(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067035
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】基板処理モジュール及びそれを含む基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20170116BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-555474(P2014-555474)
(86)(22)【出願日】2012年11月23日
(65)【公表番号】特表2015-511399(P2015-511399A)
(43)【公表日】2015年4月16日
(86)【国際出願番号】KR2012009955
(87)【国際公開番号】WO2013122311
(87)【国際公開日】20130822
【審査請求日】2014年7月30日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0015735
(32)【優先日】2012年2月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509123895
【氏名又は名称】ユ−ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】特許業務法人小倉特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100081695
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 正明
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,イル−クヮン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ビョン−ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョン−フン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン−キ
(72)【発明者】
【氏名】シン,ヤン−シク
【審査官】
儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−242648(JP,A)
【文献】
特開昭62−252931(JP,A)
【文献】
特開2000−021946(JP,A)
【文献】
特開2007−049150(JP,A)
【文献】
特開平08−139070(JP,A)
【文献】
特開平08−288374(JP,A)
【文献】
特開2006−009144(JP,A)
【文献】
米国特許第05667592(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開放され,一側に基板が出入する通路が形成される下部チャンバと,
前記下部チャンバの内部に,予め設定された中心を基準に周縁に固定配置され,工程進行の際に上部に前記基板がそれぞれ載置される複数のサセプタと,
前記中心に設置されて前記中心を基準に回転可能な回転部材と,
前記回転部材にそれぞれ連結されて前記回転部材と共に回転し,前記基板がそれぞれ載置される一つ以上の固定面をそれぞれ有する複数のホルダと,
前記回転部材に連結され,前記回転部材を駆動して前記ホルダのうちいずれか一つを前記通路に対応する伝達位置に移動させる駆動モジュールと,
前記下部チャンバの底部表面より突出し,前記サセプタの外側にそれぞれ配置される複数の外側支持台と,
複数の内側支持台を含み,
前記内側支持台のそれぞれが,前記外側支持台の内側に配置され,且つ,前記外側支持台と前記内側支持台間に排気空間が形成されるよう前記外側支持台から離間して配置されており,
前記下部チャンバの上部に連結されて,前記複数のサセプタの中心に対応する位置にプロセスガスを供給するための開口を有する上部チャンバと,
下部が開放された形状であり,前記下部が前記上部チャンバの前記開口に連結されるシリンダと,
前記シリンダに連結され,外部から供給されたプロセスガスを前記シリンダの内部に供給するガス供給ポートとを更に含み,
前記下部チャンバは下部壁の縁に沿って形成された複数の排気ポートを有し,
前記排気ポートは前記サセプタの外側にそれぞれ配置されると共に,前記排気空間と連通し,前記排気空間内の反応副産物を前記下部壁の縁に誘導することを特徴とする基板処理モジュール。
【請求項2】
前記駆動モジュールは前記回転部材を昇降して前記ホルダを収容高さ及びロード高さに移動し,
前記ホルダは,
前記収容高さで前記サセプタより高く位置し,
前記ロード高さでそれぞれの前記固定面が前記サセプタの上部面より低く位置することを特徴とする請求項1記載の基板処理モジュール。
【請求項3】
前記ホルダは前記収容高さに置かれた状態で前記伝達位置に移動することを特徴とする請求項2記載の基板処理モジュール。
【請求項4】
前記ホルダは,
前記下部チャンバの外側に向かって開放され,中心角が180度以上である円弧状のフォークと,
前記フォークに連結されて前記フォークの内側に向かって突出され,前記固定面を提供する一つ以上の支持チップと,を具備し,
前記サセプタは上部に位置した前記ホルダが前記ロード高さに移動される際に前記支持チップが挿入される一つ以上の挿入溝を有することを特徴とする請求項2記載の基板処理モジュール。
【請求項5】
前記サセプタは,
ヒーティングプレートと,
前記ヒーティングプレートの上部に位置し,前記基板が載置される支持面を有するカバーと,を具備し,
前記挿入溝は前記支持面の縁に形成されることを特徴とする請求項4記載の基板処理モジュール。
【請求項6】
前記サセプタ及び前記ホルダは前記中心を基準に等角度を成すように配置され,
前記サセプタの個数は前記ホルダの個数と同じであることを特徴とする請求項1記載の基板処理モジュール。
【請求項7】
前記サセプタのうちいずれか一つは前記通路に対応するように位置することを特徴とする請求項6記載の基板処理モジュール。
【請求項8】
前記基板処理モジュールは,
前記シリンダを囲み,前記シリンダの内部に電界を形成するアンテナを更に含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理モジュール。
【請求項9】
外部から移送された基板が置かれ,内部が真空状態及び大気圧状態に調圧されるロードロックチャンバと,
前記基板に対する処理が行われる基板処理モジュールと,
前記ロードロックチャンバと前記基板処理モジュールとの間に配置され,前記ロードロックチャンバと前記基板処理モジュールとの間で前記基板を移送する基板移送ロボットを具備する基板移送モジュールと,を含み,
前記基板処理モジュールは,
上部が開放され,一側に基板が出入する通路が形成される下部チャンバと,
前記下部チャンバの内部に,予め設定された中心を基準に周縁に固定配置され,工程進行の際に上部に前記基板がそれぞれ載置される複数のサセプタと,
前記中心に設置されて前記中心を基準に回転可能な回転部材と,
前記回転部材にそれぞれ連結されて前記回転部材と共に回転し,前記基板がそれぞれ載置される一つ以上の固定面をそれぞれ有する複数のホルダと,
前記回転部材に連結され,前記回転部材を駆動して前記ホルダのうちいずれか一つを前記通路に対応する伝達位置に移動させる駆動モジュールと,
前記下部チャンバの底部表面より突出し,前記サセプタの外側にそれぞれ配置される複数の外側支持台と,
複数の内側支持台を含み,
前記内側支持台のそれぞれが,前記外側支持台の内側に配置され,且つ,前記外側支持台と前記内側支持台間に排気空間が形成されるよう前記外側支持台から離間して配置されており,
前記下部チャンバの上部に連結されて,前記複数のサセプタの中心に対応する位置にプロセスガスを供給するための開口を有する上部チャンバと,
下部が開放された形状であり,前記下部が前記上部チャンバの前記開口に連結されるシリンダと,
前記シリンダに連結され,外部から供給されたプロセスガスを前記シリンダの内部に供給するガス供給ポートとを更に含み,
前記下部チャンバは下部壁の縁に沿って形成された複数の排気ポートを有し,
前記排気ポートは前記サセプタの外側にそれぞれ配置されると共に,前記排気空間と連通し,前記排気空間内の反応副産物を前記下部壁の縁に誘導することを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理モジュール及びそれを含む基板処理装置に関するものであり,より詳しくは,複数のサセプタを含む基板処理モジュール及びそれを含む基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置はシリコン基板の上に多くの層(layers)を有しており,そのような層は蒸着工程を介して基板の上に蒸着される。
【0003】
基板は処理チャンバ内に設置されたサセプタの上にロードされ,蒸着工程は処理チャンバ内で行われる。この際,処理チャンバ内にロードされた基板の数に応じて枚葉式又は配置式に区分される。枚葉式(single wafer type)とは一つの基板を処理チャンバ内にロードした後,一つの基板に対して蒸着工程が行われることをいう。一方,配置式とは複数の基板を処理チャンバ内にロードした後,複数の基板に対して同時に蒸着工程が行われることをいう。
【0004】
発明を実施するための形態
発明が解決しようとする課題
本発明の目的は,複数の基板に対する工程を同時に行うことができる基板処理モジュール及びそれを含む基盤処理装置を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は,複数の基板をチャンバ内に効率的にロード及び取り出すことができる基板処理モジュール及びそれを含む基盤処理装置を提供することにある。
【0006】
本発明の更に他の目的は,後述する詳細な説明と添付した図面からより明確になるはずである。
【0007】
課題を解決するための手段
本発明の一実施例によると,基板処理モジュールは,上部が開放され,一側に基板が出入する通路が形成される下部チャンバと,前記下部チャンバの内部に
,予め設定された中心を基準に周縁に固定配置され,工程進行の際に上部に前記基板がそれぞれ載置される複数のサセプタと,前記中心に設置されて前記中心を基準に回転可能な回転部材と,前記回転部材にそれぞれ連結されて前記回転部材と共に回転し,前記基板がそれぞれ載置される一つ以上の固定面をそれぞれ有する複数のホルダと,前記回転部材に連結され,前記回転部材を駆動して前記ホルダのうちいずれか一つを前記通路に対応する伝達位置に移動させる駆動モジュールと,前記下部チャンバの底部表面より突出し,前記サセプタの外側にそれぞれ配置される複数の外側支持台と,複数の内側支持台とを含み,前記内側支持台のそれぞれが,前記外側支持台の内側に配置され,且つ,前記外側支持台と前記内側支持台間に排気空間が形成されるよう前記外側支持台から離間して配置されており,
前記下部チャンバの上部に連結されて,前記複数のサセプタの中心に対応する位置にプロセスガスを供給するための開口を有する上部チャンバと,下部が開放された形状であり,前記下部が前記上部チャンバの前記開口に連結されるシリンダと,前記シリンダに連結され,外部から供給されたプロセスガスを前記シリンダの内部に供給するガス供給ポートとを更に含み,前記下部チャンバは下部壁の縁に沿って形成された複数の排気ポートを有し,前記排気ポートは前記サセプタの外側にそれぞれ配置されると共に,前記排気空間と連通し,前記排気空間内の反応副産物を前記下部壁の縁に誘導する。
【0008】
前記駆動モジュールは前記回転部材を昇降して前記ホルダを収容高さ及びロード高さに移動し,前記ホルダは前記収容高さで前記サセプタより高く位置し,前記ロード高さでそれぞれの前記固定面が前記サセプタの上部面より低く位置する。
【0009】
前記ホルダは前記収容高さに置かれた状態で前記伝達位置に移動する。
【0010】
前記ホルダは前記下部チャンバの外側に向かって開放され,中心角が180度以上である円弧状のフォークと,前記フォークに連結されて前記フォークの内側に向かって突出され,前記固定面を提供する一つ以上の支持チップと,を具備し,前記サセプタは上部に位置した前記ホルダが前記ロード高さに移動される際に前記支持チップが挿入される一つ以上の挿入溝を有する。
【0011】
前記サセプタは,ヒーティングプレートと,前記ヒーティングプレートの上部に位置し,前記基板が載置される支持面を有するカバーと,を具備し,前記挿入溝は前記支持面の縁に形成される。
【0012】
前記サセプタ及び前記ホルダは前記中心を基準に等角度を成すように配置され,前記サセプタの個数は前記ホルダの個数と同じである。
【0013】
前記サセプタのうちいずれか一つは前記流路に対応するように位置する。
【0015】
前記基板処理モジュールは
,前記シリンダを囲み,前記シリンダの内部に電界を形成するアンテ
ナを更に含む。
【0017】
本発明の一実施例によると,基板処理装置は,外部から移送された基板が置かれ,内部が真空状態及び大気圧状態に調圧されるロードロックチャンバと,前記基板に対する処理が行われる基板処理モジュールと,前記ロードロックチャンバと前記基板処理モジュールとの間に配置され,前記ロードロックチャンバと前記基板処理モジュールとの間で前記基板を移送する基板移送ロボットを具備する基板移送モジュールと,を含むが,前記基板処理モジュールは,上部が開放され,一側に基板が出入する通路が形成される下部チャンバと,前記下部チャンバの内部に
,予め設定された中心を基準に周縁に固定配置され,工程進行の際に上部に前記基板がそれぞれ載置される複数のサセプタと,前記中心に設置されて前記中心を基準に回転可能な回転部材と,前記回転部材にそれぞれ連結されて前記回転部材と共に回転し,前記基板がそれぞれ載置される一つ以上の固定面をそれぞれ有する複数のホルダと,前記回転部材に連結され,前記回転部材を駆動して前記ホルダのうちいずれか一つを前記通路に対応する伝達位置に移動させる駆動モジュールと,前記下部チャンバの底部表面より突出し,前記サセプタの外側にそれぞれ配置される複数の外側支持台と,複数の内側支持台を含み,前記内側支持台のそれぞれが,前記外側支持台の内側に配置され,且つ,前記外側支持台と前記内側支持台間に排気空間が形成されるよう前記外側支持台から離間して配置されており,
前記下部チャンバの上部に連結されて,前記複数のサセプタの中心に対応する位置にプロセスガスを供給するための開口を有する上部チャンバと,下部が開放された形状であり,前記下部が前記上部チャンバの前記開口に連結されるシリンダと,前記シリンダに連結され,外部から供給されたプロセスガスを前記シリンダの内部に供給するガス供給ポートとを更に含み,前記下部チャンバは下部壁の縁に沿って形成された複数の排気ポートを有し,前記排気ポートは前記サセプタの外側にそれぞれ配置されると共に,前記排気空間と連通し,前記排気空間内の反応副産物を前記下部壁の縁に誘導する。
【0018】
発明の効果
本発明の一実施例によると,複数の基板をチャンバ内に効率的にロード及び取り出すことができる。また,複数の基板に対する工程を同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施例による基板処理装置を概略的に示す図である。
【
図2】
図1に示した基板処理モジュールを概略的に示す図である。
【
図3】
図2に示した下部チャンバの内部を示す図である。
【
図8】
図2に示した基板処理モジュールの他の実施例を概略的に示す図である。
【
図9】
図2に示した基板処理モジュールのまた他の実施例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下,本発明の好ましい実施例を添付した
図1乃至
図7を参照してより詳細に説明する。本発明の実施例は様々な形に変形されてもよく,本発明の範囲が後述する実施例に限られると解釈されてはならない。本実施例は,該当発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。よって,図面に示した各要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されている可能性がある。
【0021】
一方,以下では蒸着工程を例に挙げて説明するが,本発明は蒸着工程を含む多様な工程に応用されることができる。
【0022】
図1は,本発明の一実施例による基板処理装置を概略的に示す図である。基板処理装置1は工程設備2,設備前方端部モジュール(Equipment Front End Module:EFEM)3,境界壁(interface wall)4を含む。設備前方端部モジュール3は工程設備2の前方に装着され,基板が収容された容器(図示せず)と工程設備2との間に基板を移送する。
【0023】
設備前方端部モジュール3は複数のロードポート(loadports)60とフレーム(frame)50を有する。フレーム50はロードポート60と工程設備2との間に位置する。基板を収容する容器はオーバーヘッドトランスファー(overhead transfer),オーバーヘッドコンベヤー(overhead conveyor)又は自動案内車両(automatic guided vehicle)のような移送手段(図示せず)によってロードポート60の上に載置される。
【0024】
容器は前面開放一体式ポッド(Front Open Unified Pod:FOUD)のような密閉容器が使用される。フレーム50内にはロードポート60に置かれた容器と工程設備2との間に基板を移送するフレームロボット70が設置される。フレーム50内には容器のドアを自動的に開閉するドアオープナー(図示せず)が設置される。また,フレーム50には清浄な空気がフレーム50内で上部から下部に流れるように清浄な空気をフレーム50内に供給するファンフィルターユニット(Fan Filter Unit:FFU)(図示せず)が提供される。
【0025】
基板は工程設備2内で所定の処理が行われる。工程設備2は,基板移送モジュール(transfer module)102及びロードロックチャンバ(loadlock chamber)106,基板処理モジュール110を含む。基板移送モジュール102は上部から見ると大よそ多角状を有し,ロードロックチャンバ106及び基板処理モジュール110は基板移送モジュール102の側面に設置される。
【0026】
ロードロックチャンバ106は基板移送モジュール102の側部のうち設備前方端部モジュール3と隣接した側部に位置する。基板はロードロックチャンバ106内に一時的に留まってから工程設備2にロードされて処理が行われ,処理が完了した後,基板は工程設備2からアンロードされてロードロックチャンバ106内に一時的に留まる。基板移送モジュール102及び基板処理モジュール110の内部は真空に維持され,ロードロックチャンバ106は真空又は大気圧に調圧される。ロードロックチャンバ106は外部の汚染物質が基板移送モジュール102及び基板処理モジュール110の内部に流入されることを防止する。また,基板が移送される間には基板が大気に露出されないため,基板の上で酸化膜が成長することを防止する。
【0027】
ロードロックチャンバ106と基板移送モジュール102との間,そしてロードロックチャンバ106と設備前方端部モジュール3との間にはゲートバルブ(図示せず)が設置される。設備前方端部モジュール3とロードロックチャンバ106との間に基板が移動すればロードロックチャンバ106と基板移送モジュール102との間に提供されたゲートバルブが閉まり,ロードロックチャンバ106と基板移送モジュール102との間に基板が移動すればロードロックチャンバ106と設備前方端部モジュール3との間に提供されるゲートバルブが閉まる。
【0028】
基板移送モジュール102は基板移送ロボット104を具備する。基板移送ロボット104はロードロックチャンバ106と基板処理モジュール110との間で基板を移送する。基板移送モジュール102は基板が移動する際に真空を維持するように密封される。真空を維持することは,基板が汚染物質(例えばO
2,粒子状物質など)に露出されることを防止するためである。
【0029】
基板制御モジュール110は基板の上に薄膜を蒸着するために提供される。
図1は2つの基板処理モジュール110を図示しているが,3つ以上の基板処理モジュール110が提供されてもよい。 また,他の工程(例えば,洗浄やエッチングなど)を行うモジュールが基板移送モジュール102の側面に設置されてもよい。
【0030】
図2は
図1に示した基板処理モジュールを概略的に示す図であり,
図3は
図2に示した下部チャンバの内部を示す図である。
図2に示したように,基板処理モジュール110は下部チャンバ10及び上部チャンバ12,シリンダ14を含む。下部チャンバ10及び上部チャンバ12は工程空間を提供し,基板Wに対する工程は工程空間内で行われる。シリンダ14は生成空間を提供し,プラズマは生性空間内に供給されたプロセスガスから生成される。
【0031】
下部チャンバ10は上部が開放された形状であり,上部チャンバ12は下部チャンバ10の上部に連結される。上部チャンバ12は外側に向かって下方に傾斜した形状であり,中央に形成された開口12aを有する。シリンダ14は開口12aの上に設置される。シリンダ14は開口12aを閉鎖し,上部チャンバ12はシリンダ14と共に下部チャンバ10の開放された上部を閉鎖する。
【0032】
ガス供給ポート16はシリンダ14の上部に連結され,プロセスガスはガス供給ポート16を介してシリンダ14の内部に供給される。プロセスガスは基板Wの表面に薄膜を蒸着するためのものであり,薄膜に応じて多様なガスが使用される。アンテナ18はコイル状であり,シリンダ14の外側を囲むように設置される。アンテナ18は高周波電源(RF generator,図示せず)に連結され,整合器(RF matcher,図示せず)がアンテナ18と高周波電源との間に提供される。高周波電流がアンテナ18に流れるとシリンダ14内部に磁場が形成され,プロセスガスがシリンダ14の内部に供給されることでプラズマが生成される。生成されたプラズマはサセプタに置かれた基板Wの表面に移動して薄膜を形成する。
【0033】
下部チャンバ10は一側に形成された通路11を有し,基板Wは通路11を介して下部チャンバ10の内部に出入する。ゲートバルブ13は通路11の外側に設置され,通路11はゲートバルブ13によって開放されるか閉鎖される。上述したように,基板移送ロボット104は基板Wと共に通路11を介して下部チャンバ10の内部に移動し,基板Wを後述するフォーク28の上に載せた後,通路11を介して下部チャンバ10の外部に移動する。この際,通路11はゲートバルブ13によって開放される。
【0034】
図2に示したように,サセプタは下部チャンバ10の内部に設置される。後述するように,サセプタはヒーティングプレート32及びカバー38を含む。基板Wは基板移送ロボット104を介して下部チャンバ10の内部に移動し,工程進行の際に基板Wはサセプタの上部に載置される。サセプタは支持軸34によって支持され,支持軸34はブラケット36を介して下部チャンバ10の下部に固定される。
【0035】
図3に示したように,サセプタは下部チャンバ10の予め設定された中心を基準に周縁に固定配置され,等角度(例えば72度)を成すように配置される。サセプタのうちいずれか一つは通路11の前方(通路11を介して下部チャンバ10の内部に移動する基板Wの方向を意味する)に位置する。工程は全てのサセプタの上に一つの基板Wがそれぞれ置かれた状態で開示され,それぞれの基板Wに対する工程は同時に進行される。よって,一度に5枚の基板Wに対する工程を完了することができ,それを介して生産性を確保することができる。
【0036】
一方,上述したように基板Wは基板移送ロボット104を介して下部チャンバ10の内部に移動し,基板移動ロボット104はフォーク28の上に基板Wを載置する。
【0037】
回転部材は回転軸22及び回転板23を含む。
図2及び
図3に示したように,5つのフォーク28はアーム(arms)27を介してそれぞれ回転板23に連結され,回転板23の中心(又は下部チャンバ10の予め設定された中心)を基準に等角度(例えば72度)を成すように配置される。回転板23は回転軸22に連結される。回転軸22は下部チャンバ10の下部壁を貫通し,下部チャンバ10の予め設定された中心の上に設置されて予め設定された中心を基準に回転する。回転軸22は駆動モジュール26に連結され,回転軸22は駆動モジュール26によって昇降及び回転する。回転板23は回転軸22と共に昇降及び回転し,フォーク28は回転板23と共に昇降及び回転する。駆動モジュール26は下部チャンバ10の下部壁に固定設置された支持板24に固定される。
【0038】
フォーク28は回転によって通路11の前方に位置(「伝達位置」)する。基板移送ロボット104は伝達位置に置かれたフォーク28の上に基板Wを置き,基板Wは後述する支持チップ29の上部面に載置される。基板Wを伝達されたフォーク28は回転によって伝達位置から離脱し,基板Wを伝達されていない次のフォーク28が回転によって伝達位置に移動する。同じく,基板移送ロボット104は伝達位置に置かれたフォーク28の上に基板Wを載置する。フォーク28は回転板23の回転によって順次に伝達位置に移動し,基板Wは順次にフォーク28の上部に載置される。このような方法で複数の基板Wはフォーク28の上部に載置される。
【0039】
また,基板Wはフォーク28の昇降によってサセプタに載置されるかサセプタから離隔される。フォーク28の昇降に対する具体的な説明は後述する。
【0040】
図2及び
図3に示したように,下部チャンバ10は底面の縁に形成された排気ポート15を有し,排気ポート15はサセプタの外側にそれぞれ配置される。排気ポート15の個数はサセプタの個数と同じである。工程進行の際に反応副産物及び未反応ガスは排気ポート15を介して下部チャンバ10の外部に排出される。上部バッフル42及び下部バッフル44はサセプタの周縁にそれぞれ設置され,支持台46,48は上部バッフル42及び下部バッフル44を支持する。上部バッフル42及び下部バッフル44はそれぞれ貫通孔42a,44a(
図7及び
図8を参照)を有し,反応副産物及び未反応ガスは貫通孔42a,44aを介して排気ポート15に移動する。
【0041】
サセプタはヒーティングプレート32及びカバー38を含む。ヒーティングプレート32は基板Wの形状に対応する円形のディスク状であり,ヒーティングプレート32は工程進行の際に上部に置かれた基板Wを工程温度に加熱する。カバー38はヒーティングプレート32の上部に載置される。但し,本実施例とは異なりヒーティングプレート32とカバー38は一体に形成されてもよい。
【0042】
図4は,
図2に示したカバーを示す図である。カバー28は支持面52を有し,支持面52は基板Wの形状と略一致する。挿入溝54は支持面52から陥没して形成され,後述するようにホルダが下降する際に支持チップ29は挿入溝52内に挿入される。同じく,収容溝56は支持面52より低く陥没して形成され,ホルダが下降する際にフォーク28は収容溝56内に収容される。挿入溝54は支持チップ29と略同じ大きさ及び形状を有し,収容溝56はフォーク28と略同じ大きさ及び形状を有する。
【0043】
図5は,
図2に示したホルダを示す図である。ホルダはフォーク28及び支持チップ29を具備する。フォーク28は基板Wの直径より大きい内径を有する円弧状であり,フォーク28は180度以上の中心角を有する円弧状である。支持チップ29はフォーク28に連結されてフォーク28の内側に向かって突出される。支持チップ29はフォーク28の中央及び両端に連結される。ホルダに置かれた基板Wはフォーク28の内側に位置し,支持チップ29の上部面(又は固定面)に載置される。基板Wは3つの支持チップ29を介して安定的に支持される。一方,ホルダは本実施例とは異なる形状を有してもよい。
【0044】
図6及び
図7は,
図2に示したホルダの動作を示す図である。以下,
図6及び
図7を参照して基板Wをサセプタの上に乗せる方法について説明する。以下では一つのホルダ及びサセプタについてのみ説明し,以下の説明は他のホルダ及びサセプタに同じく適用される。
【0045】
上述したように,5つのホルダの上にそれぞれ一つの基板Wが載置されると各基板Wはホルダによってサセプタに置かれ,その後各基板Wに対する工程が同時に行われる。
【0046】
フォーク28及び支持チップ29は駆動モジュール26によって回転板23と共に昇降する。
図6に示したように,フォーク28が上昇する際に基板Wは支持チップ29の上に載置される。この際,フォーク28及び支持チップ29はサセプタより高く位置(「収容高さ」)する。フォーク28及び支持チップ29が収容高さに位置した状態で,基板Wは基板移送ロボット104によって下部チャンバ10の内部に移動して支持チップ29の上部に置かれ,支持チップ29の上に置かれた基板Wは基板移送ロボット104によって下部チャンバ10の外部に移動する。基板移送ロボット104は基板Wを支持チップ29より高く持ち上げた状態で支持チップ29の上部に基板Wを移送した後,基板Wを下に下ろして基板Wを支持チップ29の上に載置する。また,上述したようにフォーク28が収容高さに位置した状態でフォーク28は回転によって伝達位置に移動する。
【0047】
図7に示したように,フォーク28が下降する際に基板Wはサセプタ(又はカバー38)の上に載置される。この際,支持チップ29の上部面(又は固定面)はカバー38の支持面52より低く位置(「ロード位置」)し,支持チップ29は挿入溝54の上に挿入され,フォーク28は収容溝56の上に収容される。
【0048】
上述によると,基板移送ロボット104は複数の基板Wを各ホルダに順次に伝達し,ホルダがロード高さに移動することで基板Wは同時にそれぞれのサセプタの上に載置される。次に,各基板Wに対する工程が同時に行われる。工程が完了されると,ホルダは収容高さに移動し基板移送ロボット104は各ホルダに置かれた基板Wを順次に排出する。この際,ホルダは上述した方法と同じく順次に伝達位置に移動する。
【0049】
本発明を好ましい実施例を介して詳細に説明したが,それとは異なる実施例も可能である。よって,以下に記載された請求項の技術的思想と範囲は好ましい実施例に限られない。
【0050】
発明を実施するための形態
以下,本発明の実施例を添付した
図8及び
図9を参照してより詳細に説明する。本発明の実施例は様々な形に変形されてもよく,本発明の範囲が後述する実施例に限られると解釈されてはならない。本実施例は,該当発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。よって,図面に示した各要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張される可能性がある。以下では上述した実施例とは異なる内容に対してのみ説明し,以下で省略した説明は上述した内容により代替可能である。
【0051】
一方,以下では蒸着装置を例に挙げて説明したが,本発明は蒸着工程を含む多様な工程に応用可能である。
【0052】
図8は,
図2に示した基板処理モジュールの他の実施例を概略的に示す図である。
図2とは異なり上部チャンバ12は平板状であってもよく,下部バッフル44は除去されてもよい。以下で省略された説明は上述した内容に代替可能である。
【0053】
図9は,
図2に示した基板処理モジュールのまた他の実施例を概略的に示す図である。下部チャンバ10は複数の開口12aを有し,開口12aはサセプタの上部に形成される。開口12aの個数はサセプタの個数と同じである。
【0054】
シャワーヘッド60はそれぞれの開口12aの上に設置され,上部面から陥没したバッファ空間64及びバッファ空間64に連結された複数の噴射孔62を有する。上部チャンバ12はそれぞれシャワーヘッド60の上部に設置されてバッファ空間64を外部から遮断する。上部チャンバ12はガス供給ポート16を有し,プロセスガスはガス供給ポート16を介してバッファ空間64に供給される。プロセスガスは基板Wの方面に薄膜を蒸着するためのものであり,薄膜に応じて多様なガスが使用される。ブロックプレート70はバッファ空間64に設置され,複数の拡散孔を有する。
【0055】
プロセスガスはガス供給ポート16を介してバッファ空間64に供給され,ブロックプレート70を介して拡散されてからシャワーヘッド60の拡散孔62を介してサセプタの上部に供給される。プロセスガスはそれぞれのサセプタに置かれた基板Wの上部に移動して基板Wの表面で薄膜を形成する。
【0056】
本発明を実施例を介して詳細に説明したが,それとは異なる形態の実施例も可能である。よって,以下に記載された請求項の技術的思想と範囲は実施例に限られない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は多様な形態の半導体製造設備及び製造方法に応用される。