特許第6066862号(P6066862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6066862
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】エンジンの回転軸の軸受装置
(51)【国際特許分類】
   F01M 1/06 20060101AFI20170116BHJP
   F16C 33/10 20060101ALI20170116BHJP
   F16C 17/04 20060101ALI20170116BHJP
   F16C 35/02 20060101ALI20170116BHJP
   F01L 1/04 20060101ALI20170116BHJP
   F02F 1/24 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   F01M1/06 K
   F16C33/10 Z
   F16C17/04 Z
   F16C35/02 C
   F01L1/04 D
   F02F1/24 R
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-162850(P2013-162850)
(22)【出願日】2013年8月6日
(65)【公開番号】特開2015-31231(P2015-31231A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2015年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】小山 秀行
(72)【発明者】
【氏名】田中 良憲
(72)【発明者】
【氏名】鍬崎 寛
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 直也
(72)【発明者】
【氏名】藤井 聡
(72)【発明者】
【氏名】後藤 英之
【審査官】 津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−242511(JP,A)
【文献】 特開2000−301794(JP,A)
【文献】 特開昭55−17666(JP,A)
【文献】 実開昭63−112205(JP,U)
【文献】 実開平1−95509(JP,U)
【文献】 実開昭60−1902(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01M 1/06
F01L 1/04
F02F 1/24
F16C 17/04
F16C 33/10
F16C 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン機壁(1)に設けられたラジアル軸受孔(2)と、回転軸(3)と、スラスト軸受板(4)とを備え、回転軸(3)のジャーナル部(3a)がラジアル軸受孔(2)に内嵌され、回転軸(3)の端部(3b)に入力輪(5)が取り付けられ、入力輪(5)のボス部(5a)と回転軸(3)のジャーナル部(3a)との隙間(6)にスラスト軸受板(4)が嵌入され、スラスト軸受板(4)がエンジン機壁(1)に取り付けられた、エンジンの回転軸の軸受装置において、
スラスト軸受板(4)の周面に凹入湾曲部(4a)が形成され、スラスト軸受板(4)の所定の取り付け姿勢により、凹入湾曲部(4a)がスラスト軸受板(4)の上周面で下向きに凹入された下向き凹入湾曲部(4b)とされ、この下向き凹入湾曲部(4b)に溜まって入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に流れ落ちるように構成され、
下向き凹入湾曲部(4b)のうち、入力輪(5)側の縁部(4c)は面取りされている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたエンジンの回転軸の軸受装置において、
スラスト軸受板(4)は、入力輪(5)のボス部(5a)と回転軸(3)のジャーナル部(3a)との隙間(6)に嵌入される嵌入板部(4d)と、嵌入板部(4d)の外周に位置する外周板部(4e)と、スラスト軸受板(4)の中心軸線(4g)と平行な向きに見て、スラスト軸受板(4)の中心軸線(4g)を間に挟む外周板部(4e)の相互反対側に配置される取り付け板部(4f)(4f)とを備え、外周板部(4e)と取り付け板部(4f)とに跨る4箇所に凹入湾曲部(4a)がそれぞれ形成され、スラスト軸受板(4)の取り付け姿勢に応じて、4箇所の凹入湾曲部(4a)のいずれかが、潤滑油(7)が溜まる下向き凹入湾曲部(4b)とされている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
【請求項3】
エンジン機壁(1)に設けられたラジアル軸受孔(2)と、回転軸(3)と、スラスト軸受板(4)とを備え、回転軸(3)のジャーナル部(3a)がラジアル軸受孔(2)に内嵌され、回転軸(3)の端部(3b)に入力輪(5)が取り付けられ、入力輪(5)のボス部(5a)と回転軸(3)のジャーナル部(3a)との隙間(6)にスラスト軸受板(4)が嵌入され、スラスト軸受板(4)がエンジン機壁(1)に取り付けられた、エンジンの回転軸の軸受装置において、
スラスト軸受板(4)の周面に凹入湾曲部(4a)が形成され、スラスト軸受板(4)の所定の取り付け姿勢により、凹入湾曲部(4a)がスラスト軸受板(4)の上周面で下向きに凹入された下向き凹入湾曲部(4b)とされ、この下向き凹入湾曲部(4b)に溜まって入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に流れ落ちるように構成され、
スラスト軸受板(4)は、入力輪(5)のボス部(5a)と回転軸(3)のジャーナル部(3a)との隙間(6)に嵌入される嵌入板部(4d)と、嵌入板部(4d)の外周に位置する外周板部(4e)と、スラスト軸受板(4)の中心軸線(4g)と平行な向きに見て、スラスト軸受板(4)の中心軸線(4g)を間に挟む外周板部(4e)の相互反対側に配置される取り付け板部(4f)(4f)とを備え、外周板部(4e)と取り付け板部(4f)とに跨る4箇所に凹入湾曲部(4a)がそれぞれ形成され、スラスト軸受板(4)の取り付け姿勢に応じて、4箇所の凹入湾曲部(4a)のいずれかが、潤滑油(7)が溜まる下向き凹入湾曲部(4b)とされている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載されたエンジンの回転軸の軸受装置において、
スラスト軸受板(4)は、その中心軸線(4g)と平行な向きに見て、点対称形状とされている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
【請求項5】
エンジン機壁(1)に設けられたラジアル軸受孔(2)と、回転軸(3)と、スラスト軸受板(4)とを備え、回転軸(3)のジャーナル部(3a)がラジアル軸受孔(2)に内嵌され、回転軸(3)の端部(3b)に入力輪(5)が取り付けられ、入力輪(5)のボス部(5a)と回転軸(3)のジャーナル部(3a)との隙間(6)にスラスト軸受板(4)が嵌入され、スラスト軸受板(4)がエンジン機壁(1)に取り付けられた、エンジンの回転軸の軸受装置において、
スラスト軸受板(4)の周面に凹入湾曲部(4a)が形成され、スラスト軸受板(4)の所定の取り付け姿勢により、凹入湾曲部(4a)がスラスト軸受板(4)の上周面で下向きに凹入された下向き凹入湾曲部(4b)とされ、この下向き凹入湾曲部(4b)に溜まって入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に流れ落ちるように構成され、
スラスト軸受板(4)は、その中心軸線(4g)と平行な向きに見て、点対称形状とされている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載されたエンジンの回転軸の軸受装置において、
スラスト軸受板(4)は、表裏対称形状とされている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
【請求項7】
エンジン機壁(1)に設けられたラジアル軸受孔(2)と、回転軸(3)と、スラスト軸受板(4)とを備え、回転軸(3)のジャーナル部(3a)がラジアル軸受孔(2)に内嵌され、回転軸(3)の端部(3b)に入力輪(5)が取り付けられ、入力輪(5)のボス部(5a)と回転軸(3)のジャーナル部(3a)との隙間(6)にスラスト軸受板(4)が嵌入され、スラスト軸受板(4)がエンジン機壁(1)に取り付けられた、エンジンの回転軸の軸受装置において、
スラスト軸受板(4)の周面に凹入湾曲部(4a)が形成され、スラスト軸受板(4)の所定の取り付け姿勢により、凹入湾曲部(4a)がスラスト軸受板(4)の上周面で下向きに凹入された下向き凹入湾曲部(4b)とされ、この下向き凹入湾曲部(4b)に溜まって入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に流れ落ちるように構成され、
スラスト軸受板(4)は、表裏対称形状とされている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載されたエンジンの回転軸の軸受装置において、
入力輪(5)のボス部(5a)と当接するスラスト軸受板(4)の端面(4i)に潤滑油案内溝(4h)が形成され、スラスト軸受板(4)の中心軸線(4g)と平行な向きに見て、潤滑油案内溝(4h)は、入力輪(5)のボス部(5a)の回転方向(5d)に進むほど回転軸(3)に近づくように方向付けられ、下向き凹入湾曲部(4b)から入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)の回転と潤滑油案内溝(4h)の案内で、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間を回転軸(3)に向かって推進するように構成されている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
【請求項9】
エンジン機壁(1)に設けられたラジアル軸受孔(2)と、回転軸(3)と、スラスト軸受板(4)とを備え、回転軸(3)のジャーナル部(3a)がラジアル軸受孔(2)に内嵌され、回転軸(3)の端部(3b)に入力輪(5)が取り付けられ、入力輪(5)のボス部(5a)と回転軸(3)のジャーナル部(3a)との隙間(6)にスラスト軸受板(4)が嵌入され、スラスト軸受板(4)がエンジン機壁(1)に取り付けられた、エンジンの回転軸の軸受装置において、
スラスト軸受板(4)の周面に凹入湾曲部(4a)が形成され、スラスト軸受板(4)の所定の取り付け姿勢により、凹入湾曲部(4a)がスラスト軸受板(4)の上周面で下向きに凹入された下向き凹入湾曲部(4b)とされ、この下向き凹入湾曲部(4b)に溜まって入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に流れ落ちるように構成され、
入力輪(5)のボス部(5a)と当接するスラスト軸受板(4)の端面(4i)に潤滑油案内溝(4h)が形成され、スラスト軸受板(4)の中心軸線(4g)と平行な向きに見て、潤滑油案内溝(4h)は、入力輪(5)のボス部(5a)の回転方向(5d)に進むほど回転軸(3)に近づくように方向付けられ、下向き凹入湾曲部(4b)から入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)の回転と潤滑油案内溝(4h)の案内で、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間を回転軸(3)に向かって推進するように構成されている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載されたエンジンの回転軸の軸受装置において、
入力輪(5)のボス部(5a)と当接するスラスト軸受板(4)の端面(4i)にオイル保持溝(4j)が形成され、下向き凹入湾曲部(4b)から入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間でオイル保持溝(4j)に保持されるように構成されている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
【請求項11】
エンジン機壁(1)に設けられたラジアル軸受孔(2)と、回転軸(3)と、スラスト軸受板(4)とを備え、回転軸(3)のジャーナル部(3a)がラジアル軸受孔(2)に内嵌され、回転軸(3)の端部(3b)に入力輪(5)が取り付けられ、入力輪(5)のボス部(5a)と回転軸(3)のジャーナル部(3a)との隙間(6)にスラスト軸受板(4)が嵌入され、スラスト軸受板(4)がエンジン機壁(1)に取り付けられた、エンジンの回転軸の軸受装置において、
スラスト軸受板(4)の周面に凹入湾曲部(4a)が形成され、スラスト軸受板(4)の所定の取り付け姿勢により、凹入湾曲部(4a)がスラスト軸受板(4)の上周面で下向きに凹入された下向き凹入湾曲部(4b)とされ、この下向き凹入湾曲部(4b)に溜まって入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に流れ落ちるように構成され、
入力輪(5)のボス部(5a)と当接するスラスト軸受板(4)の端面(4i)にオイル保持溝(4j)が形成され、下向き凹入湾曲部(4b)から入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間でオイル保持溝(4j)に保持されるように構成されている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれかに記載されたエンジンの回転軸の軸受装置において、
スラスト軸受板(4)が焼結合金で形成され、下向き凹入湾曲部(4b)から入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間で焼結合金の表面組織に保持されるように構成されている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの回転軸の軸受装置に関し、詳しくは、入力輪のボス部とスラスト軸受板との磨耗を抑制することができるエンジンの回転軸の軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの回転軸の軸受装置として、次のものがある(例えば、特許文献1参照)。
図3(A)(B)に示すように、エンジン機壁(101)に設けられたラジアル軸受孔(102)と、回転軸(103)と、スラスト軸受板(104)とを備え、回転軸(103)のジャーナル部(103a)がラジアル軸受孔(102)に内嵌され、回転軸(103)の端部(103b)に入力輪(105)が取り付けられ、入力輪(105)のボス部(105a)と回転軸(103)のジャーナル部(103a)との隙間(106)にスラスト軸受板(104)が嵌入され、スラスト軸受板(104)がエンジン機壁(101)に取り付けられた、エンジンの回転軸の軸受装置。
なお、図中の符号(108)は取り付けボルトである。
【0003】
この種の軸受装置によれば、簡易な構造で回転軸の軸受ができる利点がある。
【0004】
しかし、この従来技術では、図3(A)(B)(C)に示すように、入力輪(105)のボス部(105a)とスラスト軸受板(104)との間に潤滑油を集中的に供給する手段がないため、問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−235728号公報(図2(A)(B)参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
《問題点》 入力輪のボス部とスラスト軸受板とが磨耗しやすい。
図3(A)(B)(C)に示すように、入力輪(105)のボス部(105a)とスラスト軸受板(104)との間に潤滑油を集中的に供給する手段がないため、入力輪(105)のボス部(105a)とスラスト軸受板(104)とが潤滑不足となり、これらが磨耗しやすい。
【0007】
本発明の課題は、入力輪のボス部とスラスト軸受板との磨耗を抑制することができるエンジンの回転軸の軸受装置を提供することにある。
【0008】
本発明の発明者らは、研究の結果、スラスト軸受板の上周面に下向きに凹入された下向き凹入湾曲部を形成すれば、この下向き凹入湾曲部に溜まって入力輪側に溢れた潤滑油を、入力輪のボス部とスラスト軸受板との間に集中的に供給することができることを発見し、この発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(請求項1,3,5,7,9,11に共通する発明特定事項)
図1(A)(B)に例示するように、エンジン機壁(1)に設けられたラジアル軸受孔(2)と、回転軸(3)と、スラスト軸受板(4)とを備え、回転軸(3)のジャーナル部(3a)がラジアル軸受孔(2)に内嵌され、回転軸(3)の端部(3b)に入力輪(5)が取り付けられ、入力輪(5)のボス部(5a)と回転軸(3)のジャーナル部(3a)との隙間(6)にスラスト軸受板(4)が嵌入され、スラスト軸受板(4)がエンジン機壁(1)に取り付けられた、エンジンの回転軸の軸受装置において、
図1(C)(D)、図2(A)(B)(C)に例示するように、スラスト軸受板(4)の周面に凹入湾曲部(4a)が形成され、スラスト軸受板(4)の所定の取り付け姿勢により、凹入湾曲部(4a)がスラスト軸受板(4)の上周面で下向きに凹入された下向き凹入湾曲部(4b)とされ、この下向き凹入湾曲部(4b)に溜まって入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に流れ落ちるように構成されている。
(請求項1,3,5,7,9,11に固有の発明特定事項)
<請求項1>
図1(D)に例示するように、下向き凹入湾曲部(4b)のうち、入力輪(5)側の縁部(4c)は面取りされている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
<請求項3>
図1(C)、図2(A)(B)(C)に例示するように、スラスト軸受板(4)は、入力輪(5)のボス部(5a)と回転軸(3)のジャーナル部(3a)との隙間(6)に嵌入される嵌入板部(4d)と、嵌入板部(4d)の外周に位置する外周板部(4e)と、スラスト軸受板(4)の中心軸線(4g)と平行な向きに見て、スラスト軸受板(4)の中心軸線(4g)を間に挟む外周板部(4e)の相互反対側に配置される取り付け板部(4f)(4f)とを備え、外周板部(4e)と取り付け板部(4f)とに跨る4箇所に凹入湾曲部(4a)がそれぞれ形成され、スラスト軸受板(4)の取り付け姿勢に応じて、4箇所の凹入湾曲部(4a)のいずれかが、潤滑油(7)が溜まる下向き凹入湾曲部(4b)とされている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
<請求項5>
図1(C)、図2(A)(B)(C)に例示するように、スラスト軸受板(4)は、その中心軸線(4g)と平行な向きに見て、点対称形状とされている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
<請求項7>
図1(B)(D)に例示するように、スラスト軸受板(4)は、表裏対称形状とされている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
<請求項9>
図2(A)に例示するように、入力輪(5)のボス部(5a)と当接するスラスト軸受板(4)の端面(4i)に潤滑油案内溝(4h)が形成され、スラスト軸受板(4)の中心軸線(4g)と平行な向きに見て、潤滑油案内溝(4h)は、入力輪(5)のボス部(5a)の回転方向(5d)に進むほど回転軸(3)に近づくように方向付けられ、下向き凹入湾曲部(4b)から入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)の回転と潤滑油案内溝(4h)の案内で、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間を回転軸(3)に向かって推進するように構成されている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
<請求項11>
図2(B)に例示するように、入力輪(5)のボス部(5a)と当接するスラスト軸受板(4)の端面(4i)にオイル保持溝(4j)が形成され、下向き凹入湾曲部(4b)から入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間でオイル保持溝(4j)に保持されるように構成されている、ことを特徴とするエンジンの回転軸の軸受装置。
【発明の効果】
【0010】
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果1−1》 入力輪のボス部とジャーナル部との磨耗を抑制することができる。
図1(C)(D)、図2(A)(B)(C)に例示するように、スラスト軸受板(4)の周面に凹入湾曲部(4a)が形成され、スラスト軸受板(4)の所定の取り付け姿勢により、凹入湾曲部(4a)がスラスト軸受板(4)の上周面で下向きに凹入された下向き凹入湾曲部(4b)とされ、この下向き凹入湾曲部(4b)に溜まって入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に流れ落ちるように構成されているので、入力輪(5)の周囲のオイルミストが凝縮して下向き凹入湾曲部(4b)に溜まり、溜まった潤滑油(7)が入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に集中的に供給され、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との磨耗を抑制することができる。
【0011】
《効果1−2》 入力輪のボス部とジャーナル部との磨耗を抑制する機能が高い。
図1(D)に例示するように、下向き凹入湾曲部(4b)のうち、入力輪(5)側の縁部(4c)は面取りされているので、下向き凹入湾曲部(4b)に溜まった潤滑油(7)は、面取りされた縁部(4c)に沿って入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間にスムーズに流れ落ち、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との磨耗を抑制する機能が高い。
【0012】
(請求項2,3に係る発明)
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明の効果1−1に加え、次の効果を奏する。
《効果》 異なる機種でも、凹入湾曲部を適正な下向きの凹入姿勢とすることができる。
図1(C)、図2(A)(B)(C)に例示するように、外周板部(4e)と取り付け板部(4f)とに跨る4箇所に凹入湾曲部(4a)がそれぞれ形成され、スラスト軸受板(4)の取り付け姿勢に応じて、4箇所の凹入湾曲部(4a)のいずれかが、潤滑油(7)が溜まる下向き凹入湾曲部(4b)とされるので、スラスト軸受板(4)の取り付け姿勢が異なる複数の機種でスラスト軸受板(4)を共用することができる。
【0013】
(請求項4,5に係る発明)
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明の効果1−1に加え、次の効果を奏する。
《効果》 スラスト軸受板の誤組み付けを防止することができる。
図1(C)、図2(A)(B)(C)に例示するように、スラスト軸受板(4)は、その中心軸線(4g)と平行な向きに見て、点対称形状とされているので、中心軸線(4g)を回転中心としてスラスト軸受板(4)を180°回転させて取り付けても、スラスト軸受板(4)は同じ取り付け姿勢となり、スラスト軸受板(4)の誤組み付けを防止することができる。
【0014】
(請求項6,7に係る発明)
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加え、請求項7に係る発明の請求項1に係る発明の効果1−1に加え、次の効果を奏する。
《効果》 スラスト軸受板の誤組み付けを防止することができる。
図1(B)(D)に例示するように、スラスト軸受板(4)は、表裏対称形状とされているので、スラスト軸受板(4)を表裏逆で取り付けても、スラスト軸受板(4)は同じ取り付け姿勢となり、スラスト軸受板(4)の誤組み付けを防止することができる。
【0015】
(請求項8,9に係る発明)
請求項8に係る発明は、請求項1から請求項7のいずれかに係る発明の効果に加え、請求項9に係る発明の請求項1に係る発明の効果1−1に加え、次の効果を奏する。
《効果》 入力輪のボス部とジャーナル部との磨耗を抑制する機能が高い。
図2(A)に例示するように、下向き凹入湾曲部(4b)から入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)の回転と螺旋溝(4h)の案内で、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間を回転軸(3)に向かって推進するように構成されているので、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に多くの潤滑油(7)が導入され、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との磨耗を抑制する機能が高い。
【0016】
(請求項10,11に係る発明)
請求項10に係る発明は、請求項1から請求項9のいずれかに係る発明の効果に加え、請求項11に係る発明の請求項1に係る発明の効果1−1に加え、次の効果を奏する。
《効果》 入力輪のボス部とジャーナル部との磨耗を抑制する機能が高い。
図2(B)に例示するように、入力輪(5)のボス部(5a)と当接するスラスト軸受板(4)の端面(4i)にオイル保持溝(4j)が形成され、下向き凹入湾曲部(4b)から入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間でオイル保持溝(4j)に保持されるように構成されているので、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に多くの潤滑油(7)が保持され、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との磨耗を抑制する機能が高い。
【0017】
(請求項12に係る発明)
請求項12に係る発明は、請求項1から請求項11のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 入力輪のボス部とジャーナル部との磨耗を抑制する機能が高い。
スラスト軸受板(4)が焼結合金で形成され、下向き凹入湾曲部(4b)から入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間で焼結合金の表面組織に保持されるように構成されているので、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に多くの潤滑油(7)が保持され、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との磨耗を抑制する機能が高い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係るエンジンの回転軸の軸受装置を説明する図で、図1(A)は回転軸とその周辺部分の縦断側面図、図1(B)は図1(A)のB矢視部分の拡大図、図1(C)は図1(A)のC−C線断面図、図1(D)は図1(C)のD−D線断面拡大図である。
図2図1のスラスト軸受板の各種変形例の説明図で、図2(A)は第1変形例、図2(B)は第2変形例、図2(C)は第3変形例である。
図3】従来技術に係るエンジンの回転軸の軸受装置を説明する図で、図3(A)は回転軸とその周辺部分の縦断側面図、図3(B)は図3(A)のB矢視部分の拡大図、図3(C)は図3(A)のC−C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1図2は本発明の実施形態に係るエンジンの回転軸の軸受装置を説明する図であり、この実施形態では、ディーゼルエンジンの動弁カム軸の軸受装置について説明する。
【0020】
図1(A)(B)に示すように、エンジン機壁(1)に設けられたラジアル軸受孔(2)と、回転軸(3)と、スラスト軸受板(4)とを備え、回転軸(3)のジャーナル部(3a)がラジアル軸受孔(2)に内嵌され、回転軸(3)の端部(3b)に入力輪(5)が取り付けられ、入力輪(5)のボス部(5a)と回転軸(3)のジャーナル部(3a)との隙間(6)にスラスト軸受板(4)が嵌入され、スラスト軸受板(4)がエンジン機壁(1)に取り付けられている。
【0021】
図1(A)(B)に示すように、エンジン機壁(1)はシリンダブロックの壁である。回転軸(3)は動弁カム軸である。回転軸(3)のジャーナル部(3a)の周面には潤滑油圧送通路(3c)の通路出口(3d)が開口され、この通路出口(3d)が回転軸(3)のジャーナル部(3a)とラジアル軸受孔(2)との隙間(10)に連通している。
入力輪(5)はハスバ歯車である。入力輪(5)は、クランクギヤ(図外)やアイドルギヤ(図外)とともに調時伝動装置(図外)を構成し、この調時伝動装置を介してクランク軸(図外)で回転軸(3)を駆動する。調時伝動装置を構成するギヤはいずれもハスバ歯車で、入力輪(5)と噛合するクランクギヤ寄りのアイドルギヤで入力輪(5)が回されている間、入力輪(5)は、歯の傾斜により、噛合するアイドルギヤからスラスト軸受板(4)近接方向のスラスト力(5b)を受け、入力輪(5)のボス部(5a)がスラスト軸受板(4)で受け止められる。また、クランク軸の減速により入力輪(5)の回転が噛合するアイドルギヤよりも速くなると、入力輪(5)は歯の傾きにより、噛合するアイドルギヤからスラスト軸受板(4)離間方向のスラスト力(5c)を受け、回転軸(3)のジャーナル部(3a)がスラスト軸受板(4)で受け止められる。
調時伝動装置は、シリンダブロックの壁に取り付けられた調時伝動ケース(図外)に収容されている。
潤滑油圧送通路(3c)から回転軸(3)のジャーナル部(3a)とラジアル軸受孔(2)との隙間(10)に供給された潤滑油(7)は、この隙間(10)から調時伝動ケース内にリークされ、調時伝動装置を構成するハスバ歯車に当たってオイルミストとなる。
スラスト軸受板(4)は、板金製の板材で、一対の取り付けボルト(8)(8)でエンジン機壁(1)に取り付けられている。
【0022】
図1(C)(D)に示すように、スラスト軸受板(4)の周面に凹入湾曲部(4a)が形成され、スラスト軸受板(4)の所定の取り付け姿勢により、凹入湾曲部(4a)がスラスト軸受板(4)の上周面で下向きに凹入された下向き凹入湾曲部(4b)とされ、この下向き凹入湾曲部(4b)に溜まって入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に流れ落ちるように構成されている。
【0023】
図1(D)に示すように、下向き凹入湾曲部(4b)のうち、入力輪(5)側の縁部(4c)は面取りされている。下向き凹入湾曲部(4b)のうち、エンジン機壁(1)側の縁部(4k)も面取りされている。
図1(D)に示すように、スラスト軸受板(4)の外周板部(4e)の周面(9)のうち、下向き凹入湾曲部(4b)以外の部分の両縁部(9a)(9b)も面取りされているが、下向き凹入湾曲部(4b)の両縁部(4c)(4k)は、下向き凹入湾曲部(4b)以外の部分の両縁部(9a)(9b)よりも大きな曲率半径で大きく面取りしておくのが望ましい。スラスト軸受板(4)を表裏どちらの向きで取り付けても、下向き凹入湾曲部(4b)の入力輪(5)側の縁部にその両脇の縁部よりもエンジン機壁(1)側に大きく後退した窪みが形成され、下向き凹入湾曲部(4b)に溜まった潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に流れ落ちやすくなるからである。
このような観点からは、下向き凹入湾曲部(4b)の両縁部(4c)(4k)をより大きな曲率半径で大きく面取りすることに代えて、或いは、より大きな曲率半径で大きく面取りすることに加え、図1(C)(D)に示すように、下向き凹入湾曲部(4b)の両縁部(4c)(4k)に潤滑油(7)の潤滑油流下案内溝(4m)を形成し、この潤滑油流下案内溝(4m)の案内で下向き凹入湾曲部(4b)に溜まった潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に流れ落ちるようにしておいてもよい。
【0024】
図1(A)(B)(C)に示すように、スラスト軸受板(4)は、入力輪(5)のボス部(5a)と回転軸(3)のジャーナル部(3a)との隙間(6)に嵌入される嵌入板部(4d)と、嵌入板部(4d)の外周に位置する外周板部(4e)と、スラスト軸受板(4)の中心軸線(4g)と平行な向きに見て、スラスト軸受板(4)の中心軸線(4g)を間に挟む外周板部(4e)の相互反対側に配置される取り付け板部(4f)(4f)とを備え、外周板部(4e)と取り付け板部(4f)とに跨る4箇所に凹入湾曲部(4a)がそれぞれ形成され、スラスト軸受板(4)の取り付け姿勢に応じて、4箇所の凹入湾曲部(4a)のいずれかが、潤滑油(7)が溜まる下向き凹入湾曲部(4b)とされている。
【0025】
図1(C)に示すように、スラスト軸受板(4)の中心軸線(4g)と平行な向きに見て、スラスト軸受板(4)は、径大の円板の相互反対側に径小の円板を連結し、径小の円板を取り付け板部(4f)(4f)とした構造であり、図1(C)に示すスラスト軸受板(4)の基本例では、スラスト軸受板(4)は、中心軸線(4g)を中心にして取り付け板部(4f)(4f)を水平方向から反時計廻りに30°回転させた姿勢で取り付けられている。
【0026】
図1(C)に示すように、スラスト軸受板(4)は、その中心軸線(4g)と平行な向きに見て、点対称形状とされている。
また、図1(B)(D)に示すように、スラスト軸受板(4)は、表裏対称形状とされている。
【0027】
図2(A)(B)(C)はスラスト軸受板(4)の変形例を示している。
図2(A)に示す第1変形例は、入力輪(5)のボス部(5a)と当接するスラスト軸受板(4)の端面(4i)に潤滑油案内溝(4h)が形成され、スラスト軸受板(4)の中心軸線(4g)と平行な向きに見て、潤滑油案内溝(4h)は、入力輪(5)のボス部(5a)の回転方向(5d)に進むほど回転軸(3)に近づくように方向付けられ、下向き凹入湾曲部(4b)から入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)の回転と潤滑油案内溝(4h)の案内で、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間を回転軸(3)に向かって推進するように構成されている
【0028】
図2(B)に示す第2変形例は、入力輪(5)のボス部(5a)と当接するスラスト軸受板(4)の端面(4i)にオイル保持溝(4j)が形成され、下向き凹入湾曲部(4b)から入力輪(5)側に溢れた潤滑油(7)が、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間でオイル保持溝(4j)に保持されるように構成されている。
オイル保持溝(4j)は、格子状に形成されている。
【0029】
図2(C)に示す第3変形例は、図1(C)のスラスト軸受板(4)の取り付け姿勢を変更したもので、スラスト軸受板(4)は、その中心軸線(4g)を中心として、取り付け板部(4f)(4f)を水平方向から時計廻りに30°回転させた姿勢で取り付けられている。
【0030】
図2(A)(B)(C)に示す各変形例の他の構成は、図1(A)〜(D)の基本例と同じであり、図2(A)(B)(C)中、図1(A)〜(D)と同一の要素には、図1(A)〜(D)と同一の符号を付しておく。
【0031】
図1(C)、図2(A)(B)(C)に示す各スラスト軸受板(4)は、板金製であるが、これに代えて、スラスト軸受板(4)は、焼結合金で形成され、入力輪(5)のボス部(5a)とスラスト軸受板(4)との間に進入した潤滑油(7)がスラスト軸受板(4)の端面(4i)の焼結合金の組織に保持されるようにしたものであってもよい。図2(A)(B)に示す各変形例の潤滑油案内溝(4h)とオイル保持溝(4j)とは組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0032】
(1) エンジン機壁
(2) ラジアル軸受孔
(3) 回転軸
(3a) ジャーナル部
(3b) 端部
(4) スラスト軸受板
(4a) 凹入湾曲部
(4b) 下向き凹入湾曲部
(4c) 縁部
(4d) 嵌入板部
(4e) 外周板部
(4f) 取り付け板部
(4g) 中心軸線
(4h) 潤滑油案内溝
(4i) 端面
(4j) オイル保持溝
(5) 入力輪
(5a) ボス部
(5d) 回転方向
(6) 隙間
(7) 潤滑油
図1
図2
図3