特許第6066644号(P6066644)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6066644
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】セラミックス接合体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 37/00 20060101AFI20170116BHJP
【FI】
   C04B37/00 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-211977(P2012-211977)
(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公開番号】特開2014-65631(P2014-65631A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年8月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 弘徳
(72)【発明者】
【氏名】梅津 基宏
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 敬輔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 良太
【審査官】 伊藤 真明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−137830(JP,A)
【文献】 特開2011−148687(JP,A)
【文献】 国際公開第03/008359(WO,A1)
【文献】 特開2005−022905(JP,A)
【文献】 特開2008−137830(JP,A)
【文献】 特開2008−174443(JP,A)
【文献】 特開2013−177281(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 37/00− 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一組成の複数のセラミックス焼結体としてのアルミナ質焼結体が接合部を介して接合されているセラミックス接合体であって、前記接合部が前記セラミックス焼結体と同一組成であり、かつ、前記接合部におけるボイドの存在率が3〜30%の範囲に含まれているセラミックス接合体の製造方法であって、
前記複数のセラミックス焼結体を作製する工程と、
前記複数のセラミックス焼結体を構成するセラミックスと同種のセラミックス粒子を含む接合材を調整する工程と、
前記複数のセラミックス焼結体が前記接合材をはさんでいる状態で、前記複数のセラミックス焼結体の雰囲気温度を制御し、かつ、前記複数のセラミックス焼結体が相互に近接するように前記複数のセラミックス焼結体に圧力を加える加圧焼結工程と、を含み、
前記加圧焼結工程において、前記雰囲気温度T[℃]および前記圧力P[kg/cm2]の組み合わせを表わすプロットが、4本の線分T=1400(20≦P≦100)、P=20(1400≦T≦1650)、P=100(1400≦T≦1500)およびP=−0.533T+900(1500≦T≦1650)により囲まれている第1所定範囲に含まれるように、前記雰囲気温度Tおよび前記圧力Pを制御することを特徴とするセラミックス接合体の製造方法。
【請求項2】
請求項記載のセラミックス接合体の製造方法において、
前記加圧焼結工程において、前記雰囲気温度T[℃]および前記圧力P[kg/cm2]の組み合わせを表わすプロットが、4本の線分P=60(1550≦T≦1575)、P=100(1400≦T≦1500)、P=−0.27T+478(1400≦T≦1550)およびP=−0.533T+900(1500≦T≦1575)により囲まれている第2所定範囲に含まれるように、前記雰囲気温度Tおよび前記圧力Pを制御することを特徴とするセラミックス接合体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス焼結体同士を接合することにより製造されるセラミックス接合体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジニアリングセラミックスの多くは、硬くかつ脆いため、複雑な形状の部材を製造するためには加工コストが高くなる。そこで、セラミックス焼結体同士を、セラミックス系スラリー接着剤等により接着した上で焼成により接合する等、セラミックス焼結体を組み合わせて接合する手法が提案されている(特許文献1〜3参照)。接合対象である複数の焼結体と同一組成又は略同一組成の緻密焼結体により接合層が構成されることにより、当該複数の焼結体と同等の特性を接合層に持たせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−174443号公報
【特許文献2】特開平10−272614号公報
【特許文献3】特開平03−005381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、半導体製造装置に使用されるガス分散板、冷却板又は天板など、局所的に加熱される部品としてセラミックス接合体が用いられる場合、当該接合体が全体的に反る等、変形してしまう可能性がある。接合体が接着剤により別個の基体に貼付されて使用される場合、この反り(変形)により接合体に対して貼付された基材間の接着に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、複数のセラミックス焼結体の接合部における変形量の抑制を図ることができるセラミックス接合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のセラミックス接合体の製造方法は、同一組成の複数のセラミックス焼結体としてのアルミナ質焼結体が接合部を介して接合されているセラミックス接合体であって、前記接合部が前記セラミックス焼結体と同一組成であり、かつ、前記接合部におけるボイドの存在率が3〜30%の範囲に含まれているセラミックス接合体の製造方法であって、前記複数のセラミックス焼結体を作製する工程と、前記複数のセラミックス焼結体を構成するセラミックスと同種のセラミックス粒子を含む接合材を調整する工程と、前記複数のセラミックス焼結体が前記接合材をはさんでいる状態で、前記複数のセラミックス焼結体の雰囲気温度を制御し、かつ、前記複数のセラミックス焼結体が相互に近接するように前記複数のセラミックス焼結体に圧力を加える加圧焼結工程と、を含み、前記加圧焼結工程において、前記雰囲気温度T[℃]および前記圧力P[kg/cm2]の組み合わせを表わすプロットが、4本の線分T=1400(20≦P≦100)、P=20(1400≦T≦1650)、P=100(1400≦T≦1500)およびP=−0.533T+900(1500≦T≦1650)により囲まれている第1所定範囲に含まれるように、前記雰囲気温度Tおよび前記圧力Pを制御することを特徴とする。
【0008】
前記加圧焼結工程において、前記雰囲気温度T[℃]および前記圧力P[kg/cm2]の組み合わせを表わすプロットが、4本の線分P=60(1550≦T≦1575)、P=100(1400≦T≦1500)、P=−0.27T+478(1400≦T≦1550)およびP=−0.533T+900(1500≦T≦1575)により囲まれている第2所定範囲に含まれるように、前記雰囲気温度Tおよび前記圧力Pを制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のセラミックス接合体によれば、接合部がセラミックス焼結体または母材と同一組成であるため、複数のセラミックス焼結体と同程度の耐食性を当該接合部に持たせることができる。また、接合部におけるボイドの存在率が調節されていることにより接合部の弾性率等、応力緩和に関連する特性の向上が図られ、セラミックス接合体の局所的な加熱による当該接合部の変形量の低減が図られる。
【0010】
このため、本発明のセラミックス接合体は、各種装置の構成部品としての汎用性があり、特に高い耐食性及び高純度材料からなることが要求される半導体製造装置の構成部品などに適用されうる。
【0011】
例えば、本発明のセラミックス接合体が、局所的に腐食性流体又はプラズマ雰囲気等に曝されかつ加熱されるような環境下で半導体製造装置の構成部品として用いられた場合、接合部の腐食が抑制されることによって当該構成部品の長寿命化が図られる。これに加えて、構成部品がウエハ載置部分に用いられている場合、セラミックス接合体の変形が抑制されることによってウエハ処理時の不良発生頻度が著しく低減されうる。その結果、製品の歩留まり向上、ひいては、装置のメンテナンス頻度を低下させ、装置のランニングコストの低下(生産効率の向上)にも寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のセラミックス接合体の構成の概念説明図。
図2】接合強度の測定方法に関する説明図。
図3】平面度の測定方法に関する説明図。
図4】接合層(接合部)の定義に関する説明図。
図5】ボイド存在率の測定方法に関する説明図。
図6】接合体の製造条件に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(セラミック接合体の製造方法)
原料粉末に対して、アルコール又は水、有機バインダー及び可塑剤が添加された上でこれらが混合されることによりスラリーが調整され、スラリーがスプレードライされることにより原料顆粒が得られる。原料顆粒がCIP等により成形されることにより成形体が作製される。そして、所定温度で所定時間にわたって焼成されることで、セラミックス焼結体が作製される。複数の焼結体同士の接合面は、研削加工等の加工により形成又は形状調節されてもよい。表面粗さは、できる限り平滑である方が接合には好ましいが、生産性や加工コストの観点から、一般的な研削面程度(Ra0.7[μm]程度)が望ましい。
【0014】
半導体装置で使用されるガス分散板として使用されるような部品にはアルミナ、冷却板として使用されるような部品には炭化ケイ素又は窒化アルミ、天板として使用されるような部品にはアルミナ又はイットリアなどが原料として採用される。
【0015】
焼結体と同一組成の原料粉末に対して、バインダー及び可塑剤が添加された上で混合されることによりペーストが作製される。複数のセラミックス焼結体の接合面の一方又は両方に対してペーストが印刷により均一に塗布される。接合部の構成要素として、焼結体の接合面に対してペーストに代えてスラリーが塗布されてもよく、グリーンシートが設置されてもよい。
【0016】
また、接合材の厚みは、接合後の接合層厚みで、5[μm]以上となるように調節するのが好ましく、更に好ましくは10〜60[μm]程度がより好ましい。これは、薄すぎると、変形に対する緩衝効果が小さく、厚すぎると強度の著しい低下を招く原因となる可能性が考えられるためである。
【0017】
接合材の塗布後、ペーストが適当な温度(例えば100[℃])で乾燥される。大気雰囲気下で適当な温度(例えば500[℃]程度の温度)で脱脂処理が施されてもよい。
【0018】
接合材が塗布された焼結体の接合面同士が貼り合わせられた上で、固定された状態で、非酸化雰囲気の下、加圧焼結される。この際の雰囲気温度T[℃]および圧力P[kg/cm2]の組み合わせを表わすプロットが、第1所定範囲C1に含まれるように、雰囲気温度Tおよび圧力Pが制御される(図6参照)。第1所定範囲C1は、図6に一点鎖線で示されている4本の直線線分T=1400(20≦P≦100)、P=20(1400≦T≦1650)、P=100(1400≦T≦1500)およびP=−0.533T+900(1500≦T≦1650)により囲まれている。
【0019】
雰囲気温度T[℃]および圧力P[kg/cm2]の組み合わせを表わすプロットが、第1所定範囲C1の一部である第2所定範囲C2に含まれるように、雰囲気温度Tおよび圧力Pが制御されることが好ましい(図6参照)。第2所定範囲C2は、図6に二点鎖線で示されている4本の直線線分P=60(1550≦T≦1575)、P=100(1400≦T≦1500)、P=−0.27T+478(1400≦T≦1550)およびP=−0.533T+900(1500≦T≦1575)により囲まれている。
【0020】
前記工程を経て、図1に示されているように、第1セラミックス焼結体11及び第2セラミックス焼結体12がボイド100を有する接合層10を介して接合されているセラミックス接合体1が製造される。
【0021】
接合層にボイドを発生させる要因としては、加圧焼結時のセラミックス焼結体の雰囲気温度Tおよび圧力Pのほか、セラミックス焼結体の接合面の表面粗さ(大きい方がボイド発生)、接合材に含まれる残留有機物量(バインダー等、多い方がボイド発生)、接合材に使用する原料粒子径、接合材の形成手法および材料種などが挙げられる。
【0022】
(実施例)
アルミナ質焼結体(母材)同士が接合されることより、アルミナ質セラミックス接合体が製造された。具体的には、まず、純度99.99%以上のアルミナ粉末に対して、IPA(イソプロピルアルコール)、有機バインダー及び可塑剤が添加された上でこれらが混合され、スプレードライ法によりアルミナ顆粒が得られた。顆粒がCIPにより成形されることにより成形体が作製され、当該成形体が所定の焼成温度で6時間にわたり常圧焼成された。これにより、相対密度99%以上のアルミナ質焼結体が得られた。
【0023】
2つの焼結体が、表面粗さがRa0.7[μm]になるように研削加工された。
【0024】
雰囲気温度Tおよび圧力Pの組み合わせが、表1に示されているように制御されることにより、実施例1〜10のそれぞれのセラミックス接合体が製造された。図6に示されているように、実施例1〜10のそれぞれのセラミックス接合体の製造条件である雰囲気温度Tおよび圧力Pの組み合わせを表わすプロット(実施例の数番を表わす丸付き数字)は、第1所定範囲C1に含まれている。実施例4、7および8のそれぞれのセラミックス接合体の製造条件である雰囲気温度Tおよび圧力Pの組み合わせを表わすプロット(実施例の数番を表わす二重丸付き数字)は、第2所定範囲C2に含まれている。
【0025】
接合体の形状および加工内容は、各評価項目に応じて調節された。具体的には、接合強度測定用の接合体の形状は、4×3×片側母材厚み20[mm](全長40[mm]+接合層)に調節され、平面度測定用の接合体の形状は、φ200×片側母材厚み2[mm](全厚4[mm]+接合層)に調節され、ボイド存在率測定用の接合体の形状は、片側母材厚み4[mm](全厚8[mm]+接合層)×10[mm]に調節され、当断接合体には面研磨加工が施された。
【0026】
各実施例のセラミックス接合体の接合強度は、JIS R1624 ファインセラミックス接合の曲げ強さ試験方法にしたがって評価された。具体的には、図2に示されているように、焼結体11及び12のそれぞれが、その対向方向(図左右方向)に対して垂直な方向(図上下方向)について、一方の側(下側)において接合層10(接合部)から遠い箇所で支持されている状態で、他方の側(上側)において接合層10に近い箇所で荷重が掛けられ、接合体1が(接合層10において)割れた際の当該荷重が計測された。接合強度は、接合層を有していないセラミックス焼結体を基準(100%)として表現されている。
【0027】
実施例1〜4のセラミックス接合体の変形量(平面度変化量)は、光学計測機器が用いられ、図3に示されているように接合体1が一方の主面側で加熱されている一方、他方の主面側で冷却(自然冷却)されている状況下で評価された。
【0028】
各実施例のセラミックス接合体の接合層内のボイド存在率の測定は、黒面積計算ソフトを用いた画像解析にて、領域内のボイド面積比率を評価した。具体的には、以下に記す方法にて算出した。
【0029】
「接合層」とは、図4(a)および(b)のそれぞれに示されているように、セラミック焼結体11および12の接合方向(上下方向)について、横方向に並んでいる、最も端(上端および下端)の複数のボイドからなるボイド列の位置を示す一対の境界線により挟まれている領域を意味する。電子顕微鏡(SEM)を用いて極力ボイドのエッジがフラッシュしない条件でサンプルが撮像される。観察倍率は、観察画面に対して母材11および12と接合層の比が、2:1(母材:接合層)程度になる倍率が好ましい。同様に異なる10箇所においてサンプルが撮像される。図5(a)〜(d)には、ボイド存在率が異なる複数の撮像画像が例示されている。
【0030】
後述のように処理された画像から接合層10の厚みtが計測され、この厚みtの2倍の間隔2tを長辺とする矩形状領域Iが定義される(図4(a)(b)太線矩形参照)。
【0031】
図画像処理ソフトの画像調整機能にしたがって、ボイドのエッジ強調処理等、ボイド100とそれ以外の部分との識別を容易化するための予備処理が当該領域Iの撮像画像に施される。その上で、当該画像がさらに2値化処理され、ボイド部分およびそれ以外の部分が識別される。黒面積計算ソフトの機能にしたがって、2値化画像の黒部分の面積と黒面積比率が算出される。同一サンプルの10箇所における撮像画像について、当該算出値の平均値がボイド存在率として評価された(数値誤差:測定値±10%程度)。
【0032】
図5(a)〜(d)に示されているセラミックス接合体の接合部を含む撮像画像から求められたボイド存在率は、23.1%、15.2%、3.3%および2.8%のそれぞれであった。
【0033】
表1には、実施例1〜10のそれぞれのセラミックス接合体の評価結果が接合条件とともにまとめて示されている。
【0034】
【表1】
【0035】
表1から次のことがわかる。実施例1〜10のそれぞれのセラミックス接合体の接合層におけるボイドの存在率が2〜30%の範囲にあり、かつ、複数のセラミックス焼結体11および12の同士の接合強度が、当該セラミックス焼結体(単体)の強度に対して25〜80[%]の範囲にあること。実施例1〜4のそれぞれのセラミックス接合体の変形量が2〜10[mm]の範囲にあること。
【0036】
特に、製造条件が第2所定範囲C2に含まれる実施例4、7および8(図6参照)のそれぞれのセラミックス接合体の接合部10におけるボイド存在率が3〜5%と低く、かつ、接合強度が80%と高いこと。
【0037】
(比較例)
雰囲気温度Tおよび圧力Pの組み合わせが、表2に示されているように制御されることにより、比較例1〜11のそれぞれのセラミックス接合体が製造された。図6に示されているように、比較例1〜11のそれぞれのセラミックス接合体の製造条件である雰囲気温度Tおよび圧力Pの組み合わせを表わすプロット(比較例の数番を表わす三角付き数字)は、第1所定範囲C1からはずれている。
【0038】
表2には、実施例1〜10のそれぞれのセラミックス接合体の評価結果が接合条件とともにまとめて示されている。
【0039】
【表2】
【0040】
表2から次のことがわかる。比較例1〜3では、セラミックス焼結体11および12の接合に必要な温度が不足しているため、接合体を得ることができないこと。比較例4、6および9のそれぞれのセラミックス接合体においてはセラミックス焼結体11および12の接合強度が弱く、変形量の評価試験に際して加熱による反りに耐えられなくなり、接合界面から焼結体11および12が剥離したこと。
【0041】
比較例5、7および8のそれぞれのセラミックス接合体の接合層におけるボイドの存在率が3%より小さく(殆ど存在しない)、接合層による複数のセラミックス焼結体同士の接合強度が、当該セラミックス焼結体の強度に対して80[%]より高く、かつ、変形量が10[mm]より大きいこと(すなわちセラミックス焼結体単体と同様の性質を示していること)。比較例10および11では、焼結温度が過度に高温となり、セラミックス焼結体(母材)自体に著しい粒成長が発生し、これによる母材自体の気孔の増加、接合の段階での大きな変形、及び表面の一部が溶融(メルト)してしまい、良好な接合体が得られないこと。
【符号の説明】
【0042】
1‥セラミックス接合体、10‥接合層(接合部)、11‥第1セラミックス焼結体、12‥第2セラミックス焼結体、100‥ボイド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6