【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、改善された操縦可能なアブレーションカテーテルシステムを提供することである。
【0011】
また、本発明の目的は、アブレーションカテーテルの遠位端でのエネルギーが直ちにかつ突然に停止され得るところの改善された操縦可能なアブレーションカテーテルシステムを提供することである。
【0012】
本発明の更なる目的は、終結スイッチを有する改善された操縦可能なアブレーションカテーテルシステムを提供することである。
【0013】
本発明の更なる目的は、カテーテルハンドル上の人間工学的位置に置かれた終結スイッチを有する改善された操縦可能なアブレーションカテーテルを提供することである。
【0014】
本発明の更なる目的は、アブレーション治療のデリバリーを突然に終結するための直接のかつ即時の手動によるアクセスを提供するためにアブレーションカテーテルのハンドル上の人間工学的位置に置かれた終結スイッチを有する改善された操縦可能なアブレーションカテーテルを提供することである。
【0015】
本発明の更なる目的は、アブレーション治療を供給するケーブルに置かれた終結スイッチを有する改善された操縦可能なアブレーションカテーテルシステムを提供することである。
【0016】
本発明の更なる目的は、アブレーションカテーテルおよびコネクターケーブルと連結させるための、一方の端で雄型コネクターにおよび他方の端で雌型コネクターに取り付けられたより短い終結スイッチを提供することである。
【0017】
本発明の更なる目的は、オペレーターがそれによってリモートナビゲーションまたはロボットシステムを手動で操縦するところのリモートコントローラーまたはジョイスティック上に置かれた終結スイッチを提供することである。
【0018】
本発明の更なる目的は、アブレーション治療デリバリーシステムと結合した終結スイッチング機構を作動させることができる、特定のかつ独自に認識可能な音声命令システムを提供することである。
【0019】
本発明の更なる目的は、足で操作される終結スイッチを有する改善された操縦可能なアブレーションカテーテルシステムを提供することである。
【0020】
本発明の更なる目的は、アブレーションカテーテルの遠位部分が圧力センサーおよび/または衝撃吸収手段を含むところの改善された操縦可能なアブレーションカテーテルシステムを提供することである。
【0021】
本発明の更なる目的は、カテーテルアブレーションを提供するシステムであって、心臓組織への故意でない損傷、例えば穿孔、または伝導系または他の心臓構造への損傷の危険を最小にするための1以上の安全機能を有するところのシステムを提供することである。
【0022】
本発明の更なる目的は、患者への処置または治療のデリバリーのための改善されたシステムであって、患者への損傷を最小にしまたは回避するために終結スイッチが上記処置または治療を中断するところのシステムを提供することである。
【0023】
本発明の更なる目的は、手で操作されるまたは足で操作されるコントロールと連絡する器具を有するシステムにおける患者への処置または治療のデリバリーのための改善されたシステムであって、患者への損傷を最小にしまたは回避するために終結スイッチが上記処置または治療を中断するところのシステムを提供することである。
【0024】
本発明の更なる目的は、患者に処置または治療をデリバリーするための、上記デリバリーを中断するための終結スイッチを有する医療システムであって、上記終結スイッチが、上記デリバリーを直接中断することができまたは上記デリバリーを中断するエラーメッセージを発生させることができるところのシステムを提供することである。
【0025】
本発明の更なる目的は、患者に処置または治療をデリバリーするための、上記デリバリーを中断するための終結スイッチを有する医療システムであって、上記終結スイッチが、1以上のフィードバックまたは感知されるアブレーションシステム関数(function)、例えば温度、インピーダンスなど、の回路を開くことにより上記治療のデリバリーを中断させ得るところのシステムを提供することである。
【0026】
本発明の更なる目的は、患者に処置または治療をデリバリーするための医療システムであって、治療のデリバリーをコントロールするためのオン/オフスイッチを介して上述した機能を提供するところのシステムを提供することである。
【0027】
本発明の更なる目的は、医療デバイスと治療デリバリーシステムとの間をつなぐコネククターおよびケーブルまたは単にコネクターに取り付けられたオン/オフスイッチを提供することである。
【0028】
本発明の更なる目的は、スイッチまたはケーブルスイッチの全配列が、アブレーションシステムの特定の種類、例えば低温アブレーション、および/または特定の製造者および/またはカテーテル/デバイスの型に対して作られそしてカスタマイズされることである。
【0029】
本発明の更なる目的は、カテーテルアブレーションデバイスの一部としてケーブルおよびコネクターを有するアブレーションシステムのためのコネクタースイッチを提供することである。
【0030】
本発明の更なる目的は、カテーテルアブレーションデバイスの一部としてケーブルを有しないでカテーテル操縦性を可能にするアブレーションシステムのためのコネクターケーブルスイッチを提供することである。
【0031】
本発明の更なる目的は、オペレーターが横隔膜収縮を直接感知しかつ感じることを可能にし、同時にアブレーション治療を直ちにかつ手動で停止することができるように、横隔神経刺激が生じているアブレーションシステムへより長いコネクターケーブルスイッチを提供することである。
【0032】
本発明の更なる目的は、医療デバイスとその治療発生器またはコントローラーとの間に置かれたコネクターシステムを使用する種々の異なるアブレーションシステムの即時の手動でのコントロールを提供することである。
【0033】
本発明の更なる目的は、故意でない事態の初期の兆候を検出しかつ治療を直ちに停止するために種々の異なるアブレーションシステムの自動的かつコンピューター制御によるコントロールを提供することである。
【0034】
本発明の更なる目的は、横隔神経伝導および/または横隔膜収縮が所定の値だけわずかに減少するときに横隔膜への横隔神経伝導の自動感知を提供しそして直ちに治療を中断することである。
【0035】
本発明の更なる目的は、心臓伝導の自動感知を提供することであり、上記自動感知は、伝導における変化の初期徴候が心臓ブロックの発症の前にシステムを中断するようなものである。
【0036】
本発明の更なる目的は、穿孔の初期兆候の自動感知を提供することであり、上記自動感知は、そのような兆候を検出するとシステムが直ちに治療を中断するようなものである。
【0037】
本発明の更なる目的は、カテーテルアブレーションシステムにおける多重の安全機能を提供することであり、上記安全機能は、(1)オペレーターによって治療を直ちにかつ手動で停止する能力および(2)カテーテル先端の接触力および圧力をモニターしそして記録する能力を有する。
【0038】
本発明の更なる目的は、カテーテルアブレーションシステムにおける多重の安全機能を提供することであり、上記安全機能は、(1)オペレーターによって治療を直ちにかつ手動で停止する能力および(2)カテーテルが心臓と接触するとき、カテーテルの接触圧力および/または接触力を吸収しそしてコントロールする能力を有する。
【0039】
これらおよび本発明の他の目的は、下記の記載からより明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0040】
本明細書で使用される用語「終結スイッチ(kill switch)」は、治療を直ちにかつ突然に停止することができるがそれだけで治療を開始することができないスイッチング機構を意味する。「オン/オフ」スイッチング機構は、それ自体で治療を開始することおよび治療を停止することの両方の能力を有する。
【0041】
本発明によれば、アブレーション処置または治療のデリバリーがオペレーターによって突然にかつ直ちに停止されて心臓ブロックおよび/または他のありうる手技上の合併症を防止することができる、アブレーション処置または治療をデリバリーする医療システムが提供される。本発明の一実施態様では、終結スイッチが、操縦可能なアブレーションカテーテルのハンドル上またはハンドル内に、好ましくは人間工学的位置に置かれて、オペレーターの親指による便利で容易なアクセスを提供する。好ましくは、終結スイッチが、押し下げ可能でありかつ押し下げられるとアブレーション治療のデリバリーを終結するように作動するボタンである。
【0042】
アブレーション処置または治療は、幾つかの異なる目的のために患者にデリバリーされ得る。それらの目的は、組織が処置されるであろうところの心臓、心臓血管、泌尿器および婦人科用途を包含するが、それらに限定されない。
【0043】
典型的なアブレーションカテーテルハンドルは、アブレーションカテーテルの遠位部分を操縦するためのハンドル上に偏向レバーまたはコントロールを有する。好ましくは、終結スイッチが、ハンドル上で偏向レバーまたはコントロールの間に位置して、カテーテルハンドルをコントロールする手による人間工学的な親指アクセスまたは補助の手による指のアクセスを提供する。この位置は、直接的なアブレーションカテーテルコントローラーが治療のデリバリーを最も迅速に停止することを可能にするのに有利である。
【0044】
好ましくは、ハンドル上の親指以外の指および補助の手がカテーテルをある位置に安定化できるように、終結スイッチが、ある場所または位置に置かれ、一方、その手の補足的な指または補助の手が終結スイッチを最も素早くかつ効率的に押し下げることをなおも可能にする。
【0045】
本発明の別の実施態様では、終結スイッチが、アブレーション治療またはエネルギーを供給するケーブルと一体化した部材上に位置されている。例えば、終結スイッチを含む部分が、アブレーション治療を供給しかつアブレーションカテーテルハンドルに連結されたケーブルの構成部分(integral part)であり得る。あるいは、終結スイッチは、アブレーション治療およびアブレーションカテーテルを供給するケーブルがそこに連結されるところの別個の部材に位置され得る。
【0046】
本発明の別の実施態様では、一端でアブレーションカテーテルと連絡し、他端でコネクターケーブルおよび/またはアブレーション治療発生器と連絡するであろう2つのコネクターの間に終結スイッチが位置されている。
【0047】
本発明の別の実施態様では、治療を直ちに停止するための即時のかつ遠隔操作によるアクセスをオペレーターが有し得るところのリモートコントローラー上に、アブレーションカテーテルシステムの終結スイッチが位置されている。終結スイッチは、コネクター間にまたはコネクターとケーブルとの間にあり得、そして、リモートコントローラーまたは、コンピューターに基づくシステムによって遠隔操作的に始動され得る。さらに、終結スイッチは、独立しておりかつ遠隔操作であり、そしてアブレーションカテーテルシステムに信号を与え得る。あるいは、それは、リモートコントローラー、ハンドルコントローラー、コンピューターコントローラーまたはジョイスティック上で一体化されて、アブレーションカテーテルまたは他の処置関連機能の遠隔操作によるナビゲーションまたは操作を与え得る。
【0048】
本発明の別の実施態様では、特定のかつ独自に識別し得る音声指令が、アブレーション治療デリバリーシステムと連結した終結スイッチング機構を作動し得る。スイッチは、カテーテルと発生器との間に結合され、そして音声指令によって作動し、あるいは、発生器付近にあるまたはコンピューター末端/リモートコントロールデバイス/ワークステーションにある音声コントローラーによって遠隔操作により作動し得る。
【0049】
本発明の別の実施態様では、アブレーションカテーテルが「熱い」またはエネルギーを与えられているときに電気がカテーテルハンドルを通って流れてボタンを照らし、またはハンドルにおける光、LEDまたは視覚的もしくは聴覚的警報を作動し、そしてカテーテルがアブレーション治療をデリバリーしていることをオペレーターが気づくように構成されたボタンを終結スイッチが含む。ボタンは、手動によるカテーテル操作の他の機能が中断しないようにアブレーションカテーテルハンドル上に位置される。すなわち、オペレーターは、ボタン機能を妨げることなく、カテーテルの遠位部分を、容易に前進させ、引っ込め、向きを変え、逆に向きを変え、および/または回転させることができる。
【0050】
アブレーションカテーテルハンドル上の光または可聴周波信号は、治療がデリバリーされていることをオペレーターに警告するためにオペレーターに即時のフィードバックを与え得る。ボタンが押され、そしてアブレーションエネルギーのデリバリーが直ちに停止されまたは終結されるとき、光または可聴周波信号が消え、これは、アブレーションカテーテルがもはやアブレーションしていないことを示す。
【0051】
本発明の別の実施態様では、終結スイッチとして機能する足踏みペダルが、アブレーション治療源、アブレーション治療を供給するケーブル、アブレーションカテーテル、接地パッチもしくは要素、またはそれらの組合せに操作可能に連結されている。足踏みペダルは、オペレーターの足によって容易にアクセス可能であるように位置される。
【0052】
本発明に従うカテーテルシステムは、オペレーターの手動による反応を高めて、カテーテルアブレーション中の治療の故意でないデリバリーおよび関連する合併症を防ぐまたは最小にするように設計される。心臓カテーテルアブレーションに関して、これらの合併症の幾つかは、伝導系への損傷(心臓ブロック)、心臓組織自体の穿孔、および/または隣接する構造、例えば、横隔膜の収縮に力を与えそして呼吸を助ける横隔神経、への損傷を包含する。
【0053】
本発明の別の実施態様では、終結スイッチが、24時間後に機能をなくす装置を含む。それは、上記スイッチを非機能性にし、それによってそれが使い捨てであることを確実にする。
【0054】
通常のカテーテル挿入または電気生理学のラボ操作では、アブレーション治療が、アブレーションカテーテルからいくらか離れた位置から開始され得る。これは、処置台の端であり得、あるいは、別の隣接するまたは離れた制御室ですらあり得る。そのような離れた位置は、発生器/コントロールコンソール、リモートコントロール、リモートコントローラー/コントローラーコンピューター端末などを包含し得る。終結スイッチは、アブレーション治療が活性化されているまたは可能にされているときに、係合されるに過ぎない。そうでないならば、それは操作できない。好ましくは、アブレーション治療が作動されており、そしてアブレーションカテーテルの遠位端に十分適合しているときに、終結スイッチボタンの上またはその周りに光またはLEDなどの警報機構があるであろう。1実施態様では、終結スイッチボタンを押し下げることが回路を開き(通常は閉じており、いったん押されると、回路は開いた終結スイッチである)、アブレーション治療を終結し、そして光を消すことができる。アブレーション治療は、専門技術者または看護士が無線周波数発生器またはレーザーを再開するときに(そのとき、終結スイッチまたは警報機構または両方がリセットされるであろう)、再開され得るにすぎない。あるいは、「通常の開いた終結スイッチ」はまた、ボタンを押すことにより終結スイッチが作動されるならば治療がデリバリーされ得るに過ぎず、そして次いで上記ボタンを開放することが治療を停止するように機能し得る。
【0055】
本発明の別の実施態様では、アブレーションカテーテルの遠位端が、圧力センサーおよび圧縮可能な衝撃吸収手段を含んで、穿孔または内部損傷の可能性を最小にする。衝撃吸収物質、例えば小さいバネ(または弾性の/可撓性のアブレーション接触器)が、遠位電極の近位に位置される。遠位電極の近位表面または端の上または付近に位置された圧力センサーが、アブレーションカテーテルの遠位部分によって心筋層に及ぼされる力を測定する。
【0056】
本発明の別の実施態様では、アブレーションカテーテルシステムが、少なくとも2の安全機構、例えばオペレーターによって操作される手動の終結スイッチおよび、患者への安全性を最適にするための圧力/力制御システム、を含むだろう。
【0057】
本発明の別の実施態様では、アブレーションシステムが、故意でない治療の少なくとも1の初期の徴候、例えば横隔神経障害、穿孔および/または心臓ブロック、を検出するための自動検出能力を、直ちに治療を停止するための能力とともに付与するであろう。
【0058】
アブレーション治療デリバリーシステムと協力して使用され得る種々の終結スイッチがある。本明細書に記載された発明は、機能するおよび/またはLED、電気連絡の流れ、可聴音などの情報を提供する表示器を有する無数のボタン、コントロールまたはスイッチを利用し得る。これらの多くは、電気工学の文献に十分記載されている。本発明はまた、圧力、温度または任意の他のパラメーターを感知するオン/オフおよび終結スイッチを包含する。
【0059】
通常の閉じた瞬時の終結スイッチは、スイッチ自体(典型的にはボタンの形態であるが、他の形態も存在し得る)を押し下げると直ちに電気回路が開き、回路のインピーダンスが無限大になり、そしてアブレーション治療デリバリーが直ちに終結するところのものである。スイッチが開放されると、すなわち押されていないと、回路は直ちに閉じ、そして、治療デリバリー先端(典型的には電極)からのペーシングおよび感知機能が回復されるであろう。しかし、アブレーション治療をデリバリーする能力は、発生器源自体で治療を作動させることなしには再係合させられ得ない。この種の機構は、アブレーション治療の故意でないデリバリーを防ぐために理想的であり、治療電極からのペーシング/感知機能は、終結スイッチ配備中に「一瞬」中断され、そして、スイッチの開放後直ちに回復される。上述したように、通常の開いた瞬時の終結スイッチがまた、治療のデリバリーが、係合されたスイッチによって生じ、治療の終結が上記スイッチの開放によって生じるやり方で機能し得る。
【0060】
本発明の好ましい実施態様では、終結スイッチが、通常は閉じた位置にあり、押し下げられると一時的に開いた状態でいるところの機械的終結スイッチである。上記終結スイッチは、典型的な250vacおよび3amp定格で100ワットおよび500kHzに耐えることができる。
【0061】
あるいは、多機能スイッチが、各々の押し下げまたは接触により終結スイッチの開閉を制御することができる。後者の構成の好ましくない点は、遠位治療の感知およびペーシング機能のより長い中断の可能性である。並列回路が、治療デリバリーの中断を、ペーシングおよび電極信号認識/感知から分離することができるであろう(すなわち、ペーシングまたは感知の中断を伴わない終結スイッチ機能)。実際、終結スイッチは、感知またはペーシングの影響を何ら伴うことなく、インピーダンスを変えそしてアブレーション治療デリバリーを終結するための信号を運ぶことができる。電極機能性(すなわち、ペーシングおよび電極信号の可視性または感知)の有意な影響を(全く)有することなく、終結スイッチの使用により、治療デリバリーに対する有効かつ即時のオペレーター制御を与える多数の方法があると想定され得る。さらに、終結スイッチは、有効な治療デリバリーおよび/または機能のために要求される幾つかの他の機能またはフィードバックを感知し得、この信号が終結スイッチによって中断されるならば、エラーが発生器で検出され、治療が停止され得るだろう。これは、Medtronic Cardiac CryoAblation System (ARCTIC FRONT(商品名))の場合に当てはまり、そこでは、液体窒素がバルーンまたはカテーテルに運ばれて組織を凍結する。電気コネクターおよびその機能のいくつかが無力にされる(すなわち開いた回路)ならば、上記CryoConsoleは直ちに停止する。これらの全ては、本明細書に記載される発明に包含される。
【0062】
本発明の別の実施態様では、治療を遠隔的に停止するために、終結スイッチがリモートコントロール上に位置され得るだろう。これは、独立型のリモートコントロールであり得、またはアブレーション処置の他の局面に対するコントロールを提供するためにリモートコントロールステーションまたはリモートコントローラーに組み込まれているものであり得る。このスイッチング機構のリモートコントロールをアブレーションカテーテルのリモートナビゲーションのためのコントローラーと一体化することがさらに可能である。終結スイッチは、カテーテルマニピュレーターより遠位のハンドルコントローラーまたはジョイスティックまたはコンピューターコントローラー上に位置され得る。あるいは、終結スイッチは、治療の任意のタイプのデリバリーを終結するために、治療デリバリーに重大な任意の信号の回路を開き、そして上記信号または治療発生器、コンソール、コンピューター(CPU)などにエラーメッセージを送ることができる。
【0063】
本発明の別の実施態様では、終結スイッチが、例えばインピーダンスを変える、フィードバック連絡を中断するなどによって、治療を終結するエラー信号を作ることができる。あるいは、接地ケーブル上の終結スイッチが接地機能を遮断し、そして治療を中断するであろうエラーメッセージを送らせるであろう。
【0064】
本発明の別の実施態様では、オン/オフスイッチが、上記終結スイッチ構成と同様の様式および/または構成で、上記実施態様の各々において機能し得る。スイッチの「オン」部分は、係合される前にヒトの接触を感知し、それによって、下げられるまたは傾けられることにより故意でない治療を防ぐように構成され得る。コネクター−ケーブルにおけるまたはコネクター−スイッチとしての、上記終結スイッチと同様の、上記オン/オフスイッチの他の実施は、種々の異なるアブレーションシステムおよび製造者に対してカスタマイズされた類似のやり方でオペレーターに手動によるアクセスを付与し得る。
【0065】
A点からB点へ移動してアブレーション治療を付与する(無線周波数エネルギーの場合のように直接的に、または低温アブレーションバルーンにおけるバルーン圧力および温度の制御またはフィードバック信号モニターを行うように間接的に付与する)ために電気が必要である。終結スイッチなどのスイッチング機構がA点からB点までの電気回路間に置かれるならば、回路が、通常は閉じているように構成され得、そして、スイッチを一時的に手動で押し下げることが、回路を開き、それによって、電気が流れるのを妨げ、それによって治療を停止するであろう(通常は閉じた瞬時の終結スイッチ)。あるいは、終結スイッチが、通常は開いているように構成され得、そして、伝統的な手段によって開始されるアブレーション治療のデリバリーの前にスイッチを押し下げることが必要であろう(通常は開いた瞬時の終結スイッチ)。後者の構成において押し下げられた終結スイッチを開放することは、治療を終結するであろう。
【0066】
両方の例において、終結スイッチは、オン/オフスイッチと違って、治療自体をオンにすることができない。したがって、終結スイッチのカテーテルアブレーションへの独自の適用は、故意でない治療デリバリーを防ぐためのその能力である。終結スイッチを故意に踏んだり誤って押したりし、そしてアブレーション治療をオンにすることはできない。本明細書に記載された終結スイッチは、機械的な瞬時の終結スイッチである。上記瞬時の終結スイッチは、アブレーション治療を終結する用途に好ましくあり得るが、それは絶対必要というわけではない。終結スイッチは、押し下げられ得、そしてロックされ得る。試験されたカテーテルハンドルは、一度押し下げられると、閉じた位置を維持し、そして再び押し下げられると、回路を開いて治療を停止するようなスイッチを含んでいた。各押し下げは、それに応じて、回路を機械的にリセットした。
【0067】
他のタイプの構成は、横隔神経障害などの有害事象の早期検出のための感知されるアルゴリズムに基づいた、自動的に始動させられる終結スイッチを包含し得る。横隔神経が刺激され、そして、横隔神経伝導および/または横隔膜収縮が記録され得る。閾値での所定の最小の変化が、終結スイッチを始動させて、この場合の治療を自動的に終結し得る。同様に、穿孔の初期兆候および/または伝導の変化が終結スイッチを始動させて治療を終結し、それによって、重大な合併症の可能性を低減し得る。さらに、終結スイッチまたはオン/オフスイッチは、リモートコントローラー(赤外線または電波信号を使用するテレビのリモートコントロールなどの送信機/受信機構成を使用する)によって機能し得る。あるいは、これらのスイッチは、声または音による指令によって機能し得、そして幾つかの予めプログラムされたアクチュエーター、信号および音声プログラムを有し得る。
【0068】
スイッチング機構がオン/オフスイッチか終結スイッチかにかかわらず、多くの変形、例えば押しボタン、トグルスイッチ、温度もしくは赤外線センサー、またはスイッチボタン、が可能である。標準的な無線周波数に関して、スイッチング機構は典型的に、250vac/3amp定格に関して500kHzで少なくとも100ワットのために評価される必要がある。エラー信号および他の種類の感知信号は、適切に機能するための、種々のそしておそらくはより少ないエネルギー要件を有し得る。さらに、標準的な無線周波数アブレーションは典型的に、遠位のアブレーション電極から接地パッチ(grounding patch)へ治療をデリバリーする。単一のプル(pull)終結スイッチは、その電極へ延びるコンダクターまたはワイヤの間に置かれて効果的に操作し得る。しかし、より複雑な未来のアブレーションシステムは、1より多くの電極を通ってエネルギーを運び得、そして全ての治療を直ちに中断するために多重プル終結スイッチが必要であろう。同じことが、フィードバックおよび非無線周波数エネルギー(例えば低温アブレーション)の監視のために必要な重要なエラー信号に当てはまる。これらの信号は、治療を停止するために1より多くのプル(または1のオープンコンダクター)を必要とし得る。さらに、スイッチング機構自体がそれ自身のエラー信号を生じ、そしてコントローラー/発生器を中断し、同様に治療を停止することが考えられる。多数の種々のスイッチング機構および構成が、治療を迅速に停止しそして不要な合併症を回避する、より効率的な手段として意図されるこの新規な治療の目的を達成することができる。
【0069】
本発明の別の実施態様では、近位端および遠位端を有する縦方向に延びるカテーテル、上記カテーテルの近位端に取り付けられたハンドル、上記カテーテルの遠位端における、アブレーション治療を所望の場所、例えば組織、にデリバリーするための機構、ならびに上記ハンドル、上記ハンドルおよび上記カテーテルの遠位端、または上記ハンドル、上記カテーテルおよび上記カテーテルの遠位端と連絡している、アブレーション治療の発生器またはコントローラーを含む改善されたアブレーションカテーテルシステムにおいて、上記システムが、手動で、自動で、遠隔でまたは音声で作動させる操作によってアブレーション治療のデリバリーの突然の停止を引き起こすことができるスイッチング機構を含む。
【0070】
本発明の別の実施態様では、スイッチング機構が、アブレーションカテーテル遠位端とアブレーション治療の発生器またはコントローラーとの間(治療の発生器またはコントローラーの上または中を包含する)に置かれている。
【0071】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、終結スイッチが、アブレーションカテーテル内に、電気コネクターケーブル内に、カテーテルと治療発生器またはコントローラーとの間に連結された別個のデバイス内に、または治療の発生器またはコントローラー内に含まれる1以上の導線に介在されまたは上記導線と連絡している。
【0072】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、上記ハンドル上にまたは上記ハンドル内に含まれているオン/オフスイッチまたは終結スイッチであり、上記スイッチが、コネクターケーブル、カテーテルと治療の発生器もしくはコントローラーとの間に連結されている別個のデバイス、または上記発生器もしくはコントローラーの内にありもしくはそれと連絡している。
【0073】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、ワイヤ、コネクター、スイッチ、および滅菌医療現場での操作を可能にするための保護的囲いを含む。
【0074】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、カテーテル内におよび、カテーテルから治療の発生器またはコントローラーに通じるケーブル内に含まれる少なくとも1の導線上に置かれまたは上記導線と連絡しており、かつスイッチング機構の操作が、治療を可能にし、治療を停止し、または治療を可能にしそして停止する。
【0075】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、押し下げ可能なボタン、タッチセンサー式スイッチ、トグルスイッチ、圧力または温度知覚センサーなどを含む。
【0076】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、ハンドルおよび/またはカテーテル本体上の操縦レバーの間に置かれて、親指、それ以外の指、または親指およびそれ以外の指の人間工学的なアクセスを与える。
【0077】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、カテーテルのハンドル上に置かれるべきか、ハンドルまたはカテーテルのハンドルの硬質部分に挿入される遠位端を有するケーブル内に置かれるべきか、カテーテルのハンドルから延びるケーブルの近位端および治療の発生器またはコントローラーからのケーブルの近位端に取り付けられ得る短いケーブルセグメント内に置かれるべきか、またはカテーテルのハンドルから延びるケーブルの近位端および治療の発生器またはコントローラーからのケーブルの近位端に取り付けられ得る長いケーブルセグメント内に置かれるべきかの決定が、カテーテルの設計および構成、アブレーション治療およびアブレーションされるべき部位の位置などの因子に基づく。
【0078】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構の位置およびスイッチング機構のカテーテルアブレーションシステムへの組み入れの様式が、製造者の基本骨格(platform)への接近性、カテーテルの種類およびその設計および端部でのビルトインケーブルの有無、処置の種類、患者のカテーテルアクセス部位の位置、オペレーターの位置、および治療の患者への悪影響を直ちにモニターすることのオペレーターの必要性によって決定される。
【0079】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構の設計、構成および位置ならびにその適用が、処置の種類、カテーテルの種類およびその設計、カテーテルのアクセス点、患者の位置、オペレーターの位置、医療デバイス(すなわちカテーテル)の操作性、ならびにオペレーターが上記処置を行いながら故意でない治療をモニターする能力によって決定される。そのような設計は、オペレーターが鼠径部からの低温アブレーション処置を行い、そして横隔神経刺激中に横隔膜の収縮を手動で感じるためにスイッチへのアクセスを有し、同時に、横隔膜収縮(またはその代用)が減少するならば、永久の横隔神経損傷を回避するために治療を直ちに停止するための能力を用いた治療の手動コントロールを有することができるように、オペレーターのより近位に置かれたスイッチング機構を有するより長いケーブルを考慮し得る。より短いコネクタースイッチは、Boston Scientific BLAZER(商品名)無線周波数アブレーションカテーテルに直接付着し得る。なぜならば、上記デバイスは、手動操作を可能にする上記カテーテルの端部に約8インチのケーブルをすでに有するからである。他の無線周波数アブレーションカテーテル、例えばMedtronic RFアブレーションカテーテル、Johnson & Johnson Biosense Webster THERMOCOOL(商品名)アブレーションカテーテルおよびSt. Jude Medical SAFIRE TX(商品名)アブレーションカテーテルは、ちょうどコネクターで終わるハンドルを有する。これらのハンドルの各々は、ケーブルまたはデバイスからコネクターを受け入れるための一体プラグを有する。十分なケーブルを含むスイッチング機構デバイスは、それらのカテーテルが操作を不便にすることなく容易に回転され得るように助けるであろう。
【0080】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、カテーテルのハンドルから延びるケーブルの近位端および低温アブレーションのための治療の発生器またはコントローラーからのケーブルの近位端に取り付けられ得る長いケーブルセグメントに位置され、その結果、オペレーターは、スイッチング機構を操作することができ、そして患者の横隔膜収縮を感じて横隔神経麻痺を防ぐことができる。
【0081】
本発明に従うアブレーションカテーテルとともに有用な種々のコネクターおよびケーブルは、本発明を行う人が、使用されるアブレーションカテーテルのハンドルに適合するように適切なケーブル、デバイスおよび/またはコネクターを選択しなければならないであろうことを意味する。ビルトインケーブルを有しないで終わる上記アブレーションカテーテルは、カテーテルの操作を可能にするためにケーブル+スイッチング機構を必要とし得る。端部に約8インチのケーブルがビルトインされたBoston Scientificアブレーションカテーテルは、ケーブルを有するまたは有しないコネクタースイッチを利用することができる。オペレーターが、カテーテルに取り付けられたスイッチを同時に感じながら、横隔膜収縮力を感じるべきならば、鼠径部から行われる低温アブレーション処置のためにより長いケーブルが必要とされ得る。リモートコントロールは、スイッチング機構自体を始動させ得る。そのようなコントロールは、送信機/受信機の構成を有し、かつカテーテル、コネクター、ケーブル、発生器、コンピューターコントローラーまたはそれらの組合せにおけるスイッチング機構を操作することができる。
【0082】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、ハンドル上の他の指および補助の手がカテーテルの位置を安定化することができ、一方で、その手または補助の手の補足的な指がスイッチング機構を最も迅速にかつ効果的に押し下げることを可能にするようにスイッチング機構が位置されている。
【0083】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構の位置およびそのカテーテルアブレーションシステムへの組み入れ様式が、製造者の基本骨格(platform)への接近性、カテーテルの種類およびその設計および端部でのビルトインケーブルの有無、処置の種類、患者のカテーテルアクセス部位の位置、オペレーターの位置、および治療の患者への悪影響を直ちにモニターすることのオペレーターの必要性によって決定される。
【0084】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、低温アブレーション中に長いケーブルセグメントに置かれ、その結果、オペレーターは、スイッチング機構を手動で操作することができ、そして患者の横隔膜収縮を同時に感じて横隔神経麻痺を防ぐことができる。
【0085】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が最も適切な場所に置かれて、オペレーターがアブレーション手法を手動で行いそして治療を手動で停止することを可能にする。
【0086】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、2つのコネクターと、ケーブルおよび囲い中のまたは単に囲い中のワイヤとの間に置かれる。ここで、ワイヤは全て、アブレーション治療を送りおよび/またはコントロールすることが意図される。
【0087】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、アブレーション治療が治療の発生器および/またはコンピューターコントローラーから開始された後にのみスイッチング機構が係合され得る。
【0088】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が警報機能を有する。
【0089】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、リモートコントローラーからの信号を受け取って治療を停止することができる。
【0090】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、音声で、接触でまたは音で作動させられ、そして、アブレーション治療デリバリーシステムに直接または遠隔的に結合される。
【0091】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、受信機が、オペレーターの音声、特定の指令またはそれらの組合せを認識するようにプログラムされている。
【0092】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、有線または無線で遠隔的にコントロールされて、即時のかつ遠隔的な治療停止を可能にする。
【0093】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、(1)通常は閉じた回路であり、スイッチが係合されたときに回路を開いて、アブレーションカテーテルシステムにその治療を終結させ、そして直ちに閉じ、それによって、治療デリバリーを再開することなく、システムの完全な機能を元に戻すところの終結スイッチ、または(2)通常は開いた回路であり、回路が閉じられることによって、アブレーション治療を送ることを可能にするようにスイッチが係合されることを必要とし、一方、上記スイッチの係合を解くことが治療を直ちに終結するところの終結スイッチである。
【0094】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、終結スイッチが、スイッチを係合することが、アブレーション治療デリバリーを可能にするために電気回路を閉じるなどの1機能を行い、上記スイッチを再係合することが電気回路を開き、それによって治療を終結するように固定されたスイッチとして作動し得、あるいは上記スイッチが手動で係合される限り、電気回路が開いているまたは閉じているのいずれかであるように瞬時の様式として作動し得る。
【0095】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、治療の発生器またはコントローラーを通って直接作動する。
【0096】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、一瞬開いてアブレーションカテーテルシステムにその治療を停止させ、次いで直ちに閉じて、それにより、治療デリバリーを再開することなく、上記システムの全機能を元に戻す終結スイッチである。
【0097】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構または終結スイッチが、上記システムの電気機能を何ら妨げることなくアブレーション治療デリバリーが直ちに中断されるところの並列回路を含む。
【0098】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、スイッチング機構が、押し下げ可能でありかつリセット可能である。
【0099】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、近位端および遠位端を有する、縦方向に延びるカテーテルと、上記カテーテルの近位端に取り付けられたハンドルと、上記カテーテルの遠位端における、アブレーション治療をデリバリーするための機構と、ならびに上記ハンドル、上記カテーテルおよび上記カテーテルの遠位端と連絡しているアブレーション治療源とを含む改善されたアブレーションカテーテルシステムにおいて、上記システムが、スイッチング機構および組織、特に心臓組織への故意でない損傷の危険を最小にするための1以上の追加の安全機能を有する。
【0100】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、接触力の吸収を助け、そして組織に加えられる圧力および故意でない損傷の危険を最小にするための衝撃吸収物質がカテーテルの遠位端とカテーテルとの間に置かれている。あるいは、上記先端が、接触の吸収を助けそして接触を和らげるために、弾性または可撓性の物質で作られ得る。
【0101】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、接触の度合いを測定するための1以上の接触センサーがアブレーション治療デリバリー先端と吸収物質との間に置かれている。
【0102】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、1以上の接触センサーが圧力、力、または圧力および力の両方を測定し、そしてオペレーターが、治療を停止するための直接の手動アクセスを有する。
【0103】
本発明のアブレーションカテーテルシステムの別の実施態様では、体内におけるアブレーションデリバリーシステムの先端に加えられている接触圧力の量に関してオペレーターにフィードバックを与えるための触覚機能がハンドルに結合されている。
【0104】
本発明の別の実施態様では、心臓組織への故意でない損傷を防ぐためのシステムが、即時にアクセス可能な終結スイッチおよび、心臓内におけるアブレーションカテーテルシステムの先端に加えられた過剰の力を検出しそして最小にするための機能を含む。
【0105】
本発明のアブレーションシステムの別の実施態様では、アブレーション治療のデリバリー中の心臓および/または循環系および/または心膜腔への故意でない損傷を防ぐシステムが、複数の安全機能を含み、上記安全機能が、(1)即時にアクセス可能なオン/オフスイッチまたは終結スイッチ、および(2)アブレーションカテーテルシステムの先端に加えられた過剰な力を検出しそして最小にするための1以上の力または圧力センサーを包含する。
【0106】
本発明のアブレーションシステムの別の実施態様では、上記システムが、(1)アブレーションシステムの1または複数の末端に加えられた力の量に対する、および(2)アブレーション治療を可能にすること、アブレーション治療を停止すること、またはアブレーション治療を可能にしそして停止することに対する即時の手動によるコントロールをオペレーターが有することを可能にする、オペレーターによりコントロールされるシステムである。
【0107】
本発明の別の実施態様では、第一のコネクターと、医療処置または治療をデリバリーするための医療デバイスに連結された接続ケーブルの接続可能な第二のコネクターとに固定された医療デバイスが、第一のコネクターと第二のコネクターとを容易に分離し、それによって処置または治療を中断するための機構を含む。
【0108】
本発明の医療デバイスの別の実施態様では、医療デバイスがまた、上記コネクターの容易な再接続を可能にする。
【0109】
本発明の別の実施態様では、雄型ケーブルコネクターおよび雌型ケーブルコネクターの即時の分離のための迅速なケーブル連結/分離デバイスが、両方のコネクターをつかみ、コネクターの互いの配置を維持し、存在し得る任意のロック機構を解錠し、そして上記コネクターを分離する要素を含み、かつ、整列された様式でケーブルコネクターを機械的に再連結または再結合して導通を元に戻すことができる。
【0110】
本発明の別の実施態様では迅速なケーブル分離がアブレーション治療の停止をもたらして故意でない治療デリバリーによる損傷を最小にし、そして迅速なケーブル再連結がアブレーションカテーテルシステムの全機能を元に戻すことができるように、デバイスがアブレーションカテーテルシステムと協力して使用され得る。
【0111】
本発明の別の実施態様では、アブレーションカテーテルシステムと共に使用されるスイッチング機構が、
アブレーションカテーテルハンドルに取り付けられ得るまたは上記ハンドルに隣接して置かれ得る、直接の手動による作動のための第一の有線または無線の要素、および
上記第一の要素によって発生されたスイッチング信号を受け取って、送って、または受け取りそして送って、アブレーション治療のデリバリーの直接的な手動によるコントロールを提供するための、上記第一要素に連結した第二の有線または無線の要素、
を含む。
【0112】
本発明の別の実施態様では、上記第一の要素が、スリーブ、伸縮性スリーブ、クリップ、コネクターまたは滅菌接着剤によってカテーテルハンドルに取り付けられ得る。
【0113】
本発明の別の実施態様では、終結スイッチを有する迅速なケーブル連結/分離デバイスが、雄型ケーブルコネクターと雌型ケーブルコネクターの即時の連結または分離を提供する。上記迅速なケーブル連結/分離デバイスは、コネクターの雌端および雄端をそれぞれ掴み、コネクターの互いの配置を維持し、任意的に存在し得るロック機構を解錠するところの雄型リセプターおよび雌型リセプターを有する要素を含む。上記迅速なケーブル連結/分離デバイスの雌型リセプターは、雄型コネクターを係合し、そして上記迅速なケーブル連結/分離デバイスの雄型リセプターは、雌型コネクターを係合し、その結果コネクターを分離し、また、上記迅速なケーブル連結/分離デバイスは、整列された様式でケーブルコネクターを機械的に再連結または再結合して導通を元に戻すことができる。
【0114】
本発明の別の実施態様では、迅速なケーブル分離がアブレーション治療の停止をもたらして故意でない治療デリバリーによる損傷を最小にし、かつ迅速なケーブル再連結がシステムの完全な機能を元に戻すことができるように、終結スイッチを有する迅速なケーブル連結/分離デバイスがアブレーションカテーテルシステムと協力して使用され得る。
【0115】
本発明の別の実施態様では、第一および第二のケーブルコネクターの即時の分離のためのデバイスが、第一のケーブルコネクターを取り巻きそしてつかむことができる第一の管状のまたは実質的に管状の部材、第二のケーブルコネクターを取り巻きそしてつかむことができる第二の管状のまたは実質的に管状の部材、および第一および第二の管状のまたは実質的に管状の部材を連結する橋部材を含み、橋部材の一部が下方に押されるとき、ラッチが解係合し、そして上記管状のまたは実質的に管状の部材が互いに離れそしてケーブルコネクターの係合を解かせまたはケーブルコネクターの接続を断たせる。
【0116】
本発明の別の実施態様では、上記デバイスが、第一および第二のケーブルコネクターの容易な再連結を助ける。
【0117】
本発明の別の実施態様では、オン/オフスイッチまたは終結スイッチが、1要素において2つのコネクターの間に位置されている。上記要素は、種々の長さの1または2のケーブルコネクターに基づいてアブレーションカテーテルハンドルに関して位置され得る。上記要素は、2つの可変長のケーブルコネクターに取り付けられ得、上記ケーブルコネクターの一方は、アブレーションカテーテルハンドルに直接取り付けられ、またはどのモデルのアブレーションカテーテルが使用されるかに依存して、上記要素は、アブレーションカテーテルのハンドルの近位端に直接取り付けられ得る。ケーブルコネクターの長さは、オペレーターが、上記要素(オン/オフスイッチまたは終結スイッチを有する)がアブレーションカテーテルハンドルに関して位置されることを望む場所に応じて変わり得る。アブレーションカテーテルハンドルとスイッチング要素との間にケーブルコネクターがあるならば、そのスイッチング要素は好ましくは使い捨て可能であり、そしてケーブルコネクターは各々、再使用可能/再滅菌可能であり得る。しかし、スイッチング要素およびケーブルが使い捨て可能でありまたは再使用可能/再滅菌可能であることが可能である。
【0118】
本発明の別の実施態様では、終結スイッチを含む要素が、二重用途のために、すなわち、手動から足による操作へ転換できるように構成される。特に、上記要素は、アブレーションカテーテルに機能的に連結され、そしてアブレーション機能を終結するためのオペレーターによる手動操作のために滅菌領域内に位置され得るように、そして二者択一的に足による操作のために位置され得るように構成される。例えば、上記要素は、滅菌領域で第一の操作モードで手動の終結スイッチ(手動操作のための要素の上部表面に終結スイッチを有する)として作動し得、かつ上記要素は、終結スイッチを始動させそして治療を終結させるために足が上記要素内のペダルをコントロールすることができるように、スイッチ要素が開放されそして床(非滅菌)に置かれ得るように、第二モードに置かれて作動し得る。
【0119】
本発明の別の実施態様では、オン/オフスイッチまたは終結スイッチが、適切な手段、例えば滅菌接着剤、クリップ、またはスリーブ(カテーテルハンドルの前部または後部にわたってスライドするであろう)を介してアブレーションカテーテルハンドル上に直接取り付けられ得る。スイッチが、アブレーション治療システムに、その中に含まれるまたはコネクターケーブル間に置かれた別個のデバイスとしてのコネクターケーブルを介して連結されるならば、上記スイッチは、カテーテルハンドルの方へ折り返すことができ、そして、スイッチ自体がハンドル上で機能するようにカテーテルハンドルへの多数の手段によってハンドルにクリップで留まり、ハンドル上をスライドし、またはハンドルに接着することができる。
【0120】
本発明の別の実施態様では、コネクターケーブルが、ワイヤの全てがコネクターケーブル内に含まれ、かつ治療を停止するために必要なワイヤが、オン/オフスイッチまたは終結スイッチ機構に連結するために別個に分岐するように構成され得る。そのスイッチング機構は、多数の異なる方法で、例えば接着剤、スリーブ、またはクリップによって、アブレーションカテーテルハンドルに取り付けられ得る。スイッチング機構の入力および出力ワイヤは、カテーテル操作を可能にし、かつアブレーションカテーテルハンドル自体の上にスイッチング機構を有するために、アブレーションカテーテルハンドルに到達できそしてアブレーションカテーテルハンドルに接着できるより細いスリーブ内に含まれ得る。コネクターケーブルは、発生器またはコントロールコンソールに連結する、その近位端でのより太くかつより硬質のケーブルと、アブレーションカテーテルハンドル上に置かれ得るスイッチング機構へのより細く、より可撓性の配線(wiring)を含む遠位部材からなるであろう。別個のスイッチング機構は本質的に、コネクターケーブルの端からカテーテルの近位まで伸び、そして操作中にもつれることなくアブレーションカテーテルハンドルに容易に付着し、そしてアブレーションカテーテルハンドル上のスイッチへの容易なアクセスを可能にして治療を手動で停止することができる細いワイヤであり得る。
【0121】
本発明の別の実施態様では、コネクターケーブルが、通常のケーブルのように見え、コネクターケーブルに付着できるより細いスイッチング機構のための別個の末端を有する。この機構は、係合されないならば、コネクターケーブルが通常のコネクターケーブルのように作動することを可能にするが、上記スイッチング機構が取り付けられるならば、治療を停止する機能を有する。スイッチング機構はハンドルから離れて作動することができ、またはアブレーションカテーテルハンドルに直接付着し得る。
【0122】
本発明の別の実施態様では、スイッチング機構がアブレーションカテーテルハンドル上に直接付着している。スイッチング機構は、
図1Aと同様であるように、アブレーションカテーテルハンドル上の容易にアクセス可能な位置に置かれてスイッチング機構への容易な人間工学的アクセスを与えて、治療を容易に停止することができる。スイッチング機構自体は、無線であり得る(すなわち、スイッチから直接アブレーションカテーテまたはそのコネクターケーブルで終わる直接のワイヤがない)。しかし、スイッチング機構は、多数の方法、例えば接着剤、クリップ、または可撓性の伸縮性スリーブによってアブレーションカテーテルに付着することができ、そして、コネクターケーブル、別個のデバイス、発生器、コンソールまたはコンピューターコントローラーに組み入れられた受信機スイッチング機構へ信号を送ることにより治療を停止することができる。あるいは、スイッチング機構が、エラー信号を作り出すことにより治療を中断し得る信号を作り出すことができる。例えば、ハンドルの近位端上をスライドされる伸縮性スリーブは、電気コイルの多くの巻き(turn)を含み得る。スリーブが押し下げられると(係合されると)、それは、コイル全体にわたって電流を送って、ハンドルに含まれるアブレーションワイヤを通る電流をインダクタンスによって作り出して、エラーが発生器またはコントローラーコンソールによって検出され得るのに十分に信号を変え、そして治療を停止することができる。他の種類のエラーおよび/または妨害信号も治療を停止することができる。本質的に、上記方法は、アブレーションカテーテルハンドルに接着または付着できる、無線機構を伴うオン/オフスイッチまたは終結スイッチを達成するための独立した滅菌方法を提供する。
【0123】
本発明の別の実施態様では、シールされた再使用可能なコネクターケーブルが、より標準的なケーブル(しかし、別個の終結スイッチング機構のための膨らみを有し得る)のように見えるそしてそのように感じる終結スイッチを含み得る。このスイッチ/ケーブルは、再使用可能であり再滅菌可能であり得る(また、使い捨て可能である)。ケーブル内に含まれるこのスイッチング機構は、受信機機能を有する。ハンドルに留められ、弾性のまたは伸縮性のスリーブとして前後にわたってスライドし、または何らかの他の接着機構によってハンドルに付着することができ、そして送信機スイッチとして作用し得る別個の滅菌使い捨てスイッチは、作動されると(すなわち、例えば押し下げられると)、信号を送信機に送り、そして治療を停止するであろう。さらに、終結スイッチ受信機は、アブレーション発生器、コンソール、またはコンピューターコントローラー内に含まれ得る。
【0124】
本発明の別の実施態様では、オン/オフスイッチまたは終結スイッチが、ケーブルを有しないでコネクターのみで終わるアブレーションカテーテルハンドルの近位端に付着し、または上記近位端上にはみ出るデバイスに組み込まれ得る。そのようなカテーテルの例は、Medtronic’s RFカテーテル、St.Jude Medical’s SAFIREカテーテル、およびBiosense Webster’s THERMOCOOLカテーテル を包含する。上記デバイスは、(1)一体スイッチング機構を有し、(2)アブレーションカテーテルハンドルの近位端に接続し、および(3)ケーブルからコネクターを受け入れるための雄型または雌型レセプタクルを有する、別個の要素を含み得る。あるいは、上記デバイスが、(1)アブレーションカテーテルハンドルに付着するための一体スイッチング機構を有し、および(2)アブレーションカテーテルハンドルの近位端に接続する、ケーブルの遠位端を含み得る。本質的に、このデバイスは、スイッチング機構が、アブレーションカテーテルハンドル自体の一部であるように見えることを可能にする。