(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発光素子の配列位置は、被加熱物を載置する前記天板の所定位置から見て、前記電源スイッチを操作する使用者に近い側にあって、使用者と前記所定位置とを結ぶ直線に対し、交差するように横方向に長く設置してあることを特徴とする請求項1あるいは請求項2何れかに記載の加熱調理器。
前記制御手段は、前記左入力手段から前記加熱条件の入力があると、前記左表示手段に前記加熱条件を表示し、前記右火力表示手段の前記左表示手段から最も遠い端の前記発光素子から前記左火力表示手段の前記左表示手段に最も近い端の前記発光素子まで、所定の時間間隔で順次発光素子を発光させるようにし、前記右入力手段から前記加熱条件の入力があると、前記右表示手段に前記加熱条件を表示し、前記左火力表示手段の前記右表示手段から最も遠い端の前記発光素子から前記右火力表示手段の前記右表示手段に最も近い端の前記発光素子まで、所定の時間間隔で順次発光素子を発光させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。
前記制御手段は、前記中央入力手段から前記加熱条件の入力があると、前記中央表示手段に前記加熱条件を表示し、前記左火力表示手段及び前記右火力表示手段の前記中央表示手段から最も遠い端の前記発光素子から前記左火力表示手段及び前記右火力表示手段の前記中央表示手段に最も近い端の前記発光素子まで、所定の時間間隔で順次発光素子を発光させるようにしたことを特徴とする請求項2乃至請求項4何れか1項に記載の加熱調理器。
前記本体の前方に、前記左加熱手段の火力を設定する左火力設定手段、前記中央加熱手段の火力を設定する中央火力設定手段、前記右加熱手段の火力を設定する右火力設定手段と、を備え、
前記制御手段は、前記左、中央、右それぞれの火力表示手段が点灯しているときに、前記左、中央、右それぞれの火力設定手段の内、何れかの前記火力設定手段が操作された場合、操作された火力設定手段の前記加熱手段に対応する前記火力表示手段を、他の火力表示手段よりも高い階調で点灯させるようにしたことを特徴とする請求項2乃至請求項5何れか1項に記載の加熱調理器。
前記発光素子は複数の色を発光できるものであり、前記制御手段は、前記発光素子の前記複数の色を所定の時間ずらして発光させ、発光の色調を変えながら、所定の時間間隔で順次発光素子を発光させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項6何れか1項に記載の加熱調理器。
前記制御手段は、前記発光素子を所定の時間間隔で順次発光素子を発光させる場合、少なくとも隣り合う次の発光素子を点灯させたときに、その前に点灯させた発光素子を消灯させていないことを特徴とする請求項1乃至請求項8何れか1項に記載の加熱調理器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1
(構成)
図1は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の構成を示す斜視図、
図2は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の構成を示す天板を外した状態の斜視図、
図3は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の構成を示す天板を外して上方から見た模式図、
図4は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の基本構成を示すブロック図、
図5(a)は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の加熱手段の一実施例を示す平面図、
図5(b)は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の加熱手段の他の実施例を示す平面図である。
【0011】
以下、
図1〜
図5により本発明の実施の形態1の加熱調理器の構成を説明する。
なお、それぞれの図において、同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する場合がある。
【0012】
図1に示すように、本発明の実施の形態1の加熱調理器100は、本体1の天面に鍋等の調理容器である被調理物10を載置可能な非磁性体、例えば結晶化ガラスからなるトッププレート2と、その外周に図示しないシリコン系接着剤等で固着された金属、例えばステンレスで構成された枠体3を備えてなる天板4を備えている。
【0013】
それから、天板4に各種の操作入力を行う上面操作部5を備えている。上面操作部5には、後述する左加熱手段に対応する上面左操作部5a、右加熱手段に対応する上面右操作部5b、中央加熱手段に対応する上面中央操作部5cが設けられている。
【0014】
本体1の前面には前面操作部6と、加熱調理器の電源を入り切りする電源スイッチ7を備えている。前面操作部6には後述する左加熱手段の火力を設定する左火力設定手段6a、右加熱手段の火力を設定する右火力設定手段6b、中央加熱手段の火力を設定する中央火力設定手段6cが設けられている。
【0015】
8は魚等の被調理物をその内部に載置してグリル調理やオーブン調理をする調理庫で、輻射式加熱手段(図示せず)が内部に配設されている。調理庫8は前面が開口していて、調理庫8の前面開口には、前述した輻射式加熱手段(図示せず)が配設された空間の開口を閉塞するための調理庫扉9が前方に引き出し自在に設けられている。
【0016】
調理庫扉9は、その引き出しに連動して被調理物を載置する載置皿(図示せず)と焼き網(図示せず)を引き出せるようになっており、調理庫扉9を最も押し込んだ状態で調理庫8の前面開口が閉塞され調理が行える。調理の操作入力は、上面操作部5または前面操作部6の入力手段(図示せず)から行えるようになっている。
【0017】
トッププレート2下方の本体1内には、
図2に示すように左加熱手段11、右加熱手段12、中央加熱手段13が配設されている。それぞれ誘導加熱コイルからなる誘導加熱手段であり、このように加熱手段が3つ設けられたものは3口タイプの加熱調理器と呼ばれるものである。
【0018】
左加熱手段11、右加熱手段12、中央加熱手段13の上方となるトッププレート2にはそれぞれ左加熱手段11を使用するときに鍋を置く位置を示す左載置部2d、右加熱手段12を使用するときに鍋を置く位置を示す左載置部2e、中央加熱手段13を使用するときに鍋を置く位置を示す左載置部2fが例えば印刷で表されている。
【0019】
ここで、誘導加熱手段とは、電磁誘導の原理を利用した加熱手段のことを言い、例えば誘導加熱コイルである左加熱手段11に、
図4に示す左加熱手段用インバーター回路25により高周波交流電流を印加すると、回転した磁力線が発生し誘導加熱コイル内部には一様な磁界が発生する。
【0020】
磁界が誘導加熱コイルを貫通すると誘導加熱コイル内部では磁束変化を妨げる磁界が発生し、被加熱物に渦電流が流れ高周波交流電流、例えば20〜90kHzの交流電流を印加することで流れ続ける。それで被加熱物の電気抵抗と渦電流によってジュール熱が発生することにより被加熱物が発熱する加熱方式のことである。
【0021】
なお、前述の説明では誘導加熱手段を3口設けた例をあげたが、加熱手段が3口設けられた加熱調理器では、その内の1口を誘導加熱手段ではない加熱手段、例えばラジエントヒーターのような電熱線からなる輻射式加熱手段で構成してもよく適宜選択可能である。
【0022】
トッププレート2の下方には、
図2及び
図3に示すように左表示手段18、右表示手段19、中央表示手段20が設けられており、左表示手段18はトッププレート2に設けられた窓部2a、右表示手段19は窓部2b、中央表示手段20は窓部2cによって表示内容がそれぞれトッププレート2の上方から視認できるようになっている。
【0023】
なお、ここでいう左、右中央の各表示手段は、液晶(LCD)による表示手段である。但し、液晶(LCD)に限定されるものではなく、有機電界発光(Electro Luminescence:EL)素子などを用いてもよい。
【0024】
さらに、前述の表示手段における表示とは、文字や記号、イラストにより、使用者に調理器の動作条件や調理に参考となる関連情報を視覚的に知らせる動作をいう。
【0025】
それから、トッププレート2には左加熱手段に対応する左火力表示手段14a、右加熱手段に対応する右火力表示手段14b、中央加熱手段に対応する中央火力表示手段14cが設けられている。
【0026】
左火力表示手段14a、右火力表示手段14b、中央火力表示手段14cはトッププレート2自体が点灯するものではなく、
図2、
図3に示す基板21に搭載された発光素子15a〜15jからなる左発光素子群15により左火力表示手段14aが、発光素子16a〜16jからなる右発光素子群16により右火力表示手段14bが、発光素子17a〜17eからなる中央発光素子群17がそれぞれ発光することで点灯するものである。
【0027】
前述の発光素子15a〜15j、16a〜16j、17a〜17eはそれぞれ半導体発光素子であるチップ状の多色発光可能なLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)で構成され、基板21からそれぞれ左発光素子群15は左火力表示手段用発光素子導光部材28aで、右発光素子群16は右火力表示手段用発光素子導光部材28bで、中央発光素子群17は中央火力表示手段用発光素子導光部材28cでトッププレート2の裏まで光を導き、トッププレート2を透過した発光素子の光によって左火力表示手段14a、右火力表示手段14b、中央火力表示手段14cが表示される。
【0028】
前述したように左加熱手段11、右加熱手段12、中央加熱手段13はそれぞれ誘導加熱コイルからなる誘導加熱手段であり、調理庫8の側方には電子部品(図示せず)から構成された
図4に示す制御手段22を内包した制御基板(図示せず)が配設されている。
【0029】
さらに、スイッチング素子(図示せず)や整流回路(図示せず)、その他電子部品(図示せず)から構成された
図4に示す左加熱手段用インバーター回路25、右加熱手段用インバーター回路26、中央加熱手段用インバーター回路27を内包したインバーター基板(図示せず)が配設されている。
【0030】
図3及び
図4に示すように左加熱手段11は、その外形内に温度検出手段である左加熱手段用温度センサー23aが設けられている。左加熱手段用温度センサー23aは温度測定対象に接触させて伝熱で温度を検出する例えばサーミスタ等の伝熱式温度センサーであり、トッププレート2の裏面に接触させ、左加熱手段11上方のトッププレート2の温度を検出するものである。
【0031】
同様に右加熱手段12は、その外形内に温度検出手段である右加熱手段用温度センサー23bが設けられ、23bは伝熱式温度センサーであり、トッププレート2の裏面に接触させ、右加熱手段12上方のトッププレート2の温度を検出するものである。
【0032】
中央加熱手段13は、その外形内に温度検出手段である中央加熱手段用温度センサー23cが設けられ、23cは伝熱式温度センサーであり、トッププレート2の裏面に接触させ、中央加熱手段13上方のトッププレート2の温度を検出するものである。
【0033】
なお、本発明の実施の形態1では、温度検出手段として伝熱式温度センサーを使用する例を挙げている。これは伝熱式温度センサーがトッププレート2や被加熱物10からの輻射熱を受け、被加熱物10の底部やその直下にあるトッププレート2の温度を確実に検出でき、また、伝熱を検出できるので、被加熱物10を移動させて場合でもトッププレート2の温度を検出することが可能なことからである。
【0034】
また、
図3及び
図4に示すように、左加熱手段11、右加熱手段12、中央加熱手段13のような複数の加熱手段の外形内に、それぞれ温度検出手段を1つ設けた例をあげているが、
図5(a)に示すように左加熱手段11(右加熱手段12、中央加熱手段13でも同様)の外形内に複数の温度検出手段、例えば温度検出手段23a、30、31のように3つの温度検出手段を設けてもよく、温度検出の検出精度を向上させることができる。
【0035】
さらに、加熱手段の外形内に限らず、温度検出手段32のように加熱手段の外形外に近接して設けてもよく、外形内外両方に設けてもよい。
【0036】
それから、本発明の実施の形態1では、各加熱手段の誘導加熱コイルは1つのインバーター回路で動作させる形態の例を挙げているが、これに限定されるものではなく、
図5(a)に示すような外加熱コイル29a、所定の空間を隔てて設けられ直列に接続された加熱コイル29cと加熱コイル29dからなる内加熱コイル29bに、それぞれ独立したインバーター回路により通電される構成でもよい。
【0037】
また、外加熱コイルを、
図5(b)に示すように、内加熱コイル29bと所定の空間を隔てて設けられ内加熱コイル29bとはそれぞれ独立、または2つセットで通電することが可能な外コイル1(33a)、外コイル2(33b)、外コイル3(33c)、外コイル4(33d)のように複数の加熱コイルで構成してもよい。
【0038】
(動作)
次に前述の
図4と
図6〜
図10により、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の動作の一例について説明する。
図6は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の電源入りのときの発光素子の点灯順序の一実施例を示す模式図、
図7は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の発光素子の点灯状態を示す点灯パターン模式図、
図8は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の多色発光素子の点灯状態を示す点灯パターン模式図、
図9は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の左表示手段へ視線を導くように火力表示手段を点灯させるときの発光素子の点灯順序の一実施例を示す模式図、
図10は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の中央表示手段へ視線を導くように火力表示手段を点灯させるときの発光素子の点灯順序の他の実施例を示す模式図、
図11は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の左加熱手段の火力設定をしているときの、火力表示手段の発光素子点灯状況の一実施例を示す模式図である。
【0039】
電源スイッチ7により電源を入れたとき、制御手段22はLEDの点灯を制御するICドライバーにより、左加熱手段11に対応する左火力表示手段14aの発光素子群15の、一番左端に設けられた発光素子15aから15jに向かって
図6に示す矢印Aの方向に所定の時間間隔で順次発光、点灯させる。
【0040】
左火力表示手段14aに続けて、中央加熱手段13に対応する中央火力表示手段14cの発光素子群17の、一番左端に設けられた発光素子17aから17eに向かって
図6に示す矢印Cの方向に所定の時間間隔で順次発光、点灯させる。
【0041】
さらに、中央火力表示手段14cに続けて、右加熱手段12に対応する右火力表示手段14bの発光素子群16の、一番左端に設けられた発光素子16aから16jに向かって
図6に示す矢印Bの方向に所定の時間間隔で順次発光、点灯させる。
【0042】
このとき、発光素子は単なる点灯ではなく、制御手段22がICドライバー24によりそれぞれの階調を変えながら点灯させている。階調とは、段階的な色や明るさの濃淡のことをいい、階調が多いほど滑らかに発光を変化させながら点灯させることができる。
【0043】
図7は単色での点灯パターンを示したもので、例として1つのフレームが40秒の発光時間としている。但し、1フレームあたりの発光時間はこれに限定されるものではなく、適宜選択変更が可能である。
【0044】
発光素子15aが淡い発光から1フレーム単位で徐々に濃い発光に点灯パターンを変え、濃い発光を数フレームの時間継続した後、濃い発光から1フレーム単位で徐々に淡い発光へ点灯パターンを変えて消灯するようになっている。発光素子15aが点灯を始めてから、1フレーム(40秒)の時間経過後に発光素子15bが点灯、さらに1フレームの時間経過後に発光素子15cが点灯、というように全ての発光素子が所定の時間間隔で順次発光、点灯するようになっている。
【0045】
前述のように発光素子は、前の発光素子の点灯から所定時間経過後に順次発光、点灯するようにしているので、
図7に示すように、前の発光素子が消灯する前に点灯している。
【0046】
言い換えると、制御手段22が隣り合う発光素子、例えば15bが点灯するときには、15aはまだ消灯させないように制御しているということである。
【0047】
前述では単色発光の一例を説明したが、本発明の実施の形態1の発光素子15a〜15j、16a〜16j、17a〜17eはそれぞれ多色発光が可能なLEDで構成されている。
図8に2色での点灯パターンの例を示す。
【0048】
図8では、発光素子15aがまず赤色の淡い発光で点灯し、1フレーム単位で徐々に濃い発光に点灯パターンを変えていきながら、赤色の発光開始から5フレームの時間経過後に青色の淡い発光で点灯を開始させる。
【0049】
赤色と青色を同時に発光させると明るい紫あるいはピンク色の発光となり、階調の他に色調も変えながら点灯させることができる。淡い発光から濃い発光まで変化させるフレームの数は赤色、青色とも同じフレーム数であるが、濃い発光を継続するフレームの数は青色の方が少なく設定されており、赤色、青色が同じタイミングで消灯するようになっている。
【0050】
発光素子15aが赤色で点灯を始めてから、1フレーム(40秒)の時間経過後に発光素子15bが赤色で点灯する。このとき、まだ発光素子15aの青色は点灯しておらず、発光素子15aの青色が点灯するのは発光素子15fの赤色が点灯するのと同じタイミングである。
【0051】
同じ発光素子で時間をずらして異なる色を発光させ、階調と色調を変化させながら15a〜15j、16a〜16j、17a〜17eの全ての発光素子を所定の時間間隔で順次発光、点灯させるようになっている。
【0052】
なお、ここでは発光素子15aから発光素子16jまで所定の時間間隔で順次発光、点灯させる例で説明したが、この所定の時間間隔で順次発光、点灯を複数繰り返すようにしてもよく、点灯順序を逆側の発光素子16jから発光素子15aに向かって所定の時間間隔で順次発光、点灯させるようにしてもよい。
【0053】
また、発光素子15aから発光素子16jまで所定の時間間隔で順次発光、点灯させ、16jから15aに向けて戻るように点灯させるようにしてもよい。
【0054】
なお、所定の時間間隔は発光の開始位置の発光素子から順次発光、点灯していき終了するまで、全てが一定の間隔である必要はなく、順次発光、点灯させながら時間間隔を短くしていってもよいし、長くしていってもよい。
【0055】
また、発光の開始位置の発光素子から中間位置の発光素子まで順次時間間隔を短くしながら発光、点灯させ、中間位置の発光素子から最後の位置の発光素子まで順次時間間隔元に戻すように発光、点灯させるようにしてもよい。
【0056】
このように、電源を入れたときに、火力表示手段の全ての発光素子が所定の時間間隔で順次発光、点灯するので使用者に電源が入ったことを視覚的に強く印象付けることができる。また、電源を入れた時点で順番に火力表示手段の発光素子を全て点灯するようにしたので、火力表示手段の発光素子が点灯しない、といった不具合を調理開始前に確認することができ、使用者の安心感を向上できる。
【0057】
図1から
図3に示すように左発光素子群15、右発光素子群16、中央発光素子群17それぞれの発光素子の配列位置は、使用者が視認しやすいように電源スイッチを操作する使用者に近い側にある。
【0058】
さらに、使用者と鍋などの被加熱物10を載置する位置とを結ぶ直線に対し、交差するように横方向に長く設置してあるので、使用者の視線を横切るように所定の時間間隔で順次発光、点灯させるようになっていることから、より使用者に電源が入ったことを視覚的に強く印象付けることができる。
【0059】
なお、使用途中である程度加熱状態が継続された状況で、例えば停電で一度停止し、電源を入れ直したようなときは、火力表示手段の発光素子を所定の時間間隔で順次発光させない場合がある。
【0060】
例えば、左加熱手段11を使用中に停電となり、電源を入れ直した後で、後述する左加熱手段11上方のトッププレート2の温度を検出する温度検出手段23aが検出した温度が所定の温度T1以上であったときは、制御手段22が左加熱手段11は加熱状態にあったと判断し、火力表示手段の発光素子を所定の時間間隔で順次発光させないようにする。
【0061】
これにより、電源を入れ直したときに図示しない記憶手段に記憶された停電前の加熱条件による火力表示や加熱条件の表示が継続して表示されたときに、そのまま調理が継続できるので使用者の使い勝手を向上できる。
【0062】
次に、上面操作部5の上面左操作部5aから、左加熱手段11を動作させるための加熱条件を入力するときの点灯の一例を説明する。上面左操作部5aからの入力があると、制御手段22により左表示手段18に、左加熱手段11を動作させるために入力された加熱条件が表示される。
【0063】
制御手段22は、左表示手段18に左加熱手段11の加熱条件を表示するとともに、
図9に示すように左表示手段18から最も遠い右火力表示手段14bの発光素子16jから16aに向かって矢印Dの方向に所定の時間間隔で順次発光、点灯させる。
【0064】
右火力表示手段14bの発光素子16jから16aに続き、中央火力表示手段14cの発光素子17eから17aに向かって矢印Eの方向に所定の時間間隔で順次発光、点灯させ、左表示手段18に最も近い左火力表示手段14aの発光素子15aに向かって15jから矢印Fの方向に所定の時間間隔で順次発光、点灯させる。この場合、発光素子は単色で点灯しても、多色で点灯してもよく、16jから15aまでの点灯を、複数回所定の時間間隔で順次発光、点灯させてもよい。
【0065】
このように発光素子を所定の時間間隔で順次発光、点灯させることで、見てほしい表示、この場合は左加熱手段11の加熱条件を表示している左表示手段18に向けて発光素子を所定の時間間隔で順次発光、点灯させることで、使用者に見てほしい表示手段に使用者の視線を誘導することができ、使用者の視認性を向上することができる。
【0066】
なお、ここでは全ての火力表示手段の発光素子を所定の時間間隔で順次発光、点灯させるようにしたが、左表示手段18に視線を誘導するときは、左火力表示手段14aの発光素子15jから15aを矢印Fの方向に所定の時間間隔で順次発光、点灯させるようにしてもよい。
【0067】
また、左表示手段18へ視線を誘導する例を説明したが、右表示手段19へ視線を誘導する場合は、右表示手段19から最も遠い発光素子15aから右表示手段19に最も近い発光素子16jに向けて所定の時間間隔で順次発光、点灯させればよい。
【0068】
次に、上面操作部5の上面中央操作部5cから、中央加熱手段13を動作させるための加熱条件を入力するときの点灯の一例を説明する。上面中央操作部5cからの入力があると、制御手段22により中央表示手段20に、中央加熱手段13を動作させるために入力された加熱条件が表示される。
【0069】
制御手段22は、中央表示手段20に中央加熱手段13の加熱条件を表示するとともに、
図10に示すように中央表示手段18から最も遠い左火力表示手段14aの発光素子15aから15jに向かって矢印Aの方向に連続して点灯させると同時に、右火力表示手段14bの発光素子16jから16aに向かって矢印Dの方向に所定の時間間隔で順次発光、点灯させる。
【0070】
この場合、発光素子は単色で点灯しても、多色で点灯してもよく、15aから15j及び16jから16aまでの点灯を、複数回所定の時間間隔で順次発光、点灯させてもよい。また、15aと16aの点灯開始を同期させてもよく、所定の時間ずらして点灯を開始させてもよい。
【0071】
このように見てほしい中央表示手段20に向けて、左右から発光素子を所定の時間間隔で順次発光、点灯させるようにしたので、使用者に見てほしい中央表示手段20に使用者の視線を誘導することができ、使用者の視認性を向上することができる。
【0072】
続いて、左加熱手段11と右加熱手段12及び中央加熱手段13の全ての加熱手段を使用するときの点灯の一例を説明する。それぞれ、左加熱手段11の加熱条件の入力を上面左操作部5aから、右加熱手段12の加熱条件の入力を上面左操作部5bから、中央加熱手段13の加熱条件の入力を上面左操作部5cから行う。
【0073】
このとき、左火力表示手段14aと右火力表示手段14b及び中央火力表示手段14cは、火力設定入力待機状態の淡い発光状態で点灯している。それぞれの火力設定条件は前面操作部6に設けられた左火力設定手段6a、右火力設定手段6b、中央火力設定手段6cで行う。
【0074】
ここで、左加熱手段11の火力設定を左火力設定手段6aで設定する。左火力設定手段6aは
図1及び
図2に示すように、本体1の前面側で、左火力表示手段14aが設けられている面とは異なる面に設けられている。
【0075】
そのため、操作する手元を見ながら火力を設定することは難しく、手元を見ずに操作することになるので、操作したい火力設定手段を操作できているか使用者が分からなくなることがある。
【0076】
よって、左火力設定手段6aによって左加熱手段11の火力設定を開始したときに、
図11に示すように左火力表示手段14aの発光素子群15を、右火力表示手段14bの発光素子群16、中央火力表示手段14cの発光素子群17の淡い待機状態の発光とは異なる高い(濃い)階調に点灯状態を変えることで、手元を見なくても左加熱手段11の火力設定をしていることを使用者に認知させることができるので操作性が向上する。
【0077】
加熱条件、火力が設定され調理が進み、加熱が完了して被加熱物10を移動しても、加熱に使われた加熱手段上方のトッププレート2は加熱直後、高温であるので触ると火傷の恐れがある。
【0078】
例えば左加熱手段11を使用していたとき、加熱終了あとも温度検出手段23aの検出する温度が火傷の危険がある温度以上である場合は、制御手段22が左火力表示手段14aの発光素子群15を、
図12に示すように(a)から(c)のように所定の間隔で階調を変えながら点灯させる。
【0079】
これにより、加熱が終了した後でも、使用していた左加熱手段11上方のトッププレート2が高温であることを使用者に認知させることができ、高温部に気を付けることができるので安全性が向上する。
【0080】
なお、
図12に示したように発光素子15aから15jを同じように階調を変えながら点灯させる他に、
図13(a)に示すように中央付近の15eと15fを高い(濃い)階調にして、15eと15fから外側の15aと15jに向かって低い(淡い)階調に変えるようにしたり、
図13(b)に示すように中央付近の15eと15fを低い(淡い)階調にして、15eと15fから外側の15aと15jに向かって高い(濃い)階調に変えるようにしたりしてもよく、加熱が終了した後でも、使用していた左加熱手段11上方のトッププレート2が高温であることを使用者に認知させることができ、高温部に気を付けることができるので安全性が向上する。
【0081】
高温であることの表示を開始してから、温度検出手段23aの検出する左加熱手段11上方のトッププレート2の温度が所定の温度T5まで下がったら、
図12に示す(a)の階調での点灯を行わず、(b)と(c)で所定の間隔で階調を変えながら点灯させる。
【0082】
さらに、トッププレート2の温度が所定の温度T4まで下がったら、
図12に示す(a)、(b)の階調での点灯を行わず、(c)と図示しない(c)よりも低い階調で、所定の間隔で階調を変えながら点灯させる。
【0083】
そして、火傷の恐れの無い所定の温度T2より低くなったときは、制御手段22が左火力表示手段14aの発光素子群15を消灯する。
【0084】
火力表示手段での加熱手段上方のトッププレートの高温状態を表示する例として、通常の状態だけではなく、加熱手段が異常な高温となるような不具合が生じた状態においても表示できる。
【0085】
例えば、左加熱手段11を使用しているときに、温度検出手段23aが検出した左加熱手段11上方のトッププレート2の温度が、通常の使用では有り得ない所定の温度T3以上となった場合、制御手段22は左加熱手段11が異常状態となっていると判断し、左加熱手段用インバーター回路25を制御して左加熱手段11を停止させる。
【0086】
そして、左加熱手段11上方のトッププレート2が高温となっているので、通常の高温状態の表示と同様に制御手段22が左火力表示手段14aの発光素子群15を、
図12に示すように(a)から(c)のように所定の間隔で階調を変えながら点灯させ、高温であることの表示を行う。
【0087】
これにより左加熱手段11上方のトッププレート2が高温であることを使用者に認知させることができ、高温部に気を付けることができるので安全性が向上する。なお、通常の高温状態の表示と区別するために、階調を変える間隔を変更するなど、通常の高温状態の表示と異ならせて点灯させることが望ましい。
【0088】
それから、異常状態で高温となった場合は、左火力表示手段14aに高温状態の表示をさせるだけでなく、左表示手段18に異常状態であること、異常状態で停止したことなどを表示するようにしてもよく、異常状態で加熱が停止していることを使用者に認知させることができる。
【0089】
以上のように、火力表示手段の発光素子を連続的に階調や色調を変えながら点灯するようにしたので、使用者の認知性、点灯の識別性が向上し、使用者が視認しやすい火力表示手段が実現できる。