(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6066692
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】移動式の煙検知装置を用いた煙の発生位置の特定方法
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20170116BHJP
G08B 17/107 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
G08B17/00 G
G08B17/00 C
G08B17/107 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-258357(P2012-258357)
(22)【出願日】2012年11月27日
(65)【公開番号】特開2014-106678(P2014-106678A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年10月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100088052
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 文彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 幹夫
【審査官】
松平 英
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−223281(JP,A)
【文献】
特開平08−202970(JP,A)
【文献】
特開昭62−206699(JP,A)
【文献】
特開昭54−159199(JP,A)
【文献】
特開2003−280729(JP,A)
【文献】
特開2003−051082(JP,A)
【文献】
実開昭56−113995(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3011039(JP,U)
【文献】
特開2000−163680(JP,A)
【文献】
特開2002−307337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側に空気を吸引するためのサンプリング孔を有し、基端側に可撓管が接続されたサンプリング管と、前記サンプリング管が前記可撓管を介して接続され、前記サンプリング管を介して吸引した空気中に含まれる煙を検知する吸引式の煙検知装置本体と、前記煙検知装置本体に電気的に接続されて電気を供給する電源部と、移動のための車輪を有し、前記サンプリング管が接続された前記煙検知装置本体が載置されると共に、前記電源部が載置されて、その状態で前記車輪によって移動可能な架台部と、を備えている移動式の煙検知装置を利用して煙の発生位置を特定する煙発生位置の特定方法であって、
防護空間に常時固定の装置として設けられる固定式の煙検知装置が煙の発生を検知した後に、その防護空間において前記移動式の煙検知装置を利用して実行される次の段階、即ち、
前記移動式の煙検知装置のサンプリング管自体を移動させながら前記防護空間の煙を検知することにより、又は、前記移動式の煙検知装置の装置全体を移動させながら前記防護空間の煙を検知することにより、煙の発生位置を特定する段階、を含んでおり、
前記煙の発生位置を特定する段階は、前記移動式の煙検知装置の煙検知装置本体の煙の検知感度を前記固定式の煙検知装置の煙検知装置本体の煙の検知感度よりも鈍くして実行されることを特徴とする煙発生位置の特定方法。
【請求項2】
前記煙の発生位置を特定する段階は、前記移動式の煙検知装置のサンプリング管を移動させながら前記防護空間の煙を検知する際に、又は、前記移動式の煙検知装置の装置全体を移動させながら前記防護空間の煙を検知する際に、煙を検知する感度を変更する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の煙発生位置の特定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防護空間を移動しながら煙
を検知する移動式の煙検知装置を用いた煙の発生位置の特定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、初期火災検知のためのものとして、防護空間の空気をサンプリング管を介して吸引し、その空気中に含まれる煙を検知する吸引式の煙検知装置が用いられている。
【0003】
吸引式の煙検知装置は、具体的には、防護空間の空気を吸引するためのサンプリング管と共に防護空間の天井や壁等に固定して設けられ、サンプリング管を介して吸引してサンプリングした空気中に含まれる煙を光学的に検知して煙を検知するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
尚、吸引式の煙検知装置は、サーバ室等に設置されている空調機の冷媒ガスの漏れを検知するものとしても利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3648307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
吸引式の煙検知装置は、通常、吸引式ではない他の煙感知器や煙検知装置に比べて煙を高感度で検知する能力を発揮させることができることから、電算機室等の重要設備のある空間に設置されることが多いが、その場合、火災の極めて初期の予兆段階から捉えて対処できるようにするために、煙が肉眼では確認できない段階のものであっても、それを煙として検知することができる程の高感度の設定で設置されている。
【0007】
吸引式の煙検知装置がそのような高感度の設定で設置されている場合、火災を予兆段階で捉えることができることになるが、煙検知装置が作動した際に、検知した煙が肉眼では確認できない段階のものであると、その発生位置を肉眼では特定できないので、煙の発生位置として特定できるのは作動した煙検知装置の防護範囲までであり、さらに狭い範囲までは特定できず、そのため作動した煙検知装置の防護範囲全体を対象として必要な対処をせざるを得なかった。
【0008】
尚、前記の特許文献1の発明は、吸引式の煙検知装置を備えた煙検知システムにおいて、アドレスの設定可能な煙検知装置を複数分散配置して設けることにより、煙の発生位置を特定することができるようにする技術を提案しているが、その技術によっても、煙の発生位置として特定できるのは分散配置された各煙検知装置の防護範囲までであり、さらに狭い範囲までは特定できないことに変わりはない。
【0009】
この発明は、上記の事情に鑑み、肉眼では確認できない段階の煙であっても、煙の発生位置を狭い範囲で特定できる
煙の発生位置の特定方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、
先端側に空気を吸引するためのサンプリング孔を有し、基端側に可撓管が接続されたサンプリング管と、前記サンプリング管が前記可撓管を介して接続され、前記サンプリング管を介して吸引した空気中に含まれる煙を検知する吸引式の煙検知装置本体と、前記煙検知装置本体に電気的に接続されて電気を供給する電源部と、移動のための車輪を有し、前記サンプリング管が接続された前記煙検知装置本体が載置されると共に、前記電源部が載置されて、その状態で前記車輪によって移動可能な架台部と、を備えている移動式の煙検知装置を利用して煙の発生位置を特定する煙発生位置の特定方法であって、防護空間に常時固定の装置として設けられる固定式の煙検知装置が煙の発生を検知した後に、その防護空間において前記移動式の煙検知装置を利用して実行される次の段階、即ち、前記移動式の煙検知装置のサンプリング管自体を移動させながら前記防護空間の煙を検知することにより、又は、前記移動式の煙検知装置の装置全体を移動させながら前記防護空間の煙を検知することにより、煙の発生位置を特定する段階、を含
んでおり、前記煙の発生位置を特定する段階は、前記移動式の煙検知装置の煙検知装置本体の煙の検知感度を前記固定式の煙検知装置の煙検知装置本体の煙の検知感度よりも鈍くして実行されることを特徴とする煙発生位置の特定方法である。
【0016】
又、この発明は、前記煙の発生位置を特定する段階は、前記移動式の煙検知装置のサンプリング管を移動させながら前記防護空間の煙を検知する際に、又は、前記移動式の煙検知装置の装置全体を移動させながら前記防護空間の煙を検知する際に、煙を検知する感度を変更する段階を含むことを特徴とする煙発生位置の特定方法である。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、移動式の煙検知装置のサンプリング管自体を移動させながら煙を検知することにより、又は、移動式の煙検知装置の装置全体を移動させながら煙を検知することにより、煙の発生位置を特定することができるので、肉眼では確認できない煙であっても、煙の発生位置を狭い範囲で特定することができる。
【0018】
従って、この発明によれば、肉眼では確認できない煙であっても、煙の発生位置を狭い範囲で特定できる
煙の発生位置の特定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】この発明の移動式の煙検知装置の実施形態の一例を示し、サンプリング管が接続された状態における装置全体の正面図である。
【
図2】同上を示し、サンプリング管が取り外された状態における装置全体の平面図である。
【
図3】同上を示し、サンプリング管が取り外された状態における装置全体の右側面図である。
【
図4】同上を示し、サンプリング管が取り外された状態における装置全体の
図1のA−A線拡大矢視断面図である。
【
図5】同上を示し、サンプリング管の先端側の拡大斜視図である。
【
図6】固定式の煙検知装置が設置されている防護空間において、この発明の煙発生位置の特定方法を実行する際の態様の一例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の実施形態を
図1乃至
図6に基いて説明する。
【0021】
先ず、
図1乃至
図5に基いて、この発明の移動式の煙検知装置の実施形態の一例について説明する。
【0022】
移動式煙検知装置1は、この発明の実施形態の煙検知装置の実施形態の一例であり、
図1乃至
図5に示したように、先端側に空気を吸引するためのサンプリング孔2を有し、基端側に可撓管3が接続されたサンプリング管4と、サンプリング管4が可撓管3を介して接続され、サンプリング管4を介して吸引した空気中に含まれる煙を検知する吸引式の煙検知装置本体5と、煙検知装置本体5に電源を供給する電源部6と、移動のための車輪7を有し、サンプリング管4が外部に露出した状態で接続された煙検知器本体5が載置されると共に、電源部6が載置され、それらが載置された状態で車輪7によって移動可能な架台部8とを備えている。
【0023】
即ち、移動式煙検知装置1は、操作者がサンプリング管4を把持して、サンプリング管4自体を移動させながら対象空間の煙を検知することができるようになっていると共に、操作者が車輪7を有する架台部8を押して、装置1全体を移動させながら対象空間の煙を検知することができるようになっている。
【0024】
従って、移動式煙検知装置1によれば、操作者は、サンプリング管4自体を移動させながら対象空間の煙を検知することにより、又は、装置1全体を移動させながら対象空間の煙を検知することにより、煙の発生位置を特定することができるので、発生した煙が肉眼では確認できない段階のものであっても、その発生位置を狭い範囲で特定することができる。
【0025】
これにより、移動式煙検知装置1は、例えば、電算機室等の固定式の煙検知装置が設けられている防護空間において煙の発生位置を特定するのに利用可能なものであるが、発生位置を特定する煙が肉眼では確認できない段階のものであり、固定式の煙検知装置によっては作動した煙検知装置の防護範囲内にある電算機等の全てを対象としてしか対処できないような段階のものであっても、前記のように煙の発生位置を狭い範囲で特定することができることで、狭い範囲内にある電算機等のみを対象として対処すれば足りるようにすることができ、対象外の電算機等は使用を継続することができると共に、対処に要する時間を格段に短縮することができる。
【0026】
更に、本実施形態の移動式煙検知装置1について、各構成部分の詳細を説明する。
【0027】
架台部8は、底部に車輪7を有していることにより台車として機能するものであるが、その架台部分は全体として箱状をなすものとなっており、その構造の骨格となるフレーム8gと六面(上面、下面、前面、上面、左側面及び右側面)をそれぞれ閉鎖するパネル8a〜8fとを備えたものとなっており、更に、内部に煙検知装置本体5が載置される上段載置台9と電源部6が載置される下段載置台10とを備えたものとている。尚、本実施形態において、架台部8の上面パネル8aは、上段載置台9に載置される煙検知装置本体5を上方から覆うものとなっているが、ヒンジ12によってその全体が上下に搖動して開閉可能に設けられたものとなっており、更に、閉じられている状態でも、煙検知装置本体5の表示部5aを視認したり、操作部5bを操作したりすることができるように、煙検知装置本体5の表示部5aと操作部5bに対応する位置に透明な板体からなる小蓋13が上面パネルに沿ってスライドして開閉可能な小窓14を備えたものとなっている。又、この架台部8において、17は上面パネルを開閉させる際の取っ手であり、18は架台部8を移動させる際のハンドルである。
【0028】
煙検知装置本体5は、前記の通り、架台部8の上段載置台9に載置されるものであるが、その状態でサンプリング管4を可撓管3を介して容易に接続することができるように、
図4に詳細を示したように、吸気口にフレキシブルパイプ15を介して接続され、右側面パネル8fを貫通して可撓管3との接続部を外部に露出させて設けられた連結管16を備えており、その連結管16に可撓管3が外部から接続されることにより、サンプリング管4が可撓管を介して容易に接続することができるようになっている。尚、連結管16に対して可撓管3は着脱自在になっており、常時はサンプリング管4と共に連結管16から取り外しておき、架台部8の内部に収納しておくことが可能である。このとき、上段載置台9は架台部8の開口部に対し小さいので、上段載置台9により塞がれていない部分からサンプリング管4と可撓管3とを架台部8の内部に収納することが可能となっている。
【0029】
ここで、煙検知装置本体5の機器構成及び煙検知のメカニズムについて簡単に説明する。煙検知装置本体5は、前記の通り吸引式のものであり、図示は省略するが、煙を光学的に検知するための煙検出ユニットと、空気をサンプリング管4を介して吸引して煙検出ユニット内の検煙部を通過させるためのファンとを内部に備え、吸引した空気が煙検出ユニット内の検煙部を通過する際に、空気中に煙が含まれていると、それを光学的に検知(散乱光の検知)することができるようになっている。尚、煙検知装置本体5において、煙検出ユニットは煙を光学的に検知するために発光素子と受光素子とを有するが、その発光素子の光源としてレーザを用いることにより、極めて高い感度で煙を検知することが可能である。
【0030】
更に、煙検知装置本体5は、その筐体の上面に検知した煙の量の大小を段階的に表示する表示部5aと、各種操作をするための操作部5bとを備えており、前記の通り、それらは架台部8の上面パネル8aが閉じられている状態でも、小窓14を介して視認したり、操作したりすることができるようになっており、煙の検知量を確認したり、必要な操作をしながら、煙の発生位置を特定することができるようになっている。尚、煙検知装置本体5は、図示は省略するが、煙検知の感度を変更する感度調節手段も備えており、適宜、煙検知の感度を変更することができるようになっており、例えば、煙の発生位置に近づくのに従って煙の検知量が増大するのに対応して、煙検知の感度を低く(鈍く)変更し、表示部5aによる表示スケールの倍率を変更したりすることができるようになっており、それにより煙の発生位置をより狭い範囲で特定することができるようになっている。
【0031】
架台部8は、箱状でなくてもよいが、前記のように箱状にすることにより、内部に煙検知装置本体5からの排気を収容する排気収容室を形成することができ、煙検知装置本体5から検煙後に排出される空気を内部に収容し、排出される空気中に煙が含まれていたとしても、その煙が架台部8の外部に排出されないようにして、再度サンプリング管4によって吸引されるのを防ぐことができる。
【0032】
サンプリング管4は、直筒状をなす樹脂製の硬質パイプからなり、操作者が把持して移動させ易いようになっており、又、着脱自在のキャップ状の先端部分4aにサンプリング孔2が形成されたものとなっており、更に、そのサンプリング孔2が、
図5に詳細を示したように、サンプリング管4の先端前方に向けて開口する1個の孔と、周囲に向けて開口する複数個の孔とからなるものとなっており、前方からも、周囲からも空気を吸引することができるようになっている。尚、サンプリング孔2の配置については、適宜変更することができるようにしてもよく、その場合、サンプリング孔2の配置を異にするキャップ状の先端部分4aを用意し、それを付け替えることにより変更するようにしてもよいし、サンプリング管4自体を可撓管3に対して付け替えて変更してもよい。更に、サンプリング孔2を先端部分4aに形成するのに代えて、壁面等に沿って煙を吸引し易くするために、サンプリング孔2をサンプリング管4の直筒状の部分に長さ方向に沿って列状に形成するようにしてもよい。
【0033】
電源部6としては、充電池を用いることができ、充電池を用いれば、外部電源からの給電のためのコードなしで煙検知装置本体5を動作させながら、煙検知装置1全体を移動させることができる。
【0034】
車輪7は、走行する床面に応じて適宜のものとすることができ、例えば、走行する床面が電算機室等に多いグレーチング(長方形の穴の短辺が30mm以下の場合が多い)のものである場合は、車輪の脱落なしに走行することができるような車輪幅の広い車輪(車輪幅30mm以上)を有するものとすることができる。
【0035】
次に、
図6に基いて、この発明の煙発生位置の特定方法の実施形態の一例について説明する。
【0036】
この発明の煙発生位置の特定方法は、
図6に示したように、例えば、固定式の装置である固定式煙検知装置100が設けられている電算機室R等において、前記の移動式煙検知装置1を利用して実行することができる。
【0037】
ここで、固定式煙検知装置100について簡単に説明する。固定式煙検知装置100は、電算機室R内の空気を吸引するためのサンプリング孔を有するサンプリング管102と、サンプリング管102を介して吸引した空気中の煙を検知する吸引式の煙検知装置本体101とを備え、電算機室Rを防護空間とする常時固定の装置として設けられている。尚、固定式煙検知装置100における煙検知装置本体101の機器構成等は、前記の移動式煙検知装置1における煙検知装置本体5と同様のものとすることができる。
【0038】
電算機室Rにおいて、煙が発生すると、先ず、固定式煙検知装置100がその煙を検知する。固定式煙検知装置100により検知された煙が肉眼では確認できない段階のものであると、固定式煙検知装置100によって特定することができる煙の発生位置はその防護範囲までであるが、前記の移動式煙検知装置1を利用することにより煙の発生位置を狭い範囲で特定することができる。
【0039】
即ち、電算機室Rにおいて、煙が発生した際、常時固定の装置として設けられる固定式煙検知装置100が煙の発生を検知した後に、
図6に示したように、前記移動式煙検知装置1を利用して、移動式煙検知装置1のサンプリング管4自体を電算機Mに向けて移動させながら電算機室R内の煙を検知することにより、又は、移動式煙検知装置1の装置全体を電算機Mに沿って移動させながら電算機R内の煙を検知することにより、煙の発生位置を特定する段階を実行することで、発生した煙が肉眼では確認できない段階のものであっても、煙の発生位置を狭い範囲で特定することができる。この際、予め固定式煙検知装置100の煙検知装置本体101よりも移動式煙検知装置1の煙検知装置本体5の感度を鈍く(例えば、固定式のものが作動する煙濃度の2.5倍で作動するようにする。)設定して、移動式煙感知装置1による煙の発生位置を特定する段階を実行することができる。
【0040】
尚、移動式煙検知装置1によって煙の発生位置を特定する段階を実行する際、煙の検知感度を変更しながら実行してもよく、例えば、前記したように、感度調節手段によって、煙の発生位置に近づくのに従って煙の検知量が増大するのに対応し、煙検知の感度を低く変更して、表示部5aによる表示スケールの倍率を変更し、それにより煙の発生位置をよりスムーズにより狭く特定することができるようにしてもよい。
【0041】
以上、この発明の実施形態について詳細に説明したが、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨の範囲内で種々の変更等が可能である。
【0042】
例えば、電算機室Rにおいて、固定式煙検知装置100はアドレス設定可能なものにして、それを複数設けるようにしてもよく、移動式煙検知装置1を移動させる範囲を作動した固定式煙検知装置100の防護範囲に絞った上で、移動式煙検知装置1による煙の発生位置を特定する段階を実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1:移動式煙検知装置 2:サンプリング孔 3:可撓管
4:サンプリング管 4a:先端部分 5:煙検知装置本体(移動式)
5a:表示部 5b:操作部 6:電源部 7:車輪 8:架台部
8a:上面パネル 8b:下面パネル 8c:前面パネル 8d:後面パネル
8e:左側面パネル 8f:右側面パネル 8g:フレーム
9:上段載置台 10:下段載置台 12:ヒンジ 13:小蓋 14:小窓
15:フレキシブル管 16:連結管 17:取っ手 18:ハンドル
100:固定式煙検知装置 101:煙検知装置本体(固定式)
102:サンプリング管 M:電算機 R:電算機室