(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0004】
ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、及びメチルシクロペンタジエンベースの特定の炭化水素ポリマー添加剤が、利点のある特性の独特で望ましい組合せ、例えば、改善されたウェットトラクション及び低下した転がり抵抗を、エラストマー組成物に付与することが見出された。例えば、ウェットトラクションと転がり抵抗性能の特に利点のある組合せが、炭化水素ポリマー添加剤の全重量の40〜80重量%の、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、及びメチルシクロペンタジエン含有量を有し、また、100〜800g/モルの範囲の低い分子量、及び110℃〜150℃の範囲の高い軟化点を有する炭化水素ポリマー添加剤を用いることによって実現され得ることが見出された。
本明細書で用いられる場合、「ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、及びメチルシクロペンタジエン由来含有量」は、ポリマーを生成する挙げられたモノマー成分の総含有量を表す。この用語は、挙げられた成分の各々がポリマーに存在すること、又は、挙げられた成分の全てからポリマーが誘導されることを必要とする又は意味することを意図するものではない。本発明のどの実施形態においても、挙げられた成分の1つ又は2つは、存在していない、又は最低限の量においてのみ存在しているということがあり得る。
炭化水素ポリマー添加剤を含む加硫
された組成物は、ウェットトラクションと転がり抵抗性能特性の利点のある組合せを有し得る。
【0005】
エラストマー
ある実施形態において、組成物は、少なくとも1種のエラストマーを含む。組成物に含まれ得る典型的なエラストマーには、ブチルゴム、分岐(「星型分岐」)ブチルゴム、星形分岐ポリイソブチレンゴム、イソブチレンとパラ−メチルスチレンとのランダムコポリマー(ポリ(イソブチレン−co−p−メチルスチレン))、ポリブタジエンゴム(「BR」)、高シス−ポリブタジエン、ポリイソプレンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム(「IBR」)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(「SIBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、溶液重合−スチレン−ブタジエンゴム(「sSBR」)、乳化重合−スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム(「EP」)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(「EPDM」)、合成ポリイソプレン、汎用ゴム、天然ゴム、及びこれらのエラストマーのハロゲン化対応物、並びにこれらの混合物が含まれる。有用なエラストマーは、当技術分野において知られている適切な手段のどれかによって製造でき、本発明は、エラストマーの製造方法によっては限定されない。
エラストマーは、ハロゲン化されていることも、されていないこともある。好ましいハロゲン化エラストマーは、ハロゲン化ブチルゴム、ブロモブチルゴム、クロロブチルゴム、ハロゲン化分岐(「星型分岐」)ブチルゴム、及びイソブチレンとパラ−メチルスチレンのハロゲン化ランダムコポリマーからなる群から選択され得る。
【0006】
ある実施形態において、組成物は、2種以上のエラストマーのブレンドを含み得る。エラストマーのブレンドは、反応器ブレンド及び/又は溶融混合物であり得る。個々のエラストマー成分は、一般に行われている様々な量で存在していてよく、組成物中の全エラストマー含有量は配合物中100phrとして表される。
【0007】
特に有用なエラストマーには、イソブチレン系ホモポリマー又はコポリマーが含まれる。イソブチレン系エラストマーは、少なくとも70mol%のイソブチレン由来繰返し単位を含むエラストマー又はポリマーを表す。これらのポリマーは、C4−C7イソモノオレフィン由来単位、例えば、イソブチレン由来単位と、少なくとも1種の他の重合性単位とのランダムコポリマーとして記述できる。イソブチレン系エラストマーは、ハロゲン化されていることも、されていないこともある。
【0008】
ある実施形態において、エラストマーは、ブチルタイプのゴム又は分岐ブチルタイプのゴムであってもよく、これらのエラストマーのハロゲン化対応物も含まれる。特に有用なエラストマーは、オレフィン、イソオレフィン及びマルチオレフィンのホモポリマー及びコポリマーのような不飽和ブチルゴムである。これら及び他のタイプの有用なブチルゴムは、よく知られており、RUBBER TECHNOLOGY, p. 209-581 (Morton, ed., Chapman & Hall 1995)、THE VANDERBILT RUBBER HANDBOOK, p. 105-122 (Ohm ed., R.T. Vanderbilt Col., Inc. 1990)、及び、Kresge and Wang, 8 KIRK-OTHMER ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY, p. 934-955 (John Wiley & Sons, Inc. 4th ed. 1993)に記載されており、これらの各々は、参照によって本明細書に組み込まれる。他の有用な不飽和エラストマーの非限定的例は、ポリ(イソブチレン−co−イソプレン)、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリ(スチレン−co−ブタジエン)、天然ゴム、星形分岐ブチルゴム、及びこれらの混合物である。
【0009】
ある実施形態において、エラストマーは、タイヤゴムのコンパウンディングに一般に用いられ、本明細書において「汎用ゴム」と呼ばれるタイプの少なくとも1種の非イソブチレン系ゴムを含み得る。汎用ゴムは、通常、高強度及び良好な摩耗を、低ヒステリシス及び高弾性と共にもたらすゴムのいずれでもあり得る。これらのエラストマーは、それらが熱及びオゾンの両方に対する耐性に乏しい場合、混合コンパウンドにおいて劣化防止剤を必要とし得る。汎用ゴムの例には、天然ゴム(「NR」)、ポリイソプレンゴム(「IR」)、ポリ(スチレン−co−ブタジエン)ゴム(「SBR」)、ポリブタジエンゴム(「BR」)、ポリ(イソプレン−co−ブタジエン)ゴム(「IBR」)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(「SIBR」)、及びこれらの混合物が含まれる。
ある実施形態において、エラストマー組成物は、また、エチレン及びプロピレン由来単位のゴム、例えば、エチレン−プロピレンゴム(「EP」)及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(「EPDM」)、並びにこれらの混合物を含み得る。EP及びEPDMも、また、汎用エラストマーであると見なされ得る。EPDMの製造における適切なターモノマーの例は、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、さらには他のモノマーである。
【0010】
ある実施形態において、エラストマーは、ポリブタジエン(BR)ゴムを含み得る。100℃で測定したポリブタジエンゴムのムーニー粘度(ML 1+4、ASTM D1646)は、35〜70、若しくは40〜約65、又は、別の実施形態では、45〜60の範囲であり得る。
【0011】
ある実施形態において、エラストマーは、合成ゴム、例えば、高シス−ポリブタジエン(「シス−BR」)を含み得る。「シス−ポリブタジエン」又は「高シス−ポリブタジエン」によって、シス成分の量が少なくとも95%である1,4−シスポリブタジエンが用いられることを意味する。
ある実施形態において、エラストマーは、ポリイソプレン(IR)ゴムを含み得る。100℃で測定したポリイソプレンゴムのムーニー粘度(ML 1+4、ASTM D1646)は、35〜70、若しくは40〜約65、又は、別の実施形態では、45〜60の範囲にあり得る。
【0012】
ある実施形態において、エラストマーは天然ゴムを含み得る。天然ゴムは、Subramaniam , RUBBER TECHNOLOGY, p 179-208 (Morton, ed., Chapman & Hall, 1995)(参照によって本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されている。天然ゴムの特に望ましい実施形態は、技術的格付ゴム(「TSR」)、例えば、これらに限らないが、SMR CV、SMR 5、SMR 10、SMR 20、SMR 50、及びこれらの混合物が含まれるマレーシアゴムから選択され得る。好ましい天然ゴムは、30〜120、より好ましくは40〜80の、100℃でのムーニー粘度(ML 1+4、ASTM D1646)を有する。
本発明において有用なエラストマーは、様々な他のゴム又はプラスチックと、特に、ナイロン又はポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン又はポリプロピレンのコポリマー)のような熱可塑性樹脂とブレンドされてもよい。これらの組成物は、ブラダーのような空気バリア、タイヤのインナーチューブ、タイヤのインナーライナー、エアースリーブ(例えば、エアーショックにおける)、ダイヤフラム、さらには高い空気又は酸素保持が望まれる他の用途に有用である。
ある実施形態において、エラストマーは、スチレンブタジエンゴム(「SBR」)(例えば、乳化重合−SBR(「E−SBR」)、溶液重合SBR(S−SBR)、高スチレンゴム(「HSR」)など)のようなスチレンゴムを含み得る。SBRの望ましい実施形態は、JSR Corporationから入手可能なE−SBRエラストマー(これには、JSR 1500(25重量%のスチレン)、JSR 1502(25重量%のスチレン)、JSR 1503(25重量%のスチレン)、JSR 1507(25重量%のスチレン)、JSR 0202(45重量%のスチレン)、JSR SL552(25重量%のスチレン)、JSR SL574(15重量%のスチレン)、JSR SL563(20重量%のスチレン)、JSR 0051、JSR 0061などが含まれる)のように、10〜60重量%のスチレン含有量を有し得る。好ましいSBRは、30〜120、又は、より好ましくは40〜80の100℃でのムーニー粘度(ML 1+4、ASTM D1646)を有する。
【0013】
官能化エラストマーを含めて、他の有用なエラストマーは、US 7,294,644に記載されており、この特許は、許容される全ての法域で、その全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。本発明において有用エラストマーは、様々な他のゴム又はプラスチックと、特に、ナイロン又はポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン又はポリプロピレンのコポリマー)のような熱可塑性樹脂とブレンドされ得る。これらの組成物は、ブラダーのような空気バリア、タイヤのインナーチューブ、タイヤのインナーライナー、エアースリーブ(例えば、エアーショックにおける)、ダイヤフラム、さらには高い空気又は酸素保持が望まれる他の用途に有用である。
【0014】
炭化水素ポリマー添加剤
本発明の組成物は、また、炭化水素ポリマー添加剤を含む。炭化水素ポリマー添加剤は、炭化水素ポリマー添加剤の全重量の40〜80重量%の、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、及びメチルシクロペンタジエン由来含有量を有する。ある実施形態において、炭化水素ポリマー添加剤は、炭化水素ポリマー添加剤の全重量の50〜80重量%、又は60〜80重量%、又は70〜80重量%の、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、及びメチルシクロペンタジエン由来含有量を有し得る。ある実施形態において、炭化水素ポリマー添加剤は、ジシクロペンタジエン由来単位を主要な部分として含む、炭化水素樹脂であり得る。用語「ジシクロペンタジエン由来単位」、「ジシクロペンタジエン由来含有量」などは、ポリマーを生成するために用いられるジシクロペンタジエンモノマー、すなわち、重合前の状態の未反応化合物を表し、また、それがポリマー(これは、通常、重合反応のせいで、それが重合反応の前にもっているより少数の水素原子を有する)に組み入れられた後のモノマーも表すことができる。
【0015】
ある実施形態において、炭化水素ポリマー添加剤は、炭化水素ポリマー添加剤の全重量の約50〜約80重量%、より好ましくは、炭化水素ポリマー添加剤の全重量の約60〜約80重量%、より一層好ましくは、炭化水素ポリマー添加剤の全重量の約70〜約80重量%のジシクロペンタジエン由来含有量を有し得る。したがって、ある実施形態では、炭化水素ポリマー添加剤は、炭化水素ポリマー添加剤の全重量の約50%以上、又は約55%以上、又は約60%以上、又は約65%以上、又は約70%以上のジシクロペンタジエン由来含有量を有し得る。
【0016】
ある実施形態において、炭化水素ポリマー添加剤は、約100g/モル〜約800g/モル、又は約100g/モル〜約700g/モル、又は約100g/モル〜約600g/モル、又は約200g/モル〜約800g/モル、又は約200g/モル〜約700g/モル、又は約200g/モル〜約600g/モルの重量平均分子量を有し得る。ある実施形態において、炭化水素ポリマー添加剤は、約300g/モル〜約500g/モル、又は、最も好ましくは約400g/モルの重量平均分子量を有し得る。したがって、ある実施形態では、炭化水素ポリマー添加剤は、約100g/モル以上、又は約130g/モル以上、又は約150g/モル以上、又は約200g/モル以上、又は約250g/モル以上、又は約300g/モル以上、又は約350g/モル以上の重量平均分子量を有し得る。さらに、ある実施形態において、炭化水素ポリマー添加剤は、範囲の上端の約800g/モル以下、又は約750g/モル以下、又は約700g/モル以下、又は約650g/モル以下、又は約600g/モル以下、又は約550g/モル以下、又は約500g/モル以下、又は約450g/モル以下の重量平均分子量を有し得る。
ある実施形態において、炭化水素ポリマー添加剤は、ASTM D6090で求めて、約100℃〜約160℃、又は約110℃〜約150℃、又は約110℃〜約140℃、又は約115℃〜約140℃、又は約120℃〜約140℃の環球式軟化点を有し得る。
【0017】
ある実施形態において、炭化水素ポリマー添加剤は、芳香族及び非芳香族炭化水素成分をさらに含み得る。これらの炭化水素ポリマー添加剤における相違は、主として、炭化水素成分が誘導される原料におけるオレフィンに帰因する。ある実施形態において、炭化水素ポリマー添加剤は、様々な量のピペリレン、イソプレン、モノ−オレフィン、及び非重合性パラフィン化合物を含むC4−C6フラクションから生成される炭化水素鎖を有する「脂肪族」炭化水素成分を含み得る。炭化水素ポリマー添加剤は、また、芳香族単位、例えば、スチレン、キシレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、及びインデンから生成されるポリマー鎖を有する「芳香族」炭化水素構造を含み得る。
【0018】
ある実施形態において、ゴムコンパウンディングに用いられる炭化水素ポリマー添加剤は、オレフィン、例えば、ピペリレン、イソプレン、アミレン、及び環状成分を含む。炭化水素ポリマー添加剤は、また、スチレン系成分及びインデン系成分のような芳香族オレフィンも含み得る。
通常、ピペリレンは、C5ジオレフィンの留分又は合成混合物であり、これは、これらに限らないが、シス−1,3−ペンタジエン、トランス−1,3−ペンタジエン、及び混合1,3−ペンタジエンを含む。通常、ピペリレンは、イソプレンのような分岐C5ジオレフィンを含まない。
【0019】
環状化合物は、通常、C5及びC6の環状のオレフィン、ジオレフィン、及びこれらの2量体の留分又は合成混合物である。環状化合物には、これらに限らないが、シクロペンタン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキセン、1,3−シクロヘキサジエン、及び1,4−シクロヘキサジエンが含まれる。ジシクロペンタジエンは、エンド又はエキソ形のいずれかであり得る。環状化合物は、置換されていることも、されていないこともある。好ましい置換環状化合物には、C1−C40の直鎖、分岐、又は環状アルキル基により、好ましくは1つ又は複数のメチル基により置換されたシクロペンタジエン及びジシクロペンタジエンが含まれる。
炭化水素ポリマー添加剤に存在し得る好ましい芳香族化合物には、スチレン、インデン、スチレン誘導体、及びインデン誘導体からの1種又は複数が含まれる。特に好ましい芳香族オレフィンには、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、インデン、及びメチルインデン、並びにビニルトルエンが含まれる。
スチレン系成分には、スチレン、スチレン誘導体、及び置換スチレンが含まれる。通常、スチレン系成分は、縮合環、例えばインデンを含まない。
【0020】
上で記載された樹脂は、炭化水素ポリマー添加剤の製造で、当技術分野において一般に知られた方法によって製造でき、本発明は、炭化水素ポリマー添加剤の生成方法によっては限定されない。ある実施形態において、炭化水素ポリマー添加剤は、熱重合反応によって製造され得る。ある実施形態では、炭化水素ポリマー添加剤は、重合反応器において、オレフィンフィード流と、フリーデル−クラフツ又はルイス酸触媒とを、0℃〜200℃の間の温度で一緒にすることによって製造される。フリーデル−クラフツ重合は、通常、重合溶媒中で、知られている触媒の使用によって行われ、溶媒及び触媒は、洗浄及び蒸留によって除去され得る。本発明のために利用される重合プロセスは、バッチ式又は連続方式であり得る。連続重合は、1段階又は多段階で達成され得る。
ある実施形態において、炭化水素ポリマー添加剤は水素化され得る。炭化水素ポリマー添加剤の水素化は、当技術分野において知られている方法のどれかによって実施でき、本発明は、水素化の方法によっては限定されない。例えば、炭化水素ポリマー添加剤の水素化は、バッチ式又は連続プロセスのいずれかであり得る。好ましくは、炭化水素ポリマー添加剤は触媒を用いて水素化される。炭化水素ポリマー添加剤の水素化に用いられる触媒は、通常、元素の周期表の6、8、9、10、又は11族からの元素に基づく担持一元金属及び二元金属触媒系である。
【0021】
フィラー及び添加剤
ある実施形態において、本発明の組成物は、ゴムコンパウンドに常用される他の成分及び添加剤、例えば、有効量の他の加工助剤、顔料、促進剤、架橋剤及び加硫剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、フィラー、及び/又はクレーを含み得る。ある実施形態において、エラストマー組成物は、他の有用な加工助剤、例えば、プラストマー、ポリブテン、又はこれらの混合物を含み得る。
ある実施形態において、本発明の組成物は、また、少なくとも1種のフィラー、例えば、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ、シリケート、タルク、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、デンプン、木粉、カーボンブラック、又はこれらの混合物も含み得る。フィラーは、任意の大きさであってよいが、通常は、例えばタイヤ業界では、約0.0001μm〜約100μmの範囲であり得る。
【0022】
本明細書で用いられる場合、シリカは、無処理、沈降シリカ、結晶シリカ、コロイド状シリカ、アルミニウム又はカルシウムシリケート、フュームドシリカなどを含めて、溶液、焼成、又は類似の方法によって調製された、任意のタイプ若しくは粒径のシリカ、又は他のケイ酸誘導体、又はケイ酸を表すものとする。沈降シリカは、通常のシリカ、準(semi)高分散性シリカ、又は高分散性シリカであり得る。
【0023】
ある実施形態において、本発明の組成物はまたクレーも含み得る。クレーは、例えば、モンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボコスコイト(vokoskoite)、ラポナイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、マガダイト、ケニヤアイト、ステベンサイト、バーミキュライト、ハロイサイト、アルミネート酸化物、ハイドロタルサイト、又はこれらの混合物であり得るが、これらは改質剤によって処理されていてもよい。クレーは少なくとも1種のシリケートを含み得る。ある実施形態において、フィラーは、有機分子のような改質剤により処理又は前処理されていてもよい、層状クレーであり得る;層状クレーは、少なくとも1種のシリケートを含み得る。
シリケートは、膨張性結晶格子を有するクレー鉱物の一般分類を表す、「スメクタイト」又は「スメクタイト型クレー」の少なくとも1種を含み得る。例えば、これは、モンモリロナイト、バイデライト、及びノントロナイトからなる2八面体スメクタイト、並びに、サポナイト、ヘクトライト、及びソーコナイトを含む3八面体スメクタイトを含み得る。やはり含まれるのは、合成により調製されるスメクタイトクレーである。
シリケートには、天然又は合成フィロシリケート、例えば、モンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ベントナイト、ボルコンスコイト、ラポナイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、マガダイト、ケニヤアイト、ステベンサイトなど、さらにはバーミキュライト、ハロイサイト、アルミネート酸化物、ハイドロタルサイトなども含まれ得る。上で論じられたシリケートの任意の組合せもまた想定される。
【0024】
上で記載された層状クレーのような層状フィラーは、少なくとも1種の改質剤による処理によって、インターカレーション又は薄片化のような改質をされていてもよい。改質剤は、また、膨潤又は薄片化剤としても知られている。通常、それらは、層状フィラーの層間表面に存在する陽イオンによりイオン交換反応を受けることができる添加剤である。改質剤は、任意の段階で、組成物への添加剤として添加され得る;例えば、この添加剤が、エラストマーに添加され、その後、層状フィラーが添加されてもよい、又は、少なくとも1種のエラストマーと少なくとも1種の層状フィラーの組合せに添加されてもよい、或いは、さらに別の実施形態では、添加剤は、最初に、層状フィラーとブレンドされ、その後、エラストマーが添加されてもよい。
【0025】
ある実施形態において、1種又は複数のシランカップリング剤が、本発明の組成物に使用され得る。カップリング剤は、それらが、シリカをエラストマーに結合させる助けとなるので、シリカが主要なフィラーであるか、又は別のフィラーと組み合わされて存在する場合に、特に望ましい。カップリング剤は、2官能性オルガノシラン架橋剤であり得る。「オルガノシラン架橋剤」は、当業者に知られた、フィラーに連結されるシラン及び/又は架橋活性剤及び/又はシラン強化剤のどれかであり、これらに限らないが、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス−(β−メトキシエトキシ)シラン、メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノ−プロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなど、及びこれらの混合物を含む。
ある実施形態において、フィラーは、カーボンブラック又は改質カーボンブラックであり得る。フィラーは、また、カーボンブラックとシリカのブレンドであってもよい。ある実施形態において、エラストマー組成物は、タイヤのトレッド又はサイドウォールであり得、強化グレードのカーボンブラックを、ブレンドの10〜100phr、別の実施形態において、より好ましくは30〜80phr、又は50〜80phrのレベルで含む。カーボンブラックの有用なグレードは、N110〜N990の範囲を含む。
【0026】
架橋剤、加硫剤、加硫パッケージ、及び加硫プロセス
本発明の組成物及びこれらの組成物から製造される物品は、通常、少なくとも1種の加硫パッケージ、少なくとも1つの加硫剤、少なくとも1種の架橋剤の助けにより製造され、及び/又は、エラストマー組成物を加硫するプロセスを経る。本明細書で用いられる場合、少なくとも1つの加硫性パッケージは、業界によって一般に理解されている加硫後特性をゴムに付与できる任意の物質又は方法を表す。
【0027】
一般に、ポリマーブレンドは、ポリマーの機械的性質を向上させるために架橋され得る。加硫されたゴムコンパウンドの物理的性質、性能特性、及び耐久性は、加硫(vulcanization)反応の間に生成される架橋の数(架橋密度)及びタイプに関連付けられることが知られている。ポリマーブレンドは、加硫剤、例えば、硫黄、金属、酸化亜鉛のような金属酸化物、過酸化物、有機金属化合物、ラジカル開始剤、脂肪酸、及び当技術分野において一般的な他の作用剤を添加することによって架橋され得る。用いられ得る他の知られている加硫方法には、過酸化物加硫系、樹脂加硫系、及びポリマーの熱又は放射線誘起架橋が含まれる。促進剤、活性剤、及び遅延剤もまた、加硫プロセスにおいて使用され得る。
【0028】
本発明の組成物は、適切な手段、例えば、それらを、通常の加硫プロセスのどれかに従って熱又は放射線に曝すことによって、加硫され得る。必要とされる熱又は放射線の量は、組成物における加硫に影響を及ぼすのに要する熱又は放射線であり、本発明は、組成物を加硫するための方法及びそれに要する熱量によっては限定されない。通常、加硫は、約100℃〜約250℃、又は150℃〜200℃の範囲の温度で、約1〜150分間、行われる。
ハロゲン含有エラストマーは、金属酸化物との、それらの反応によって架橋され得る。有用な金属酸化物の例には、これらに限らないが、ZnO、CaO、及びPbOが含まれる。金属酸化物は、単独で、又は対応するその金属脂肪酸複合体(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)と、或いは、単独で添加される有機脂肪酸、例えば、ステアリン酸と一緒に用いることができ、他の加硫剤、例えば、硫黄若しくは硫黄化合物、アルキルペルオキシド化合物、ジアミン又はこれらの誘導体と一緒に用いられてもよい。
硫黄は、ジエン含有エラストマーに対する最も一般的な化学加硫剤である。硫黄加硫系は、硫黄を活性化するための活性剤、促進剤、及び加硫速度を制御する助けとなる遅延剤からなり得る。
【0029】
活性剤は、最初に促進剤と反応してゴム可溶性複合体を生成し、次いで、これが硫黄と反応して、硫化剤(sulfurating agent)を生成することによって、加硫速度を増加させる化学品である。促進剤の一般分類には、アミン、ジアミン、グアニジン、チオウレア、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、スルフェンイミド、チオカルバメート、キサンテートなどが含まれる。
促進剤は、加硫の開始及び速度、並びに生成される架橋の数及びタイプを制御する助けとなる。遅延剤は、未加硫ゴムを加工するための十分な時間があるように、加硫の初期の開始を遅らせるために使用され得る。
加硫プロセスの速度の増加は、多くの場合有機化合物である、速度を増加させる促進剤の量を調節することによって制御され得る。天然ゴム、BR、及びSBRの促進加硫のメカニズムは、加硫剤、促進剤、活性剤、及びポリマーの間の複雑な相互作用を含む。理想的には、利用できる全ての加硫剤が、2つのポリマー鎖を互いにつなぎ、ポリマーマトリックスの全体としての強度を高める、有効な架橋を生成するために消費される。多数の促進剤が当技術分野において知られており、これらに限らないが、次のものが含まれる:ステアリン酸、ジフェニルグアニジン(DPG)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、ベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド(CBS)、及びチオウレア。
ある実施形態において、少なくとも1種の加硫剤は、0.2〜10phr、又は0.5〜5phr、又は0.75phr〜2phr、存在し得る。
【0030】
加工
ある実施形態において、本発明の組成物は、当業者に知られている通常の手段のどれかによってコンパウンディング(混合)され得る。混合は、単一ステップにおいて、又は多段階で行われ得る。例えば、成分は、通常、少なくとも2つの段階で、すなわち、少なくとも1つの非生産段階と、それに続く生産混合段階で混合される。通常、最後の加硫剤は、「生産」混合段階と通常呼ばれる最終段階において混合される。生産混合段階において、混合は、通常、先行する非生産混合段階の混合温度より低い温度、又は最終温度で行われる。エラストマー、ポリマー添加剤、シリカ及びシリカカプラー、並びにカーボンブラックは、用いられる場合、通常、1つ又は複数の非生産混合段階において混合される。用語「非生産」及び「生産」混合段階は、ゴム混合技術の技術者によく知られている。
【0031】
ある実施形態において、カーボンブラックは、酸化亜鉛及び他の加硫活性剤及び促進剤とは異なる段階で添加され得る。ある実施形態において、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、及び加工剤は、カーボンブラックがエラストマーと加工された後の段階で添加され得るし、酸化亜鉛は、コンパウンドのモデュラスを最大化するために、最終段階で添加される。ある実施形態において、クレーとの混合は、当業者に知られた技術によって実施され得るが、その場合、クレーは、ポリマーに、カーボンブラックと同時に添加される。ある実施形態において、追加の段階が、1種又は複数のフィラーの段階的添加を伴い得る。
【0032】
ある実施形態において、成分の混合は、当業者に知られた技術によって、適切な混合デバイス、例えば、2本ロール開放式ミル、ブラベンダー(商標)密閉式ミキサー、接線型ローターを有するバンベリー(商標)密閉式ミキサー、噛合型ローターを有するKrupp密閉式ミキサー、又は好ましくは、ミキサー/押出機のどれかにおいて、エラストマー成分、フィラー及びクレーを一緒にすることによって、実施され得る。一実施形態において、混合は、組成物に用いられるエラストマーの融点までの温度で、又は40℃〜250℃、又は100℃〜200℃の温度で実施され得る。混合は、一般に、クレーが薄片化し、エラストマー内に均一に分散した状態になるのに十分な剪断条件下に実施されるべきである。
【0033】
ある実施形態において、1種又は複数のエラストマーの70%〜100%が、最初、20〜90秒間、又は温度が40℃〜75℃に達するまで、混合され得る。次いで、約75%のフィラー、及び残りの量のエラストマー(ある場合)が、ミキサーに添加され得、温度が90℃〜150℃に達するまで、混合が続けられる。次に、残りのフィラー、さらには加工助剤が添加され得、温度が140℃〜190℃に達するまで、混合が続けられる。次いで、マスターバッチ混合物は、開放式ミルでシート化することによって、完成され、例えば、加硫剤が添加され得る時の60℃〜100℃まで放冷され得る。
【0034】
ある実施形態において、エラストマーは、炭化水素ポリマー添加剤とブレンドされ得るが、ここで、炭化水素ポリマー添加剤は、炭化水素ポリマー添加剤の全重量の約40重量%〜約80重量%の、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、及びメチルシクロペンタジエン由来含有量を有する。ある実施形態において、エラストマーは、約100g/モル〜約800g/モルの重量平均分子量、及びASTM D6090に従って求めて、約110℃〜約150℃の軟化点を有する炭化水素ポリマー添加剤とブレンドされ得る。
【0035】
〔産業上の利用可能性〕
本発明の組成物は、繊維、フィルム、ラミネート、層、自動車のパーツのような産業用パーツ、器具ハウジング、消費者製品、包装材などを含めて、様々な形状の物品に、押出、圧縮成形、ブロー成形、射出成形、及びラミネートされ得る。
特に、本発明の組成物は、トラックのタイヤ、バスのタイヤ、自動車のタイヤ、オートバイのタイヤ、オフロードタイヤ、航空機のタイヤなどのような様々なタイヤ用途のための物品に有用である。このようなタイヤは、当業者に知られていて、直ちに明らかであろう様々な方法によって、組み立てられ、形作られ、成形され、加硫され得る。本発明の組成物は、最終物品、又は、タイヤのインナーライナーのような、最終物品の構成要素のいずれかに製造され得る。物品は、空気バリア、空気膜、フィルム、層(ミクロ層及び/又は多層)、インナーライナー、インナーチューブ、エアースリーブ、サイドウォール、トレッド、タイヤ加硫ブラダーなどから選択され得る。本発明のエラストマー組成物は、タイヤトレッドに特に有用であり得る。
本発明の組成物は、様々な用途、特に、空気タイヤ構成部材、ホース、コンベヤーベルト若しくは自動車ベルトのようなベルト、ソリッドタイヤ、履物構成部材、グラフィックアート用途のローラー、防振デバイス、薬学デバイス、接着剤、コーキング剤、シーラント、ガラス用コンパウンド、保護コーティング剤、エアークッション、空気バネ、空気ベロー(bellow)、アキュムレーターバッグ、流体保持及び加硫プロセスのためのブラダーに有用である。それらは、また、ゴム配合物における可塑剤として;ストレッチ−ラップフィルムに製造される組成物の成分として;潤滑油のための分散剤として;並びに、ポッティング及び電気ケーブル充填及びケーブルハウジングの材料としても有用である。
エラストマー組成物は、また、成形ゴムパーツにも有用であり、自動車サスペンションバンパー、自動車排気系ハンガー、及びボディマウントに広い用途が見出され得る。さらに別の用途において、1種又は複数のエラストマーの本発明の組成物は、また、医薬品のストッパー及びクロージャ及び医療デバイスのコーティングのような医療用途にも有用である。
【実施例】
【0036】
以下の例において:
「PR373」は、ExxonMobil Chemical CompanyからOppera(商標)373として入手可能な炭化水素ポリマー添加剤である。それは、89℃の軟化点、約1500g/モルの重量平均分子量、及び40重量%未満の、ジシクロペンタジエン/シクロペンタジエン/メチルシクロペンタジエン含有量を有する。
【0037】
「E5400」は、ExxonMobil Chemical CompanyからEscorez(商標)5400として入手可能な炭化水素ポリマー添加剤である。それは、103℃の軟化点、約400g/モルの重量平均分子量、及び40〜80重量%の、ジシクロペンタジエン/シクロペンタジエン/メチルシクロペンタジエン含有量を有する。
「E5415」は、ExxonMobil Chemical CompanyからEscorez(商標)5415として入手可能な炭化水素ポリマー添加剤である。それは、118℃の軟化点、約430g/モルの重量平均分子量、及び40〜80重量%の、ジシクロペンタジエン/シクロペンタジエン/メチルシクロペンタジエン含有量を有する。
「E5340」は、ExxonMobil Chemical CompanyからEscorez(商標)5340として入手可能な炭化水素ポリマー添加剤である。それは、140℃の軟化点、約460g/モルの重量平均分子量、及び40〜80重量%の、ジシクロペンタジエン/シクロペンタジエン/メチルシクロペンタジエン含有量を有する。
「E5600」は、ExxonMobil Chemical CompanyからEscorez(商標)5600として入手可能な炭化水素ポリマー添加剤である。それは、103℃の軟化点、約520g/モルの重量平均分子量、及び40〜80重量%の、ジシクロペンタジエン/シクロペンタジエン/メチルシクロペンタジエン含有量を有する。
「E5615」は、ExxonMobil Chemical CompanyからEscorez(商標)5615として入手可能な炭化水素ポリマー添加剤である。それは、118℃の軟化点、約500g/モルの重量平均分子量、及び40〜80重量%の、ジシクロペンタジエン/シクロペンタジエン/メチルシクロペンタジエン含有量を有する。
【0038】
「Naph」はナフテン系オイルである。
【0039】
「転がり抵抗」は、ASTM D7605に従うAdvanced Polymer Analyzer 2000(Alpha Technologies)を用い、2回目の歪みの戻り歪み(@14%)での、60℃、5Hzのtanδ値を比較することによって評価した。より低い値は、より良好な/より小さい、転がり抵抗を示唆する。
「ウェットトラクション」は、ASTM D5270−01に従うARES歪み制御レオメータを用い、歪み掃引(strain sweep)を実施することによって、2回目の歪みによる3%の歪みでの、0℃及び10Hzのtanδ値を比較することによって評価した。より大きな値は、より良好なウェットトラクション値を示唆する。
「Payne効果」は、G’@45%(kPa)を、G’A0.5%(kPa)から引くことによって求められる。
【0040】
表1において、試料の各々は、12phrの濃度で樹脂を、10phrの濃度でオイルを含むシリカトレッドを含む。
【表1】
表1に示されるように、試料E5340、E5600及びE5615は、試験された全ての温度で、PR373に比べて、ウェットトラクションの向上を示すと同時に、また、転がり抵抗の向上も示した。E5415も、また、ウェットトラクションは同等で、転がり抵抗の向上を示した。試料E5415は、PR373に比べて、転がり抵抗において最大の向上を示し、0℃でのウェットトラクションの向上を示した。E5615は、最高のウェットトラクションを示した。
【0041】
[0076]本発明は、また、以下の実施形態に関連させて、より良く理解され得る:
[0077]少なくとも1種のエラストマーと、炭化水素ポリマー添加剤の全重量の約40重量%〜約80重量%の、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、及びメチルシクロペンタジエン由来含有量、約100g/モル〜約800g/モルの重量平均分子量、並びに、ASTM D6090に従って求めて、約110℃〜約150℃の軟化点を有する炭化水素ポリマー添加剤とを含む、組成物。
【0042】
[0078]炭化水素ポリマー添加剤の重量平均分子量が、約200g/モル〜約600g/モルである、段落[0076]の組成物。
[0079]炭化水素ポリマー添加剤の重量平均分子量が、約300g/モル〜約500g/モルである、段落[0077]の組成物。
[0080]炭化水素ポリマー添加剤の軟化点が、約110℃〜約140℃である、段落[0076]〜[0078]のいずれかの組成物。
[0081]炭化水素ポリマー添加剤の軟化点が、約115℃〜約140℃である、段落[0079]の組成物。
[0082]炭化水素ポリマー添加剤が、炭化水素ポリマー添加剤の全重量の約60重量%〜約100重量%の、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、及びメチルシクロペンタジエン由来含有量を有する、段落[0076]〜[0080]のいずれかの組成物。
【0043】
[0083]炭化水素ポリマー添加剤が、炭化水素ポリマー添加剤の全重量の約70重量%〜約90重量%の、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、及びメチルシクロペンタジエン由来含有量を有する、段落[0081]の組成物。
[0084]組成物が、加硫
された組成物である、段落[0076]〜[0084]のいずれかの組成物。
[0085]エラストマーが、組成物の全重量に対して約33重量%〜約75重量%の範囲で、組成物中に存在する、段落[0076]〜[0083]のいずれかの組成物。
【0044】
[0086]炭化水素ポリマー添加剤が、組成物の全重量に対して約3重量%〜約10重量%の範囲で、組成物中に存在する、段落[0076]〜[0084]のいずれかの組成物。
[0087]段落[0076]〜[0085]のいずれかの組成物を含むタイヤ。
[0088]段落[0076]〜[0085]のいずれかの組成物を含むタイヤトレッド。
特定の実施形態及び特徴が、1組の上限値及び1組の下限値を用い、記載された。特に断らなければ、任意の下限から任意の上限までの範囲が想定されていることが理解されるべきである。特定の下限、上限及び範囲は、下の特許請求の範囲の1つ又は複数に現れる。全ての数値は、「約」又は「ほぼ」示された値であり、当業者によって予想され得る実験誤差及び変動が考慮されている。
【0045】
請求項において用いられる用語が、上で定義されていないならば、それは、少なくとも1つの印刷出版物又は発行特許において示される、当業者がその用語に与えている最も広い定義が与えられるべきである。さらに、本出願において挙げられた全ての特許、試験手順、及び他の文書は、このような開示が本出願に矛盾しない範囲で、また、このような組み込みが許容される全ての法域で、参照によって、全体として組み込まれる。
【0046】
前記は、本発明の実施形態を対象としているが、本発明のさらなる他の実施形態が、本発明の基本的範囲から逸脱することなく考案され得、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって定められる。
また、本発明は以下の態様であり得る。
〔1〕少なくとも1種のエラストマー、及び
炭化水素ポリマー添加剤の全重量の約40重量%〜約80重量%の、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、及びメチルシクロペンタジエン由来含有量と、約100g/モル〜約800g/モルの重量平均分子量と、ASTM D6090に従って求めて、約110℃〜約150℃の軟化点とを有する炭化水素ポリマー添加剤
を含む組成物。
〔2〕炭化水素ポリマー添加剤の重量平均分子量が、約200g/モル〜約600g/モルである、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕炭化水素ポリマー添加剤の重量平均分子量が、約300g/モル〜約500g/モルである、前記〔2〕に記載の組成物。
〔4〕炭化水素ポリマー添加剤の軟化点が、約110℃〜約140℃である、前記〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の組成物。
〔5〕炭化水素ポリマー添加剤の軟化点が、約115℃〜約140℃である、前記〔4〕に記載の組成物。
〔6〕炭化水素ポリマー添加剤が、炭化水素ポリマー添加剤の全重量の約60重量%〜約80重量%の、ジシクロペンタジエン由来含有量を有する、前記〔1〕に記載の組成物。
〔7〕炭化水素ポリマー添加剤が、炭化水素ポリマー添加剤の全重量の約70重量%〜約90重量%の、ジシクロペンタジエン由来含有量を有する、前記〔6〕に記載の組成物。
〔8〕組成物が、加硫
された組成物である、前記〔1〕に記載の組成物。
〔9〕エラストマーが、組成物の全重量に対して、約33重量%〜約75重量%の範囲で、組成物中に存在する、前記〔1〕に記載の組成物。
〔10〕炭化水素ポリマー添加剤が、組成物の全重量に対して、約3重量%〜約10重量%の範囲で、組成物中に存在する、前記〔1〕に記載の組成物。
〔11〕少なくとも1種のエラストマー、及び
炭化水素ポリマー添加剤の全重量の約40重量%〜約80重量%の、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、及びメチルシクロペンタジエン由来含有量と、約100g/モル〜約800g/モルの重量平均分子量と、ASTM D6090に従って求めて、約110℃〜約150℃の軟化点とを有する炭化水素ポリマー添加剤
を含む組成物を含むタイヤ。
〔12〕炭化水素ポリマー添加剤の重量平均分子量が、約200g/モル〜約600g/モルである、前記〔11〕に記載のタイヤ。
〔13〕炭化水素ポリマー添加剤の重量平均分子量が、約300g/モル〜約500g/モルである、前記〔12〕に記載のタイヤ。
〔14〕炭化水素ポリマー添加剤の軟化点が、約110℃〜約140℃である、前記〔11〕から〔13〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔15〕炭化水素ポリマー添加剤の軟化点が、約115℃〜約140℃である、前記〔14〕に記載のタイヤ。
〔16〕少なくとも1種のエラストマー、及び
炭化水素ポリマー添加剤の全重量の約40重量%〜約80重量%の、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、及びメチルシクロペンタジエン由来含有量と、約100g/モル〜約800g/モルの重量平均分子量と、ASTM D6090に従って求めて、約110℃〜約150℃の軟化点とを有する炭化水素ポリマー添加剤
を含む組成物を含むタイヤトレッド。
〔17〕炭化水素ポリマー添加剤の重量平均分子量が、約200g/モル〜約600g/モルである、前記〔16〕に記載のタイヤ。
〔18〕炭化水素ポリマー添加剤の重量平均分子量が、約300g/モル〜約500g/モルである、前記〔17〕に記載のタイヤ。
〔19〕炭化水素ポリマー添加剤の軟化点が、約110℃〜約140℃である、前記〔16〕から〔18〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔20〕炭化水素ポリマー添加剤の軟化点が、約115℃〜約140℃である、前記〔19〕に記載のタイヤ。