特許第6066337号(P6066337)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6066337
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】半導体の表面・界面準位を評価する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20170116BHJP
【FI】
   H01L21/66 L
   H01L21/66 U
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-61734(P2014-61734)
(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公開番号】特開2015-185733(P2015-185733A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592032636
【氏名又は名称】学校法人トヨタ学園
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富田 英幹
(72)【発明者】
【氏名】榊 裕之
(72)【発明者】
【氏名】保木井 美和
【審査官】 堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−68291(JP,A)
【文献】 特開2013−74281(JP,A)
【文献】 特開2013−38340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体層と、第1半導体層に対してヘテロ接合されている第2半導体層を有し、前記ヘテロ接合界面に沿って形成された伝導チャネルを有する半導体装置の第1半導体層と第2半導体層の少なくとも一方の界面準位を評価する方法であって、
半導体装置に対して、前記ヘテロ接合界面に平行な方向に沿って歪みを付与し、歪みの付与前後における伝導チャネル層の電荷変化量を測定する工程を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、ヘテロ接合界面に沿って形成された伝導チャネルを有する半導体装置の界面準位を評価する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、高周波で静電容量Cのバイアス電圧V依存性を計測する手法(C−V法)によって半導体と絶縁体の界面準位を評価する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−038340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法は、半導体と金属電極を設けた絶縁体(MIS構造)の界面にしか適用することができない。すなわち、他の構造を有する界面の界面準位や、半導体が露出している表面の表面準位(以下、表面準位と界面準位を併せて、界面準位と呼ぶ)を評価することができない。また、半導体の界面準位を評価する方法として、XPS法(X線光電子分光法)が知られている。しかしながら、XPS法では、X線が届かない半導体の内部における準位を評価することができない。すなわち、XPS法では、露出している表面の界面準位しか評価することができない。このように、従来は、MIS構造以外の構造を有する界面の界面準位を評価することができなかった。また、従来は、界面の界面準位と露出している表面の界面準位を同一の方法で評価することができず、これらを定量的に比較することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、第1半導体層と、第2半導体層がヘテロ接合され、前記ヘテロ接合界面に沿って伝導チャネルを有する半導体装置の第1半導体層と第2半導体層の少なくともどちらか一方の界面準位を評価する方法を開示する。この方法は、半導体装置に対して、前記ヘテロ接合界面に平行な方向に沿って歪みを付与し、歪みの付与前後における伝導チャネルの電荷変化量を測定する工程を有する。
【0006】
この方法では、ヘテロ接合界面に平行な方向に沿って歪みを付与することで、各半導体層内でピエゾ分極電荷を発生させる。すると、ピエゾ分極電荷により半導体層内の内部電界(ヘテロ接合を垂直に横断する方向の電界)が変化するため、第1半導体層のヘテロ接合界面とは反対側の端面(露出している表面または2つの層の境界面)と、第2半導体層のヘテロ接合界面とは反対側の端面(露出している表面または2つの層の境界面)の電位が変化する。これによって、これらの端面の界面準位で電荷が充電または放電される。すると、この電荷状態の変化を補うために、移動度が高い伝導チャネルで電荷量が変化する。したがって、この伝導チャネルの電荷変化量を測定することで、第1半導体層または第2半導体層の界面準位を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】半導体装置10(試料)の縦断面図。
図2】評価装置にセットされた半導体装置10を示す図。
図3】試料1、2の伝導チャネルの電荷変化量の測定結果を示すグラフ。
図4】界面準位密度の見積値を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示す半導体装置10は、実施例の方法によって界面準位を評価する対象の試料である。半導体装置10は、基板12と、バッファ層14と、エピタキシャル層16と、エピタキシャル層20を有している。基板12は、シリコンまたはサファイア等により構成されている。バッファ層14は、基板12上に形成されている。バッファ層14とエピタキシャル層16の間には、エピタキシャル層16とは異なる半導体材料によって構成された層やドーピング層を加えることもできるが、多くは、エピタキシャル層16は、バッファ層14上に形成されている。エピタキシャル層16は、例えば、GaN等により構成されている。エピタキシャル層20は、エピタキシャル層16上に形成されている。エピタキシャル層20は、例えば、AlGaN等により構成されている。したがって、エピタキシャル層16とエピタキシャル層20の界面18は、ヘテロ接合界面となっている。エピタキシャル層16内であって、ヘテロ接合界面18の近傍には、伝導チャネル層17が形成されている。伝導チャネル層17は、二次元電子ガスにより構成されている。伝導チャネル層17では、電子の移動度が極めて高い。また、図1では、エピタキシャル層20の表面側界面21が露出しているが、後述するように、エピタキシャル層20の表面側界面21が金属膜や絶縁膜によって覆われていてもよい。半導体装置10は、電極30、32を有している。電極30、32は、伝導チャネル層17に接続されている。また、図1には示されていないが、半導体装置10は、図2の電極34、36を有しており、この間での伝導チャネル層17の電荷量を2端子測定できる。電極34、36は、伝導チャネル層17に接続されている。
【0009】
次に、実施例の界面準位密度の評価方法について説明する。この方法では、エピタキシャル層20の表面側界面21の界面準位とエピタキシャル層16のバッファ層14との基板側界面15の界面準位を評価する。界面準位を評価する際には、図2に示すように半導体装置10を評価装置に取り付ける。評価装置は、図2に示す4本のピラー41〜44と、定電流源46と、電圧計48と、歪みゲージ50を有する。ピラー41、42は半導体装置10の表面側に配置され、ピラー43、44は半導体装置10の裏面側に配置される。半導体装置10の表面に沿う方向において、ピラー41、42は、ピラー43、44の間に配置される。4端子測定の場合、定電流源46は、電極34と電極36の間に接続される。定電流源46によって、電極34、36を介して、伝導チャネル層17に一定の電流を流すことができる。電圧計48は、電極30と電極32の間に接続される。電圧計48は、電極30と電極32の間の電圧(すなわち、伝導チャネル層17内の電位差)を測定する。電極34、36がない2端子計測の場合は、定電流源46と電圧計48はいずれも、電極30と電極32の間に接続され、その間の電圧を測定する。歪みゲージ50は、半導体装置10の裏面に取り付けられる。
【0010】
界面準位を評価する際には、まず、定電流源46により伝導チャネル層17に一定電流を流す。そして、一定電流を流しながら、ピラー41〜44によって半導体装置10に歪みを加える。具体的には、ピラー41、42を半導体装置10に向かって加圧する。これによって、半導体装置10が反るように外力を加える。このように外力を加えることで、図1の矢印90に示すように、半導体装置10内の各層12、14、16、20に対して引張応力を加え、この方向に歪みを生じさせる。歪みゲージ50は、この引張方向における半導体装置10の歪み量を測定する。なお、矢印90に示す方向は、ヘテロ接合界面18の平行方向に相当する。
【0011】
半導体装置10に歪みが生じると、エピタキシャル層16、20内で圧電効果(ピエゾ効果)により分極が生じる。これによって、図1に示すように、エピタキシャル層20内に分極層24、25が生じ、エピタキシャル層16内に分極層26、27が生じる。分極層24は、エピタキシャル層20の表面側界面21近傍の領域に生じる分極電荷により構成される分極層であり、本実施例では電荷−ΔN[cm−2]により構成される。分極層25は、エピタキシャル層20のヘテロ接合界面18近傍の領域に生じる分極電荷により構成される分極層であり、本実施例では電荷ΔN[cm−2]により構成される。分極層24に生じる電荷−ΔNと分極層25に生じる電荷ΔNの絶対値は等しく、常に電荷の状態は、どちらかがプラスであればもう一方はマイナスである。分極層26は、エピタキシャル層16のヘテロ接合界面18近傍の領域に生じる分極電荷により構成される分極層であり、本実施例では電荷−ΔN[cm−2]により構成される。分極層27は、エピタキシャル層16の基板側界面15近傍の領域に生じる分極電荷により構成される分極層であり、本実施例では電荷ΔN[cm−2]により構成される。分極層26に生じる電荷−ΔNと分極層27に生じる電荷ΔNの絶対値は等しく、常に電荷の状態は、どちらかがプラスであればもう一方はマイナスである。このようにエピタキシャル層16、20において分極が生じることで、エピタキシャル層16、20の厚み方向(結晶成長方向)における電界が変化するため、表面側界面21の電位及び基板側界面15の電位が変化する。以下では、このときの表面側界面21の電位の変化をΔV[V]で表し、このときの基板側界面15の電位の変化をΔV[V]で表す。その結果、表面側界面21及び基板側界面15において電荷の充放電が生じる。ここでは、表面側界面21における電荷の変化量をΔN[cm−2]で表し、基板側界面15における電荷の変化量をΔN[cm−2]で表す。これによって、半導体装置10全体で電荷の均衡が崩れるため、これを補うために、最も電子の移動度が高い伝導チャネル層17の電子の数が変化する。このため、伝導チャネルに電流を流した状態では、電極30と電極32の間の電圧が変化する。この電圧変化を電圧計48で検出することで、伝導チャネル層17における電子(電荷)の数の変化ΔN[cm−2]を算出する。
【0012】
伝導チャネル層17の電荷変化量ΔNは、上下のエピタキシャル層内に伝導チャネル層内の電子以外の自由荷電粒子がいない場合は、以下の関係式を満たす。
(数式1)
ΔN=ΔN+(−ΔN)+ΔN+(−ΔN)+ΔN+ΔN=ΔN+ΔN
【0013】
また、上述した表面側界面21の電位の変化ΔVは、以下の数式により表すことができる。
(数式2)
ΔV={−(−ΔN+ΔN)}・d・e/ε
【0014】
なお、数式2において、記号d[m]は、エピタキシャル層20の厚みであり、記号ε[F/m]はエピタキシャル層20の誘電率であり、記号eは電気素量である。また、表面側界面21の界面準位密度ΔDIT_Cは、以下の数式により表すことができる。
(数式3)
ΔDIT_C=ΔN/ΔV
【0015】
数式2及び数式3から、値ΔNと、値ΔNが分かれば、界面準位ΔDIT_Cを求めることが可能となることが分かる。
【0016】
また、上述した基板側界面15の電位の変化ΔVは、以下の数式により表すことができる。
(数式4)
ΔV={−(ΔN+ΔN)}・d・e/ε
【0017】
なお、数式4において、記号d[m]は、エピタキシャル層16の厚みであり、記号ε[F/m]はエピタキシャル層16の誘電率であり、記号eは電気素量である。また、基板側界面15の界面準位密度ΔDIT_Dは、以下の数式により表すことができる。
(数式5)
ΔDIT_D=ΔN/ΔV
【0018】
数式4及び数式5から、値ΔNと値ΔNが分かれば、界面準位ΔDIT_Dを求めることが可能なことが分かる。
【0019】
上述した数式1から、値ΔNと値ΔNの何れか一方が既知であれば、図2の評価装置によって求めた値ΔNsを用いて、値ΔNと値ΔNの残りの一方を求めることが可能となることが分かる。
【0020】
例えば、バッファ層14が十分にドーピングされた低抵抗のシリコンにより構成されている場合には、ΔN=ΔNが成立する。また、バッファ層14に代えて絶縁層が形成されている場合(すなわち、エピタキシャル層16と絶縁層によって基板側界面15が形成されるなど、界面準位の充放電の生じない場合)には、ΔN=0が成立する。これらの場合には、上述した数式1、2、3において未知の値が値ΔNのみとなるので、値ΔNを求めることで表面側界面21の界面準位密度ΔDIT_Cを算出することができる。
【0021】
表面側界面21上に金属膜が形成されている場合(すなわち、表面側界面21が露出した面ではなく、金属膜とエピタキシャル層20の界面である場合)には、ΔN=ΔNが成立する。また、表面側界面21上に理想的な絶縁膜が形成されている場合(すなわち、表面側界面21が露出した面ではなく、絶縁膜とエピタキシャル層20の界面である場合)には、ΔN=0が成立する。これらの場合には、上述した数式1、4、5において未知の値が値ΔNのみとなるので、値ΔNを求めることで基板側界面15の界面準位密度ΔDIT_Dを算出することができる。
【0022】
次に、ピエゾ分極により生じる電荷ΔN、ΔNの算出方法について説明する。電荷ΔN、ΔNは、歪みゲージ50により計測した歪み(すなわち、図1の矢印90に示す方向の歪み)と、材料の物性に基づいて、以下のように算出する。
【0023】
エピタキシャル層20がAlGaNであり、エピタキシャル層16がGaNである場合は、これらはいずれも六方晶である。六方晶における応力σ[N]は、歪みεと弾性定数C[N/m]により以下のように表される。
【数1】
【0024】
ここで、数1中の各記号σ、C、εに付されている添字は、一般化フックの法則で表される線形応力−歪み関係式σij=Cijklεklに基づいている。σとεに付されている添字は、線形応力−歪み関係式をそのまま当てはめたテンソル表記である。六方晶では、テンソル表記11はx軸方向(図1の矢印90の方向)、テンソル表記22はy軸方向(図1の奥行方向)、テンソル表記33はz軸方向(各層の厚み方向)の垂直応力またはその応力に対応する歪みを表している。また、六方晶では、テンソル表記12はxy平面内、テンソル表記31はxz平面内、テンソル表記23はyz平面内のせん断応力またはその応力に対応する歪みを表している。また、Cに付されている添字は、テンソル表記を行列表記に置き換えて示している。行列表記1はテンソル表記11を表し、行列表記2はテンソル表記22を表し、行列表記3はテンソル表記33を表し、行列表記4はテンソル表記23を表し、行列表記5はテンソル表記31を表し、行列表記6はテンソル表記12を表す。六方晶では、行列表記11及び33は垂直応力、行列表記13は垂直応力とせん断応力、行列表記44はせん断応力に対応した弾性定数を表す。図2に示す評価装置により加えられる応力(図1の矢印90の方向に加えられる応力)はx軸方向の一軸性の応力であるので、σ22=σ33=σ23=σ31=σ12=0である。したがって、数1から、ε23=ε31=ε12=0,C44=0が成立する(但し、C11≠C12とする)。したがって、以下の数式が成立する。
【数2】
【0025】
図2に示す評価装置により半導体装置10に加える応力は、応力σ11に相当する。また、評価装置の歪みゲージ50により検出される歪みは、歪みε11に相当する。また、半導体装置10の材料の物性から、弾性定数C11、C12、C13及びC33は既知である。したがって、数2から、y軸方向の歪みε22と、z軸方向の歪みε33を求めることができる。
【0026】
また、六方晶の歪みとピエゾ分極の関係は、以下の数式により表される。
【数3】


数3において、pはピエゾ分極[C/m]を表しており、添字は行列表記によるものである。また、eはピエゾ分極定数を表しており、添字は行列表記によるものである。ピエゾ分極pはz軸方向の分極を表しており、上述した電荷ΔN、ΔNに対応する。したがって、エピタキシャル層20のピエゾ分極定数eに基づいて数3を解くことでピエゾ分極pを算出し、算出したピエゾ分極pに基づいて電荷ΔNを算出することができる。また、エピタキシャル層16のピエゾ分極定数eに基づいて数3を解くことでピエゾ分極pを算出し、算出したピエゾ分極pに基づいて電荷ΔNを算出することができる。
【0027】
したがって、以上のように算出した電荷ΔNまたはΔNと、上述した数式1〜5に基づいて、界面準位密度ΔDIT_CまたはΔDIT_Dを得ることができる。
【0028】
以上に説明したように、実施例の方法によれば、表面側界面21が絶縁膜との界面ではない場合であっても、表面側界面21の界面準位密度を求めることができる。また、実施例の方法によれば、表面側界面21の界面準位密度と基板側界面15の界面準位密度を求めることができるため、これらの界面準位密度を定量的に比較することができる。
【0029】
また、値ΔNと値ΔNの両方が既知でない場合であっても、上記の方法は有用である。この場合、表面側界面21と基板側界面15の何れか一方の界面条件が同一であり、他方の界面条件が異なる複数の試料を用いることで、界面準位を評価することができる。例えば、図3図4は、基板12がシリコンであり、バッファ層14がGaNであり、エピタキシャル層16がGaNであり、エピタキシャル層20がAlGaNであり、エピタキシャル層20の表面側界面21が絶縁膜SiOxにより覆われている試料1(SiOx/AlGaN/GaN)と、同様の構成であって表面側界面21が露出している試料2(AlGaN/GaN)を評価した結果を示している。図3の測定では、半導体装置10に加える歪みの量εを変化させながら、伝導チャネル層17の電荷変化量ΔNを測定した。また、図4は、図3の結果から見積もった表面側界面21の界面準位密度ΔDIT_Cと基板側界面15の界面準位密度ΔDIT_Dを示している。試料1、2の基板側界面15の界面条件は同一であるため、試料1、2で界面準位密度ΔDIT_Dは同一となる。したがって、試料1、2で界面準位密度ΔDIT_Dが同一となるように見積もることで、試料1、2の表面側界面21の界面準位密度ΔDIT_Cを算出することができる。このように算出される界面準位密度は、見積値ではあるものの、界面準位密度の桁数を評価するのに非常に有効である。
【0030】
また、単一の試料を評価する場合であって、値ΔNと値ΔNの両方が既知でない場合でも、表面側界面21と基板側界面15とで界面準位密度の桁数を比較することは可能である。
【0031】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0032】
10:半導体装置
12:基板
14:バッファ層
15:基板側界面
16:エピタキシャル層
17:伝導チャネル層
18:ヘテロ接合界面
20:エピタキシャル層
21:表面側界面
24〜27:分極層
図1
図2
図3
図4