(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記低圧流体チャネルを形成する低圧流体チャネル部材と、前記加圧された流体チャネルを形成する加圧されたチャネル部材とを更に有し、前記加圧されたチャネル部材は、不活性ポリマーチューブを有し、前記低圧流体チャネル部材は非晶質フルオロポリマーチューブを有している請求項1に記載の脱ガス組立体。
前記加圧された流体チャネルは、溶離液生成装置、クロマトグラフカラム及び抑制装置と、流体連通しており、前記加圧された流体チャネルは、前記クロマトグラフカラム及び前記抑制装置の各々から上流に位置決めされる請求項1に記載の脱ガス組立体。
前記低圧流体チャネル部材は、流体入口又は排出口と係合されるとき流体の封止を形成するように構成された第1の朝顔形状端部と、流体入口又は排出口と係合されるとき流体の封止を形成するように構成された第2の朝顔形状端部とを有する、請求項6に記載の脱ガス組立体。
前記脱ガス組立体に流入された前記高圧溶離液は、22.75MPa(3300psi)〜34.47MPa(5000psi)の圧力を有する請求項11に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
イオンクロマトグラフは、サンプル材料を分析するための一般的な技法である。従来のイオンクロマトグラフは、通常、電解液を含む溶離液を使用したクロマトグラフ分離段階と、溶離液抑制段階とを含んでおり、これらには、検出段階が後続する。クロマトグラフ分離段階においては、電解液を溶離液として使用する分離カラムを通じて、注入されたサンプル中の対象の検体イオンを溶離している。抑制段階においては、イオンを導電度セルによって判定することができるように、分離されたイオンに影響を及ぼすことなしに電解液の導電度を抑制している。この技法については、米国特許第3,897,213号明細書、同第3,920,397号明細書、同第3,925,019号明細書、及び同第3,926,559号明細書に詳述されている。
【0003】
一般に、クロマトグラフ溶離液としては、酸、塩基、又は塩の薄い溶液が使用されている。従来、これらの溶離液は、試薬用の化学薬品によって希釈することにより、オフライン状態において調製されている。クロマトグラフ溶離液のオフライン調製は、単調なものとなって操作者による誤りが発生しやすくなる可能性があり、且つ、しばしば、汚染物質が混入する。例えば、アニオンのイオンクロマトグラフ分離において溶離液として広く使用されている薄い水酸化ナトリウム(NaOH)溶液は、炭酸塩によって容易に汚染される。炭酸塩は、試薬からの不純物として、或いは、空気から二酸化炭素を吸収することにより、混入する可能性があるため、炭酸塩を含まないNaOH溶離液の調製は困難である。NaOH溶離液中の炭酸塩の存在により、イオンクロマトグラフ法の性能が低下する可能性があり、且つ、水酸化物勾配における望ましくないクロマトグラフベースラインのドリフトと、場合によっては、ターゲット検体の再現不能な保持時間が発生する可能性がある。近年、高純度イオンクロマトグラフ溶離液を純化又は生成するために、水の電気分解とイオン交換媒体を通じたイオンの電荷選択的エレクトロマイグレーションを利用したいくつかの方法が研究者によって研究されている。米国特許第6,225,129号明細書、同第6,682,701号明細書、及び同第6,955,922号明細書は、担持体として水を使用して高純度の酸及び塩基溶液を生成するのに使用可能な電気分解装置について記述している。これらの装置を使用することにより、クロマトグラフ分離の際の溶離液として使用される高純度であって汚染物質を含まない酸又は塩基溶液がオンライン状態において自動生成される。これらの装置は、勾配分離を単純化し、ここで、勾配分離は、従来の機械的勾配ポンプを使用する代わりに、最小限の遅延を伴って、電流勾配を使用して実行することができる。
【0004】
但し、従来の電気分解溶離液生成装置の場合には、電気分解反応の際に、或いは、分析プロセスのその他の段階において、ガスが溶離液に混入する可能性がある。例えば、大容量の水酸化カリウム(KOH)生成装置においては、電気分解反応によって水素及び酸素ガスが生成される。クロマトグラフシステムにおいて使用される際に、水素ガスは、KOH溶液と共に、クロマトグラフ流路内に搬送される。水素ガスが、液体の流れとの関係においてかなりの容積で生成された場合には、その存在が、検出プロセス及びその他の下流のクロマトグラフプロセスにとって有害なものになる可能性がある。
【0005】
このような溶離液中のガスの存在の問題に対する1つの解決策が、Liu他に対する米国特許第6,225,129号明細書(「Liu特許」)に開示されている。Liu特許は、ボイルの法則を適用して水素ガスの潜在的な問題に対処するための方法を開示している。流量制限装置を検出フローセルの後に配置して背圧を生成すると共にクロマトグラフシステム全体の圧力を上昇させている。上昇した圧力(例えば、1000psi以上)下において、水素ガスは、溶離液の流れと比べて、わずかな容積に圧縮され、この結果、下流のクロマトグラフプロセスがガスによって妨げられることがなくなる。但し、この方法は、いくつかの欠点を有する。上昇した圧力に起因し、検出フローセルは、1000psi以上の圧力に耐える能力を有していなければならない。又、抑制型導電度検出を使用するイオンクロマトグラフシステムの場合には、抑制装置も、上昇した高圧に耐える能力を有していなければならない。従って、この方法においては、電気分解溶離液生成装置を利用したイオンクロマトグラフシステムにおいて使用可能なコンポーネントのタイプが制限される。
【0006】
別の方法は、オンラインガス除去装置を使用してKOH溶液から水素ガスを除去するステップを伴っている。溶離液からガスを除去するための1つの方法は、検出セルに到達する前に、ガス拡散膜を有するガス除去装置に溶離液を通すというものである。クロマトグラフシステムと共に使用されるガス除去装置の典型例が、Dasgupta他に対する米国特許第5,045,204号明細書に開示されている(「Dasgupta特許」)。
【0007】
Dasguptaのシステムは、生成物(例えば、水酸化ナトリウム)の流れから、電解槽内において生成されたガス(例えば、水素)を除去するための装置を含む。一実施形態においては、ガス除去装置は、複数のブロックを含むガス拡散セルと、脱ガスされた生成物のチャネルをガス担持体のチャネルから分離するガス拡散膜とを含む。別の実施形態においては、ガスを含む生成物は、多孔性の疎水性チューブ内に導かれ、このチューブは、生成物が下方に流れた後に、排出ポートから上方に排出されるように、構成されている。このチューブは、膜に類似した疎水性材料(例えば、多孔性のポリテトラフルオロエチレン(PolyTetraFluoroEthylene:PTE)、(expanded)PTFE、Accurel(登録商標)、又はCelgard(登録商標))から形成されている。水素ガスは、チューブを通じて外向きにガス排出口に流れる。KOH溶離液流が圧力印加状態においてチューブを通過するのに伴って、水素ガスは、チューブを通じて拡散し、且つ、廃棄場所に搬送される。この結果、ガスは、クロマトグラフシステムのサンプル注入装置に到達する前に溶離液から効果的に除去され、従って、下流のクロマトグラフプロセスが影響を受けることがなくなる。このシステムの1つの利点は、従来の検出フローセル及びイオンクロマトグラフ抑制装置を使用することができるという点にある。
【0008】
Liu特許は、溶離液溶液からガスをオンライン除去するための類似のガス除去装置を開示している。このガス除去装置は、保護チューブ内において同軸状にアライメントされたガス透過性チューブを含む。ガス透過性チューブは、膜のように機能する。動作の際に、水素ガスを含むKOH溶液は、ガス透過性チューブを通じてポンプ供給され、且つ、水素ガスは、チューブを通じて逃げる。ガス透過性チューブの外側と保護チューブとの間の環状空間内を流れる水溶液の流れが、放出されたガスを運び去る。
【0009】
このような従来のガス除去装置に伴う1つの問題点は、現在のガス拡散材料が、最近のシステムにおいて見出される圧力に耐えることができないという点にある。イオンクロマトグラフシステム、特に、高速液体クロマトグラフ(High−Performance Liquid Chromatography:HPLC)システムは、高いインライン圧力を経験する。従来の膜材料は、かなり低い破裂圧を有している。一例として、通常のシステムは、1000psi超に上昇することが可能であり、且つ、最近のポンプは、3000psiを超過する圧力を、且つ、場合によっては、5000psiを超過する圧力を生成することができる。このような圧力レベルは、Dasgupta及びLiu特許のものなどの従来のガス除去装置に使用される多孔性であり且つガス透過性のチューブの破裂圧を上回っている。更には、このような従来の装置の低い圧力閾値は、システム全体の能力をも制限する。例えば、このようなガス除去装置を使用したシステムは、分離カラム内において約3000psiに制限されている。高効率及び高性能のためには、高い圧力が望ましい。
【0010】
これに対する1つの解決策は、電気分解溶離液生成装置及びガス除去装置をシステムの低圧側に配置するというものであり、システムの低圧側とは、ポンプ吸入ラインの内部又はシステムの外部(オフライン)を意味している。但し、これらの配置による解決策は、装置の有効性を制限し、且つ、電気分解溶離液生成システムの容積を増大させ、従って、イオンクロマトグラフシステム全体の性能を低下させる。
【0011】
従って、広い動作圧力の範囲にわたって、イオンクロマトグラフ及び液体クロマトグラフシステムにおいて、電気分解溶離液生成装置との関連において、使用することができる脱ガス装置を開発するというニーズが存在している。向上した効率及び性能を有するクロマトグラフシステムに対する持続的なニーズが存在している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、その例が添付図面に示されている本発明の様々な実施形態を詳細に参照することとする。本発明は、様々な実施形態との関連において説明するが、これらの実施形態は、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図したものではないことを理解されたい。むしろ、本発明は、添付の請求項によって規定された本発明の精神及び範囲に含まれる代替肢、変更、及び均等物を含むものと解釈されたい。
【0031】
本発明の様々な態様は、米国特許第7,390,386B2号明細書、同第6,682,701B1号明細書、同第6,225,129B1号明細書、同第5,569,365号明細書、及び同第5,045,204号明細書、並びに、米国特許出願公開第2003/0127392A1明細書に記述されている装置及びシステムに類似しており、これらの文献の内容は、本引用により、その全体がすべての目的のために本明細書に包含される。
【0032】
本発明のガス除去組立体及び方法について、まずは、イオンクロマトグラフシステムとの組合せにおいて広範に説明することとする。一般に、クロマトグラフシステムにおいてアニオンを分析する場合には、溶離液は、電解液であり、通常は、水酸化ナトリウム(NaOH)などのカチオン水酸化物である。逆に、カチオンの分析の場合には、溶離液は、通常、メタンスルホン酸(MethaneSulfonic Acid:MSA)などの酸である。但し、本発明のガス除去装置及び方法は、イオンクロマトグラフ以外の液体クロマトグラフの形態にも適用可能である。又、本発明は、限定を伴うことなしに、ガスを含む(gassified)流体の流れを伴う産業的用途を含むその他のガス除去及び分離用途にも適用可能である。液体流のガス浄化及び純化のための従来のガス分離装置の使用の一例は、米国特許第6,350,297号明細書に開示されており、この内容は、本引用により、すべての目的のために本明細書に包含される。
【0033】
「ガスを含むもの(gassified)」とは、そのガス成分が先行プロセスにより得られたものであるか又は自然に発生したものであるかを問わず、ガス成分を液体の流れが含んでいることを意味している。「脱ガスされたもの(degassed)」とは、本発明によるガス除去の後に結果的に得られる生成物を意味している。「脱ガスされたもの(degassed)」、「脱ガスする(degas)」、及び「脱ガス装置(degasser)」は、本装置と、本装置を使用して結果的に得られる生成物とを意味するために、様々な観点において、置き換え可能に使用される。様々な観点において、「分離された溶液」とは、脱ガスされたサンプル溶液を意味している。
【0034】
図1は、本発明によるイオン又は液体クロマトグラフシステム30を示している。このシステムは、サンプルの分析のために水酸化カリウム(KOH)溶離液をカラムに供給する。溶離液の供給源又はリザーバ32からの脱イオン水の流れが1つ又は複数のポンプ33によって吸入されている。ポンプは、水の流れを溶離液生成装置35に供給しており、溶離液生成装置35は、電源37を含む。溶離液純化装置を溶離液生成装置と組み合わせてもよい。例示用のKOH溶離液生成装置は、プラチナ(Pt)カソードを含む高圧生成チャンバと、Ptアノードを含む低圧電解液リザーバとを含む。印加電界下において、カリウムイオンは、イオン交換コネクタを横断して移動し、カソードにおいて生成される水酸化物イオンと結合してKOH溶離液を形成する。形成されるKOH溶液の濃度は、印加電流に比例し、且つ、脱イオン水担持体流の流速に反比例している。
【0035】
この例示用のシステムにおいては、生成装置から流出する溶離液は、電気分解反応の結果として、ガス成分(例えば、水素)を含む。生成装置からの溶離液は、ガスを除去するために、総合的に参照符号39によって表記されている脱ガス組立体を通過している。この例示用の脱ガス組立体は、オンライン状態においてシステム内に、且つ、ポンプ、大容量のKOH生成装置の排出口、及び任意選択の連続再生トラップカラム(Continuously−Regenerated Trap Column:CR−TC)40の下流に、設けられている。脱ガスされたサンプルは、クロマトグラフカラムなどの分離カラム44への注入のために、サンプル注入装置42に供給されている。従って、水素ガスは、クロマトグラフシステムのサンプル注入装置に到達する前に、KOH溶離液から効果的に除去され、これにより、下流のクロマトグラフプロセスに対して影響が及ばないようになっている。
【0036】
この例示用のシステムは、クロマトグラフ分離媒体によって充填されたクロマトグラフカラム44の形態のクロマトグラフ分離手段を含む。一実施形態においては、分離媒体は、イオン交換樹脂である。一実施形態においては、分離媒体は、永久的に装着されたイオン交換サイトを本質的に有していない多孔性の疎水性クロマトグラフ樹脂である。この樹脂システムは、米国特許第4,265,634号明細書に記述されているように、移動相イオンクロマトグラフ(Mobile Phase Ion Chromatography:MPIC)のために使用してもよい。
【0037】
カラム44からの溶離液は、自己再生抑制装置46に供給され、この自己再生抑制装置46は、米国特許第5,352,360号明細書に記述されているものに類似しており、且つ、SRS(登録商標)という名称の下にSunnyvale, Californiaに所在するDionex Corporation社から販売されているタイプのものである。この抑制装置は、分離されたイオンの導電度ではなく、カラムからの溶離液からなる電解液の導電度を抑制するように機能する。抑制装置は、一般に、溶離液からなる電解液をわずかな導電度を有する形態に変換する。この抑制プロセスは、通常、分離されたイオンの導電度を向上させる。
【0038】
図1を継続して参照すれば、抑制装置46からの放出物は、分解されたイオン種を検出するために、フロースルー導電度セルなどの検出器47に導かれる。この検出器内においては、イオン種の存在により、イオン物質の量に比例した電気信号が生成される。出力信号は、通常、検出器から、導電度計に導かれ、これにより、分離されたイオン種の濃度を検出することができる。
【0039】
検出器47からのリサイクルされた水性液体を再生液溶液として利用してもよい。様々な実施形態においては、分離されたガスを脱ガス組立体39から廃棄物容器49に搬送するための洗浄流体として、抑制装置からの再生液を使用している。例示用の検出器47からの再生液溶液は、総合的に参照符号51によって表記されている流体ラインを流れ、且つ、除去されたガスを脱ガス組立体から運び去るための溶液として機能しており、この結果、システムを継続的に動作させることができるようになっている。リサイクルされた液体は、直接的に、或いは、その他のコンポーネントを介して、脱ガス組立体に導いてもよい。抑制装置と検出器との間には、任意選択の炭酸塩除去装置(Carbonate Removal Device:CRD)53が配置されている。
【0040】
次に、
図2〜
図4を参照し、本発明に従ってガスを除去する脱ガス組立体及び方法について、更に詳細に説明することとする。
【0041】
このガス除去装置の様々な態様は、Dasgupta他に対する米国特許第5,045,204号明細書に記述されている装置に類似しており、この文献の内容は、本引用により、そのすべてがすべての目的のために本明細書に包含される。
【0042】
脱ガス組立体39は、流体チャネルによって接続された吸入口端部54及び排出口端部56を含む。様々な実施形態においては、脱ガス組立体は、第1圧力において洗浄流体60を搬送するための低圧流体チャネル58と、第2圧力において溶離液又は任意のガスを含む生成物を搬送するための加圧された又は高圧のチャネル61とを含む。第2圧力は、第1圧力を上回っている。
【0043】
「高圧」及び「低圧」は、分析的、化学的、且つ機械的な分野において使用されているように理解することを要し、且つ、一般には、動作条件下において互いを参照する形態において使用される。
【0044】
「高圧」とは、一般に、上昇した圧力を意味している。様々な観点において、「高圧」とは、ポンプの下流における、且つ、「低圧」又は局所的システム圧力を上回る圧力を意味している。様々な観点において、「高圧」とは、約1000psiを上回る、いくつかの実施形態においては、約3000psiを上回る、いくつかの実施形態においては、約3300psiを上回る、いくつかの実施形態においては、約3300psi〜約5000psiの、且つ、いくつかの実施形態においては、約5000psiを上回る圧力を意味している。
【0045】
いくつかの観点において、「高圧」及び「加圧された」、「高圧チャネル」及び「加圧されたチャネル」、並びに、「高圧チャネル部材」及び「加圧されたチャネル部材」は、本質的に置き換え可能に使用される。
【0046】
「低圧」とは、変更されていない局所的圧力又は「高圧」未満の圧力を意味している。様々な観点において、「低圧」とは、本発明のプロセス又は装置によって得られる低減された圧力レベルを意味している。
【0047】
「洗浄流体」とは、一般に、除去されたガス種をチャネルから洗浄又は排出するための流体又はその他の手段を意味している。様々な態様において、「洗浄流体」は、ガス、或いは、負圧などの空間を意味している。「液体(liquid)」及び「水性(aqueous)」は、本質的に置き換え可能に使用される。様々な観点において、洗浄流体は、本質的に、100%有機溶剤である。様々な態様においては、洗浄流体は、水と有機溶剤の混合物である。
【0048】
「チャネル」とは、一般に、化学及び機械の分野において使用されるように理解することを要し、且つ、一般には、液体又はガスを搬送するための様々な通路のいずれかを意味しており、限定を伴うことなしに、溝、導管、及びチューブを含む。「チャネル」は、開放した形態(例えば、溝)又は閉じた形態(例えば、導管)であってよい。
【0049】
低圧流体チャネル58と加圧された流体チャネル61との間には、脱ガス分離装置63が配置されている。脱ガス分離装置は、低圧流体チャネルと加圧された流体チャネルとの間に流体障壁を形成している。分離装置63は、ガスが分離装置を通じて低圧流体チャネルに流れることを許容しつつ、加圧された流体チャネル内に液体を保持するように、構成されている。
【0050】
様々な実施形態においては、加圧された流体チャネルは、低圧流体チャネルの外周に沿って延在している。「周囲」とは、当技術分野において使用されているように理解することを要し、且つ、個々の構造の周囲、外側表面、又は外部を意味している。加圧されたチャネルは、周(横断)方向又は長手(長さ)方向において、外周の一部分又は全体に沿って延在してもよい。
【0051】
様々な実施形態においては、加圧されたチャネル部材65及び低圧チャネル部材67は、チューブである。様々な実施形態においては、低圧チャネル部材は、加圧されたチャネル部材が全体的に又は部分的に低圧チャネル部材を包み込むか又は包囲するように、外側の加圧されたチャネル部材内に形成された内側管腔である。様々な実施形態においては、この中央管腔が低圧流体チャネルを形成し、中央管腔と外側チューブとの間の環状空間が加圧されたチャネルを形成し、且つ、脱ガス分離装置は、中央管腔の壁である。
【0052】
加圧されたチャネル61は、高圧チャネル部材65によって形成され、且つ、低圧チャネル58は、低圧チャネル部材67によって形成されている。加圧されたチャネル61内の第2圧力は、低圧チャネル58内の第1圧力を上回る圧力である。
【0053】
この例示用のガス分離装置は、ガスの透過は許容するが液体は一側において保持する拡散膜である。様々な実施形態においては、脱ガス分離装置は、大量の液体の流れを遮断するが、ガスの透過は許容する。換言すれば、この膜は、膜を横断する液体の通過を実質的に防止しつつ、膜を横断する生成物流中のガスの容易な通過を許容するように機能する。対象のガスは、一般に、従来の方式によってガス分離装置を透過する。
【0054】
この例示用の脱ガス組立体においては、低圧流体チャネル部材の壁は、脱ガス分離装置(例えば、膜)である。従って、低圧チャネル部材の材料は、脱ガス組立体の機能に影響を及ぼす。
【0055】
様々な実施形態においては、低圧チャネル部材67は、不活性ポリマーなどの化学的に不活性の材料から形成されている。様々な実施形態においては、加圧されたチャネル部材と低圧チャネル部材との間の環状空間の内側表面は、化学的に不活性である。例示用の内側低圧チャネル部材は、PTFEチューブである。脱ガス分離装置及び/又は低圧チャネル部材用の適切な材料は、限定を伴うことなしに、ポリメチルペンテン及びポリプロピレンを含むポリマー、並びに、ポリテトラフルオロエチレン(PolyTetraFluoroEthylene:PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(EthyleneTetraFluoroEthylene:ETFE)、expanded−PTFE(ePTFE)、パーフルオロアルコキシ(PerFluoroAlkoxy:PFA)、フッ化エチレンプロピレン(Fluorinated Ethylene Propylene:FEP)などのフルオロポリマーを含む。様々な実施形態においては、脱ガス分離装置は、高圧下においてガスが透過可能な材料から形成されている。様々な実施形態においては、脱ガス分離装置は、ガス透過性ポリマーである。様々な実施形態においては、脱ガス分離装置は、非晶質フルオロポリマーチューブである。例示用の脱ガス分離装置は、Dupont社が販売するTeflon(登録商標)AF2400非晶質ポリマーから製造されたガス透過性チューブである。又、低圧チャネル部材及び/又は脱ガス分離装置は、添加剤によって処理したり、或いは、分子との結合などによって改質してもよいことを理解されたい。様々な実施形態においては、脱ガス分離装置は、Celgard(登録商標)などの多孔性基材チューブの外部表面上における非晶質フルオロポリマーの被覆である。
【0056】
本発明の様々な態様においては、脱ガス分離装置は、高ガス透過性、高圧縮性、低熱伝導性、高クリープ抵抗、及びこれらの組合せのうちの1つを有するように選択された材料から形成されている。又、脱ガス分離装置は、イオン的、化学的、及び静電気的な力に基づいて分離を改善又は促進するために、その他の特徴との関連において使用することもできる。様々な実施形態においては、脱ガス分離装置は、イオン交換サイトを含む。
【0057】
望ましい純度のレベルは、用途によって左右され得る。ガス分離の量は、一般に、ガス分離装置の拡散特性、時間、圧力、及び拡散面積によって左右される。当業者であれば、本明細書の説明から、ガスを除去すると共に結果的に得られるガスを含まない液体生成物の望ましい純度を得るためにガス分離装置を構成する方式を理解するであろう。例えば、分離プロセスは、複数の分離装置を使用することにより、或いは、更なる分離のために生成物を排出口から脱ガス組立体に供給して戻すことにより、マルチステッププロセスとして構成してもよい。様々な実施形態において、脱ガス組立体は、吸入口端部に進入するガスの約50%〜約100%を分離する。様々な実施形態において、脱ガス組立体は、吸入口端部に進入するガスの少なくとも約50%を分離する。様々な実施形態において、脱ガス組立体は、吸入口端部に進入するガスの少なくとも約60%を分離する。様々な実施形態において、脱ガス組立体は、吸入口端部に進入するガスの少なくとも約70%を分離する。様々な実施形態において、脱ガス組立体は、吸入口端部に進入するガスの少なくとも約80%を分離する。様々な実施形態において、脱ガス組立体は、吸入口端部に進入するガスの少なくとも約90%を分離する。
【0058】
様々な実施形態において、加圧されたチャネル部材65は、化学的に不活性の材料から、好ましくは、不活性ポリマーから、形成されている。例示用の加圧されたチャネル部材は、強化ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)チューブである。
【0059】
加圧されたチャネル部材用の適切な材料は、限定を伴うことなしに、フルオロポリマーなどのポリマー、ステンレス鋼、及びエラストマを含む。様々な実施形態において、加圧されたチャネル部材は、PEEKなどの高抗張力ポリマー材料から形成されている。但し、材料及び構成の選択は、用途と分離対象の材料によって左右される可能性が高いことを理解されたい。
【0060】
例示用の脱ガス組立体は、吸入口ハウジング68と、排出口ハウジング70とを含む。この例示用の組立体においては、高圧チャネルの流体封止を実現するために、組立体のそれぞれの端部にポリマーの結合T字管が装着される。これら2つの結合T字管は、内側の低圧チューブのチューブ壁と高圧の外側チューブの内側壁との間において、水素ガスを含むKOH溶液の流れを溶離液生成装置から例示用の高圧チャネル内に導くように機能する。
【0061】
吸入口ハウジングは、溶離液生成装置35に接続するための溶離液吸入口72と、洗浄液供給源に接続するための洗浄液吸入口74とを含む。例示用のシステムにおいては、リサイクルされた流体が、洗浄流体として機能しており、且つ、検出器47が、洗浄液供給源として機能している。排出口ハウジング70は、溶離液排出口75と、洗浄液排出口77とを含む。
【0062】
低圧流体チャネル58は、一端において洗浄液吸入口74に、且つ、反対側の端部において洗浄液排出口77に、流体連通可能に接続される。加圧された流体チャネル61は、一端において、溶離液吸入口72に、且つ、反対側の端部において溶離液排出口75に、流体連通可能に接続される。従って、加圧された溶離液の流れは、加圧されたチャネルを通じて導かれ、且つ、廃棄物容器に排出される低圧洗浄液は、低圧チャネル内に位置する。排出口ハウジングからの溶離液は、カラム44に流れる。洗浄流体と溶離液の流れは、同時に、或いは、反対方向に、流れてもよい。
【0063】
本明細書に使用されている「端部」は、広範に理解することを要し、且つ、端部地点に隣接した領域、部分、又は側部を意味している。「反対側の端部」とは、一般に、反対側に位置する異なる領域又は部分を意味している。様々な観点において、「端部」及び「反対側の端部」は、本明細書における説明から当業者が理解するように、互いに上流及び下流の地点を意味している。
【0064】
例示用の脱ガス組立体39においては、低圧流体チャネル58及び加圧された流体チャネル61は、実質的に同軸状のチューブである。低圧流体チャネル部材は、外側の加圧されたチャネル部材内において中心に配置されたチューブである。例示用の加圧されたチャネル部材は、自身を通じた流体の流れのためのシース又は保護ジャケットとして機能し、且つ、保護外側カバーを含んでもよい。従って、本明細書における説明から理解されるように、例示用の脱ガス組立体は、低圧であってフロースルー型の低圧内側チャネル部材と、内側の低圧チャネル部材と外側の高圧チャネル部材との間の高圧であってフロースルー型の空間と、のために、構成されている。
【0065】
例示用の高圧チャネル部材は、広範囲の圧力に耐えるために十分な壁厚さを有する。様々な実施形態においては、壁の厚さは、0psi〜約5000psi以上の圧力に耐えるために十分なものとなっている。ガスを含む溶離液の流れは、圧力印加状態において低圧チャネルチューブの外側表面に露出している。
【0066】
高圧チャネルと低圧チャネルとの間の圧力差の観点において、圧縮力が内側の低圧チャネル部材に作用する。脱ガス組立体は、多数の理由から、加圧されたチャネル内における高圧に耐えることができる。第1に、低圧チャネルを形成している脱ガス分離装置(例えば、内側管腔の壁)が圧縮状態に置かれている。非晶質フルオロポリマーなどの多数の対象の材料は、引っ張り状態よりも圧縮状態において大きな強度を示す。従って、材料の障害を伴う前に、より大きな圧力を印加することができる。第2に、例示用の組立体においては、高圧の流れによって内側チャネル部材に作用する内向きの圧力が、内側の低圧チャネルの内部における対向する圧力によって相殺されている。同軸状の可撓性チューブを含む例示用の組立体においては、低圧チャネル内の流体は、圧縮され、且つ、対抗する力を提供する。様々な実施形態において、洗浄流体チャネル内において望ましい圧力を実現し、これにより、高圧チャネル内において実現可能な最大圧力を増大させるように、洗浄流体が選択され、或いは、洗浄流体チャネルが加圧されている。
【0067】
次に、本発明に従って脱ガス組立体を製造する方法について説明することとする。低圧チャネル部材及び加圧されたチャネル部材は、押出し成形などの従来技法によって形成される。これらのチャネル部材は、業者から供給される標準的なポリマーチューブであってよい。脱ガス組立体のフローチャネル部分は、加圧されたチューブ内に低圧チューブを通すことによって形成される。例示用の組立体においては、記述されているように、チャネル部材は、緩んだ状態にあり、且つ、吸入口ハウジング及び排出口ハウジング内を除いて、互いに固定されてはいない。
【0068】
図4及び
図5を参照すれば、例示用のハウジング68及び70は、チャネル部材のそれぞれの端部に装着するための、且つ、ガス及び液体が漏洩しないように密封封止を形成するための結合T字管として構成されている。これらのハウジングは、本明細書に記述されているように、流路に接続された吸入口及び排出口を含む。
【0069】
加圧されたチャネル部材と低圧チャネル部材は、フェルール79を使用して吸入口ハウジング及び排出口ハウジングにそれぞれの端部において装着されることにより、その位置が固定されている。フェルールは、チャネル部材の端部をクランプすることにより、それらの位置を固定する。例示用のシステムにおいては、チャネル部材は、フェルールのクランプ力に応答して変形する可撓性ポリマーから製造されている。
【0070】
図6〜
図8に示されているように、例示用の脱ガス組立体39は、加圧されたチャネル部材(外側チューブ)を含み、スプライン部分81がスプライン82(
図6に示されている)を含んでいる。スプラインは、
図4に示されているように、高圧チャネル部材及び低圧チャネル部材の端部が排出口ハウジングにクランプされた際に、潰れないように、相対的に硬くなっている。その代わり、スプライン部分は、流体がスプラインを通過することができるように、本質的にその形状を維持する。スプライン部分は、L
Sの長さを有し、且つ、スプラインは、D
Sの深さを有する(
図7及び
図8に示されている)。
【0071】
様々な実施形態においては、スプライン部分は、チャネル部材の一端に位置しており、且つ、チャネル部材の一部分に沿って端部から内向きに延在している。スプライン形状の長さは、少なくとも約0.01インチ、少なくとも約0.375インチ、又はこれらよりも長くてもよい。スプライン形状は、チューブのそれぞれの端部から延在してもよい。スプライン部分は、本質的に長さの全体に沿って延在してもよいことを理解されたい。
【0072】
これらのスプライン形状によれば、水素ガスを含むKOH溶液が流れるガス透過性の内側チューブの外側表面と高圧チューブの内側表面との間の環状空間を封止することなしに、それぞれの内部においてフェルール部材を使用して高圧チューブの内部において高圧を封止することができる。
【0073】
例示用の外側の加圧されたチューブは、非円形であるヒトデの形状を有する(
図6に最良に示されている)。或いは、この代わりに、
図10に示されているように、内側の低圧チューブが不規則な形状を有していてもよい。溝が掘られた不規則な表面は、大きな壁厚さを必要とすることなしに、拡散表面を増大させる。その他の形状及び構成を利用し、相応して本装置の効率及び性能を向上させてもよいことを本明細書における説明から理解されたい。様々な実施形態において、チューブの内側表面は、正方形、五面体、六面体、及び八面体から構成された群から選択された形状を有する。例示用の非円形の形状によれば、水素ガスを含むKOH溶液が流れるガス透過性チューブの外側表面とポリマー遮蔽チューブの内側表面との間の環状空間を封止することなしに、フェルール部材を使用してチューブの内側において高圧を封止することができる。
【0074】
高圧の外側チューブのスプライン形状は、ステンレス鋼から製造された加熱スプライン形成ツールを伴う熱スタンピング法を使用することによって生成してもよい。押出し成形ツールを使用し、チューブの長さの全体に沿って延在するスプライン形状を有する高圧の外側チューブを製造してもよい。更には、特殊な押出し成形ツールを製造し、
図10に示されているものに類似したスプライン形状を有する低圧の内側チューブを製造してもよい。
【0075】
次に、
図3〜
図5を再度参照し、脱ガス組立体の例示用のチューブを製造する方法について説明することとする。まず、従来の技法を使用することにより、低圧チャネル部材及び加圧されたチャネル部材の吸入口端部を吸入口ハウジングに装着する。次いで、以下の技法を使用することにより、排出口端部を装着する。
【0076】
脱ガス組立体の排出口端部56において、低圧チャネル部材を形成する例示用のチューブをこのハウジングの洗浄流体排出口ポート内に通す。外側の加圧されたチューブは、内側のチューブをハウジングの端部を過ぎるようにポートを通じて引っ張ることができるように、内側の低圧チューブの端部まで延在してはいない。内側のチューブの端部を、この端部に対する容易なアクセスを許容するために、ハウジングを過ぎて、十分な距離だけ、引っ張り出す。この端部がハウジング排出口の背後において外部に自由に延在した状態において、このチューブの端部を朝顔形に拡張させて安全装置を設ける。次に、拡張された部分が流体排出口ポートに係合して流体封止を形成する時点まで、このチューブを吸入口端部に向かって後方に引っ張る。
【0077】
図5及び
図9に最良に示されているように、例示用の脱ガス組立体においては、ガス透過性の内側フローチャネル部材のそれぞれの端部は、熱によって朝顔形に拡張されている。この拡張された端部のチューブを、結合するハウジングのポリマー装着コンポーネントに対して圧縮し、これにより、流体通路の全体が漏洩のない状態になると共に高圧に耐える能力を有することができるようにしてもよい。
【0078】
任意選択により、支持リング84を設けて、チューブの位置を固定すると共に封止を強化する。この封止は、高圧下において漏洩を防止するのに十分なものになっている。低圧チューブの端部がハウジングに対して封止された状態において、チューブの端部の周りには、朝顔形に拡張させるプロセスにおいてチューブが延在していた距離に対応する空隙が形成される。
【0079】
例示用の脱ガス組立体は、低圧チューブを包み込むと共に低圧チューブの周りに残された空隙を充填するためのメイクアップ組立体86を含む。例示用の実施形態においては、メイクアップ組立体は、低圧チャネル部材の周りに緩んだ状態において配置され、且つ、一端における支持リング84と、反対側の端部における加圧されたチャネル部材65との間において締め付けられる。メイクアップ組立体は、空隙内に位置して本システム内のデッドスペースを極小化している。例示用のメイクアップ組立体は、加圧されたチャネル部材65と排出口ハウジング70の溶離液排出口75との間に流体導管を設けるように構成されている。
【0080】
メイクアップ組立体は、2片からなるクラムシェルとして構成されている(メイクアップ組立体の一部が
図9に最良に示されている)。2片からなる設計によれば、メイクアップ組立体を内側チューブの端部に容易に装着することができる。例示用のメイクアップ組立体は、内側チューブが前述の朝顔形に拡張させる技法によって固定された後の内側チューブの引き下げによって形成された空隙と略同一の長さであるか又はこれよりもわずかに短い。上述のように、この空隙は、チューブがハウジングを通じて引っ張られた際のチューブの遊びに対応している。
【0081】
従来の装置及び方法とは対照的に、本発明のメイクアップ組立体は、本発明のガス除去装置の相対的に容易な且つ高速な組立を実現する。
【0082】
流体システムの、且つ、特に、クロマトグラフシステムの内部の空隙及びデッドスペースを低減することが望ましい。従って、メイクアップ組立体は、さもなければ内側チューブの周りに結果的に生成されることになるデッドスペースを低減することが有益である。
【0083】
様々な観点において、本発明による脱ガス組立体及びシステムを使用する方法は、米国特許第6,225,129号明細書に記述されているものに類似しており、この内容は、本引用により、すべての目的について本明細書に包含される。
【0084】
図1及び
図2を参照すれば、動作の際に、溶離液生成装置35からの高圧溶離液は、システムチューブの内径(Inner Diameter:ID)を介して脱ガス組立体39に流れ、且つ、第1結合ハウジング68に進入する。前述のように、吸入口ハウジング及び排出口ハウジングは、デッドスペースの少ない設計を有する。吸入口ハウジングは、溶離液の流れを低圧の内側チャネル部材67(例示用のケースにおいては、Teflon(登録商標)AF2400のチューブ)の外径と加圧されたチャネル部材65(例示用のケースにおいては、PEEKチューブのジャケット)の内径との間の例示用の環状空隙(即ち、加圧されたチャネル61)に送り込む。加圧されたチャネル部材の壁厚さは、溶離液の高圧に耐えるように設計されている。
【0085】
脱ガス組立体内における溶離液の流れは、溶離液生成装置から高圧において受け取られたものである。様々な実施形態において、この圧力は、少なくとも約100psiである。様々な実施形態において、圧力は、少なくとも約3000psiであり、且つ、いくつかの態様においては、少なくとも約3300psiである。様々な実施形態においては、圧力は、少なくとも約5000psiである。いくつかのケースにおける最大圧力又はピーク圧力は、更に高いものであってもよい。
【0086】
高圧溶離液の流れが内側のガス透過性チューブの外側にある状態においては、ガス透過性チューブ材料は、圧縮状態に置かれる。換言すれば、圧縮された(高圧)側は、内側ではなく、ガス透過性チューブの外側である。従って、一般に、ガス透過性チューブの破裂圧は重要ではない。溶離液が、加圧されたチャネルに対応する環状空隙内を流れるのに伴って、ガスは、溶離液溶液から除去され、且つ、低圧チャネル部材(例えば、ガス透過性チューブ)の内径内に拡散する。
【0087】
図1及び
図2を継続して参照すれば、ガスは、米国特許第7,390,386号明細書に記述されている脱ガスユニットに類似した方式によって脱ガス分離装置を通じて拡散することにより、ガスを含む生成物から除去される。ガスを含む溶離液は、脱ガス組立体を通じて流れ、そこで、ガスが液相から分離される。ガスを含む溶離液がガス透過性チューブを通じて流れるのに伴って、ガスは、この部材を通じて内側管腔内に拡散し、且つ、流動している水性液体の流れによって除去される。排出口端部において、ガスと液体は、別個のポートから流出する。従って、加圧されたチャネルの長さに沿って、溶離液溶液中のガスの量は減少する。この結果、ガスは、脱ガス組立体によって分離及び隔離される。当業者には理解されるように、この組立体は、望ましい量の分離を提供して望ましいサンプル溶液純度を実現するように、寸法設定及び構成することができる。
【0088】
又、管腔内の流動する水性液体の流れは、周辺空気から溶離液の流れへの二酸化炭素の吸収を妨げるようにも機能する。前述のように、流動する水性液体の1つの供給源は、検出器の溶離剤である。加圧されたチャネル61の端部において、溶離液は、注入装置42に導かれるように、排出口ハウジング70に流入しており、この排出口ハウジング70は、吸入口ハウジングとは鏡像の関係にあり、且つ、本システムの内側の低圧チャネル58にも接続されている。サンプルの分離カラムへの注入と、その後の検出器47における検出と、が完了した後に、溶離液(再生液とも呼ぶ)は、脱ガス組立体の吸入口ハウジング68に戻される。この時点においては、溶離液は、脱ガス分離装置を通じて拡散したガスが流れによって運び去られる低圧チャネル部材(例えば、参照符号58)の内径に送られる。以上の内容から、例示用のシステムは、一般に、連続動作させてもよいことを理解されたい。この脱ガス組立体においては、リサイクルされた溶離液が低圧チャネルを通じて流れる一方で、高圧の溶離液は、加圧されたチャネル内を流れてもよい。
【0089】
本明細書における説明から、このガス除去組立体は、本発明に従って、その他の構成を有してもよいことを理解されたい。例えば、組立体は、管状でなくてもよい。
【0090】
図11を参照すれば、脱ガス組立体39に類似した脱ガス組立体39aが示されている。脱ガス組立体39aは、ハウジング又はジャケット65a内に配置されたガス透過性チューブを含む。ハウジングは、PEEKなどの高抗張力強度ポリマーから製造してもよい。ハウジングは、水素ガスを含むKOH溶液の流れをKOH溶離液生成装置からガス透過性チューブの外側表面とハウジングの内側表面との間の空間内に導くために吸入口ポート54a及び排出口ポート56aを有する。ガス透過性チューブのそれぞれの端部は、熱によって朝顔形に拡張される。拡張された端部のチューブは、流体通路の全体が漏洩のない状態となり、且つ、高圧に耐える能力を有することができるように、ハウジングのポリマー装着コンポーネントに対して圧縮される。
【0091】
図12を参照すれば、脱ガス組立体39及び脱ガス組立体39aに類似した脱ガス組立体39bが示されている。脱ガス組立体39bは、イオンクロマトグラフ又は液体クロマトグラフシステム内において使用される流体ポンプの吸入口に配置される。脱ガス対象のクロマトグラフ溶離液は、ガス透過性チューブ67bの外側表面とハウジング65bの内側表面との間の空間又はチャネルを通じて導かれる。ガス透過性チューブの一端には、キャップが付与される。ガス透過性チューブの他端は、負圧に接続される。印加された負圧下において、溶離液流中のガスは、ガス透過性チューブ67bの内側管腔内に拡散し、且つ、除去される。
【0092】
図13及び
図14を参照すれば、脱ガス組立体39に類似した脱ガス組立体39cが示されている。脱ガス組立体39cは、最大で5000psi以上の圧力に耐える能力を有するポリマー遮蔽チューブ片(例えば、1/16インチのOD×0.034のIDのPEEKチューブ)の内部に配置されたガス透過性チューブ片(例えば、0.033インチのOD×0.008のIDのAF2400チューブ)を含む。脱ガス組立体39cは、脱ガス組立体39と同様に構成され、且つ、動作するが、吸入口及び排出口ハウジング54、56の代わりに、2つのT字管54c、56cを含む。これらのT字管は、水素ガスを含むKOH溶液の流れをKOH溶離液生成装置からガス透過性チューブ67cの外側表面とハウジング65cの内側表面との間の環状空間内に導くための流体通路を提供している。様々な実施形態においては、ポリマー遮蔽チューブは、脱ガス組立体39のものに類似した内部スプライン形状を有する(
図6及び
図10を参照されたい)。様々な実施形態においては、ポリマー遮蔽チューブの長さの全体がスプライン形状を含んでいる。脱ガス装置の吸入口端部54c及び排出口端部56cにおけるガス透過性チューブは、ガス透過性チューブ上のスリーブとして使用される短いポリマーチューブ片88の内部に配置されている。スリーブチューブのIDは、ガス透過性チューブが締まりばめによってポリマーチューブの内側管腔に対して圧縮され、これにより、流体通路の全体が本質的に漏洩のない状態となると共に高圧に耐える能力を有することを保証するように寸法設定されている。吸入口54c及び排出口56cは、ポートが垂直の方式で配置されていることを除いて、吸入口54及び排出口56と同様に構成されている。吸入口ハウジング及び排出口ハウジングは、ポリマーから形成されている。
【0093】
本発明の脱ガス組立体及び方法は、いくつかの利点を有する。上述のように、電気分解溶離液生成装置を使用する従来のシステムよりも高いシステム圧力において溶離液を脱ガスすることができる。具体的には、従来の脱ガス組立体は、約3300psiの理論破裂圧を有するTeflon(登録商標)AF2400チューブなどの材料を使用している。実際には、このシステムが障害を伴うことなしに実現することができる最大値は、わずかに約3000psiである。対照的に、本発明によるシステムは、材料の最大引っ張り強度に近い圧力において動作することができる。補強された外側ジャケットなどのその他の構成により、システム圧力を更に増大させることもできる。この結果、更に多様なシステム及び構成において脱ガス組立体を使用することができる。例えば、ポンプの後のシステムの高圧側に、インライン状態において、脱ガス組立体を設けてもよい。従来の脱ガス組立体は、オフライン状態において、或いは、低圧システム内において、使用しなければならない。
【0094】
又、本発明による脱ガス組立体の高圧能力により、本システムは、高い圧力を有するRFIC−EGシステムなどのその他の用途に使用することもできる。拡張されたシステム動作圧力の範囲を利用し、相対的に大きな流速において分離を実行することにより、或いは、相対的に小さな粒子サイズの固定相によって充填された相対的に短い分離カラムを使用することにより、分離速度を増大させることができる。
【0095】
例示用の環状脱ガス装置は、改善された脱ガス効率を提供する。例示用のシステムにおいては、ガスを含む溶離液の流れは、ポリマーのガス透過性チューブ(例えば、Teflon AF2400チューブ)の外側表面に露出している。脱ガスチューブの外側表面の面積は、脱ガスチューブの内側管腔の表面面積よりも相当に大きい。例えば、Dionex RFIC−EG(Reagent−Free IC, Eluent Genration)システムに使用されているTeflon AFチューブの代表的な寸法は、0.032インチのOD×0.008インチのIDである。この場合には、外側表面の面積は、内側表面の面積の約4倍である。脱ガス装置の効率は、表面面積によって左右されるため、この脱ガス組立体は、大幅に改善された脱ガス効率を提供する。
【0096】
加圧された溶離液の流れがガス透過性チューブの外側表面の外側を流れ、且つ、このチューブが外側表面から内向きの圧縮状態にあるという事実に起因し、例示用の脱ガス組立体内のガス透過性チューブは、破裂を伴うことなしに、格段に高い圧力に耐えることができる。所与の動作圧力の用途において、相対的に薄い壁のガス透過性チューブを使用して脱ガス効率を更に改善することができる。高価なガス透過性チューブ(例えば、Teflon AF2400チューブ)の相対的に薄い壁の種類を使用することにより、脱ガス装置の費用が低減される。
【0097】
脱ガス組立体が改善された脱ガス効率を提供するため、本発明の環状脱ガス装置は、相対的に小さな脱ガス装置容積を有するように構築することができる。本発明の脱ガス組立体を使用すれば、必要とされる脱ガス能力を実現するために、相対的に小さなデッドスペースの脱ガス装置を製造することが可能であり、且つ、この脱ガス組立体は、相対的に短い長さの脱ガスチューブを利用してもよい。使用する高価なガス透過性チューブの長さを短くすることにより、脱ガス装置の費用が低減される。例えば、Teflon AF2400チューブの価格は、現在、約50ドル/フィートである。相対的に小さな容積は、電気分解溶離液生成装置を使用するイオンクロマトグラフシステムにおける相対的に短い勾配遅延、勾配精度の改善、及び全体的システム性能の改善を提供する。本発明の脱ガス組立体は、格段に高い勾配精度を実現することができる。又、本発明による脱ガス組立体の改善された効率及び性能は、相対的に小さな粒子サイズを有する分離カラムの使用をも実現する。
【0098】
本発明の脱ガス組立体によれば、電気分解溶離液生成装置を使用するイオンクロマトグラフシステムを相対的に低いシステム動作圧力において動作させることができる。Liu特許のものなどの従来の脱ガス装置を使用してガスを含む溶離液の流れからガスを除去するためには、脱ガス装置の後になんらかの背圧を追加して溶離液の流れからガスを「絞り出す」必要がある。望ましい脱ガス効率を実現するには、しばしば、約2000psiの背圧閾値を維持する必要がある。電気分解溶離液生成装置を使用する通常のイオンクロマトグラフシステムにおいては、しばしば、分離カラムによって生成されるものに加えて、適切な長さの相対的に小さなID(例えば、0.003インチ)を有するPEEKチューブ片を使用して圧力を追加している。この方法は、システムの動作を複雑化させる。本発明の脱ガス組立体は、改善された脱ガス効率を有しているため、圧力閾値を更に低い圧力に低減することができる。更なる背圧装置を追加するというニーズが完全に除去されることになろう。その結果、システムの信頼性も、改善されることになろう。
【0099】
又、本発明の脱ガス組立体によれば、更に多数の及び多様な低い圧力定格のガス透過性材料を使用することが可能であり、これには、相当な費用の節約が伴っている。又、これらの相対的に引っ張り強度が小さい材料のいくつかは、相対的に良好なガス透過性をも提供する。又、この脱ガス組立体は、過酸化水素又はオゾンなどの、抑制装置から到来する汚染物質の相対的に良好な排除をも提供することになろう。
【実施例】
【0100】
本発明を以下の実施例によって更に例示することとする。これらの実施例は、本発明の範囲を規定又は限定することを意図したものではない。
【0101】
実施例1:キャピラリーアニオン交換分離カラムにおける共通アニオンの分離のためのICキューブを含むイオンクロマトグラフシステムにおける脱ガス組立体の使用
ICS−5000イオンクロマトグラフシステム(Sunnyvale、 CAに所在するDionex Coproration)を使用した。このシステムは、ポンプモジュールと、電気分解溶離液生成装置(Eluent Generator:EG)モジュールと、従来スケールのクロマトグラフコンパートメント(Chromatography Compartment:DC)モジュールと、から構成されていた。機器制御、データ収集、及び処理のために、Dionex Chromeleon6.8クロマトグラフデータシステムを使用した。このシステムは、
図1に従って構成した。Dionex IC(Ion Chromatography)キューブを使用した。このICキューブは、脱ガス装置組立体、サンプル注入装置、分離カラム、電気分解抑制装置、炭酸塩除去装置(CRD)などのキャピラリースケールのシステムコンポーネントを含んでいた。
【0102】
脱ガス組立体を
図2に従って構築した。ICキューブをICS−5000DCモジュールの上部コンパートメント内に物理的に配置した。ICS−5000キャピラリー導電度検出器を使用し、検体の検出を実現した。キャピラリースケールの電気分解KOH溶離液生成装置及びキャピラリーCR−ATCをICS−5000EGモジュール内に設置し、且つ、ICS−5000EGモジュールによって制御した。
【0103】
外側の加圧されたチャネル部材としてPEEKチューブを使用し、例示用の脱ガス組立体を形成した。このPEEKチューブは、2mmの外径(OD)と、0.034インチの内径(ID)とを有していた。脱ガス組立体は、PEEKチューブの外側表面に対応する外径(OD)を有していた。
【0104】
内側チャネル部材は、0.008インチのIDと、0.033インチのODとを有するAF2400チューブであった。この内側AFチューブをPEEKチューブジャケットの内部に配置した。両端部を封止すると共に流れを正しい流路に送り込むために、2つのハウジングをチューブのそれぞれの端部に装着した。
【0105】
朝顔形の封止設計を使用し、高圧の流れが漏洩しないようにAFチューブを封止した。加圧されたチューブは、LS=3/8インチを有するスプライン部分をそれぞれの端部に含んでいた。これらの内部スプラインは、0.375インチに等しい深さDSを有していた。これらのスプラインは、従来のフェルール部材により、且つ、内側のTeflon(登録商標)AF2400チューブと外側のPEEKチューブとの間の溶離液の環状空間の閉塞を伴うことなしに、高圧下における加圧されたチューブの密封封止を許容することが判明した。
【0106】
AFチューブの周りに、且つ、PEEKジャケットの端部とハウジングの壁との間に、メイクアップ組立体を設けた。メイクアップ組立体は、2mmのODと、0.034インチのIDと、0.200インチの長さとを有していた。
【0107】
キャピラリー分離カラム(0.4mm×250mm)をDionex AS19アニオン交換樹脂によって充填した。
図15は、10μL/分における20mMのKOHという溶離条件下においてシステムを使用して得られたフッ化物、亜塩素酸塩、塩化物、亜硝酸塩、塩素酸塩、臭化物、硝酸塩、及び硫酸塩を含む8つの共通アニオンの分離を示している。
図15において、Y軸は、マイクロジーメンスであり、且つ、X軸は、分である。
図15は、ターゲット検体の30回の連続的な分離を重ね合せたものを示している。この結果は、亜硝酸塩における0.047%から硫酸塩における0.078%までの範囲の検体保持百分率相対標準偏差(Relative Standard Deviation:RDS)と、フッ化物における0.28%から臭素酸塩における0.33%までの範囲の検体ピーク面積百分率RSDとを有するターゲットアニオンの非常に再現性の高い分離を示している。これらの結果は、本発明の脱ガス組立体が装着されたキャピラリーイオンクロマトグラフシステムを使用し、担持体流として脱イオン水のみを使用するターゲットアニオン検体の信頼性の高いキャピラリースケールのイオンクロマトグラフ分離を提供することができることを実証している。
【0108】
実施例2:カチオン交換分離カラムにおける共通カチオンの分離のための電気分解メタンスルホン酸生成装置を利用するイオンクロマトグラフシステムにおける脱ガス組立体の使用
ICS−2000イオンクロマトグラフシステム(Sunnyvale, CAに所在するDionex Coproration)を使用した。このシステムは、炭酸塩除去装置を使用しなかったことを除いて、
図1に従って構成した。機器制御、データ収集、及び処理のために、Dionex Chromeleon 6.8クロマトグラフデータシステムを使用した。脱ガス組立体を
図13及び
図14に従って構築した。Dionex CS12A及びCG12カチオン交換カラムを使用した。0.5mL/分における20mMのメタンスルホン酸を使用し、分離を実行した。
図16は、6つの共通カチオンの分離を示している。これらの結果は、300回の注入にわたるターゲットカチオンの非常に再現性の高い分離を示している。これらの結果は、本発明の脱ガス組立体が装着されたイオンクロマトグラフシステムを使用し、電気分解溶離液生成装置との関連において担持体流として脱イオン水のみを使用したターゲットカチオン検体の信頼性の高いイオンクロマトグラフ分離を提供することができることを実証している。
【0109】
実施例3:EGC KOHカートリッジ及び脱ガス組立体を使用したKOH溶離液の生成
ICS−2000イオンクロマトグラフシステム(Sunnyvale, CAに所在するDionex Coproration)を使用した。機器制御、データ収集、及び処理のために、Dionex Chromeleon 6.8クロマトグラフデータシステムを使用した。KOH溶離液を電気分解生成するために、ICS−2000システムにDionex EGC KOHカートリッジを装着した。脱ガス組立体を
図13及び
図14に従って構築した。Teflon AF2400チューブ片(0.031インチのOD×0.008インチのID×1.25フィートの長さ)を脱ガス組立体内において使用した。
図17Bは、1.0mL/分において生成されたKOH溶離液のコンダクタンスを示している。これらの結果は、本発明に記述されている環状脱ガス装置を使用し、電気分解溶離液生成プロセスによって生成された水素ガスを除去することができることを示している。
図17Aは、脱ガス組立体をLiu特許に開示されているものなどの従来のガス分離装置によって置換した際に1.0mL/分において生成されたKOH溶離液のコンダクタンスを示している。これらの結果は、本発明のガス除去装置及び方法によれば、良好なステップごとのコンダクタンスプロファイルが実現されることを示している。対照的に、
図18は、脱ガス組立体が除去された状態のシステムを使用した際のKOH溶離液のコンダクタンスを示している。
図18に示されているように、KOH溶離液のコンダクタンスプロファイルは、溶離液流中における水素ガスの泡の存在に起因し、非常にノイズが多い。
図17A、
図17B、及び
図18においては、Y軸は、マイクロジーメンスであり、且つ、x軸は、分である。
【0110】
説明における利便及び添付の請求項における正確な定義のために、「上方(up)」又は「上部の(upper)」、「下方(down)」又は「下部の(lower)」、「内部(inside)」又は「内側(inner)」、「外側(outer)」及び「外部(outside)」という用語は、本発明の特徴を図面に表示されているそれらの特徴の位置を参照して説明するために使用されている。
【0111】
本発明の特定の実施形態に関する以上の説明は、例示及び説明を目的として提示されたものである。これらは、本発明のすべてを網羅したり、或いは、本発明を開示された形態そのままに限定することを意図したものではなく、且つ、以上の教示内容に鑑み、多数の変更及び変形が可能であることは明らかである。これらの実施形態は、本発明の原理及びその実際的な用途を最良に説明し、これにより、当業者が、想定される特定の使用法に好適な様々な変更を伴って本発明及び様々な実施形態を最良に利用できるようにするために、選択及び説明されたものである。本発明の範囲は、添付の請求項及びその均等物によって規定されるものと解釈されたい。