特許第6066947号(P6066947)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6066947
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】磁性材料間のギャップ
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/31 20060101AFI20170116BHJP
【FI】
   G11B5/31 E
   G11B5/31 D
   G11B5/31 Q
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-47620(P2014-47620)
(22)【出願日】2014年3月11日
(65)【公開番号】特開2014-175048(P2014-175048A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年3月11日
(31)【優先権主張番号】13/796,951
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500373758
【氏名又は名称】シーゲイト テクノロジー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Seagate Technology LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・ティエン
(72)【発明者】
【氏名】ベンカテスワラ・ラオ・イントゥリ
(72)【発明者】
【氏名】ダグ・リン
(72)【発明者】
【氏名】フアチン・イン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオミン・チュ
【審査官】 斎藤 眞
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−087551(JP,A)
【文献】 米国特許第06724569(US,B1)
【文献】 特開2012−133859(JP,A)
【文献】 特開平11−195206(JP,A)
【文献】 特開平05−073839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 5/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
性材料からなるメインポール層と前面シールド層との間に一様なギャップを成形する方法であって、
前記メインポール層の上部に非磁性ギャップ層を蒸着することと、
前記非磁性ギャップ層の上部に第1の牲層を蒸着することと、
前記第1の牲層を完全に除去しないが、前記第1の牲層の一部をエッチングすることと、
前記エッチングされた第1の牲層の上部、第2の犠牲層を蒸着することと、
前記第2の犠牲層上に前記前面シールド層を蒸着することと備え
前記非磁性ギャップ層、前記第1の犠牲層及び前記第2の犠牲層は、前記メインポール層と前記前面シールド層との間に前記一様なギャップを提供し、
前記第2の犠牲層は、前記前面シールド層に接し、
前記第2の犠牲層は、NiRu、NiCr、Cr、CuまたはFeNiCo合金を含む、方法。
【請求項2】
前記非磁性ギャップ層は、Al23を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非磁性ギャップ層は、ルテニウムを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の牲層は、NiRu、NiCr、Cr、CuまたはFeNiCo合金を含む、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記メインポール層はべベル端を含み、
前記非磁性ギャップ層、前記第1の犠牲層及び前記第2の牲層は、前記べベル端の上部に形成される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第2の牲層の材料、非磁性シード材料を利用する、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項7】
磁性材料からなるメインポール層と、
前記メインポール層の上部非磁性ギャップ層と、
前記非磁性ギャップ層の上部エッチングされた第1の犠牲層と、
前記エッチングされた前記第1の犠牲層の上部第2の犠牲層と、
前記第2の犠牲層上の前面シールド層とを備え、
前記非磁性ギャップ層、前記第1の犠牲層及び前記第2の犠牲層は、前記メインポール層と前記前面シールド層との間に一様なギャップを提供し、
前記第2の犠牲層は、前記前面シールド層に接し、
前記第2の犠牲層は、NiRu、NiCr、Cr、CuまたはFeNiCo合金を含む、装置。
【請求項8】
前記非磁性ギャップ層は、Al23を含む、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記非磁性ギャップ層は、ルテニウムを含む、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の犠牲層は、NiRu、NiCr、Cr、CuまたはFeNiCo合金を含む、請求項からのいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記メインポール層はべベル端を含み、
前記非磁性ギャップ層、前記第1の犠牲層及び前記第2の犠牲層は、前記べベル端の上部に形成される、請求項から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記第の犠牲層の材料、非磁性シード材料を利用する、請求項から11のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
処理ステップは、ディスクドライブ業界において使用される磁気記録ヘッド等、磁気素子を形成するためにしばしば使用される。磁気素子の性能は、他の磁気素子に対する配向および離間によって影響を受ける可能性がある。これは特に、磁気素子が相互により近接近して配置されると真実であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本概要は、詳細説明で以下に詳細に記載する概念の選択を簡略化した形式で導入するために提供する。本概要は、請求対象物の主要な特徴または重要な特徴を特定することを目的とするものでも、請求対象物の範囲を限定するために使用されることを目的するものでもない。請求対象物の他の特徴、詳細、利用、および利点は、多様な実装、およびさらに添付の図面に図示され、付属の請求項に定義される実装の以下のより具体的に記載された詳細説明から明らかであろう。
【0003】
一実施形態に従い、2つの磁性材料の間に実質的に一様なギャップを成形する方法は、メインポール磁性材料層の上部に非磁性ギャップ材料層を蒸着することと、非磁性ギャップ材料層の上部に犠牲材料層を蒸着することと、犠牲材料層を完全に除去しないが、犠牲材料層の一部をエッチングすることと、エッチングされた犠牲層に追加の犠牲材料を蒸着することとを含むことができる。
【0004】
別の実施形態に従い、装置は、メインポール磁性材料層と、メインポール層の上部に非磁性ギャップ材料層と、非磁性ギャップ材料層の上部にエッチングされた第1の犠牲材料層と、エッチングされた第1の犠牲材料層の上部に第2の犠牲材料層とを備えることができる。
【0005】
これらおよび多様な他の特徴は以下の詳細説明を一読すると明らかであろう。
本技術の性質および利点のさらなる理解は、本明細書の残りの部分に記載される、図面への参照によって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態に従い、実質的に一様な書き込みギャップの断面を含む、ディスクドライブシステムの例示的な図を図示する。
図2A】一実施形態に従い、メインポールを形成する際に使用するための初期磁性材料層を図示する。
図2B】一実施形態に従い、初期磁性材料層上に成形されるベベル端を図示する。
図2C】一実施形態に従い、2つの磁性材料層の間のギャップで使用するための初期材料層を図示する。
図2D】一実施形態に従い、2つの磁性材料層の間のギャップで使用するための二次材料層を図示する。
図2E】一実施形態に従い、初期ギャップ材料にわたって蒸着された犠牲材料層を図示する。
図2F】一実施形態に従い、犠牲層に不均等な表面を生成した処理が発生した後の犠牲層を図示する。
図2G】一実施形態に従い、犠牲層に均等な上部表面を形成するように犠牲層材料の更なる蒸着を図示する。
図2H】一実施形態に従い、犠牲層の上に蒸着された二次磁性材料層を図示する。
図3】一実施形態に従い、実質的に一様なギャップ層を成形する方法を図示する流れ図を示す。
図4】一実施形態に従い、ギャップ層を成形する別の実施形態を図示する流れ図を示す。
図5】一実施形態に従い、非磁性シード層を利用する方法を図示する流れ図を示す。
図6】一実施形態に従い、非磁性シード層を利用する別の実施形態を図示する流れ図を示す。
図7】一実施形態に従い、書き込みギャップ内の少なくとも2つの非磁性材料層を有する書き込みヘッドのための書き込みギャップの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の実施形態は、本明細書において、ディスクドライブシステムの状況で開示される。しかしながら、本技術はディスクドライブシステムに限定されず、他の技術システムにも容易に適用できることを理解されたい。
【0008】
磁気記録媒体の領域密度が増加すると、ますます多くのビットの情報が磁気媒体上に記憶される。このため、それまで使用されていたよりも小さい記憶場所に各ビットの情報を記憶する必要性が存在する。この結果、ディスクドライブの書き込みヘッドは、隣接するビット場所に記憶された情報を混乱させることなく、磁気媒体上にビットを記録することが可能であることが必要である。
【0009】
書き込みヘッドは、書き込みポールの磁性材料と、前面シールドの磁性材料との間に一様なギャップが欠落する場合、非効率であり得る。この非一様性によって、書き込み操作中に、より多くの磁束が、ターゲットのビット場所から方向付けられるのではなく、書き込みポールから前面シールドに漏れることが可能になる。この結果、書き込みポールは、この漏洩が発生すると、その書き込み操作中の効率が低下する。より一様なギャップ、または(空気軸受面に向かって移動する視点から見た場合)収束するのではなく発散するギャップであっても、発生する漏洩を低下させる。
【0010】
一実施形態に従い、2つの磁性材料の間に実質的に一様な書き込みギャップ、ならびに、記録ヘッドのための得られるライター構造を成形することを可能にする、新しいプロセスが開示される。適切なシード(磁性または非磁性)を用いる磁性体塗布もまた、任意の書き込みギャップ材料層の蒸着の直後に非磁性書き込みギャップの上に成形されてもよい。書き込みギャップは、磁性体塗布と合わせて、固有の構造を成形するように調整することができる。一実施形態に従い、プロセスは、実質的に一様な書き込みギャップを成形し、ギャップの厚さのシグマを削減し、狭い書き込みギャップを備える書き込みヘッドの書き込み性能を向上するために使用されてもよい。意図的に選択された非磁性シードは、高モーメントの磁性材料の磁気軟性を犠牲にすることなく、高モーメントの磁性層が書き込みギャップと直接接触することを可能にするように使用されてもよい。さらに、磁性材料の磁気軟性を変化させることなく、高モーメントを有するようにギャップの両側に材料を構成することで、向上した書き込み性能を達成することに役立てることができる。本明細書において例として記載される実施形態は、例として書き込みヘッドを使用するが、プロセスおよび構造は、材料のギャップによって離間する他の磁性層に適用されてもよい。
【0011】
ここで図1を参照すると、ディスクドライブシステムの例が示される。ディスクドライブシステムは、開示される技術が利用されてもよい一例に過ぎない。図1は、例の斜視図100を図示する。ディスク102は、操作中にスピンドル中心またはディスクの回転軸104の周囲で回転する。ディスク102は、輪状線によって図示されるように、その間にいくつかの同心データトラック110がある、内径106と外径108とを含む。データトラック110は実質的に円形である。
【0012】
情報は、異なるデータトラック110でディスク102に書き込まれ、かつディスク102から読み取られてもよい。トランスデューサヘッド124は、アクチュエータ回転軸122の遠位端にあるアクチュエータ組み立て部120上に付設される。トランスデューサヘッド124は、ディスク操作中にディスク102の表面上部を近接近状態で進む。アクチュエータ組み立て部120は、シーク操作中に、ディスク102に隣接して位置決めされたアクチュエータ回転軸122周囲で回転する。シーク操作は、データトラック110のうちのターゲットデータトラックにわたってトランスデューサヘッド124を位置決めする。
【0013】
分解図140は、トランスデューサヘッド124の一部の断面を図示する(一定の縮尺比ではない)。断面図は、一実施形態に従い構成することができる、実質的に一様な書き込みギャップを示す。
【0014】
磁気記録媒体の領域密度が増加すると、ますます小さい場所に情報を記憶することができる。このため、読み取りヘッドおよび書き込みヘッドが、それぞれ、それらの場所から読み出すこと、およびそれらの場所へ書き込むことが可能であることが必要である。書き込みギャップは、書き込みヘッドの前面シールドから、メインライターポールを離間する非磁性のギャップである。書き込みギャップ、および書き込みギャップの近接にある磁性材料の厚さは、書き込み性能および下流端(TE)の磁界勾配に大きい影響を有することができる。現在まで、書き込みギャップの厚さは、約30nmの範囲である。
【0015】
書き込みギャップの成形プロセス中、蒸着された書き込みギャップ材料上でフォトリソグラフィおよびエッチングプロセスを実施することは珍しくはない。この結果、書き込みギャップは、その表面全体で不均等に劣化する。書き込みギャップがベベル端を含む場合、結果として、書き込みギャップがベベル点の上部近辺でテーパー状またはピンチングされる可能性がある。このため、非一様な書き込みギャップはしばしば、これらのフォトリソグラフィおよびエッチングのステップによって生じる。非一様な書き込みギャップによって、操作中にメインライターポールから前面シールドへ磁束分路が増える可能性がある。この磁束の損失によって、書き込み操作の効率が低下し、可能性として瑕疵となる。書き込み性能を抑制すると言うことができる。
【0016】
ここで図2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G、および2Hを参照すると、一実施形態に従い、より一様な書き込みギャップを成形するためのプロセスを図示することができる。このプロセスは、書き込みギャップのシグマを削減するためにも使用されてもよい。また、以下の説明から、このプロセスは、ルテニウム等の代替のシードが、前面シールドの2.4T FeCo層のシード層として使用されることを可能にすることも理解されるであろう。さらに、このようなシード層は、強化されたTEの磁界勾配を提供するために、FeCo磁性層が書き込みギャップと密着して接触することを可能にする。
【0017】
図2Aにおいて、第1の磁性材料層204が蒸着される。磁性材料は、例えば、FeCoから形成されてもよい。この磁性材料層は、究極的に、書き込みヘッドの操作中にメイン書き込みポールとして機能してもよい。メイン書き込みポールを成形するために、図2Bに示されるように、ベベル端208およびベベル点212を成形するように磁性材料層204に斜角をつけてもよい。ベベルは、例えば、磁性層をスライス加工することによって成形されてもよい。
【0018】
図2Cにおいて、第1のギャップ材料層216は、磁性材料層204の上部に蒸着されて示される。利用されてもよい1つの種類の材料は、ルテニウムである。ルテニウムは、ギャップ材料として良好に機能することができる非磁性材料である。また、第2のギャップ材料層のシード層としても機能することができる。
【0019】
図2Dにおいて、第2のギャップ材料層220は、第1のギャップ材料層の上部に蒸着されて示される。ギャップ材料として有用であり得る1つの材料は、Alで、アルミナとも参照される。
【0020】
図2Eにおいて、第1の犠牲材料層は、第2のギャップ材料層の上部に蒸着されて示される。しばしば、最終の磁性材料層を蒸着する前に、フォトリソグラフィおよびエッチングのステップを実施することを選択することがある。このような処理ステップは、特にベベル端領域において、それまでに蒸着されていたギャップ材料の一様性に影響を与える可能性がある。発生する可能性がある1つの非一様性は、書き込みギャップが、ベベル点でテーパー状になることである。上記のように、これは、書き込みヘッドの性能を低下させる、最終の書き込みヘッドの非一様な書き込みギャップとなり得る。しばしば実施される処理ステップの例として、フォトリソグラフィステップがあり、その後にエッチングステップが続く。他の処理ステップは、代替として実施される場合がある。それに関係なく、書き込みギャップが非一様な状態に残るという結果になる。追加の犠牲材料の蒸着によって、修復することができる犠牲層を利用することによって、ギャップの一様性は、破損処理ステップの後、実質的に回復することができる。このように、図2Fは、犠牲層224上の破損処理ステップの効果を示す。見ることができるように、破損処理ステップによって、犠牲層が不均等な状態になるが、基底のギャップ層は破損されない。犠牲層は、シード層によってシードされてもよいことに注意されたい。シード層の材料の1つの選択はルテニウムである。ルテニウムではなく、他の非磁性シード材料が使用されてもよい。
【0021】
図2Gにおいて、犠牲層を実質的に一様な厚さに修復するように、追加の犠牲材料が蒸着されてもよい。修復された犠牲層は、図2Gにおいて層226と参照される。犠牲層はまた、次の磁性層のシード層として機能するように選択することもできる。
【0022】
ギャップが実質的に一様な厚さに修復された後、第2の磁性材料層が蒸着されてもよい。例えば、図2Hは、書き込みヘッドの前面シールドとして使用されてもよい、第2の磁性材料層228を示す。例えば、磁性材料として、FeCoまたはFeNiCoの固溶液が利用されてもよい。厚さは、数ナノメートルから、数百ナノメートルまでの範囲であってもよい。一実施形態に従い、5〜50nmの厚さが使用されてもよい。
【0023】
図2Hから見ることができるように、得られる書き込みギャップは、実質的に一様であり、第2の磁性材料層の蒸着前に発生する、中間のフォトリソグラフィおよびエッチングのステップによる影響を受けない。
【0024】
ここで図3を参照すると、上記のプロセスの態様を図示する流れ図300を見ることができる。ブロック302において、非磁性ギャップ材料層が、メインポール磁性材料層の上部に蒸着されてもよい。ブロック304において、犠牲材料層が、非磁性ギャップ材料層の上部に蒸着されてもよい。ブロック306において、犠牲層の一部は、例えば、エッチングプロセスによって、処理されてもよいが、犠牲材料層を完全には除去しない。そして、ブロック308において、エッチングされた犠牲層に追加の犠牲材料が蒸着されてもよい。
【0025】
図4において、流れ図400は、より詳細に実施形態を図示する。ブロック402において、非磁性材料層が、メインポール磁性材料層の上部に蒸着される。メインポール磁性材料層は、既にベベル構成の場合がある。ギャップを成形するために、複数の層および異なる材料が使用されてもよいことを理解されたい。ブロック404は、犠牲材料層が、上部の非磁性ギャップ材料層の上に蒸着されてもよいことを示す。
【0026】
ブロック406に従い、構造上でエッチングまたは他の処理のステップが実施されてもよい。このような処理は、特にベベル端領域に沿って、任意の基底層を暴露するように犠牲層の一部を除去してもよいが、必ずしも犠牲層全体を除去しない。エッチングまたは他の処理の結果、犠牲層が不均等になる。このため、ブロック408において、エッチングされた犠牲層上に追加の犠牲材料が蒸着されてもよい。ブロック410に示されるように、蒸着は、メインポール層とその次に適用される前面シールド層との間に実質的に一様なギャップを成形するように制御することができる。次いで、犠牲層の上に前面シールド材料層が蒸着されてもよい。
【0027】
別の実施形態に従い、異なる実用性を実現することができる。すなわち、現在のプロセスは一般に、前面シールド層として、FeCo等の磁性材料層を蒸着する前に、シード層として、NiFe等の磁性材料を利用する。NiFeは、約1.0Tの磁気モーメント特性を有する。この磁性材料をシード層として使用すると、下流端(TE)の磁界勾配を劣化し、このために、記録ヘッドの性能が低下する可能性がある。
【0028】
この問題に対処するために、一実施形態は、前面シールド層に使用される磁性材料のためのシード層として、非磁性材料を利用する。この非磁性材料によって、NiFe等の磁性材料に対比して、より良好な磁界勾配を達成することが可能になる。非磁性材料シード層として、異なる材料が利用されてもよい。しかし、1つの可能な選択肢は、ルテニウムである。他の可能な材料は、例えば、NiRu、NiCr、Cu、ならびに、Fe、Ni、およびCo合金の組み合わせを含む高モーメント材料である。シード層の厚さは、例えば、1〜10nmの範囲にすることができる。
【0029】
蒸着プロセスは、図2A〜2Hに示されるプロセスに類似することができ、非磁性シード層が第2の磁性材料層のために利用される。さらに、図5は、多様な態様を提示する流れ図を図示する。
【0030】
図5の流れ図500において、ブロック502は、メインポール磁性材料層が蒸着されることを示す。ブロック504において、少なくとも2つの非磁性ギャップ材料層が蒸着される。そして、ブロック506において、第2の磁性材料層が蒸着される。特に、第2の磁性材料層は、上部の非磁性ギャップ材料層に直接隣接して蒸着される。これによって、非磁性ギャップ材料が、第2の磁性材料層のためのシード層として機能することが可能になる。
【0031】
図6は、いくらかより詳細に実施形態を図示する。図6の流れ図600において、ブロック602で、メインポール磁性材料層が蒸着される。ブロック604において、少なくとも2つの非磁性ギャップ材料層が蒸着される。前述の実施形態で記載したように、ギャップは、第1のルテニウム層に続いて、Al層、続いて、シードのルテニウム層等、複数の層から成形されてもよい。
【0032】
ブロック606において、第2の磁性材料層が蒸着されてもよい。この層は、例えば、書き込みヘッドの前面シールドとして使用されてもよい。この第2の層は、十分な勾配を形成するように、非磁性ギャップ材料に直接隣接して蒸着されてもよい。さらに、ブロック608によって示されるように、この非磁性ギャップ材料は、第2の磁性材料層のためのシード層として使用されてもよい。ブロック610によって示されるように、第2の磁性材料層の材料として、FeCoが利用されてもよい。ブロック612は、第2の磁性材料層が、書き込みヘッドで使用する前面シールドに成形されてもよいことを図示する。
【0033】
図7は、2つ以上のギャップ非磁性材料層から成形されるギャップ層の例を図示する。図7は、書き込みヘッドとして機能する第1の磁性材料層702を示す。FeCoは、第1の磁性層に使用することができる1種の磁性材料である。第1のギャップ非磁性材料層704は、磁性材料の上部に直接隣接して蒸着して示される。使用することができる1つの材料は、例えば、ルテニウムである。第2のギャップ非磁性材料層706は、第1のギャップ層の上部に直接隣接して蒸着して示される。例えば、Alは、この材料に使用することができる1種の材料である。第3のギャップ非磁性材料層708は、第2のギャップ層の上部に直接隣接して蒸着して示される。第1のギャップ層との対称性を提供するために、この層には、ルテニウム材料を利用することができる。さらに、ルテニウムは、第2の磁性材料層710のシード層として機能する点で有用である。層710は、第3のギャップ層の上部に直接隣接して蒸着して示される。FeCoは、メインポールの前面シールドとして機能するために、層710に使用することができる磁性材料の一例である。
【0034】
本明細書に挙げられる構造、材料、および行動は、機能を実施するための手段、または機能を実施するためのステップとして挙げることができる。したがって、このような言語は、参照によって組み入れられる任意の事項を含む、本明細書に開示されるこのような構造、材料、または行動およびそれらの同等物にすべて及ぶ権利が与えられると理解されなければならない。
【0035】
本明細書に記載される実施形態の装置および方法は、本明細書から理解されると考えられる。上記の説明は、特定の実施形態の詳細説明であるが、上記の説明は、請求項によって定義される本発明の範囲を限定すると考えられてはならない。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3
図4
図5
図6
図7