特許第6066105号(P6066105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6066105薄ウェーハハンドリングのための多層接合層
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6066105
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】薄ウェーハハンドリングのための多層接合層
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20170116BHJP
【FI】
   H01L21/02 C
   H01L21/02 B
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-61971(P2014-61971)
(22)【出願日】2014年3月25日
(62)【分割の表示】特願2013-523362(P2013-523362)の分割
【原出願日】2011年8月5日
(65)【公開番号】特開2014-158035(P2014-158035A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2014年8月5日
(31)【優先権主張番号】13/198,294
(32)【優先日】2011年8月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/371,517
(32)【優先日】2010年8月6日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500499508
【氏名又は名称】ブルーワー サイエンス アイ エヌ シー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】プリガッダ ラマ
(72)【発明者】
【氏名】チョン シン−フー
(72)【発明者】
【氏名】フレイム トニー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】マカッチャン ジェレミー
【審査官】 ▲高▼須 甲斐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−281446(JP,A)
【文献】 特表2008−521214(JP,A)
【文献】 特開2006−201332(JP,A)
【文献】 特開2009−168913(JP,A)
【文献】 特開2005−093964(JP,A)
【文献】 特開2008−060255(JP,A)
【文献】 特表2010−506406(JP,A)
【文献】 特開2005−191550(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0221598(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
暫定接合方法であって、
第1の基板のデバイス面にリフトオフ層を設ける工程、その際、前記リフトオフ層を形成するために使用される組成物は、前記リフトオフ層が、1%の塩化水素酸水溶液、50%の酢酸水溶液、1−ドデセン、R−リモネン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)およびテトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)から成る群から選択される溶液中で可溶性であるように選択され
前記リフトオフ層上に接合層を形成する工程、
第2の基板の表面を前記接合層に接合して、前記第1の基板、前記第2の基板、前記リフトオフ層および前記接合層からなる接合スタックを形成する工程、および
前記リフトオフ層を前記溶液の1つにさらして前記リフトオフ層を溶解させることにより前記第1の基板と前記第2の基板を分離する工程
を含み、
前記リフトオフ層は、前記溶液に接触してから4〜5時間後に、少なくとも95%が溶解される、前記方法。
【請求項2】
前記リフトオフ層をスピンコートにより適用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リフトオフ層が、3μm以下の厚みTを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記リフトオフ層が、共形層である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記デバイス面は、半田バンプ構造体、金属ポスト構造体、金属ピラー構造体、及びシリコン、ポリシリコン、二酸化ケイ素、(オキシ)窒化ケイ素、金属、低k誘電体、ポリマー誘電体、窒化金属、及び金属シリサイドから成る群から選択される材料から形成される構造体から成る群から選択される少なくとも1つの構造体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の基板は、シリコン、サファイヤ、水晶、金属、ガラス、又はセラミックスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記厚みTは0.5μm〜3μmである、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記厚みTは1.0μm〜1.5μmである、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(米国政府支援研究開発プログラム)
本発明は米陸軍宇宙ミサイル防衛司令部によって与えられた契約番号DASG60−01−C−0047に基づく政府支援の下でなされた。米国政府は本発明において特定の権利を有する。
【0002】
(関連出願)
本願は「薄ウェーハーハンドリングのための多層接合層(MULTIPLE BONDING LAYERS FOR THIN−WAFER HANDLING)」と題する、2010年8月6日提出の米国仮出願第61/371,517号の優先権を主張するものであり当該出願全体を引用として本明細書に含める。
【0003】
本発明は、広くは、多層接合システムを利用する新規な暫定ウェーハー接合方法に関する。本発明の方法は、ウェーハーの薄層化及び他の背面処理中にデバイスウェーハーをキャリヤー基板上に支持することができる。
【背景技術】
【0004】
集積回路、電力半導体、発光ダイオード、フォトニック回路、マイクロマシン技術(MEMS)、埋込み受動アレイ、パッケージングインタポーザー、ならびに多くの他のシリコンおよび化合物半導体をベースとしたマイクロデバイスは直径1〜12インチの範囲のウェーハー基板の配列内に集合的に製造される。次いでデバイスは個々のデバイスまたはダイスに分けられ、例えば、プリント基板と配線することにより肉眼で見える環境と実用的に接合するように実装される。デバイスパッケージをダイスが未だウェーハー配列の一部である内にその上または周辺に構築することが益々流行りになってきている。この様なやり方は、ウェーハーレベル実装と称され、全体の実装コストを削減するとともに通常なら実際のデバイスの数倍の外形寸法となる従来的な実装に比べデバイスとマイクロエレクトロニック環境の間の配線密度がより高くできる。
【0005】
最近まで、一般に配線の基本構想は2次元に、つまりデバイスとこれが装着される対応する基板または実装面との間の電気的接続はすべて水平、またはx−y面配置に限定されてきた。いまやマイクロエレクトロニクス産業はデバイスを垂直に、すなわち、z方向にスタックして配線することにより大幅にデバイス配線密度を増加しさらに信号遅延を低減できる(電気接点間の距離を短縮することにより)ことに気付いた。デバイスをスタックするために要求される2つの共通事項は:(1)ウェーハー貫通方向に背面側からデバイスを薄くすること;および(2)続いて、一般にはシリコン貫通ビアまたは「TSV」と称されデバイスの背面で完結するウェーハー貫通の電気接続を形成すること、である。ついでに言うなら、半導体デバイスの薄層化は例えデバイスがスタック配置で実装されない場合でも、放熱を促進するとともに携帯電話のような小型電子製品でずっと小さな形状因子を可能にするため今や標準的技法となってきている。
【0006】
半導体デバイスを100ミクロン未満まで薄くしその断面を削減することに関心が高まっているが、とりわけこれらまたはこれらが属する該当パッケージがスタックされる場合、およびデバイスの背面の電気接続の構成を単純化したい場合にそうである。高容量集積回路の生産に用いられるシリコンウェーハーは一般に直径が200または300mmでウェーハー貫通厚みが約750ミクロンある。薄層化無しでは、表側の回路網と接続する背面側の電気接点をウェーハーを介した接続により形成することはほとんど不可能である。今や、化学エッチングと同様に機械研削(背面研削)および研磨に基づく半導体グレードのシリコンおよび化合物半導体の非常に効率的な薄層化処理工程が商業的に利用されている。これらの処理によりデバイスウェーハーの厚みはウェーハー厚みの横断的な均一性を精密に制御しながら数分で100ミクロン未満まで下げられる。
【0007】
100ミクロン未満まで薄層化されたデバイスウェーハー、とりわけ60ミクロン未満まで薄層化されたものは非常に脆いためその全面積に亘って支持することにより割れや破損を防がなくてはならない。極薄層のデバイスウェーハーを移動するために各種のウェーハーワンドおよびチャックが開発されてきているが、背面研削および、化学的−機械的研磨(CMP)、リソグラフィー、エッチング、蒸着、アニーリング、および洗浄を含むTSV形成処理工程の間にどの様にウェーハーを支持するかという問題がまだ存在し、それはこれらの処理がデバイスウェーハーを薄層化する際またはその後で高い熱的および機械的ストレスをこれに強いるためである。益々流行ってきた極薄ウェーハーの取扱いに対する取組方は十分に厚いデバイスウェーハーを表面を下にして高分子接着剤が付いた剛性キャリヤーに装着することを伴うものである。次いでこの薄層化および処理が背面からなされる。次いで完全に処理された極薄ウェーハーは背面処理が完了してからキャリヤーから熱的、熱力学的または化学的処理により取外されまたは剥離される。
【0008】
通常のキャリヤー材料にはシリコン(例えば、ブランクのデバイスウェーハー)、ソーダ石灰ガラス、硼珪酸ガラス、サファイヤ、ならびに種々の金属およびセラミックスが含まれる。キャリヤーは方形または矩形でもよいがより一般的にはデバイスウェーハーに合う寸法の円形でこのため接合したアセンブリーは従来の処理工具およびカセットで取り扱える。取外す手段として液体化学薬品を用いて高分子接着剤を溶解または分解する場合には時にはキャリヤーに穿孔して剥離処理工程を速める場合もある。
【0009】
ウェーハーを暫定接合させるために用いられる高分子接着剤は一般に溶液からスピンコートまたはスプレーコートにより塗布されるかまたはドライフィルムのテープとしてラミネートされる。スピンまたはスプレーにより塗布された接着剤の方がテープが提供できるものに比べ厚みの均一性がより高い塗膜を形成するため益々好まれている。厚みの均一性がより高いことは結果的に薄層化の後のウェーハー横断方向の厚みをよりよく制御できることを意味する。高分子はデバイスウェーハーおよびキャリヤーに対し高い接着力を示す。
【0010】
高分子接着剤は必要とされる厚みおよび塗膜の平面性(平坦性)によりデバイスウェーハー上に、キャリヤー上に、または両方にスピンコートすることができる。コーティングされたウェーハーは高分子接着剤層から完全に塗膜溶媒を除去するために焼かれる。次にコーティングされたウェーハーおよびキャリヤーは接合のために接触したまま加熱した機械プレス内に置かれる。十分な温度および圧力が加えられ接着剤はデバイスウェーハーの構造体要所に流れ込みかつ満たしデバイスウェーハーおよびキャリヤー面の全域と緊密に接触するようにされる。
【0011】
背面処理工程の後でデバイスウェーハーをキャリヤーから剥離する作業は通常4つの内の1つの方法で行われる。
(1)化学的―接合したウェーハースタックを溶媒または化学薬品中に浸漬、またはスプレーし高分子接着剤を溶解または分解する。
(2)光分解―接合したウェーハースタックに透明のキャリヤーを透して光源を照射しキャリヤーに隣接した接着剤境界層を光分解する。これでキャリヤーをスタックから分離でき、残りの高分子接着剤はデバイスウェーハーがチャックに固定されている間に剥きとられる。
(3)熱力学的―接合したウェーハースタックを高分子接着剤の軟化点を超えて加熱し、次いでデバイスウェーハーがウェーハー全保持チャックで支えられている状態でキャリヤーから滑り離すかまたは引き離す。
(4)熱分解―接合したウェーハースタックを高分子接着剤の分解温度より高く加熱し、これを気化させてデバイスウェーハーとキャリヤーの接着性を失わせる。
【0012】
これらの剥離方法のそれぞれには製造環境において使用をひどく制約する欠点がある。例えば、高分子接着剤を溶解する化学的剥離は解除を有効にするためには溶媒が粘稠なポリマー媒体中を長距離拡散してしなくてはならず時間のかかる処理方法である。すなわち、溶媒は接合された基板の縁、またはキャリヤーの貫通部から局所的な接着剤の地域まで拡散しなければならないのである。どちらの場合でも溶媒拡散および浸透に要する距離は少なくとも3〜5mmで、例え接着剤層と溶媒の接触を増す貫通孔があったとしてもずっと長いこともあり得る。例え高い温度(>600℃)でも、剥離を起こすには通常数時間の処理時間が必要となり、ウェーハーの処理能力が低いことを意味する。
【0013】
光分解も接着した基板全体を同時に暴露することができないため、同様に遅い処理方法である。それどころか、通常はビームの横断面が数ミリメートルしかないレーザーである暴露光源は、小さな面積毎に集中させることで接着剤ラインの分解を引き起こすための十分なエネルギーを送り込まなくてはならない。それからビームは基板を横切って連続的にスキャン(またはラスター)して全表面を剥離するが、このことが長い剥離時間につながる。
【0014】
熱力学的(TM)剥離は通常数分で実施できる一方で、これには他の制約がありデバイスの歩留まりを下げかねない。暫定接合したデバイスの背面処理にはしばしば200℃または300℃すらも超える作業温度を伴う。TM剥離に用いる高分子接着剤は作業温度またはその近辺では絶対に分解も過度の軟化もしてはならず、さもなければ剥離が時期尚早に起きてしまう。結論として、剥離を起こすために普通は作業温度より20〜50℃上で十分に軟化するように接着剤は設計されている。剥離のために要求される高温は接着されたペアに熱膨張による著しいストレスを負わせる。同時に、デバイスウェーハーをキャリヤーから離すための滑らす、持上げる、または捻る動作に必要となる大きな機械的な力は付加的なストレスを作り出し、デバイスウェーハーを壊すかまたは個々のデバイスの微細な回路網に損傷を引き起こしかねず、これがデバイス不良そして歩留まり損失につながる。
【0015】
熱分解(TD)剥離にもまたウェーハー破損の傾向がある。高分子接着剤が分解する際にガスが発生し、このガスが接着剤の大半が除去される前にデバイスウェーハーとキャリヤーの間に閉じ込められてしまうこともある。閉じ込められたガスの集積により薄いデバイスウェーハーが膨らんだりヒビが入ったり破裂さえする。TD剥離のもう一つの問題はポリマーの分解がしばしば扱いにくい炭化残渣物を伴うことでこれは通常の清浄化処理ではデバイスウェーハーから取り除くことができない。
【0016】
これら先行技術による方法には限界があることから高いウェーハーの処理能力を提供すると共にデバイスウェーハーの破損およびデバイスの内部損傷を低減または排除する新しい方式のキャリヤー支援薄層ウェーハー取扱いが必要となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の課題は、暫定接合方法を提供することによって上記のような先行技術による問題を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この暫定接合方法は、
背面及びデバイス面を有する第1の基板;
デバイス面に隣接し、軟化温度を有する第1の接合層;
第1の接合層に隣接し、軟化温度を有する第2の接合層であって、第1の接合層の軟化温度は、第2の接合層の軟化温度よりも約20℃以上高い、第2の接合層;及び、
キャリヤー面を有する第2の基板であって、第2の接合層はキャリヤー面に隣接する、第2の基板;
を含むスタックを提供することと、
第1及び第2の基板を分離させることとを含む。
【0019】
本発明は、また、背面及びデバイス面を有する第1の基板を含む物品を提供する。この物品は、更に、
デバイス面に隣接し、軟化温度を有する第1の接合層;
第1の接合層に隣接し軟化温度を有する第2の接合層であって、第1の接合層の軟化温度は、第2の接合層の軟化温度よりも約20℃以上高い、第2の接合層;及び、
キャリヤー面を有する第2の基板であって、第2の接合層はキャリヤー面に隣接する、第2の基板;
を含む。
【0020】
本発明の更なる実施形態において暫定接合方法が提供される。この方法では、
背面及びデバイス面を有する第1の基板;
デバイス面に隣接する第1の剛性層;
第1の剛性層に隣接する接合層;及び、
キャリヤー面を有する第2の基板であって、キャリヤー面に隣接する、第2の基板
を含むスタックであって、
デバイス面と第1の剛性層との間のリフトオフ層;又は
接合層とキャリヤー面との間の第2の剛性層;の1つ、又は両方を更に含む、スタックが提供される。
【0021】
次に、第1及び第2の基板が分離される。
【0022】
また、本発明は、
背面及びデバイス面を有する第1の基板を含む物品を提供する。物品は、
デバイス面に隣接する第1の剛性層;
第1の剛性層に隣接する接合層;及び
キャリヤー面を有する第2の基板を更に含む。接合層はキャリヤー面に隣接し、物品は
デバイス面と第1の剛性層との間のリフトオフ層;又は、
接合層とキャリヤー面との間の第2の剛性層、
の1つ又は両方を更に含む。
【0023】
本発明の更なる実施形態において暫定接合方法が提供される。この方法は、
背面及びデバイス面を有する第1の基板であって、デバイス面は周縁域及び中央域を有する、第1の基板;
キャリヤー面を有する第2の基板;
周縁域及びキャリヤー面に隣接するエッジ接合部(以下エッジボンドという);及び、
エッジボンドとデバイス面との間のリフトオフ層;
エッジボンドとキャリヤー面との間のリフトオフ層;
エッジボンドとデバイス面との間の接着増進剤層;
エッジボンドとキャリヤー面との間の接着増進剤層;
エッジボンドとデバイス面との間の接合層;及び、
エッジボンドとキャリヤー面との間の接合層;
から成る群から選択される少なくとも1つの層、
を含むスタックを提供する。
【0024】
次に第1及び第2の基板が分離される。
【0025】
本発明の最終の実施形態において、物品が提供される。物品は、
背面及びデバイス面を有する第1の基板であって、デバイス面は
周縁域及び中央域を有する、第1の基板;
キャリヤー面を有する第2の基板;
周縁域及びキャリヤー面に隣接するエッジボンド;及び、
エッジボンドとデバイス面との間のリフトオフ層;
エッジボンドとキャリヤー面との間のリフトオフ層;
エッジボンドとデバイス面との間の接着増進剤層;
エッジボンドとキャリヤー面との間の接着増進剤層;
エッジボンドとデバイス面との間の接合層;及び、
エッジボンドとキャリヤー面との間の接合層;
から成る群から選択される少なくとも1つの層、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施例5〜9に更に例示される本発明の好ましい実施形態を示す概略断面図である。
図2】厚みを決定する方法を示す概略断面図である。
図3】実施例10〜16に更に例示される本発明のもう1つの実施形態を示す概略断面図である。
図4】実施例17に更に例示される本発明の代替の実施形態を示す概略断面図である。
図5図4に示される本発明の実施形態の変形を示す概略断面図である。
図6】本発明の代替の実施形態を示す概略断面図である。
図7図6に示す実施形態の変形を示す概略断面図である。
図8】本発明の代替の実施形態を示す概略断面図である。
図9図6に示す実施形態の変形を示す概略断面図である。この変形は実施例18で例示されるプロセスに類似している。
【0027】
(好適実施例の詳細な説明)
より詳細には、本発明は、多層接合方式を用いてマイクロエレクトロニクス構造体を形成する方法を提供する。本発明のある一定の好適実施形態を図面で示し明細書で説明するが、これらの開示は例示するためにのみ示されていることを理解されたい。本発明の実施形態は、本明細書中で、本発明の理想の実施形態の概略図である断面図を参照して関連して説明される。従って製造技術及び/又は許容差によって図面の形状からの変形が予期されるものとする。本発明の原理を特定の開示された実施形態に限定する意図はない。例えば、図中、層及び領域のサイズ及び相対的なサイズが明確にする目的で誇張されている場合もある。また、本発明の実施形態は本明細書で示される領域の特定の形状に限定するものとして解釈すべきではなく、例えば製造などの結果の形状の偏差を含むものとする。例えば矩形として示される領域が円形又は湾曲した特徴を有していてもよい。このように図面で示した領域は本質的に概略であり、その形状はデバイス又はトポグラフィの領域の正確な形状を示すように意図したものではなく、また本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
【0028】
(1.二層接合方式I)
図1(a)を参照すると、前躯体構造体10が概略断面図として示されている。構造体10は第1の基板12を含む。基板12は前面又はデバイス面14、背面16、及び最外側エッジ18を有する。基板12は任意の形状でよいが、通常は円形形状である。好ましい第1の基板12はデバイスウェーハーを含み、そのデバイス面は集積回路、MEMS、マイクロセンサー、動力半導体、発光ダイオード、フォトニック回路、インタポーザー、埋込受動素子、及び、シリコン、又はシリコンゲルマニウム、ガリウムヒ素、およびガリウム窒素のような半導体材料上に製造される又はそれらから製造される他のマイクロデバイス、から成る群から選択されたデバイスアレイ(図示されていない)を含む。これらのデバイスの表面は一般に以下の材料の1つ以上から形成された構造体(これも図示されていない)を含む:シリコン、ポリシリコン、二酸化ケイ素、(オキシ)窒化ケイ素、金属(例えば、銅、アルミニウム、金、タングステン、タンタル)、低k誘電体、高分子誘電体、および各種窒化金属および金属シリサイド。またデバイス面14は、半田バンプ;金属ポスト;金属ピラー;及びシリコン、ポリシリコン、二酸化ケイ素、(オキシ)窒化ケイ素、金属、低k誘電体、ポリマー誘電体、窒化金属、及び金属シリサイドから成る群から選択される材料から形成される構造体:から成る群から選択される少なくとも1つの構造体を含むことができる。
【0029】
図1(a)に示すようにデバイス面14上に第1の接合層20を形成するように、第1の基板12に組成物が適用される。接合層20は第1の基板12から離れた上部表面21を有し、好ましくは、第1の接合層20はデバイス面14に直接隣接して形成される(即ち、第1の接合層20と基板12との間に中間層が存在しない)。組成物は任意の既知の方法によって適用することができる。1つの好ましい方法は、速度約500rpm〜約5,000rpm(好ましくは約500rpm〜約2,000rpm)で、時間約5秒〜約120秒(好ましくは約30秒〜約90秒)間、組成物をスピンコートすることである。組成物を適用した後、温度約80℃〜約250℃、より好ましくは約170℃〜約220℃で時間約60秒〜約8分(好ましくは約90秒〜約6分)間加熱することが好ましい。第1の接合層20を形成するために用いられる組成物に依存して、焼成によって架橋反応が開始され層20を硬化することができる。幾つかの実施形態では、用いられる組成物に応じて、層に多段焼成プロセスを施すことが好ましい。また幾つかの例では、組成物の更なるアリコットを用いて上述の適用及び焼成プロセスが繰り返され、多数のステップによって、第1の接合層20が第1の基板12上に「構築される」。
【0030】
第2の前駆体構造体22も図1(a)の概略断面図に示されている。第2の前駆体構造体22は第2の基板24を含む。この実施形態では、第2の基板24はキャリヤーウェーハーである。即ち、第2の基板24は前面又はキャリヤー面26、背面28、及び最外側エッジ30を有する。第2の基板24は任意の形状でよいが、通常は円形形状であり、第1の基板12と同じサイズである。好ましい第2の基板24はシリコン、サファイヤ、水晶、金属(例えば、アルミニウム、銅、鋼)、並びに種々のガラス及びセラミックスを含む。
【0031】
図1(a)に示すように、キャリヤー面26上に第2の接合層32を形成するように、第2の組成物が第2の基板24に適用される。第2の接合層32は、第2の基板24から離れた上部表面33、及び第2の基板24に隣接する下部表面35を有する。好ましくは、第2の接合層32はキャリヤー面26に直接隣接して形成される(即ち、第2の接合層32と第2の基板24との間に中間層が存在しない)。組成物は任意の既知の適用方法によって適用してよく、1つの好ましい方法は、組成物を、速度約500rpm〜約5,000rpm(好ましくは約500rpm〜約2,000rpm)で、時間約5秒〜約120秒(好ましくは約30秒〜約90秒)間スピンコートすることである。組成物が適用された後、好ましくは、温度約80℃〜約250℃、より好ましくは約170℃〜約220℃へ、時間約60秒〜約8分(好ましくは約90秒〜約6分)間加熱される。第2の接合層32を形成するために使用される組成物に依存して、焼成によって架橋反応が開始され層32を硬化することができる。幾つかの実施形態では、使用される組成物に応じて、層に多段焼成プロセスを施すことが好ましい
【0032】
第1及び第2の接合層20及び32(並びに本明細書中に説明する他の層)の厚みは、図2を参照することによって最良に説明される。類似の番号が類似の部分を示すように用いられている。デバイス面14上に存在する上述のデバイスや、隆起した特徴、コンタクト孔、ビア孔、ライン、トレンチ等によるデバイス面14上のトポグラフィの変動を概略的に示すように、デバイス面14が図2に示されている。デバイス面14上に見られる様々な特徴の中に、最も高い特徴36及び最も低い特徴38がある(本明細書中に用いられる場合、「最も高い」は、特徴が第1の基板12の背面16から最も遠くまで延在している特徴を指し、一方「最も低い」は、その最下点が第1の基板12の背面に最も近い特徴を指す)。最も高い特徴36は最上表面36aを有し、一方最も低い特徴38は最下表面又は最下点38aを有する。トポグラフィが存在する(即ち、平面ではない) 表面に適用される層の厚みを指すときは、2つの厚みを参照としてもよい。Tは、図2に例示されるように最下表面又は最下点38aによって定義される下側平面40から上部表面21に延びる距離を示す。Tは最上表面36aの上で測定した層の厚みを示す。具体的には、図2に示すように、この厚みTは上側表面42から始まり上部表面21まで延びる。平面の(又は実質的に平面の)表面に適用された層の厚みを指すときは、その厚みは図2のTで表され、層32の下部表面35と上部表面33との間の距離である。最後に、幾つかの例では厚みTが用いられ、これは下側平面40から上側表面42までの距離を示す。全ての厚みは5つの測定値の平均の厚みを示す。
【0033】
本発明の実施形態において、第1の接合層20は、好ましくは厚みTを有し、厚みTは、少なくともTに等しく、好ましくは約1.1T〜約1.5T、より好ましくは約1.2T〜約1.3Tである。この結果、典型的には、厚みTが、少なくとも約24μm、より好ましくは約45μm〜約200μm、更により好ましくは約50μm〜約150μmとなる。更に、第1の接合層20は好ましくは厚みTを有し、厚みTは約5μm以上、より好ましくは約5μm〜約50μm、更により好ましくは約10μm〜約30μmである。第2の接合層32は厚みTを有し、厚みTは約35μm未満、好ましくは約1μm〜約35μm、より好ましくは約1μm〜約25μm、更により好ましくは約1μm〜約15μmである。
【0034】
第1の接合層20は好ましくは軟化点(環球式軟化点)を有し、その軟化点は第2の接合層32の軟化点より、約20℃以上高く、より好ましくは約20℃〜約200℃高く、更により好ましくは約20℃〜約100℃高い。この結果、典型的には、第1の接合層20の軟化点は約100℃以上、好ましくは約150℃〜約400℃、より好ましくは約200℃〜約300℃となる。更に、第2の接合層32の典型的な軟化点は、約220℃未満、好ましくは約50℃〜約220℃、より好ましくは約100℃〜約150℃となる。
【0035】
第1及び第2の接合層20及び32が形成される材料は、第1及び第2の基板12及び24それぞれと並びに互いに強固な接着剤接合を形成できるものでなければならない。ASTMD4541/D7234の測定で、接着強さが約50psigより上、好ましくは約80psig〜約250psig、より好ましくは約100psig〜約150psigであるものが第1及び第2の接合層20及び32として使用するのに望ましい。
【0036】
有利なことに、第1及び第2の接合層20及び32を形成するために用いる組成物は、上述の特性を有する層内に形成可能とされる市販の接合組成物から選択することができる。典型的には、そのような組成物は有機であり、溶媒系中に溶解又は分散されたポリマー又はオリゴマーを含む。ポリマー又はオリゴマーは、典型的には、環状オレフィン、エポキシ、アクリル、シリコン、スチレン、ハロゲン化ビニル、ビニルエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、環状オレフィン、ポリオレフィンゴム、及びポリウレタン、エチレンプロピレンゴム、ポリアミドエステル、ポリイミドエステル、ポリアセタール、及びポリビニルブテロールの、ポリマー又はオリゴマーから成る群から選択される。典型的な溶媒系はポリマー又はオリゴマーの選択に依存する。組成物の総重量を100重量%としたときに、組成物の典型的な固形分は、約1重量%〜約60重量%、好ましくは約3重量%〜約40重量%の範囲となる。幾つかの適切な組成物が、各々参照として本明細書中に含まれる、米国特許公開番号第2007/0185310号、第2008/0173970号、第2009/0038750号、及び2010/0112305号に記載されている。
【0037】
次に構造体10及び22は、第1の接合層20の上部表面21が第2の接合層32の上部表面33に接触するように向かい合わせにされ一緒にプレスされる(図1(b))。プレスされると同時に、十分な時間十分な圧力及び熱が加えられて、これら2つの構造体10及び22の接合が有効になり接合されたスタック34が形成される。接合パラメータは、接合層20及び32が形成される組成物に依存して変動するが、このステップの典型的な温度範囲は、約150℃〜約375℃の範囲、好ましくは約160℃〜約350℃の範囲であり、典型的な圧力範囲は、約1,000N〜約5,000N、好ましくは約2,000N〜約4,000Nであり、時間は約30秒〜約5分、より好ましくは約2分〜約4分である。
【0038】
この段階で、第1の基板12は安全にハンドリングすることができ、第2の基板24に接合されていなければ第1の基板に損傷を与え損ねなかった更なる処理を施すことができる。このように、基板12及び24の分離を起こすことなく構造体に、背面研削、CMP、エッチング、金属及び誘電体堆積、パターニング(例えば、フォトリソグラフィ、ビアエッチング)、不動態化、アニーリング、及びそれらの組合せ等の背面処理を安全に施すことができ、またこれらの後処理ステップ中に遭遇する任意の化学薬品が浸入することもない。第1の接合層20及び第2の接合層32は、これらのプロセスに耐えられるだけでなく、最大約450℃、好ましくは約200℃〜約400℃、より好ましくは約200℃〜約350℃の処理温度にも耐えうる。
【0039】
処理が完了すると、基板12及び24は、多くの分離方法(図示せず)によって分離することができる。1つの方法では第1及び第2の接合層20、32の1つ又は両方を溶媒(例えば、リモネン、ドデセン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME))中に溶解する。或いは、最初にレーザ切断、プラズマエッチング、ウォータージェッティング、又は、第1及び第2の接合層20、32を効果的にエッチング又は分解するその他の高エネルギー技術を用いて第1及び第2の接合層20、32の1つ又は両方の周囲を機械的に分解又は破壊することによって基板12及び24を分離することができる。また、最初に第1及び第2の接合層20、32を貫通して鋸引き又は切断するかもしくは層20、32を何らかの同等手段を用いて切り裂くことも適切である。上述の手段のどれを用いるかに拘らず、その後、低機械力(例えば、指の圧力、緩やかな割り裂き)を加えることにより基板12及び24を完全に分離させることができる。
【0040】
最も好ましい分離方法は、接合されたスタック34を、約100℃以上、好ましくは約150℃〜約220℃、より好ましくは約180℃〜約200℃の温度に加熱することである。これらの温度で、第2の接合層32が軟化し、基板12及び24を分離させる(例えば、参照として本明細書に含まれる、米国特許公開番号第2008/0200011号に記載されるようなスライド剥離方法によって)ことは理解されるであろう。分離後、残留する第1又は第2の接合層20及び32を、特定の層20又は32を溶解する性能のある溶媒を用いて除去することができる。幾つかの実施形態では、第1の接合層20を形成するための組成物は、その一部又は全部が第1の基板12上に永久的に残ることが適切であるように選択される。その場合、第1の接合層20が後続のウェーハー処理ステップにおいて何らかの機能(例えば、間隙充填)を実行する。これは先行技術のプロセスにはなかった有利な点である。
【0041】
この二層の実施形態が多くの利点を提供することは理解されるであろう。本発明の方法により、構造体の接合温度及び全体の熱安定性を制御することができる。即ち、本発明の方法は、より高い処理温度の使用を可能にすると同時により低い温度で接合及び剥離を可能にする。
【0042】
(2.二層接合方式II)
第2の二層接合方式を図3に示す。類似の番号は類似の部分を表す。この実施形態では、上部表面46及び下部表面48を有する「クリーニング層」又はリフトオフ層44がデバイス面14上に形成される。リフトオフ層44は、任意の既知の適用方法によって形成することができ、1つの好ましい方法では、層44を形成するために用いられる組成物を、速度約500rpm〜約5,000rpm(好ましくは約500rpm〜約2,000rpm)で、時間約5秒〜約120秒(好ましくは約30秒〜約90秒)の間、スピンコートする。組成物は、適用された後、好ましくは、温度約60℃〜約250℃、より好ましくは約80℃〜約220℃に、時間約60秒〜約4分(好ましくは約90秒〜約2分)間、加熱される。幾つかの実施形態では、使用される組成物に応じて、層に多段焼成プロセスを施すことが好ましい。リフトオフ層44を形成するために用いられる組成物に依存して、焼成によって架橋反応が開始され層44を硬化することができる。
【0043】
リフトオフ層44は好ましくは厚みTを有し、厚みTは約3μm未満、より好ましくは約0.5μm〜約3μm、更により好ましくは約1μm〜約1.5μmである。別の実施形態では、リフトオフ層44が共形層であり、 そのため上述の厚みを有しない。
【0044】
リフトオフ層44を形成するために用いられる組成物は、1%の塩化水素酸水溶液、50%の酢酸水溶液、イソプロパノール、1−ドデセン、R−リモネン、シクロペンタノン、PGME、及びテトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)から成る群から選択される溶液中で層44が可溶性であるように選択されるべきである。より詳細には、リフトオフ層44は、特定の除去溶液に接触してから約4〜5時間の後に、約95%以上、好ましくは約99%以上、好ましくは100%溶解/除去される。
【0045】
リフトオフ層44を形成するために好ましい組成物は上述の特性を持つ市販の組成物から選択することができる。そのような組成物の例には、ポリ(ビニルピリジン)及びポリアミド酸から成る群から選択される組成物が含まれる。これら2種の好ましい組成物は、ProLIFT(R)及び、湿式現像可能な材料のWGFシリーズ(Brewer Science社から入手可能)である。使用が特に好ましい組成物は参照として本明細書に含まれる、米国特許公開番号第2009/0035590号に記載されている。
【0046】
次にリフトオフ層44上に接合層20が形成される(図3(b))。接合層20は、好ましくは、図1に関連して説明したような厚みT、及び、約5μm以上、より好ましくは約5μm〜約50μm、更により好ましくは約10μm〜約30μmの厚みTを有する。次に第2の基板24が上述のように接合層20に接合され(図3(c))、接合されたスタック50を形成する。次に接合されたスタック50に上述のような更なる処理を施すことができる。
【0047】
第1及び第2の基板12及び24の分離の準備が整うと、接合されたスタック50は、上述の除去溶液の1つに暴露され(好ましくは約1分〜約5時間、より好ましくは約2分〜約60分の間)、その結果、溶液がリフトオフ層44を溶解して、基板12及び24が分離される。有利なこととして、リフトオフ層44が「クリーニング」層として機能する実施形態では、基板12及び24を分離させるために十分に接合層20を軟化させるよう加熱することによって基板12及び24を分離させることができる。基板12及び24が分離されると、リフトオフ/クリーニング層44を除去溶液によって除去することができ、これは同時に残っているすべての接合層20残留物も除去する。
【0048】
(3.三層接合方式I)
第1の三層接合方式が図4に示される。類似の番号は類似の部分を表す。図4に示される実施形態は、図3に示されるものと類似しているが、図3の第1の接合層20が第2の接合層32に変わり、「クリーニング」又はリフトオフ層44と第2の接合層32との間に付加的な層が追加されているところが異なっている。詳細には、リフトオフ層44がデバイス面14上に形成された後(上述したように、及び図4(a)参照)、上部表面54及び下部表面56を有する剛性層52がリフトオフ層44の上部表面46上に形成される(図4(b))。本明細書中に用いられる場合「剛性」はレオメータの測定で1GPa以上の高い剛性率を指す。更に、「剛性」は、処理温度(典型的には約150℃〜約400℃、好ましくは約200℃〜約300℃)で流動することのない層を指す。
【0049】
剛性層52を形成するために用いられる組成物は、第1の接合層20に関して上述した組成物と同じ種類である。更に、剛性層52は第1の接合層20に関して上述したものと同様の方法で形成される(リフトオフ層44が事実上共形である場合は、図1に関して説明されたものと同様の厚みを含む)。剛性層52は(リフトオフ層44が事実上共形でない場合)好ましくは約1μm〜約35μm、より好ましくは約1μm〜約25μm、更により好ましくは約1μm〜約15μmの厚みTを有する。
【0050】
図4(c)を参照すると、第2の接合層32が剛性層52の上部表面54上に、既に説明したものと同様の適用方法及び組成物の種類を用いて形成される。この実施形態では、第2の接合層32の厚みTは、約1μm〜約35μm、より好ましくは約1μm〜約25μm、更により好ましくは約1μm〜約15μmである。
【0051】
剛性層52は、好ましくは第2の接合層32の軟化点よりも、約20℃以上高い、より好ましくは約20℃〜約300℃高い、更により好ましくは約20℃〜約100℃高い軟化点を有する。この結果、典型的には、剛性層52の軟化点は、約100℃以上、好ましくは約150℃〜約400℃、より好ましくは約200℃〜約300℃となる。
【0052】
第2の基板24は上述のように接合層32に接合され、接合されたスタック58を形成する(図4(d))。次に接合されたスタック58に上述のような更なる処理を施すことができる。第1及び第2の基板12及び24の分離の準備が整うと、接合されたスタック58は上述の除去溶液の1つに暴露され、その結果、溶液がリフトオフ層44を溶解して、基板12及び24を分離させる。或いは、上述のようにスタック58を加熱して接合層32を軟化させることよって分離を起こすこともできる。後者の例では、リフトオフ層44がここでもクリーニング層として機能し、層44を除去溶液によって除去することによって接合層の残留物も除去することができる。
【0053】
(4.三層接合方式II)
もう1つの三層接合方式が図5(a)〜5(d)に示される。類似の番号は類似の部分を表す。この実施形態は上述の実施形態の変形であり、ここでは多層接合システムは2つの剛性層52を含み、その2つの層52の間に第2の接合層32の層が存在する。組成物選択、処理パラメータ及びステップ等は対応する層に関して上述したものと同様である。図示されていないが、剛性層52の1つ(好ましくは第2の基板24に一番近い剛性層52)と接合層32を入れ換えることによって、この実施形態を変形することができる。
【0054】
(5.基板エッジにおける多重層)
本発明の更なる実施形態が、図6及び図7に図示されている。類似の部分は類似の様式で番号が付されている。これらの実施形態については、参照として本明細書中に含まれる、米国特許公開番号第2009/0218560号を参照されたい。
【0055】
図6(a)を参照すると、この実施形態では、構造体55が描かれている。第1の基板12のデバイス面14は、周縁域57、中央域59、及び、周縁域57での二層接合システム60を含む。システム60は、上部表面64及び下部表面66、並びに接合部(以下接合セグメントという)68を有する薄層62を含む。接合セグメント68は、外側表面70、内側表面72、下部表面74、及び接合表面76を含む。薄層62の下部表面66は、周縁域57で第1の基板12のデバイス面14に隣接し、一方、接合セグメント68の下部表面74は薄層62に隣接する。
【0056】
薄層62はリフトオフ層44に関して上述したものと同様のリフトオフ層であってよく、或いは薄層62は接着増進剤層であってよい。それが接着増進剤層である例では、任意の市販の接着増進剤組成物をこの用途に用いることができる。このような組成物の幾つかの例には、有機シラン(例えば、ProTEK(R)プライマー、Brewer Science社から入手可能)が含まれる。
【0057】
スピンコートの後に特定の組成物に最適な温度で焼成を行う等の従来の方法で薄層62を形成することができる。例えば、上述のようにリフトオフ層44を形成するために従う方法を、薄層62の形成に用いてもよい。また、図6(a)は、この層が周縁域57にのみ存在するように描いているが、薄層62は中央域59にも存在するようにデバイス面14全体に亘って延在してもよい。薄層62は好ましくは周縁域57において、約1μm〜約35μm、より好ましくは約1μm〜約25μm、更により好ましくは約1μm〜約15μmの厚みTを有する。薄層62がデバイス面14全体に亘って延在する例では、その厚みTは、約0.1μm〜約20μm、好ましくは約0.25μm〜約10μm、より好ましくは約1μm〜約3μmとなる。他の例では、薄層62を共形層とすることができ、その場合は上述の厚みを有しない。
【0058】
接合セグメント68は、第1及び第2の接合層20及び32に関して上述したものを含む任意の市販の接合組成物から形成することができる。接合セグメント68は、典型的には約2mm〜約15mm、好ましくは約2mm〜約10mm、より好ましくは約2mm〜約5mmの幅「D」を有する。更に、接合セグメント68は、好ましくは約5pm〜約100μm、より好ましくは約5μm〜約50μm、更により好ましくは約10μm〜約30μmの厚みTを有する。
【0059】
この時点で、上述の実施形態で説明したように、構造体55を第2の基板24に接合することができ、又は、図6(b)に示すようにデバイス面14の中央域59に充填層78を形成することができる。充填層78は、接合セグメント68に関して上述したものと同様の厚みを有する。充填層78は、典型的には、溶媒系中に分散又は分解されたモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーを含む材料から形成される。充填層78がスピンコートを介して適用される場合は、この材料の固形分は約1重量%〜約50重量%、より好ましくは約5重量%〜約40重量%、更により好ましくは約10重量%〜約30重量%であることが好ましい。最適なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーの例には、環状オレフィンポリマーおよびコポリマーならびに原子状フッ素含有量が高い(重量で約30%超)フッ化シロキサンポリマーのような非晶形フルオロポリマー、フッ化エチレン−プロピレンコポリマー、ペンダントペルフルオロアルコキシ基を持つポリマー、及びテトラフルオロエチレンのコポリマーから成る群から選択されるものが含まれ、なかでも2,2−ビス−トリフルオロメチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソールのコポリマーがとりわけ好まれる。これらの材料の接合強度は、それらの特定の化学構造体、及び適用時に用いられるコーティング及び焼成条件に依存することが理解されるであろう。
【0060】
この実施態様において、充填層78は強い接着接合を形成しないことが好ましく、これにより後の分離が容易になる。一般論として、非晶形高分子材料で:(1)表面自由エネルギーが低く;(2)不粘着性でガラス、シリコン、および金属面に強くは接着しないことが知られ(すなわち、一般に水酸基またはカルボン酸基の濃度が非常に低いか、好ましくはそのような基が全くない);(3)溶液から流し込めるかまたはラミネート用に薄いフィルムに形成でき;(4)代表的な接合条件の下で流れ、デバイスウェーハー面のトポロジーを充填し、基板間に気泡の無い接合線を形成し;かつ(5)背面処理工程中に、例え高温または高真空条件下で実施されたとしても、遭遇する機械的応力の下で割れず、流れず、または再配分しない、ものが望ましい。本明細書に用いる場合、低い表面自由エネルギーとは接触角測定により判定される水との接触角が少なくとも約90°および臨界表面張力が約40ダイン/cm未満、好ましくは約30ダイン/cm未満、より好ましくは約12ダイン/cm〜約25ダイン/cm、を示す高分子材料と定義される。
【0061】
低い接合強度とはベタ付かず又は接着剤付の便箋を剥がすのに用いる程度の軽い手の圧力だけで基板から剥がせるポリマー材料を指している。従って、約50psig未満、好ましくは約35psig未満、より好ましくは約1psig〜約30psigの接着強度を有する任意のものが充填層22として用いるのに望ましい。上述の特性を示す適切なポリマー材料の例には、Mitsui社のAPEL(R)、Ticona社のTOPAS(R)、及びZeon brands社のZEONOR(R)として販売されている幾つかの環状オレフィンポリマー及びコポリマー及び、アサヒガラス社販売のCYTOP(R)ポリマー及びDuPont社販売のTEFLON(R)AFポリマー等の溶媒可溶性のフルオロポリマーが含まれる。これらの材料の接合強度は、それらを適用する際に用いられるコーティング及び焼成条件に依存する。
【0062】
この時点で、上記の実施形態で説明されたステップを用いて第2の基板を構造体55に接合して、図6(c)に示すように接合されたスタック82を形成することができる。スタック82上での所望の処理が完了した後、第1の基板12及び第2の基板24は直ちに分離することができる。1つの分離方法では、最初に接合セグメント68を、溶媒又は他の化学剤の助けを得て溶解する。これは溶媒内に浸漬するか、又はこれを溶解するために溶媒のジェットを接合セグメント68にスプレーすることによって果たせる。接合セグメント68を破壊するために溶媒溶解が用いられる場合、熱可塑性材料の使用が特に望ましいものである。この除去プロセス中に典型的に用いられる溶媒は、乳酸エチル、シクロヘキサノン、−メチルピロリドン、脂肪族溶媒(例えば、ヘキサン、デカン、ドデカン、及びドデセン)、及びそれらの混合物から成る群から選択されるものを含む。
【0063】
更に基板12及び24は最初にレーザ切断、プラズマエッチング、ウォータージェッティング、又は接合セグメント68を効果的にエッチング又は分解する他の高エネルギー技術を用いて、接合セグメント68の連続性を機械的に分解又は破壊することによっても分離できる。また、最初に接合セグメント68を貫通して鋸引き又は切断するかもしくは接合セグメント68を何らかの同等手段を用いて切り裂くことも適切である。
【0064】
上述の手段のどれを用いるかに拘らず、その後、低機械力(例えば、指の圧力、緩やかな割り裂き)を加えてに基板12及び24を完全に分離させることができる。有利な点として分離のために充填層78と基板12又は24との間の強固な接着剤接合を克服する必要がない。その代わりに分離を起こさせるために、周縁域57内の接合セグメント68の接着剤接合を剥離する必要があるだけである。必要に応じてその後残留するすべての材料を除去するために適切な溶媒を用いて基板12及び/又は24の表面をきれいにすすぐ。
【0065】
なお、上の実施形態に関して、充填層78の形成の前に接合セグメント68を形成するという順は1つの可能性として挙げただけであり、最初に充填層78を形成し、その後接合システム60又は接合セグメント68を形成することも可能である。形成の順番は、本発明にとって重要ではなく当業者であれば変更することができる。
【0066】
図7を参照すると、本発明の更なる実施形態が示される。類似の番号は類似の部分を表す。この実施形態は、図6に類似しているが、第1及び第2の基板12及び24が入れ替わっているところが異なる。即ち、薄層62が第1の基板12のデバイス面14ではなく第2の基板24のキャリヤー面26に接触し、接合セグメント68の接合表面76が第1の基板12のデバイス面14に接合されている。このように、特定の用途の必要性に依存して、薄層62は接合セグメント68の下部表面74又は接合表面76、或いは両方に隣接することができる。この実施形態では、薄層62は図6の実施形態に関して説明した厚みTを有し、また、これらの厚みは薄層62全体に亘って同様である。
【0067】
(6.基板エッジにゾーン領域を備える多重層)
図8は、本発明の更なる実施形態を示す。類似の番号は類似の部分を表す。図8(a)を参照すると、第2の接合層32が、第1の基板12の周縁域57のみにおいて形成される。適用方法、所望の特性(軟化点を含む)、及び第2の接合層32として用いられる可能性のある組成物は既に説明したとおりである。図8(b)を参照すると、上の図6及び図7に関して説明したように充填層78がデバイス面14の中央域59に形成される。
【0068】
次に、図8(c)に示すように、第1の接合層20が第2の接合層32の上部表面33上、及び充填層78の上部表面80上に形成され構造体84を形成する。同様に、適用方法、所望の特性、及び第1の接合層20として用いる可能性のある組成物は既に説明したとおりである。第2の基板24は構造体84に先の実施形態で説明したステップを用いて接合することができ、図8(d)に示すように接合されたスタック86を形成する(或いは、実施例18で説明したように、代わりに第2の基板24のキャリヤー面21上に第1の接合層20を形成して次に2つの構造体を共にプレスして、図1に示すステップの順番と同様に接合されたスタック86を形成する。)。
【0069】
次いで接合されたスタック86に上述のような更なる処理を施すことができる。第1及び第2の基板12及び24の分離の準備が整うと、接合されたスタック86は、除去溶液(例えば、リモネン、ドデセン、PGME)に暴露され、その結果、溶液が第2の接合層32を溶解して、それによって基板12及び24が分離できる。或いはスタック86を加熱して、第1の接合層20よりも低い軟化点を有する第2の接合層32を軟化させ、それによって上述のように基板12及び24を分離可能にすることによって分離を起こすこともできる。
【0070】
図9を参照すると、本発明の更なる実施形態が示される。類似の番号は類似の部分を表す。この実施形態は、図8に類似しているが、第1及び第2の基板12及び24が入れ替えられているところが異なる。即ち、第2の接合層32及び充填層78が、第1の基板12のデバイス面14ではなく、第2の基板24のキャリヤー面26に接触し、第1の接合層20は、第1の基板12のデバイス面14に接合される。このように、特定の用途の必要性に依存して、第2の接合層32及び充填層78の位置を調整することができる。
【0071】
特定の基板表面を、実質的に又は完全に覆うための種々の接合層、リフトオフ層、及び剛性層が示されている、上記の接合方式のそれぞれに関して、これらの層の1つ又は複数を(たとえ、図示されていなくても)特定の基板の一部のみを覆うように変更できることが理解されるであろう。即ち、特定の基板表面の一部分のみをその特定の層に接触させることもでき、これも本発明の範囲内である。
【0072】
更に、たとえ層が第1の基板(デバイス)上に積み重ねて形成され、その後、第2の基板(キャリヤー)と接合されている例においても、その代わりに全ての層を第2の基板の上に積み重ねて形成し、次に第1の基板と接合されることもできる。或いは、1つ又は複数の層を第1の基板上に形成し、一方、別の層を第2の基板上に形成し、次に2つの基板を共に接合してもよい。結果の構造体が本明細書中で図示及び/又は説明した層システムを有している限り、順番は重要ではない。
【実施例】
【0073】
以下の実施例は、本発明に係る好ましい方法を説明する。しかしながら、これらの実施例は例示のために提供されるものであり本発明の全体の範囲を制限するものではないことを理解すべきである。
【0074】
実施例1から9は本発明の改善された接合性能を説明する。実施例l0から16は剥離後にクリーニングされる接合組成物の改善された性能を説明する。
【0075】
(実施例1)
(環状オレフィンコポリマー(COC)接合組成物Aの組成)
この調製において、250グラムのエテンノルボルネンコポリマー(APL8008T、三井化学アメリカ社、ニューヨーク州ライブルック、から取得)及び3.125グラムのフェノール系酸化防止剤(IRGANOX1010、BASF社、ドイツ、から取得)を373.45グラムのR−リモネン(Florida Chemical社、フロリダ州ウィンターヘブン、から取得)及び373.45グラムのシクロオクタン(Sigma−Aldrich社、ミズーリ州セントルイス、から取得)中に溶解した。全ての成分が溶解するまで混合物を室温で攪拌させた。最終溶液は、25.31%の固形物を有した。
【0076】
(実施例2)
(COC接合組成物Bの組成)
この調製において、210.31グラムのエタンノルボルネンコポリマー(Topas8007、Topas Advanced Polymers社、ケンタッキー州フローレンス、から取得)及び62.4グラムの低分子量COCポリマー(Topas TM、Topas Advanced Polymers社、ケンタッキー州フローレンス、から取得)を4.0グラムのフェノール系酸化防止剤(Irganox1010)を含む、706グラムのR−lリモネン、及び分子量2、800ダルトンの14.5グラムのポリイソブチレン(Scientific Polymer Products社、ニューヨーク州オンタリオ、から取得)中に溶解した。全ての成分が溶解するまで混合物を室温で攪拌させた。溶液は、29%の固形分を有した。
【0077】
(実施例3)
(COC接合組成物Cの組成)
この調製において、50グラムの実施例2からのCOC接合組成物Bを、50グラムのR−リモネンと混合した。混合物を室温で攪拌させ溶液を形成した。溶液は14.5%の固形物を有した。
【0078】
(実施例4)
(接合組成物Dの組成)
この調製において、120グラムのWaferBOND(R)HT−10.10材料(Brewer Science社から取得)を、80グラムの1−ドデセン(Sigma−Aldrich社、ミズーリ州セントルイス)と混合した。混合物を室温で攪拌させ溶液を形成した。
【0079】
(実施例5)
(デバイスウェーハー上の厚COC接合組成物A層、及びキャリヤーウェーハー上の薄COC接合組成物C層)
この手順では、コーティングされた基板と第2の基板との間の効果的な接合を得るために270℃で十分に流動するように設計された環状オレフィンポリマーコーティング層である実施例1からのCOC接合組成物A、10mLを200mmのシリコンウェーハー上にスピンコートし、(後述するスピン及び焼成パラメータを用いて)焼成し、COC接合組成物Aの膜を形成した。実施例1からの10mLのCOC接合組成物Aの第2のアリコットを用いて、このプロセスを正確に繰り返した。この第2のアリコットは第1の膜の上に更に膜を形成するために用いられた。両方の適用ステップの後の最終の膜厚は96μmであった。
【0080】
コーティングされた基板と第2の基板との間の効果的な接合を得るために220℃で十分に流動するように設計された環状オレフィンポリマーコーティング層である実施例3からのCOC接合組成物Cを別の200mmシリコンウェーハー上にスピンコートした。COC接合組成物Cの厚みは約3μmであった。スピンコート及び焼成パラメータはCOC接合組成物A及びCOC接合組成物Cのためのものと同一であり、以下の通りであった。
【0081】
スピンコート条件:800rpmのスピンコートを60秒間、加速は10、000rpm/秒
焼成条件、記載順:80℃で2分、110℃で2分、160℃で2分、及び220℃で6分
【0082】
上述のように、COC接合組成物A及びCOC接合組成物Cでコーティングされた2つのシリコンウェーハーを、5、800Nの接合圧力の圧力チャンバ内の加熱真空内で、220℃で3分間真空下で向かい合わせで接合した。次に、参照として本明細書に含まれる米国特許公開番号第2010/0206479号(Brewer Science社、ミズーリ州ローラ、から取得)に記載の方法と同様のスライドプロセスを用いる、剥離装置(デボンダー)で、接合されたウェーハーを220℃で分離した。
【0083】
(実施例6)
(厚COC接合組成物A及び薄COC接合組成物C)
この手順では、コーティングされた基板と第2の基板との間の効果的な接合を得るために、270℃で十分に流動するように設計された環状オレフィンポリマーコーティング層である実施例1からのCOC接合組成物A、10mLを、200mmのシリコンウェーハー上にスピンコートし、焼成し(後で説明するスピン及び焼成パラメータを用いて)COC接合組成物Aの膜を形成した。実施例1からの10mLのCOC接合組成物Aの第2のアリコットを用いて、このプロセスを正確に繰り返した。この第2のアリコットは、第1の膜の上に更に膜を形成するために用いられた。両方の適用ステップの後の最終の膜厚は93μmであった。
【0084】
コーティングされた基板と第2の基板との間の効果的な接合を得るために、220℃で十分に流動するように設計された環状オレフィンポリマーコーティング層である実施例3からのCOC接合組成物CをCOC接合組成物A膜の上に更にスピンコートした。COC接合組成物Cの厚みは約8μmであった。スピンコート及び焼成パラメータはCOC接合組成物AのためのものとCOC接合組成物Cのためのものは同一であり、以下の通りであった。
【0085】
スピンコート条件:800rpmのスピンコートを60秒間、加速は10、000rpm/秒
焼成条件、記載順:110℃で4分、160℃で2分、及び220℃で6分
【0086】
別の200mmシリコンウェーハーの中心をフッ化シラン(ヘプタデカフルオロ−1、1、2、2−テトラヒドロデシルトリクロロシラン)でコーティングし、一方、ウェーハーの外側エッジに沿った3mmの領域はフッ化シランがないままにした。フッ化シランをコーティングするための詳細なプロセスは、参照として本明細書に含まれる、米国特許公開番号第2009/10218560号の実施例1に記載されている。
【0087】
上述のウェーハー対を、5,800Nの接合圧力で、加熱真空圧力下で、220℃で3分、向かい合わせで接合した。ウェーハー対を共に強力に接合し、研磨プロセスを施して、デバイスウェーハーを50μmに薄層化した。接合されたウェーハー対を、R−リモネンに24時間浸漬し、次にウェーハーを、ピールオフ剥離装置(ZoneBOND(TM)分離ツール、Brewer Science社、ミズーリ州ローラ、から入手)を用いて、剥離プロセスによって剥離した。ピールオフ剥離プロセス中、デバイスウェーハー真空によって平らな表面上に保持し、キャリヤーウェーハー(シラン化されたウェーハー)を、金属クランプによってきつく保持した。次にクランプを剥がすことによって、デバイスウェーハーをキャリヤーウェーハーから分離した。
【0088】
(実施例7)
(薄接合組成物Dを備える厚ポリスルホン)
この調製において、280グラムのポリスルホン(UltrasonE2020P、BASF社、ニュージャージー州フローサムパーク)を520グラムのジメチルアセトアミド(Sigma−Aldrich社、ミズーリ州セントルイス)中に溶解した。混合物を、ポリスルホンが溶解して溶液を形成するまで室温で攪拌させた。溶液は35%の固形物を有した。
【0089】
上述のポリスルホン溶液を200mmのシリコンウェーハー上に、スピン速度600rpmで60秒間スピンコートした。コーティングされたウェーハーを2分間80℃で、次いで2分間150℃で、次いで5分間180℃で焼成した。結果のポリスルホン膜の厚みは51.64μmであった。次に実施例4からの接合組成物Dを、ポリスルホン膜の上に更に、スピン速度1400rpmで60秒間スピンコートした。ウェーハーを80℃で2分間、次いで150℃で2分間、次いで180℃で5分焼成した。希釈されたWaferBOND(R)HT−10.10膜の総厚みは約2μmであった。
【0090】
ウェーハー対をR−リモネン中に室温で24時間浸漬し、次いでウェーハーをピールオフ剥離装置(ZoneBONDTM分離ツール)を用いて分離した。
【0091】
(実施例8)
(薄COC接合組成物Cを備える厚ポリスルホン)
この調製において、280グラムのポリスルホン(UltrasonE2020P、BASF社)を520グラムのジメチルアセトアミド(Sigma−Aldrich社、ミズーリ州セントルイス)中に溶解した。混合物を、ポリスルホンが溶解して溶液を形成するまで室温で攪拌させた。
【0092】
上述のポリスルホン溶液を200mmのシリコンウェーハー上に、スピン速度600rpmで60秒間スピンコートした。流延溶媒を完全に除去するために、コーティングされたウェーハーを80℃で2分間、次いで150℃で2分間、次いで180℃で5分間焼成した。結果のポリスルホン膜の厚みは52.9μmであった。次に実施例3からの接合組成物Cを、ポリスルホン膜の上に更に、スピン速度1400rpmで60秒間スピンコートした。ウェーハーを80℃で2分間、次いで150℃で2分間、次いで180℃で5分焼成した。COC接合組成物Cの総厚みは約2μmであった。
【0093】
上述のウェーハー対をR−リモネン中に室温で24時間浸漬し、次いでウェーハーをピールオフ剥離装置(ZoneBONDTM分離ツール)を用いて分離した。
【0094】
(実施例9)
(スライド剥離のための厚COC接合組成物A及びCOC接合組成物Bの20μm超の膜)
この実施例では、コーティングされた基板と第2の基板との間の効果的な接合を得るために、270℃で十分に流動するように設計された環状オレフィンポリマーコーティング層である実施例1からのCOC接合組成物A、10mLアリコットを、200mmのシリコンウェーハー上に2回スピンコートした。第1のスピンコートは600rpmで60秒間行い、第2のスピンコートは800rpmで60秒間行った。それぞれのコーティングの後、ウェーハーを80℃で2分間、次いで150℃で2分間、次いで220℃で5分間焼成した。結果のCOC接合組成物A膜の厚みは99.14μmであった。
【0095】
コーティングされた基板と第2の基板との間の効果的な接合を得るために、220℃で十分に流動するように設計された環状オレフィンポリマーコーティング層である実施例2からのCOC接合組成物Bを、COC接合組成物Aでコーティングされたものと同一のウェーハー上にスピンコートした。COC接合組成物Bは、スピン速度1500rpmで60秒間コーティングした。ウェーハーを80℃で2分間、次いで150℃で2分間、次いで220℃で5分間焼成した。結果のCOC接合組成物B膜の厚みは約29μmであった。
【0096】
上述のウェーハーを、別の200mmシリコンウェーハーと向かい合わせで、5、800Nの接合圧力を備える圧力チャンバ内で、220℃で3分間、加熱真空下で接合した。
【0097】
スライド剥離装置(Brewer Science社から入手)を用いるスライド剥離プロセスによって、接合されたウェーハー対を分離した。剥離プロセスは、剥離速度2mm/秒、温度220℃で実施した。
【0098】
(実施例10)
(HCl溶液でクリーニングしたポリ(ビニルピリジン)及びCOC接合組成物B)
この調製において、2グラムのポリ(ビニルピリジン)(Sigma−Aldrich社、ミズーリ州セントルイスから取得)をシクロペンタノン中に溶解した。ポリマーが溶解するまで混合物を室温で攪拌させた。シクロペンタノン中のポリ(ビニルピリジン)の総重量濃度は2%であった。溶液を0.1μmのフィルタに通してろ過した。
【0099】
上述のポリ(ビニルピリジン)組成物を、100mmシリコンウェーハー上に、スピン速度2、000rpmで60秒間スピンコートした。コーティングされたウェーハーを80℃で2分間、次いで220℃で2分間焼成した。結果のポリ(ビニルピリジン)膜の厚みは0.0579μm(57.9nm)であった。次にCOC接合組成物Bを、ポリ(ビニルピリジン)膜の上に更に、スピン速度1,100rpmで60秒間スピンコートした。ウェーハーを、80℃で2分間、次いで160℃で2分間、次いで220℃で6分間焼成した。結果の膜の総厚みは約22μmであった。
【0100】
COC接合組成物B膜がウェーハーから浮き上がり離れるまで、コーティングされたウェーハーを室温で約4〜5時間1%の塩酸塩(HC1)水溶液中に浸漬した。ウェーハーは、目視観察でクリーンであったが、顕微鏡下で観察したときに、まだ幾らかの残留物が認められた。
【0101】
(実施例11)
(酢酸溶液でクリーニングされたポリ(ビニルピリジン)及びCOC接合組成物B)
実施例10と同様の方法で、同様の組成物を備えるウェーハーを準備した。コーティングされたウェーハーを、COC接合組成物B膜がウェーハーから浮き上がり離れるまで、室温で約4〜5時間50%の酢酸水溶液に浸漬した。
【0102】
酢酸溶液でクリーニングしたウェーハーは、目視観察ではクリーンであったが、顕微鏡下での観察では、まだ幾らかの残留物が認められた。
【0103】
(実施例12)
(R−リモネン、シクロペンタノン、及びイソプロパノールでクリーニングしたポリ(ビニルピリジン)及びCOC接合組成物B)
実施例10と同様の方法で、同様の調製物でコーティングされた、別のウェーハーを、室温で速度900rpmでスピン回転させ、その間、COC接合組成物B膜を除去するための第1のクリーニング溶媒としてR−リモネンを400秒間分注した。次にポリ(ビニルピリジン)ポリマー膜を除去するために、シクロペンタノンを室温でスピン速度900rpmで400秒間分注することによって更なるクリーニングを実行した。イソプロパノールを用いて、スピン速度900rpmで120秒間ウェーハーにスピンすすぎを行った。速度1200rpmで60秒間ウェーハーを回転することによって最終乾燥を実行した。このプロセスによってクリーニングされたウェーハーは目視観察では欠陥がなかった。
【0104】
(実施例13)
(R−リモネン及びイソプロパノールでクリーニングされたポリ(ビニルピリジン)及びCOC接合組成物B)
実施例10と同様の方法で、同様の調製物でコーティングされた、別のウェーハーを、室温で速度900rpmでスピン回転させ、その間、COC接合組成物B膜を除去するための第1のクリーニング溶媒としてR−リモネンを400秒間分注した。次にポリ(ビニルピリジン)ポリマー膜を除去するために、イソプロパノールを室温で400秒間スピン速度900rpmで分注することによって更なるクリーニングを実行した。速度1200rpmで60秒秒間ウェーハーを回転することによって最終乾燥を実行した。このプロセスによってクリーニングされたウェーハーは目視観察では欠陥がなかった。
【0105】
(実施例14)
(ProLIFT(R)100−16コーティング及びWaferBOND(R)HT−10.10材料)
ProLIFT(R)100−16コーティング(Brewer Science社、ミズーリ州ローラから取得)を200mmシリコンウェーハー上に、3、000rpmで90秒間スピンコートした。コーティングされたウェーハーを、120℃で90秒間、次いで205℃で90秒間焼成し、約1μmの厚みの層を生成した。WaferBOND(R)HT−10.10材料を、ProLIFT(R)100−16膜の上に更に、1、500rpmで30秒間スピンコートした。ウェーハーを120℃で2分間、次いで160℃で2分間焼成し、約16μmの厚みの層を生成した。別の200mmシリコンウェーハーをコーティングされたウェーハーと向かい合わせにして、220℃で3分間、1分間15psiの圧力下で、接合した。接合されたウェーハー対を冷却し、1分間で160℃に、そして徐々に室温まで冷却した。接合されたウェーハー対を、スライド剥離装置を用いて速度200mm/秒、温度200℃で分離した。
【0106】
剥離されたウェーハー上のコーティングは、最初に1−ドデセンをスピン速度250rpmで60秒間分注することによってクリーニングして、WaferBOND(R)HT−10.10ポリマー膜を除去し、次いでProLIFT(R)Remover(Brewer Science社、ミズーリ州ローラ、から取得)をスピン速度300rpmで10秒間分注することによって、ProLIFT(R)膜をクリーニングした。ウェーハーを速度1、400rpmで15秒間回転させることによって乾燥した。クリーニング後、ウェーハーは目視では欠陥がなかった。
【0107】
(実施例15)
(ProLIFT(R)100コーティング及びCOC接合組成物B)
ProLIFT(R)100−16コーティングを200mmシリコンウェーハー上に、3,000rpmで90秒間スピンコートした。コーティングされたウェーハーを、100℃で120秒間、次いで245℃で60秒間焼成した。実施例2からのCOC接合組成物BをProLIFT(R)100−16膜の上に更に、300rpmで5秒間スピンコートした。速度を上昇させ、ウェーハーを1,200rpmで60秒間回転させた。コーティングされたウェーハーを、60℃で60秒間、次いで80℃で60秒間、次いで220℃で120秒間焼成した。
【0108】
COC接合組成物Bポリマー膜を除去するために最初にR−リモネンを用い、次いで、ProLIFT(R)100−16膜を除去するために、PD523−AD現像剤(JSRマイクロエレクトロニクス社、カリフォルニア州サニーベル)を分注することによって、ウェーハーをクリーニングした。詳細なクリーニング手順は以下の通りであった。
(COC接合組成物Bのクリーニング)
1. R−リモネンのパッドリング:0rpmで60秒間
2. スピン除去:2、000rpmで5秒間
3. 手動でR−リモネンを分注:500rpmで60秒間
4. スピン除去:2、000rpmで5秒間
5. すすぎのために手動でイソプロパノールを分注:500rpmで30秒間
6. スピン乾燥:2、000rpmで15秒間
(ProLIFT(R)100−16コーティングのクリーニング)
1. PD523−AD現像剤のパッドリング:0rpmで20秒間
2. スピン除去:2、000rpmで5秒間
3. 手動で脱イオン水を分注:500rpmで20秒間
4. すすぎのために手動でイソプロパノールを分注:500rpmで5秒間
5. スピン乾燥:2、000rpmで15秒間
【0109】
Candela CS20ツール(KLA Tencor社、カリフォルニア州ミルピタス、から入手)を用いる欠陥検査によって、ウェーハーがクリーンであることを確認した。
【0110】
(実施例16)
(WGF300−310材料及びCOC接合組成物B)
WGF300−310材料(現像剤可溶性間隙充填組成物、Brewer Science社、ミズーリ州、ローラから入手)を200mmシリコンウェーハー上に3,000rpmで90秒間スピンコートした。コーティングされたウェーハーを100℃で120秒間、次いで245℃で60秒で焼成し、約720Åの厚みの膜を生成した。実施例2からのCOC接合組成物BをWGF300−310膜の上に更に、300rpmで5秒間スピンコートし、次いで、速度を上昇させ、ウェーハーを1,200rpmで60秒間回転させた。コーティングされたウェーハーを次に60℃で60秒間、次いで80℃で60秒間、次いで220℃で120秒間焼成した。
【0111】
最初に、COC接合組成物Bポリマー膜を除去するためにR−リモネンを用いて、次にWGF300−310膜を除去するためにPD523−AD現像剤を分注することによって、ウェーハーをクリーニングした。詳細なクリーニング手順は以下の通りであった。
(COC接合組成物Bのクリーニング)
1. R−リモネンのパッドリング:0rpmで60秒間
2. スピン除去:1、500rpmで5秒間
3. 手動でR−リモネンを分注:500rpmで60秒間
4. スピン除去:1、500rpmで5秒間
5. すすぎのために手動でイソプロパノールを分注:500rpmで0秒間
6. スピン乾燥:2、000rpmで15秒間
(WGF300−310コーティングのクリーニング)
1. PD523−AD現像剤のパッドリング:0rpmで20秒間
2. スピン除去:1、500rpmで5秒間
3. 手動で脱イオン水を分注:500rpmで20秒間
4. すすぎのために手動でイソプロパノールを分注:500rpmで5秒間
5. スピン乾燥:2、000rpmで15秒間
【0112】
Candela CS20ツールを用いる欠陥検査によって、ウェーハーがクリーンであることを確認した。
【0113】
(実施例17)
(WGF300−310材料、COC接合組成物A、及びCOC接合組成物B)
300−310材料を100mmシリコンウェーハー上に3,000rpmで90秒間スピンコートした。ウェーハーを、100℃で120秒間、次いで245℃で60秒間焼成した。WGF300−310膜の厚みは0.0632μm(63.2nm)であった。実施例1からのCOC接合組成物AをWGF300−310膜の上に更に、速度600rpmで60秒間スピンコートした。次にウェーハーを、80℃で2分間、次いで150℃で2分、次いで220℃で5分間焼成した。COC接合組成物A層の厚みは41μmであった。実施例2からのCOC接合組成物BをCOC接合組成物A膜の上に更に、速度1,400rpmで60秒間スピンコートした。ウェーハーを、80℃で2分間、次いで150℃で2分間、次いで220℃で5分間焼成した。COC接合組成物B層の厚みは8.2μmであった。
【0114】
上述のウェーハーを、最初にCOC接合組成物A及びBポリマー層を除去するために、R−リモネンに24時間浸漬することによってクリーニングした。次にWGF300−310膜をPD523−AD現像剤でクリーニングするための第2のステップを以下のように実行した。
1. PD523−AD現像剤のパッドリング:0rpmで20秒間
2. スピン除去:2,000rpmで5秒間
3. 手動で脱イオン水を分注:500rpmで20秒間
4. すすぎのために手動でイソプロパノールを分注:500rpmで5秒間
5. スピン乾燥:2,000rpmで15秒間
ウェーハーは目視観察でクリーンであった。
【0115】
(実施例18)
(ZoneBOND(TM)のエッジカットを補助するための多重層の使用)
およそ1μmの厚みのWaferBOND(R)HT−10.10の層を200mmシリコンのキャリヤーウェーハーの表面のエッジの周りの3〜5mm幅の環の上にコーティングした。このウェーハーを110℃で2分間焼成し、続いて160℃で2分間、第2の焼成を行った。フッ化シラン((ヘプタデカフルオロ−1、1、2、2−テトラヒドラデシル)トリクロロシラン、主としてC12を持つペルフルオロ化合物、3M社からFluorinertの商品名で販売)を、FC−40溶媒(3M社から取得)を用いて、1%溶液に希釈した。溶液をキャリヤーの中心部へスピンコートした。キャリヤーを加熱板上で100℃で1分間焼成し、スピンコータ内で、FC−40溶媒ですすぎ、加熱板上で100℃で更に1分間焼成した。
【0116】
別の200mmシリコンデバイスウェーハーの表面を、COC接合組成物でスピンコートによってコーティングした。このウェーハーを80℃で2分間、その後120℃で2分間、最終的に220℃で2分間焼成した。デバイス及びキャリヤーウェーハーを、向かい合わせで、加熱された真空及び圧力チャンバ内で220℃で3分間、真空下で接合した。
【0117】
このアセンブリを1−ドデセン中におよそ1時間浸漬し、キャリヤーのエッジのWaferBOND(R)HT−10.10の薄層を軟化させ、部分的に溶解させた。1−ドデセンは、実験接合接着剤の大部分に影響を与えず、WaferBOND(R)HT−10.10のみに影響を与えた。ZoneBOND(TM)分離ツールを用いて、キャリヤーをアセンブリから分離した。
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