特許第6067053号(P6067053)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067053
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】矯正装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20170116BHJP
   B65G 49/07 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   B65G49/07 K
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-89027(P2015-89027)
(22)【出願日】2015年4月24日
(65)【公開番号】特開2015-211222(P2015-211222A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2015年4月24日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0051364
(32)【優先日】2014年4月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515113020
【氏名又は名称】株式会社ダイナテク
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭 義善
【審査官】 儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3751587(JP,B2)
【文献】 特開2013−161958(JP,A)
【文献】 特表2011−511449(JP,A)
【文献】 特開2014−039017(JP,A)
【文献】 特開2001−024233(JP,A)
【文献】 特開平04−345073(JP,A)
【文献】 特開平10−154671(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/014007(WO,A1)
【文献】 実開昭60−175612(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 49/07
H01L 21/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モールディングされたウエハまたは印刷回路基板の上部に配置されて第1ヒータが備えられた上板と、
前記ウエハまたは印刷回路基板の下部に配置されて第2ヒータが備えられたテーブルと、
を含み、
前記ウエハまたは印刷回路基板は、下面が樹脂であって、上面は樹脂に複数個のチップが配置され、
前記モールディングされたウエハまたは印刷回路基板が平板状になるか、前記モールディングされたウエハまたは印刷回路基板の中央部より前記モールディングされたウエハまたは印刷回路基板の直径の大きい外側が高い形態になるように、矯正時に前記第1ヒータの温度が前記第2ヒータの温度よりも高いことを特徴とする、矯正装置。
【請求項2】
前記上板を昇降させる上板昇降部を含み、
前記上板昇降部は、前記テーブルの上部に配置される水平板部を含む設置台と、該設置台に設けられるモータと、該モータに連結される駆動ギアと、該駆動ギアに連結される被動ギアと、該被動ギアに連結されるナットと、該ナットにねじ結合されるスクリューと、前記ナットと前記設置台との間に配置されるベアリングと、前記上板の昇降移動をガイドする昇降ガイド部と、を含み、
前記水平板部には前記スクリューが貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の矯正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矯正装置に関し、特に、矯正時にモールディングされたウエハの上部及び下部を加熱する矯正装置(Corrector)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のウエハ搬送装置は、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に開示されている。
【0003】
特許文献1にはウエハの面を押圧して矯正し搬送する装置が提案されている。しかし、このように押圧のみでは矯正が上手く行かないという問題点がある。さらに、搬送時にアライメントステージごと次の工程の実装フレーム製作部に搬送されるので装置構造が複雑となる問題点がある。
【0004】
特許文献2及び特許文献3にはウエハに熱を加えて粘着テープを分離及び矯正し、加熱により軟化状態にあるウエハの外周を吸着して搬送する装置が提案されている。しかし、このような搬送装置は、ウエハ裏面に変位が生じることがあり、このような変位を防止するための気圧調整装置及び変位を感知する感知センサを備えなければならないので、装置が複雑となる問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許公報第901040号公報
【特許文献2】韓国公開特許公報第2013−0090827号公報
【特許文献3】韓国公開特許公報第2013−0093554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、矯正をより効果的に行うことができる矯正装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決するために本発明の矯正装置は、モールディングされたウエハまたは印刷回路基板の上部に配置され、第1ヒータが設けられた上板と前記ウエハまたは印刷回路基板の下部に配置され、第2ヒータが設けられたテーブルを含む。
【0008】
前記上板を昇降させる上板昇降部を含み、前記上板昇降部は、設置台と、該設置台に設けられるモータと、該モータに連結される駆動ギアと、該駆動ギアに連結される被動ギアと、該被動ギアに連結されるナットと、該ナットにねじ結合されるスクリューと、前記ナットと前記設置台との間に配置されるベアリングと、前記上板の昇降移動をガイドする昇降ガイド部とを含み、前記ウエハまたは印刷回路基板は、下面は樹脂であって、上面は樹脂に複数個のチップが配置され、矯正時に前記第1ヒータの温度が前記第2ヒータの温度よりも高いものとすることができる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明のように本発明の矯正装置によれば、次のような効果がある。
【0010】
矯正時にモールディングされたウエハの上部温度が下部温度よりも高いため矯正がより効果的に行われる。
【0011】
前記上板を昇降させる上板昇降部を含み、前記上板昇降部は、設置台と、該設置台に設けられるモータと、該モータに連結される駆動ギアと、該駆動ギアに連結される被動ギアと、該被動ギアに連結されるナットと、該ナットにねじ結合されるスクリューと、前記ナットと前記設置台との間に配置されるベアリングと、前記上板の昇降移動をガイドする昇降ガイド部とを含み、上板の昇降時に上板昇降部が同時に動かなくてよいので、構造が単純であり、占める空間も最小化することができる。
【0012】
前記ウエハまたは印刷回路基板は、下面が樹脂であって、上面は樹脂に複数個のチップが配置され、矯正時に、前記第1ヒータの温度が前記第2ヒータの温度より高いので、矯正前のウエハは微細な程度の凹凸があるが、チップが位置する方をより高い温度で加熱するので、矯正後のウエハは直線または中央部よりも直径が大きい外側の方が微細に高い形態となる。よって、ウエハは微細な弓状または中央部の方が直径の大きい外側より高くない状態となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の好適な実施形態に係る装置概路図。
図2】本発明の好適な実施形態に係る矯正装置斜視図。
図3図2の矯正装置の上板分離斜視図。
図4図2の平面図。
図5図2の背面図。
図6図2の側面図。
図7図2の第1テーブル部分正面図。
図8図2のテーブル板平面図。
図9図2の第2ヒータチャック平面図。
図10図2のインシュレータ平面図。
図11図2の連結部平面図。
図12図2の連結部底面図。
図13図2の連結部側面図。
図14図1の搬送部底面分離斜視図。
図15図1の搬送部平面図。
図16図1の搬送部側面図。
図17図1の搬送部背面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な一実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
なお、以下に説明する本発明の構成のうち従来技術と同一の構成に対しては上述の従来技術を参照とするものとし、別途の詳細な説明は省略する。
【0016】
以下の実施形態では本発明のテーブルを第1テーブルと称する。
【0017】
図1ないし図17に示すように、本実施形態の装置は、ウエハWを積載するカセット10と、ウエハWをカセット10に引入または引出するアーム20と、ウエハWの歪み程度を検査する検査装置60と、ウエハWの歪みを矯正する矯正装置と、ウエハWを搬送する搬送装置とを含む。
【0018】
ウエハWは、従来技術で示すように円板状に形成される。
【0019】
ウエハWは、樹脂でモールドしてウエハWの上面には樹脂に複数個のチップが配置され、ウエハWの下面は樹脂となる。
【0020】
複数個のチップは樹脂に陥没していて、チップの上面と、上面に存在する樹脂の上面とが連続するように配置される。
【0021】
ウエハWは、高温のモールディング過程を経た後に室温で冷やすときに、変形が生じる。
【0022】
モールディング過程を経たウエハWは、図1に示すように、カセット10に積載される。
【0023】
検査装置60を介してウエハWを検査して歪みがあるか否かを判断する。
【0024】
前記矯正装置を介して変形したウエハWを平板状であるか、下に凹む弓状に矯正させる。
【0025】
図2に示すように、前記矯正装置は、モールディングされたウエハまたは印刷回路基板Wの上部に配置されて第1ヒータ(図示せず)が備えられる上板910と、ウエハWの下部に配置されて第2ヒータ321が備えられる第1テーブル30を含む。
【0026】
上板910はモールディングされたウエハまたは印刷回路基板Wの上部に配置され、第1ヒータを備えている。
【0027】
図3に示すように、上板910は、矯正チャック911と、矯正チャック911の上部に配置される第1ヒータチャック912と、第1ヒータチャック912の上部に配置されるインシュレータ913と、インシュレータ913の上部に配置されて上板910を以下に記述する上板昇降部に連結する連結板914と、を含む。
【0028】
上板910は円板状に形成される。
【0029】
矯正チャック911は放射方向に第1貫通孔が形成され得る。前記第1貫通孔は上下方向に貫通されて形成される。
【0030】
第1ヒータチャック912は、下部に前記第1ヒータが載置されるヒータ載置溝が形成される。前記ヒータ載置溝は同心の複数の円形状に形成される。
【0031】
第1ヒータチャック912には前記第1貫通孔に連通する第2貫通孔が形成される。
【0032】
前記第2貫通孔は円周方向に形成され、複数個が形成される。複数の前記第2貫通孔は放射方向に沿って配置される。
【0033】
インシュレータ913及び連結板914にも前記第1貫通孔と同一形状に第3貫通孔が形成される。
このような第1、2、3貫通孔を介して前記第1ヒータに接続された電線などを容易に引出することができる。
【0034】
前記上板昇降部は上板910を昇降させる。
【0035】
前記上板昇降部は、設置台920と、設置台920に設けられるモータ931と、モータ931の軸に連結される駆動ギア932と、駆動ギア932にベルト(図示せず)を介して連結される被動ギア933と、被動ギア933に連結されるナット935と、該ナット935にねじ結合されるスクリュー934と、前記ナット935と前記設置台920との間に配置されるベアリング936と、前記上板910の昇降移動をガイドする昇降ガイド部とを含む。
【0036】
設置台920は、垂直部と、前記垂直部の上部を連結する水平板部とを含む。前記水平板部は第1テーブル30の上部に配置される。前記水平板部には前記ガイド部及び前記スクリュー934が貫通する貫通孔が形成されている。
【0037】
被動ギア933は、中心部にスクリュー934が貫通する貫通孔が形成される。
【0038】
ナット935は、被動ギア933の下部に配置され、被動ギア933にボルティング締結などを介して連結される。ナット935は、スクリュー934とねじ結合され、ナット935とスクリュー934との間にボールが配置され得る。
【0039】
ナット935の外周面には、ベアリング936が配置され、ベアリング936は設置台920に設けられる。よって、ナット935は設置台920に対して回動可能となる。
【0040】
スクリュー934は、被動ギア933、ナット935及び設置台920の前記水平板部を貫通する。
【0041】
スクリュー934の下端は連結板914に設けられる。
【0042】
前記昇降ガイド部はボールスプラインとして備えられ、ボールスプラインはスプライン軸941とスプライン軸941を覆う外筒942を含む。外筒942は前記水平板部の上部に設置され、スプライン軸941の下端は連結板914に設けられる。
【0043】
前記昇降ガイド部は4個備えられ、スクリュー934の外側にそれぞれ配置される。
【0044】
次に、上板910の昇降作動を説明する。
【0045】
モータ931が作動すると共に駆動ギア932が作動し、駆動ギア932の回転力は前記ベルトを介して被動ギア933に伝達される。被動ギア933が回転すると、ナット935が設置台920に対して回転し、これによりナット935にねじ結合されるスクリュー934は上部または下部に移動することになる。モータ931の作動方向によってスクリュー934が上部に移動するか、または下部に移動し、上板910も上部または下部に移動する。スクリュー934が上部または下部に移動する際、前記昇降ガイド部によりガイドされる。
【0046】
さらに、2つのスプライン軸941の上端を連結する第1連結板951には片952が垂直に設けられる。
【0047】
図4に示すように、片952は上板感知センサ953を通過するように配置される。よって、上板感知センサ953は片952の有無を感知する。
【0048】
上板感知センサ953は2つが備えられ、上部及び下部にそれぞれ設けられる。
【0049】
上板感知センサ953は、前記水平板部の上部に垂直に設置されたセンサ設置台954に設けられる。
【0050】
このような上板感知センサ953を介して上板910が円滑に昇降しているか否かを感知することができる。
【0051】
第1テーブル30はウエハWの下部に配置され、円板状に形成される。すなわち、第1テーブル30にウエハWが載置される場合、下面は第1テーブル30を向き、チップがある上面は上板910及び以下に記述する搬送部50を向く。
【0052】
図7に示すように、第1テーブル30は、テーブル板310と、テーブル板310の下部に配置され、第2ヒータが載置される第2ヒータ載置溝321が形成される第2ヒータチャック320と、第2ヒータチャック320の下部に配置されるインシュレータ330とを含む。
【0053】
図8に示すように、テーブル板310は、上部に、以下に記述する支持ピン560をガイドするガイド溝312が左右方向に2つ形成される。
【0054】
さらに、テーブル板310上部にはウエハWを浮揚させる第1空気噴射口311が形成される。
【0055】
第1空気噴射口311は直径が異なる複数個の同心円形状に形成される。
【0056】
テーブル板310内部には、第1空気供給口313と、第1空気供給口313よりも短い第2空気供給口314が水平な直線状に形成される。
【0057】
第1、2空気供給口313、314は、放射方向に配置されていて、端部分が開放されて空気供給管と連結される。
【0058】
第1空気供給口313は、すべての第1空気噴射口311に空気を供給する。
【0059】
第2空気供給口314は、最大径を有する第1空気噴射口311だけに空気を供給する。
【0060】
テーブル板310、第2ヒータチャック320、インシュレータ330には、ピン貫通孔315、323、332の3つが上下方向に貫通するように形成される。
【0061】
図9に示すように、第2ヒータ載置溝321は第2ヒータチャック320の上面に形成されている。
【0062】
第2ヒータ載置溝321は、互いに異なる直径を有する複数個の同心円形状に備えられる。
【0063】
前記第2ヒータ載置溝321に連通する孔322が上下方向に貫通されて形成される。このような孔322は前記第2ヒータの電線が引出される引出孔の役割をする。
【0064】
また、図10に示すように、インシュレータ330にも孔322に連通されるように、上下方向に貫通した第2孔331が放射方向に形成されている。
【0065】
前記第1ヒータと前記第2ヒータの温度を感知する温度センサをそれぞれ備え、制御部(図示せず)は前記第1ヒータと前記第2ヒータの温度を制御することができる。
【0066】
前記制御部は、矯正時に前記第1ヒータの温度が前記第2ヒータの温度よりも高く制御する。すなわち、ウエハWにおいてチップがある方をより高い温度で加熱する。
【0067】
矯正前のウエハWは微細な程度の凹凸があるが、チップがある方をより高い温度で加熱するので、矯正後のウエハWは直線または中央部より直径の大きい外側の方が微細に高い形態となる。よって、ウエハWは微細な弓状または中央部の方が直径の大きい外側より高くない形態となる。
【0068】
図7に示すように、第1テーブル30には、ウエハWの下部を支持する複数個のピン340が昇降可能に備えられる。
【0069】
ピン340は、ピン貫通孔315、323、332を貫通しながら昇降する。
【0070】
ピン340の昇降部は、シリンダ351と、ピン340の昇降運動をガイドするピンガイド部353と、ピンガイド部353及びシリンダ351が設けられるシリンダブラケット板352と、シリンダブラケット板352の上部に配置されてシリンダ351のピストンに連結され、3つのピン340が設けられるピンブラケット板354とを含む。
【0071】
ピンガイド部353はボールスプラインとして備えることができる。
【0072】
次に、ピン340の昇降作動を説明する。
【0073】
シリンダ351のピストンが引出されると、ピンブラケット板354及びピン340は上部に移動する。ピン340が上部に移動する場合はピンガイド部353によってガイドされる。
【0074】
シリンダ351のピストンが引入されると、ピンブラケット板354及びピン340は下部に移動する。ピン340が下部に移動する場合はピンガイド部353によってガイドされる。
【0075】
第2テーブル80は第1テーブル30に近接するように配置される。
【0076】
第2テーブル80は第1テーブル30と略同一構造をしている。
【0077】
よって、第2テーブル80も第1テーブル30と同様に、第1空気噴射口311と同一の第3空気噴射口が形成され、ピンが貫通されて昇降する。このような第3空気噴射口及びピンなどは、第1テーブル30の説明を参考するものとし、これに対する図示及び説明は省略するものとする。
【0078】
第2テーブル80の左側にはディテープ装置が配置される。前記ディテープ装置は円板状のディテープテーブル70を含む。
【0079】
ウエハWには、メタルキャリアが両面テープで付着され得る。ディテープテーブル70ではウエハWに熱を加えて両面テープ及びメタルキャリアをウエハWから分離する。このようなディテープ装置は、従来のウエハ装置に用いられる技術であるため、これに関する詳細な説明は省略するものとする。
【0080】
図1及び図2に示すように、第1テーブル30と第2テーブル80との間及び第2テーブル80とディテープテーブル70との間には、連結部40、40’がそれぞれ配置される。
【0081】
連結部40、40’は板状に形成され、連結部40、40’の上面は第1テーブル30及び第2テーブル80の上面に連続するように配置される。
【0082】
図11ないし図13に示すように、連結部40、40’は、中間部分の幅が最も狭く、前方及び後方に向かうほど幅が広くなるように両側が円弧状に折曲するように形成される。
【0083】
連結部40、40’両側には、第1テーブル30及び第2テーブル80に連結される空気供給ホースとの干渉を避けるために溝が形成され得る。
【0084】
連結部40、40’には、ウエハWを浮揚させる第2空気噴射口42が形成され、搬送時にもさらに安定的に矯正された状態を維持することができる。
【0085】
第2空気噴射口42は複数個形成されて格子状に配置される。格子状に配置される第2空気噴射口42は隣接した第2空気噴射口42との間の距離がそれぞれ異なるように配置され得る。
【0086】
複数個の第2空気噴射口42は、左右方向及び前後方向に複数個形成される空気供給口43に連通されて空気が供給され得る。複数個の空気供給口43は格子状に配置される。空気供給口43は、空気供給ホースが嵌合されて空気を第2空気噴射口42に伝達する。
【0087】
連結部40、40’下部には作業台1に設けられるように突出部44が前後方向に形成される。
【0088】
突出部44の上部中間には、空気供給口43の下部に配置されるように前後方向に貫通した貫通孔45が形成される。
【0089】
突出部44は、連結部40、40’の配置により中間に配置されるか、または一側に偏心するように配置され得る。
【0090】
連結部40、40’上面には、左右方向の前方及び後方に第2ガイド溝41がそれぞれ形成される。第2ガイド溝41は、第1テーブル30及び第2テーブル80のガイド溝312に連続するように配置される。
【0091】
図1及び図14ないし図17に示すように、搬送装置はモールディングされたウエハWを前記第1テーブル30から前記第2テーブル80に搬送する搬送部50を含み、前記搬送部50は、前記ウエハWの外周面を支持する支持ピン560を備えることを特徴とする。
【0092】
ウエハWの外周面とは、上面及び下面ではない側面をなす枠の外周面を意味する。
【0093】
支持ピン560は、水平方向に移動可能に搬送部50に設けられ、多様な大きさのウエハWに共用で使用することができ、ウエハWを精密に支持することができる。
【0094】
搬送部50は、支持ピン560を移動させる支持ピン移動部と、該支持ピン移動部を覆うハウジング510とをさらに含む。
【0095】
ハウジング510は、薄い四角形の板状で備えられる。よって、搬送部50をコンパクトに維持することができる。
【0096】
ハウジング510は、上板部512と上板部512の下部に結合される下板部511を含む。
【0097】
上板部512には、下板部511に結合されるように複数個の締結孔が端に沿って形成される。
【0098】
上板部512と下板部511の端には、側壁部がそれぞれ形成され、上板部512と下板部511との間には空間が形成される。
【0099】
下板部511には、各角に近接するように4個のガイド孔501が左右方向に長孔状に形成されている。ガイド孔501に支持ピン560が挿入され、ガイド孔501は支持ピン560の左右移動をガイドする。
【0100】
上板部512と下板部511には、空気管締結口502がガイド孔501の内側に配置されるように形成される。
【0101】
空気ホース締結口502には、搬送が完了したウエハWに空気を噴射する空気管590が嵌合される。よって、搬送部50から空気が噴射され得る。
【0102】
また、下板部511には、感知のための感知孔503が形成される。感知孔503は、ガイド孔501の間に配置されるように端に近接して配置される。
【0103】
前記支持ピン移動部は、支持ピン駆動部520と、前記支持ピン駆動部520に連結されて回転する伝達板530と、前記伝達板530の両側に回動可能に連結されるリンク540と、前記リンク540に連結されて前記支持ピン560をガイドするガイド部とを含み、単純な構造で複数個の支持ピンを円滑に移動させることができる。
【0104】
支持ピン駆動部520は、駆動モータ523と、駆動モータ523の軸に連結される駆動プーリ522と、駆動プーリ522とベルト(図示せず)で連結される被動プーリ521とを含む。
【0105】
駆動モータ523は、板状の駆動ブラケット524の下部に設けられる。
【0106】
駆動プーリ522及び被動プーリ521は駆動ブラケット524の上部に設けられる。
【0107】
また、駆動ブラケット524上部には、前記ベルトをガイドするガイドローラが前記ベルトの両側に複数個設けられる。
【0108】
伝達板530は円板状に形成され、支持ピン駆動部520の被動プーリ521に連結されて回転する。
【0109】
伝達板530上部には回転シャフト531が配置される。
【0110】
回転シャフト531は、下部に伝達板530が固定される円板が形成され、上部にシャフトが突出するように形成される。
【0111】
回転シャフト531上部にはベアリングハウジング532が配置される。
【0112】
ベアリングハウジング532は、上部にベアリング533が載置される載置溝が形成される。
【0113】
ベアリング533に回転シャフト531のシャフトが嵌合され、ベアリングハウジング532は上板部512の下部に設けられる。
【0114】
上板部512には、回転シャフト531のシャフトが貫通されるシャフト貫通孔が中心部に形成される。
【0115】
貫通した回転シャフト531のシャフトは、被動プーリ521に嵌合される。
【0116】
リンク540は2つが備えられて伝達板530の両側に回動可能に連結される。
【0117】
前記ガイド部はリンク540に回転可能に連結されて支持ピン560をガイドする。
【0118】
前記ガイド部は、両側の前後方向にそれぞれ配置されるガイド板551と、ガイド板551の上部に設けられるLMガイドと、該LMガイドを左右方向からガイドするガイドレールとを含む。前記ガイドレールは上板部512の下部に設けられる。
【0119】
前記ガイド板551の前端と後端の下部に支持ピン560が設けられる。
【0120】
ガイド板551の一側下部にはセンサドック552が外側から突出するように設けられる。
【0121】
搬送部50は昇降可能とするように設けられ、搬送部50を上下方向に移動させる搬送部昇降部(図示せず)が備えられる。前記搬送部昇降部はモータまたはシリンダなどのように多様に備えることができる。また、従来の搬送部を昇降させる構造は開示されているので、詳細な構造及び説明は省略するものとする。
【0122】
さらに、搬送部50は、上板部512の下部一側に第1センサ572が設けられ、他側に第2センサ571が設けられる。
【0123】
第1センサ572は、2つが互いに離隔するように備えられ、センサドック552を感知して支持ピン560が円滑に移動しているか否かを感知する。
【0124】
第2センサ571は、感知孔503を介してウエハWを感知する。
【0125】
第1センサ572及び第2センサ571を介して感知された信号は前記制御部に伝達され、該制御部は搬送部50及び前記搬送部昇降部を制御する。
【0126】
以下に、上述の構成を有する本実施形態の作用を説明する。
【0127】
前記ディテープ装置によりメタルキャリア及び両面テープが除去されたウエハWをカセット10に積載する。
【0128】
カセット10からウエハWを、アーム20を介して1つずつ取り出して前記矯正装置の第1テーブル30の上部に供給する。
【0129】
アーム20がウエハWを第1テーブル30に供給する前に第1テーブル30には、ピン340が上部に移動されて第1テーブル30上部に突出された状態となる。
【0130】
アーム20がウエハWをピン340の上部に載置すると、ピン340は下降してウエハWは第1テーブル30上部に載置される。
【0131】
続いて、上板910が下降してウエハWを加圧する。
【0132】
これと同時に、前記第1、2ヒータが作動してウエハWの上部及び下部から熱を加える。
【0133】
前記制御部は、チップが配置されるウエハWの上部の温度が下部の温度よりも高くなるように前記第1、2ヒータを制御して矯正が効果的に行われるようにする。このように加圧及び加熱を介してウエハWは矯正される。
【0134】
所定時間熱を加えた後に上板910は上昇する。
【0135】
矯正が完了したウエハWは熱により軟化した状態となる。
【0136】
次に、搬送方法について説明する 。
【0137】
本実施形態の搬送方法は、モールディングウエハWの下面に空気を噴射して前記ウエハWを浮揚させる浮揚段階と、前記ウエハWの外周面を支持する支持段階と、前記ウエハWを搬送する搬送段階とを含む。
【0138】
搬送部50が右側に移動し、第1テーブル30上部に移動した後に下降する。
【0139】
搬送部50は下降して支持ピン560が第1テーブル30のガイド溝312に挿入される。
【0140】
前記浮揚段階は、第1テーブル30の第1空気噴射口311を介してウエハWの下面に空気を噴射してウエハWを空気で浮揚させる。
【0141】
駆動モータ523が作動すると、駆動プーリ522が回転し、駆動プーリ522により被動プーリ521も回転する。これにより、回転シャフト531が回転して伝達板530が回転する。よって、リンク540の一端も回転してリンク540の他端に接続されたガイド板551及び支持ピン560が水平方向に移動することになる。これにより前記支持段階は、両側に配置される支持ピン560間の間隔が狭くなってウエハWの外周面を支持する。
【0142】
前記搬送段階は、このような状態で、搬送部50は左側に移動して第2テーブル80上部に移動する。搬送部50が左側に移動する際に、連結部40及び第2テーブル80にも空気が噴射されて移動中にも持続的にウエハWが浮揚させられる。また、搬送部50が左側に移動する際に連結部40及び第2テーブル80でも第2ガイド溝41により支持ピン560がガイドされて左側への移動も円滑となる。
【0143】
ウエハWの第2テーブル80上部への移動が完了すると、駆動モータ523の軸が反対に回転して支持ピン560間の間隔が広くなり支持ピン560はウエハWから離脱される。また、搬送部50の空気管590を介して空気がウエハW上部に噴射され、第2テーブル80で空気噴射が中断されてウエハWは第2テーブル80上部に載置されることになる。
【0144】
その後、搬送部50は上昇する。
【0145】
このように、加熱されたモールディングウエハWを空気で浮揚させると共に、ウエハWの外周面を支持して搬送し、矯正のための加熱によりウエハWが軟化した状態であっても、単純な構造により矯正された状態を安定的に維持しながら、硬化過程を経なくても、すぐ搬送することができるため工程時間が短縮される。
【0146】
第2テーブル80のピンが上昇し、第2テーブル80上部に突出して第2テーブル80上に載置されたウエハWをアーム20で持ち上げて検査装置60に供給する。
【0147】
検査装置60を介してウエハWの歪みを検査して矯正完了可否を判断する。
【0148】
検査装置60を介して矯正が完了したものと判断されると、ウエハWはアーム20を介してカセット10に積載される。
【0149】
上述とは異なって、積載されたウエハWを、アーム20を介して1つずつ取り出して検査装置60に供給した後、ウエハWに歪みが発生したものと判断される場合に、アーム20を介してウエハWを前記矯正装置に供給して矯正することができる。
【0150】
本実施形態では、ウエハWを対象物として説明したが、印刷回路基板(PCB)にも同様に適用され得る。
【0151】
上述では、本発明の好ましい実施形態を参照して詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、当該技術分野の熟練した当業者は添付の特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で、本発明を多様に修正及び変更させることができる。
【符号の説明】
【0152】
10 カセット
20 アーム
30 第1テーブル
40、40’ 連結部
50 搬送部
60 検査装置
70 ディテープテーブル
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