(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記優先度を、前記一致度、前記希少度、前記鮮度、および前記非利用頻度それぞれの重要度に応じて設定された重みを付けた、当該一致度、当該希少度、当該鮮度、および当該非利用頻度の総和として算出することを特徴とする請求項5に記載のアドレス帳自動タグ付与装置。
前記アドレス帳を参照するアプリケーションにおいて、前記アドレス帳の通信先に付与されたタグの一致度に基づいて当該アドレス帳に登録されている通信先間の類似度を算出し、前記アプリケーションにおいて指定された通信先と類似する通信先を、算出された類似度に基づいて一致するタグと共に提示する類似通信先提示手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のアドレス帳自動タグ付与装置。
前記タグ選択手段で選択されたタグの中から、当該タグ選択手段で算出された優先度が予め設定された所定値よりも高いタグを抽出し、抽出されたタグを、前記アドレス帳を有する端末のユーザに通知するタグ通知手段を備えることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載のアドレス帳自動タグ付与装置。
一以上の通信先が登録されたアドレス帳について、当該一以上の通信先それぞれにタグを自動的に付与するアドレス帳自動タグ付与装置におけるアドレス帳自動タグ付与方法であって、
前記アドレス帳自動タグ付与装置が、情報取得手段、タグ候補抽出手段、タグ選択手段、およびタグ付与手段を備え、
前記情報取得手段が、前記アドレス帳を有する端末と前記一以上の通信先との間で行ったコミュニケーションに関するコミュニケーション情報、および当該一以上の通信先がネットワーク上に発信した発信情報の少なくとも一方を、当該装置の内外から解析対象情報として取得する第1のステップと、
前記タグ候補抽出手段が、前記第1のステップで取得した解析対象情報を解析し、前記通信先毎に、当該通信先を特徴付ける単語をタグ候補として抽出する第2のステップと、
前記タグ選択手段が、前記通信先毎に、前記タグ候補抽出手段で抽出されたタグ候補の中から、前記通信先に付与するタグを選択する第3のステップと、
前記タグ付与手段が、前記第3のステップで選択されたタグを前記アドレス帳の通信先に付与する第4のステップと、
を含むアドレス帳自動タグ付与方法。
一以上の通信先が登録されたアドレス帳について、当該一以上の通信先それぞれにタグを自動的に付与するアドレス帳自動タグ付与装置におけるアドレス帳自動タグ付与方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記アドレス帳自動タグ付与装置が、情報取得手段、タグ候補抽出手段、タグ選択手段、およびタグ付与手段を備え、
前記情報取得手段が、前記アドレス帳を有する端末と前記一以上の通信先との間で行ったコミュニケーションに関するコミュニケーション情報、および当該一以上の通信先がネットワーク上に発信した発信情報の少なくとも一方を、当該装置の内外から解析対象情報として取得する第1のステップと、
前記タグ候補抽出手段が、前記第1のステップで取得した解析対象情報を解析し、前記通信先毎に、当該通信先を特徴付ける単語をタグ候補として抽出する第2のステップと、
前記タグ選択手段が、前記通信先毎に、前記タグ候補抽出手段で抽出されたタグ候補の中から、前記通信先に付与するタグを選択する第3のステップと、
前記タグ付与手段が、前記第3のステップで選択されたタグを前記アドレス帳の通信先に付与する第4のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、通信先のプロフィール情報や興味関心は抽出できず、また、ユーザと通信先との関連性としては、アドレス帳に予め入力された情報に基づく関係性(例えば、部署が一緒であれば「同僚」)や、受発信の履歴による関係性(例えば、発信回数が多いなら「良く連絡を取る相手」)としか判断できなかった。一方、特許文献2に記載の技術では、ユーザと通信先との関連性を、友人、ビジネス関係、恋人といったように、特許文献1に記載の技術より詳細に推測することができるが、特許文献1と同様に、通信先のプロフィール情報や興味関心は抽出できなかった。
【0006】
そのため、久しぶりに連絡を取る通信先との話題のきっかけとして、通信先を特徴付ける情報、例えば、通信先の興味関心を知るためには、端末に保持されている過去のEメール等によるやり取りや、ソーシャルメディアにおける通信先の投稿内容を振り返る必要があり、わずらわしいという問題点があった。また、例えば、ユーザ自身がゴルフを好きな場合、友人の一人が最近ゴルフを始めたといった情報はユーザにとって有益な気付きであるといったように、友人に対する新たな気付きを得るためには、端末を用いて普段から密にコミュニケーションをとるか、ソーシャルメディアにおける友人の投稿を頻繁に確認しなければならなく、わずらわしいという問題点があった。
【0007】
そこで、上記課題に鑑みて、本発明では、話題のきっかけとなったり、通信先に対する新たな気付きを与えたりできる通信先を特徴付ける情報をアドレス帳の連絡先にタグとして付与するアドレス帳自動タグ付与装置、アドレス帳自動タグ付与方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0009】
(1) 本発明は、一以上の通信先が登録されたアドレス帳について、当該一以上の通信先それぞれにタグを自動的に付与するアドレス帳自動タグ付与装置であって、前記アドレス帳を有する端末と前記一以上の通信先との間で行ったコミュニケーションに関するコミュニケーション情報、および当該一以上の通信先がネットワーク上に発信した発信情報の少なくとも一方を、当該装置の内外から解析対象情報として取得する情報取得手段(例えば、
図1の情報取得部210に相当)と、前記情報取得手段で取得した解析対象情報を解析し、前記通信先毎に、当該通信先を特徴付ける単語をタグ候補として抽出するタグ候補抽出手段(例えば、
図1のタグ候補抽出部230に相当)と、前記通信先毎に、前記タグ候補抽出手段で抽出されたタグ候補の中から、前記通信先に付与するタグを選択するタグ選択手段(例えば、
図1のタグ選択部240に相当)と、前記タグ選択手段で選択されたタグを前記アドレス帳の通信先に付与するタグ付与手段(例えば、
図1のタグ付与部260に相当)と、を備えるアドレス帳自動タグ付与装置を提案している。
【0010】
(2) 本発明は、(1)のアドレス帳自動タグ付与装置について、前記発信情報が、前記通信先が関与した投稿情報を含み、前記コミュニケーション情報が、前記アドレス帳を有する端末と前記通信先との間で行ったコミュニケーションにおいてやり取りされたメッセージ情報を含み、前記タグ候補抽出手段が、前記投稿情報およびメッセージ情報から単語を抽出し、抽出した単語の出現頻度を算出し、算出した出現頻度に基づいて前記抽出された単語の中から前記タグ候補を抽出することを特徴とするアドレス帳自動タグ付与装置を提案している。
【0011】
(3) 本発明は、(1)または(2)のアドレス帳自動タグ付与装置について、前記発信情報が、前記ネットワーク上に、前記通信先が発信しているプロフィール情報を含み、前記タグ候補抽出手段が、前記通信先が発信しているプロフィール情報から抽出された単語と、前記アドレス帳を有する端末から取得した当該端末のユーザのプロフィール情報から抽出された単語とを比較し、前記通信先と前記ユーザとの関係性を示す単語をキーワードとして抽出することを特徴とするアドレス帳自動タグ付与装置を提案している。
【0012】
(4) 本発明は、(1)から(3)のアドレス帳自動タグ付与装置について、前記コミュニケーション情報が、前記アドレス帳を有する端末と前記通信先との受発信履歴を更に含み、前記タグ候補抽出手段が、前記情報取得手段で取得した受発信履歴に基づいて前記通信先と前記ユーザとの親密度合を示す単語を決定し、決定した単語をタグ候補として抽出することを特徴とするアドレス帳自動タグ付与装置を提案している。
【0013】
(5) 本発明は、(1)から(4)のアドレス帳自動タグ付与装置について、前記情報取得手段が、前記アドレス帳を有する端末のユーザがネットワーク上に発信した発信情報を前記解析対象情報として更に取得し、前記タグ候補抽出手段が、前記情報取得手段で取得した解析対象情報を解析し、前記ユーザを特徴付ける単語をタグ候補として抽出し、前記タグ選択手段が、各タグ候補について、前記ユーザを特徴付けるタグ候補との一致度、前記アドレス帳の全通信先のタグ候補中の出現頻度の低さを示す希少度、新しさを示す鮮度、およびタグ候補抽出元のソーシャルメディアに対する、前記アドレス帳を有する端末のユーザの利用頻度の低さを示す非利用頻度、の少なくとも1つに基づいて優先度を算出し、前記通信先毎に、算出された優先度に基づいて、前記タグ候補抽出手段で抽出されたタグ候補の中から、前記通信先に付与するタグを選択することを特徴とするアドレス帳自動タグ付与装置を提案している。
【0014】
(6) 本発明は、(5)のアドレス帳自動タグ付与装置について、前記優先度を、前記一致度、前記希少度、前記鮮度、および前記非利用頻度それぞれの重要度に応じて設定された重みを付けた、当該一致度、当該希少度、当該鮮度、および当該非利用頻度の総和として算出することを特徴とするアドレス帳自動タグ付与装置を提案している。
【0015】
(7) 本発明は、(1)から(6)のアドレス帳自動タグ付与装置について、前記アドレス帳を参照するアプリケーションにおいて、前記アドレス帳の通信先に付与されたタグの一致度に基づいて当該アドレス帳に登録されている通信先間の類似度を算出し、前記アプリケーションにおいて指定された通信先と類似する通信先を、算出された類似度に基づいて一致するタグと共に提示する類似通信先提示手段(例えば、
図1の類似通信先提示部280に相当)を備えることを特徴とするアドレス帳自動タグ付与装置を提案している。
【0016】
(8) 本発明は、(5)から(7)のアドレス帳自動タグ付与装置について、前記タグ選択手段で選択されたタグの中から、当該タグ選択手段で算出された優先度が予め設定された所定値よりも高いタグを抽出し、抽出されたタグを、前記アドレス帳を有する端末のユーザに通知するタグ通知手段(例えば、
図4のタグ通知部290に相当)を備えることを特徴とするアドレス帳自動タグ付与装置を提案している。
【0017】
(9) 本発明は、(1)から(8)のアドレス帳自動タグ付与装置について、キーワードと当該キーワードを示す画像を記憶する画像記憶手段(例えば、
図1の画像記憶部270に相当)を備え、前記タグ付与手段が、前記タグ選択手段で選択されたキーワードを示す画像を前記画像記憶手段から取得し、取得した画像を前記タグとして前記アドレス帳の通信先に付与することを特徴とするアドレス帳自動タグ付与装置を提案している。
【0018】
(10) 本発明は、一以上の通信先が登録されたアドレス帳について、当該一以上の通信先それぞれにタグを自動的に付与するアドレス帳自動タグ付与装置におけるアドレス帳自動付与方法であって、前記アドレス帳自動タグ付与装置が、情報取得手段、タグ候補抽出手段、タグ選択手段、およびタグ付与手段を備え、前記情報取得手段が、前記アドレス帳を有する端末と前記一以上の通信先との間で行ったコミュニケーションに関するコミュニケーション情報、および当該一以上の通信先がネットワーク上に発信した発信情報の少なくとも一方を、当該装置の内外から解析対象情報として取得する第1のステップ(例えば、
図3のステップS1に相当)と、前記タグ候補抽出手段が、前記第1のステップで取得した解析対象情報を解析し、前記通信先毎に、当該通信先を特徴付ける単語をタグ候補として抽出する第2のステップ(例えば、
図3のステップS2に相当)と、前記タグ選択手段が、前記通信先毎に、前記タグ候補抽出手段で抽出されたタグ候補の中から、前記通信先に付与するタグを選択する第3のステップ(例えば、
図3のステップS3に相当)と、前記タグ付与手段が、前記第3のステップで選択されたタグを前記アドレス帳の通信先に付与する第4のステップ(例えば、
図3のステップS4に相当)と、を含むアドレス帳自動タグ付与方法を提案している。
【0019】
(11) 本発明は、一以上の通信先が登録されたアドレス帳について、当該一以上の通信先それぞれにタグを自動的に付与するアドレス帳自動タグ付与装置におけるアドレス帳自動付与方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記アドレス帳自動タグ付与装置が、情報取得手段、タグ候補抽出手段、タグ選択手段、およびタグ付与手段を備え、前記情報取得手段が、前記アドレス帳を有する端末と前記一以上の通信先との間で行ったコミュニケーションに関するコミュニケーション情報、および当該一以上の通信先がネットワーク上に発信した発信情報の少なくとも一方を、当該装置の内外から解析対象情報として取得する第1のステップ(例えば、
図3のステップS1に相当)と、前記タグ候補抽出手段が、前記第1のステップで取得した解析対象情報を解析し、前記通信先毎に、当該通信先を特徴付ける単語をタグ候補として抽出する第2のステップ(例えば、
図3のステップS2に相当)と、前記タグ選択手段が、前記通信先毎に、前記タグ候補抽出手段で抽出されたタグ候補の中から、前記通信先に付与するタグを選択する第3のステップ(例えば、
図3のステップS3に相当)と、前記タグ付与手段が、前記第3のステップで選択されたタグを前記アドレス帳の通信先に付与する第4のステップ(例えば、
図3のステップS4に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、通信先を特徴付ける情報をアドレス帳の連絡先にタグとして付与することにより、アドレス帳の利便性向上、および友人の近況や友人に対する新たな気付きの効率化に寄与することができる。その結果、コミュニケーションの活性化・円滑化を促進させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0023】
<第1の実施形態>
<アドレス帳自動タグ付与装置の構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアドレス帳自動タグ付与装置200の構成を示す図である。図に示すように、本実施形態において、アドレス帳自動タグ付与装置200は、ユーザ端末100内に備えられているが、ユーザ端末100とはネットワークを介して接続される外部サーバとしてもよい。なお、ユーザ端末100は、アドレス帳110を保持し、保持しているアドレス帳110を利用して通信先との通信が可能な、ユーザが所有する端末であって、例えば、デスクトップPCやラップトップPC、携帯電話やスマートフォン、通信機能を有するタブレット端末が挙げられる。
【0024】
ここで、アドレス帳110は、通信先毎に、通信先に関する情報を記憶する。通信先に関する情報には、通信先の名称と通信先のアドレス情報とを少なくとも含み、通信先のプロフィール情報や、通信先の関心情報を含んでよい。アドレス情報には、例えば、電話番号、Eメールアドレス、Twitter(登録商標)、Facebook(登録商標)、SNS等ソーシャルメディアのアカウントが挙げられる。アドレス帳110は、ユーザが設定することもできるし、アプリケーションを利用して、ユーザがやり取りした通信先を自動的に抽出、設定することもできる。
【0025】
アドレス帳自動タグ付与装置200は、アドレス帳110に登録されている通信先に、連絡先の特徴を示すタグを自動的に付与する装置であって、
図1に示すように、情報取得部210、解析対象DB220、タグ候補抽出部230、タグ選択部240、タグDB250、タグ付与部260、画像記憶部270、および類似通信先提示部280を備える。
【0026】
情報取得部210は、バックグラウンドで動作する定時実行命令やユーザからの命令として、タグ付与を開始する命令を受け付けたことに応じて、アドレス帳110に登録されている通信先に付与するタグの抽出元となる解析対象情報をユーザ端末100内外から取得し、解析対象DB220に記憶する。
【0027】
具体的には、まず、情報取得部210は、アドレス帳110から登録されている通信先に関する情報を取得する。アドレス帳110がアプリ毎に複数ある場合には、すべてのアドレス帳110から通信先に関する情報を取得する。また、情報取得部210は、ユーザ端末100やユーザ端末100にインストールされているアプリケーション(図示せず)から、ユーザ端末100のユーザに関する情報を取得する。ここで、ユーザに関する情報は、ユーザの名称およびユーザのアドレス情報を少なくとも含み、ユーザのプロフィール情報を含んでもよい。
【0028】
そして、情報取得部210は、通信先に関する情報に含まれるアドレス情報に基づいて、ユーザ端末100内に記憶されている、ユーザ端末100と通信先との間で行ったコミュニケーションに関するコミュニケーション情報を取得する。ここで、コミュニケーション情報には、ユーザ端末100と通信先との受発信履歴と、コミュニケーションでやり取りされたメッセージ情報とが含まれ、コミュニケーションは電話、Eメール、グループチャット等である。具体的には、アドレス帳110から取得した情報に含まれる通信先の電話番号やEメールアドレスに基づいて、やり取りされたメッセージや受発信履歴を取得する。
【0029】
また、情報取得部210は、通信先に関する情報に含まれるアドレス情報、およびユーザ端末100のユーザに関する情報に含まれるアドレス情報に基づいて、ユーザ端末100外のソーシャルメディアを提供するサーバから、通信先およびユーザがネットワーク上に発信した発信情報を、ソーシャルメディアが公開提供しているAPI(Application Programming Interface)経由で取得する。
【0030】
ここで、発信情報は、通信先またはユーザが関与した投稿情報、通信先またはユーザがソーシャルメディアに公開しているプロフィール情報を含む。通信先またはユーザが関与した投稿情報とは、通信先またはユーザの投稿や、通信先やユーザがコメント、支持(例えば、Facebookの「いいね!」)、再発信といった反応を示した他者の投稿である。
【0031】
更に、情報取得部210は、ユーザ端末100のユーザに関する情報に含まれるアドレス情報に基づいて、ユーザ端末100に保持されているアプリケーション利用履歴やWebアクセス履歴から、ソーシャルメディア毎にユーザの利用頻度を取得する。
【0032】
なお、情報取得部210は、コミュニケーション情報および発信情報の少なくとも一方を取得すればよい。
【0033】
解析対象DB220は、情報取得部210で取得した、通信先に関する情報、発信情報、コミュニケーション情報、を記憶する。なお、ユーザについては、情報取得部210で取得したソーシャルメディアの利用頻度も記憶する。
【0034】
解析対象DB220をアドレス帳自動タグ付与装置200が備えずに、情報取得部210で取得した情報をタグ候補抽出部230に直接渡してもよい。アドレス帳自動タグ付与装置200が解析対象DB220を備えることにより、情報取得部210は、ユーザ端末100内外から、前回の処理以降のコミュニケーションの情報やネットワークに発信された情報の差分を取得すればよくなる。
【0035】
タグ候補抽出部230は、解析対象DB220に記憶されている情報を解析し、各通信先およびユーザそれぞれを特徴付けるタグ候補を抽出する。そして、タグ候補抽出部230は、抽出したタグ候補それぞれに、タグ候補が抽出された日時、およびタグ候補の抽出情報元を対応付けて、タグ選択部240に送信する。ここで、タグ候補の抽出情報元は、タグ候補が抽出された投稿情報が投稿されたソーシャルメディアの名称や、タグ候補が抽出されたテキスト情報が送受信されたアプリケーションの名称等である。
【0036】
タグ候補抽出部230で抽出されるタグ候補には3種類あり、通信先およびユーザのプロフィールに関するタグ候補、通信先とユーザとの関連性に関するタグ候補、および通信相手の興味関心に関するタグ候補である。
【0037】
タグ候補抽出部230は、解析対象DB220に記憶されているアドレス帳110のプロフィール情報と、ソーシャルメディアに公開されているプロフィール情報と、の少なくとも一方に基づいて、通信先のプロフィールに関するタグ候補、例えば、出身地、居住地、学歴、職歴、年代、性別等を抽出する。なお、アドレス帳110のプロフィール情報と、ソーシャルメディアに公開されているプロフィール情報とに重複している項目がある場合には、例えば、情報の更新日時が新しい方をタグ候補として取得する。更新日時が不明な場合には、予め決められたルールに従って、いずれか一方を選択したり、その項目を不明としたりしてもよい。
【0038】
タグ候補抽出部230は、解析対象DB220に記憶されている通信先とユーザとのプロフィール情報の一致度に基づいて、通信先とユーザとの関連性に関するタグ候補を抽出する。例えば、タグ候補抽出部230は、プロフィール情報の会社名が、通信先とユーザとで同じ場合には「同僚」、更に勤務開始年が同じ場合には「同期」といったタグ候補を予め設定されたルールに従って抽出する。
【0039】
また、タグ候補抽出部230は、解析対象DB220に記憶されている、通信先とユーザとの受発信履歴から得られる通信頻度に基づいて、通信先とユーザとの親密度合を表すタグ候補を抽出する。例えば、通信先とユーザとの受発信が頻繁な場合は「仲が良い」といった親密度合を表すタグ候補を抽出する。タグ候補抽出部230は、通信先をユーザとの関連性に関するタグ候補と、親密度合いを表すタグ候補とを組み合わせて、1つのタグ候補として抽出してもよい。なお、ソーシャルメディアにおけるコメントのやり取りの頻度を情報取得部210で取得し、親密度合を表すタグ候補を抽出する際に用いてもよい。
【0040】
更に、タグ候補抽出部230は、解析対象DB220に記憶されている、通信先が関与した投稿やコミュニケーション情報に基づいて、通信先の関心情報に関するタグ候補を抽出する。具体的には、タグ候補抽出部230は、解析対象DB220に記憶されている、通信先が関与した投稿やコミュニケーション履歴を形態素解析し、単語を抽出する。次に、タグ候補抽出部230は、抽出した各単語について出現頻度を集計し、集計した出現頻度に基づいて各単語の重要度を決定する。例えば、各単語の出現頻度から算出されたTF−IDF(Term Frequency−Inversed Document Frequency)値を各単語の重要度として決定する。
【0041】
ここで、各単語の重要度は、通信先の投稿情報や通信先からユーザへのメッセージ情報に含まれる単語と、通信先が反応を示した他者の投稿情報やユーザから通信先へのメッセージ情報に含まれる情報との間で、出現頻度に対し異なる重み付けを行って、決定してもよい。通信先の投稿や通信先からユーザへのメッセージ情報は、通信先が反応を示した他者の投稿情報やユーザから通信先へのメッセージ情報に含まれる単語よりも、通信先が興味関心を強く表すので、それに応じた重み付けを行うのが望ましい。
【0042】
また、シソーラス(上位下位概念辞書)を用いて、抽出した単語の上位概念で出現頻度をカウントしてもよい。例えば、「サッカー」や「テニス」という単語が抽出された場合に、「スポーツ」という上位概念で単語を読み替え、出現頻度を集計し、集計された出現頻度に基づいて各単語の重要度を決定する。
【0043】
タグ候補抽出部230は、通信先毎に、解析対象DB220に記憶されている投稿情報やメッセージ情報から抽出した各単語の中から、算出された重要度に基づいて、タグ候補を抽出する。例えば、単語の重要度ランキングを形成し、各ランキングにおける上位n件までに含まれる単語を、通信先の興味関心に関するタグ候補として抽出する。
【0044】
タグ選択部240は、アドレス帳110、およびアドレス帳110と連携するアプリケーションの要求に応じて、通信先毎に、タグ候補抽出部230で抽出されたタグ候補の中から、アドレス帳の通信先に付与するタグを選択する。通信先を一覧表示する際に、1つの通信先が占有できるスペースが限られるため、タグ候補抽出部230で抽出された全タグ候補をタグとして表示することはできない。そのため、ユーザにとって有用なタグのみを表示するために、タグ選択部240でタグ候補の中からアドレス帳に付与するタグを選択する。
【0045】
タグ選択部240は、以下に説明する4つの指標値の少なくとも1つから、タグ候補抽出部230で抽出されたタグ候補の優先度を算出し、算出した優先度に基づいてタグ候補の中からタグを選択する。なお、各指標値に優先度に応じて設定された重み付けがされた各指標の総和をタグ候補の優先度としてもよい。この場合のあるタグ候補tの優先度R(t)は(1)式で表わされる。(1)式における、a
iはi番目の指標値に対する重み、x
i(t)はタグ候補tのi番目の指標値を表す。
【0047】
算出した各タグ候補の優先度を用いて、通信先にタグとして付与するタグ候補の選択を行う。例えば、各タグ候補の優先度を算出し、上位k件までに含まれるタグ候補をタグとして選択する。
【0048】
タグ候補の優先度を算出する4つの指標値には、(1)ユーザを特徴付けるタグ候補との一致度、(2)全通信先のタグ候補中の出現頻度の低さを示す希少度、(3)新しさを示す鮮度、(4)タグ候補抽出元のソーシャルメディアに対するユーザの利用頻度の低さを示す非利用頻度、を用いる。以下に各指標値の算出方法について説明する。優先度を算出するタグ候補を、以下、対象タグ候補という。
【0049】
(1)ユーザを特徴付けるタグ候補との一致度は、対象タグ候補とユーザを特徴付けるタグ候補が一致する場合には一致度=1、一致しない場合には一致度=0として算出する方法や、シソーラスを用いて、対象タグ候補とユーザを特徴付けるタグ候補との距離を算出し、算出した距離の逆数を一致度として算出する方法がある。一致度は、ユーザの特徴に近いタグ候補ほど大きくなり、ユーザのタグ候補と似通った特徴を示すタグ候補の優先順位を上げる。
【0050】
(2)全通信先のタグ候補中の出現頻度の低さを示す希少度は、対象タグ候補が抽出された通信先の数の逆数を希少度として算出する方法や、タグ候補抽出部230で抽出された全通信先の複数タグ候補中の対象タグ候補の出現頻度の逆数を希少度として算出する方法がある。希少度は、他の通信先にはあまりない特徴であるタグ候補ほど大きくなり、ユニークなタグ候補の優先順位を上げる。
【0051】
(3)新しさを示す鮮度は、対象タグ候補がタグ候補抽出部230で抽出された日時と現在の日時との期間を入力変数として、減衰関数の出力値として算出する方法がある。鮮度は、最近新たに抽出されたタグ候補ほど大きく、最近新たに抽出されたタグ候補の優先順位を上げる。
【0052】
(4)タグ候補抽出元のソーシャルメディアに対するユーザの利用頻度の低さを示す非利用頻度は、対象タグ候補の抽出情報元について、情報取得部210で取得したユーザの利用頻度の逆数として算出する方法がある。非利用頻度は、ユーザがあまり利用しないソーシャルメディアやアプリケーションから抽出されたタグ候補ほど大きく、ユーザがあまり利用しないソーシャルメディアやアプリケーションから抽出されたタグ候補の優先順位を上げる。
【0053】
タグDB250は、通信先毎に、タグ選択部240で選択されたタグを記憶する。
【0054】
タグ付与部260は、アドレス帳110、およびアドレス帳110と連携するアプリケーションの要求に応じて、タグ選択部240で通信先毎に選択されたタグを、画面上に表示されているアドレス帳の情報に付与して表示する。
図2に、本実施形態に係るアドレス帳自動タグ付与装置200によってタグが付与されているアドレス帳の画面例を示す。図に示すように、各通信先について、アドレス帳110に登録されている情報300と合わせて、タグ付与部260で付与されたタグ400を表示することができる。その結果、画面を見たユーザは、タグから、電話やメールの際の話題のきっかけを得ることや、通信先が最近興味関心を持っていること等を知ることができる。また、アドレス帳を友人の興味や関心、関係性といったタグで管理可能となり、グループチャットやEメールでの通信先選択をタグ指定で行えるようになり、利便性が向上する。
【0055】
また、タグ付与部260は、タグ選択部240で選択されたタグを示す画像を画像記憶部270から取得し、取得した画像をタグとして、画面上に表示されているアドレス帳の情報に付与して表示してもよい。例えば、最近の関心興味がサッカーの通信先にサッカーボールの画像をタグとして付与することにより、ユーザは、直感的に通信先の特徴を把握することができる。
【0056】
画像記憶部270が、キーワードとキーワードを示す画像を記憶する。アドレス帳自動タグ付与装置200内に画像記憶部270を備えず、外部サーバとして備えてもよい。
【0057】
類似通信先提示部280は、ある通信先がユーザによって指定された際に、指定された通信先と共有するタグを有する他の通信先を、タグDB250を参照して抽出する。共通するタグがn以上の通信先や、共通するタグの数が多い順にn番目までの通信先を表示するといったように、抽出する通信先数を設定することもできる。そして、類似通信先提示部280は、抽出した通信先をユーザに提示する。このとき、通信先と合わせて共通するタグを表示してもよい。
【0058】
指定された通信先と共有するタグを有する他の通信先を提示することにより、同じ内容のメッセージを送信する可能が高い通信先を自動的に提示することや、指定した通信先に類似する他の通信先に気が付かせたりすることができる。
【0059】
図3は、本発明の第1の実施形態に係るアドレス帳自動タグ付与装置200におけるアドレス帳自動タグ付与処理を示すフロー図である。なお、バックグラウンドで動作する定時実行命令やユーザからの命令として、タグ抽出を開始する命令を受け付けたことに応じて、処理が開始する。
【0060】
まず、ステップS1において、情報取得部210が、アドレス帳110に登録されている通信先に付与するタグの抽出元となる解析対象情報をユーザ端末100内外から取得し、解析対象DB220に記憶する。
【0061】
次に、ステップS2において、タグ候補抽出部230が、解析対象DB220に記憶されている解析対象情報を解析し、各通信先およびユーザそれぞれを特徴付けるタグ候補を抽出する。
【0062】
次に、ステップS3において、タグ選択部240が、通信先毎に、ステップS2で抽出されたタグ候補の中から、アドレス帳110の通信先に付与するタグを選択する。
【0063】
次に、ステップS4において、タグ付与部260が、アドレス帳110、およびアドレス帳110と連携するアプリケーションの要求に応じて、ステップS3で通信先毎に選択されたタグを、画面上に表示されているアドレス帳の情報に付与して表示する。
【0064】
以上、説明したように、本実施形態によれば、通信先を特徴付ける情報をアドレス帳の連絡先にタグとして付与することにより、アドレス帳の利便性向上、および友人の近況や友人に対する新たな気付きの効率化に寄与することができる。その結果、コミュニケーションの活性化・円滑化を促進させることができる。
【0065】
<第2の実施形態>
図4を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態におけるアドレス帳自動タグ付与装置は、アドレス帳の通信先について重要なタグが選択された場合に、ユーザに通知することができる。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0066】
<アドレス帳自動タグ付与装置の構成>
図4は、本発明の第2の実施形態に係るアドレス帳自動タグ付与装置201の構成を示す図である。アドレス帳自動タグ付与装置201は、アドレス帳110に登録されている通信先に、連絡先の特徴を示すタグを自動的に付与する装置であって、
図4に示すように、情報取得部210、解析対象DB220、タグ候補抽出部230、タグ選択部240、タグDB250、タグ付与部260、画像記憶部270、類似通信先提示部280およびタグ通知部290を備える。
【0067】
タグ通知部290は、タグ選択部240で選択されたタグの中から、タグ選択部240で算出された優先度が予め設定された所定値よりも高いタグを抽出する。そして、タグ通知部290は、抽出されたタグをユーザに通知する。なお、タグ選択部240で選択されたタグの中から、優先度が予め設定された所定値よりも高いタグが抽出されなかった場合には、ユーザに通知はされない。
【0068】
ユーザへの通知方法としては、ユーザ端末100に紐付くメールアドレス、あるいはユーザが指定するメールアドレスへのEmail送信や、ユーザ端末100の画面上へのポップアップ表示等、いずれの形態でもよい。なお、タグ通知部290は、タグが抽出されたタイミングでユーザへの通知を行ってもよいし、ユーザが設定するタイミングやアドレス帳自動タグ付与装置200の運用者が設定するタイミングで通知を行ってもよい。
【0069】
以上、説明したように、本実施形態によれば、特にユーザに通知すべきタグが存在する場合に、ユーザがアドレス帳を開く場合のみに通信先に対する気付きが得られるのではなく、積極的に通信先に対するユーザの気付きを促すことができる。
【0070】
なお、アドレス帳自動タグ付与装置の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたアドレス帳自動タグ付与装置に読み込ませ、実行することによって本発明のアドレス帳自動タグ付与装置を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0071】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0072】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0073】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。