特許第6066165号(P6066165)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6066165
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】充電スタンド
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20170116BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20170116BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20170116BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20170116BHJP
   H01M 10/46 20060101ALI20170116BHJP
   G09F 13/04 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   H02J7/00 301A
   F21V33/00 300
   F21V3/00 350
   F21V3/02 600
   H01M10/46 101
   H02J7/00 P
   G09F13/04 R
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-155098(P2012-155098)
(22)【出願日】2012年7月10日
(65)【公開番号】特開2014-18009(P2014-18009A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】508110788
【氏名又は名称】スターエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121337
【弁理士】
【氏名又は名称】藤河 恒生
(72)【発明者】
【氏名】和田 英幸
【審査官】 小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−182640(JP,A)
【文献】 特開2011−102199(JP,A)
【文献】 特開2005−005254(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3116443(JP,U)
【文献】 特開2002−313102(JP,A)
【文献】 特開2009−177996(JP,A)
【文献】 艸方窯,信楽透器(透光性陶磁器)とは,[online],2010年12月13日,[平成28年9月1日検索],インターネット<URL:http://souhougama.com/%E4%BF%A1%E6%A5%BD%E9%80%8F%E5%99%A8%EF%BC%88%E9%80%8F%E5%85%89%E6%80%A7%E9%99%B6%E7%A3%81%E5%99%A8%EF%BC%89%E3%81%A8%E3%81%AF/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00−7/12
H02J 7/34−7/36
H01M 10/42−10/48
F21V 23/00−99/00
F21V 1/00−8/00
F21V 9/00−15/04
G09F 13/00−13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の二次電池を充電用ケーブルを通して充電し得る充電スタンドであって、
大略筒状をなして直立するスタンド本体と、
前記スタンド本体に取り付けられ、前記充電用ケーブルのコネクタが差し込まれる充電用コンセントと、
前記スタンド本体の天部の上方に取り付けられる照明部と、
前記照明部の点灯制御を行う制御部と、
を備え、
前記照明部は、
照明灯と、
夜間に或いは遠くから認識し易いように、前記照明灯を覆って前記照明灯の光を透過し、家庭、会社、公共施設、宿泊施設が自身を表示する立体図柄に成形して焼成して出来上がった陶器製の照明カバーと、を有して構成され、
前記照明カバーを通して前記照明灯の光が放射されることを特徴とする充電スタンド。
【請求項2】
請求項1に記載の充電スタンドにおいて、
前記照明カバーは、それから放射される光に濃淡を付けて遠くから認識し易いように、前記立体図柄に応じた肉厚と肉薄の部分を設けて成形されていることを特徴とする充電スタンド。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の充電スタンドにおいて、
前記照明灯の光が下方に漏れて前記充電用コンセントの近傍にも放射されることを特徴とする充電スタンド。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の充電スタンドにおいて、
前記スタンド本体の天部は、該スタンド本体から分離可能な平板状の照明取付部と、該スタンド本体の他の部分と一体に形成された基部と、から構成され、
前記照明カバーは、前記照明取付部に固定され、該照明取付部が前記基部に固定されていることを特徴とする充電スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車などの充電に使用される充電スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量の二次電池とその二次電池に蓄えられた電力で動作する電動機を備え、電動機の動力を用いて走行できる電気自動車やハイブリッド自動車(以下、電気自動車等と称する)が、低公害車普及促進などの点から注目されている。この二次電池を充電するためには、100V或いは200Vの商用交流電源による電力を、充電用ケーブルを介して供給すればよいので、家庭、会社、公共施設、宿泊施設などの敷地内にも、充電用の設備を設置することが比較的容易にできる。
【0003】
このような充電用の設備として、充電スタンドが用いられることも少なくない。充電スタンドは、地面に直立して設けられ、地中に敷設した送電線から電力が供給される。このような充電スタンドは、従来のガソリン車に対応するガソリンスタンドの設備に比べて極めて簡素で小型のものである。
【0004】
充電スタンドについては、これまでに幾つかの提案がなされている。例えば、特許文献1には、地面に直立したスタンド本体の一部を形成するコンセントブロックの筐体の内天面に照明灯を設置し、筐体の内壁に設けられた充電用コンセントに充電用ケーブルのコネクタを差し込み易くすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−103287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、充電スタンドの照明部は、充電作業等に必要な照明の機能を果たす他に、夜間に或いは遠くから認識し易くするための標識、及び、家庭、会社、公共施設、宿泊施設などのイメージアップの標識としての機能を果たすのが好ましい。しかし、特許文献1を含め従来の充電スタンドでは、標識という面での配慮は殆どなされておらず、そのような面で工夫の余地が有る。
【0007】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、夜間に或いは遠くから認識し易くするための標識、及び、家庭、会社、公共施設、宿泊施設などのイメージアップの標識としての機能を十分に果たすことができる充電スタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の充電スタンドは、自動車の二次電池を充電用ケーブルを通して充電し得る充電スタンドであって、大略筒状をなして直立するスタンド本体と、前記スタンド本体に取り付けられ、前記充電用ケーブルのコネクタが差し込まれる充電用コンセントと、前記スタンド本体の天部の上方に取り付けられる照明部と、前記照明部の点灯制御を行う制御部と、を備え、前記照明部は、照明灯と、夜間に或いは遠くから認識し易いように、前記照明灯を覆って前記照明灯の光を透過し、家庭、会社、公共施設、宿泊施設が自身を表示する立体図柄に成形して焼成して出来上がった陶器製の照明カバーと、を有して構成され、前記照明カバーを通して前記照明灯の光が放射されることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の充電スタンドは、請求項1に記載の充電スタンドにおいて、前記照明カバーは、それから放射される光に濃淡を付けて遠くから認識し易いように、前記立体図柄に応じた肉厚と肉薄の部分を設けて成形されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の充電スタンドは、請求項1又は2に記載の充電スタンドにおいて、前記照明灯の光が下方に漏れて前記充電用コンセントの近傍にも放射されることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の充電スタンドは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の充電スタンドにおいて、前記スタンド本体の天部は、該スタンド本体から分離可能な平板状の照明取付部と、該スタンド本体の他の部分と一体に形成された基部と、から構成され、前記照明カバーは、前記照明取付部に固定され、該照明取付部が前記基部に固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の充電スタンドによれば、照明部は、所定の立体図柄の陶器製の照明カバーを通して照明灯の光が放射されるので、夜間に或いは遠くから認識し易くするための標識、及び、家庭、会社、公共施設、宿泊施設などのイメージアップの標識としての機能を十分に果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る充電スタンドの正面図であって、(a)が外観図、(b)が照明カバーを取り去って、かつ、スタンド本体の手前の外壁を透かして示す図である。
図2】同上の充電スタンドの右側面図であって、(a)が外観図、(b)が照明カバーを取り去って、かつ、スタンド本体の手前の外壁を透かして示す図である。
図3】同上の充電スタンドの照明部とその近傍を構成する各部の底面図であって、(a)が照明カバー、(b)がスタンド本体の天部の照明取付部、(c)がスタンド本体の天部の基部である。
図4】同上の充電スタンドの照明部とその近傍を構成する各部の変形例の底面図であって、(a)が照明カバー、(b)がスタンド本体の天部の照明取付部、(c)がスタンド本体の天部の基部である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態に係る充電スタンド1は、電気自動車等の自動車の二次電池を充電用ケーブルを通して充電し得るものであり、図1及び図2に示すように、大略筒状をなして直立するスタンド本体2と、スタンド本体2に取り付けられ、充電用ケーブルCAのコネクタCCが差し込まれる充電用コンセント3と、スタンド本体2の天部21の上方に取り付けられる照明部4と、照明部4の点灯制御を行う制御部5を備えている。なお、図2(b)においては、充電用ケーブルCAとそのコネクタCCの例を破線で示している。
【0015】
スタンド本体2は、大略筒状をなしておれば、形状が限定されるものではなく、例えば、略角筒状のものや略円筒状のものが可能である。スタンド本体2の天部21は、スタンド本体2の上端を閉塞するものであり、照明部4が取り付け可能ならば、形状が限定されるものではないが、後述するように、照明部4を取り付けるために、スタンド本体2から分離可能な平板状の照明取付部21aと、スタンド本体2の他の部分と一体に形成された基部21bと、から構成されるようにできる。
【0016】
充電用コンセント3には、地中に敷設した送電線51の100V又は200Vの商用交流電源の電力が内部の配線(図示せず)を介して供給される。充電用コンセント3は、スタンド本体2の内側に取り付けられている。充電用ケーブルCAのコネクタCCは、スタンド本体2の側面に取り付けられている扉22を開いて、その中に入れられ、充電用コンセント3に差し込まれる。この扉22には、鍵22aを設けて、長時間充電するとき或いは充電用コンセント3を使用しないときには、鍵をかけることができる。また、扉22に、下部が開口する突起部22bを設けて、図2(b)に示すように、扉22を閉じても充電用ケーブルCAが引き出せるようにすることができる。
【0017】
照明部4は、照明灯41と、それを覆う照明カバー42と、を有して構成されている。照明灯41の光は、照明カバー42を通して放射される。
【0018】
照明灯41は、その形状等が特に限定されるものではないが、公知の電球型LEDを用いることができる。照明灯41の光量は、周囲の状況に合わせて選択されるが、例えば、60W電球相当が可能である。
【0019】
照明カバー42は、照明灯41の光を透過する所定の立体図柄の陶器製のものである。この照明カバー42は、底部に開口部42aが設けられており(図3(a)参照)、そこから照明灯41が挿入される。照明カバー42は、陶器製であるので、家庭、会社、公共施設、宿泊施設などが自身を良好に表示する立体図柄のものを、一品製作物或いは少量多品種物として容易に製作できる。立体図柄は、会社、公共施設、宿泊施設などならば、そのシンボルキャラクタとすることができる。例えば、滋賀県の信楽地方ゆかりの会社、公共施設、宿泊施設などならば、図1(a)及び図2(a)に示すようなたぬきの立体図柄とすることもできる。照明カバー42は、陶器製であるので、長年、変質することもなく雨風に対して耐えることができる。
【0020】
陶器製の照明カバー42は、所定の練り土を所定の立体図柄に成形し、焼成して出来上がる。この所定の練り土は、出来上がった照明カバー42が照明灯41の光を透過するようにするために、例えば、特開2011−102199に記載されているような練り土を用いることができる。すなわち、この練り土は、粒子径が5〜70μm程度の石英ガラス粉末の骨材と、この骨材を保持するためのバインダーと、粘土等と、を含有しており、骨材の割合が40〜70重量%となっているものを用いることができる。陶器製の照明カバー42は、厚みが例えば10〜20mm程度として、光を十分に透過するものとすることができる。なお、出来上がった照明カバー42が照明灯41の光を透過できれば、練り土は限定されるものではない。
【0021】
照明部4をスタンド本体2の天部21に取り付ける方法としては、特に限定されるものではないが、簡便な方法として以下の方法が可能である。すなわち、天部21を、上述したように照明取付部21aと基部21bとから構成されるようにする。そして、照明取付部21aに、図1(b)及び図2(b)に示すように、ソケット41Aを固定し、そのソケット41Aに照明灯41を装着する。そして、照明カバー42を照明取付部21aに固定し、この照明取付部21aを基部21bに重ねて配置し固定する。
【0022】
なお、詳細には、図1(b)及び図2(b)に示すように、ソケット41Aは、ソケット固定部材21aaによって照明取付部21aに固定される。また、図3(a)、(b)に示すように、照明カバー42を照明取付部21aに固定するために、照明カバー42には複数の貫通孔42bが形成されており、照明取付部21aには、照明カバー42の複数の貫通孔42bに対応する位置に複数の貫通孔21abが形成されている。貫通孔42bと貫通孔21abに上方からボルトを通しそのボルトにナットを螺合させて締結する。また、図3(b)、(c)に示すように、照明取付部21aを基部21bに固定するために、照明取付部21aには複数のねじ孔21acが形成されており、基部21bには、照明取付部21aの複数のねじ孔21acに対応する位置に複数の貫通孔21baが形成されている。貫通孔21baに下方からボルトを通し、ねじ孔21acに螺合させて締結する。図3(b)の符号21adはソケット41Aにつながれる配線が通る照明取付部21aの貫通孔であり、図3(c)の符号21bbは、基部21bの中央貫通孔である。
【0023】
また、照明灯41の光が下方に漏れて充電用コンセント3の近傍にも放射されるようにすることも可能である。例えば、照明カバー42の開口部42a、照明取付部21aの貫通孔21ad、及び基部21bの中央貫通孔21bbを、照明灯41の光が下方に十分に漏れるような大きさにする。また、例えば、スタンド本体2の天部21及び/又は照明カバー42の底部に光通過窓部を形成することも可能である。具体的には、図4に例示するように、照明取付部21aと照明カバー42の底部に、その一部を切り取ることで光通過窓部21ae、42cを形成することができる。このようにして、照明灯41の光が下方に漏れて充電用コンセント3の近傍にも放射されるようにすると、別に光源を設けることなく、充電用コンセント3に充電用ケーブルCAのコネクタCCを差し込む作業をし易くできる。
【0024】
以上説明した照明部4は、所定の立体図柄の陶器製の照明カバー42を通して照明灯41の光が放射されるので、夜間に或いは遠くから認識し易くするための標識、及び、家庭、会社、公共施設、宿泊施設などのイメージアップの標識としての機能を十分に果たすことができる。照明灯41の光は、陶器製の照明カバー42により程良く拡散されており、景観として周囲と調和し易い。
【0025】
照明カバー42は、それから放射される光に濃淡を付けて遠くから図柄を認識し易くするために、立体図柄に応じた肉厚と肉薄の部分を設けて上記の練り土を成形するも可能である。或いは、上記の練り土と通常の練り土を組み合わせて成形することによって、照明カバー42から放射される光に濃淡を付けることも可能である。
【0026】
制御部5には、地中に敷設した送電線51がスタンド本体2の底部から引き入れられて、100V又は200Vの商用交流電源の電力が伝送される。制御部5は、直流電圧(例えば、24V)への変換器52が設けられ、その直流電圧を用いて、照明部4(すなわち、照明灯41)の点灯制御やその他の各部の必要な制御が行われる。
【0027】
この制御部5は、充電中には照明灯41が点滅(例えば、点灯時間が1秒で消灯時間が5秒の点滅を)するようにできる。こうすると、充電スタンド1を使用して充電していることが遠方からでも分かる。また、夜間充電スイッチ53を充電用コンセント3の付近などに設けて、それを押してオン状態にすると、電気料金が割安な所定の夜間時間(例えば、午後11時から午前7時までの時間)のみに充電するように制御することもできる。また、モード切り替えスイッチ54を設けて、充電中以外において、夕方から朝方までの季節に応じた所定の時間帯に点灯し続けるモードと、消灯するモード(エコ点灯モード)と、を選択可能なように制御することもできる。
【0028】
以上、本発明の実施形態である充電スタンドについて説明したが、本発明は、実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 充電スタンド
2 スタンド本体
21 スタンド本体の天部
21a スタンド本体の天部の照明取付部
21b スタンド本体の天部の基部
3 充電用コンセント
4 照明部
41 照明灯
42 照明カバー
5 制御部
図1
図2
図3
図4