(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6066242
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】ゴミ箱
(51)【国際特許分類】
B65F 1/14 20060101AFI20170116BHJP
B65F 1/00 20060101ALI20170116BHJP
B65F 1/16 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
B65F1/14 A
B65F1/00 A
B65F1/16
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-27012(P2016-27012)
(22)【出願日】2016年2月16日
【審査請求日】2016年2月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516048596
【氏名又は名称】有限会社片山油店
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】片山 寛史
【審査官】
金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−191702(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3138978(JP,U)
【文献】
実開平03−049202(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3089535(JP,U)
【文献】
実公昭10−009583(JP,Y1)
【文献】
実開昭62−164205(JP,U)
【文献】
特開2011−073861(JP,A)
【文献】
特開昭51−097266(JP,A)
【文献】
実開平05−068903(JP,U)
【文献】
実開平03−022740(JP,U)
【文献】
実開昭59−057401(JP,U)
【文献】
実開昭59−116303(JP,U)
【文献】
実開昭63−004904(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/14
B65F 1/00
B65F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱本体、開閉蓋、及び、ゴミ袋係止具を備え、
前記箱本体は天板を有するが底板を有していない縦長の立方体形状の筒形であって、前面に前面の横幅全長に亘り上端から2/3程度に達する範囲に形成された開口部を有し、
前記開閉蓋は、前記箱本体の開口部を開閉し、下端縁が前記開口部の下端に回動自在に連結されて、外面側へ倒れて開き、
前記ゴミ袋係止具は、洗濯バサミ形であって、前記開閉蓋の内面上部の両側及び前記箱本体の後壁内面の上部両側にそれぞれ取り付けられており、
前記箱本体の天板が開閉可能である
ことを特徴とするゴミ箱。
【請求項2】
箱本体と開閉蓋の上端部とを開度制限部材で連結したことを特徴とする請求項1に記載のゴミ箱。
【請求項3】
前記箱本体の前上部に、前記開閉蓋を閉鎖状態に維持する留め具を設けてあることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴミ箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部にゴミ袋を開口した状態で収納し、ゴミ袋内にゴミを投入するゴミ箱に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴミ箱内に直接ゴミを捨てると、ゴミ箱の内面が汚れてしまい、また、ゴミ出しの際にゴミをゴミ袋に移し替えるのが面倒なので、ゴミ箱の内部にゴミ袋を開口した状態で収納し、ゴミ箱内のゴミ袋にゴミを投入することが行なわれている。
特許文献1には、上面が開口したゴミ箱本体に、上面の開口部を開閉する蓋が回動自在に取り付けられて成るゴミ箱が開示されている。
このようなゴミ箱にゴミ袋を収納するには、通常、ゴミ袋の口を開いてゴミ袋本体の上端に引っ掛けるだけなので、ゴミ袋が外れやすく、また、蓋を大きく開かないとゴミ箱内部を確認し難いので、ゴミ袋が外れたことに気づかず、ゴミをゴミ袋の外に投入してしまう虞があった。
【0003】
また、特許文献2には、ペダル操作で蓋体が開閉されるペダル付きゴミ箱の蓋開閉手段に、収納するゴミ袋の口を開閉するゴミ袋開閉手段を連結し、蓋体を開けた時にゴミ袋の口が開き、蓋体が閉じている時はゴミ袋の口も閉じて、悪臭を防ぐゴミ箱が記載されている。
しかし、このゴミ箱のゴミ袋開閉手段は、多数の部品を組み合わせた非常に複雑な構造を有するので、コストが高くついて、日用品としては適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−152006号公報
【特許文献2】特開2005−132556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、収納されたゴミ袋をしっかり支持することができ、また、開閉蓋を小さく開けるだけで、ゴミ袋内に簡単にゴミを投入することができる、構造が簡単なゴミ箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゴミ箱は、上記課題を解決するために、箱本体、開閉蓋、及び、ゴミ袋係止具を備える。前記箱本体は底板がなく天板を有する
縦長の立方体形状の筒形であり前面に
前面の横幅全長に亘り上端から2/3程度に達する範囲に形成された開口部を有する。前記開閉蓋は、前記箱本体の開口部を開閉し、下端縁が前記開口部の下端に回動自在に連結されて、外面側へ倒れて開く。前記ゴミ袋係止具は、前記開閉蓋の内面上部の両側及び前記箱本体の奥上部の両側にそれぞれ取り付けられている。
開閉蓋の開き状態を所定の限度に制限するために箱本体と開閉蓋の上端部をチェーンや紐あるいは折り畳みリンク機構などの開度制限部材で連結することがある。
開閉蓋を閉じ状態に維持し、また、開き操作が簡単な閉鎖手段を設ける。例えば、前記箱本体の前上部に、前記開閉蓋を閉鎖状態に維持する留め具を設ける。
前記箱本体の天板は開閉可能とするのが好ましい。
上記のゴミ箱を複数個分として分別収納用とすることもできる。
【発明の効果】
【0007】
本願の発明によれば、ゴミ箱内部にゴミ袋を収納し、ゴミ袋係止具にゴミ袋の袋口(開口部)を係止しておけば、ゴミ袋が開口して起立した状態で支持されるので、ゴミがゴミ袋の外側に落ちる心配がない。
また、開閉蓋を開いた時にゴミ袋の開口部も一緒に開くため、簡単にゴミ袋内にゴミを投入することができる。また、開閉蓋を開く程度は小さくて済むので、美感を損なわず、悪臭も漏れ出し難い。
開閉蓋の開く限度
を制限
することで、開閉蓋が開きすぎてゴミ袋が破れてしまったり、開いた開閉蓋が箱本体に衝突して大きな音を発したりする自体を避けることができる。開閉蓋の開き限度は、チェーン(開度制限部材)
などの長さを変えることにより調整できる。
開閉蓋に留め具を設ければ、開閉蓋を確実な閉鎖状態に維持し、開閉蓋が風にあおられてバタバタしたり、開いたままになっ
たりして不衛生な状態となることを防止できる。
箱本体の天板を開閉可能とすることで、ゴミ袋の脱着が箱本体に対して上下方向となるのでゴミ袋を出し入れし易い。また、ゴミ袋の袋口を開閉蓋の内面上部のゴミ袋係止具と箱本体の後壁内面の上部とに取付け易い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例を示すゴミ箱の斜視図である。
【
図2】本発明の実施例を示すゴミ箱の開閉蓋開放時における断面図である。
【
図3】本発明の実施例を示すゴミ箱の平面図である。
【
図5】本発明の実施例を示すゴミ箱の正面図である。
【
図6】本発明の実施例を示すゴミ箱の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び
図2に示すように、本発明のゴミ箱1は、箱本体2、開閉蓋3、及びゴミ袋係止具4を備える。
箱本体2は、外観が縦長の立方体形状で天板を有するが底板は有していない
縦長の立方体形状の筒形であり、前面に開口部5が形成されている。
開口部5は、箱本体2の前面の横幅全長に亘り、且つ、この実施例においては上端から2/3程度の高さに達する範囲に形成されている。
箱本体2の上面を閉鎖する天板6は、箱本体2の上に載置されると共に、その後端が箱本体2の後壁上端に左右一対の蝶番7を介して枢着され、前端部を上方へ引き上げることにより箱本体2の上端全体を開放できるようになっている(
図2及び
図3参照)。
【0010】
図1及び
図5に示すように、開閉蓋3は、箱本体2の前方である開口部5に嵌り込む形で開口部5を開閉する。開閉蓋3の下端縁は開口部5の下端に左右一対の蝶番7’を介して回動自在に連結されている。したがって、開閉蓋3は下辺を回動軸として外面側へ倒れて開くようになっている。
開閉蓋3の内面の一側上部には開度制限部材としてのチェーン8の一端部が固定され、チェーン8の他端部は、箱本体2の内面において一側の側壁上部に取付けたフック9に取付けられている(
図2)。
従って、開閉蓋3は、チェーン8によって開く角度が規制され、チェーン8の長さを変えることにより、開く角度を調節することができる。
【0011】
開閉蓋3の外面上部には取っ手10が設けられ、開閉蓋3の上端一隅は角取りするように切欠部11が形成されている。
箱本体2の前方である開口の上部には、開閉蓋3の前記切欠部11に適合して嵌合可能な固定部12が設けられ、固定部12の外面に留め具13が取り付けられる。留め具13の長さは、切欠部11の上下寸法よりやや大としてある。また、留め具13の一端部は、前後方向に延びる軸14を介して固定部12に取り付けられ、留め具13が軸14を中心として回転するようになっている。
従って、留め具13を手で外側方へ回転させて、箱本体2の前面から退避させれば、開閉蓋3を開閉することができ、開閉蓋3を閉じた後、留め具13を降ろせば、
図5及び
図6に示すように、留め具13の下端部が開閉蓋3の外面に引っ掛かって、開閉蓋3は閉鎖状態に維持される。
【0012】
図2及び
図4に示すように、開閉蓋3の内面上部の両側、及び、箱本体2の後壁内面の上部両側にそれぞれゴミ袋係止具4を取り付けてある。本実施例では、ゴミ袋係止具4は洗濯バサミ形であり、開閉蓋3及び箱本体2の内面に固定したフック9’に着脱可能に引っ掛けてある。なお、ゴミ袋Aの前記袋口を前後方向で開閉できるように、箱本体2の左右両側の側壁内面にはゴミ袋係止具4を設けない。
ゴミ袋係止具4は例えば市販の洗濯バサミを利用することができ、着脱可能に取り付けられているので、破損しても簡単に交換できる。
【0013】
ゴミ箱1にゴミ袋Aを収納するには、天板6を開いて、上方から箱本体2内にゴミ袋Aを収納し、ゴミ袋Aの上端である袋口を開いた状態で、上端部の4カ所をゴミ袋係止具4に係止する。ゴミ袋Aをセットしたら天板6を閉じる(
図4)。
ゴミ袋Aのセットは、天板6を開けて上方からゴミ袋Aを落とし込んで袋口の前方と後方をゴミ袋係止具4に係止するだけなので簡単にセットできる。また、ゴミ箱1からゴミ袋Aを取り出すときは、袋口を固定しているごみ袋係止具4を取り外して上方へ持ちあげるだけであるからこの操作も簡単であり、しかも、内部のゴミに触れることなく回収することができる。
ゴミ袋A内にゴミを投入する際には、留め具13を操作してから、
図1及び
図2に示すように、取っ手10を持って開閉蓋3を手前へ倒す。開閉蓋3はチェーン8で規制された角度まで開く。このとき、ゴミ袋Aは前記のように、左右両側が固定されておらず、袋口の上端部前方は開閉蓋3に固定されているので、袋口は開閉蓋3が手前に倒されると同時に手前に引っ張られて開く。このようして、ゴミ袋Aの内部にゴミを投入することができる。
開閉蓋3が開かれるとその内面はゴミ箱1の内部へ向かう下降傾斜となり、また、ゴミ袋Aの袋口もこの部分ではゴミ箱1の内部へ向かう下降傾斜となるので、投入されたゴミはゴミ袋Aの内部へ自然に案内され、ゴミが確実にゴミ袋A内に収納される。
【0014】
なお、本発明のゴミ箱1の構造は、上記実施例に限定されない。
開閉蓋3を閉鎖状態に維持する留め具13は、開閉蓋3の内面及び箱本体2の前部に装着した磁石、あるいは、押し当てることにより互いに弾性係合するスナップ係合金具であってもよい。
開閉蓋3と箱本体2をバネで連結して開閉蓋3を閉鎖方向に付勢し、開閉蓋3の閉じ状態を前記バネで維持する構造としてもよい。バネの弾力は開閉蓋3を軽く操作できる程度とする。
開閉蓋3は箱本体2の底部に蝶番を備えて、箱本体2の前面全部が手前に開くようにしても良い。
ゴミ袋の上端部を係止するゴミ袋係止具としては、書類を挟むクリップ等、クリップ形のものを用いることもできる。
そして、このようなゴミ箱の複数個を一体化して分別収納用(例えば、可燃ゴミと不燃ゴミ、一般ゴミと生ゴミ)としてもよい。
一体化の形態としては、独立した前記のゴミ箱を複数個一体に結合してもよいし、複数個分の大きさを備えた箱本体の内部を隔壁で平行に仕切ってそれぞれに開閉蓋を取付け、区画されたそれぞれの空間を前記構成を備えた個々のゴミ箱としても良い。
あるいは、複数個分の大きさを備えた箱本体の内部に隔壁はなく、共通の天板と個々の開閉蓋3を備えたゴミ箱とすることができる。この場合、箱本体2の内部に複数のゴミ袋Aを配置し、それぞれの袋口を前記同様後壁の内面上部と開閉蓋3の内面上部に固定にした構造とする。天板は共通に開閉されるが、ゴミを投入するときは適切な開閉蓋3を個々に開いてゴミを分別収納することができる。
【符号の説明】
【0015】
A ゴミ袋
1 ゴミ箱
2 箱本体
3 開閉蓋
4 ゴミ袋係止具
5 開口部
6 天板
7,7’ 蝶番
8 チェーン(開度制限部材)
9,9’ フック
10 取っ手
11 切欠部
12 固定部
13 留め具
14 軸
【要約】
【課題】収納されたゴミ袋をしっかり支持することができ、開閉蓋を小さく開けるだけで、ゴミ袋内に簡単にゴミを投入することができ、構造が簡単なゴミ箱を提供すること。
【解決手段】箱本体2、開閉蓋3、及び、ゴミ袋係止具4を備え、箱本体2は前面に開口部5を有し、開閉蓋3は、箱本体2の開口部5を開閉し、下端縁が開口部5の下端に回動自在に連結されて、外面側へ倒れて開き、ゴミ袋係止具4は、開閉蓋3の内面上部の両側及び箱本体2の奥上部の両側にそれぞれ取り付けられる。
【選択図】
図2