(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで挙げる不正利用から保護すべきコンテンツは、放送コンテンツと通信コンテンツの2種類がある。従来技術においては、両コンテンツとも配布元(放送設備、コンテンツサーバ)から受信機(TV)間の通信路をCAS/DRM技術により保護することが可能である。一方、コンテンツが受信機から出力された後については、保護する機能がないため、TV画面をビデオカメラで撮影する、あるいは、コンテンツ保護技術を迂回する、などの不正な手段でコピーが作成されると、不正コピーの流出を止めることが困難であった。
【0006】
従来技術において、コンテンツに電子すかしを挿入する方法として、送出側で送出者ユニークIDを埋め込み、受信機側で受信機ユニークIDを埋めこむ方法が考えられる。不特定多数の受信機に同報配信する放送サービスにおいては、配布先の受信機を唯一に特定することは不可能なため、送出側で受信機IDを埋めることはできない。
【0007】
また、受信機側で送出者ユニークIDを一元的に決めることは困難でもある。つまり、送出側と受信機側のそれぞれで2重に電子すかしを挿入することが考えられる。しかし、複数の放送局、通信プロバイダで全て同一の電子すかし技術に統一することは困難であること、電子すかしを重ねることによる画質や音質が劣化する、などの弊害が考えられる。
【0008】
本技術の目的は、コンテンツの流出経路の特定を良好に行い得るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の概念は、
コンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を取得する電子すかし情報取得部と、
上記受信されたコンテンツに、上記取得された情報を使用して電子すかしを埋め込んで出力するコンテンツ出力部とを備える
受信装置にある。
【0010】
本技術において、コンテンツ受信部により、コンテンツが受信される。この場合、例えば、デジタル放送システムおよび/またはネットワーク上の配信サーバからコンテンツが受信される。電子すかし情報取得部により、電子すかしを作成するための、コンテンツの流出経路を特定する情報が取得される。この情報には、少なくとも、コンテンツの送信元を識別する情報と、自身の装置を識別する情報とが含まれる。そして、コンテンツ出力部により、受信されたコンテンツに、電子すかしを作成するための情報が使用されて、電子すかしが埋め込まれて出力される。
【0011】
このように本技術においては、出力されるコンテンツに、そのコンテンツの流出経路を特定する情報を使用して電子すかしが埋め込まれるものであり、コンテンツが不正利用された場合、流通経路を特定することが可能となる。また、コンテンツの不正流出を未然に防ぐ抑止力の効果も期待できる。
【0012】
なお、本技術において、例えば、電子すかし情報取得部は、受信されたコンテンツに電子すかしを作成するために使用すべき情報が付加されているとき、この情報をさらに取得する、ようにされてもよい。この場合、コンテンツの送信元で付加されたコンテンツの流出経路を特定するために有用な情報を使用してこのコンテンツに電子すかしを埋め込んで出力することが可能となる。
【0013】
また、本技術の他の概念は、
暗号化されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
上記受信されたコンテンツを外部機器に送信し、該外部機器から復号化されたコンテンツを受信するインタフェース部と、
上記外部機器から受信されたコンテンツに、電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を使用して電子すかしを埋め込んで出力するコンテンツ出力部とを備える
受信装置にある。
【0014】
本技術において、コンテンツ受信部により暗号化されたコンテンツが受信される。インタフェース部により、受信されたコンテンツが外部機器に送信され、この外部機器から復号化されたコンテンツが受信される。そして、コンテンツ出力部により、外部機器から受信されたコンテンツに、電子すかしが埋め込まれて出力される。この場合、電子すかしを作成するための、コンテンツの流出経路を特定する情報が使用される。この場合、例えば、外部機器から受信されたコンテンツに付加されている電子すかしを作成するための情報が使用される。例えば、電子すかしを作成するための情報には、少なくとも、コンテンツの送信元を識別する情報と、自身の装置を識別する情報と、外部機器を識別する情報が含まれている。
【0015】
このように本技術において、出力されるコンテンツに、そのコンテンツの流出経路を特定する情報を使用して電子すかしが埋め込まれるものであり、コンテンツが不正利用された場合、流通経路を特定することが可能となる。また、コンテンツの不正流出を未然に防ぐ抑止力の効果も期待できる。
【0016】
なお、本技術において、例えば、コンテンツ出力部は、外部機器から受信されたコンテンツに電子すかしが既に埋め込まれていると判断するとき、外部機器から受信されたコンテンツに電子すかしの埋め込みを行わない、ようにされてもよい。この場合、インタフェース部は、外部機器から、この外部機器の機能情報をさらに受信し、コンテンツ出力部は、受信された機能情報に基づいて、外部機器から受信されたコンテンツに電子すかしが埋め込まれているか否かを判断する、ようにされてもよい。この場合、電子すかしを重ねることによる画質や音質の劣化を回避することができる。
【0017】
また、本技術の他の概念は、
外部機器から暗号化されたコンテンツを受信し、該外部機器に復号化されたコンテンツを送信するインタフェース部と、
上記暗号化されたコンテンツに復号化処理を施して上記復号化されたコンテンツを取得する復号化部と、
上記送信されるコンテンツに、電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を使用して電子すかしを埋め込む電子すかし埋め込み部とを備える
復号処理装置にある。
【0018】
本技術において、インタフェース部により、外部機器から暗号化されたコンテンツが受信され、この外部機器に復号化されたコンテンツが送信される。復号化部により、暗号化されたコンテンツに復号化処理が施されて、復号化されたコンテンツが取得される。そして、電子すかし埋め込み部により、送信されるコンテンツに、電子すかしを作成するための、コンテンツの流出経路を特定する情報が使用されて電子すかしが埋め込まれる。例えば、電子すかしを作成するための情報には、少なくとも、コンテンツの送信元を識別する情報と、外部機器を識別する情報と、自身の装置を識別する情報とが含まれている。
【0019】
このように本技術において、流出経路を特定する情報を使用して電子すかしが埋め込まれたコンテンツを外部機器に送ることが可能となる。そのため、外部機器から流出経路を特定する情報を使用して電子すかしが埋め込まれたコンテンツを出力する際に、この外部機器ではコンテンツに電子すかしを埋め込む処理を実際に行う必要がなく、処理負荷の軽減が図られる。
【0020】
なお、本技術において、例えば、コンテンツは、フレーム間予測符号化されたフレーム毎のビデオデータを含み、電子すかし埋め込み部は、イントラフレームのビデオデータに電子すかしを埋め込む、ようにされてもよい。この場合、電子すかしの埋め込みのための処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
【0021】
また、本技術の他の概念は、
外部機器から暗号化されたコンテンツを受信し、該外部機器に復号化されたコンテンツを送信するインタフェース部と、
上記暗号化されたコンテンツに復号化処理を施して上記復号化されたコンテンツを取得する復号化部と、
上記送信されるコンテンツに、電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を付加する電子すかし情報付加部とを備える
復号処理装置にある。
【0022】
本技術において、インタフェース部により、外部機器から暗号化されたコンテンツが受信され、この外部機器に復号化されたコンテンツが送信される。復号化部により、暗号化されたコンテンツに復号化処理が施されて、復号化されたコンテンツが取得される。そして、情報付加部により、送信されるコンテンツに、電子すかしを作成するための、このコンテンツの流出経路を特定する情報が付加される。例えば、電子すかしを作成するための情報には、少なくとも、コンテンツの送信元を識別する情報と、外部機器を識別する情報と、自身の装置を識別する情報とが含まれている。
【0023】
このように本技術において、電子すかしを作成するための、流出経路を特定する情報が付加されたコンテンツを外部機器に送ることが可能となる。そのため、外部機器で流出経路を特定する情報を使用して電子すかしを埋め込んだコンテンツを出力する際に、この外部機器では流出経路を特定する情報を容易に取得でき、処理負荷の軽減が図られる。
【0024】
また、本技術の他の概念は、
受信装置と復号処理装置とを備え、
上記受信装置は、
暗号化されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
上記受信されたコンテンツを上記復号処理装置に送信し、該復号処理装置から復号化されたコンテンツを受信するインタフェース部と、
上記復号処理装置から受信されたコンテンツに、該コンテンツに付加されている電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を使用して、電子すかしを埋め込んで出力するコンテンツ出力部とを有し、
上記復号処理装置は、
上記受信装置から上記暗号化されたコンテンツを受信し、該受信装置に上記復号化されたコンテンツを送信するインタフェース部と、
上記暗号化されたコンテンツに復号化処理を施して上記復号化されたコンテンツを取得する復号化部と、
上記送信されるコンテンツに、上記電子すかしを作成するための情報を付加する電子すかし情報付加部とを有する
受信処理システムにある。
【0025】
また、本技術の他の概念は、
受信装置と復号処理装置とを備え、
上記受信装置は、
暗号化されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
上記受信されたコンテンツを上記復号処理装置に送信し、該復号処理装置から復号化されたコンテンツを受信するインタフェース部と、
上記受信されたコンテンツを出力するコンテンツ出力部とを有し、
上記復号処理装置は、
上記受信装置から上記暗号化されたコンテンツを受信し、該受信装置に上記復号化されたコンテンツを送信するインタフェース部と、
上記暗号化されたコンテンツに復号化処理を施して上記復号化されたコンテンツを取得する復号化部と、
上記送信されるコンテンツに、電子すかしを作成するための、該コンテンツの流出経路を特定する情報を使用して電子すかしを埋め込む電子すかし埋め込み部とを有する
受信処理システムにある。
【0026】
また、本技術の他の概念は、
コンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を取得する電子すかし情報取得部と、
上記取得されたコンテンツに、上記取得された情報を使用して、電子すかしを埋め込んで出力するコンテンツ出力部とを備える
情報処理装置にある。
【0027】
本技術において、コンテンツ取得部により、コンテンツが受信される。電子すかし情報取得部により、電子すかしを作成するための、コンテンツの流出経路を特定する情報が取得される。そして、コンテンツ出力部により、取得されたコンテンツに、電子すかしを作成するための情報が使用されて、電子すかしが埋め込まれる。このように本技術においては、出力されるコンテンツに、そのコンテンツの流出経路を特定する情報を使用して電子すかしが埋め込まれるものであり、コンテンツが不正利用された場合、流通経路を特定することが可能となる。また、コンテンツの不正流出を未然に防ぐ抑止力の効果も期待できる。
【発明の効果】
【0028】
本技術によれば、コンテンツの流出経路の特定を良好に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明を以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.変形例
【0031】
<1.実施の形態>
[コンテンツ送受信システムの構成例]
図1は、実施の形態としてのコンテンツ送受信システム10の構成例を示している。このコンテンツ送受信システム10は、放送送出設備11と、ネットワーク(通信網)14に接続されたコンテンツ配信サーバ12およびDRM(Digital Rights Management)サーバ13とを有している。また、このコンテンツ送受信システム10は、エッジルータ15を経由して宅内ネットワーク(LAN)に接続された受信装置16と、この受信装置16に接続されたCAM(Conditional Access Module)モジュール17およびスマートカード18とを有している。
【0032】
放送送出設備11は、A/V(Audio/Visual)コンテンツおよびデータ放送などいわゆる放送ストリームを地上デジタル放送、BS(Broadcast Satellite)/CS(communication ssatellite)放送によって放送波として送出する。A/Vコンテンツは、放送送出設備のCAS(Conditional Access System)システムによって暗号化され、放送送出設備11と受信装置16のCAMモジュール17との間の通信路における不正利用を防止する。ただし、必ずCASによる保護が必要とは限らない。
【0033】
コンテンツ配信サーバ12は、インターネットやCDN(Content Delivery Network)などのネットワーク14上に配置される。上述した放送送出設備11と同様に、A/Vコンテンツや関連データなどが置かれ、ネットワーク14を介して接続された受信装置16にコンテンツを配信する。A/Vコンテンツは、DRM(Digital Rights Management)技術によって保護される。ただし、必ずDRMによる保護が必要とは限らない。
【0034】
DRMサーバ13は、コンテンツ配信サーバ12と同様に、インターネットやCDNなどのネットワーク14上に配置される。このDRMサーバ13は、ネットワーク14を介して接続された受信装置16に、コンテンツを復号するための復号鍵、利用条件などの関連データを配信する。
【0035】
受信装置16としては、例えば、テレビ受信機(TV)やセットトップボックス(STB)などが考えられる。この受信装置16は、放送や通信からA/Vコンテンツを受信し、利用者に提示する機能を持つ。また、この受信装置16は、A/Vコンテンツに重畳されるデータ放送アプリケーションなどを提示する機能も持つ。
【0036】
[受信装置およびCAMモジュールの詳細構成例]
図2は、受信装置16およびCAMモジュール17の詳細な構成例を示している。受信装置16は、放送インタフェース(放送I/F)101と、ミドルウェア(Middle-ware)102と、通信インタフェース(通信I/F)103を有している。
【0037】
また、受信装置16は、アプリケーション(Application)104と、コモンインタフェース(Common I/F)105と、CI+モジュール(CI+module)106を有している。さらに、受信装置16は、デマルチプレクサ(De-multiplexer)107と、デコーダ(Decoder)108と、A/Vプレーヤ(A/V Players)109と、電子すかし生成器110を有している。
【0038】
放送インタフェース101は、放送送出設備11から送出される放送信号を取得する。ミドルウェア102は、放送インタフェース101で取得された放送信号を解析し、選局処理などの処理を行って、所望のコンテンツ(AVストリーム)を得る。通信インタフェース103は、ネットワーク14を介して、コンテンツ配信サーバ12と通信を行って、コンテンツを取得する。また、通信インタフェース103は、ネットワーク14を介して、DRMサーバ13と通信を行って、DRMキーを取得する。
【0039】
アプリケーション104は、受信装置16の機能を制御するソフトウェアである。このアプリケーション104により、表示画面にアイコンが表示され、種々の設定、選択が可能とされる。コモンインタフェース105は、CAMモジュール17との間で、コンテンツおよびコントロール信号の通信(送受信)を行う。CI+モジュール106は、CAMモジュール17との間で相互認証を行って通信路を保護する。
【0040】
デマルチプレクサ107は、CAMモジュール17で復号化された後の放送コンテンツからビデオ、オーディオ、字幕などの符号化ストリームを抽出する。デコーダ108は、デマルチプレクサ107で抽出されたビデオ、オーディオ、字幕などの符号化ストリームに対してデコード処理を行って、ビデオデータ、オーディオデータ、字幕データ等を得る。A/Vプレーヤ109は、CAMモジュール17で復号化された後の通信コンテンツからビデオ、オーディオ、字幕などの符号化ストリームを抽出し、さらに、デコード処理を行って、ビデオデータ、オーディオデータ、字幕データ等を得る。
【0041】
電子すかし生成器110は、デコード後のデータ、例えばビデオデータに電子すかしを埋め込んで出力する。電子すかし生成器110は、電子すかしを作成するための情報を使用して電子すかしを埋め込む。この情報は、コンテンツの流出経路を特定する際に有益となる情報とされる。この情報には、例えば、コンテンツの送信元を識別する情報、自身の装置を識別する情報、CAMモジュール17を識別する情報、現在時刻(コンテンツのデコード時刻)、その他コンテンツのレンダリングに関する情報などが含まれる。
【0042】
コンテンツの送信元を識別する情報として、放送コンテンツの場合には、例えば「Network ID」、「Transport stream ID」、「Service ID」が使用され、通信コンテンツの場合には、例えば「contentserver ID」が使用される。また、自身の装置を識別する情報として、「Host ID」が使用され、CAMモジュール17を識別する情報として、「CICAM ID」が使用される。
【0043】
電子すかし生成器110は、CAMモジュール17で既に電子すかしが埋め込まれている場合には、デコード後のデータに電子すかしを埋め込む処理を行うことなく、デコード後のデータをそのまま出力する。この場合、電子すかしを重ねることによる画質や音質の劣化を回避できる。電子すかし生成器110は、例えば、CAMモジュール17から取得される機能情報に基づいて、デコード後のデータに電子すかしが埋め込まれているか否かを判断できる。
【0044】
受信装置16とCAMモジュール17は、CI+で相互認証する際に、互いの公開鍵証明書を交換し、認証処理を行う。詳細説明は省略するが、この公開鍵証明書のフォーマットは、RFC(Request for Comments)3280に規定されている。公開鍵証明書には拡張記述子を定義することが可能である。ここでは、例えば、以下の記述子が新たに定義される。この記述子を、CI+プロトコル上で、受信装置16とCAMモジュール17とが交換することで、互いの電子すかしの機能および有無を知ることができる。
【0045】
Watermark Capability ::= SEQUENCE {
capability INTEGER
}
【0047】
「capability=0」であるときは、「電子すかし機能なし」を示す。また、「capability=1」であるときは、「Iフレーム(イントラフレーム)に電子すかしを埋め込む」ことを示す。また、「capability=2」であるときは、「SEI(Supplementenhancement information)に電子すかし情報を埋め込む」ことを示す。さらに、「capability=3」であるときは、「MPEG2TSのアダプテーションフィールド」に電子すかし情報を埋め込む」ことを示す。ここで、電子すかし情報は、上述した電子すかしを作成するための情報を意味する。
【0048】
電子すかし生成器110は、例えば、CAMモジュール17から送られてくる復号化後のコンテンツに電子すかしを作成するための情報が付加されているときは、その情報を使用できる。電子すかし生成器110は、例えば、CAMモジュール17から取得される機能情報に基づいて、復号化後のコンテンツに電子すかしを作成するための情報が付加されているか否かを知ることができる(表1参照)。
【0049】
電子すかしを作成するための情報をコンテンツから取り出して電子すかし生成器110に渡す方法は、この電子すかし情報が埋め込まれた(配置された)場所によって異なる。例えば、符号化方式がH.264/AVC(ISO/IEC14496−10)でSEIフィールドに埋め込まれている場合には、デマルチプレクサ107で抽出される。しかし、埋め込み位置が他のフィールドであれば別のモジュールが処理すると考えられる。ただし、これは一例であり、実際に処理するモジュールは実装により異なる。
【0050】
また、電子すかし生成器110は、電子すかしを作成するための情報を独自に取得して使用することもできる。この場合、放送コンテンツあるいは通信コンテンツに送出側(サービス側)で予め電子すかしを作成するために使用すべき情報(コンテンツの流出経路を特定するために有用な情報)が付加されることも考えられる。この場合、例えば、符号化方式がH264/AVCであれば、送出側でSEIフィールドに、サービサーが決めるデータを配置する方法などが考えられる。このような場合、電子すかし生成器110は、その情報を、電子すかしを作成するための情報としてさらに取得して用いる。この場合、コンテンツの送信元で付加されたコンテンツの流出経路を特定するために有用な情報を使用して電子すかしの埋め込みを行うことが可能となる。
【0051】
電子すかしを作成するための情報(電子すかし情報)は、上述したように、符号化方式がH264/AVCであれば、SEIフィールドに付加される。この場合、例えば、以下に示すリザーブドSEIメッセージ「reserved_sei_message」を利用できる。しかし、新たなSEIメッセージを定義して、電子すかし情報を付加することも可能である。
【0052】
reserved_sei_message (payloadSize) {
for(i=0; i <payloadSize; i++)
reserved_sei_message payload_byte b(8)
}
【0053】
また、CAMモジュール17は、コモンインタフェース(Common I/F)201と、CI+モジュール(CI+module)202と、CASデクリプション(CAS decryption)203と、DRMクライアント(DRM client)204を有している。また、CAMモジュール17は、電子すかし生成器205と、Iフレーム(I-Frame)検出器206を有している。
【0054】
コモンインタフェース201は、受信装置16との間で、コンテンツおよびコントロール信号の通信(送受信)を行う。CI+モジュール202は、受信装置16との間で相互認証を行って通信路を保護する。CASデクリプション203は、受信装置16から送られてくる暗号化されているコンテンツ(放送コンテンツ)を、視聴加入者情報、契約期間情報等が記録されているスマートカード18を用いて復号化する。DRMクライアント204は、受信装置16から送られてくる暗号化されているコンテンツ(通信コンテンツ)を復号化する。
【0055】
電子すかし生成器205は、復号化されたコンテンツに電子すかしを埋め込む。ここで、コンテンツは例えばフレーム間予測符号化されたフレーム毎のビデオデータであり、Iフレーム検出器206は、Iフレーム(イントラフレーム)を検出する。電子すかし生成器205は、Iフレーム検出器206で検出されたIフレームのみに、電子すかしを埋め込む。この場合、電子すかし生成器205は、復号化されたコンテンツからIフレームのみを抽出してデコード処理を行い、電子すかし情報をそのIフレームに埋め込み、その後に再エンコードする。
【0056】
このように、Iフレームのみをデコードする理由は、CAMモジュール17が全フレームをデコードし、さらにエンコードする処理は負荷が重いためである。すなわち、Iフレームのみに選択的に電子すかしを埋め込むことで、電子すかしの埋め込みのための処理負荷の軽減を図ることが可能となる。ただし、CAMモジュール17の性能が高く、全フレームへの電子すかしの埋め込みが可能であれば実行してもよい。
【0057】
電子すかし生成器205は、上述の受信装置16における電子すかし生成器110と同様に、電子すかしを作成するための情報を使用して電子すかしを埋め込む。電子すかし生成器205は、電子すかしを作成するための情報を取得して用いる。ここで、電子すかしを作成するための情報は、コンテンツの流出経路を特定する際に有益となる情報であり、例えば、コンテンツの送信元を識別する情報、受信装置16を識別する情報、自身の装置を識別する情報、現在時刻(コンテンツのデコード時刻)、その他コンテンツのレンダリングに関する情報などが含まれる。
【0058】
なお、放送コンテンツあるいは通信コンテンツに送出側(サービス側)で予め電子すかしを作成するために使用すべき情報(コンテンツの流出経路を特定するために有用な情報)が付加されることも考えられる。このような場合、電子すかし生成器205は、その情報を、電子すかしを作成するための情報としてさらに取得して用いる。この場合、コンテンツの送信元で付加されたコンテンツの流出経路を特定するために有用な情報を使用して電子すかしの埋め込みを行うことが可能となる。
【0059】
図2に示すCAMモジュール17は、電子すかしの埋め込み機能を有するものである。この場合、受信装置16から流出経路を特定する情報を使用して電子すかしが埋め込まれたコンテンツを出力する際に、この受信装置16ではコンテンツに電子すかしを埋め込む処理を実際に行う必要がなく、処理負荷の軽減が図られる。
【0060】
ここで、復号化されたコンテンツに電子すかしを作成するための情報(電子すかし情報)を埋め込むだけで、電子すかしの埋め込みを行わない例も考えられる。
図3は、その場合における受信装置16およびCAMモジュール17の詳細な構成例を示している。この
図3において、
図2と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0061】
受信装置16は、上述の
図2における受信装置16と同様に構成されている。また、CAMモジュール17は、コモンインタフェース(Common I/F)201と、CI+モジュール(CI+module)202と、CASデクリプション(CAS decryption)203と、DRMクライアント(DRM client)204と、電子すかし情報付加部207を有している。
【0062】
電子すかし情報付加部207は、復号化されたコンテンツに、電子すかしを作成するための情報(電子すかし情報)を付加する。電子すかし情報付加部207は、電子すかしを作成するための情報を取得して用いる。ここで、電子すかしを作成するための情報は、コンテンツの流出経路を特定する際に有益となる情報であり、例えば、コンテンツの送信元を識別する情報、受信装置16を識別する情報、自身の装置を識別する情報、現在時刻(コンテンツのデコード時刻)、その他コンテンツのレンダリングに関する情報などが含まれる。電子すかし情報付加部207は、電子すかし情報を、上述したように、例えば、SEIフィールドあるいはMPEG2TSのアダプテーションフィールドなどに埋め込む。
【0063】
なお、放送コンテンツあるいは通信コンテンツに送出側(サービス側)で予め電子すかしを作成するために使用すべき情報(コンテンツの流出経路を特定するために有用な情報)が付加されることも考えられる。このような場合、電子すかし情報付加部207は、その情報を、電子すかしを作成するための情報としてさらに取得して用いる。この場合、コンテンツの送信元で付加されたコンテンツの流出経路を特定するために有用な情報を、電子すかしを作成するための情報としてさらに付加することが可能となる。
【0064】
コンテンツの送信元を識別する情報として、放送コンテンツの場合には、例えば「Network ID」、「Transport stream ID」、「Service ID」が使用され、通信コンテンツの場合には、例えば「contentserver ID」が使用される。また、受信装置16を識別する情報として、「Host ID」が使用され、自身の装置を識別する情報として、「CICAM ID」が使用される。
図3に示すCAMモジュール17のその他は、詳細説明は省略するが、
図2に示すCAMモジュール17と同様に構成されている。
【0065】
この
図3に示すCAMモジュール17では、電子すかしを作成するための、流出経路を特定する情報が付加されたコンテンツを受信装置16に送ることが可能となる。そのため、受信装置16で流出経路を特定する情報を使用して電子すかしを埋め込んだコンテンツを出力する際に、この受信装置16では流出経路を特定する情報を容易に取得でき、処理負荷の軽減が図られる。
【0066】
[コンテンツ送受信システムの動作例]
「動作例1」
図4のフローチャートは、放送コンテンツを受信する場合における受信装置(Host)16およびCAMモジュール17の処理手順の一例を示している。また、
図5のシーケンス図は、その場合に対応した放送送出設備11、受信装置(Host)16およびCAMモジュール17の動作例を示している。
【0067】
受信装置(Host)16およびCAMモジュール17は、ステップST1において、処理を開始する。そして、ステップST2において、受信装置16(ミドルウェア102)は、リモコンなどの選局処理により、選局操作を行う。そして、ステップST3において、受信装置16は、放送送出設備11から、選局したチャネルの番組を受信する。
【0068】
次に、ステップST4において、受信装置16は、CAMモジュール17に、コンテンツの復号(CAS)を要求する。次に、ステップST5において、CAMモジュール16は、CASデクリプション(CASモジュール)202を使って、コンテンツを復号化する。次に、CAMモジュール17は、ステップST6において、電子すかしを作成するための情報(電子すかし情報)を取得する。
【0069】
次に、CAMモジュール17は、ステップST7において、デコード処理が可能か否か、つまり電子すかしの埋め込みが可能か否かを判断する。CAMモジュール17は、デコード処理が可能であるとき(
図2のCAMモジュール17参照)、ステップST8の処理に移る。このステップST8において、CAMモジュール17は、復号化されたコンテンツ(AVストリーム)のIフレーム(イントラフレーム)をデコードする。
【0070】
次に、CAMモジュール17は、ステップST9において、そのIフレームに電子すかしを埋め込み、再エンコードする。次に、受信装置16は、ステップST10において、CAMモジュール17で復号化されたコンテンツ(AVストリーム)をデコードして出力する。そして、受信装置16およびCAMモジュール17は、ステップST11において、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したか否かを判断する。コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達していないとき、ステップST8の処理に戻って、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したときは、ステップST12において、処理を終了する。
【0071】
また、ステップST7でデコード処理が不可能であるとき(
図3のCAMモジュール17参照)、CAMモジュール17は、ステップST13において、復号化されたコンテンツ(AVストリーム)に電子すかし情報(電子すかしを作成するための情報)を付加する。そして、受信装置16は、ステップST14において、CAMモジュール17で復号化されたコンテンツ(AVストリーム)をデコードして出力する。この際、受信装置16は、コンテンツに付加されている電子すかし情報を使用して、デコードされたコンテンツに電子すかしを埋め込む。
【0072】
そして、受信装置16およびCAMモジュール17は、ステップST15において、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したか否かを判断する。コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達していないとき、ステップST13の処理に戻って、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したときは、ステップST12において、処理を終了する。
【0073】
「動作例2」
図6のフローチャートは、通信コンテンツを受信する場合における受信装置(Host)16およびCAMモジュール17の処理手順の一例を示している。また、
図7のシーケンス図は、その場合に対応した放送送出設備11、受信装置(Host)16およびCAMモジュール17の動作例を示している。この例は、DRMキー(DRM Key)およびコンテンツの取得を、受信装置16のA/Vプレーヤ109がコントロールするものである。
【0074】
受信装置(Host)16およびCAMモジュール17は、ステップST21において、処理を開始する。次に、受信装置16(A/Vプレーヤ109)は、ステップST22において、CAMモジュール17にDRMキーの取得を要求する。そして、CAMモジュール17のDRMクライアント(DRMモジュール)204とDRMサーバ13は、ステップST23において、相互認証と鍵交換を行う。
【0075】
次に、CAMモジュール17のDRMクライアント(DRMモジュール)204は、ステップST24において、相互認証と鍵交換に成功したか否かを判断する。成功したとき、DRMクライアント(DRMモジュール)204は、ステップST25において、DRMサーバ13からDRMキーを取得する。そして、DRMクライアント(DRMモジュール)204は、ステップST26において、受信装置16(A/Vプレーヤ109)に、DRMキーの取得結果を返す。
【0076】
次に、受信装置16(A/Vプレーヤ109)は、ステップST27において、DRMキーの取得に成功したか否かを判断する。成功したとき、受信装置16(A/Vプレーヤ109)は、ステップST28において、コンテンツ配信サーバ12に、コンテンツを要求し、取得する。そして、受信装置16(A/Vプレーヤ109)は、ステップST29において、CAMモジュール17にコンテンツの復号化を要求する。
【0077】
次に、CAMモジュール17のDRMクライアント(DRMモジュール)204は、ステップST30において、DRMキーを使用して、コンテンツの復号化を行う。そして、CAMモジュール17は、ステップST31において、電子すかしを作成するための情報(電子すかし情報)を取得する。
【0078】
次に、CAMモジュール17は、ステップST32において、デコード処理が可能か否か、つまり電子すかしの埋め込みが可能か否かを判断する。CAMモジュール17は、デコード処理が可能であるとき(
図2のCAMモジュール17参照)、ステップS33の処理に移る。このステップST33において、CAMモジュール17は、復号化されたコンテンツ(AVストリーム)のIフレーム(イントラフレーム)をデコードする。そして、CAMモジュール17は、ステップST34において、そのIフレームに電子すかしを埋め込み、再エンコードする。
【0079】
次に、受信装置16は、ステップST35において、CAMモジュール17で復号化されたコンテンツ(AVストリーム)をデコードして出力する。この際、コンテンツにはCAMモジュール17で電子すかしが既に埋め込まれているので、受信装置16では、電子すかしの埋め込みは行われない。
【0080】
次に、受信装置16およびCAMモジュール17は、ステップST36において、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したか否かを判断する。コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達していないとき、ステップST33の処理に戻って、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したときは、ステップST37において、処理を終了する。
【0081】
また、ステップST32でデコード処理が不可能であるとき(
図3のCAMモジュール17参照)、CAMモジュール17は、ステップST38において、復号化されたコンテンツ(AVストリーム)に電子すかし情報(電子すかしを作成するための情報)を付加する。そして、受信装置16は、ステップST39において、CAMモジュール17で復号化されたコンテンツ(AVストリーム)をデコードして出力する。この際、受信装置16は、コンテンツに付加されている電子すかし情報を使用して、デコードされたコンテンツに電子すかしを埋め込む。
【0082】
そして、受信装置16およびCAMモジュール17は、ステップST40において、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したか否かを判断する。コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達していないとき、ステップST38の処理に戻って、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したときは、受信装置16およびCAMモジュール17は、ステップST37において、処理を終了する。
【0083】
また、ステップST24で相互認証と鍵交換に成功しないとき、あるいはステップST27でDRMキーの取得に成功しないとき、受信装置16(A/Vプレーヤ109)は、ステップST41において、エラー表示を行う。そして、受信装置16およびCAMモジュール17は、ステップST37において、処理を終了する。
【0084】
「動作例3」
図8のフローチャートは、通信コンテンツを受信する場合における受信装置(Host)16およびCAMモジュール17の処理手順の一例を示している。また、
図9のシーケンス図は、その場合に対応した放送送出設備11、受信装置(Host)16およびCAMモジュール17の動作例を示している。この例は、DRMキー(DRM Key)およびコンテンツの取得を、受信装置16のCI+モジュール106がコントロールするものである。
【0085】
受信装置(Host)16およびCAMモジュール17は、ステップST51において、処理を開始する。次に、受信装置16(A/Vプレーヤ109)は、ステップST52において、CI+モジュール106に、コンテンツの取得を要求する。このCI+モジュール106は、ステップST53において、CAMモジュール17にDRMキーの取得を要求する。そして、CAMモジュール17のDRMクライアント(DRMモジュール)204とDRMサーバ13は、ステップST54において、相互認証と鍵交換を行う。
【0086】
次に、CAMモジュール17のDRMクライアント(DRMモジュール)204は、ステップST55において、相互認証と鍵交換に成功したか否かを判断する。成功したとき、DRMクライアント(DRMモジュール)204は、ステップST56において、DRMサーバ13からDRMキーを取得する。そして、DRMクライアント(DRMモジュール)204は、ステップST57において、受信装置16(CI+モジュール106)に、DRMキーの取得結果を返す。
【0087】
次に、受信装置16(CI+モジュール106)は、ステップST58において、DRMキーの取得に成功したか否かを判断する。成功したとき、受信装置16(CI+モジュール106)は、ステップST59において、コンテンツ配信サーバ12に、コンテンツを要求し、取得する。そして、受信装置16(CI+モジュール106)は、ステップST60において、CAMモジュール17にコンテンツの復号化を要求する。
【0088】
次に、CAMモジュール17のDRMクライアント(DRMモジュール)204は、ステップST61において、DRMキーを使用して、コンテンツの復号化を行う。そして、CAMモジュール17は、ステップST62において、電子すかしを作成するための情報(電子すかし情報)を取得する。
【0089】
次に、CAMモジュール17は、ステップST63において、デコード処理が可能か否か、つまり電子すかしの埋め込みが可能か否かを判断する。CAMモジュール17は、デコード処理が可能であるとき(
図2のCAMモジュール17参照)、ステップS64の処理に移る。このステップST64において、CAMモジュール17は、復号化されたコンテンツ(AVストリーム)のIフレームをデコードする。そして、CAMモジュール17は、ステップST65において、そのIフレームに電子すかしを埋め込み、再エンコードする。
【0090】
次に、受信装置16は、ステップST66において、CAMモジュール17で復号化されたコンテンツ(AVストリーム)をデコードして出力する。この際、コンテンツにはCAMモジュール17で電子すかしが既に埋め込まれているので、受信装置(Host)16では、電子すかしの埋め込みは行われない。
【0091】
次に、受信装置16およびCAMモジュール17は、ステップST67において、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したか否かを判断する。コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達していないとき、ステップST64の処理に戻って、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したときは、ステップST68において、処理を終了する。
【0092】
また、ステップST63でデコード処理が不可能であるとき(
図3のCAMモジュール17参照)、CAMモジュール17は、ステップST69において、復号化されたコンテンツ(AVストリーム)に電子すかし情報(電子すかしを作成するための情報)を付加する。
【0093】
次に、受信装置16は、ステップST70において、CAMモジュール17で復号化されたコンテンツ(AVストリーム)をデコードして出力する。この際、受信装置16は、コンテンツに付加されている電子すかし情報を使用して、デコードされたコンテンツに電子すかしを埋め込む。
【0094】
そして、受信装置16およびCAMモジュール17は、ステップST71において、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したか否かを判断する。コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達していないとき、ステップST69の処理に戻って、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したときは、受信装置16およびCAMモジュール17は、ステップST68において、処理を終了する。
【0095】
また、ステップST55で相互認証と鍵交換に成功しないとき、あるいはステップST58でDRMキーの取得に成功しないとき、受信装置16(CI+モジュール106)は、ステップST72において、エラー表示を行う。そして、受信装置16およびCAMモジュール17は、ステップST68において、処理を終了する。
【0096】
「動作例4」
図10のフローチャートは、通信コンテンツを受信する場合における受信装置16AおよびCAMモジュール17Aの処理手順の一例を示している。また、
図11のシーケンス図は、その場合に対応した放送送出設備11、受信装置16AおよびCAMモジュール17Aの動作例を示している。この例は、DRMキー(DRM Key)およびコンテンツの取得を、CAMモジュール17がコントロールするものである。
【0097】
図12は、この例におけるコンテンツ送受信システム10Aの構成例を示している。この
図12において、
図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。受信装置16Aは、
図13、
図14に示すように、コンテンツ配信サーバ12およびDRMサーバ13と通信を行う通信インタフェースがないことを除き、
図1のコンテンツ送受信システム10における受信装置16(
図2、
図3参照)と同様に構成される。
【0098】
また、CAMモジュール17Aは、
図13、
図14に示すように、コンテンツ配信サーバ12およびDRMサーバ13と通信を行う通信インタフェース208があることを除き、
図1のコンテンツ送受信システム10におけるCAMモジュール17(
図2、
図3参照)と同様に構成される。
【0099】
受信装置(Host)16AおよびCAMモジュール17Aは、ステップST81において、処理を開始する。次に、受信装置16A(A/Vプレーヤ109)は、ステップST82において、CAMモジュール17Aに、コンテンツの取得を要求する。次に、CAMモジュール17AのDRMクライアント(DRMモジュール)204とDRMサーバ13は、ステップST83において、相互認証と鍵交換を行う。この場合、CAMモジュール17AのDRMクライアント(DRMモジュール)204は、通信インタフェース208により、DRMサーバ13と直接通信を行う。
【0100】
次に、CAMモジュール17AのDRMクライアント(DRMモジュール)204は、ステップST84において、相互認証と鍵交換に成功したか否かを判断する。成功したとき、DRMクライアント(DRMモジュール)204は、ステップST85において、DRMサーバ13からDRMキーを取得する。この場合も、DRMクライアント(DRMモジュール)204は、通信インタフェース208により、DRMサーバ13と直接通信を行う。
【0101】
次に、CAMモジュール17AのDRMクライアント(DRMモジュール)204は、ステップST86において、DRMキーの取得に成功したか否かを判断する。成功したとき、DRMクライアント(DRMモジュール)204は、ステップST87において、コンテンツ配信サーバ12に、コンテンツを要求し、取得する。この場合も、DRMクライアント(DRMモジュール)204は、通信インタフェース208により、DRMサーバ13と直接通信を行う。
【0102】
次に、DRMクライアント(DRMモジュール)204は、ステップST88において、DRMキーを使用して、コンテンツの復号化を行う。次に、CAMモジュール17Aは、ステップST89において、電子すかしを作成するための情報(電子すかし情報)を取得する。
【0103】
次に、CAMモジュール17Aは、ステップST90において、デコード処理が可能か否か、つまり電子すかしの埋め込みが可能か否かを判断する。CAMモジュール17Aは、デコード処理が可能であるとき(
図12のCAMモジュール17A参照)、ステップS91の処理に移る。このステップST91において、CAMモジュール17Aは、復号化されたコンテンツ(AVストリーム)のIフレームをデコードする。そして、CAMモジュール17Aは、ステップST92において、そのIフレームに電子すかしを埋め込み、再エンコードする。
【0104】
次に、受信装置16Aは、ステップST93において、CAMモジュール17Aで復号化されたコンテンツ(AVストリーム)をデコードして出力する。この際、コンテンツにはCAMモジュール17で電子すかしが既に埋め込まれているので、受信装置16Aでは、電子すかしの埋め込みは行われない。
【0105】
次に、受信装置16AおよびCAMモジュール17Aは、ステップST94において、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したか否かを判断する。コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達していないとき、ステップST91の処理に戻って、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したときは、ステップST95において、処理を終了する。
【0106】
また、ステップST90でデコード処理が不可能であるとき(
図14のCAMモジュール17A参照)、CAMモジュール17Aは、ステップST96において、復号化されたコンテンツ(AVストリーム)に電子すかし情報(電子すかしを作成するための情報)を付加する。
【0107】
次に、受信装置16Aは、ステップST97において、CAMモジュール17Aで復号化されたコンテンツ(AVストリーム)をデコードして出力する。この際、受信装置16Aは、コンテンツに付加されている電子すかし情報を使用して、デコードされたコンテンツに電子すかしを埋め込む。
【0108】
そして、受信装置16AおよびCAMモジュール17Aは、ステップST98において、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したか否かを判断する。コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達していないとき、ステップST96の処理に戻って、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、コンテンツ(AVストリーム)の最後まで到達したときは、受信装置16AおよびCAMモジュール17Aは、ステップST95において、処理を終了する。
【0109】
また、ステップST84で相互認証と鍵交換に成功しないとき、あるいはステップST86でDRMキーの取得に成功しないとき、受信装置16(CI+モジュール106)は、ステップST99において、エラー表示を行う。そして、受信装置16AおよびCAMモジュール17Aは、ステップST95において、処理を終了する。
【0110】
上述したように、
図1、
図12に示すコンテンツ送受信システム10,10Aにおいては、受信装置16,16Aでデコードされて出力されるコンテンツに、そのコンテンツの流出経路を特定する情報が使用されて電子すかしが埋め込まれる。そのため、コンテンツが不正利用された場合、流通経路を特定することが可能となる。また、コンテンツの不正流出を未然に防ぐ抑止力の効果も期待できる。
【0111】
また、
図1、
図12に示すコンテンツ送受信システム10,10Aにおいては、放送と通信の両コンテンツに対して一元的に対応できる。また、
図1、
図12に示すコンテンツ送受信システム10,10Aにおいては、他のコンテンツ保護機能が集約されたCAMモジュール17,17A内部で電子すかし情報を扱うものであり、従来のコンテンツ保護の堅牢性を維持しながら、かつ新たな保護機能を実現できる。
【0112】
<2.変形例>
なお、上述実施の形態においては、受信装置16,16Aにコモンインタフェースで接続されたCAMモジュール17,17Aにより放送コンテンツおよび通信コンテンツの復号化が行われるものである。しかし、本技術は、これら受信装置およびCAMモジュールが一体化されたような受信装置にも、同様に適用できることは勿論である。
【0113】
また、上述実施の形態においては、CAMモジュール17,17Aがコンテンツに電子すかし情報を付加する際に、SEIフィールドあるいはMPEG2TSのアダプテーションフィールドに埋め込むことを説明した。しかし、電子すかし情報を埋め込む個所は、これらに限定されるものではない。
【0114】
また、上述実施の形態においては、受信装置16,16Aが、放送送出設備11から放送コンテンツを受信すると共に、ネットワーク14に接続されたコンテンツ配信サーバ12から通信コンテンツを受信して処理をするものを示した。しかし、本技術は、放送コンテンツまたは通信コンテンツのいずれかを受信して処理する受信装置にも同様に適用できる。
【0115】
また、上述実施の形態においては、受信装置16,16A、あるいはCAMモジュール17,17Aでコンテンツに電子すかしを埋め込むものである。しかし、放送送出設備11あるいはコンテンツ配信サーバ12でコンテンツに電子すかしを埋め込んで配信することも考えられる。例えば、コンテンツ配信サーバ12が通信コンテンツに電子すかしを埋め込む場合には、受信装置の要求に応じてコンテンツを配信するものである。そのため、電子すかし情報として、送信元を識別する情報(「content server ID」など)の他に、受信装置やCAMモジュールを識別する情報(「Host ID」、「CICAM ID」など)を含めることも容易に可能となる。
【0116】
また、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。
(1)コンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を取得する電子すかし情報取得部と、
上記受信されたコンテンツに、上記取得された情報を使用して電子すかしを埋め込んで出力するコンテンツ出力部とを備える
受信装置。
(2)上記コンテンツ受信部は、
デジタル放送システムおよび/またはネットワーク上の配信サーバから上記コンテンツを受信する
前記(1)に記載の受信装置。
(3)上記電子すかしを作成するための情報には、
少なくとも、上記コンテンツの送信元を識別する情報と、自身の装置を識別する情報とが含まれている
前記(1)または(2)に記載の受信装置。
(4)上記電子すかし情報取得部は、
上記受信されたコンテンツに上記電子すかしを作成するために使用すべき情報が付加されているとき、該情報をさらに取得する
前記(1)から(3)のいずれかに記載の受信装置。
(5)コンテンツを受信するステップと、
電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を取得するステップと、
上記受信されたコンテンツに、上記取得された情報を使用して電子すかしを埋め込んで出力するステップを備える
受信方法。
(6)コンピュータを、
コンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、
電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を取得する電子すかし情報取得手段と、
上記復号化されたコンテンツに、上記取得された情報を使用して電子すかしを埋め込んで出力するコンテンツ出力手段と
して機能させるプログラム。
(7)暗号化されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
上記受信されたコンテンツを外部機器に送信し、該外部機器から復号化されたコンテンツを受信するインタフェース部と、
上記外部機器から受信されたコンテンツに、電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を使用して電子すかしを埋め込んで出力するコンテンツ出力部とを備える
受信装置。
(8)上記コンテンツ出力部は、
上記外部機器から受信されたコンテンツに付加されている上記電子すかしを作成するための情報を使用する
前記(7)に記載の受信装置。
(9)上記コンテンツ出力部は、
上記外部機器から受信されたコンテンツに電子すかしが既に埋め込まれていると判断するとき、上記外部機器から受信されたコンテンツに電子すかしの埋め込みを行わない
前記(7)または(8)に記載の受信装置。
(10)上記インタフェース部は、
上記外部機器から、該外部機器の機能情報をさらに受信し、
上記コンテンツ出力部は、
上記受信された機能情報に基づいて、上記外部機器から受信されたコンテンツに電子すかしが埋め込まれているか否かを判断する
前記(9)に記載の受信装置。
(11)上記電子すかしを作成するための情報には、
少なくとも、上記コンテンツの送信元を識別する情報と、自身の装置を識別する情報と、上記外部機器を識別する情報が含まれている
前記(7)から(10)のいずれかに記載の受信装置。
(12)外部機器から暗号化されたコンテンツを受信し、該外部機器に復号化されたコンテンツを送信するインタフェース部と、
上記暗号化されたコンテンツに復号化処理を施して上記復号化されたコンテンツを取得する復号化部と、
上記送信されるコンテンツに、電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を使用して電子すかしを埋め込む電子すかし埋め込み部とを備える
復号処理装置。
(13)上記コンテンツは、フレーム間予測符号化されたフレーム毎のビデオデータを含み、
上記電子すかし埋め込み部は、
イントラフレームのビデオデータに電子すかしを埋め込む
前記(12)に記載の復号処理装置。
(14)上記電子すかしを作成するための情報には、
少なくとも、上記コンテンツの送信元を識別する情報と、上記外部機器を識別する情報と、自身の装置を識別する情報とが含まれている
前記(12)または(13)に記載の復号処理装置。
(15)外部機器から暗号化されたコンテンツを受信し、該外部機器に復号化されたコンテンツを送信するインタフェース部と、
上記暗号化されたコンテンツに復号化処理を施して上記復号化されたコンテンツを取得する復号化部と、
上記送信されるコンテンツに、電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を付加する電子すかし情報付加部とを備える
復号処理装置。
(16)上記電子すかしを作成するための情報には、
少なくとも、上記コンテンツの送信元を識別する情報と、上記外部機器を識別する情報と、自身の装置を識別する情報とが含まれている
前記(15)に記載の復号処理装置。
(17)受信装置と復号処理装置とを備え、
上記受信装置は、
暗号化されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
上記受信されたコンテンツを上記復号処理装置に送信し、該復号処理装置から復号化されたコンテンツを受信するインタフェース部と、
上記復号処理装置から受信されたコンテンツに、該コンテンツに付加されている電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を使用して、電子すかしを埋め込んで出力するコンテンツ出力部とを有し、
上記復号処理装置は、
上記受信装置から上記暗号化されたコンテンツを受信し、該受信装置に上記復号化されたコンテンツを送信するインタフェース部と、
上記暗号化されたコンテンツに復号化処理を施して上記復号化されたコンテンツを取得する復号化部と、
上記送信されるコンテンツに、上記電子すかしを作成するための情報を付加する電子すかし情報付加部とを有する
受信処理システム。
(18)受信装置と復号処理装置とを備え、
上記受信装置は、
暗号化されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
上記受信されたコンテンツを上記復号処理装置に送信し、該復号処理装置から復号化されたコンテンツを受信するインタフェース部と、
上記受信されたコンテンツを出力するコンテンツ出力部とを有し、
上記復号処理装置は、
上記受信装置から上記暗号化されたコンテンツを受信し、該受信装置に上記復号化されたコンテンツを送信するインタフェース部と、
上記暗号化されたコンテンツに復号化処理を施して上記復号化されたコンテンツを取得する復号化部と、
上記送信されるコンテンツに、電子すかしを作成するための、該コンテンツの流出経路を特定する情報を使用して電子すかしを埋め込む電子すかし埋め込み部とを有する
受信処理システム。
(19)コンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
電子すかしを作成するための、上記コンテンツの流出経路を特定する情報を取得する電子すかし情報取得部と、
上記取得されたコンテンツに、上記取得された情報を使用して、電子すかしを埋め込んで出力するコンテンツ出力部とを備える
情報処理装置。