(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。
【0020】
<1. 第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るプロテクター10の斜視図である。プロテクター10は、後述するように、複数の板状部分の間に中空構造が形成された中空板材を、筒状に折り曲げることよって形成されている。
【0021】
中空板材は、複数の板状部材が、中空構造を介して間隙を設けて配置されているため、曲がり難い。また、中空構造を形成する構造体によって、中空板材の強度は優れたものとなっている。さらに、中空板材は、中空構造を有するため、強度の割に比較的軽量である。また、中空板材に使用される材料も、強度の割に少ない。このため、材料費を抑えることができる。
【0022】
プロテクター10に、少なくとも1本の電線を含む電線束90が収容されることによって、電線モジュールが構成される。プロテクター10は、電線束90を外部(例えば、電線束90の配索経路の周辺にある部材のエッジ部分)から保護する役割、電線束90を所定の配線経路に沿って規制する役割、あるいは、電線束90の断面形状を配線経路における経路スペースに応じた形状に維持する役割等を果す。
【0023】
プロテクター10は、1枚の中空板材を、電線束90を収容可能な筒状に折り曲げられたものとして構成されている。このため、プロテクター10は、その周方向に沿って、複数の側板部11が、角度をなすようにして連結された構造を有している。本実施形態に係るプロテクター10は、4つの側板部11で構成されており、周方向に隣り合う2つの側板部11,11が、90度の角度をなすようにして連結されている。プロテクター10は、横断面が略正方形となる筒状体となっている。このため、プロテクター10は、内部に収容される電線束90を、全周囲の方向から保護することが可能となっている。
【0024】
ただし、プロテクター10は、必ずしも筒状体である必要は無い。本発明の一態様として、例えば、4つの側板部11のうち一部が省略されていることによって、内部が開放された樋状のプロテクターも含まれる。
【0025】
<中空板材>
ここで、中空板材の構成について説明する。
図2は、第1の例に係る中空板材20の部分切欠き斜視図である。
【0026】
中空板材20は、プロテクター10の内側に面する内側板状部21と、プロテクター10の外側に面する外側板状部23と、内側板状部21及び外側板状部23の間に挟み込まれた介在部25とを備えている。
【0027】
内側板状部21,外側板状部23および介在部25の材質は、特に限定されないが、例えば、PP(ポリプロピレン)等のプラスチック樹脂、紙、又は、これらの組み合わせ等が考えられる。内側板状部21,外側板状部23および介在部25のうち少なくとも1つが紙によって形成される場合には、その表面に撥水処理等が施されることが好ましい。
【0028】
内側板状部21及び外側板状部23は、平板状に形成されている。介在部25は、内側板状部21及び外側板状部23の双方に連結されている。すなわち、内側板状部21及び外側板状部23が、介在部25を介して、所定の間隔を空けた状態で連結されている。
【0029】
介在部25は、凹凸形状を呈する板状に形成された部材である。かかる介在部25が、内側板状部21及び外側板状部23の間に挟み込まれた状態で、それぞれの内向き面に接合される。内側板状部21,外側板状部23及び介在部25の接合は、例えば、接着剤、粘着剤等により行われる。これによって、介在部25が呈する凹凸形状に応じた中空構造が、内側板状部21、外側板状部23の間に形成される。
【0030】
介在部25は、山部27aと谷部27bとが波状に連続する形状に形成されている。山部27aの延在方向と谷部27bの延在方向とは、平行な位置関係にあり、従って、介在部25を平面視すると、複数の山部27aと複数の谷部27bとが交互に並列状に形成された構成とされている。山部27aの頂部と谷部27bの底部とは、湾曲していてもよいし、所定の角度をなして曲がっていてもよい。
【0031】
そして、介在部25が内側板状部21及び外側板状部23の間に挟み込まれ、谷部27bの底部の下面と下側の内側板状部21とが接合されると共に、山部27aの頂部の上面と上側の外側板状部23とが接合されている。
【0032】
このような中空板材20によると、内側板状部21及び外側板状部23が間隔をあけて、介在部25によって連結されているため、曲り難い。また、内側板状部21及び外側板状部23間に介在部25が介在しているため、当該介在部25によっても中空板材20が曲り難くかつ凹み難いように補強される。特に、本例では、山部27a及び谷部27bの延在方向において、中空板材が曲り難いようにすることができる。よって、本中空板材20は、強度的に優れる。
【0033】
また、中空板材20の内側板状部21及び外側板状部23の間には中空構造が形成されているため、その分、軽量化及び材料費の低減を図ることもできる。
【0034】
上記中空板材20の一製造例について説明しておく。
【0035】
介在部25は、例えば、平板状の部材を、凹凸面を有するプレス型の間に挟み込むことで形成することができる。例えば、帯状をなす平板状の部材を所定の搬送路に沿って連続的に供給すると共に、当該搬送路に沿って一対のローラを配設する。この一対のローラの表面には、凹凸形状を形成しておく。そして、帯状をなす平板状の部材を所定の搬送路に沿って搬送しつつ、当該平板状の部材を一対のローラで連続的に挟込んでいくことで、介在部25を連続的に形成することができる。
【0036】
また、上記所定の搬送路に沿って、一対のローラの下流側に、一対の帯状の内側板状部21,外側板状部23を連続的に供給して、当該一対の帯状の内側板状部21,外側板状部23の間に介在部25を順次挟込んで接着剤等で接合していく。これによって、中空板材20を連続的に製造することができる。
【0037】
なお、中空板材20に、電磁シールド部材が設けられていてもよい。電磁シールド部材としては、金属箔(アルミ箔)等を用いることができる。また、中空板材20に電磁シールド部材を取付ける構成としては、接着剤を用いた貼り合せ構成等を採用することができる。
【0038】
中空板材20の少なくとも一部に電磁シールド部材を設けることで、中空板材20によって形成されるプロテクター内に収容される電線束90を、電磁的に遮蔽することができる。なお、電磁シールド部材は、中空板材20の一方主面に設けられていれば、ワイヤーハーネスに対する電磁シールドを行える。
【0039】
図3は、第2の例に係る中空板材20Aの部分切欠き斜視図である。中空板材20Aは、介在部25に代えて介在部25Aが用いられている点で、中空板材20とは異なっている。
【0040】
すなわち、介在部25Aは、凹凸形状を呈する板状に形成された部材であり、より具体的には、介在部25Aの平面視において点在するように複数の突部29が形成された構成とされている。ここでは、介在部25Aを平面視した状態において、複数の突部29が縦横に一定間隔で並ぶように形成されている。
【0041】
突部29は、介在部25Aのうち平板状に延在する基板部31より一方主面側に突出するように形成されており、筒の上端部が閉じられた形状を呈している。ここでは、突部29は、上方に向けて徐々に狭まる形状、即ち、錐台形状に形成されている。突部29は、円錐台形状に形成されていてもよいし、角錐台形状に形成されていてもよいし、角錐台の角を丸めた形状に形成されていてもよい。
【0042】
そして、介在部25Aが内側板状部21及び外側板状部23の間に挟み込まれ、基板部31の下面が下側の内側板状部21に接合され、突部29の頂部が上側の外側板状部23に接合されている。もちろん、基板部31の下面が上側の外側板状部23に接合され、突部29の頂部が下側の内側板状部21に接合されていてもよい。
【0043】
このような中空板材20Aによると、上記中空板材20と同様に、強度的に優れ、かつ、軽量化を図ることができる。特に、中空板材20Aは,点在する複数の突部29を備えているため、曲り難さの方向性を無くすることができる。
【0044】
図4は、第3の例に係る中空板材20Bの部分切欠き斜視図である。
【0045】
この中空板材20Bは、樹脂材料によって形成された部材であり、プロテクター10の内側に面する内側板状部21Bと、プロテクター10の外側に面する外側板状部23Bと、内側板状部21B及び外側板状部23Bの間に介在する複数の介在部25Bとを備えている。
【0046】
図4に示されるように、中空板材20Bは、はしご状断面を有する形状に形成されている。より具体的には、内側板状部21B及び外側板状部23Bは、平板状に形成されている。そして、内側板状部21B及び外側板状部23Bが、介在部25Bを介して間隔を空けた状態で連結されている。
【0047】
そして、内側板状部21B及び外側板状部23Bの間に、複数の介在部25Bが相互間に間隔をあけた並列状態で設けられている。
【0048】
各介在部25Bは、細長い板状に形成されており、両側の内側板状部21B及び外側板状部23Bに対して直交する姿勢で立設されている。内側板状部21B,外側板状部23B及び介在部25Bは、一体成型されている。
【0049】
このため、中空板材20Bを、介在部25Bの延在方向に対して直交する面で切断すると、その切り口が、一対の内側板状部21B及び外側板状部23Bの間に複数の介在部25Bが延在するはしご状断面となっている。
【0050】
このような中空板材20Bは、例えば、はしご状断面に応じた押出孔から樹脂を押出す押出成型装置によって、連続的に製造することができる。このため、中空板材20Bは、低コストで製造することが容易となっている。
【0051】
このような中空板材20Bによっても、上記中空板材20と同様に、強度的に優れたものとすることができ、かつ、軽量化を図ることができる。また、このような中空板材20Bは、樹脂材料の押出成型によって効率よく製造できるというメリットもある。
【0052】
なお、複数の介在部25Bは、内側板状部21B及び外側板状部23B間において、例えば、三角柱等の多角柱状の中空形状を形成するものであってもよい。特に、ハニカム構造を形成するものであれば、中空板材20Bの強度を高めることができる。
【0053】
なお、中空板材20,20A,20Bの厚み寸法は、1.5mm〜15.0mm程度であることが好ましい。
【0054】
また、中空板材20、20Bのように、空間が並列状に形成されたタイプについては、並列状に形成された空間を仕切る部分のピッチが、4mm〜20mm程度であることが好ましい。
【0055】
さらに、中空板材20Aのように、点在する突部によって中空空間が形成されているタイプでは、各突部のピッチが、2mm〜6mm程度であることが好ましい。
【0056】
以上が、中空板材の説明である。なお、以下の説明においては、プロテクター10は、第1の例に係る中空板材20で構成されているものとする。しかしながら、他の中空板材20A,20Bが採用された場合であっても、中空板材20を採用したときと同様に、プロテクター10を構成できることはいうまでもない。
【0057】
<曲げ許容部>
図1に戻って、プロテクター10は、直線状に延びる直線状部12,12と、これら直線状部12,12の間に挟まれた部分であって、プロテクター10の軸心方向(延在方向)に対して曲げ可能に構成されている曲げ許容部13とを備えている。
【0058】
曲げ許容部13は、複数の側板部11に、複数の山折りの頂部14aと、谷折りの底部14bとが、プロテクター10の軸心方向に沿って交互に形成された部分である。曲げ許容部13は、中心軸を含む横断面視において、山折りの頂部14aとその両側の側壁部との内角、及び、谷折りの底部14bとその両側の側壁部との内角が大小変化することによって、プロテクター10軸心方向に伸縮する。このため、曲げ許容部13は、曲げ変形可能とされている。山折りの頂部14a及び谷折りの底部14bの形成方法については、後述する。
【0059】
なお、本願においては、「山折り」とは、プロテクター10の外側から見て、折り目が外側に出るように折り曲げることをいう。また、「谷折り」とは、プロテクター10の外側から見て、折り目が内側に出るように折り曲げることをいう。
【0060】
<プロテクターの作製方法>
上述したように、実施形態に係るプロテクター10においては、複数の側板部11に、山折りの頂部14a及び谷折りの底部14bが形成されている。プロテクター10においては、内側板状部21又は外側板状部23に切込みが形成されることによって、山折りの折り目形成、及び、谷折りの折り目形成を容易化している。
【0061】
なお、本願において、「切込み」とは、単にある部材に対して、線状に切断することによって裂け目を形成することだけではなく、ある程度の開口幅を有するように、スリット状に部材を切欠くことも含まれるものとする。
【0062】
図5は、内側切込み41が形成されている内側板状部21の平面図である。また、
図6は、外側切込み43が形成されている外側板状部23の平面図である。
図5及び
図6に示される中空板材20は、筒状に変形される前の平板状のものである。
図5及び
図6中、縦方向(側板部11が並ぶ方向)が、プロテクター10の周方向に対応しており、横方向(側板部11が延びる方向)が、プロテクター10の軸心方向に対応している。
【0063】
内側板状部21及び外側板状部23は、それぞれ、中空板材20の外側面及び内側面を構成する。
図5及び
図6に示される1点鎖線は、中空板材20を筒状に折り曲げるための折り曲げ線である。すなわち、一点鎖線によって区画された各部分が、側板部11となっている。
【0064】
プロテクター10を形成する際には、内側板状部21が内側に面し、かつ、外側板状部23が外側に面するように、中空板材20が各折り曲げ線に沿って折り曲げられる。なお、中空板材20が筒状に形成された後は、例えばテープ止めによって、筒状の形状が維持される。なお、テープではなく、接着剤や粘着剤等が固定に用いられてもよい。もしくは、図示を省略するが、中空板材20における両端の側板部11,11に、互いに掛かり合う係止構造を設けておき、この係止構造によって筒状体の形状維持がなされてもよい。
【0065】
また、筒状となったプロテクター10における曲げ許容部13に相当する、中空板材20の部分には、
図5,
図6に示されるように、内側切込み41及び外側切込み43が形成されている。
【0066】
より詳細には、
図5に示されるように、内側板状部21における各側板部11には、周方向に沿って延びる複数(
図5では、4個)の内側切込み41が等間隔で形成されている。各内側切込み41は、内側板状部21における周方向の一方端から他方端にまで延びている。内側切込み41が形成される部分は、谷折りの底部14bが形成される部分となっている。
【0067】
また、
図6に示されるように、外側板状部23における各側板部11には、周方向に沿って延びる複数(
図6では、5個)の外側切込み43が等間隔で形成されている各内側切込み41は、外側板状部23における周方向の一方端から他方端にまで延びている。外側切込み43が形成される部分は、山折りの頂部14aが形成される部分となっている。
【0068】
図5又は
図6に示されるように、内側切込み41及び外側切込み43が、軸心方向において、交互に並ぶように形成されている。
【0069】
図7は、曲げ許容部13における側板部11の概略を示す部分断面図である。なお、
図7に示される断面は、プロテクター10の軸心方向に沿って側板部11を縦に切断した切り口に対応する。
【0070】
一般的に、部材を折り曲げた場合には、その部材の中立軸よりも内側の部分に圧縮応力が作用し、外側の部分に引張応力が作用する。これと同様に、中空板材20を折り曲げた場合には、山折りの頂部14aにおいては、外側板状部23に引張応力が作用し、谷折りの底部14bにおいては、内側板状部21に引張応力が作用することとなる。
【0071】
本実施形態では、
図7に示されるように、山折りの頂部14aにおいては、外側板状部23に外側切込み43が形成されており、谷折りの底部14bにおいては、内側板状部21に内側切込み41が形成されている。つまり、内側切込み41及び外側切込み43が、曲げによって引張応力が作用する部分に形成されている。これによって、
図7に示されるように、中空板材20が山折り又は谷折りされたときに、内側板状部21又は外側板状部23が、内側切込み41及び外側切込み43によって、部分的に開口が形成されることで、引張応力が作用することを抑制することができる。これによって、中空板材20において、山折り又は谷折りの折り目を容易に形成することができる。
【0072】
ここで、中空板材20に対する内側切込み41及び外側切込み43の形成方法について、簡単に説明しておく。連続形成された中空板材20について、中空板材20を内側板状部21の側から不図示の台で支えておき、外側板状部23に外側切込み形成用の刃が当てられる。これによって、外側切込み43が形成される。次に、中空板材20を外側板状部23の側から不図示の台で支えて、内側板状部21に内側切込み形成用の刃が当てられる。これによって、内側板状部21に内側切込み41が形成される。切込み用の刃は、例えば回転刃を利用することができる。このように、内側切込み41,外側切込み43を順に形成することで、安定的に切込みを形成することができる。これによって、山折り又は谷折りの折り目を適切な位置に形成することができる。
【0073】
このようにして、内側切込み41及び外側切込み43が形成された中空板材20について、各切込みに沿って山折り又は谷折りの折り曲げが加えられる。このとき、山折り及び谷折り後の形状に対応した凹凸面を有するプレス型の間に中空板材20を挟み込むことで、折り曲げが加えられてもよい。そして、
図7に示されるように、内側切込み41及び外側切込み43が形成された中空板材20を、両側から押しつぶすことによって、山折り及び谷折りの折り癖が付けられる。折り癖が付けられた中空板材20は、
図5又は
図6に示される1点鎖線で折り曲げられることによって、筒状に形成される。なお、中空板材20を筒状に変形した後に、当該筒状体を両側から押しつぶしたり、両側に引き延ばしたり、捻りを加えたりすることで、折り癖をつけてもよい。
【0074】
曲げ許容部13に複数の山折りの頂部14a及び複数の谷折りの底部14bを交互に形成することで、プロテクター10に蛇腹形状を形成することができる。これによって、曲げ許容部13が、プロテクター10の軸心方向に伸縮可能となり、曲げを許容することができる。
【0075】
なお、プロテクター10を中空板材20Aで形成する場合において、内側板状部21のみを貫通するように内側切込み41が設けられると、介在部25Aの基板部31によって、折り曲げが抑制されるおそれがある。このような事態を避けるために、内側板状部21だけではなく、基板部31をも貫通するように、内側切込み41が設けられることが望ましい。つまり、中空板材の内部の空間(介在部が形成する空間)にまで到達するように、切込みが設けられることが望ましい。
【0076】
<2.第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係るプロテクター10Aの斜視図である。また、
図9は、外側切込み43が形成されている外側板状部23の平面図である。プロテクター10Aは、中空板材20で構成されているという点で、プロテクター10と共通している。しかしながら、プロテクター10Aでは、折り曲げ加工によって筒状体を形成するために、中空板材20の外側板状部23に、軸心方向に沿う複数の外側切込み43Aが設けられている。
【0077】
詳細には、
図8に示されるように、複数(ここでは、9個)の外側切込み43Aは、周方向に一定の間隔を隔てて並列するように形成されている。また、各内側切込み41Aは、軸心方向における中空板材20の一方端から他方端まで横断するように形成されている。
【0078】
本実施形態では、複数の外側切込み43Aによって、中空板材20が周方向に沿って連結されている複数の側板部11Aに区画される。このような中空板材20を、内側板状部21が内側に面し、外側板状部23が外側に面するように、外側切込み43Aの部分を山折りすることによって、
図7に示されるように、筒状体が形成される。なお、
図7において説明したのと同様に、外側切込み43Aによって、山折りの頂部となる部分に引張応力が作用することを抑制できる。このため、中空板材20に対して、容易に折り曲げ加工を行うことができる。
【0079】
なお、複数の外側切込み43Aを、より小さいピッチで設けることによって、より円筒に近い形状のプロテクター10Aを容易に作成することができる。
【0080】
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0081】
例えば、第1実施形態に係るプロテクター10では、折り曲げによる引張応力が作用する外側部分に、切込み(内側切込み41及び外側切込み43)が形成されている。しかしながら、圧縮応力が作用する内側の部分に切込みが形成されてもよい。この場合、折り曲げたときに、内側板状部21又は外側板状部23の切り口の両側の縁部のうち、一方が中空板材20の内側へ滑り込むことによって、圧縮応力が作用することを抑制することができる。これによって、中空板材20において、容易に山折り又は谷折りの折り目を形成することができる。
【0082】
同様に、第2実施形態に係るプロテクター10Aでは、外側板状部23における折り目に対応する位置に、複数の外側切込み43Aが形成されている。しかしながら、内側板状部21における折り目に対応する位置に、複数の切込みが形成されていてもよい。
【0083】
また、第1実施形態に係るプロテクター10に関して、内側板状部21又は外側板状部23における、筒状体を形成するために折り曲げられる部分(
図5又は
図6に示される一点鎖線の部分)にも、曲げ容易とするための切込みが形成されていてもよい。これによって、中空板材20から筒状体を容易に形成することができる。
【0084】
また、第1実施形態に係るプロテクター10は、中空板材20を折り曲げることによって形成されている。このため、複数の側板部11が一体の部材として構成されている。しかしながら、複数の側板部11が、個別の部材で構成されており、これらをテープ等で連結することで、プロテクター10が形成されていてもよい。
【0085】
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。また、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。