特許第6066820号(P6066820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6066820間仕切りパネルの接続装置および間仕切り壁
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6066820
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】間仕切りパネルの接続装置および間仕切り壁
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20170116BHJP
   E04B 2/82 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   E04B2/74 561H
   E04B2/82 501R
   E04B2/82 511W
   E04B2/74 501S
   E04B2/74 561G
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-96212(P2013-96212)
(22)【出願日】2013年5月1日
(65)【公開番号】特開2014-218776(P2014-218776A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年1月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】591287196
【氏名又は名称】森村金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 充
(72)【発明者】
【氏名】伊東 淳一
【審査官】 多田 春奈
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−146951(JP,A)
【文献】 特開昭57−193688(JP,A)
【文献】 実開昭55−077609(JP,U)
【文献】 特開2005−127076(JP,A)
【文献】 特開2007−321390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B2/72−2/82
E05D15/00−15/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の縦枠、その一対の縦枠の上部間および下部間に渡された上枠および下枠を外周に有する2枚の間仕切りパネルをパネル面が前後で重なるようにして対向配置し、それぞれの間仕切りパネルにおける上枠の上面および下枠の下面に両端方向に長く延びるガイド溝を設け、前記一方の間仕切りパネルにおける上枠のガイド溝および下枠のガイド溝のそれぞれ内部に摺動子をスライド自在に組込み、その摺動子のそれぞれに他方の間仕切りパネルにおける上枠および下枠と上下で対向するよう配置された帯板状スライドプレートの長さ方向中央部を連結し、前記上枠の上側に対向配置された上部スライドプレートおよび前記下枠の下側に対向配置された下部スライドプレートのそれぞれに両端方向に長く延びる長孔を設け、前記他方の間仕切りパネルにおける一方の縦枠の上下端に上部スライドプレートの長孔および下部スライドプレートの長孔のそれぞれにスライド自在に挿入される円形のガイドピンを突設して2枚の間仕切りパネルを相対的にスライド自在に、かつ、ガイドピンを中心に回転自在に連結した間仕切りパネルの接続装置。
【請求項2】
前記摺動子が組み込まれたガイド溝の両端部内に、前記摺動子の押圧により収縮し、その復元弾性によって前記スライドプレートの端縁が縦枠の外側面とほぼ一致する待機位置まで復帰移動させる一対のコイルばねを組み込んだ請求項1に記載の間仕切りパネルの接続装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の間仕切りパネルの接続装置によって複数の間仕切りパネルを順次連結し、前後で重なる複数の間仕切りパネルのうち一番手前に位置する間仕切りパネルにおける両側の縦枠上部に、その縦枠を床面と天井間において起立状態に保持する突張り保持機構を設け、かつ、縦枠の下端部に高さ調整用のアジャストボルトを設け、最も後ろに位置する間仕切りパネルにおける縦枠の下端部に床面に沿って転動可能なキャスタを設けた間仕切り壁。
【請求項4】
前記突張り保持機構が、前記縦枠の上部に伸縮自在に嵌合された突張り枠と、その突張り枠を伸縮調整した位置でロックするロックねじとを有してなる請求項3に記載の間仕切り壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、間仕切り壁を形成する間仕切りパネルの接続装置およびその接続装置によって形成される間仕切り壁に関する。
【背景技術】
【0002】
ブース形成用の間仕切り壁には、特許文献1に記載されたように、天井面および床面にレールを取付け、そのレールにより間仕切りパネルの上下端部を支持し、端面を突き合わせて複数の間仕切りパネルを併設して間仕切り壁とする固定式のものと、特許文献2に記載されたように、天井および床面に固定されたレールに沿って複数の間仕切りパネルを移動させ、端面を順次突き合わせて間仕切り壁を形成する移動式のものとが存在する。
【0003】
ところで、固定式の間仕切り壁や移動式の間仕切り壁においては、レールの設置位置によって間仕切り壁の設置位置が決定されるため、間仕切り位置の変更に際しては、その都度、レールの設置位置を変更する必要が生じ、非常に手間が係る。
【0004】
ここで、間仕切りパネルには、両側の一対の縦枠のそれぞれに突張り機能を付加した設置式のものがあり、そのような間仕切りパネルの採用においては、室内の任意の位置に間仕切りパネルを立て掛けることができるため、間仕切り位置の変更が容易であると共に、室内を任意の大きさおよび形状に簡単に間仕切ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−28920号公報
【特許文献2】特開2009−197402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、設置式の間仕切りパネルにおいては、任意形状のブースを簡単に形成することができるものの、複数の間仕切りパネルを、隣接する間仕切りパネルの縦枠が互いに衝合するようにして順次立て掛ける必要があると共に、隣接する間仕切りパネルを互いに連結する必要があるため、間仕切り壁の形成に非常に手間がかかるという問題がある。
【0007】
ここで、隣接する間仕切りパネルをヒンジにより連結して複数の間仕切りパネルを順次連結しておくと、パネル面が前後で重なり合うジグザグ状の小さな折り畳みとすることができると共に、その折り畳み状態で、例えば、手前の間仕切りパネルを天井面と床面間に立て掛けて固定とすることで残りの間仕切りパネルを回転によって展開することができ、間仕切り壁を容易に形成することができる。
【0008】
しかし、ヒンジによる間仕切りパネルの連結においては、隣接する一対の間仕切りパネルの相互間における折り曲げ角度が180°であるため、間仕切りパネルの展開方向が一方向に限定され、初期の設置に制約を受ける。また、形状の異なるブースを数多く形成することができない。
【0009】
この発明の課題は、一対の間仕切りパネルの相互における展開方向を左右2方向とすることができると共に、相対的な折り曲げ角度が大きく採れるようにして形状の異なるブースを数多く形成できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、この発明に係る間仕切りパネルの接続装置においては、一対の縦枠、その一対の縦枠の上部間および下部間に渡された上枠および下枠を外周に有する2枚の間仕切りパネルをパネル面が前後で重なるようにして対向配置し、それぞれの間仕切りパネルにおける上枠の上面および下枠の下面に両端方向に長く延びるガイド溝を設け、前記一方の間仕切りパネルにおける上枠のガイド溝および下枠のガイド溝のそれぞれ内部に摺動子をスライド自在に組込み、その摺動子のそれぞれに他方の間仕切りパネルにおける上枠および下枠と上下で対向するよう配置された帯板状スライドプレートの長さ方向中央部を連結し、前記上枠の上側に対向配置された上部スライドプレートおよび前記下枠の下側に対向配置された下部スライドプレートのそれぞれに両端方向に長く延びる長孔を設け、前記他方の間仕切りパネルにおける一方の縦枠の上下端に上部スライドプレートの長孔および下部スライドプレートの長孔のそれぞれにスライド自在に挿入される円形のガイドピンを突設して2枚の間仕切りパネルを相対的にスライド自在に、かつ、ガイドピンを中心に回転自在に連結した構成を採用したのである。
【0011】
上記の構成からなる間仕切りパネルの接続装置において、一方の間仕切りパネルを固定し、ガイドピンが長孔の一端に当接する状態で、そのガイドピンが長孔に沿って移動する方向に他方の間仕切りパネルを固定された間仕切りパネルに沿って平行移動させると、ガイドピンが長孔に沿ってスライドして長孔の他端に当接する。その当接状態から間仕切りパネルをさらに同方向に移動させると、スライドプレートおよび摺動子が一方の間仕切りパネルの上枠に設けたガイド溝に沿って移動し、他方の間仕切りパネルが固定とされた一方の間仕切りパネルの一側方に展開する。
【0012】
また、他方の間仕切りパネルを一方の間仕切りパネルの一側方に展開させた状態から、その他方の間仕切りパネルを上記と逆方向に平行移動させると、その他方の間仕切りパネルは固定とされた一方の間仕切りパネルの他側方に展開し、他方の間仕切りパネルを一方の間仕切りパネルに対して左右両方向に展開させることができる。
【0013】
ここで、縦枠の上下端に設けられてスライドプレートに形成された長孔内にスライド自在に嵌合されたガイドピンは円形であるため、他方の間仕切りパネルが一方の間仕切りパネルから側方に引き出された展開状態で、その他方の間仕切りパネルを一方の間仕切りパネルに重なる方向に180°回転させることができると共に、その回転方向と逆の方向には90°回転させることができ、全体として270°回転させることができる。
【0014】
この発明に係る間仕切りパネルの接続装置において、摺動子が組み込まれたガイド溝の両端部内に、摺動子の押圧により収縮し、その復元弾性によってスライドプレートの端縁が縦枠の外側面とほぼ一致する待機位置まで復帰移動させる一対のコイルばねを組み込んでおくと、一方の間仕切りパネルに他方の間仕切りパネルが前後で重なる収縮状態とすると、コイルばねが摺動子を押圧する作用によりスライドプレートの端部が縦枠の外側面とほぼ一致する待機位置まで復帰移動されて長孔の端部がガイドピンに当接する状態とされる。このため、スライドプレートの端部が縦枠の外側面から大きく飛び出して歩行の障害になるようなことはない。
【0015】
この発明に係る間仕切りパネルの接続装置を採用して複数の間仕切りパネルを順次連結し、前後で重なる複数の間仕切りパネルのうち一番手前に位置する間仕切りパネルにおける両側の縦枠上部に、その縦枠を床面と天井間において起立状態に保持する突張り保持機構を設け、かつ、縦枠の下端部に高さ調整用のアジャストボルトを設け、最も後ろに位置する間仕切りパネルにおける縦枠の下端部に床面に沿って転動可能なキャスタを設けた間仕切り壁を形成すると、上記突張り保持機構により一番手前に位置する間仕切りパネルを床面と天井面間に立て掛けて固定した場合に、その固定の間仕切りパネルの左右両側方に残りの間仕切りパネルを展開することができる。
【0016】
また、展開した間仕切りパネルのそれぞれを隣接する間仕切りパネルの片面に重なる方向に180°、逆方向に90°回転させることができるため、形状の異なる間仕切り壁、つまり、形状の異なるブースを数多く形成することができる。
【0017】
ここで、突張り保持機構として、縦枠の上部に伸縮自在に嵌合された突張り枠と、その突張り枠を伸縮調整した位置でロックするロックねじとを有してなるものを採用することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明においては、上記のように、一対の間仕切りパネルの相互における展開方向を左右2方向とすることができると共に間仕切りパネルの相互間の折り曲げ角度を大きく採ることができるため、形状の異なるブースを数多く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明に係る間仕切り壁の実施の形態を示す収縮状態の正面図
図2図1の上部を拡大して示す正面図
図3図1の下部を拡大して示す断面図
図4図2のIV−IV線に沿った断面図
図5図4のV−V線に沿った断面図
図6図4のVI−VI線に沿った断面図
図7図4のVII−VII線に沿った断面図
図8図4のVIII−VIII線に沿った断面図
図9図3のIX−IX線に沿った断面図
図10】(a)は図2に示す突張り枠の収縮状態を示す断面図、(b)は突張り枠の伸長状態を示す断面図、 (c)は(a)のX−X線に沿った断面図
図11】間仕切り壁の形成の一例を示す正面図
図12】間仕切り壁の形成の他の例を示す正面図
図13】(a)は図12の平面図、(b)は(a)に示す右端の間仕切りパネルを上方に90°回転させた状態の平面図、(c)は(a)に示す右端の間仕切りパネルを下方に90°回転させた状態の平面図
図14】間仕切り壁の形成の他の例を示す平面図
図15】間仕切り壁の形成のさらに他の例を示す平面図
図16】(a)はこの発明に係る間仕切り壁の他の実施の形態を示す収縮状態の正面図、(b)は(a)に示す間仕切りパネルを引き出して間仕切り壁を形成した状態の平面図
図17図16(a)のXVII−XVII線に沿った断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図15は、この発明に係る間仕切り壁の第1の実施の形態を示す。この実施の形態で示す間仕切り壁Aは、第1間仕切りパネルP乃至第3間仕切りパネルPの3枚の間仕切りパネルからなる。
【0021】
図1および図4は、第1間仕切りパネルP乃至第3間仕切りパネルPが前後で重なる間仕切り壁Aの収縮状態を示す。第1間仕切りパネルP乃至第3間仕切りパネルPのそれぞれは、図1に示すように、矩形のボード10と、そのボード10の両側に設けられた一対の縦枠11、上記ボード10の上側において縦枠11の上部間に渡された上枠12および上記ボード10の下側において縦枠11の下部間に渡された下枠13を有している。
【0022】
図5乃至図7に示すように、縦枠11と上枠12は、その交差部に取付けたコーナ金具14によって補強されている。一方、縦枠11と下枠13は、図3に示すように、その交差部に取付けたコーナ金具15によって補強されている。
【0023】
図1に示すように、第1間仕切りパネルPは、縦枠11の下側に設けられたアジャストボルト16と縦枠11の上側に設けられた突張り保持機構20とによって床面Fと天井面R間において起立状態に保持される。
【0024】
図3に示すように、アジャストボルト16は下部コーナ金具15に設けられたねじ孔17にねじ係合され、そのアジャストボルト16の下端に設けられた床パッド18が床面Fに接地されており、上記アジャストボルト16の回転によって第1間仕切りパネルPは高さ調整される。
【0025】
図2および図5に示すように、突張り保持機構20は、筒状とされた縦枠11の上端部内に筒状の突張り枠21を伸縮自在に挿入し、上部のコーナ金具14に回転自在に支持されたロックねじ22を上記突張り枠21内に組み込まれたナット23にねじ係合し、そのロックねじ22の締め付けにより突張り枠21を伸縮調整位置で固定している。
【0026】
ここで、突張り枠21の突張りによる縦枠11の保持に際し、天井面Rに傷が付くおそれがある。その損傷を防止するため、図10(a)乃至(c)では、突張り枠21の上部にコの字形のブラケット24を取付け、そのブラケット24によってねじ軸からなるアジャストロッド25をスライド自在に支持し、そのアジャストロッド25をブラケット24内に組み込まれた弾性部材26により上向きに付勢して、アジャストロッド25の上端部に設けられたパッド27で天井面Rを押圧している。
【0027】
図10(a)は、突張り枠21を伸縮調整した状態でパッド27を天井面Rに押し付けてアジャストロッド25をブラケット24内に押し込んだ状態を示している。その状態において、縦枠11を引き下げて下側に設けられたアジャストボルト16の床パッド18を床面Fに接地させることにより、図10(b)に示すように、アジャストロッド25がブラケット24から突出する状態に保持され、パッド27が弾性部材26の弾性力によって天井面Rに押圧される。
【0028】
図9に示すように、第3間仕切りパネルPにおける一対の縦枠11のそれぞれ下端部には床面Fに沿って転動可能なキャスタ28が取付けられている。
【0029】
図4に示すように、第1間仕切りパネルPおよび第3間仕切りパネルPにおける上枠12の上面には両端方向に長く延びるガイド溝30が形成されている。図4および図5に示すように、第1間仕切りパネルPにおける上枠12のガイド溝30の両端部には一対のコイルばね31が組み込まれている。また、ガイド溝30には、その一対のコイルばね31間に摺動子32がスライド自在に組み込まれている。
【0030】
一方、第3間仕切りパネルPにおける上枠12のガイド溝30にも図7に示すように、一対のコイルばね31とスライド可能な摺動子32が組み込まれ、それぞれの摺動子32に帯板状スライドプレート33の一側縁中央部に設けられた連結片33aが連結されている。
【0031】
図4に示すように、スライドプレート33のそれぞれは第2間仕切りパネルPの上枠12上に配置されている。このスライドプレート33の幅は第2間仕切りパネルPにおける縦枠11の側面幅にほぼ等しくされている。また、スライドプレート33は、摺動子32がコイルばね31の端部に当接する状態で端縁が第1間仕切りパネルPおよび第3間仕切りパネルPの縦枠11の外側面に略一致し、上記摺動子32がコイルばね31を収縮させる状態で端部が縦枠11の外側面から外側方に縦枠11の正面幅寸法以上に突出する長さとされている。
【0032】
また、スライドプレート33のそれぞれには両端方向に長く延びる長孔34が形成されている。一方、第2間仕切りパネルPの一対の縦枠11のそれぞれ上端部には、図6に示すように、円形のガイドピン35がねじ36の締め付けにより取付けられ、そのガイドピン35がスライドプレート33の長孔34内スライド自在に挿入されている。
【0033】
上記のように、ガイド溝30に沿ってスライド自在とされた摺動子32にスライドプレート33を連結し、そのスライドプレート33に設けられた長孔34に縦枠11の上端に突設した円形のガイドピン35をスライド自在に挿入することによって第1間仕切りパネルPと第2間仕切りパネルPの縦枠11、および、第2間仕切りパネルPと第3間仕切りパネルPの縦枠11は相対的にスライド自在に、かつ、屈曲自在に連結される。そのスライド自在および屈曲自在の連結とする連結手段Xは、図3および図9に示すように、第1間仕切りパネルPと第2間仕切りパネルPの下枠13、および、第2間仕切りパネルPと第3間仕切りパネルPの下枠13の相互間にも設けられている。
【0034】
このとき、下枠13の相互間に設けられた下側の連結手段Xは、上枠12の相互間に設けられた上側の連結手段Xと上下対称とされている点で相違しているため、ここでは、下側の連結手段Xについては、上側の連結手段Xと同一部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
第1の実施の形態で示す間仕切り壁は上記の構造からなり、図1および図4に示すように、第1間仕切りパネルP乃至第3間仕切りパネルPが前後で重なる間仕切り壁Aの収縮状態から第3間仕切りパネルP図4の右方向に移動させると、その第3間仕切りパネルP図7に示す摺動子32に案内されて第1間仕切りパネルPおよび第2間仕切りパネルPに対して相対的に平行移動し、図11に示すように、第1間仕切りパネルPの右方向に引き出されて展開状態とされる。このとき、図7に示す摺動子32は同図の左方向に配置されたコイルばね31に当接して押圧し、そのコイルばね31を圧縮変形させる。
【0036】
上記のような第3間仕切りパネルPの展開状態から、第3間仕切りパネルPを上記と同方向(右方向)に移動させると、第3間仕切りパネルPの縦枠11が圧縮変形したコイルばね31を介して摺動子32を押圧し、その押圧によって第2間仕切りパネルPが第1間仕切りパネルPに対して平行移動して、第1間仕切りパネルPの右方向に引き出される。
【0037】
第2間仕切りパネルPが所定量引き出されると、第2間仕切りパネルPの引き出し方向の後行側の縦枠11の上下端に設けられたガイドピン35が第1間仕切りパネルPの上枠12および下枠13の摺動子32に連結されたスライドプレート33の長孔34に沿って移動し、図12および図13(a)に示すように、第2間仕切りパネルPも第1間仕切りパネルPの右方向に引き出されて展開状態とされ、平面状の間仕切り壁Aが形成される。
【0038】
図13(a)に示す展開状態において、第3間仕切りパネルPに同図の矢印イで示す方向の回転モーメントを付加すると、第3間仕切りパネルPがガイドピン35を中心にして矢印イで示す方向に回転する。
【0039】
図13(b)は、第3間仕切りパネルPを90°回転させた状態を示し、第3間仕切りパネルPの回転により平面L形の間仕切り壁が形成される。
【0040】
また、図13(a)に示す展開状態において、第3間仕切りパネルPに同図の矢印ロで示す方向の回転モーメントを付加すると、第3間仕切りパネルPの上枠12および下枠13のガイド溝30に組み込まれた一方のコイルばね31(図7の左側のコイルばね)が圧縮変形し、第3間仕切りパネルPの左側の縦枠11が第2間仕切りパネルPの右側の縦枠11の周囲を回り込むようにしてガイドピン35を中心に第3間仕切りパネルPが矢印ロで示す方向に回転する。
【0041】
図13(c)は、第3間仕切りパネルPを90°回転させた状態を示し、その回転によって、図13(b)とは第3間仕切りパネルPの幅方向の向きが180°異なる平面L形の間仕切り壁が形成される。
【0042】
図13(b)に示すL形間仕切り壁の形成状態において、第2間仕切りパネルP図13(a)の矢印イで示す方向の回転モーメントを付加すると、第2間仕切りパネルP図13(a)の矢印イで示す方向に回転し、図14に示すように、平面コの字形の間仕切り壁が形成される。
【0043】
また、図13に示す間仕切り壁の形成状態において、第2間仕切りパネルPを第1間仕切りパネルPに重なる方向に押し戻し、その第2間仕切りパネルPを中間位置まで押し戻した状態で上方に90°回転させることにより、平面T字形の間仕切り壁を形成することができる。そのT字形間仕切り壁の形成状態から第3間仕切りパネルP図13の矢印ロ方向に90°回転させ、その回転後に第3間仕切りパネルPを第1間仕切りパネルPと対向する位置まで移動することによって図15に示すような平面形状をH形とする間仕切り壁を形成することができる。
【0044】
さらに、図13に示す展開状態から、第2間仕切りパネルPを左側の縦枠11に突設されたガイドピン35を中心にして上方に180°回転させ、その回転状態において第2間仕切りパネルPを第1間仕切りパネルPに対して同図の左方向に平行移動させることにより、第2間仕切りパネルPを第1間仕切りパネルPの左方向に展開することができる。
【0045】
第1の実施の形態に示すように、ガイド溝30の両端部に一対のコイルばね31を組込み、その一対のコイルばね31間においてスライド可能な摺動子32にスライドプレート33を連結し、そのスライドプレート33に形成された長孔34に縦枠11の端部に突設されたガイドピン35をスライド自在に挿入する連結手段Xによって第1間仕切りパネルPと第2間仕切りパネルP、および、第2間仕切りパネルPと第3間仕切りパネルPを相互に連結することにより、互いに連結された一対の間仕切りパネルの相互における展開方向を左右2方向とすることができると共に間仕切りパネルの相互間の折り曲げ角度を大きく採ることができる。その結果、形状の異なるブースを数多く形成することができる。
【0046】
第1の実施の形態においては、第1間仕切りパネルPおよび第3間仕切りパネルPの上枠12および下枠13にガイド溝30を設けるようにしたが、図17に示すように、第1間仕切りパネルP乃至第3間仕切りパネルPのそれぞれの上枠12および図示省略した下枠13のそれぞれにガイド溝30を設け、第1間仕切りパネルPおよび第2間仕切りパネルPのガイド溝30のそれぞれに摺動子32を組込み、その摺動子32のそれぞれに長さ方向の中央部が連結されたスライドプレート33を第2間仕切りパネルPおよび第3間仕切りパネルPの上枠12および下枠13と対向し、そのスライドプレート33に形成された長孔34内にガイドピン35を組み込んで、そのガイドピン35をスライドプレート33と対向する間仕切りパネルの柱部にねじ止めしてもよい。
【0047】
この場合、隣接するスライドプレート33の高さを相違させ、図16(b)に示すように、第2間仕切りパネルPを第1間仕切りパネルPに対して平行移動させて展開させる際、あるいは、第3間仕切りパネルPを第2間仕切りパネルPに対して平行移動させて展開させる際に、スライドプレート33が干渉することのないようにしておく。ここで、図16(a)は、第1間仕切りパネルP乃至第3間仕切りパネルPを収縮させた収納状態を示している。
【0048】
図17に示すような間仕切りパネルの連結構成とすることにより複数の間仕切りパネルを連結することができる。
【0049】
実施の形態においては、第1間仕切りパネルPの左右一対の縦枠11の上端部にのみアジャストロッド25を上部に有する突張り枠21を設けたが、第3間仕切りパネルPの左右一対の縦枠11の上端部にもアジャストロッド25を上部に有する突張り枠21を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
第1間仕切りパネル
第2間仕切りパネル
第3間仕切りパネル
11 縦枠
12 上枠
13 下枠
16 アジャストボルト
20 突張り保持機構
21 突張り枠
22 ロックねじ
28 キャスタ
30 ガイド溝
31 コイルばね
32 摺動子
33 スライドプレート
34 長孔
35 ガイドピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16
図17