(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記係合ローラ対のうちの少なくとも一方が、ステップ(III)の間に対応する前記対向するエッジ部分を薄化する、環状ナイフエッジを含んでいることを特徴とする請求項5記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下に、詳細な説明の中で説明するいくつかの態様例の基本的な理解を提供するために、本開示の簡単な概要を示す。
【0005】
一態様例において、フュージョンドロー方法は、成形ウェッジの、下流方向に沿って集束して底部を形成している下方傾斜成形面部分の対の上に、溶融ガラスを流すステップを含む。この方法は、一対の対向するエッジ部分と、この対向するエッジ部分の間に横方向に広がる中心部分とを備え、かつ各対向するエッジ部分の外側端部に中心部分の厚さよりも厚いエッジビードを含んでいる、ガラスリボンを、底部から粘性ゾーン内へと延伸するステップをさらに含む。この方法は、エッジ部分を粘性ゾーン内において中心部分から分離させるステップをさらに含む。この方法はその後、ガラスリボンの中心部分を、粘性ゾーンから硬化ゾーン内へと延伸するステップを含む。この方法はその後、ガラスリボンの中心部分を、硬化ゾーンから弾性ゾーンへと延伸するステップを含む。
【0006】
本態様の一実施の形態によれば、エッジ部分を、各エッジ部分に関連する少なくとも1つの対応する係合ローラを用いて、中心部分から分離させる。
【0007】
本態様の別の実施形態によれば、エッジ部分を、各エッジ部分に関連する対応する係合ローラ対を用いて、中心部分から夫々分離させる。
【0008】
本態様のさらに別の実施形態によれば、係合ローラ対のうちの少なくとも一方は、対応するエッジ部分を中心部分から分離させる環状ナイフエッジを含んでいる。
【0009】
本態様の別の実施形態によれば、係合ローラ対のうちの夫々が環状ナイフエッジを含み、これらの環状ナイフエッジが共同して、対応するエッジ部分を中心部分から分離させる。
【0010】
本態様のさらに別の実施形態によれば、この方法は、各エッジビードを、エッジビードの夫々と粘性ゾーン内で係合する対応するエッジローラ対を用いて動かすステップをさらに含む。
【0011】
本態様のさらに別の実施形態によれば、エッジ部分の夫々を、対応するエッジローラ対と同じ回転軸に沿って同軸上に位置合わせされた少なくとも1つの対応する係合ローラを用いて、中央部分から分離させる。
【0012】
本態様の別の実施形態によれば、分離させるステップおよび各エッジビードを動かすステップは両方とも、成形ウェッジの底部から実質的に同じ下流距離の位置で行われる。
【0013】
本態様のさらに別の実施形態によれば、分離させるステップは、対応するエッジローラ対が対応するエッジビードを動かす位置よりも、底部からさらに下流で行われる。
【0014】
本態様のさらに別の実施形態によれば、ガラスリボンは、弾性ゾーンにおいて、ガラスリボンの中心部分に係合する駆動ローラによって延伸される。
【0015】
本態様のさらなる実施形態によれば、ガラスリボンの中心部分はガラスリボンのスプールに巻かれる。
【0016】
別の態様によれば、フュージョンドロー方法は、成形ウェッジの、下流方向に沿って集束して底部を形成している下方傾斜成形面部分の対の上に、溶融ガラスを流すステップを含む。この方法は、一対の対向するエッジ部分と、この対向するエッジ部分の間に横方向に広がる中心部分とを備え、かつ各対向するエッジ部分の外側端部に中心部分の厚さよりも厚いエッジビードを含んでいる、ガラスリボンを、底部から粘性ゾーン内へと延伸するステップをさらに含む。この方法は、下流方向に延在し、かつ対応するエッジ部分の外側端部から横方向に距離を空けて離れて設けられる、破断線であって、ガラスリボンの中心部分の厚さよりもガラスリボンの厚さが薄いこの破断線を形成するように、各対向するエッジ部分を粘性ゾーン内で薄化するステップをさらに含む。この方法はその後、ガラスリボンを粘性ゾーンから硬化ゾーン内へと延伸するステップを含む。この方法はその後、ガラスリボンを硬化ゾーンから弾性ゾーンへと延伸するステップを含む。この方法は、ガラスリボンを硬化ゾーン内へと延伸するステップの間またはこのステップの後の、任意の時点で、各対向するエッジ部分を中心部分から破断線で切り離すステップをさらに含む。
【0017】
本態様の一例によれば、各対向するエッジ部分は、各エッジ部分に関連する少なくとも1つの係合ローラを用いて薄化される。
【0018】
本態様のさらに別の実施形態によれば、各対向するエッジ部分は、各エッジ部分に関連する対応する係合ローラ対を用いて薄化される。
【0019】
本態様のさらに別の実施形態によれば、係合ローラ対のうちの少なくとも一方が、対応する対向するエッジ部分を薄化する環状ナイフエッジを含んでいる。
【0020】
本態様のさらに別の実施形態によれば、係合ローラ対のうちの夫々が環状ナイフエッジを含み、これらの環状ナイフエッジが共同して、対応する対向するエッジ部分を薄化する。
【0021】
本態様のさらなる実施形態によれば、係合ローラ対が、環状ナイフエッジを備えた第1係合ローラと、この環状ナイフエッジと共同して対応する対向するエッジ部分を薄化する、環状溝を備えた第2係合ローラとを含む。
【0022】
本態様の別の実施形態によれば、この方法は、各エッジビードを、エッジビードの夫々と粘性ゾーン内で係合する対応するエッジローラ対を用いて動かすステップを含む。
【0023】
本態様の別の実施形態によれば、エッジ部分の夫々を、対応するエッジローラ対と同じ回転軸に沿って同軸上に位置合わせされた少なくとも1つの対応する係合ローラを用いて薄化する。
【0024】
本態様のさらなる実施形態によれば、薄化するステップおよび各エッジビードを動かすステップは両方とも、成形ウェッジの底部から実質的に同じ下流距離の位置で行われる。
【0025】
本態様の別の実施形態によれば、薄化するステップは、対応するエッジローラ対が対応するエッジビードを動かす位置よりも、底部からさらに下流で行われる。
【0026】
本態様のさらに別の実施形態によれば、ガラスリボンは、弾性ゾーンにおいて、ガラスリボンの中心部分に係合する駆動ローラによって延伸される。
【0027】
本態様のさらに別の実施形態例によれば、ガラスリボンの中心部分はガラスリボンのスプールに巻かれる。
【0028】
別の態様によれば、フュージョンドロー装置が、成形ウェッジの下方傾斜成形面部分対を備えている。この下方傾斜成形面部分は、下流方向に沿って集束して底部を形成している。このフュージョンドロー装置は、底部から延伸されるガラスリボンのエッジ部分のエッジビードを、ガラスリボンの粘性ゾーン内において動かすよう構成された、エッジローラ対をさらに備えている。またこのフュージョンドロー装置は、係合ローラ対を含んでいる。この係合ローラ対のうちの少なくとも一方は、ガラスリボンの粘性ゾーン内において係合ローラ対のうちの他方と共同してエッジ部分を薄化させるようにまたはエッジ部分をガラスリボンの中心部分から分離させるように構成された、環状ナイフエッジを含んでいる。このフュージョンドロー装置はさらに、エッジローラ対および係合ローラ対の下流に位置する、駆動ローラ対を含んでいる。この駆動ローラ対は、ガラスリボンの弾性ゾーン内においてガラスリボンの中心部分に係合して、このガラスリボンを成形ウェッジの底部から延伸するように構成されている。
【0029】
本態様の一例によれば、係合ローラ対のうちの各係合ローラは、共同してエッジ部分を薄化または分離させるように構成された、環状ナイフエッジを含んでいる。
【0030】
本態様の別の例によれば、係合ローラ対はエッジローラ対の下流に位置している。
【0031】
本態様のさらに別の例によれば、エッジローラ対および係合ローラ対は、同じ回転軸に沿って同軸上に位置合わせされている。
【0032】
本態様のさらに別の例によれば、係合ローラ対の夫々は、エッジローラ対の対応する一方に連結されている。
【0033】
本態様のさらなる例によれば、力機構が、エッジ部分の薄化またはエッジ部分の中心部分からの分離を促進するよう、係合ローラ対を互いに向かって付勢するように構成されている。
【0034】
これらおよび他の態様は、以下の詳細な説明を添付の図面を参照して読むと、よりよく理解される。
【発明を実施するための形態】
【0036】
ここで、実施形態例を示している添付の図面を参照し、例を以下でより詳細に説明する。可能な限り、図面を通じて、同じまたは同様の部分の参照に同じ参照番号を使用する。ただし、態様は多くの異なる形で具現化し得、本書に明記される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0037】
図1は、後にガラスシートへと加工するためにガラスリボン103をフュージョンドローする、フュージョンドロー装置101の概略図を示している。フュージョンドロー装置101は、バッチ材料107を貯蔵容器109から受け入れるよう構成された溶解槽105を含んでもよい。バッチ材料107は、モータ113で動くバッチ送出装置111により導入することができる。随意的なコントローラ115を、モータ113を駆動して所望量のバッチ材料107を矢印117で示したように溶解槽105に導入するように構成してもよい。ガラス金属プローブ119を使用して直立管123内のガラス溶融物121のレベルを計測してもよく、さらに計測した情報を、通信回線125を用いてコントローラ115に伝えてもよい。
【0038】
フュージョンドロー装置101は、清澄管などの清澄槽127を、第1接続管129を用いて溶解槽105に連結させて溶解槽105の下流の位置にさらに含んでもよい。撹拌チャンバなどの混合槽131を、清澄槽127の下流にさらに位置付けてもよく、さらにボウルなどの送出槽133が混合槽131の下流に位置付けられ得る。図示のように、第2接続管135が清澄槽127を混合槽131に連結させ、かつ第3接続管137が混合槽131を送出槽133に連結させてもよい。さらに図示しているように、ガラス溶融物121を送出槽133から成形槽143の注入口141に送出するために、下降管139を設けてもよい。図示のように、溶解槽105、清澄槽127、混合槽131、送出槽133、および成形槽143は、フュージョンドロー装置101沿いに連続して位置付けられ得るガラス溶融ステーションの例である。
【0039】
溶解槽105は典型的には、耐火性(例えば、セラミック)レンガなどの耐火性材料から作製される。フュージョンドロー装置101は、典型的には白金、または、白金ロジウム、白金イリジウム、およびこれらを組み合わせたものなどの白金含有金属から作製された、構成要素をさらに含み得るが、この構成要素は、モリブデン、パラジウム、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、ルテニウム、オスミウム、ジルコニウム、およびこれらの合金、および/または二酸化ジルコニウムなどの、耐火性金属を含むものでもよい。白金含有構成要素は、第1接続管129、清澄槽127(例えば、清澄管)、第2接続管135、直立管123、混合槽131(例えば、撹拌チャンバ)、第3接続管137、送出槽133(例えば、ボウル)、下降管139、および注入口141のうちの1以上を含み得る。成形槽143も耐火性材料から作製され、ガラスリボン103を成形するように設計される。
【0040】
図2は、
図1のフュージョンドロー装置101の線2−2に沿った断面斜視図である。図示のように、成形槽143は成形ウェッジ201を含み、成形ウェッジ201は、この成形ウェッジ201の対向端部間に延在している一対の下方傾斜成形面部分207、209を備えている。この下方傾斜成形面部分207、209の対は、下流方向211に沿って集束して底部213を形成している。延伸面215は底部213を通って延在する面であり、ガラスリボン103はこの延伸面215に沿って下流方向211に延伸され得る。図示では延伸面215は底部213を二等分し得るものであるが、延伸面215は底部213に対して他の向きに延在しているものでもよい。
【0041】
成形槽143は、下方傾斜成形面部分207、209対の少なくとも一方と交わる、1以上のエッジ誘導部材217を随意的に含んでもよい。さらなる例において、1以上のエッジ誘導部材は下方傾斜成形面部分207、209の両方と交わり得る。さらなる例において、エッジ誘導部材を成形ウェッジ201の対向端部の夫々に設けてもよく、このときガラスリボン103のエッジは、エッジ誘導部材を離れて流れていく溶融ガラスで形成される。例えば
図2に示したように、エッジ誘導部材217を第1対向端部203に設けてもよく、かつ第2の同一のエッジ誘導部材(図示なし)を第2対向端部(図示なし)に設けてもよい。各エッジ誘導部材を、下方傾斜成形面部分207、209の両方に交わるように構成してもよい。各エッジ誘導部材217を互いに実質的に同一のものとしてもよいが、さらなる例では、エッジ誘導部材を異なる特性を有するものとすることができる。種々の成形ウェッジおよびエッジ誘導部材の構成を、本開示の態様で使用することができる。例えば本開示の態様は、その夫々の全体が参照することにより本書に組み込まれる、米国特許第3,451,798号明細書、同第3,537,834号明細書、同第7,409,839号明細書、および/または2009年2月26日に出願された米国仮特許出願第61/155,669号明細書において開示されている、成形ウェッジおよびエッジ誘導部材の構成と共に使用することができる。
【0042】
図1および2を参照すると、フュージョンドロー装置101はさらに、底部213から延伸されるガラスリボン103の第1エッジ部分149aの第1エッジビード147aをガラスリボンの粘性ゾーン内において動かすよう構成された、エッジローラ対145aを含み得る。このエッジローラが共に、傾斜面部分207、209を離れて流れてきた溶融ガラスのエッジを押圧することによって第1エッジビード147aを動かし、適切に形成された第1エッジビード147aを提供することができる。同様に、フュージョンドロー装置101は、ガラスリボン103の第2エッジ部分149bの第2エッジビード147bを動かすよう構成された、第2エッジローラ対145bをさらに含み得る。
【0043】
図1および2にさらに示されているように、フュージョンドロー装置101は第1エッジビード147aに関連する第1係合ローラ対151aと、第2エッジビード147bに関連する第2係合ローラ対151bとをさらに含み得る。1以上のモータ153aを提供して、第1エッジローラ対145aおよび/または第1係合ローラ対151aを回転させることができる。同様に、1以上のモータ153bを提供して、第2エッジローラ対145bおよび/または第2係合ローラ対151bを回転させることができる。
【0044】
図1にさらに示したように、フュージョンドロー装置101は、第1エッジローラ対145aおよび第1係合ローラ対151aの下流に設けられた、第1駆動ローラ対155aを含み得る。第1駆動ローラ対155aは、ガラスリボンの弾性ゾーン内において中心部分149cと係合して、ガラスリボンを成形ウェッジ201の底部213から延伸するように構成されている。1以上のモータ157aを提供して、第1駆動ローラ対155aを駆動させることができる。フュージョンドロー装置101は、第2エッジローラ対145bおよび第2係合ローラ対151bの下流に設けられた、第2駆動ローラ対155bをさらに含み得る。第2駆動ローラ対155bもまた、ガラスリボンの弾性ゾーン内において中心部分149cと係合して、ガラスリボンを成形ウェッジ201の底部213から延伸するように構成されている。1以上のモータ157bを提供して、第2駆動ローラ対155bを駆動させることができる。
【0045】
図3は、一例によるエッジローラおよび係合ローラの配置例を示したものである。一方の側を
図3に対して図示し説明するが、反対側はこの第1の側と左右対称に現れ得る。図示のように、第1エッジローラ対145aは、モータ153aによって第1回転軸307に関し方向305に回転させることができる第1シャフト303上に取り付けられた、第1エッジローラ301を含み得る。同様に、第1エッジローラ対145aは、モータ153aによって第2回転軸315に関し方向313に回転させることができる第2シャフト311上に取り付けられた、第2エッジローラ309を含み得る。一例において、エッジローラ301、309が第1エッジビード147aを十分に押圧することができるよう、第1シャフト303および第2シャフト311は夫々第1エッジローラ301および第2エッジローラ309を、領域317内において互いに実質的に堅く取り付けてもよい。
【0046】
図3にさらに示されているように、第1係合ローラ対151aは、第1可撓性連結部材321によって第1エッジローラ301に取り付けられ得る第1係合ローラ319を含んでもよい。第1可撓性連結部材321は、第1係合ローラ319を第1回転軸307に関して回転させることができる。したがって一例において、第1係合ローラ319を、同じ第1回転軸307に沿って第1エッジローラ301と同軸上に位置合わせしてもよい。第1係合ローラ対151aは、第2可撓性連結部材325によって第2エッジローラ309に取り付けられ得る第2係合ローラ323をさらに含んでもよい。第2可撓性連結部材325は、第2係合ローラ323を第2回転軸315に関して回転させることができる。したがって一例において、第2係合ローラ323を、同じ第2回転軸315に沿って第2エッジローラ309と同軸上に位置合わせしてもよい。一例において、エッジローラ301、309がエッジビード147a上に載ってエッジビード147aを動かすときに、係合ローラ319、323によって一貫した圧力をかけることができるよう、第1可撓性連結部材321および第2可撓性連結部材325は夫々第1係合ローラ319および第2係合ローラ323を、領域327内において互いに実質的に柔軟に取り付けてもよい。係合ローラ319、323を、成形ウェッジから延伸されているガラスリボンの自然の速さに極近い速さで運転するように駆動させてもよい。係合ローラ319、323は、同じ速さで回転してもよいし、あるいは意図的に異なった速さで回転してもよい。
【0047】
係合ローラ対151aの少なくとも一方は、環状のナイフエッジを含んでもよい。例えば、
図3にさらに示されているように、第1係合ローラ319は環状ナイフエッジ329を含む。さらに、またはあるいは、第2係合ローラ323が同様のナイフエッジを含んでもよい。環状ナイフエッジ329は、他方の係合ローラと共同して、エッジ部分149aを薄化したり、あるいはエッジ部分149aをガラスリボン103の中心部分149cから分離させたりするように構成される。例えば、
図3に示されているように、環状ナイフエッジ329は第2係合ローラ323の滑らかな円柱面331と共同して、第1エッジ部分149aを破断線333に沿って薄化させる。代替の例では、十分な圧力を加えて、ガラスリボンを薄化するのではなく完全に分離させてもよい。
【0048】
図3に示したように、随意的な力機構335を提供し、かつこの力機構335を、係合ローラ対151aを互いに向かって付勢させるように構成することで、エッジ部分149aを薄化したり、あるいはエッジ部分149aを中心部分149cから分離させたりするのを促進することができる。図示のように、提供される場合には力機構335は、係合ローラ対151aの各係合ローラ319、323の対応する環状部分上に載せることができる、ローラ337a、337bを含み得る。したがって、領域327により印加される力に加えて圧縮力が、所望の結合した圧力を提供するのをさらに助けて、薄化および/または中心部分149cからのエッジ部分149aの完全な分離を促進することができる。
【0049】
図4は、エッジローラおよび係合ローラの別の配置例を示している。一方の側を
図4に対して図示し説明するが、反対側はこの第1の側と左右対称に現れ得る。図示のように、
図4は
図3に類似したあるいは同一のものであるが、ただし第1係合ローラ対151aの第2係合ローラ401が滑らかな円柱面331ではなく環状溝403を含んでいる。したがって、第1係合ローラ319の環状ナイフエッジ329は、第2係合ローラ401の環状溝403と共同して破断線333を形成することができる。
【0050】
図5は、エッジローラおよび係合ローラの別の配置例を示している。一方の側を
図5に対して図示し説明するが、反対側はこの第1の側と左右対称に現れ得る。図示のように、
図5は
図3に類似したあるいは同一のものであるが、ただし第1係合ローラ対151aの第2係合ローラ501が滑らかな円柱面331ではなく第2環状ナイフエッジ503を含んでいる。したがって、第1係合ローラ319の環状ナイフエッジ329は、第2係合ローラ501の第2環状ナイフエッジ503と共同して、第1エッジ部分149aを薄化したり、あるいは第1エッジ部分149aを中心部分149cから分離させたりすることができる。
【0051】
図6は、例えば
図3〜5に示したような、係合ローラをエッジローラに同軸上に取り付けるために使用され得る、機構601の一例を示している。図示のように機構601は、
図3〜5に示したエッジローラ301、309に設計および動作が類似した、エッジローラ603を含んでいる。このエッジローラはシャフト605を含み、このシャフト605は、エッジローラをモータ153aに実質的に堅く取り付けるために使用されるシャフト303、311に類似したものでもよい。機構601は、
図3に示したナイフエッジ329に類似している環状ナイフエッジ609を備えた、係合ローラ607をさらに含んでいる。図示していないが、係合ローラは、
図4に示した環状溝403に類似した環状溝を代わりに含んだものでもよいし、あるいは
図3に図示した実質的に滑らかな円柱面331で表されるような実質的に滑らかなものでもよい。
【0052】
係合ローラ607は、成形装置に関連した高温環境から熱シールド613を用いて保護することができる可撓性連結部材611を介して、エッジローラ603に取り付けてもよい。機構601の内部には、エッジローラ603および係合ローラ607の冷却を促進する、流体冷却装置を含んでもよい。内側導管は、第2セグメント617に連結された第1セグメント615を含み得る。第1セグメント615は外側導管619を通って延在するように設計してもよい。
【0053】
外側導管619は、エッジローラ603を冷却するように設計することができる。例えば、空気を外側導管619と第1セグメント615との間のエリア内に送り込んで、エッジローラ603内に画成されたチャンバ621に入るようにしてもよい。次いで熱伝達により、エッジローラ603からチャンバ621内の空気へと熱を取り込むことができる。その後加圧空気は、シャフト605のボア孔623と外側導管619との間に画成されたエリア内へと戻るようにシャフト605を通って移動して、機構601から出る。
【0054】
内側導管を、係合ローラ607を冷却するようにさらに設計することができる。空気を、内側導管に通過させてから、端部625で出て行くようにしてもよい。空気が図示の環状羽根627などの熱交換器とぶつかることによって、係合ローラ607から可撓性連結部材611内の空気への熱伝達を促進することができる。加圧された熱風は、その後可撓性連結部材611を通って戻り、エッジローラ603のチャンバ621を通過して、シャフトのボア孔623から出ることができる。動作中、熱シールド613によって表面温度を、ガラスとの熱放射による熱伝達を確実に最小に抑え得るほど高いままとすることができると同時に、流体冷却装置によって機構601の他の構成要素を、熱破損を防ぐよう十分低温で維持することができる。
【0055】
ここで
図7〜15を参照してフュージョンドロー方法を説明する。
図7〜12は、エッジ部分149a、149bを薄化するステップを含んだ方法を示している。
図2を参照すると、この方法は、成形ウェッジ201の、下流方向211に沿って集束して底部213を形成している下方傾斜成形面部分207、209の対の上に、溶融ガラスを流すステップを含む。
図7に示したように、一対の対向するエッジ部分149a、149bと、この対向するエッジ部分149a、149bの間に横方向に広がる中心部分149cとを備えたガラスリボン701が、底部213から粘性ゾーン703内へと延伸される。各対向するエッジ部分の外側端部は、エッジビード147a、147bを含んでいる。
図9に示したように、エッジビード147a、147bの厚さT
1は、中心部分149cの厚さT
2よりも厚い。
【0056】
この方法は、各対向するエッジ部分149a、149bを粘性ゾーン703内で薄化するステップをさらに含んでもよい。
図7を参照すると、この薄化するステップは、下流方向211に延在し、かつ対応するエッジ部分149a、149bの外側端部901から横方向に距離「D」を空けて離れて設けられる、破断線333を形成する。さらに
図9に示されているように、ガラスリボンの破断線333での厚さT
3は、ガラスリボンの中心部分149cの厚さT
2よりも薄い。この薄化は、多種多様な構造構成を用いて達成することができる。例えばこの薄化を、
図3〜5に示したような係合ローラ対で達成することができる。
【0057】
図7に戻って参照すると、この方法は次いで、ガラスリボン701を粘性ゾーン703から硬化ゾーン705へと延伸するステップを含む。硬化ゾーンにおいて、ガラスリボンは粘性状態から、所望の外形を有する弾性状態へと硬化される。この方法は次に、ガラスリボン701を硬化ゾーン705から弾性ゾーン707へと延伸するステップを含む。弾性ゾーン内に入ると、ガラスリボンは適度に変形され得るが、ガラスリボンの外形を恒久的に変化させることはない。この方法は次に、ガラスリボンが粘性ゾーン703から硬化ゾーン705内へと延伸される間または延伸された後の任意の時点で、各対向するエッジ部分149a、149bを中心部分149cから破断線333で切り離すステップを含む。図示のように、一例では、切り離すステップは硬化ゾーン705内で行われ得るが、代わりに切り離すステップを弾性ゾーン707内で行ってもよい。
【0058】
エッジ部分を切り離すステップは、多種多様な手法で達成することができる。例えば
図10に示したように、切離しは参照番号1001で示したように自発的に生じ得る。エッジ部分と中心部分との間の温度差が生じるときに、自発的な破断が自然に生じ得る。実際に、破断線333は応力集中部としての役目を果たし得る。ガラスが硬化ゾーン705内で硬化し始めると、自発的に割れ目が得られるまで、厚さの薄くなった破断線333の領域において応力の増加が生じ得る。
【0059】
図10は、方向1005への力を提供する物体1003を接触させてエッジ部分を中心部分から切り離すことで切離しを達成し得る例をさらに説明している。一例において、この物体はウェッジを含み得、このときエッジ部分を破断線333に沿って折ることができるほど力が大きくなるまで、エッジ部分はウェッジに沿って傾斜する。
【0060】
図11は、厚さの薄くなった部分を、レーザ1101を用いて溶融または切り離す、別の例を示したものである。
図11は、エッジ部分と中心部分との間により大きな温度格差を促進させ得る加熱または冷却機器1103を用いて破断線に沿って切り離すものをさらに説明している。一例において、機器1103は、バーナ、レーザ、送風機、液体ディスペンサ、または、熱ショックを生成して破断線に沿った応力を増加させ破断線に沿った分離を促すように設計された他の機器を含み得る。別の例において、送風機を提供してもよく、このとき送風機によって提供される力は、エッジ部分を破断線333に沿って折るようにエッジ部分を曲げるのに役立つ。
図12もまた、加熱または冷却機器1201、1203を示している。一例において、第1機器1201は加熱機器を含み得、一方第2機器1203は冷却機器を含み得る。温度格差によって応力が破断線に沿ってさらに集中し、中心部分からのエッジ部分の分離を促進することができる。
【0061】
図12は、中心部分の分離された端部を修復する随意的なステップをさらに示している。修復するステップは、実行される場合には、エッジ部分の端部における欠陥を取り除くように加熱器1205またはバーナでエッジを加熱することにより達成することができる。
【0062】
図7に戻ると、この方法は、各エッジビード147aを、このエッジビードの夫々に粘性ゾーン内で係合する対応するエッジローラ対145aを用いて動かすステップをさらに含んでもよい。
図7に示したように、係合ローラは、対応するエッジローラ対と同じ回転軸に沿って同軸上に位置合わせされ得る。したがって、各エッジビードを動かすステップは両方とも、成形ウェッジの底部から実質的に同じ下流距離の位置で行われ得る。
【0063】
図7は、ガラスリボン701を、モータ157a、157bで駆動する駆動ローラ155a、155bを用いて延伸し得ることをさらに示している。駆動ローラ155a、155bは、ガラスの中心部分149cが係合することによって恒久的に変形されることのないよう、弾性ゾーン707内で中心部分149cと係合し得る。駆動ローラは、ガラスリボンが成形ウェッジから延伸される速度を制御して、それによりガラスリボンの厚さを制御することができる。
【0064】
随意的に、ガラスリボン701の中心部分149cを、ガラスリボンのスプール711に巻いてもよい。その後ガラスリボンのスプールは、発送してもよいし、あるいは個々のガラスシートに切断するために別の位置へと容易に移送させることができる。エッジ部分を取り除くと、取り除かなかった場合にエッジビードによってもたらされ得る過度の応力を生じさせることなく、ガラスリボンの中心部分を容易にスプール上に巻き付けることができる。図示していないが、さらなる例では、移動アンビル装置または他の切断機器を弾性ゾーン内に提供して、個々のシートを、シートが装置から延伸されるときに切断してもよい。
【0065】
図8は、薄化のステップが、対応するエッジローラ対が対応するエッジビードを動かす位置よりも、底部からさらに下流で行われることを除き、
図7に示した装置に類似した配置を示している。この構成は、既にエッジローラを所定の位置に有している既存の設備を容易に組み込むために望ましいであろう。このような配置では、エッジローラ機器803a、803bとは異なる独立した薄化機器801a、801bが提供され得る。あるいは
図7に示したように、同軸の位置合わせを提供して薄化の位置を上昇させると、
図8に示した配置に比べて破断線の形成に必要な圧力が低減される。
【0066】
図13および14は、夫々
図7および8に類似した方法を示している。ただし、
図13および14に示した方法は、上述したような破断線333に沿って後に破断するための薄化ステップを含まずに、エッジ部分149a、149bを中心部分149cから分離させる。この方法は、ガラスリボンを単に薄化するのではなく、より大きな力を加えてガラスリボンを完全に分離させることを除いて、上で論じた種々の構成で行うことができる。ガラスリボンの完全な分離は、例えば、
図15に示したようなコア層1503の両側に2つの層1501a、1501bを位置付けて含んだ積層ガラスリボンシートでは望ましいであろう。完全な分離によれば、一体化された領域1505により明示されているように、コア層1503の端部を2つの層1501a、1501bで封止することができる。
【0067】
粘性ゾーン703を通じてエッジビードを傷つけない状態のままとすることが望ましいさらなる例では、完全な分離ではなく薄化を提供してもよい。実際には、分離ではなく薄化によれば、エッジ部分により提供される支持がもはや必要とされない硬化ゾーンおよび/または弾性ゾーンにガラスリボンが到達するまで、エッジ部分がガラスリボンの幅および形状の制御を助けることができる。
【0068】
薄化または分離に拘わらず、そうしなければ応力がガラスリボン内に蓄積し得るような温度に達する前に、および/または、薄いリボンがガラスリボンのスプールへと巻かれるプロセスの前に、エッジ部分を取り除いてもよい。
【0069】
請求される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の改変および変形が作製可能であることは当業者には明らかであろう。