(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、以下のような問題を考慮していなかった。具体的には後述する。
【0007】
一般的に印刷装置で記録媒体に印刷する場合、CMYKインクを用いたカラー印刷やKインクのみを用いたモノクロ印刷によって記録媒体に画像を印刷する。また、本来Kインクで表現する黒画像に対して、Kインクの代わりにCMYインクを重ね合わせて再現する場合もある。
【0008】
ここで、使用するCMYKインクによっては、インクの特性によって搬送ローラに付着しやすい場合と付着しにくい場合がある。
【0009】
しかしながら、特許文献1では、付着しやすい場合と、付着しにくい場合に着目して制御を行っていなかったので、生産性が低下するということが問題になっていた。
【0010】
具体的には、特許文献1では、インクの種類を問わず、印刷に使用するインク量にのみ基づいて、一律にインクが乾燥するまでの間は記録媒体の搬送を停止している。このため、搬送ローラに付着しにくいインクのインク量が多く、搬送ローラに付着しやすいインクのインク量が少ないとき、再転写しても印刷された画像を汚しにくいにもかかわらず、インクが乾燥するまで搬送を停止していたので、印刷の生産性を必要以上に低下させてしまっていた。
【0011】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、インクの特性による搬送ローラへの付着差に着目して印刷の生産性を向上させつつも、再転写汚れを防止する印刷装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る印刷装置の第1の特徴によれば、画像データに基づいてインクを用いて搬送経路内を搬送される記録媒体に印刷する印刷装置において、前記搬送経路内で印刷済の記録媒体を搬送する搬送ローラと、画像領域の各画素位置において、第1のインクの色成分と前記第1のインクよりも前記搬送ローラに転写しにくい複数色の第2のインクの色成分とで構成される画像データに対して、前記第1のインクと前記第2のインクを用いて前記記録媒体に印刷する印刷部と、前記画像データに応じて、前記画像データに対して、前記第1のインクの色成分に対応したインク量を低減させ、前記第2のインクの色成分に対応したインク量を増加させるように画像処理する画像処理部とを備えることである。
【0013】
本発明に係る印刷装置の第2の特徴によれば、前記画像データの属性が文字データのみである場合、前記記録媒体において、前記搬送ローラと搬送される記録媒体とが接する領域を特定する領域特定部を備え、前記領域内における前記画像データに対してのみ前記画像処理することである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る印刷装置の第1の特徴によれば、インク成分の違いによる搬送ローラへのインクの付着差に着目し、搬送ローラに付着しやすい成分に対応したインク量を少なくし、転写しにくい成分に対応したインク量を多くするように画像処理することで、再転写しやすいインク成分が少なくなり、インクが乾燥するまで待つ搬送を必要がなくなったので、印刷の生産性を向上しつつ再転写汚れを防止できる。
【0015】
また、画像データの属性が文字データのみである場合、記録媒体と搬送ローラとが接する領域を特定して、領域内の画像データのみに対して、搬送ローラに付着しやすい成分に対応したインク量を少なくし、転写しにくい成分に対応したインク量を多くするように画像処理するので、搬送ローラを介してのインクの再転写を防止するとともに、極力画像データの本来の色味を再現できる。
以上
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0018】
図1は、印刷装置の全体図である。
図2は、印刷装置のブロック図である。
図3は、RGB形式の画像データを取得してからCMYK形式に変換して印刷するまでの処理を表したフローチャートである。
図4は、記録媒体と搬送ローラとが接する領域を特定する図である。
図5は、記録媒体と搬送ローラとが接する領域内と領域外におけるインク量と階調値との関係を表した図である。
図6は、記録媒体におけるCMYK成分ごとの転写のしやすさを表した図である。
【0019】
図1のように、印刷装置100は、印刷部210、給紙台120、給紙ローラ122、レジストローラ124、給紙トレイ130、排紙口140、排紙台150、搬送ベルト160、切り替え部170、給紙系搬送路FR、通常搬送経路CR、スイッチバック経路SR、搬送ローラ180、表示部214とを備えている。
【0020】
制御部200は、取得部216と領域特定部218とを備えている。また、制御部200は、記憶部202、画像読取部204、データ受信部206、画像処理部208、印刷部210、搬送部212、表示部214と接続されている。
【0021】
取得部216は、印刷ジョブより画像データの属性情報、画像データのうちの黒画像データ、記録媒体のサイズ情報を取得する。属性としては、たとえば、画像データが文字であるか写真であるかなどを表す情報である。黒画像データは、画像データのうち印字したときに所定以上の階調を表現する画素データであり、本実施形態では、黒画像データがK成分とCMY成分とで構成される。記録媒体のサイズ情報は、A4、A5などのサイズ情報であり、後述する印刷ジョブの印刷設定などから取得した情報である。
【0022】
領域特定部218は、搬送ローラ180と搬送される記録媒体とが接する搬送ローラ180の座標情報と記録媒体のサイズ情報に基づいて、搬送ローラ180と搬送される記録媒体とが接する領域を特定する。本実施形態では、領域の特定は、記憶部202の搬送ローラ180の座標情報と取得部216が印刷ジョブから取得した記録媒体のサイズ情報とが重なる座標を特定し、特定された複数の座標間を記録媒体と搬送ローラ180とが接する領域として特定する。さらに、領域特定部218は、特定された領域に対象画素があるか否かを判断する。
【0023】
記憶部202は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)とを備えており、印刷するための搬送スケジューリング、記録媒体と搬送ローラ180とが接する搬送ローラ180の位置情報、搬送ローラ180の座標情報、搬送可能な記録媒体のサイズ情報などを記憶している。
【0024】
搬送ローラ180の位置情報は、筐体の内部に設けられた各搬送ローラ180の位置を示す情報である。搬送ローラ180の座標情報は、記録媒体の搬送方向に対して幅方向の各搬送ローラ180の座標である。本実施形態では、記録媒体と搬送ローラ180とが接する座標が記憶されている。記録媒体のサイズ情報は、印刷ジョブの印刷設定などを参照して取得した記録媒体のサイズ情報である。
【0025】
画像読取部204は、セットされた原稿用紙を読み取るスキャナである。画像読取部204は、読み取られた画像データを制御部200に受け渡す。制御部200は、画像読取部204により読み取られた画像データを画像処理部208に受け渡す。
【0026】
データ受信部206は、PCなどの情報端末装置から印刷ジョブ(PDLデータや印刷設定データ)を受信する通信インターフェースであり、受信した印刷ジョブに含まれる画像データを制御部200に受け渡す。また、制御部200は、画像処理部208に画像データを受け渡す。
【0027】
画像処理部208は、画像データ受信部206から受信した画像データに画像処理を施す。たとえば、RIP処理やRGB−CMYK変換処理などの画像処理を施す。また、画像処理部208は、各色階調値に基づいて、吐出機構が吐出するインク量を算出する。画像処理部208による画像処理後、制御部200は、画像処理部208により画像処理された画像データを印刷部210に受け渡し印刷させる。
【0028】
RIP処理は、画像データ受信部206により受信された印刷ジョブに基づいて、レッド(以下、R)成分、グリーン(以下、G)成分、ブルー(以下、B)成分の所定の解像度のビットマップに展開した結果のラスタデータである印刷データを生成する。ここで、印刷データにおいては、所定の解像度で展開された各画素ごとに、R成分の値(例えば、0〜255)、G成分の値(例えば、0〜255)、B成分の値(例えば、0〜255)が対応づけられている。
【0029】
RGB−CMYK変換部処理は、RIP処理で生成されたR成分、G成分、B成分の印刷データを、ルックアップテーブル(LUT)を用いてシアン(以下、C)成分、マゼンタ(以下、M)成分、イエロー(以下、Y)成分、ブラック(以下、K)成分を備える印刷データに変換する。
【0030】
また、画像処理部208は、CMYK成分の階調値に基づいて、吐出機構が吐出するインク量を算出する。なお、本実施形態では、CMYインクとKインクを用いてK成分を再現しているが、K成分を再現できればCMYインク以外のカラーインクを用いてもよい。
【0031】
印刷部210は、生成された印刷データに基づいて、吐出口からインクを吐出するインクジェットヘッドを含む吐出機構を備えている。印刷部210は、画像処理部208により画像処理された画像データに関する吐出指令を制御部200から受け、吐出機構がインクを吐出して印刷する。
【0032】
印刷部210は、
図1のように、インクの吐出口(ノズル)を、主走査方向に複数配列したライン型のインクジェットヘッドを複数備え、それぞれのインクジェットヘッドからKインク又はCMYインクを吐出してライン単位で各色の画像を重ね合わせるようにして形成する印刷装置である。
【0033】
搬送部212は、給紙ローラ122とレジストローラ124と搬送ローラ180と搬送ベルト160とを備える。搬送部212は、搬送経路内に設けられた搬送ローラ180と搬送ベルト160により記録媒体を搬送する。
図1のように、搬送された記録媒体は、筐体の外部に露出した給紙台120と、筐体の内部に設けられた給紙トレイ130に積載された記録媒体を給紙ローラ122とレジストローラ124で搬送ベルト160まで搬送する。
【0034】
レジストローラ124には、未印刷の記録媒体や片面印刷済の記録媒体が搬送されて導かれる。レジストローラ124の直前部分には、給紙された記録媒体の搬送経路と、裏面印刷の用紙が循環して搬送されてくる経路とが合流する合流地点が存在する。本実施形態では、この合流地点を基準に、給紙機構側の経路を給紙系搬送路FRと称し、それ以外の経路を通常搬送経路CRと称するものとする。
【0035】
搬送ベルト160は、時計回り方向に回転して記録媒体を搬送する。また、搬送ベルト160の上面には、その記録媒体の搬送方向に沿って印刷部210が並べて配置されている。搬送ベルト160は、搬送ベルト上で印刷部210により印刷された記録媒体を搬送方向下流の搬送ローラ180へ搬送する。
【0036】
搬送ローラ180は、主に通常搬送経路CRとスイッチバック経路SRにおいて、印刷済の記録媒体を搬送する。記録媒体の片面のみに印刷を行う片面印刷の場合は、スイッチバック経路SRには搬送されず、切り替え部170により排紙口140に導かれて、搬送ローラ180に搬送され排紙台150に排紙される。
【0037】
記録媒体の両面に印刷を行う両面印刷の場合は、表面(以下、最初に印刷される面を「表面」、表面の反対の面を「裏面」とする。)印刷終了時には排紙口140に導かれずに、裏面印刷用に搬送路を切り替える切り替え部170によりスイッチバック経路SRに搬送される。スイッチバック経路SRにおいて、通常搬送経路CRから用紙が受け渡され、用紙を往復させて通常搬送経路CRに戻すことにより用紙の表裏を反転させるスイッチバックを行う。
【0038】
スイッチバックした後、再度レジストローラ124に導かれ、表面と同様の手順によって裏面の印刷が行われる。裏面の印刷が行われ、両面に画像が形成された記録媒体は、切り替え部170により排紙口140に導かれて搬送ローラ180に搬送され排紙台150に排紙される。なお、本実施形態では、
図1のように、両面印刷時のスイッチバック経路SRにおけるスイッチバックを、排紙台150内に設けられた空間を利用して行うようにしている。
【0039】
排紙台150は、印刷済の記録媒体を排出する排紙口140を通った記録媒体を積載する。また、排紙台150は、筐体から突出したトレイ形状をしており、ある程度の厚みを有している。排紙台150は傾斜しており、傾斜の下位置に形成された壁により、排紙口140から排紙された記録媒体が自然に整えられて重なっていくようになっている。
【0040】
表示部214は、画像データの画像を表示するパネルであり、ユーザから印刷設定などの入力指示を受ける。本実施形態では、表示する画像や印刷設定の情報は、記憶部202のRAMやROMから読み出して表示している。
【0041】
次に、記録媒体が搬送ローラ180により搬送されたときのCMYKインクの転写と再転写のしやすさを
図6を用いて説明する。
【0042】
搬送部212は、給紙ローラ122により給紙された記録媒体P1を搬送ローラ180により搬送する。記録媒体P1は、
図6(a)のように、KインクがCMYインクよりも記録媒体P1の表面にとどまっている。
【0043】
ここで、搬送ローラ180にインクが付着(転写)する要因は、搬送ローラ180が記録媒体の表面にとどまったインクを押圧することで起こる。インクの特性によっては、転写しやすいインクと転写しにくいインクがある。特に、近年、Kインクに関しては、文字等を鮮明に表現するように、色の再現域を拡げたり印刷濃度を上げたりするため、本実施形態のKインクでは、記録媒体の表面にインクをとどまらせようとする処理を施している。その結果、Kインクは、CMYインクよりも転写しやすい上、再転写したときに汚れとして目立ちやすいという傾向がある。一方、CMYインクは、Kインクほど記録媒体の表面にとどまっていないため転写しにくい上、再転写してもあまり汚れが目立たないという傾向がある。
【0044】
図6(b)は、印刷直後の記録媒体P1が搬送ローラ180でニップされている状態である。前述のとおり、Kインクに関しては、CMYインクよりも記録媒体の表面にとどまっているので、搬送ローラ180に付着しやすい状態である。
【0045】
図6(c)は、搬送ローラ180で記録媒体P1を搬送して、記録媒体上のインクが搬送ローラ180に付着(転写)した状態である。この際、記録媒体の表面にとどまっているKインクの方がCMYインクよりも搬送ローラ180に多く転写している。
【0046】
記録媒体P1の搬送に続いて、
図6(d)のように、記録媒体P1の後続の記録媒体P2が搬送ローラ180により搬送される。その後、
図6(e)のように、転写された搬送ローラ180が記録媒体P2を搬送している状態となる。
【0047】
搬送ローラ180で搬送される際、記録媒体P2が搬送ローラ180でニップされるので、
図6(f)のように、転写された搬送ローラ180から記録媒体P2に再転写する。搬送ローラ180には、Kインクの方がCMYインクよりも多く付着していたので、Kインクの方がCMYインクよりも多く記録媒体P2へ再転写する。
【0048】
次に、印刷装置内100において、RGB形式の画像データを取得してから印刷するまでの処理について、
図3を用いて説明する。
【0049】
制御部200がRGB形式の画像データを取得する(Sステップ301)。また、取得部216は、印刷ジョブの画像データの属性情報を取得する。
【0050】
Sステップ301において、取得部216が印刷ジョブより取得した画像データの属性が文字データのみである場合、領域特定部218は、
図4のように、記録媒体上の領域において、各搬送ローラの座標情報X1と記録媒体のサイズ情報Y1とが重なる領域X1Y1、X2Y1を特定する(Sステップ303)。
【0051】
領域特定部218は、取得部216が印刷ジョブより取得した記録媒体のサイズデータに基づいて、記録媒体と搬送ローラ180とが接する領域X1Y1、X2Y1であるか否かを判断する(Sステップ305)。
【0052】
Sステップ305において、画像データ中の対象画素が記録媒体と搬送ローラ180とが接する領域X1Y1、X2Y1外の領域の画素である場合(Sステップ305でNO)、Sステップ307へ移行する。
【0053】
Sステップ307において、画像処理部208は、
図5(a)に対応したLUTを参照して、RGB形式の画像データをCMYK形式の画像データに変換する(Sステップ309)。CMYK形式の変換の際には、画像データにハーフトーン処理などを施す。
【0054】
また、画像処理部208は、
図5(a)のようなインク量と階調値との関係に基づいて、変換されたCMYK形式の画像データの各色成分の階調値に対応したインク量を算出する(Sステップ311)。画像処理部208がインク量を算出した後、Sステップ313へ移行する。
【0055】
ここで、
図5(a)は、記録媒体と搬送ローラ180とが接する領域外でのインク量と階調値の関係を表したものであり、
図5(b)は、記録媒体と搬送ローラ180とが接する領域内でのインクのインク量と階調値の関係を表したものである。
【0056】
Sステップ313において、画像処理部208は、対象画素データについて1ページ分の変換処理が終了したとき(Sステップ313でYES)、印刷部210は、画像データに基づいて、記録媒体に印刷処理を開始する(Sステップ315)。
【0057】
Sステップ305において、画像データ中の対象画素が記録媒体と搬送ローラ180とが接する領域X1Y1、X2Y1内の画素である場合(Sステップ305でYES)、Sステップ317へ移行する。
【0058】
Sステップ317において、画像処理部208は、
図5(b)に対応したLUTを参照して、領域X1Y1、X2Y1におけるRGB形式の画像データの画素データをCMYK成分に変換する(Sステップ319)。
【0059】
また、画像処理部208は、
図5(b)のようなインク量と階調値との関係に基づいて、変換されたCMYK形式の対象画素データに対して、領域X1Y1、X2Y1におけるK成分のインク量を領域X1Y1、X2Y1外におけるK成分のインク量よりも低減させ、領域X1Y1、X2Y1におけるCMY成分のインク量を領域X1Y1、X2Y1外におけるCMY成分のインク量よりも増加させるように、各色成分の階調値に対応したインク量を算出する(Sステップ321)。
【0060】
Sステップ313において、対象画素データについて1ページ分の変換処理が終了していない場合(Sステップ313でNO)、1ページ分の変換処理が終了するまで画像処理を繰り返す。
【0061】
画像処理部208は、対象画素データについて1ページ分の変換処理が終了したとき(Sステップ313でYES)、Sステップ315へ移行する。
【0062】
印刷部210は、画像データに基づいて、記録媒体に印刷処理を開始する(Sステップ315)。なお、本実施形態では、対象画素について1ページ分の変換処理が終了するまで印刷処理をしないが、変換処理と並行して印刷処理を開始してもよい。
【0063】
図5(b)において、黒画像のインク量は、Kインクのインク量がCMYインクのインク量を超えない関係にある。つまり、記録媒体と搬送ローラ180とが接する領域X1Y1、X2Y1では、黒画像であっても転写しやすいKインクのインク量を抑え、転写しにくいCMYインクのインク量を増加させる。このようにすることで、再転写しやすいインク成分が少なくなり、インクが乾燥するまで搬送を待つ必要がなくなったので、印刷の生産性を向上しつつ再転写汚れを防止できる。
【0064】
また、取得部216が印刷ジョブより取得した画像データの属性が文字のみである場合、領域特定部218が搬送ローラ180と搬送される記録媒体とが接する領域を特定し、画像処理部208が領域X1Y1、X2Y1に対応した黒画像データに対して、
図5(b)を参照して、黒画像に対して画像処理を施す。このようにすることで、搬送ローラを介してのインクの再転写を防止するとともに、極力画像データの本来の色味を再現できる。
【0065】
また、Sステップ301において、取得部216が印刷ジョブより取得した画像データの属性が文字以外であり、たとえば、写真である場合、画像処理部208は、Sステップ317に移行して、
図5(b)を参照して、画像領域全域の黒画像データに対して画像処理を施す。このようにすることで、統一した色味で写真などを再現できる。
【0066】
また、
図5(b)のような、Kインクのインク量がCMYインクのインク量を超えない関係を満たせば、Kインクのインク量やCMYインクのインク量を増減させる値は任意に設定できる。たとえば、印字部210から搬送ローラ180までの距離に応じて増減する値に設定してもよい。また、画像データの属性情報に応じた値に設定してもよい。
【0067】
なお、取得部216が印刷ジョブより取得した画像データの属性に基づかずに、画像領域全域の画像データに対して、搬送ローラに付着しやすい成分に対応したインク量を少なくし、転写しにくい成分に対応したインク量を多くするように画像処理するようにしてもよい。
【0068】
なお、本実施形態では、吐出機構にライン型のインクジェットヘッドを用いているが、シリアル型のインクジェットヘッドを用いてもよい。また、本実施形態ではインクを用いているが、トナーを用いた印刷方式でもよい。
【0069】
以上、実施形態を用いて本発明を詳細に説明したが、本発明は本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載及び特許請求の範囲の記載と均等の範囲により決定されるものである。