特許第6066488号(P6066488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6066488
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】ストランド切断装置
(51)【国際特許分類】
   C03B 37/16 20060101AFI20170116BHJP
   B26D 1/40 20060101ALI20170116BHJP
   B28D 1/22 20060101ALN20170116BHJP
   D01G 1/04 20060101ALN20170116BHJP
【FI】
   C03B37/16
   B26D1/40 502M
   B26D1/40 502G
   B26D1/40 502B
   !B28D1/22
   !D01G1/04 102
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-163469(P2013-163469)
(22)【出願日】2013年8月6日
(65)【公開番号】特開2015-30654(P2015-30654A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513066915
【氏名又は名称】ニューマンパワーサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162020
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】松原 正典
(72)【発明者】
【氏名】北村 裕
(72)【発明者】
【氏名】福地 新次
【審査官】 宮崎 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第4535663(US,A)
【文献】 実開昭53−056015(JP,U)
【文献】 特開昭58−098429(JP,A)
【文献】 特公昭50−020305(JP,B1)
【文献】 特開昭62−185683(JP,A)
【文献】 特開昭62−041321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B37/00−37/16
B26D1/40
B28D1/00−7/04
D01G1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に所定の間隔を隔てて配置される二枚のカッターホルダと、前記二枚のカッターホルダの周縁部に沿って放射状に配置されて前記二枚のカッターホルダの間に挟持された複数のカッター刃と、を具備するドラムカッターと、
前記カッター刃から所定間隔を空けて配置されたローラと、
ストランドを前記ドラムカッターに案内するガイド部とを備え、
前記ドラムカッターを上下方向に向けた回転軸を中心として回転駆動させて前記ドラムカッターに供給されたストランドを巻き取ることにより、前記ストランドを、前記ローラで前記カッター刃に押圧して、ストランドを切断する、ストランド切断装置であって、
前記ローラと前記ガイド部との間に、前記ストランドを下方から支持可能な支持板が配設される、ことを特徴とする、ストランド切断装置。
【請求項2】
前記支持板は、その上面が前記ローラの下端よりも上に位置するように配設される、ことを特徴とする、請求項1に記載のストランド切断装置。
【請求項3】
前記ガイド部は、上下方向に軸線を向けた軸状部材を備え、
前記軸状部材には、下側の前記カッターホルダの上端部よりも高い位置に上端面を有する大径部が形成され、
前記支持板は、その上面が前記軸状部材の大径部の上面と同じ上下位置になるように配設される、ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のストランド切断装置。
【請求項4】
前記支持板は、前記軸状部材と一体的に構成される、ことを特徴とする、請求項3に記載のストランド切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストランド切断装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス繊維の束(ストランド)を所定の長さに切断(チョップ)した、チョップドストランドを製造するためのストランド切断装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。ストランド切断装置の一例として、ドラムカッター式のものが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0003】
前記ドラムカッター式のストランド切断装置においては、カッターホルダにカッター刃を放射状に配置したドラムカッターの周囲に、所定間隔を空けてローラを配置する。さらに、ドラムカッターにストランドの先端を固定した状態で、ドラムカッターを回転駆動させる。そして、ドラムカッターに何重にも巻き取られることによって厚みの増したストランドが、ローラで押圧されることにより、ストランドが、カッター刃で切断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−338291号公報
【特許文献2】特開昭62−299519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来技術においては、ドラムカッターに巻き取られる直前にストランドが垂れてしまい、ストランドが適切にドラムカッターに巻き取られない場合がある。これにより、チョップドストランドの長さが所定の長さよりも長くなるミスカットが発生し、製品品質が低下する虞があった。
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、ドラムカッターに巻き取られる直前にストランドが垂れることを防いでストランドを適切にドラムカッターに巻き取らせることにより、ミスカットの発生を抑制して製品品質を向上させることのできる、ストランド切断装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、上下方向に所定の間隔を隔てて配置される二枚のカッターホルダと、前記二枚のカッターホルダの周縁部に沿って放射状に配置されて前記二枚のカッターホルダの間に挟持された複数のカッター刃と、を具備するドラムカッターと、前記カッター刃から所定間隔を空けて配置されたローラと、ストランドを前記ドラムカッターに案内するガイド部とを備え、前記ドラムカッターを上下方向に向けた回転軸を中心として回転駆動させて前記ドラムカッターに供給されたストランドを巻き取ることにより、前記ストランドを、前記ローラで前記カッター刃に押圧して、ストランドを切断する、ストランド切断装置であって、前記ローラと前記ガイド部との間に、前記ストランドを下方から支持可能な支持板が配設されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記支持板は、その上面が前記ローラの下端よりも上に位置するように配設されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記ガイド部は、上下方向に軸線を向けた軸状部材を備え、前記軸状部材には、下側の前記カッターホルダの上端部よりも高い位置に上端面を有する大径部が形成され、前記支持板は、その上面が前記軸状部材の大径部の上面と同じ上下位置になるように配設されるものである。
【0011】
請求項4においては、前記支持板は、前記軸状部材と一体的に構成されるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に記載された発明に係るストランド切断装置によれば、ドラムに巻き取る直前にストランドが垂れることを防いでストランドを適切にドラムに巻き取ることにより、ミスカットの発生を抑制して製品品質を向上させることができる。
即ち、本発明に係るストランド切断装置によれば、ストランドを下方から支持可能な支持板が配設されているため、ストランドがドラムカッターに巻き取られる直前に、万が一、ストランドのテンションが弱まるようなことがあっても、支持板が、ストランドを下方から支持することができる。このため、ストランドが垂れて、カッターホルダの間から外れることを防止できる。これにより、チョップドストランドの長さが所定の長さよりも長くなるミスカットの発生を抑制して、製品品質を向上させることが可能となる。
【0013】
請求項2に記載された発明に係るストランド切断装置によれば、支持板がストランドを下方から支持した場合に、ストランドをドラムカッターとローラとの間に確実に案内することができる。つまり、ストランドが垂れてカッターホルダの間から外れることを確実に防止できるとともに、ローラにより、ストランドを、カッター刃に押圧することが不可能な位置に、ストランドが案内されることを防止できる。
【0014】
請求項3に記載された発明に係るストランド切断装置によれば、ストランドがドラムカッターとローラとの間に案内される前に、ストランドが下方にずれてカッターホルダから外れることを防止できる。また、支持板は、その上面が軸状部材の大径部の上面と同じ上下位置になるように配設されているため、軸状部材の大径部により、下方へのずれが防止されたストランドが、垂れることを、支持板によって防止することができる。
【0015】
請求項4に記載された発明に係るストランド切断装置によれば、支持板を別途支持する構成が不要となり、装置コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態に係るストランド切断装置を示した斜視図。
図2】同じくストランド切断装置を示した平面図。
図3】同じくストランド切断装置を示した概略正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、本発明の一実施形態に係るストランド切断装置10について、図1から図3を用いて説明する。ストランド切断装置10は、ガラス繊維の束であるストランドを所定の長さに切断(チョップ)した、チョップドストランドCSを製造するための装置である。詳細には、直径数μmのガラス繊維を数千本に束ねて一本のストランドとし、複数本のストランドの束を数mmから数十mmの長さに切断する装置である。以下、本実施形態においては、束ねられた複数本のストランドを「ストランドS」として表記する。
図1から図3に示すように、本実施形態に係るストランド切断装置10は、ドラムカッター20と、ローラ配置部30と、ガイド部40と、を備えて構成される。
【0018】
図2に示すように、ドラムカッター20は、略円板状に形成され、上下方向に所定の間隔で配置される二枚のカッターホルダ21・22(上側カッターホルダ21及び下側カッターホルダ22)と、カッターホルダ21・22の間に配置された複数のカッター刃23・23・・・とを備える。下側カッターホルダ22は半径方向の内側がくり抜かれた円環状に形成されている。下側カッターホルダ22の内周部のくり抜かれた部分は、後述するチョップドストランドCSが排出される排出口24として構成されている。
【0019】
複数のカッター刃23・23・・・は、上側カッターホルダ21と下側カッターホルダ22により、挟持されている。これらのカッター刃23・23・・・は、上側カッターホルダ21および下側カッターホルダ22の周縁部に沿って放射状に配置されている。また、カッター刃23・23・・・はストランドSを切断する際に加わる力を分散するために、刃先の方向を上下方向から傾けて(側面から見た場合において、刃先が斜めになるように)等間隔で平行に並んで配設されている。
【0020】
上側カッターホルダ21および下側カッターホルダ22における中央部には、ドラムカッター20の回動軸20aが、軸線を上下方向に向けて形成されており、この回動軸20aは、図示しない駆動装置に接続されている。そして、この駆動装置を駆動させることにより、図1及び図2中の矢印R1に示す如くドラムカッター20が回動軸20aを中心として回転駆動する。換言すれば、カッターホルダ21・22及びカッター刃23・23・・・が一体的に回転駆動するように構成されている。
【0021】
そして、上記の如く構成されたドラムカッター20を回転駆動することにより、ストランドSがドラムカッター20の周囲に巻き取られて、カッター刃23・23・・・で切断される。ここで、カッター刃23・23・・・は互いの間隔が所定幅となるように配設されており、このカッター刃23・23・・・の間隔がチョップドストランドCSの所定長さとなる。例えば、チョップドストランドCSを25mmの長さで製造する場合には、カッター刃23・23・・・の間隔を25mmに調節すればよい。
【0022】
カッター刃23・23・・・でストランドSが切断されることにより製造されたチョップドストランドCSは、図2中の矢印Eに示す如く、下側カッターホルダ22の内周部である排出口24から排出され、ドラムカッター20の下方に配設される図示しない貯留部に貯留される。
【0023】
ローラ配置部30は、固定されたローラ台31と、ローラ台31の上に配設されるローラ32と、を備える。ローラ32はドラムカッター20の近傍に、カッター刃23・23・・・から所定間隔を空けて配置されている。そして、ローラ32の中央部には回動軸32aが軸線を上下方向に向けて形成されており、図1及び図2中の矢印R2に示す如く、ローラ32は回動軸32aを中心として回動可能に構成されている。ローラ32は図示しない位置調節機構を備えており、ドラムカッター20に対して近接離間可能に構成されている。即ち、位置調節機構でローラ32のドラムカッター20に対する位置を調節することにより、ローラ32とカッター刃23・23・・・との間隔を所定長に調整することができる。そして、ローラ台31の上に固定されたローラ32は、ドラムカッター20に巻き取られて、厚みがローラ32とカッター刃23・23・・・との間隔よりも大きくなった、ストランドSをドラムカッター20の半径内側方向(ドラムカッター20の回動軸20aの方向)に押圧する。
【0024】
ガイド部40は、ストランドSをドラムカッター20に案内するために設けられ、固定されたガイド台41と、軸状部材であるシュー42と、第一ガイド部材51と、第二ガイド部材であるガイドパイプ52と、を備える。
【0025】
シュー42は、ガイド台41の上面でドラムカッター20の近傍に、上下方向に軸線を向けて配置される。シュー42はその外周面にストランドSを摺接させることにより、供給されたストランドSの流れる方向を、ドラムカッター20の接線方向に変更させるための金属製の部材である。シュー42には、図3に示す如く、下側カッターホルダ22の上端部よりも高い位置に、上端面を有する大径部42aが形成される。大径部42aは、ストランドSがドラムカッター20とローラ32との間に案内される前に、下方にずれてカッターホルダ21・22の間から外れることを防止可能としている。
【0026】
本実施形態に係るストランド切断装置10においては、ローラ32とガイド部40との間におけるストランドSの流路の下方に、ストランドSを下方から支持可能な支持板43が配設される。具体的には、図1から図3に示す如く、支持板43は、シュー42の大径部42aから、ローラ32とドラムカッター20との間に向かって延出される板状部材として、シュー42に配設されている。そして、支持板43は、その上面がシュー42の大径部42aの上面略同じ上下位置になるように、シュー42と一体的に構成される。支持板43は、ストランドSをドラムカッター20とローラ32との間に案内することができるようにするため、その上面がローラ32の下端よりも上に位置するように配設される。
【0027】
第一ガイド部材51は、ガイド台41の上面においてシュー42よりもストランドSの上流側に立設された金属製の板状部材であり、四つの挿通孔51a・51b・51c・51dが設けられている。挿通孔51a・51b・51c・51dは、上下方向に並設している。そして、これらの挿通孔51a〜51dにストランドSが挿通されることにより、第一ガイド部材51より上流側(図1及び図2における図面右下側)に配置される図示しないストランド供給部から供給されるストランドSを、シュー42に案内する。
【0028】
シュー42と第一ガイド部材51との間には、第二ガイド部材である金属製のガイドパイプ52が配置される。ガイドパイプ52は、第一ガイド部材51からシュー42の近傍まで延出する筒状に形成されている。詳細には図3に示す如く、第一ガイド部材51における四つの挿通孔51a〜51dに対応して、四本のガイドパイプ52a〜52dが第一ガイド部材51に配設されている。換言すれば、挿通孔51a〜51dは、それぞれガイドパイプ52a〜52dの中空部と連通している。それぞれのガイドパイプ52a〜52dには、軸線方向にスリット53a〜53dが形成されている。そして、ガイドパイプ52a〜52dは、シュー42の直前におけるストランドSが流れる上下方向位置を、二枚のカッターホルダ21・22の間の位置に規制している。具体的には、ガイドパイプ52a〜52dの先端部(ストランドSの下流側端部)の上下位置が、カッターホルダ21・22の間に位置するように配置されているため、ストランドSはシュー42の直前においてカッターホルダ21・22の間にあたる上下位置(高さ)を通る。
【0029】
本実施形態に係るストランド切断装置10でストランドSを切断する際は、まず、図1及び図2中の矢印F1に示す如く、作業者がストランド供給部よりストランドSを第一ガイド部材51に案内する。そして、各ストランドSを図1及び図2中の矢印F2に示す如く、挿通孔51a〜51d、ガイドパイプ52a〜52dに挿通する。さらに、ストランドSをシュー42に摺接させて、図1及び図2中の矢印F3に示す如く支持板43の上側を経由してローラ32とドラムカッター20との間に案内し、ストランドSの先端をドラムカッター20に固定する。なお、それぞれの挿通孔51a〜51dに挿通されるストランドSの本数は、1本でも良く、必要に応じて、それぞれの挿通孔51a〜51dに、2本以上のストランドSを挿通しても良い。
【0030】
この状態で、ドラムカッター20を図1及び図2中の矢印R1に示す如く回転駆動させることにより、ストランドSがドラムカッター20に巻き取られる。これにより、ストランドSは、連続的に第一ガイド部材51からガイドパイプ52a〜52dを経由して、シュー42に案内される。さらに、シュー42によって、ストランドSの流れる方向がドラムカッター20の接線方向に変更され、ストランドSはドラムカッター20とローラ32との間に案内される。そして、ドラムカッター20に巻き取られて厚みがローラ32とドラムカッター20との間隔よりも大きくなったストランドSは、ローラ32に当接し、その摩擦力により、図1及び図2中の矢印R2に示す如く、ローラ32を回転させる。そして、ドラムカッター20の周囲に巻き付けられているストランドSは、ローラ32によってカッター刃23・23・・・に押圧されて、切断される。カッター刃23・23・・・によって切断されたチョップドストランドCSは、カッター刃23・23・・・の間を通過し、図2中の矢印Eに示す如く、下側カッターホルダ22の内周部である排出口24から排出され、排出されたチョップドストランドCSは、貯留部に投入される。
【0031】
本実施形態に係るストランド切断装置10においては、ローラ32とシュー42との間に、ストランドSを下方から支持可能な支持板43が配設されているため、万が一、ストランドSがドラムカッター20に巻き取られる直前に、ストランドSのテンションが弱まるようなことがあっても、支持板43がストランドSを下方から支持することができる。即ち、ストランドSが垂れてカッターホルダ21・22の間から外れることを防止できる。これにより、チョップドストランドCSのミスカットの発生を抑制して、製品品質を向上させることが可能となる。
【0032】
本実施形態に係るストランド切断装置10において、支持板43は、その上面がローラ32の下端よりも上に位置するように配設されている。これにより、ストランドSをドラムカッター20とローラ32との間に案内することができる。つまり、ストランドSが垂れてカッターホルダ21・22の間から外れることを確実に防止できるとともに、ローラ32により、ストランドSを、カッター刃23・23・・・に押圧することが不可能な位置に、ストランドSが案内されることを防止できる。
【0033】
本実施形態に係るストランド切断装置10において、シュー42には、下側カッターホルダ22の上端部よりも高い位置に上端面を有する大径部42aが形成され、支持板43はその上面がシュー42の大径部42aの上面と同じ上下位置になるように配設されている。大径部42aはストランドSがドラムカッター20とローラ32との間に案内される前に下方に垂れてカッターホルダ21・22の間から外れることを防止するという、支持板43と同じ作用、効果を奏するものである。また、支持板43を大径部42aと同じ高さとしているため、支持板43が、大径部42aにより、下方へのずれが防止されたストランドSが、下方に垂れることを防止できる。
【0034】
また、図1及び図3に示す如く、支持板43は、シュー42と一体的に構成される。これにより、支持板43を別途支持する構成が不要となり、装置コストを低減することができる。
【0035】
このように、本実施形態に係るストランド切断装置10によれば、支持板43が、ドラムカッター20に巻き取られる直前に、ストランドSが垂れることを防ぐ。その結果、ストランドSを適切にドラムカッター20に巻き取ることができ、装置構成の設定が容易となる。具体的には、カッターホルダ21・22とローラ32との間隔が広くなると、チョップドストランドCSにおいてミスカットの発生原因となるが、本実施形態によれば、ストランドSが垂れることを抑制できるため、カッターホルダ21・22とローラ32との間隔における厳密な管理が不要となる。また、ローラ32とカッター刃23・23・・の間隔が広くなっても、チョップドストランドCSにおいて、ミスカットの発生原因となるが、本実施形態によれば、ストランドSが垂れることを抑制できるため、カッターホルダ21・22とローラ32との間隔における厳密な管理も不要とすることができる。
【0036】
次に、本実施形態に係るストランド切断装置10の効果について、説明する。
従来技術に係るストランド切断装置(支持板なし)と、本実施形態に係るストランド切断装置10(支持板あり)とについて、ミスカットにより発生したチョップドストランドCSの重量を比較すると、支持板があることにより、ミスカットにより発生したチョップドストランドCSを、重量換算で約43%減らすことができた。つまり、本実施形態に係るストランド切断装置10は、ドラムカッター20に巻き取られる直前にストランドSが垂れることを防ぎ、チョップドストランドCSにおけるミスカットの発生を抑制できた。
【符号の説明】
【0037】
10 ストランド切断装置
20 ドラムカッター
21 上側カッターホルダ
22 下側カッターホルダ
32 ローラ
42 シュー(軸状部材)
43 支持板
51 第一ガイド部材
52 ガイドパイプ(第二ガイド部材)
S ストランド
図1
図2
図3