特許第6066308号(P6066308)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6066308
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20170116BHJP
   B29C 59/02 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   H01L21/30 502D
   B29C59/02 Z
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-58669(P2013-58669)
(22)【出願日】2013年3月21日
(65)【公開番号】特開2014-183298(P2014-183298A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2015年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松島 竹夫
【審査官】 松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−114451(JP,A)
【文献】 特開2008−183810(JP,A)
【文献】 特開2006−267713(JP,A)
【文献】 特開2006−285042(JP,A)
【文献】 特開2007−304563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/00
G03B 21/00−21/10、21/12−21/13、
21/134−21/30、33/00−33/16
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被照射物に対して光を照射するインプリント用の光源装置であって、
第1発光部及び第2発光部を含む光源と、
前記第1発光部及び前記第2発光部に対して各別に光量調整可能な制御部と、
ロッドインテグレータを複数備えてなるロッドインテグレータ群を有し、
前記ロッドインテグレータ群は、第1ロッドインテグレータと、前記第1ロッドインテグレータの外周を取り囲むように形成された第2ロッドインテグレータを含み、
前記第1ロッドインテグレータは、前記第1発光部から出射された光を取り込んで前記被照射物の第1照射領域に対して光を照射し、
前記第2ロッドインテグレータは、前記第2発光部から出射された光を取り込んで前記被照射物の前記第1照射領域とは異なる第2照射領域に対して光を照射する構成であり、
前記第2ロッドインテグレータは、前記第1ロッドインテグレータの同心軸上に形成されており、
前記第1ロッドインテグレータは、柱形状であり、
前記第2ロッドインテグレータは、環柱形状であることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記第1ロッドインテグレータは、円柱又は楕円柱形状であり、
前記第2ロッドインテグレータは、円環柱又は楕円環柱形状であることを特徴とする請求項に記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光源装置に関し、特にインプリント法によって加工対象物に対して凹凸構造を形成する際に利用される光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微細な凹凸構造を製造する方法として、インプリント法が知られている(例えば、特許文献1参照)。加工対象物たる基材の上面にUV硬化性樹脂を形成した状態で、成形したい型(金型)を基材に押し付ける。そして、UV光をこの加工対象物と金型に対して照射することで、基材上に金型の凹凸構造とは反対の凹凸構造が形成される。このとき、UV光の光源としてLEDが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−171366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、加工対象物たる基材及び型の双方の面が平面形状のものが想定されている。このため、光源から均一強度の光が出射されていれば、加工対象物の対象面、より詳細にはUV硬化性樹脂に対して、均一な照度の光が照射される。
【0005】
しかし、この技術をレンズ面への凹凸構造の形成に適用しようとした場合には、以下の問題が生じる。図1は、インプリント技術を用いてレンズ面に対して凹凸構造を形成する場合の模式的概念図である。
【0006】
レンズ25は、両面又は片面に曲面を有する構成が一般的である。この曲面上に凹凸を形成するためには、この対象面に押し当てる側の型23の面もまた曲面に沿った構成となる。このとき、加工対象物たるレンズ25上に形成された樹脂27も、曲面上に形成されることになり、この結果、レンズ25上の位置に応じて、光源21から放射される光線(各発光部からレンズ25に向かう直進性の高い光線)が樹脂27に入射される角度、光源21から樹脂27までの光の直進成分に沿った距離、樹脂27の光の直進成分に沿った厚みが位置に応じて異なってしまう。
【0007】
この状態で、光源21から均一な光量の光が出射された場合、位置に応じては樹脂27を硬化させるのに十分な光量が照射されず、処理ムラ(樹脂硬化ムラ)が生じてしまうという課題があった。
【0008】
また、型23やレンズ25が曲面(凹面又は凸面)を有している場合、光の入射面や出射面が曲面で形成されていると、この曲面において光が屈折して光の向きが曲げられる。このことも、位置に応じて樹脂27に対して照射される光量を変化させる要因となっていた。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑み、加工対象物の形状に関係なく、位置に応じた処理ムラが生じないように加工対象物に対するインプリント加工を施すことの可能な光源装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、被照射物に対して光を照射するインプリント用の光源装置であって、
第1発光部及び第2発光部を含む光源と、
前記第1発光部及び前記第2発光部に対して各別に光量調整可能な制御部と、
ロッドインテグレータを複数備えてなるロッドインテグレータ群を有し、
前記ロッドインテグレータ群は、第1ロッドインテグレータと、前記第1ロッドインテグレータの外周を取り囲むように形成された第2ロッドインテグレータを含み、
前記第1ロッドインテグレータは、前記第1発光部から出射された光を取り込んで前記被照射物の第1照射領域に対して光を照射し、
前記第2ロッドインテグレータは、前記第2発光部から出射された光を取り込んで前記被照射物の前記第1照射領域とは異なる第2照射領域に対して光を照射する構成であることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、第1ロッドインテグレータの出射面からの出射光量と、第2ロッドインテグレータの出射面からの出射光量は、それぞれ制御部によって各別に制御が可能な構成である。そして、第1ロットインテグレータから出射される光は、照度が均一な状態で被照射面の第1照射領域に照射され、同様に、第2ロッドインテグレータから出射される光は、照度が均一な状態で被照射面の第2照射領域に照射される。
【0012】
つまり、被照射面の異なる照射領域毎に、同一照射領域内の照度を均一に保ったまま、照射光量の調整を行うことができる。
【0013】
ここで、第2ロットインテグレータは、第1ロッドインテグレータの外周を取り囲むように形成されている。これにより、第2ロッドインテグレータからの出射光が照射される第2照射領域は、被照射面上において、第1ロッドインテグレータからの出射光が照射される第1照射領域の外側に位置される。つまり、被照射面の内側と外側において、各照射領域内の照度を一定にしつつ、その照射光量を調整することができる。
【0014】
例えば、本装置を、レンズ表面のインプリント加工に利用する場合を想定する。この時、レンズは曲面で構成されているため、内側と外側で被照射面の光源に対する傾きが異なる。このような場合に、当該傾きに応じて第1発光部と第2発光部の光量を調整することで、被照射面の全体に対して処理に必要な光量の光を照射させることが可能である。
【0015】
光量の調整としては、第1発光部や第2発光部から放射される光量に差異を設ける方法の他、発光時間に差異を設ける方法や、これらを組み合わせる方法が採用され得る。
【0016】
なお、上記構成において、前記第2ロッドインテグレータを、前記第1ロッドインテグレータの同心軸上に形成するものとしても構わない。
【0017】
更には、前記第1ロッドインテグレータを円柱又は楕円柱形状で形成し、
前記第2ロッドインテグレータを円環柱又は楕円環柱形状で形成するものとしても構わない。
【0018】
ロッドインテグレータ群は、第1ロッドインテグレータを取り囲む環状の第2ロッドインテグレータを複数備える構成としても構わない。この場合、各第2ロッドインテグレータに対して光を入射させるための第2発光部を、第2ロッドインテグレータの数に対応させて備える。
【0019】
つまり、前記光源は、複数の前記第2発光部を備え、
前記制御部は、複数の前記第2発光部のそれぞれに対して、各別に光量調整可能な構成であり、
前記ロッドインテグレータ群は、それぞれが前記第1ロッドインテグレータの外周を取り囲むように形成された複数の前記第2ロッドインテグレータを備え、
複数の前記第2ロッドインテグレータのそれぞれは、異なった前記第2発光部から出射された光を取り込んで、異なった前記第2照射領域に対して光を照射する構成であることを別の特徴とする。
【0020】
この構成とした場合、複数の第2ロッドインテグレータから出射される光は、それぞれ照度が均一な状態で、被照射面の異なる第2照射領域に照射される。つまり、照射光量の調整が可能な照射領域数を増加させることができる。これにより、より細かい照射光量の調整が可能となる。
【0021】
なお、この場合には、被照射物の照射面上において、複数の第2ロッドインテグレータそれぞれの出射光が照射される各第2照射領域のそれぞれは、被照射面上において、第1ロッドインテグレータからの光が照射される第1照射領域の外側に位置される。つまり、第1照射領域の外側に、一の第2照射領域が形成され、その外側に別の第2照射領域が形成され、以下、第2ロッドインテグレータの数に応じた数だけその外側に別の第2照射領域が形成される構成となる。これによって、被照射面の内側と外側において、各照射領域内の照度を位置しつつ、その照射光量を細かく調整することができる。
【0022】
上記の構成に加えて、ロッドインテグレータ群と被照射物の間に投影光学系を備える構成としても構わない。
【0023】
すなわち、前記ロッドインテグレータ群から出射された光を前記被照射物に投影する投影光学系を備え、
前記第1ロッドインテグレータから出射された光は、前記投影光学系を介して前記第1照射領域に投影され、
前記第2ロッドインテグレータから出射された光は、前記投影光学系を介して前記第2照射領域に投影されることを別の特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、ロッドインテグレータ群と被照射物の間に一定の距離を確保しつつも、被照射物に対して、被照射面の異なる照射領域毎に、同一照射領域内の照度を均一に保ったまま、照射光量の調整を行うことができる。
【0025】
なお、上記構成において、前記第1発光部及び前記第2発光部をLEDで構成しても構わない。特に、UV硬化性樹脂を用いて被照射物に対する加工を施す場合には、UV−LEDで構成することが可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明の構成によれば、被照射面の異なる照射領域毎に、同一照射領域内の照度を均一に保ったまま、照射光量の調整を行うことができる。よって、被照射面が平面形状でないことに由来して、光源から加工対象物までの距離や加工対象物自体の厚みが当該面内で異なっていたとしても、第1発光部や第2発光部から出射される光量を調整することで、照射領域毎に要求される光量を照射させることが可能となる。よって、面の位置によらずに過不足なく光を照射して処理を完遂させることができる。これにより、処理ムラを回避するために無用に光照射時間を長くしたり過剰な照射光量の光を照射したりすることなく、高効率に所定の処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】インプリント技術を用いてレンズ面に対して凹凸構造を形成する場合の模式的概念図である。
図2】光源装置の光学系の構成を示す模式図である。
図3】光源の構成を示す模式図である。
図4】被照射物の照射領域の光強度の分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の光源装置につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
【0029】
図2は光源装置の光学系の構成を示す模式図である。光源装置1は、光源2、ロッドインテグレータ群3、制御部4、及び投影光学系5を備える。
【0030】
光源2は、複数の発光部(本実施形態では「LED素子」とする。)を備える。図3は、光源2の構成を示す模式図である。光源2は、基板10上に複数のLED素子21が配列されて構成されている。複数のLED素子21は、領域別に発光部31,発光部32a,発光部32b,発光部32cを構成している。なお、発光部31が「第1発光部」に対応し、発光部32a,発光部32b,発光部32cを含む発光部32が「第2発光部」に対応する。
【0031】
制御部4は、光源2を構成する各発光部(31,32)の光量の調整を行う。より具体的には、各発光部31,32a,32b,32cに対して、各発光部単位でそれぞれ光量の調整を行うことができる。例えば、制御部4は、発光部31からの光量のみを増加させたり、発光部32aからの光量のみを減少させたりすることが可能である。つまり、同一発光部を構成している複数のLED素子21に対しては、共通の光量制御が行われるものとして構わない。
【0032】
ロッドインテグレータ群3は、複数のロッドインテグレータ(11,12a,12b,12c)を備える。なお、ロッドインテグレータ11が「第1ロッドインテグレータ」に対応し、ロッドインテグレータ12a,ロッドインテグレータ12b,ロッドインテグレータ12cを含むロッドインテグレータ12が「第2ロッドインテグレータ」に対応する。
【0033】
本実施形態では、ロッドインテグレータ11が円柱形状を示し、各ロッドインテグレータ12が、ロッドインテグレータ11の外周を取り囲むように、ロッドインテグレータ11と同心軸上の円環柱状を示す構成としている。より詳細には、ロッドインテグレータ12aが、ロッドインテグレータ11の外周を取り囲むような円環柱状で構成され、ロッドインテグレータ12bが、更にロッドインテグレータ12aの外周を取り囲むような円環柱状で構成され、ロッドインテグレータ12cが、更にロッドインテグレータ12bの外周を取り囲むような円環柱状で構成される。
【0034】
ただし、ロッドインテグレータ11は、矩形柱状又は多角形柱状でも構わないし、楕円柱状でも構わない。この場合、各ロッドインテグレータ12は、ロッドインテグレータ11の形状に応じた形状の環柱状としてよい。
【0035】
各ロッドインテグレータ(11,12)は、入射された光の出射面での照度を均一化する機能を有する。また、各ロッドインテグレータ(11,12)は、光が入射される入射元の発光部(31,32)が異なる。
【0036】
すなわち、本実施形態の構成では、ロッドインテグレータ11は、発光部31から出射された光が取り込まれ、出射面11z上での照度が均一化される(図2及び図3参照)。ロッドインテグレータ12aは、発光部32aから出射された光が取り込まれ、出射面12azでの照度が均一化される。ロッドインテグレータ12bは、発光部32bから出射された光が取り込まれ、出射面12bzでの照度が均一化される。ロッドインテグレータ12cは、発光部32cから出射された光が取り込まれ、出射面12czでの照度が均一化される。
【0037】
更に、各ロッドインテグレータ(11,12)は、それぞれが異なる領域に対して光を照射する。より具体的には、ロッドインテグレータ11からの出射光は、投影光学系5を介して被照射物6の照射領域15に投影される。ロッドインテグレータ12aからの出射光は、投影光学系5を介して被照射物6の照射領域16aに投影される。ロッドインテグレータ12bからの出射光は、投影光学系5を介して被照射物6の照射領域16bに投影される。ロッドインテグレータ12cからの出射光は、投影光学系5を介して被照射物6の照射領域16cに投影される。なお、照射領域15が「第1照射領域」に対応し、照射領域16a,照射領域16b,照射領域16cを含む照射領域16が「第2照射領域」に対応する。
【0038】
図4は、被照射物6の照射領域の光強度の分布を示す図である。図4(a)は、被照射物6の各照射領域を模式的に示したものであり、図4(b)及び図4(c)は、各発光部(31,32)からの光量を異ならせた場合の、図4(a)の線A−A上における各照射領域での光強度の分布を示したものである。
【0039】
より詳細には、図4(b)は、制御部4によって、発光部31からの光量を最も多くし、発光部32a,32b,32cの順に発光光量が少なくなるように制御した場合の光強度分布である(図3参照)。また、図4(c)は、図4(b)とは逆に、制御部4によって、発光部31からの光量を最も少なくし、発光部32a,32b,32cの順に発光光量が多くなるように制御した場合の光強度分布である(図3参照)。
【0040】
図4(b)によれば、照射領域15の照度が最も高く、照射領域16a,16b,16cの順に照度が低くなっている。つまり、この場合、被照射物6に対して内側に行くほど照射光量が高く、外側に行くほど照射光量が低くなるように設定されている。
【0041】
また、図4(c)によれば、照射領域15の照度が最も低く、照射領域16a,16b,16cの順に照度が高くなっている。つまり、この場合、被照射物6に対して内側に行くほど照射光量が低く、外側に行くほど照射光量が高くなるように設定されている。
【0042】
以上により、制御部4によって各発光部(31,32)の発光光量を調整することで、被照射物6に対して、照射領域毎に照射光量を調整できることが分かる。従って、処理領域の位置に応じて、その領域に必要な照射光量の光を照射することができるので、処理ムラを回避するために無用に光照射時間を長くして、過剰に光を照射することなく、効率的に所定の処理を完遂させることができる。
【0043】
光源装置1を、図1に示したようにレンズ表面のインプリント加工に利用する場合を想定する。この場合、被照射物6は、加工対象面に樹脂27が形成されたレンズ25及び加工対象形状を有する型23を含む構成となる。このとき、加工対象面はレンズ25由来の曲面を有するため、内側と外側で、被照射面の光源2に対する傾きが異なる。このような場合に、当該傾きに応じて制御部4によって各発光部(31,32)の光量を調整することで、被照射面の全体に対して処理に必要な光量の光を照射させることが可能である。
【0044】
また、各ロッドインテグレータ(11,12)は、それぞれの出射面で照度が均一化されており、各ロッドインテグレータの出射面からの出射光は、被照射物6の異なる照射領域に照射される。これにより、同一の照射領域内においては、同一照度の光を照射させることができる。よって、被照射物の形状に対称性があるような場合など、照度条件を同一にさせたい箇所には同一照度で光を照射させつつ、照度条件を異ならせたい箇所に対してのみ発光部(31,32)の強度を調整して対応することが可能となる。
【0045】
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
【0046】
〈1〉 上述の実施形態では、投影光学系5を介して被照射物6の被照射面に対してロッドインテグレータ群3からの出射光が投影される構成とした。しかし、被照射物6をロッドインテグレータ群3の出射面の近傍に設置する場合には、投影光学系5を備えない構成としても構わない。この場合においても、各ロッドインテグレータ(11,12a,12b,12c)からの出射光は、被照射物6の異なる照射領域上に照射される。
【0047】
〈2〉 本実施形態の光源装置1を、加工対象物に対してインプリント技術によって凹凸形状を構成する場合、被照射物6としては、加工対象面に光硬化性樹脂が形成された加工対象物と当該加工対象物の加工対象面に接触した型を含む構成となる。この場合、ロッドインテグレータ群3からの出射光を、型を介して光硬化性樹脂に照射させる構成としても構わないし、加工対象物を介して光硬化性樹脂に照射させる構成としても構わない。つまり、加工対象物と型のどちらをロッドインテグレータ群3側に設置しても構わない。
【0048】
〈3〉 上述の実施形態では、ロッドインテグレータ群3は、ロッドインテグレータ11の外周に複数のロッドインテグレータ12(12a,12b,12c)が取り囲まれてなる構成とした。しかし、ロッドインテグレータ11の外周に少なくとも一つのロッドインテグレータ12を備える構成であればよい。そして、光源2はロッドインテグレータの数に応じた光源部を備える構成とすればよく、この場合は、発光部31と、発光部32a,32b,32cを一括して光量調整可能な発光部32を備えればよい。
【0049】
この構成においても、制御部4によって発光部31及び32に対する光量調整を行うことで、被照射物6の被照射面の内側と外側の領域に対する照射光量の調整が可能となる。これにより、被照射物6の形状に応じて被照射面の内側領域と外側領域の照射光量を調整することで、処理ムラの減少が図られる。
【0050】
逆に、ロッドインテグレータ11の外周を取り囲むロッドインテグレータ12(第2ロッドインテグレータ)の数を増やし、このロッドインテグレータ12の数に応じて発光部32(第2発光部)の数を増やすことで、被照射物6の照射領域毎の照度調整をより細かく制御することができる。
【0051】
〈4〉 上述の実施形態では、光源2を複数のLED素子21で実現していた。しかし、発光部(31,32)毎に制御部4によって光量調整が可能な構成であれば、光源を構成する素子としてはLED素子に限定されるものではない。例えばランプなども利用可能である。
【0052】
〈5〉 図2の構成では、光源2の外側に制御部4を設ける構成としていたが、光源2が搭載された基板10と同一基板上に制御部4が搭載されるものとしても構わない。
【0053】
〈6〉 図2に示す光源装置1において、光源2とロッドインテグレータ群3の間にコリメートレンズ及び光学絞りを配置して両側テレセントリックの光学系を構成しても構わない。同様に、ロッドインテグレータ群3と被照射物6の間に光学系を配置して両側テレセントリックの光学系を構成しても構わない。このような構成とすることで、被照射物6に対して、照射領域毎に均一照度の光を照射させることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 : 光源装置
2 : 光源
3 : ロッドインテグレータ群
4 : 制御部
5 : 投影光学系
6 : 被照射物
10 : 基板
11 : ロッドインテグレータ(第1ロッドインテグレータ)
11z : ロッドインテグレータ11の出射面
12(12a,12b,12c) : ロッドインテグレータ(第2ロッドインテグレータ)
12az : ロッドインテグレータ12aの出射面
12bz : ロッドインテグレータ12bの出射面
12cz : ロッドインテグレータ12cの出射面
15 : 第1照射領域
16(16a,16b,16c) : 第2照射領域
21 : LED素子
23 : 型
25 : レンズ
27 : 樹脂
31 : 発光部(第1発光部)
32(32a,32b,32c) : 発光部(第2発光部)
図1
図2
図3
図4