けられている。すなわち、伝熱プレート41は、隣り合う角型電池32の間に設けられている。吸熱部42は、角型電池32の厚み方向の面と接触することで、角型電池32と熱的に結合されている。放熱部43は、電池ホルダ33を間に挟んで、角型電池32の幅方向(角型電池32の厚み方向及び高さ方向に直交する方向)の面と対向している。
【0023】
電池モジュール31は、放熱部43がウェイト本体14と対向するように設けられている。ウェイト本体14には、接合部材としての固定ボルトB2が挿通されている。固定ボルトB2は、ウェイト本体14の厚み方向の面のうち、設置面14aとは反対側の面(ケース11の外面)から設置面14a(ケース11の内部)に向けて挿通されている。本実施形態において、固定ボルトB2は、ウェイト本体14の長手方向に並んで6本挿通されている。この固定ボルトB2は、放熱部43に設けられた螺合穴44に螺合されている。具体的にいえば、固定ボルトB2は、電池モジュール31における角型電池32の並設方向の中央C(電池モジュール31における角型電池32の並設方向の両端を最短で結ぶ線Lの中央C)付近に設けられた6個の伝熱プレート41に螺合されている。すなわち、伝熱プレート41のうち、中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41(両端の伝熱プレート41)とは異なる伝熱プレート41の放熱部43に固定ボルトB2が螺合されている。電池モジュール31は、ブラケット36及び固定ボルトB2によってウェイト本体14に機械的に接合されている。
【0024】
次に、本実施形態の電池パック10の作用について説明する。
本実施形態では、角型電池32の並設方向の両端にブラケット36が設けられている。電池モジュール31は、このブラケット36によってウェイト本体14に押しつけられている。ブラケット36による押しつけ力は、ブラケット36から離間するにつれて小さくなる。したがって、電池モジュール31は、中央Cに近い部分ほどウェイト本体14への押しつけ力が弱く、中央Cに近い部分ほどウェイト本体14から離間する方向にたわみやすい。一方、電池モジュール31は、中央Cから離間した部分、すなわち、ブラケット36に近い部分ほどたわみにくい。したがって、電池モジュール31における中央から最も離間した伝熱プレート41の放熱部43は、ウェイト本体14から離れにくく、中央Cに近い伝熱プレート41はウェイト本体14から離れやすい。
【0025】
本実施形態では、電池モジュール31における中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41(ウェイト本体14から離れにくい伝熱プレート41)とは異なる伝熱プレート41の放熱部43に固定ボルトB2を螺合することで、電池モジュール31がたわむことを抑制している。また、電池モジュール31がたわんだとしても、固定ボルトB2によって放熱部43とウェイト本体14が機械的に接合されているため、放熱部43とウェイト本体14の接触状態が維持されやすい。
【0026】
更に、複数の角型電池32を並設した電池モジュール31においては、中央Cに近い部分ほど熱が篭りやすい。このため、中央Cから最も離れた位置に設けられた角型電池32は、中央Cに最も近い角型電池32に比べて温度が高くなりにくい。
【0027】
中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41とは異なる伝熱プレート41(中央C付近に設けられた6個の伝熱プレート41)の放熱部43に固定ボルトB2を螺合することで、電池モジュール31における温度の高くなりやすい角型電池32と接触する伝熱プレート41の放熱部43とウェイト本体14との接触状態が維持されやすい。
【0028】
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)伝熱プレート41の放熱部43は、固定ボルトB2によってウェイト本体14と接合されている。これにより、放熱部43は、ウェイト本体14に機械的に接合され、電池モジュール31がたわんだとしても、伝熱プレート41の放熱部43とウェイト本体14の接触状態が維持されやすい。このため、角型電池32が発した熱をウェイト本体14に伝導させやすく、角型電池32の温度が過剰に上昇することを抑制することができる。したがって、電池モジュール31(角型電池32)の長寿命化が図られる。
【0029】
(2)固定ボルトB2は、中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41とは異なる伝熱プレート41(中央Cに近い6個の伝熱プレート41)に螺合されている。熱が篭りやすく、温度の高くなりやすい角型電池32(中央Cから最も離間した角型電池32とは異なる角型電池32)と接触する伝熱プレート41とウェイト本体14との接触状態を維持しやすくすることで、各角型電池32の温度差を小さくすることができる。電池モジュール31の各角型電池32の温度差が大きくなると、電池モジュール31の寿命が短くなる。したがって、各角型電池32の温度差を小さくすることで、電池モジュール31の長寿命化が図られる。
【0030】
(3)伝熱プレート41の放熱部43は、固定ボルトB2によってウェイト本体14と接合されているため、電池モジュール31がウェイト本体14に離間する方向にたわむことを抑制することができる。
【0031】
(4)被接合体として、カウンタウェイト12を用いている。カウンタウェイト12を被接合体として兼用できるため、部材点数が増加することを抑制することができる。
なお、実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0032】
○ 実施形態において、放熱部43を貫通した固定ボルトB2がウェイト本体14に螺合されることで、放熱部43とウェイト本体14とが固定されてもよい。また、放熱部43及びウェイト本体14を貫通した固定ボルトB2がナットに螺合されるようにしてもよい。この場合であっても、放熱部43をウェイト本体14に機械的に接合することができる。
【0033】
○ 実施形態において、接合部材は、固定ボルトB2以外であってもよい。例えば、ウェイト本体14を貫通した接合部材が、伝熱プレート41の放熱部43に形成された穴に圧入されてもよい。この場合、接合部材は、伝熱プレート41に設けられた穴の外形よりも若干大きく形成されており、穴に圧入されることで、電池モジュール31を被接合体に機械的に接合する。
【0034】
○ 接合部材は、伝熱プレート41を被接合体に機械的に接合できるものであればよい。例えば、放熱部43(伝熱プレート41)に一体化された接合部材が、ウェイト本体14に挿通されてもよいし、ウェイト本体14に一体化された接合部材が、放熱部43に挿通されてもよい。なお、本実施形態でいう挿通とは、貫通、螺合、圧入を含む。また、機械的に接合を行う接合部材とは、例えば、被接合体を伝熱プレートに押さえつける部材又は伝熱プレートを被接合体に押さえつける部材である。
【0035】
○ 実施形態において、中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41とは異なる伝熱プレート41のウェイト本体14への接合強度を、中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41のウェイト本体14への接合強度よりも強くしてもよい。具体的にいえば、実施形態の全ての伝熱プレート41の放熱部43に固定ボルトB2が螺合されている場合、中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41とは異なる伝熱プレート41の放熱部43への螺合量を、中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41の放熱部43への螺合量よりも多くする。例えば、中央Cから離れた位置に設けられた伝熱プレート41ほど、放熱部43への固定ボルトB2の螺合量を少なくしてもよい。また、接合部材として、上記した圧入部材を設ける場合には、中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41とは異なる伝熱プレート41の放熱部43への圧入量を、中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41の放熱部43への圧入量よりも多くする。また、中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41とは異なる伝熱プレート41の放熱部43に固定される接合部材の個数を、中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41に固定される接合部材の個数よりも多くしてもよい。これによれば、中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41とは異なる伝熱プレート41の放熱部43のウェイト本体14への密着強度が強くなる。したがって、密着強度が強くなることで、中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41とは異なる伝熱プレート41と接触する角型電池32の熱をウェイト本体14に伝導させやすく、各角型電池32の温度差を小さくすることができる。したがって、電池モジュール31の長寿命化が図られる。
【0036】
○ 実施形態において、中央Cから最も離れた位置に設けられた固定ボルトB2とは異なる固定ボルトB2は、中央Cから最も離れた位置に設けられた固定ボルトB2に比べてウェイト本体14への接合強度が強くてもよい。例えば、中央Cから最も離れた位置に設けられた固定ボルトB2とは異なる固定ボルトB2のウェイト本体14への螺合量を、中央Cから最も離れた位置に設けられた固定ボルトB2よりも多くしたり、固定ボルトB2の太さを太くすることで、接合強度を強くすることができる。この場合、中央Cから最も離れた位置に設けられた伝熱プレート41の放熱部43は、他の伝熱プレート41の放熱部43よりもウェイト本体14への密着強度が弱くなる。このため、熱が篭りやすく、温度の上昇しやすい中央Cから最も離れた位置に設けられた角型電池32以外の角型電池32の放熱効率を向上させることができ、各角型電池32の温度差を小さくすることができる。
【0037】
○ 実施形態において、固定ボルトB2は、全ての伝熱プレート41の放熱部43に螺合されていてもよい。
○ 実施形態において、中央Cから最も離間した伝熱プレート41とは異なる伝熱プレート41に固定ボルトB2を螺合する場合、中央Cから最も離間した伝熱プレート41とは異なる伝熱プレート41の全てに固定ボルトB2を螺合してもよい。また、実施形態のように、中央Cから最も離間した伝熱プレート41とは異なる伝熱プレート41のうちから、単数又は複数を選択して固定ボルトB2を螺合してもよい。
【0038】
○ 実施形態において、伝熱プレート41は、放熱部43を有していなくてもよい。すなわち、伝熱プレート41は、角型電池32間に設けられる吸熱部42(板状のプレート)のみから形成されていてもよい。この場合、固定ボルトB2は、吸熱部42におけるウェイト本体14と対向する面(本実施形態における吸熱部42の長手方向の面)に螺合される。また、この場合、吸熱部42が角型電池32よりも張り出して設けられ、角型電池32とウェイト本体14が接触しない状態で伝熱プレート41がウェイト本体14に接合されてもよい。
【0039】
○ 実施形態において、ブラケット36を設けることなく、伝熱プレート41の放熱部43に螺合される固定ボルトB2のみで電池モジュール31をウェイト本体14に固定してもよい。
【0040】
○ 実施形態において、電池ホルダ33を設けず、角型電池32と伝熱プレート41を交互に並設するとともに、並設方向の両側からエンドプレート35で挟み込むことで電池モジュール31を構成してもよい。
【0041】
○ 被接合体として、カウンタウェイト12以外を用いてもよい。例えば、ケース11の側壁を被接合体としてもよいし、電池モジュール31を固定できる部材で有れば、どのような部材であってもよい。
【0042】
○ 実施形態において、電池セルとして円筒形電池や、ラミネート型の二次電池を用いてもよい。なお、ラミネート型の二次電池は、角型電池に比べて放熱性が良いため、電池セルとして角型電池を用いる場合に本実施形態の効果がより発揮される。また、電池セルの容量が20Ah以上の大型電池を用いる場合、発熱量、変形量がともに大きくなるため、本実施形態の効果がより発揮される。
【0043】
○ 実施形態において、角型電池32及び伝熱プレート41の数は、増やしてもよいし、減らしてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握することができる技術的思想について以下に追記する。
【0044】
(イ)前記接合部材は、前記電池モジュールにおける前記電池セルの並設方向中央から最も離れた位置に設けられた前記伝熱プレートと前記被接合体との接合強度に比べて、前記電池モジュールにおける前記電池セルの並設方向中央から最も離れた位置に設けられた伝熱プレートとは異なる伝熱プレートと前記被接合体との接合強度を強くすることを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【符号の説明】
【0045】
B2…固定ボルト、10…電池パック、12…カウンタウェイト、14…ウェイト本体、31…電池モジュール、32…角型電池、41…伝熱プレート、43…放熱部。
図1
図2
図3
図4