【実施例】
【0021】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0022】
<ポリマーAの合成>
1L容量のセパラブルフラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(D
MP)114.7g、アクリル酸(AAc) 35.3g、水 850gを加え、48%水酸化ナトリウム水溶液にてpH7〜7.5に調整し、モノマー調製液を作成した。該モノマー調製液を、上部攪拌しながら、20〜25℃の温浴に浸け窒素ガスを1時間通気した。その後、30℃に昇温して、重合開始剤としてt−Butyl hydroperoxide 5%水溶液 7.63g、亜硫酸水素ナトリウム 5%水溶液 8.87gを投入した。その後、15分後に攪拌を停止し、12時間静置して、粘張なポリマーAの水溶液を得た。
ポリマーA(モル比、DMP:AAc=40:60)、分子量約160,000(GPC
測定)、を実施例1のオイルミスト抑制剤のサンプルとした。
【0023】
<ポリマーBの合成>
1L容量のセパラブルフラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMP)
45g、アクリル酸(AAc) 63g、水 340g、メタノール 340gを加え、モノマー調製液を作成した。該モノマー調製液を、上部攪拌しながら、20〜25℃の温浴に浸け窒素ガスを1時間通気した。その後、重合開始剤としてVA−044 2.1gを投入した。その後、55℃で10時間加熱し、粘張なポリマーBの水溶液を得た。
上記ポリマー水溶液を50℃下で減圧乾燥後、粉砕処理を実施し白色粉末を得た。
ポリマーB(モル比、DMP:AAc=25:75)、分子量約150,000(GPC測定)、を実施例2のオイルミスト抑制剤のサンプルとした。
【0024】
<ポリマーCの合成>
1L容量のセパラブルフラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
50.1g、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS) 99.9g、水
850gを加え、48%水酸化ナトリウム水溶液にてpH7〜7.5に調整し、モノマー
調製液を作成した。該モノマー調製液を、上部攪拌しながら、20〜25℃に温浴に浸け
窒素ガスを1時間通気した。その後、20℃に温調して、重合開始剤としてt−Buty
l hydroperoxide 5%水溶液 4.34g、亜硫酸水素ナトリウム 5
%水溶液 5.01gを投入した。その後、15分後に攪拌を停止し、12時間静置して
、粘張なポリマーCの水溶液を得た。
ポリマーC(モル比、DMP:AMPS=40:60)、分子量約220,000(GPC測定)、を実施例3のオイルミスト抑制剤のサンプルとした。
【0025】
<ポリマーDの合成>
1L容量のセパラブルフラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド酢酸
ベタイン 150g、水 850gを加え、48%水酸化ナトリウムにてpH7〜7.5
に調整し、モノマー調製液を作成した。該モノマー調製液を、上部攪拌しながら、20〜
25℃の温浴に浸け窒素ガスを1時間通気した。その後、30℃に昇温して、重合開始剤
としてt−Butyl hydroperoxide 5%水溶液 3.72g、亜硫酸
水素ナトリウム 5%水溶液 4.30gを投入した。その後、15分後に攪拌を停止し
、12時間静置して、粘張なポリマーDの水溶液を得た。
ポリマーD、分子量約160,000(GPC測定)を実施例4のオイルミスト抑制剤の
サンプルとした。
【0026】
<ポリマーEの合成>
1L容量のセパラブルフラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMP)
63g、アクリル酸(AAc) 44g、スチレン(St、I/O値=0.11)1.1g、水 340g、メタノール 340gを加え、モノマー調製液を作成した。該モノマー調製液を、上部攪拌しながら、20〜25℃の温浴に浸け窒素ガスを1時間通気した。その後、重合開始剤としてVA−044 3.8gを投入した。その後、55℃で10時間加熱し、粘張なポリマーEの水溶液を得た。
上記ポリマー水溶液を50℃下で減圧乾燥後、粉砕処理を実施し白色粉末を得た。
ポリマーE(モル比、DMP:AAc:St=40:60:1)、分子量約130,000(GPC測定)、を実施例5のオイルミスト抑制剤のサンプルとした。
【0027】
<ポリマーFの合成>
1L容量のセパラブルフラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMP)
63g、アクリル酸(AAc) 44g、ドデシルメタクリルアミド(MAD、I/O値=0.63)2.4g、水 340g、メタノール 340gを加え、モノマー調製液を作成した。該モノマー調製液を、上部攪拌しながら、20〜25℃の温浴に浸け窒素ガスを1時間通気した。その後、重合開始剤としてVA−044 3.7gを投入した。その後、55℃で10時間加熱し、粘張なポリマーFの水溶液を得た。
上記ポリマー水溶液を50℃下で減圧乾燥後、粉砕処理を行って白色粉末を得た。
ポリマーF(モル比、DMP:AAc:MAD=40:60:1)、分子量約160,000(GPC測定)、を実施例6のオイルミスト抑制剤のサンプルとした。
【0028】
<ポリマーGの合成>
1L容量のセパラブルフラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMP)
63g、アクリル酸(AAc) 44g、オクタドデシルメタクリルアミド(MAOD、I/O値=0.46)3.3g、水 210g、メタノール 470gを加え、モノマー調製液を作成した。該モノマー調製液を、上部攪拌しながら、20〜25℃の温浴に浸け窒素ガスを1時間通気した。その後、重合開始剤としてVA−044 3.4gを投入した。その後、55℃で10時間加熱し、粘張なポリマーGの水溶液を得た。
上記ポリマー水溶液を50℃下で減圧乾燥後、粉砕処理を行って白色粉末を得た。
ポリマーG(モル比、DMP:AAc:MAOD=40:60:1)、分子量約170,000(GPC測定)、を実施例7のオイルミスト抑制剤のサンプルとした。
【0029】
<ポリマーHの合成>
1L容量のセパラブルフラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMP)
64g、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS) 44.3g、スチレン(St、I/O値=0.11)1.07g、水 340g、メタノール 340gを加え、モノマー調製液を作成した。該モノマー調製液を、上部攪拌しながら、20〜25℃の温浴に浸け窒素ガスを1時間通気した。その後、重合開始剤としてVA−044 1.8gを投入した。その後、55℃で10時間加熱し、粘張なポリマーHの水溶液を得た。
上記ポリマー水溶液を50℃下で減圧乾燥後、粉砕処理を行って白色粉末を得た。
ポリマーH(モル比、DMP:AMPS:St=40:60:1)、分子量約140,000(GPC測定)、を実施例8のオイルミスト抑制剤のサンプルとした。
【0030】
<ポリマーIの合成>
1L容量のセパラブルフラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド酢酸ベタイン 120g、スチレン(St、I/O値=0.11) 0.5g、水 325g、メタノール 325gを加え、モノマー調製液を作成した。モノマー調製液を作成した。該モノマー調製液を、上部攪拌しながら、20〜25℃の温浴に浸け窒素ガスを1時間通気した。その後、重合開始剤としてVA−044 1.8gを投入した。その後、55℃で10時間加熱し、粘張なポリマーIの水溶液を得た。
上記ポリマー水溶液を50℃下で減圧乾燥後、粉砕処理を行って白色粉末を得た。
ポリマーI(モル比、DMPベタイン:St=100:1)、分子量約130,000(GPC測定)、を実施例9のオイルミスト抑制剤のサンプルとした。
【0031】
<ポリマーJの合成>
1L容量のセパラブルフラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド 14
2.7g、アクリル酸(AAc) 7.3g、水 850gを加え、50%硫酸水溶液に
てpH7〜7.5に調整し、モノマー調製液を作成した。該モノマー調製液を、上部攪拌
しながら、20〜25℃に温浴に浸け窒素ガスを1時間通気した。その後、20℃に温調
して、重合開始剤としてt−Butyl hydroperoxide 5%水溶液 5
.50g、亜硫酸水素ナトリウム 5%水溶液 6.35gを投入した。その後、15分
後に攪拌を停止し、12時間静置して、粘張なポリマーJの水溶液を得た。
ポリマーJ(モル比、DMP:AAc=90:10)、分子量約110,000(GPC
測定)を比較例2のオイルミスト抑制剤のサンプルとした。
【0032】
<ポリマーKの合成>
1L容量のセパラブルフラスコにアクリル酸 150g、水 850gを加え、48%水
酸化ナトリウム水溶液にてpH7〜7.5に調整し、モノマー調製液を作成した。該モノ
マー調製液を、上部攪拌しながら、20〜25℃に温浴に浸け窒素ガスを1時間通気した
。その後、20℃に温調して、重合開始剤としてt−Butyl hydroperox
ide 5%水溶液 11.27g、亜硫酸水素ナトリウム 5%水溶液 13.01g
を投入した。その後、15分後に攪拌を停止し、12時間静置して、粘張なポリマーKの
水溶液を得た。
ポリマーK、分子量約220,000(GPC測定)を比較例3のオイルミスト抑制剤の
サンプルとした。
【0033】
<ポリマーLの合成>
1L容量のセパラブルフラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMP)
94g、アクリル酸(AAc)14g、スチレン(St、I/O値=0.11)0.7g、水 340g、メタノール 340gを加え、モノマー調製液を作成した。該モノマー調製液を、上部攪拌しながら、20〜25℃の温浴に浸け窒素ガスを1時間通気した。その後、重合開始剤としてVA−044 3.7gを投入した。その後、55℃で10時間加熱し、粘張なポリマーLの水溶液を得た。
上記ポリマー水溶液を50℃下で減圧乾燥後、粉砕処理を行って白色粉末を得た。
ポリマーL(モル比、DMP:AAc:St=90:10:1)、分子量約160,000(GPC測定)、を比較例4オイルミスト抑制剤のサンプルとした。
【0034】
ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬、重合度22,000〜70,000)を比較例5、単分子の両性電解質であるココアンホ酢酸「アンヒトール10YB」(花王)を比較例6のオイルミスト抑制剤のサンプルとした。
【0035】
<ミスト量の評価方法>
水溶性切削油剤「ユシローケンFGE234」(A1種)(ユシロ化学工業製)
30gに、上述したポリマーA〜L、ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬、重合度22,000〜70,000)、単分子の両性電解質であるココアンホ酢酸「アンヒトール10YB」(花王)のうち1種を乾燥物重量にして0.12g、及び金属イオン封鎖剤としてエチレンジアミン四酢酸ナトリウムを各0.4gとなるように添加、混合したものをミスト量測定の試験液とした。
ミスト発生器(
図1)を用い、試験室7m×5.5m×2.7m(t)、試験液の噴出量30g、噴出時間1時間、噴出圧力3kPa、発生器温度60℃にてミストを発生させた。噴出が終了した直後にミスト量評価器にてミストの浮遊量をダストトラックII(光散乱型粉塵計)にて測定した。結果を表1に示す。
【0036】
(
図1)
【0037】
・ミスト量測定器
ダストトラックII MODEL8530(TSI社)
吸引速度 3L/min、測定時間1分、10μmインパクタ
【0038】
<エマルジョン安定性試験>
50mlガラス製サンプル瓶に「ユシローケンFGE234」(A1種)を5g、純水45gを混合した。その混合液に上述したポリマーA〜L、ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬、重合度22,000〜70,000)、単分子の両性電解質であるココアンホ酢酸(アンヒトール10YB、花王)のうち1種を純分換算で0.02gとなるように混合したものを試験液とした。25℃にて2日間静置した後、不溶物、相分離、ゲル化及び濁りの発生を調査した。
・判定基準
○:変化無し、×:不溶物、相分離、ゲル化及び濁りが発生した
結果を表1に示す。
【0039】
<金属イオン安定性試験>
50mlガラス製サンプル瓶に、ポリマーA〜L、ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬、重合度22,000〜70,000)、単分子の両性電解質であるココアンホ酢酸(アンヒトール10YB、花王)のうち1種を純分換算で 乾燥物重量にして0.1重量%、マグネシウム硬度1500ppmとなるように混合したものを試験液とした。27℃にて一週間静置した後に不溶物、相分離、ゲル化及び濁りの発生を調査した。
・判定基準
○:変化無し、×:不溶物が発生した
結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1によれば、実施例1〜9のミスト抑制剤は、比較例2〜6に比べて高いミスト抑制効果を示し、エマルジョン安定性、金属イオン安定性に優れることがわかる。