(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1および
図2において、1は加熱調理装置である連続炊飯装置で、この連続炊飯装置1は、加熱調理である炊飯を連続的に行う連続式の業務用炊飯機である。
【0014】
つまり、連続炊飯装置1は、複数の被加熱容器である炊飯釜2を水平な搬送方向(容器移動方向)に隣り合うもの同士が互いに接触した一連の状態でその搬送方向に向けて移動させながら、その搬送方向に沿った長手状の熱源である複数本のカーボンヒータ3によってそれら複数の炊飯釜2を加熱して炊飯を連続的に行う装置である。
【0015】
炊飯釜2は、上面開口部(図示せず)を有する外形略直方体状で箱形状の釜本体5と、この釜本体5の上面開口部を開閉可能に覆う略矩形板状の蓋体6とにて構成されている。
【0016】
釜本体5は、平面視で左右方向(搬送方向に対して直交する水平な方向)に長手方向を有する矩形状をなす水平な平面状の底板部7と、この底板部7の外周端部に曲面状の湾曲板部8を介して立設された鉛直状(鉛直方向に対して外側方にやや傾斜した傾斜状を含む)の4つの側板部9と、これら4つの側板部9の上端部に外側方に向かって突設された鍔部10とを有している。そして、例えば底板部7、湾曲板部8および側板部9の各外面には、赤外線を吸収しやすいように黒色塗装が施されている。なお、赤外線を吸収しやすくするために、底板部7、湾曲板部8および側板部9の各外面を黒色酸化皮膜で覆うようにしてもよい。
【0017】
また、蓋体6は、板状の蓋本体部11と、この蓋本体部11の上面中央部に立設された略コ字状の取手部12とを有している。
【0018】
連続炊飯装置1は、
図1および
図2に示されるように、炊飯釜2が連続炊飯装置1の前から後へ向かう釜移動方向である搬送方向に移動して通過する前後方向長手状のトンネル形状をなす加熱室15を内部に有する装置本体16を備えている。なお、加熱室15の一部が炊飯釜2の移動領域となっている。
【0019】
加熱室15の前面が炊飯前の炊飯釜2の投入口17となっており、加熱室15の後面が炊飯完了後の炊飯釜2の排出口18となっている。
【0020】
加熱室15の上面は、覆蓋部19にて開閉可能に覆われており、この覆蓋部19は、加熱室15内の温度低下を防ぐとともに覆蓋部19の外側が高温にならないように、複数の外天蓋19aと複数の内天蓋19bとにて構成されている。外天蓋19aおよび内天蓋19bは、いずれも取手13を有している。内天蓋19bの内側には、断熱材14が貼り付けられている。
【0021】
加熱室15の左右側方には、装置本体16の左右1対の側壁20が配設されている。覆蓋部19は、左右の両側壁20上にこれら両側壁20を跨ぐように載置されている。各側壁20は、互いに離間対向する内壁部22および外壁部23を有した中空形状をなすもので、その外壁部23の上下部には、外壁部23内が高温にならないよう外気を流通させる通気口(図示せず)が形成されている。
【0022】
また、連続炊飯装置1は、搬送方向に並んだ複数の炊飯釜2を、その搬送方向に隣り合うもの同士が互いに接触した状態で搬送方向に向けてトンネル状の加熱室15に沿って移動させる搬送手段31を備えている。
【0023】
搬送手段31は、炊飯釜2の搬送方向左右両側の鍔部10の下面を下方から支持する左右1対の無端状の搬送体であるチェーン32を有している。各チェーン32は、複数の回転体であるスプロケット33に掛け渡され、駆動手段であるモータ34から出力される動力によって所定方向に回行する。
【0024】
チェーン32の往路部32aは、搬送方向に長手方向を有する長手状部材35のチェーンガイド部36にてスライド可能に支持されている。そして、チェーン32の回行時には、チェーン32の往路部32aがチェーンガイド部36上をこのチェーンガイド部36に沿ってスライドする。
【0025】
装置本体16の長手状部材35は、チェーンガイド部36が上面に突設された水平板部37と、この水平板部37の内端部から下方に向かって突出する鉛直板部38と、この鉛直板部38の内面に固設された支持部39とを有している。
【0026】
さらに、連続炊飯装置1は、加熱室15の下部に搬送手段31の搬送方向に互いに隣接した状態で並設された複数、すなわち例えば5つの加熱ユニット(ヒータユニット)41を備えている。なお、各加熱ユニット41は、それぞれ装置本体16内に対して出し入れ可能となっている。つまり、各加熱ユニット41は、装置本体16に対して脱着可能となっている。
【0027】
ここで、各加熱ユニット41は、
図1ないし
図3に示されるように、加熱室15内における炊飯釜2の移動領域(釜移動用空間)の下方に搬送手段31の搬送方向に沿って水平状に配設され、炊飯釜2を加熱する平行な長手状の複数本、例えば6本のカーボンヒータ3を有している。カーボンヒータ3は、その長手方向が搬送手段31の搬送方向(炊飯釜2の搬送方向)に沿うように配設されており、このカーボンヒータ3の長手方向と搬送手段31の搬送方向とが一致(略一致を含む)している。
【0028】
また、各加熱ユニット41は、6本のカーボンヒータ3の下方に配設され炊飯釜2の底板部7の全体が均一(略均一を含む)に加熱されるようにカーボンヒータ3からの赤外線を炊飯釜2の底板部7に向けて上方側へ反射する脱着可能な底板部である反射底板42と、この反射底板42が脱着可能に取り付けられこの反射底板42を水平状に支持するユニット枠体である支持体43とを有している。
【0029】
そして、炊飯釜2を加熱するための加熱手段を構成する搬送方向長手状の複数本(例えば6本×5ユニット=合計30本)のカーボンヒータ3は、装置本体16の加熱室15内において、互いに近接した状態で搬送方向(
図3に示すイ方向)に並び、かつ、所定距離を介して互いに離れた状態で搬送方向と直交する水平な方向(
図3に示すロ方向)に並んでいる。
【0030】
つまり、互いに近接した状態で搬送方向に並ぶ複数本(例えば5本)のカーボンヒータ3からなる複数列(例えば6列)のカーボンヒータ列4が、平面視で搬送方向と直交する方向である左右方向に互いに等間隔をおいて平行に並設されている。なお、複数本のカーボンヒータ3の各々は、いずれも同一構成のものであり、カーボンヒータ3の長手方向長さ寸法(
図1に示す寸法a)が炊飯釜2の搬送方向長さ寸法である幅寸法と同じ(略同じを含む)である。
【0031】
具体的には、
図3に示すように、カーボンヒータ3は、搬送手段31の搬送方向に長手方向を有する直線状で細長円筒状をなす直管形のガラス管部45と、このガラス管部45内に不活性ガスとともに収納され水平状に位置する細長板状のカーボン繊維部(発熱体)46と、ガラス管部45の長手方向両端部に固設された板状の取付部47とを有している。
【0032】
そして、ガラス管部45内のカーボン繊維部46に電流が流れると、水平面状のカーボン繊維部46の上面および下面から熱線である赤外線(主として中赤外線および遠赤外線)が上方および下方に向かって多く放射される。つまり、帯状のカーボン繊維部46は、面方向に多くの赤外線を放射する。
【0033】
なお、カーボン繊維部46には、カーボンヒータ3の発熱量や電源のオンオフ等を制御する制御手段(図示せず)がリード線等の配線(図示せず)を介して電気的に接続され、この制御手段には発熱量等を設定するための操作設定手段(図示せず)が電気的に接続されている。
【0034】
また、カーボンヒータ3の長手方向両端部の取付部47が支持体43の上面に脱着可能に取り付けられ、このカーボンヒータ3は、両端面開口状の細長円筒状をなすカーボンヒータ保護管48に挿通されている。カーボンヒータ3のうち長手方向両端部を除く部分がカーボンヒータ保護管48内に配設されている。カーボンヒータ保護管48は、例えばカーボンヒータ3から放射される赤外線が通過する材料にて形成されたガラス管であり、その長手方向両端部が支持体43に固定的に取り付けられている。
【0035】
支持体43は、互いに離間対向する左右1対の第1鉛直板部51と、互いに離間対向する前後1対の第2鉛直板部52とを有している。各第1鉛直板部51の上端部から第1水平板部53が外方に向かって突出し、各第2鉛直板部52の上端部から第2水平板部54が外方に向かって突出し、この前後の各第2水平板部54の上面にカーボンヒータ3の取付部47が図示しない取付具によって脱着可能に取り付けられている。なお、左右の両第1水平板部53が装置本体16の長手状部材(例えばアングル材)49に載置されることにより、加熱ユニット41が装置本体16に脱着可能に取り付けられている。
【0036】
左右の各第1水平板部53には、板状の突状部44が第1水平板部53の一部の切り起こしにより上方に向かって一体に突設されている。また、両第1鉛直板部51のうちのいずれか一方、例えば右側の第1鉛直板部51の外側面には、断面L字状をなすフック状の係合受部(汁受固定用フック)55が固設されている。係合受部55は、第1鉛直板部51の外側面に突設された第1板部分56と、この第1板部分56の上面から立ち上がった第2板部分57とにて構成されている(
図2中の部分拡大図参照)。
【0037】
また、支持体43は、両第2鉛直板部52の下端部同士を連結する右下り傾斜状の案内部である傾斜板部58と、反射底板42を両第2鉛直板部52間に対して出し入れするための出入用開口部59とを有している。この出入用開口部59は、支持体43の右側面で開口している。
【0038】
反射底板42は、例えば加熱された炊飯釜2から漏れ出た汁を受ける受皿状の汁受部材61にて構成されている。
【0039】
反射底板42は、支持体43の傾斜板部58にて案内される被案内部である矩形板状の底部63を有している。底部63の4辺の端部うち3辺の端部には立上板部64が鉛直状に立設され、残りの1辺の端部にはその立上板部64よりも高く立ち上がった立設板部65が鉛直状に立設されている。
【0040】
また、底部63上には、水平方向に対してそれぞれ傾斜した平面状の2つの反射面62a,62bを有する山型状の反射板部62が脱着可能に載置されている。右下り傾斜状の反射面62aおよび左下り傾斜状の反射面62bは、いずれもカーボンヒータ3からの赤外線を炊飯釜2の底板部7に向けて反射可能な滑面にて形成されている。なお、反射面62aと反射面62bとの連結部分である頂部62cは、炊飯釜2の搬送方向に沿った長手状の水平辺部である。
【0041】
そして、一方側である左側の反射面62aは、炊飯釜2の底板部7の一方端側である左端側に向けてカーボンヒータ3からの赤外線を斜め上方へ反射する。他方側である右側の反射面62bは、炊飯釜2の底板部7の他方端側である右端側に向けてカーボンヒータ3からの赤外線を斜め上方へ反射する。その結果、加熱室15内を移動する炊飯釜2の底板部7の搬送方向に沿った中央部分のみが集中的に加熱されることが防止され、これにより、炊飯釜2の底板部7の全体がより一層均一に加熱される。
【0042】
さらに、立設板部65の中央部には、支持体43の係合受部55と係脱可能に引掛り係合する矩形孔状の係合部66が設けられている。係合部66は、立設板部65の内外面に貫通した孔空間67と、この孔空間67の上面に臨んで位置し係合受部55と係合する係合面68とを有している。
【0043】
そして、
図3の実線で示すように、係合部66が係合受部55と引掛り係合しかつ底部63の長手方向端部が傾斜板部58の上端部上に載置されてこの傾斜板部58にて支持されることにより、反射底板42が支持体43に取り付けられる。その結果、反射底板42は支持体43によって水平状に支持される。
【0044】
また、
図3の2点鎖線で示すように、係合部66と係合受部55との引掛り係合が解除されかつ底部63が傾斜板部58上をスライドしながらこの傾斜板部58にて案内されることにより、反射底板42が支持体43から取り外される。つまり、反射底板42は、引掛部である係合部66が引掛受部である係合受部55から外された後、傾斜板部58上を滑るようにして取り外される。
【0045】
こうして、反射底板42は支持体43に対して脱着可能であり、この反射底板42は、出入用開口部59を通って支持体43に対して出し入れ可能となっている。
【0046】
また、カーボンヒータ3からの赤外線を炊飯釜2の側板部9に向けて反射する左右複数対をなす脱着可能な側板部である反射側板71が加熱ユニット41の支持体43の第1水平板部53によって鉛直状に支持され、この各反射側板71が加熱室15内における炊飯釜2の移動領域の左右両側方にそれぞれ配設されている。そして、各反射側板71は、支持体43および長手状部材35に対して脱着可能となっている。つまり、各反射側板71は、それぞれ装置本体16内に対して出し入れ可能となっている。
【0047】
反射側板71の内面、つまり炊飯釜2の側板部9と近接対向する側の面は、カーボンヒータ3からの赤外線を炊飯釜2の側板部9に向けて反射する反射面(滑面)72となっている。そして、反射底板42の反射面62a,62bおよび反射側板71の反射面72の各々は、付着した汚れ等の付着物を容易に除去可能な滑面にて形成されている。なお、加熱室15の底面が反射底板42の反射面62a,62bにて覆われ、加熱室15の左右の側面が反射側板71の反射面72にて覆われている。
【0048】
また、反射側板71は、内面が反射面(滑面)72となっている鉛直状の側板本体部75と、この側板本体部75の下端部に折曲げにより設けられ加熱ユニット41の支持体43の第1水平板部53上に載置される水平状の載置板部76と、側板本体部75の上端部近傍に固設され長手状部材35の支持部39にて脱着可能に支持される板状の被支持部77とを有している。
【0049】
載置板部76には、支持体43の突状部44が挿脱可能に挿入される複数の位置決め用孔部(図示せず)が形成されている。そして、支持体43の突状部44が位置決め用孔部に挿入されることにより、反射側板71が加熱ユニット41に対して所定位置に位置決めされる。
【0050】
また、側板本体部75の下端部近傍には複数の保護網取付用孔部80が形成され、この保護網取付用孔部80にはカーボンヒータ保護体である網形状のカーボンヒータ保護網81が脱着可能に取り付けられる。カーボンヒータ保護網81は、複数本のカーボンヒータ3の上方部を覆うことにより、上方からの落下物がカーボンヒータ3に直接衝突して損傷させることがないように、カーボンヒータ3を保護するものであり、
図1および
図2に示されるように、左右の両反射側板71間に跨った状態に複数枚、架設され、炊飯釜2の底板部7とカーボンヒータ3との間に位置している。つまり、カーボンヒータ保護網81は、炊飯釜2の移動領域の下方でかつ複数本のカーボンヒータ3の上方に配設されている。
【0051】
なお、連続炊飯装置1の構成部材のうち、少なくとも反射底板42、支持体43および反射側板71は、カーボンヒータ3からの赤外線を反射する金属材料(例えばアルミニウムやステンレス等)によって形成されている。
【0052】
次に、連続炊飯装置1の作用等を説明する。
【0053】
例えば洗米および水等が釜本体5内に投入されかつ蓋体6がセットされた複数の炊飯釜2が、搬送方向前後に互いに接触した状態のまま、投入口17から加熱室15内に順次投入されると、これら一連の複数の炊飯釜2は、搬送手段31により加熱室15内の移動領域を搬送方向に向かって移動する。なお、この炊飯釜2の移動は、所定時間経過ごとに停止するタクト移動(間欠運転)でもよく、移動し続ける連続移動でもよい。
【0054】
そして、この加熱室15内での移動の際に、食材である米が入った炊飯釜2が複数本のカーボンヒータ3によって加熱され、加熱調理である炊飯が連続的に行われる。
【0055】
つまり、各加熱ユニット41の各カーボンヒータ3のカーボン繊維部46に電源から電力が供給されて電流が流れると、カーボン繊維部46が瞬時に所定温度(例えばフィラメント温度:約1100℃)に達するとともに、このカーボン繊維部46から赤外線(主として中赤外線および遠赤外線)が上方および下方に向かって多く放射され、その結果、炊飯釜2が加熱される。
【0056】
このとき、各カーボンヒータ3のカーボン繊維部46の上面から上方へ放射された赤外線は、そのまま直接的に炊飯釜2の底板部7に当たるが、カーボン繊維部46の下面から下方へ放射された赤外線は、反射底板42の反射面62a,62bにて上方側へ反射された後、炊飯釜2の底板部7に当たる。すなわち、カーボンヒータ3からの直接的な赤外線と反射底板42の反射面62a,62bからの間接的な赤外線とによって、炊飯釜2の底板部7の全体が均一に加熱される。
【0057】
また、炊飯釜2の搬送方向両側の左右の側板部9は、加熱ユニット41の支持体43および装置本体16の長手状部材35によって支持された左右の反射側板71の反射面72にて反射された赤外線によって加熱される。
【0058】
そして、加熱されながら搬送方向へ移動していく炊飯釜2の上面開口部からは、例えば噴きこぼれが生じて、側板部9を伝わる等して反射底板42である汁受部材61へと汁が落下し、また、炊飯釜2の上面開口部で噴きこぼれると同時に飛び散った汁が反射側板71にも付着することになる。
【0059】
こうしてカーボンヒータ3にて炊飯釜2が加熱されて炊飯が完了し、この炊飯完了後の炊飯釜2が排出口18から加熱室15外に順次排出される。
【0060】
また一方、炊飯作業後において、例えば反射底板42を洗浄するために装置本体16内から取り外す場合、作業者は、手を出入用開口部59に入れて反射底板42を少し持ち上げるとともに少し手前に引くことにより、係合部66を支持体43の係合受部55から外し、その後、反射底板42を傾けて底部63の下面の略全体を傾斜板部58上に載せる。そして、反射底板42を手で支えたまま、反射底板42の底部63を傾斜板部58上でこの傾斜板部58に沿ってスライドさせながら、反射底板42を自重により滑り落とすようにして、装置本体16内から取り出す。
【0061】
なお、例えば反射底板42を傾けると反射底板42内の汁がこぼれるおそれがあるような場合等には、作業者は、係合部66と係合受部55との引掛り係合を解除した後、反射底板42を水平状に保持したまま、反射底板42の底部63の長手方向端部(立設板部65と離間対向する立上板部64側の端部)を傾斜板部58上でスライドさせながら、反射底板42を斜め下方へ引き出すようにして、装置本体16内から取り出す。
【0062】
また、例えば反射側板71を洗浄するために取り外す場合、作業者は、覆蓋部19を装置本体16から外して加熱室15の上面を開口させた後、各反射側板71を手で把持して持ち上げることによって被支持部77と長手状部材35の支持部39との係合および位置決め用孔部と支持体43の突状部44との係合を解除して、装置本体16内から取り出す。
【0063】
なお、このとき、反射側板71の保護網取付用孔部80に取り付けられているカーボンヒータ保護網81も、反射側板71とともに装置本体16内から取り出される。
【0064】
そして、このような連続炊飯装置1によれば、長手状の複数本のカーボンヒータ3が炊飯釜2の移動領域の下方に搬送手段31の搬送方向に沿って配設されているため、炊飯釜2を適切に加熱でき、効率良く連続的に加熱調理できる。
【0065】
すなわち、例えば長手状のカーボンヒータ3を搬送方向と直交する方向に沿って配設した場合には、炊飯釜2の底板部7のうちカーボンヒータ3から上方へ放射された赤外線で直接加熱される部分が、炊飯釜2の移動に応じて変わるため、移動中の炊飯釜2の内部では、水等の液体に対流が発生しても、その対流する位置が一定ではなく、同じ位置での対流による安定した加熱ができないおそれがある。
【0066】
これに対し、この連続炊飯装置1のように長手状のカーボンヒータ3を搬送方向に沿って配設した構成では、炊飯釜2の底板部7のうちカーボンヒータ3から上方へ放射された赤外線で直接加熱される部分が炊飯釜2の移動に応じて変わらず、移動中の炊飯釜2の内部では略同じ位置で対流が生じて安定した加熱を行うことができ、よって、炊飯釜2を適切に加熱でき、効率良く連続的に加熱調理できる。
【0067】
また、長手状の複数本のカーボンヒータ3が互いに離れた状態で搬送手段31の搬送方向と直交(交差)する方向に等間隔をおいて並んでいるので、例えば炊飯釜2の底板部7における部分的な加熱の強弱を行うことができる。
【0068】
さらに、炊飯釜2の底板部7の全体が均一に加熱されるようにカーボンヒータ3からの赤外線(放射熱)を炊飯釜2の底板部7に向けて上方に反射する反射底板42を備えるため、炊飯釜(被加熱容器)2を適切に加熱でき、効率良く連続的に炊飯(加熱調理)を行うことができる。
【0069】
また、汁受部材61である反射底板42を係合解除するとともに傾斜板部58上で滑らせるようにして支持体43から取り外すことができるため、反射底板42に付着した汚れ等の付着物を容易に除去でき、よって、カーボンヒータ3から放射された赤外線を反射する反射面62a,62bが滑面に保たれることとなり、反射底板42による効率の良い反射状態を維持できる。
【0070】
さらに、反射側板71を上方に持ち上げることにより支持体43および長手状部材35から取り外すことができるため、反射側板71に付着した汚れ等の付着物を容易に除去でき、よって、反射底板42と同様、反射面72が滑面に保たれることとなり、反射側板71による効率の良い反射状態を維持できる。
【0071】
また、カーボンヒータ3を支持する支持体43を上方に持ち上げることにより長手状部材49から取り外すことができるため、支持体43に付着した汚れ等の付着物を容易に除去できるとともに、カーボンヒータ3の交換等も容易にできる。
【0072】
さらに、係合部66が係合受部55と係合しかつ底部63が傾斜板部58にて支持されることにより反射底板42が支持体43に取り付けられ、係合部66と係合受部55との係合が解除されかつ底部63が傾斜板部58にて案内されることにより反射底板42が支持体43から取り外される構成であるから、反射底板42の取り付けおよび取り外しを簡単にでき、反射底板42の付着物をより一層容易に除去できる。
【0073】
また、反射底板42の反射面62a,62bおよび反射側板71の反射面72がいずれも滑面にて形成されているため、赤外線を効率良く反射できるばかりでなく、容易に掃除可能であり、反射面62a,62b,72に付着した付着物を容易かつ適切に除去できる。
【0074】
さらに、熱源である加熱手段としてカーボンヒータ3を用いるため、赤外線による照射加熱を停止したとき、シーズヒータとは異なり、カーボンヒータ3自体に余熱が残らないことから、炊飯釜2はカーボンヒータ3から放射されるとき熱だけによる加熱となり、適切な加熱調整を行うことができる。
【0075】
なお、搬送方向に沿った長手状のカーボンヒータ3の配置は、前記
図1等に示すような真っ直ぐな一直線状の配置には限定されず、例えばカーボンヒータ3の長手方向と搬送手段31の搬送方向とが略一致するようなものでもよい。
【0076】
すなわち例えば
図4に示すように、搬送方向に互いに隣り合うカーボンヒータ3のうちの一方のカーボンヒータ3の搬送方向下流側の取付部47と他方のカーボンヒータ3の搬送方向上流側の取付部47とが搬送方向と交差する方向に近接状に並び、カーボンヒータ3の長手方向と搬送手段31の搬送方向とが略一致した構成でもよい。
【0077】
この構成では、搬送方向に並ぶ前後のカーボンヒータ3の各接続端子部(赤外線を放射しない部分)である取付部47が左右に重なるように配置されているため、カーボンヒータ列4の前後のカーボンヒータ3のカーボン繊維部46間の距離Aが、前記
図1等に示す一直線状の配置の場合に比べて短くなる。これにより、炊飯釜2をより一層適切に加熱でき、より一層の効率化を図ることができる。
【0078】
また、上記いずれの実施の形態においても、搬送手段31にて搬送される被加熱容器の種類や形状等によっては、カーボンヒータ列4は、複数列ではなく1列であってもよい。
【0079】
さらに、加熱ユニット41の数やカーボンヒータ3の本数等は任意であり、また、カーボンヒータ3の形状に関しても、直線長手状には限定されず、例えば搬送手段の円弧状の搬送方向に沿った円弧長手状等でもよい。
【0080】
また、複数本のカーボンヒータ3が搬送手段31の搬送方向と直交する左右方向に並んだ構成には限定されず、例えば複数本のカーボンヒータ3が連続炊飯装置1の左右方向に対して傾斜した水平な方向に並んだ構成等でもよい。
【0081】
さらに、反射底板42の反射板部62は、断面逆V字状をなす山型状には限定されず、断面逆U字状や断面半円状等をなす山型状でもよい。
【0082】
また、例えば加熱ユニット41が炊飯釜2に対して高さ位置調整可能な構成等でもよい。
【0083】
さらに、例えば装置本体16が蒸らし室を加熱室15の上方に有する構成等でもよい。
【0084】
また、加熱調理装置は、連続炊飯装置1には限定されず、例えば炊飯以外の加熱調理をするものでもよく、この場合には、炊飯釜以外の被加熱容器を用いる。