【文献】
Investigation of hive-mounted devices for the dissemination of microbiological preparations by Bombus terrestris,Bulletin of Insectology,2005年,58
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下の概要は、出願人の教示の様々な態様を読者に紹介することを意図したものであり、本発明を定義することを意図したものではない。
【0008】
1つの態様によれば、ハチの巣箱の出口路に配置するためのトレイは、基部、ハチの入口端、およびハチの出口端を備えている。間隔の置かれた側壁が基部から上方に延在する。側壁は、ハチの入口端とハチの出口端との間に略長手方向に延在する。複数の柱が基部から上方に延在し、ハチの入口端とハチの出口端との間に配置されている。これらの柱は、断面が略円形である。柱は、ハチの入口端からハチの出口端に到達するためにハチがその周りを歩かなければならない障害物としての機能を果たす。
【0009】
いくつかの例において、柱は、ハチが、ハチの入口端からハチの出口端まで一直線に歩けないようにずれて配置されていてもよい。
【0010】
いくつかの例において、トレイは、側壁に封止された取り外し可能な蓋を備えてもよい。その蓋は、不透光性であり、不透水性であってよい。
【0011】
いくつかの例において、トレイは、トレイ内に収容された粉末状植物処理配合物を含んでもよい。この植物処理配合物は、約2mmと約4mmの間の深さを有してもよい。
【0012】
いくつかの例において、トレイは、ハチの入口端で基部へと下方に至る第1組の階段、およびハチの出口で基部から上方に至る第2組の階段をさらに備えてもよい。
【0013】
いくつかの例において、各柱は、上端と基部にある反対の下端を有してよく、各柱は、下端で丸みがつけられいてよい。
【0014】
いくつかの例において、トレイは、側壁の各々から内側に延在し、基部から上方に延在する障害物を少なくとも1つさらに備えてもよい。
【0015】
いくつかの例において、トレイは、プラスチックであってよく、水分不透過性であってよい。
【0016】
別の態様によれば、ハチの巣箱の出口路に挿入するための交換式トレイは、基部、および基部から上方に延在し、基部の周囲を取り囲む少なくとも1つの側壁を備えている。この少なくとも1つの側壁は、上縁を画成する。粉末状植物処理剤が基部上にある。取り外し可能な蓋が上縁に封止されている。取り外し可能な蓋は、水分不透過性であり、不透光性である。
【0017】
いくつかの例において、蓋は側壁にヒートシールされていてよい。蓋は金属ホイルであってよい。蓋は、正味のプラスの静電荷を担持してもよい。
【0018】
別の態様によれば、ハチの巣箱の出口路に挿入するための交換式トレイは、基部、および基部から上方に延在し、基部の周囲を取り囲む少なくとも1つの側壁を備えている。粉末状植物処理剤は基部上にある。この植物処理剤は、約2mmと約4mmの間の深さを有する。
【0019】
別の態様によれば、昆虫媒介装置は、ハチの巣箱の出口路に配置するためのトレイを備えている。このトレイは、底部、および底部から上方に延在する少なくとも1つの側壁を備えている。このトレイは、ハチの入口端とハチの出口端、およびそれらの間に延在する縦軸をさらに備えている。開放可能なトレイの蓋が側壁の上に配置されている。この蓋は、縦軸に対して直角な方向に横断して延在する少なくとも1つの下方に延在する障壁を備えている。
【0020】
いくつかの例において、少なくとも1つの障壁は、複数の障壁からなってもよい。
【0021】
いくつかの例において、蓋は、少なくとも1つのベントを備えてもよい。
【0022】
別の態様によれば、ミツバチ用住居は、少なくとも1つの蜜貯め、および底板を備えている。底板は、底板開口を有する。底板に入口板が受け入れ可能である。入口板は、ミツバチが開口から少なくとも1つの蜜貯めに到達するための入口経路を画成する。出口板が、底板に受け入れ可能であり、入口板から垂直に間隔が置かれている。出口板は、ミツバチが少なくとも1つの蜜貯めから開口に到達するための出口経路を画成する。取り外し可能なトレイが出口経路に配置可能である。ハチは、取り外し可能なトレイを通り抜けて、少なくとも1つの蜜貯めから開口に到達する。このトレイは、粉末状植物処理剤を受け入れるように構成されている。
【0023】
いくつかの例において、入口板は、開口を通して底板内に摺動可能に受け入れ可能であってよい。いくつかの例において、出口板は、開口を通して底板内に摺動可能に受け入れ可能であってよい。
【0024】
いくつかの例において、入口経路は遮光特徴を有してもよい。
【0025】
いくつかの例において、ミツバチ用住居は、トレイの上に搭載可能な蓋を備えてもよい。この蓋は、トレイの入口を形成する少なくとも1つの入口ポート、およびトレイの出口を形成する少なくとも1つの出口ポートを備えてよい。
【0026】
いくつかの例において、入口板は凹部を備えてよく、トレイはその凹部に受け入れ可能であってよい。
【0027】
別の態様によれば、ハチに植物処理配合物をまぶす方法において、ハチの巣箱の出口路に、基部を有するトレイを提供する工程;その基部に植物処理配合物の層であって、初期深さを有する層を提供する工程であり、出口路がその層の上に垂直クリアランスを有している、工程;初期深さがハチの気門の高さよりも浅く、層の枯渇時間が植物処理配合物の貯蔵寿命に相当するように、初期深さを選択する工程;および枯渇時間の期間中、出口路内でハチの飛翔が妨げられるように、垂直クリアランスを選択する工程を有してなる。
【0028】
いくつかの例において、初期深さが、約2mmと約4mmの間であってよい。
【0029】
いくつかの例において、枯渇時間および貯蔵寿命が、10日未満、より詳しくは、4日間と5日間の間であってよい。
【0030】
いくつかの例において、垂直クリアランスは1インチ(約2.54cm)未満であってよい。ハチがマルハナバチであるいくつかの例において、垂直クリアランスは、0.875インチ(約2.22cm)未満であってよい。ハチがミツバチである他の例において、垂直クリアランスは、0.75インチ(約1.91cm)未満であってよい。
【0031】
別の態様によれば、ハチおよび処理粉末を使用したハチ媒介方法は、ハチがハチ用住居をそこから出る出口路の床に処理粉末の層を配置する工程を有してなり、出口路が、一般に、住居を出るときに、通路の入口から通路の出口までハチが移動する方向に対して平行に延在する路長、路長に対して略垂直な路幅、および層の上面から、床の上に間隔が置かれた通路の天井の最も低い表面まで延在する通路のクリアランス高さを有し、通路の天井の高さが、床を歩いたときにハチが通過できるスペースがあるのに十分に高く、床の上のハチの飛翔を阻害するのに十分に低く、前記層は、通路の幅とほぼ等しい層幅、通路の長さの少なくとも一部分に沿って延在する層長さ、および床から処理粉末の層の上面まで延在する初期層深さを有する。
【0032】
層の長さと初期層深さは、初期層深さが、ハチの気門の高さより浅く、初期層深さでの層長さが、植物処理配合物の貯蔵寿命に相当する枯渇時間を有するのに十分な量の粉末を提供するような大きさであってよい。層の長さは、通路の入口から通路の出口まで歩くハチに、各ハチにその運搬能力までまたはその近くまで装填するのに十分な量の処理粉末を移すのに十分に長くてよい。
【発明を実施するための形態】
【0034】
各請求項に記載された発明の実施の形態の例を提供するために、様々な装置、プロセス、および/または配合物が以下に記載されている。下記に記載されたどの実施の形態も、請求項に記載された発明を制限するものではなく、請求項に記載された発明は、下記に記載されたものとは異なる装置、プロセス、および/または配合物を包含するであろう。請求項に記載された発明は、下記に記載された任意の1つの装置、プロセス、および/または配合物の特徴の全てを有する装置、プロセス、および/または配合物、または下記に記載された装置、プロセス、および/または配合物の内の複数または全てに共通する特徴に制限されない。下記に記載された装置、プロセス、および/または配合物は、本特許出願の発行により与えられる排他的な権利の実施の形態ではないという可能性がある。下記に記載された装置、プロセス、および/または配合物に開示された発明であって、本特許出願の発行により与えられない排他的な権利の発明は、別の保護機器、例えば、継続特許出願の主題であるかもしれず、出願人、発明者または権利者は、この文書の開示によりそのような発明を放棄する、断念する、または公衆に捧げることを意図するものではない。
【0035】
図1を参照すると、例示のハチ用住居100(ハチの巣箱とも称される)が示されている。ハチ用住居100は、住居本体102を含み、その内部には、マルハナバチの一群または別の種類のハチの一群が群生するであろう。住居の蓋104は、住居本体102上に取り外し可能に受け入れられている。
【0036】
図示された実施例において、
図2を参照すると、住居本体102は、入口ポート106および出口ポート108を備え、ハチは、そこを通って、住居100に、それぞれ、入ったり、出たりする。入口/出口アセンブリ110は、入口ポート106および出口ポート108に取付可能である。この入口/出口アセンブリは入口導管112を備え、これは、入口ポート106に取付可能であり、本体102中へと内側に延在している。入口/出口アセンブリ110は出口導管114をさらに備え、これは、出口ポート108に取付可能であり、本体102から外側に延在している。入口導管112と出口導管114の両方とも、略切頭円錐形である。入口導管112は、入口ポート106から住居本体102中に入る方向に断面積が先細になっており、出口導管114は、出口ポート108から住居本体102より離れる方向に断面積が先細になっている。この先細作用により、ハチは、ハチ用住居100に、出口ポート108を通るよりもむしろ入口ポート106を通って入り、ハチ用住居100に、入口ポート106を通るよりもろしろ出口ポート108を通って出るようにされる。特に、外部から住居100に近づくときに、入口導管112への開口が、出口導管114への開口よりも大きいので、ハチは入口導管112により入る可能性が高い。
【0037】
図示された実施例において
図2および3を参照すると、住居の蓋104は下方に延在する貯留部116を備え、これは、住居の蓋104と一体に形成されている。開放可能な貯留部の蓋103(開放可能な蓋103とも称される)は、住居の蓋104に旋回可能に取り付けられており、
図3に示された開放位置と、
図1に示された閉鎖位置との間で旋回可能である。
【0038】
図示された実施例において
図2および3をまだ参照すると、住居の蓋104および貯留部の蓋103の両方とも、少なくとも1つのベント119を備えており、それゆえ、住居本体102および貯留部116は、外部環境に通気される。
【0039】
図示された実施例において
図2および3をまだ参照すると、貯留部116は貯留部入口ポート118を備え、これは、住居本体102へと開いており、ハチはそこを通って住居本体102から貯留部116に入るであろう。貯留部116は貯留部出口ポート120をさらに備え、ハチはそこを通って貯留部116を出るであろう。貯留部出口ポート120は、本体102の出口ポート108に揃えられる。住居100を出るために、ハチは、住居本体102から、貯留部入口ポート118を通じて貯留部116に入り、貯留部116を通り、貯留部出口ポート120を通り貯留部116を出て、出口ポート108を通じて出口導管114に入り、出口導管114から出る出口路117に沿って移動する。
【0040】
図示された実施例において
図2から4を参照すると、粉末状植物処理配合物を収容するトレイ122が貯留部116内に受け入れ可能であり、それゆえ、トレイ122および植物処理配合物は、出口路117に位置している。以下にさらに詳しく説明されるように、貯留部116を通過するハチは、植物処理配合物を通り抜けさせられ、よって、植物処理配合物は、ハチにより拾い上げられ、くっつき、例えば、ハチが標的の植物に受粉するときに、標的の植物に送達されるであろう。
【0041】
このトレイは、プラスチックから製造されてもよく、ワンピース構造のものであってよい。さらに、トレイは、水分不透過性であり、不透光性であってよい。このことは、植物処理配合物の貯蔵寿命を延長するのに役立つであろう。
【0042】
図示された実施例において
図2から4を参照すると、トレイ122は、貯留部116内に取り外し可能に受け入れ可能であり、貯留部の蓋103が開けられたときに、貯留部116内に配置し、貯留部116から取り出すことができる。代わりの実施例において、トレイ122は、ハチ用住居100と一体となっていても、またはそれに永久的に取り付けられてもよい。例えば、トレイ122は、貯留部116に一体形成され、貯留部の蓋103が開けられたときに、補充されてもよい。
【0043】
図示された実施例において
図5を参照すると、トレイ122は、トレイ122が貯留部116に受け入れられたときに、貯留部入口ポート118に隣接して位置するハチの入口端128、およびトレイ122が貯留部116に受け入れられたときに、貯留部出口ポート120に隣接して位置するハチの出口端130を備えている。トレイ122の縦軸131は、ハチの入口端128とハチの出口端130との間に延在する。図示された実施例において、ハチの入口端128とハチの出口端130は、実質的に同一であり、トレイ122は、略対称的であり、それゆえ、トレイ122は、貯留部116に2つの向きのいずれで挿入してもよい。
【0044】
図示された実施例においてまだ
図5を参照すると、トレイは、基部124、および基部124から上方に延在し、基部124の周囲を取り囲む少なくとも1つの側壁126をさらに備えている。図示された実施例において、トレイ122は、略矩形であり、4つの側壁126、すなわち、ハチの入口端128とハチの出口端130との間に長手方向に延在する一組の間隔の置かれた壁126a,126b、およびそれぞれ、ハチの入口端128とハチの出口端130に横に延在する一組の間隔の置かれた壁126c,126dを備えいる。側壁126は上縁132を画成する。
【0045】
使用に際して、粉末状植物処理配合物は、基部124上の層として与えられ、側壁126により収容されるであろう。植物処理配合物は、基部上で初期深さ、すなわち、ハチにより枯渇される前の、層が最初に基部に設けられたときの深さを有するであろう。いくつかの実施例において、基部124上の植物処理配合物の初期深さは、以下のように選択してよい:
(1) 初期深さは、ハチの気門の高さより浅い。気門の高さは、ハチが歩いている表面から、ハチの最も低い気門までの距離として定義してよい。初期深さをハチの気門の高さより浅く選択することによって、粉末は、概して、ハチの気門を閉塞せず、概して、ハチの呼吸に干渉しない。
(2) 層の枯渇時間は、植物処理配合物の貯蔵寿命に相当する。植物処理配合物にハチが最初に接触した後(例えば、トレイが貯留部に最初に配置されたときに)、ハチが植物処理配合物を拾い上げるにつれて、植物処理配合物は枯渇するようになる。所定の期間後、植物処理配合物が、標的の農作物に恩恵をもたらす十分な量でハチによりもはや拾い上げられなくなった時点で、植物処理配合物は枯渇する。植物処理配合物にハチが最初に接触した時から、植物処理配合物が枯渇した時点までの時間が、枯渇時間と称される。さらに、植物処理配合物は一般に貯蔵寿命を有する。例えば、以下に記載されるように、トレイは最初に、取り外し可能な蓋で密閉された状態で提供されるであろう。蓋は、トレイが貯留部に挿入される前に取り外してもよい。蓋が取り外された後、植物処理配合物は特定の貯蔵寿命を有するであろう。例えば、貯蔵寿命が終わった後、植物処理配合物は、植物に恩恵を与える能力が減少したり、ハチに拾い上げられる能力が減少したり、劣化し始めたりするであろう。植物処理配合物の浪費を防ぐために、層の初期深さは、層の枯渇時間が植物処理配合物の貯蔵寿命に相当するように選択してよい。いくつかの実施例において、植物処理配合物の貯蔵寿命は、10日間未満、例えば、4日間と5日間の間であってよい。正確な貯蔵寿命は、配合物組成、周囲湿度および周囲温度などの様々な要因に依存するであろう。いくつかの実施例において、上述した要件を満たすために、初期深さは、約2mmと約4mmの間となるように選択してよい。
【0046】
トレイ122は、必要に応じて、植物処理配合物が予め充填された状態で販売されていてもよく、それゆえ、植物処理配合物が消費されたときに(例えば、数日後)、トレイ122は、取り出され、廃棄され、新しいトレイと取り替えられる。そのような実施例において、トレイ122は、上縁132に密閉された取り外し可能な蓋(図示せず)を備えてもよい。取り外し可能な蓋は金属ホイルであってよく、これは、上縁132にヒートシールされ、貯留部116に挿入される前に、ユーザによって剥がされるであろう。取り外し可能な蓋は、植物処理配合物の鮮度と効き目を維持するために、不透光性であり、水分不透過性であってよい。
【0047】
いくつかの実施例において、取り外し可能な蓋は、正味のプラスの静電荷を担持してもよい。以下にさらに説明するように、植物処理配合物は、プラスに帯電した成分を含んでもよい。植物処理配合物中のプラスに帯電した成分および取り外し可能な蓋は、互いに反発し合ってよく、よって、植物処理配合物は取り外し可能な蓋にはくっつかない。
【0048】
図示された実施例において
図5をまだ参照すると、側壁126cは、ハチの入口端128で基部124へと下方に至る第1組の階段134を画成し、側壁126dは、ハチの出口端130で基部124から上方に至る第2組の階段136を画成している。第1組134と第2組136の階段は、ハチがトレイ122に出入りするのを助けるであろう。代わりの実施例において、ハチの入口端および/またはハチの出口端は、ハチがトレイに出入りするのを助けるための傾斜路または梯子を含んでもよい。
【0049】
図示された実施例において
図5をまだ参照すると、トレイ122は、基部124から上方に延在し、ハチの入口端128とハチの出口端130との間に配置された複数の柱を備えている。これらの柱は、ハチの入口端128からハチの出口端130に到達するためにハチがその周りを歩く障害物としての機能を果たす。図示された実施例において、柱138は、概してずれているように配置されており、よって、ハチの入口端128からハチの出口端130までハチが沿って歩ける、軸131に対して平行な一直線の経路がない。このため、ハチの入口端128とハチの出口端130との間でハチがとる経路の長さが増加し、これによって、ハチがトレイ122を通過するときに、ハチが拾い上げる植物処理配合物の量が増加する。その上、これにより、ハチが、トレイ122を通る異なる経路をとるようにし向けられ、このことは、粉末が均一に分布し、ある軌道で押し固められないように維持するのに役立つ。
【0050】
図示された実施例において
図5をまだ参照すると、柱138は、断面が略円形である。代わりの実施例において、柱は、断面が正方形などの別の形状であってもよい。
【0051】
図示された実施例において
図5をまだ参照すると、各柱138は、上端140および基部124にある反対の下端142を有し、各柱138は、下端142で丸みがつけられていてよい。その丸みがつけられた部分は柱138と基部124との間に延在する。これらの丸みがつけられた部分は、柱138の下端142に植物処理配合物が蓄積し、押し固められるのを減少させるのに役立ち得る。
【0052】
図示された実施例において
図5をまだ参照すると、トレイ122は、側壁126から内側に延在し、基部124から上方に延在する障害物を少なくとも1つさらに備えてもよい。図示された実施例において
図5を参照すると、トレイ122は、側壁126aから内側に延在する2つの障害物144a,144b、および側壁126bから内側に延在する2つの障害物144c,144dを備えている。これらの障害物は、側壁126から概して内側に、トレイ122の縦軸131に向かって延在する。障害物144は、概して、側壁126a,126bに沿って、ハチの入口端128からハチの出口端130へと一直線にハチが歩くのを阻止し、柱138の間とその周りをハチに歩くようにし向ける働きをするであろう。重ねて、これにより、ハチの入口端128とハチの出口端130との間でハチが取る経路の長さが増加し、トレイ122を通る異なる経路をハチがとるようにし向けられる。
【0053】
上述したように、貯留部の蓋103は、貯留部116と、トレイ122も覆う。図示した実施例において
図4に戻ると、貯留部の蓋103とトレイ122は、ハチが、貯留部116を飛び抜けるのではなく、トレイ122の基部124に沿って、粉末の中を歩くようにし向けるように協働する。詳しくは、貯留部の蓋103は、側壁126の上に配置されており、少なくとも1つの下方に延在する障壁146を備えている。図示した実施例において、貯留部の蓋103は、複数の下方に延在する障壁146を備えている。障壁146は、トレイ122の縦軸131に対して直角な方向に貯留部の蓋103に亘り延在する(トレイが貯留部内に受け入れられたときに)。障壁146は、上端148と下端150、およびそれらの間に延在する高さを有する。障壁146の高さは、枯渇時間の期間に亘り、障壁146の下端150と基部上の粉末の層との間の距離が、概して小さすぎてハチがその間を飛べないように選択される。障壁146の下端150と基部上の粉末の層との間の距離は、出口経路の垂直クリアランスとここに称してもよい。例えば、この垂直クリアランスは、1インチ(約2.54cm)未満、より詳しくは0.75インチ(約1.91cm)未満であってよい。1つの特別な実施例において、トレイ122の高さは、約0.75インチ(約1.91cm)であり、障壁146はトレイ122の上部まで延在し、層の初期深さは2〜4mm(0.08から0.16インチ)である。この特別な実施例において、垂直クリアランスは、約0.59インチ(約1.50cm)と約0.67インチ(約1.70cm)との間である。このことにより、概して、トレイ122の底部124に沿ってハチが歩くようにし向けられる。
【0054】
代わりの実施例において、ハチは、別の様式で、トレイ122の底部124に沿って、粉末の中を通って歩くようにし向けられてもよい。例えば、貯留部116の高さを、柱138の上端140と貯留部の蓋103との間の距離が概して小さすぎてハチがその間を飛べないように選択してもよい。
【0055】
図示された実施例において、障壁146は加えて、ハチが貯留部の蓋103の内面に沿って逆さまに歩き、それによって、粉末を完全に避けるのを阻止する働きをする。
【0056】
図示された実施例において
図1および2に戻ると、住居100はさらにドア154を備え、これは、貯留部の入口ポート118を遮断したり通したりするように開閉されて、ハチによる貯留部116へのアクセスを選択的に許可したり妨げたりしてもよい。例えば、トレイ122を新しいトレイと取り替えるときに、貯留部の蓋103を開く前に、ドア154を閉じ、よって、貯留部の蓋103が開かれたときに、ハチが、開かれた貯留部の蓋103を介して住居100から出られないようにすることが望ましいであろう。
図1において、ドア154は、閉じた位置に示されている。ドア154を開けるために、ドアを上方に引っ張り、住居の蓋104上に載るように後方に旋回させてもよい。
【0057】
図示された実施例において、貯留部116およびトレイ122(貯留部116内に受け入れられたとき)は、住居100の内部にある。代わりの実施例において、貯留部116およびトレイ122は、住居100の外部にあってもよい。
【0058】
例えば、800だけ増加して、
図1から5に同様の特徴を称するために同様の参照番号が使用されている、
図9および10をここで参照して、貯留部916およびトレイ922がハチ用住居900の外部にある、代わりの例示のハチ用住居900が示されている。入口/出口アセンブリ910は入口/出口アセンブリ110と同様である;しかしながら、入口/出口アセンブリ910において、入口導管と出口導管(図示せず)の両方とも、本体902の内部に延在している。
【0059】
図10を参照すると、貯留部916は、ハチ用住居900とは別のユニットであり、後方壁956、上壁958、底壁960、および対向する側壁962,964を備えている。上壁958、底壁960、および側壁962,964は、後方壁956とは反対に前方開口965を画成する。取り外し可能なドア957(
図9に示されている)が、前方開口965を覆って貯留部916に取付可能である。フック966が、後方壁956に隣接して設けられており、ハチ用住居900の本体902の前面958に貯留部916を取り付けるために使用できる。
【0060】
図10をまだ参照すると、貯留部916は内部の隔壁968を備え、この隔壁は、貯留部を第1の部屋970と第2の部屋972に分割している。ハチは、第1の部屋970を介してハチ用住居900に入り、第2の部屋972を介してハチ用住居900から出る。
【0061】
図示された実施例において
図10をまだ参照すると、後方壁は穴974を備えている。隔壁968は、穴974を横切って延在し、その穴を、第1の部屋の出口ポート976および第2の部屋の入口ポート978に分割している。第1の部屋の出口ポート976は、入口/出口アセンブリ910の入口導管に揃えられ、ハチは、第1の部屋の出口ポート976を介して第1の部屋970からハチ用住居900に通過する。第2の部屋の出口ポート978は、入口/出口アセンブリ910の出口導管に揃えられ、ハチは、第2の部屋の入口ポート978を介してハチ用住居900から第2の部屋972に通過する。
【0062】
図示された実施例において
図10をまだ参照すると、側壁962は、第1の部屋970と連通した穴980を備えている。さらに、隔壁968は穴984を備え、この穴は、第2の部屋972と穴980との間の通路を提供する。ハチは、穴980を通じて第1の部屋970に入る。ハチは、隔壁968の穴984を通じて第2の部屋972を出て、次いで、側壁962の穴980を通過する。
【0063】
図9に戻ると、トレイ922が貯留部916内に受け入れ可能である。トレイ922はトレイ122と同様である;しかしながら、柱938は、断面が略正方形であり、ずれているのではなく、一連の行列に整列されている。さらに、ハチの入口端928およびハチの出口端930は階段を備えていない。その代わりに、ハチの入口端928は概して直立壁929を備え、ハチの出口端は傾斜壁931を備えている。
【0064】
トレイ922は、第2の部屋972に受け入れ可能であり、貯留部916の底壁960上に載せることができる。トレイ922は、ドア957が開かれているときに、第2の部屋972に挿入し、そこから取り出すことができる。第2の部屋972を通過するハチは、トレイ922内に収容された植物処理配合物の中を歩くようにし向けられ、よって、植物処理配合物が、ハチにより拾い上げられ、くっつき、例えば、ハチが標的の植物に受粉するときに、標的の植物に送達されるであろう。
【0065】
ここで
図6を参照すると、代わりの例示のハチ用住居200が示されている。住居200は、ミツバチにより群生され、少なくとも1つの蜜貯め202、および底板204を備えている。蓋203が蜜貯め202に取り付けられている。底板204は、前端206、後端208、および内部空洞210を備えている。前端206は、内部空洞210を外部環境に開くための底板開口212を備えている。少なくとも1つの蜜貯め202は、後端208に対して開いている。
【0066】
ここで
図7および8を参照すると、住居200は、入口板214および出口板216をさらに備えており、これらの板は底板204に受け入れ可能である。図示された実施例において、底板204は内部レール219(
図6に示されている)を備え、入口板214よび出口板216は、底板の開口212を通じ、レール219に沿って、底板に摺動可能に受け入れ可能である。入口板214よび出口板216は、それらが垂直に積み重ねられるように、底板204に受け入れ可能である。図示された実施例において、出口板216は、入口板214の垂直に上に配置されている;代わりの実施例において、出口板216は、入口板214の垂直に下に配置されてもよい。
【0067】
入口板214は、ハチが開口212から少なくとも1つの蜜貯め202に到達するための少なくとも1つの入口経路215を画成する。図示された実施例において
図7および8をまだ参照すると、入口板214は、2つの入口経路215a,215bを備えている。入口経路215a,215bは、入口板214に形成された2つの通路218a,218bにより画成されている。入口板214および出口板216が底板204に受け入れられたときに、出口板216が通路218a,218bを覆う。通路218a,218bは、入口板214が底板204内に受け入れられたときに、底板204の前端206から、底板204の後端208まで延在する。通路218a,218bは、光が底板の開口212を通じて底板204に進入するのを遮断するための遮光特徴を備えてもよい。図示された実施例において、通路218a,218bは湾曲して、光が底板の開口212を通じて底板204に進入するのを遮断している。
【0068】
出口板216は、ハチが少なくとも1つの蜜貯め202から底板の開口212に到達するための出口経路217を画成する。
図7および8をまだ参照すると、出口板は上面220を備えている。出口板216が底板204内に受け入れられたときに、上面220は、蜜貯め202の垂直の下に間隔が置かれ、間隙222が上面220と蜜貯め202との間に画成される。出口板216は、上面220の前方に配置された下方に延在する凹部224(貯留部とも称される)をさらに備えている。開放可能な蓋226が、凹部224を覆って取り付けられており、蓋226が凹部224を覆って取り付けられたときに、上面220に隣接して位置する少なくとも1つのハチ入口ポート228、および蓋が凹部224を覆って取り付けられたときに底板の開口212に隣接して位置する少なくとも1つのハチ出口ポート230を備えている。蓋226が凹部224を覆って取り付けられ、出口板216が底板204内に受け入れられたときに、蓋226は、蜜貯め202に近接して位置しており、それゆえ、ハチは、概して、蓋226と蜜貯め202との間を飛ばないであろう。ハチ用住居200を出るために、ハチは、蜜貯め202から上面220の領域へと通過し、次いで、上面220に沿って歩くか、または凹部224に向かって間隙222内を飛ぶであろう。次いで、ハチは、ハチ入口ポート228を介して凹部224に進入し、凹部224を通過し、ハチ出口ポート230を介して凹部224を出て、底板の開口212を通過する。
【0069】
図7および8をまだ参照すると、トレイ232が凹部224内に受け入れ可能であり、よって、トレイは出口経路217内に配置され、ハチは、そこを通って歩いて、少なくとも1つの蜜貯め202から開口212に到達するであろう。トレイ232は、
図1から4に関して先に記載されたトレイ122と同様であり、粉末状植物処理剤を受け入れるように構成されている。トレイ122に関して先に記載したように、凹部224を通過するハチは、トレイ232内に収容された植物処理配合物の中を歩くようにし向けられ、よって、植物処理配合物は、ハチにより拾い上げられ、ハチにくっくき、ハチが標的の植物に受粉するときに、標的の植物に送達される。
【0070】
トレイ232内の植物処理配合物が消費されたときに、出口板216は、開口212を通して底板204から引き出され、蓋226が凹部224から外され、トレイ232が、凹部224から取り出され、新しいトレイと取り替えられるであろう。あるいは、トレイ232に補充してもよい。
【0071】
図1から4に関して先に記載された貯留部の蓋103と同様に、蓋226は、下方に延在する障壁234を備えており、それらの障壁は、トレイ232と協働して、ハチがトレイ232の中を飛ぶのを阻止し、ハチに粉末の中を歩くようにし向ける。この実施例において、垂直クリアランスは、1インチ(約2.54cm)未満、より詳しくは、0.875インチ(約2.22cm)未満であってよい。1つの特別な実施例において、垂直クリアランスは、約0.715インチ(約1.81cm)と約0.795インチ(約2.02cm)との間であってよい。
【0072】
トレイ122および232は、植物の処理のためのどのような適切な粉末配合物を収容してもよい。適切な配合物は一般に、植物処理剤(すなわち、農作物に有益な作用物質)、および1種類以上の添加剤を含んでよい。