【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 一般社団法人 エレクトロニクス実装学会、第29回エレクトロニクス実装学会春季講演大会予稿集、第190頁〜第192頁、平成27年3月6日 第29回エレクトロニクス実装学会春季講演大会、平成27年3月17日(開催期間:平成27年3月16日〜18日) Institute of Electrical and Electronics Engineers、2015 International Conference on Optical MEMS and Nanophotonics予稿集、平成27年8月3日 2015 International Conference on Optical MEMS and Nanophotonics、平成27年8月3日(開催期間:平成27年8月2日〜5日)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反射部は、前記カバー体と平行な面において、前記第2受光部と前記射出部の間に配置され、かつ、前記カバー体を反射面とした場合に前記射出部から射出した前記レーザー光が前記第1受光部に入射する位置からずれた位置に配置されている、
請求項1に記載の生体情報検出センサ。
前記射出部の射出中心点と前記第1受光部の受光中心点とが第1直線上に配置され、前記射出部の射出中心点と前記第2受光部の受光中心点とが前記第1直線と異なる方向に延在する第2直線上に配置されている、
請求項1または2に記載の生体情報検出センサ。
前記射出部の射出中心点と前記反射部との距離aと、前記カバー体と平行な面における前記射出部の射出中心点と前記第2受光部の受光中心点との距離bと、前記射出部の射出中心点と前記第2受光部の受光中心点との距離cとの関係が0.15≦b/a≦0.38、かつ、0≦c/a≦0.53である、
請求項6に記載の生体情報検出センサ。
軸方向が前記底面から前記カバー体に向けて伸びた筒形状であり、内周面が前記第2受光部の受光中心点を囲って配置され、かつ、前記内周面が前記反射光を反射する反射部材で形成された反射光案内部、
を備える請求項1から8のいずれか一項に記載の生体情報検出センサ。
前記底面の前記第2受光部と前記射出部の間の前記基体または前記第2受光部の受光中心点よりも前記射出部側の部分に配置され、前記第2受光部よりも前記カバー体側に突出し、前記第2受光部に入射する前記散乱光を遮光する第2受光部用遮光部、
を備える請求項1から8のいずれか一項に記載の生体情報検出センサ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1から
図3を参照しながら、本実施形態に係る
生体情報検出センサ
(以下、「センサ」という。)1を備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係るセンサを備えた測定装置のブロック図である。測定装置10は、生体の測定対象部位と接触した状態で、例えば、血流量と脈拍と脈波と血圧とを含む生体情報を測定するものである。本実施形態の測定装置10は、手の指Fの血流量を測定する装置として説明する。より詳しくは、測定装置10は、レーザー光を生体組織中に照射した際に、生体組織で散乱した散乱光のドップラーシフトを利用して、血流量を測定するものである。本実施形態の測定装置10は、測定対象を手の指Fとしたが、測定対象はこれに限定されない。
【0012】
測定装置10は、
図1に示すように、センサ(検出端子)1と、制御装置8と、を備える。測定装置10は、電源をON、OFFするスイッチ10aを備える。測定装置10は、スイッチ10aが操作されると、スイッチ10aがON又はOFFにされた旨の制御信号を制御装置8に送る。
【0013】
次に、
図1に加え、
図2及び
図3を用いてセンサ1について説明する。
図2は、センサの断面図である。
図3は、センサの平面図である。
図2及び
図3に示すように、センサ1は、基体2と、カバー体3と、反射ミラー(反射部)4と、射出部5と、血流用受光部(第1受光部)6と、接触圧用受光部(第2受光部)7と、を備える。センサ1は、血流を検出する機能と、接触を検出する機能を備えている。センサ1は、射出部5と、血流用受光部6とで血流を検出する。センサ1は、反射ミラー4と、射出部5と、接触圧用受光部7とで接触を検出する。
【0014】
基体2は、支持台であり、射出部5と、血流用受光部6と、接触圧用受光部7が配置されている。基体2は、底面2aと底面2aの周囲を覆う側壁2bとを有する。底面2aは、矩形の板状部材である。底面2aは、例えば、一辺の長さが1.5mm以上7.0mm以下である。側壁2bは、底面2aの全周、つまり、矩形の4辺の全てに配置された板状の部材であり、底面2aの表面(面積が最も大きい面)に直交する向きに延在している。基体2は、底面2aと側壁2bとで囲われた領域が凹部2cとなる。つまり、基体2は、底面2aと側壁2bとで蓋がない箱形状となり、箱の内部が凹部2cとなる。基体2は、凹部2cの表面が光を吸収する材料で形成することが好ましい。
【0015】
カバー体3は、基体2の凹部2cを覆い、反射ミラー4が配置されている。カバー体3は、矩形の板状の部材である。カバー体3は、基体2の底面2aに平行に配置されている。カバー体3は、凹部2cと対面する面である裏面3aが、側壁2bの上側に固定されている。本実施形態のカバー体3は、接着剤として機能する樹脂材で、裏面3aが基体2の側壁2bの上端面に固定されている。カバー体3は、レーザー光を透過可能な部材で構成されている。カバー体3は、例えば、アクリル樹脂材を含む、高い透明性を有する合成樹脂材で構成されている。カバー体3は、可撓性を有する。これにより、カバー体3は、外力が付与されると基体2の底面2aに対して変位する。カバー体3は、例えば、レーザー光を透過可能なガラスを含んでいてもよい。カバー体3は、例えば、低融点のガラス材又は金属半田を用いて、裏面3aが基体2の側壁2bの上端面に固定されていてもよい。
【0016】
反射ミラー4は、射出部5から射出されたレーザー光を反射する。反射ミラー4は、カバー体3の裏面3aに固定されている。反射ミラー4は、平板状の鏡面である。本実施形態の反射ミラー4は、レーザー光を透過しない鏡面で形成したが、一部の光を透過し、一部の光を反射するハーフミラー等を用いてもよい。
【0017】
射出部5は、カバー体3に向けてレーザー光を射出する。射出部5は、基体2の底面2aに固定されている。射出部5は、例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)を含む半導体レーザーである。本実施形態の射出部5は、拡がり角θが約20°のレーザー光をカバー体3に向けて射出する。射出部5は、制御装置8と電気的に接続されている。
【0018】
血流用受光部6は、入射する光を検出する。血流用受光部6は、基体2の底面2aに配置されている。血流用受光部6は、光を受光すると電流及び電圧を生じる光検出器である。血流用受光部6は、光検出器として、フォトダイオードを用いることができる。血流用検出部6は、制御装置8と電気的に接続されている。血流用受光部6は、検出した情報を制御装置8に送る。血流用受光部6は、内周面が受光中心点6aを囲って配置されるピンホール(不図示)を備えていてもよい。ピンホールは、入射された散乱光Sを受光中心点6aまで案内するものである。ピンホールは、内周面が散乱光Sを反射する反射部材で形成されている。
【0019】
接触圧用受光部7は、入射する光を検出する。接触圧用受光部7は、基体2の底面2aの血流用受光部6とは異なる位置に配置されている。接触圧用受光部7は、反射光Rを受光すると電流及び電圧を生じる光検出器である。接触圧用受光部7は、光検出器としてフォトダイオードを用いることができる。接触圧用受光部7は、制御装置8と電気的に接続されている。接触圧用受光部7は、検出した情報を制御装置8に送る。
【0020】
本実施形態のセンサ1は、測定対象物の手の指Fがカバー体3に接触した状態で計測が行われる。カバー体3は、ユーザの手の指Fにより凹部2cに向けて押されると変形する。つまり、カバー体3は、接触体が接触し、押されると、基体2の底面2aに近づくように撓んで底面2aに対して変位する。また、カバー体3は、手の指Fが表面3bから離れ、外力の付与が解除されると基体2の底面2aに対して元の位置に復帰する。カバー体3は、生体情報を測定する際に、生体の測定対象部位(接触体)、例えば、手の指Fによって表面3bが接触される。生体の測定対象部位とは、生体情報を測定する生体の身体の部位である。
【0021】
次に、射出部5から射出されたレーザー光は、拡がり角θで拡がりながらカバー体3に向けて進む。射出部5におけるレーザー光の発光の中心点を射出中心点5aとする。レーザー光は、一部が反射ミラー4で反射する。反射ミラー4で反射するレーザー光を、反射光Sとする。また、射出部5から射出されたレーザー光は、一部がカバー体3を通過し、カバー体3に接触する指の生体組織で散乱する。より詳しくは、レーザー光は、指の生体組織で散乱する。生体組織で散乱したレーザー光の一部は、カバー体3を透過し凹部2cに入射する。生体組織で散乱し、凹部2cに入射したレーザー光が散乱光Sとなる。
【0022】
次に、反射ミラー4と射出部5と血流用受光部6と接触圧用受光部7の位置関係について説明する。まず、反射ミラー4は、カバー体3の表面3bと平行な面において、つまりカバー体3の表面3bに直交する方向から見た場合、接触圧用受光部7と射出部5の間に配置されている。より具体的には、本実施形態の反射ミラー4は、射出部5から射出され、反射ミラー4で反射したレーザー光である反射光Rが接触圧用受光部7に入射し、かつ、射出部5から射出され、カバー体3で反射したレーザー光が血流用受光部6に入射しない位置に配置されている。すなわち、反射ミラー4は、カバー体3の表面3bと平行な面において、接触圧用受光部7と射出部5の間に配置され、かつ、カバー体3を反射面とした場合に射出部5から射出したレーザー光が血流用受光部6に入射する位置からずれた位置に配置されている。反射ミラー4は、接触圧用受光部7と射出部5の間に、少なくとも一部が配置されていればよい。
【0023】
次に、血流用受光部6は、散乱光Sを受光し、反射光Rを受光しない位置に配置されている。接触圧用受光部7は、反射光Rを受光する位置に配置されている。ここで、血流用受光部6の受光面の中心点を受光中心点6aとする。接触圧用受光部7の受光面の中心点を受光中心点7aとする。
【0024】
本実施形態のセンサ1は、血流用受光部6の受光中心点6aと接触圧用受光部7の受光中心点7aを結んだ第1線分L1上に射出部5の射出中心点5aが配置されている。受光中心点6aと受光中心点7aとは、カバー体3との距離が同じである。カバー体3との距離とは、射出中心点5a又は受光中心点6a又は受光中心点7aと、カバー体3上において射出中心点5a又は受光中心点6a又は受光中心点7aと最も近い点との距離のことである。また、反射ミラー4は、カバー体3の表面3bと平行な面において、射出部5の射出中心点5aと接触圧用受光部7の受光中心点7aとの間に配置されている。
【0025】
図4は、接触圧用受光部7と反射ミラー4との距離に対する接触圧用受光部7の出力電圧の関係を示す。
図4に示すように、接触圧用受光部7と反射ミラー4との距離が小さい場合、接触圧用受光部7の出力電圧も小さい。範囲Q1に示すように、接触圧用受光部7と反射ミラー4との距離を増加させると、入射する反射光Rが増加して、出力電圧も増加する。距離が所定値となると、出力電圧は、点Pで最大となる。範囲Q2に示すように、点Pから距離をさらに増加させると、入射する反射光Rが減少して、出力電圧も減少する。接触圧は、範囲Q1又は範囲Q2のスロープを用いることによって推定することができる。例えば、範囲Q1又は範囲Q2のスロープを用いて、後述する制御装置8は、接触圧用受光部7の出力電圧の変化から、受光部7と反射ミラー4との距離の変化を推定することができる。さらに、制御装置8は、推定された受光部7と反射ミラー4との距離の変化から、カバー体3への接触圧を算出することができる。範囲Q1のスロープは、範囲Q2のスロープよりも傾きが大きいので、範囲Q1のスロープを用いることにより、測定装置10は、高精度の測定が可能となる。
【0026】
次に、
図1に戻り、制御装置8について説明する。制御装置8は、センサ1の動作を制御し、センサ1から出力される電気信号を処理して生体情報を算出する。制御装置8は、射出部5に制御信号を送信し、血流用受光部6及び接触圧用受光部7から信号を受信する。制御装置8は、記憶部8aと、制御部8bとを有する。
【0027】
記憶部8aは、制御装置8における情報処理で使用するプログラム及びデータを記憶している。記憶部8aは、制御部8bにおける情報処理結果を一時的に記憶する作業領域としても使用される。記憶部8aは、射出部制御プログラムと、血流量算出プログラムと、接触圧算出プログラムとを含むプログラムを記憶している。射出部制御プログラムは、射出部5に対してレーザー光の射出と停止とを制御する制御信号を出力する機能を提供する。射出部制御プログラムは、測定装置10のスイッチ10aがONされると射出部5に対してレーザー光を射出する制御信号を出力し、測定装置10のスイッチ10aがOFFされると射出部5に対してレーザー光の射出を停止する制御信号を出力する。血流量算出プログラムは、血流用受光部6から入力された電気信号に基づいて、ドップラーシフトを利用して血流量を算出する機能を提供する。血流量算出プログラムは、接触圧算出プログラムによって算出された接触圧が所定条件を満たす場合に、制御部8bによって命令が実行される。所定条件としては、例えば、接触圧の下限値又は上限値の少なくともいずれか一方を定めればよい。接触圧算出プログラムは、接触圧用受光部7から入力された電気信号に基づいて反射ミラー4の変位を算出し、接触圧を算出する機能を提供する。接触圧算出プログラムは、算出した接触圧が所定条件を満たさない場合、血流量が測定不能である旨を、警告灯や警告音、振動装置などによって報知するようにしてもよい。
【0028】
制御部8bは、接触圧用受光部7によって受光した反射光Rに基づいて手の指Fの接触を検出し、手の指Fの接触を検出する状態で血流用受光部6によって受光した散乱光Sに基づいて手の指Fの血流量を算出する。より詳しくは、制御部8bは、記憶部8aに記憶されているデータを適宜参照しつつ、記憶部8aに記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。制御部8bは、測定装置10の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
【0029】
出力部9は、制御装置8で算出された血流量を出力する装置である。出力部9は、例えば、表示装置、印刷装置などを含む。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを含む。表示装置は、文字、画像、記号、及び図形等を表示する。印刷装置は、例えば、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ等のプリンタを含む。印刷装置は、文字、画像、記号、及び図形等を印刷する。
【0030】
次に、このように構成されるセンサ1及び測定装置10を使用した血流量の測定方法及び作用について説明する。
【0031】
被測定者は、血流量を測定する場合、測定装置10のスイッチ10aをONにする。測定装置10は、スイッチ10aがONにされた旨の制御信号を制御装置8に出力する。被測定者は、手の指Fをカバー体3に接触させる。カバー体3は、手の指Fによって接触されることで、接触された部分が基体2の底面2aに近づくように撓んで底面2aに対して変位する。これにより、反射ミラー4も、底面2aに対して変位する。
【0032】
測定装置10のスイッチ10aがONにされた旨の制御信号が制御装置8の制御部8bに入力されると、制御部8bは、射出部制御プログラムに含まれる命令を実行する。より詳しくは、制御部8bは、射出部5に対してレーザー光を射出する制御信号を出力する。射出部5は、制御信号に基づいて、カバー体3に向けてレーザー光を射出する。
【0033】
射出部5から射出されたレーザー光は、拡がり角θで拡がりながらカバー体3に向けて進む。レーザー光は、一部が反射ミラー4で反射し、一部がカバー体3を透過する。レーザー光の中でカバー体3を透過して手の指Fに入射したものは、手の指Fの生体組織で散乱する。
【0034】
反射ミラー4で反射した反射光Rの一部は、接触圧用受光部7に入射する。接触圧用受光部7に入射しなかった反射光Rは、底面2a又は側壁2bで吸収される。接触圧用受光部7は、受光した反射光Rに応じた電気信号を制御装置8に出力する。
【0035】
手の指Fの生体組織で散乱し、カバー体3を透過した散乱光Sの一部は、血流用受光部6に入射する。血流用受光部6に入射しなかった散乱光Sは、底面2a及び側壁2bによって吸収される。血流用受光部6は、受光した散乱光Sに応じた電気信号を制御装置8に出力する。
【0036】
制御装置8の制御部8bは、接触圧算出プログラムに含まれる命令を実行する。より詳しくは、制御部8bは、接触圧用受光部7から入力された電気信号に基づいて反射ミラー4の変位を算出し、接触圧を算出する。制御部8bは、接触圧算出プログラムで算出した接触圧に基づいて、血流量算出プログラムに含まれる命令を実行する。より詳しくは、制御部8bは、接触圧算出プログラムによって算出された接触圧が所定条件を満たす場合に、血流量算出プログラムに含まれる命令を実行する。より詳しくは、制御部8bは、血流用受光部6から入力された電気信号に基づいてドップラーシフトを利用して血流量を算出する。制御装置8は、算出した接触圧に基づいて補正した血流量を出力部9に出力する。
【0037】
被測定者は、血流量の測定を終了する場合、測定装置10のスイッチ10aをOFFにする。被測定者は、手の指Fをカバー体3から離間させる。
【0038】
測定装置10のスイッチ10aがOFFにされた旨の制御信号が制御装置8の制御部8bに入力されると、制御部8bは、射出部制御プログラムに含まれる命令を実行する。より詳しくは、制御部8bは、射出部5に対してレーザー光の射出を停止する制御信号を出力する。射出部5は、制御信号に基づいて、レーザー光の射出を停止する。
【0039】
上記実施形態によれば、センサ1は、基体2の底面2aに射出部5と血流用受光部6と接触圧用受光部7とが配置されている。すなわち、本実施形態のセンサ1は、射出部5と血流用受光部6と接触圧用受光部7とが一つの基体2の凹部2cに収容されている。測定装置10は、射出部5から出力されるレーザー光を血流用受光部6と接触圧用受光部7のそれぞれで検出することで、指がカバー体3に接触していることを確認した状態で、血流を計測することができる。これにより、測定装置10は、生体情報を高精度に測定することができる。また、センサ1を備えた測定装置10は、1つの凹部2cに射出部5と血流用受光部6と接触圧用受光部7とを収容して、接触と血流の検出ができるため、装置を小型化することができる。
【0040】
(第2実施形態)
図5を参照しながら、本実施形態に係るセンサ1aを備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図5は、第2実施形態に係るセンサの断面図である。センサ1aは、基本的な構成はセンサ1と同様である。以下の説明においては、センサ1と同様の構成要素には、同一の符号又は対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0041】
本実施形態のセンサ1aを備えた測定装置10は、接触圧用受光部7の受光中心点7aとカバー体3との距離が、射出部5の射出中心点5aとカバー体3との距離より小さい点で、第1実施形態のセンサ1を備えた測定装置10と異なる。より詳しくは、接触圧用受光部7は、台座21上に載置されている。
【0042】
台座21は、底面2a上に載置されている。台座21は、直方体の箱形状である。台座21の外周面は、光を吸収する材料で構成されている。台座21は、台座21上に接触圧用受光部7を載置した状態で、反射光Rが接触圧用受光部7に入射し、かつ、散乱光Sが接触圧用受光部7に入射しない高さの箱形状である。台座21は、カバー体3が基体2の底面2aに近づくように撓んで底面2aに対して変位した際に、カバー体3と当接しない。このような台座21上に載置された接触圧用受光部7は、底面2a上に載置された場合よりカバー体3に近い位置に配置することができる。カバー体3に近い位置に配置された接触圧用受光部7は、散乱光Sに対して反射ミラー4の影に配置されるので、散乱光Sが接触圧用受光部7に入射することをより回避することができる。
【0043】
次に、反射ミラー4と射出部5の射出中心点5aと接触圧用受光部7の受光中心点7aとの位置関係について説明する。反射ミラー4と射出中心点5aとの距離をa、カバー体3の表面3bと平行な面における射出中心点5aと受光中心点7aとの距離をb、射出中心点5aと受光中心点7aとの高さ方向における距離をcとする。高さ方向とは、基体2の側壁2bが底面2aから延在する方向である。このとき、0.15≦b/a≦0.38、かつ、0≦c/a≦0.53である。
【0044】
センサ1aは、接触圧用受光部7を台座21上に載置することで、平坦な底面2a上に載置した場合よりカバー体3に近い位置に配置することができる。これにより、接触圧用受光部7は、散乱光Sが接触圧用受光部7に入射することをより確実に回避することができる。すなわち、このような構成のセンサ1aを備えた測定装置10は、生体情報をより高精度に測定することができる。
【0045】
(第3実施形態)
図6を参照しながら、本実施形態に係るセンサ1bを備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図6は、第3実施形態に係るセンサの断面図である。本実施形態のセンサ1bを備えた測定装置10は、反射光案内部22を備える点で、第1実施形態のセンサ1を備えた測定装置10と異なる。
【0046】
反射光案内部22は、軸方向が底面2aからカバー体3に向けて伸びた筒形状である。反射光案内部22は、内周面が接触圧用受光部7の受光中心点7aを囲って配置され、かつ、内周面が反射光Rを反射する反射部材で形成されている。このような構成により、反射光案内部22は、その内側に入射した反射光Rを接触圧用受光部7まで導くようになっている。つまり反射光案内部22は、筒の内周面の空間が接触圧用受光部7に光を導くピンホールとなる。反射光案内部22の外周面は、光を吸収する材料で構成されている。反射光案内部22は、反射光Rが反射光案内部22に入射し、かつ、散乱光Sが反射光案内部22に入射しない高さの筒形状である。反射光案内部22は、カバー体3が基体2の底面2aに近づくように撓んで底面2aに対して変位した際に、カバー体3と当接しない。反射ミラー4と射出部5の射出中心点5aと反射光案内部22の上端中央部との位置関係は、第2実施形態の反射ミラー4と射出中心点5aと受光中心点7aとの位置関係と同様に配置されている。
【0047】
センサ1bは、接触圧用受光部7に反射光案内部22が配置されていることで、散乱光Sが接触圧用受光部7に入射することをより確実に回避することができる。すなわち、このような構成のセンサ1bを備えた測定装置10は、生体情報をより高精度に測定することができる。
【0048】
(第4実施形態)
図7を参照しながら、本実施形態に係るセンサ1cを備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図7は、第4実施形態に係るセンサの断面図である。本実施形態に係るセンサ1cを備えた測定装置10は、遮光壁(第2受光部用遮光部)23を備える点で、第1実施形態のセンサ1を備えた測定装置10と異なる。
【0049】
遮光壁23は、接触圧用受光部7に入射する散乱光Sを遮光するものである。遮光壁23は、接触圧用受光部7と射出部5の間の基体2または接触圧用受光部7の受光中心点7aよりも射出部5側の部分に配置されている。本実施形態において、遮光壁23は、接触圧用受光部7と射出部5の間の基体2の底面2aに配置されている。遮光壁23は、接触圧用受光部7よりもカバー体3側に突出している。遮光壁23は、平板であってもよいし、高さ方向視の断面がコの字型で接触圧用受光部7の外周を囲うような形状であってもよい。遮光壁23は、光を吸収する材料で構成されている。遮光壁23は、レーザー光が反射ミラー4に入射し、かつ、散乱光Sが接触圧用受光部7に入射しない高さの壁である。遮光壁23は、カバー体3が基体2の底面2aに近づくように撓んで底面2aに対して変位した際に、カバー体3と当接しない。本実施形態において、遮光壁23の上端と変位していない状態のカバー体3との距離は、300μm以上となる。遮光壁23と、遮光壁23の上端と変位していない状態のカバー体3との距離は、遮光壁23と、遮光壁23の上端と変位していない状態のカバー体3と、の最短距離である。遮光壁23の上端と変位していない状態のカバー体3との距離は、300μm以上3000μm以下とすることが好ましい。
【0050】
センサ1cは、接触圧用受光部7に遮光壁23が配置されていることで、散乱光Sが接触圧用受光部7に入射することをより確実に回避することができる。すなわち、このような構成のセンサ1cを備えた測定装置10は、生体情報をより高精度に測定することができる。
【0051】
(第5実施形態)
図8及び
図9を参照しながら、本実施形態に係るセンサ1dを備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図8は、第5実施形態に係るセンサの断面図である。
図9は、センサの平面図である。本実施形態のセンサ1dを備えた測定装置10は、基体24の底面24aが凹凸を有する点で、第1実施形態のセンサ1を備えた測定装置10と異なる。
【0052】
基体24は、底面24aと底面24aの周囲を覆う側壁24bとを有する。底面24aは、中央部に向かうにつれて低くなる階段状に形成されている。より詳しくは、底面24aは、上段部24a1、中段部24a2、下段部24a3を有する。上段部24a1は、中段部24a2よりもカバー体3との距離が短い。中断部24a2は、下段部24a3よりもカバー体3との距離が短い。血流用受光部6と接触圧用受光部7とは、中段部24a2に配置されている。射出部5は、下段部24a3に配置されている。
【0053】
センサ1dは、中断部24a2に血流用受光部6と接触圧用受光部7を配置し、下段部24a3に射出部5を配置することで、血流用受光部6の受光中心点6aとカバー体3との距離及び接触圧用受光部7の受光中心点7aとカバー体3との距離が、射出部5の射出中心点5aとカバー体3との距離より小さくなる。ここで、中段部24a2と下段部24a3とは、反射光Rが接触圧用受光部7に入射して血流用受光部6に入射せず、かつ、散乱光Sが血流用受光部6に入射して接触圧用受光部7に入射しない高さの差を有している。
【0054】
センサ1dは、中段部24a2と下段部24a3とに高さの差があることにより、血流用受光部6及び接触圧用受光部7を、第2実施形態に示す台座21上に載置したものと同様の作用効果が得られる。
【0055】
散乱光案内部25は、反射光案内部22と同様に構成されている。散乱光案内部25は、内周面が血流用受光部6の受光中心点6aを囲って配置され、かつ、内周面が散乱光Sを反射する反射部材で形成されている。このような構成により、散乱光案内部25は、その内側に入射した散乱光Sを血流用受光部6まで導くようになっている。散乱光案内部25は、散乱光Sが散乱光案内部25に入射し、かつ、反射光Rが散乱光案内部25に入射しない高さの筒形状である。
【0056】
反射光案内部26は、反射光案内部22と同様に構成されている。反射光案内部26は、内周面が接触圧用受光部7の受光中心点7aを囲って配置され、かつ、内周面が反射光Rを反射する反射部材で形成されている。このような構成により、反射光案内部26は、その内側に入射した反射光Rを接触圧用受光部7まで導くようになっている。反射光案内部26は、反射光Rが反射光案内部26に入射し、かつ、散乱光Sが反射光案内部26に入射しない高さの筒形状である。
【0057】
次に、射出部5の射出中心点5aと血流用受光部6の受光中心点6aと接触圧用受光部7の受光中心点7aとの位置関係について説明する。射出中心点5aと受光中心点7aとの距離をD1、射出中心点5aと受光中心点6aとの距離をD2とする。例えば、射出部5の一辺の長さd1は0.2mm、血流用受光部6及び接触圧用受光部7の一辺の長さd2は0.4mm、高さh1は0.3mmとする。この場合、D1は0.450mm、D2は0.700mm、中段部24a2と下段部24a3との高さの差H1は0.5mm、散乱光案内部25及び反射光案内部26の高さH2は0.2mmとして、射出中心点5aと受光中心点6aと受光中心点7aとを配置することが好ましい。この配置は、測定装置10を高精度の測定が可能なものとし、かつ、小型化することができる配置の一例である。
【0058】
センサ1dは、基体24の底面24aが階段状に形成されていることで、第2実施形態と同様に、散乱光Sが接触圧用受光部7に入射することをより確実に回避することができる。しかも、接触圧用受光部7は、反射光案内部26が配置されていることで、散乱光Sが接触圧用受光部7に入射することをより確実に回避することができる。血流用受光部6は、散乱光案内部25が配置されていることで、反射光Rが散乱光案内部25に入射することをより確実に回避することができる。すなわち、このような構成のセンサ1dを備えた測定装置10は、生体情報をより高精度に測定することができる。
【0059】
(第6実施形態)
図10及び
図11を参照しながら、本実施形態のセンサ1eを備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図10は、第6実施形態に係るセンサの断面図である。
図11は、センサの平面図である。本実施形態のセンサ1eを備えた測定装置10は、射出部5の射出中心点5aと血流用受光部6の受光中心点6aとを結んだ第2線分L2上に接触圧用受光部7の受光中心点7aが配置されている点で、第1実施形態のセンサ1を備えた測定装置10と異なる。
【0060】
反射ミラー4は、接触圧用受光部7の受光中心点7aの上方を含む領域に配置されている。反射ミラー4は、射出部5の射出中心点5aの上方及び血流用受光部6の受光中心点6aの上方には配置されていない。
【0061】
射出部5と血流用受光部6と接触圧用受光部7の、基体2の底面2aにおける配置について説明する。本実施形態のセンサ1eは、射出部5の射出中心点5aと血流用受光部6の受光中心点6aとを結んだ第2線分L2上に接触圧用受光部7の受光中心点7aが配置されている。受光中心点6aと受光中心点7aとは、カバー体3との距離が同じである。
【0062】
センサ1eを備えた測定装置10は、第1実施形態と同様に、血流用受光部6による血流量の測定と、接触圧用受光部7による接触圧の測定とを実施することができる。このような構成のセンサ1eを備えた測定装置10は、生体情報を高精度に測定することができる。
【0063】
(第7実施形態)
図12を参照しながら、本実施形態に係るセンサ1fを備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図12は、第7実施形態に係るセンサの断面図である。本実施形態のセンサ1fを備えた測定装置10は、遮光壁27を備える点で、第6実施形態のセンサ1eを備えた測定装置10と異なる。
【0064】
遮光壁27は、遮光壁23と同様に構成されている。遮光壁27は、接触圧用受光部7と血流用受光部6の間の基体2または接触圧用受光部7の受光中心点7aよりも血流用受光部6側の部分に配置されている。本実施形態のセンサ1fは、遮光壁27が接触圧用受光部7と血流用受光部6の間の基体2の底面2aに配置されている。
【0065】
センサ1fは、遮光壁27が配置されていることで、散乱光Sが接触圧用受光部7に入射することをより確実に回避することができる。すなわち、このような構成のセンサ1fを備えた測定装置10は、生体情報をより高精度に測定することができる。
【0066】
(第8実施形態)
図13及び
図14を参照しながら、本実施形態に係るセンサ1gを備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図13は、第8実施形態に係るセンサの断面図である。
図14は、センサの平面図である。本実施形態のセンサ1gを備えた測定装置10は、基体28の底面28aが凹凸を有する点で、第6実施形態のセンサ1eを備えた測定装置10と異なる。
【0067】
基体28は、底面28aと底面28aの周囲を覆う側壁28bとを有する。底面28aは、段状に形成されている。より詳しくは、底面28aは、主として、段状に形成された第1段部28a1、第2段部28a2、第3段部28a3、第4段部28a4が形成されている。第1段部28a1は、第2段部28a2よりもカバー体3との距離が長い。第2段部28a2は、第3段部28a3よりもカバー体3との距離が短い。第3段部28a3は、第4段部28a4よりもカバー体3との距離が短い。血流用受光部6は、第2段部28a2に配置されている。接触圧用受光部7は、第3段部28a3に配置されている。射出部5は、第4段部28a4に配置されている。
【0068】
センサ1gは、第2段部28a2に血流用受光部6を配置し、第3段部28a3に接触圧用受光部7を配置し、第4段部28a4に射出部5を配置することで、血流用受光部6の受光中心点6aとカバー体3との距離及び接触圧用受光部7の受光中心点7aとカバー体3との距離が、射出部5の射出中心点5aとカバー体3との距離より小さくなる。ここで、第2段部28a2と第3段部28a3と第4段部28a4との高さの差は、散乱光Sが血流用受光部6に入射して接触圧用受光部7に入射せず、かつ、反射光Rが接触圧用受光部7に入射して血流用受光部6に入射しない高さである。
【0069】
散乱光案内部29は、散乱光案内部25と同様に構成されている。
【0070】
反射光案内部30は、反射光案内部26と同様に構成されている。
【0071】
次に、射出部5の射出中心点5aと血流用受光部6の受光中心点6aと接触圧用受光部7の受光中心点7aとの位置関係について説明する。射出中心点5aと受光中心点7aとの距離をD3、受光中心点7aと受光中心点6aとの距離をD4とする。例えば、射出部5の一辺の長さd1は0.2mm、血流用受光部6及び接触圧用受光部7の一辺の長さd2は0.4mm、高さh1は0.3mmとする。この場合、D3は0.450mm、D4は1.30mm、散乱光案内部29及び反射光案内部30の高さH2は0.2mm、第3段部28a3と第4段部28a4との高さの差H3は0.5mm、第3段部28a3と散乱光案内部29の上端との高さの差H4は0.7mmとして、射出中心点5aと受光中心点6aと受光中心点7aとを配置することが好ましい。この配置は、測定装置10を高精度の測定が可能なものとし、かつ、小型化することができる配置の一例である。
【0072】
センサ1gは、基体28の底面28aが段状に形成されていることで、散乱光Sが接触圧用受光部7に入射することをより確実に回避することができる。しかも、接触圧用受光部7は、反射光案内部30が配置されていることで、散乱光Sが接触圧用受光部7に入射することをより確実に回避することができる。血流用受光部6は、散乱光案内部29が配置されていることで、反射光Rが散乱光案内部29に入射することをより確実に回避することができる。すなわち、このような構成のセンサ1gを備えた測定装置10は、生体情報をより高精度に測定することができる。
【0073】
(第9実施形態)
図15を参照しながら、本実施形態に係るセンサ1hを備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図15は、第9実施形態に係るセンサの平面図である。本実施形態のセンサ1hを備えた測定装置10は、射出部5の射出中心点5aと血流用受光部6の受光中心点6aとが第1直線M1上に配置され、射出中心点5aと接触圧用受光部7の受光中心点7aとが第1直線M1と異なる方向に延在する第2直線M2上に配置されている点で、第1実施形態のセンサ1を備えた測定装置10と異なる。
【0074】
射出部5と血流用受光部6と接触圧用受光部7の、基体2の底面2aにおける配置について説明する。
【0075】
本実施形態のセンサ1hは、射出部5の射出中心点5aと血流用受光部6の受光中心点6aとが第1直線M1上に配置され、射出中心点5aと接触圧用受光部7の受光中心点7aとが第1直線M1と異なる方向に延在する第2直線M2上に配置されている。受光中心点6aと受光中心点7aとは、カバー体3との距離が同じである。本実施形態のセンサ1hは、射出中心点5aと受光中心点6aとの距離D5を例えば、600μm≦D5≦1500μmとすることが好ましく、D5=700μmとすることがより好ましい。距離D5を上記範囲とすることで、反射光Rを接触圧用受光部7に好適に入射させ、かつ、反射光Rが血流用受光部6に入射することを抑制することができる。
【0076】
センサ1hを備えた測定装置10は、第1実施形態と同様に、血流用受光部6による血流量の測定と、接触圧用受光部7による接触圧の測定とを実施することができる。このような構成のセンサ1hを備えた測定装置10は、生体情報を高精度に測定することができる。しかも、上記のように射出部5の射出中心点5aと血流用受光部6の受光中心点6aと接触圧用受光部7の受光中心点7aとが配置されているので、センサ1hを備えた測定装置10は、第1実施形態のセンサ1を備えた測定装置10に比べて小型化することができる。
【0077】
(第10実施形態)
図16を参照しながら、本実施形態に係るセンサ1iを備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図16は、第10実施形態に係るセンサの平面図である。本実施形態のセンサ1iを備えた測定装置10は、遮光壁31を備える点で、第9実施形態のセンサ1hを備えた測定装置10と異なる。
【0078】
遮光壁31は、血流用受光部6に入射する反射光Rを遮光するものである。遮光壁31は、血流用受光部6と射出部5の間の基体2または血流用受光部6の受光中心点6aよりも射出部5側の部分に配置されている。本実施形態において、遮光壁31は、血流用受光部6と射出部5の間の基体2の底面2aに配置されている。遮光壁31は、血流用受光部6よりもカバー体3側に突出している。遮光壁31は、平板であってもよいし、高さ方向視の断面がコの字型で血流用受光部6の外周を囲うような形状であってもよい。遮光壁31は、光を吸収する材料で構成されている。遮光壁31は、散乱光Sが血流用受光部6に入射し、かつ、反射光Rが血流用受光部6に入射しない高さを有している。遮光壁31は、カバー体3が基体2の底面2aに近づくように撓んで底面2aに対して変位した際にカバー体3と当接しない。
【0079】
センサ1iは、遮光壁31が配置されていることで、反射光Rが血流用受光部6に入射することを回避することができる。すなわち、このような構成のセンサ1iを備えた測定装置10は、生体情報をより高精度に測定することができる。
【0080】
(第11実施形態)
図17を参照しながら、本実施形態に係るセンサ1jを備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図17は、第11実施形態に係るセンサの断面図である。本実施形態のセンサ1jを備えた測定装置10は、カバー体32の板厚が均一ではなく板厚が厚い厚肉部32aと板厚が薄い薄肉部32bとを有する点で、第1実施形態のセンサ1を備えた測定装置10と異なる。
【0081】
カバー体32は、厚肉部32aと薄肉部32bとを有している。厚肉部32aは、カバー体32の中央部に形成されている。薄肉部32bは、厚肉部32aを囲って形成されている。カバー体32が変位する際に、厚肉部32aは、底面2aに対して平行な姿勢を維持したまま底面2aに対して変位し、薄肉部32bは、底面2aに対して傾きを変化させながら底面2aに対して変位する。
【0082】
反射ミラー4は、カバー体32の厚肉部32aに配置されている。これにより、反射ミラー4は、カバー体32の変位に連動して、基体2の底面2aに対して水平な姿勢を維持したまま底面2aに対して変位する。
【0083】
センサ1jを備えた測定装置10は、第1実施形態と同様に、血流用受光部6による血流量の測定と、接触圧用受光部7による接触圧の測定とを実施することができる。反射ミラー4が取り付けられた厚肉部32aは、底面2aに対して平行な姿勢を維持したまま底面2aに対して変位する。そのため、接触圧の変化に対して、反射ミラー4と接触圧用受光部7との距離の変化は、一様になる。このような構成のセンサ1jを備えた測定装置10は、生体情報をより高精度に測定することができる。
【0084】
比較のために、
図18に、各接触圧における接触圧用受光部7の出力電圧の変化の一例を示す。
図18に示す例では、カバー体32を各接触圧で押圧した際の、接触圧用受光部7の出力電圧の約25秒間の平均値を使用している。なお、縦軸は接触圧0の時の出力電圧を0として、出力電圧の変化量を示している。□は、第11実施形態のようにカバー体32が厚肉部32aと薄肉部32bとを有する形状(厚肉形状)の場合を示す。これより、カバー体32が厚肉部32aと薄肉部32bとを有する形状の場合、接触圧の変化に対して出力電圧の変化がほぼ一様となることがわかる。接触圧の変化に対して出力電圧の変化がほぼ一様であるため、本実施形態の測定装置10は、生体情報を高精度に測定することができる。
【0085】
(第12実施形態)
図19を参照しながら、本実施形態に係るセンサ1kを備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図19は、第12実施形態に係るセンサの平面図である。本実施形態のセンサ1kを備えた測定装置10は、2つの接触圧用受光部7を有する点で、第5実施形態のセンサ1dを備えた測定装置10と異なる。
【0086】
2つの接触圧用受光部7は、射出部5の射出中心点5aと血流用受光部6の受光中心点6aを結んだ第3直線M3を間に挟んで配置されている。本実施形態において、2つの接触圧用受光部7は、受光中心点7aが射出中心点5aから等距離に配置されている。
【0087】
射出部5の射出中心点5aと血流用受光部6の受光中心点6aと接触圧用受光部7の受光中心点7aとの位置関係について説明する。射出中心点5aと受光中心点7aとの第3直線M3に沿った方向における距離をD6、射出中心点5aと受光中心点6aとの距離をD7、射出中心点5aと受光中心点7aとの距離をD8とする。射出部5の一辺の長さd1は0.2mm、血流用受光部6及び接触圧用受光部7の一辺の長さd2は0.4mmとする。この場合、受光中心点7aと射出中心点5aとを結んだ直線と第3直線M3との成す角θ2は45°、D6は0.318mm、D7は0.700mm、D8は0.450mmとして、射出中心点5aと受光中心点6aと受光中心点7aとを配置することが好ましい。この配置は、測定装置10を高精度の測定が可能なものとし、かつ、小型化することができる配置の一例である。
【0088】
センサ1kを備えた測定装置10は、接触圧用受光部7が第1線分L1上に配置される第5実施形態に比べてM3方向に小型化することができる。また、センサ1kを備えた測定装置10は、接触圧用受光部7を2つ備えるため、より高精度の測定が可能になる。
【0089】
(第13実施形態)
図20を参照しながら、本実施形態に係るセンサ1lを備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図20は、第13実施形態に係るセンサの平面図である。本実施形態のセンサ1lを備えた測定装置10は、2つの接触圧用受光部7を有する点で、第8実施形態センサ1gを備えた測定装置10と異なる。
【0090】
2つの接触圧用受光部7は、射出部5の射出中心点5aと血流用受光部6の受光中心点6aを結んだ第4直線M4を間に挟んで配置されている。本実施形態において、2つの接触圧用受光部7は、受光中心点7aが射出中心点5aから等距離に配置されている。
【0091】
射出部5の射出中心点5aと血流用受光部6の受光中心点6aと接触圧用受光部7の受光中心点7aとの位置関係について説明する。射出中心点5aと受光中心点7aとの第4直線M4に沿った方向における距離をD9、受光中心点7aと受光中心点6aとの距離をD10、射出中心点5aと受光中心点7aとの距離をD11とする。射出部5の一辺の長さd1は0.2mm、血流用受光部6及び接触圧用受光部7の一辺の長さd2は0.4mmとする。この場合、受光中心点7aと射出中心点5aとを結んだ直線と第4直線M4との成す角θ2は45°、D9は0.318mm、D10は1.30mm、D11は0.450mmとして、射出中心点5aと受光中心点6aと受光中心点7aとを配置することが好ましい。この配置は、測定装置10を高精度の測定が可能なものとし、かつ、小型化することができる配置の一例である。
【0092】
センサ1lを備えた測定装置10は、接触圧用受光部7が第1線分L2上に配置される第8実施形態に比べてM4方向に小型化することができる。また、センサ1lを備えた測定装置10は、接触圧用受光部7を2つ備えるため、より高精度の測定が可能になる。
【0093】
(第14実施形態)
図21を参照しながら、本実施形態に係るセンサ1mを備えた測定装置10の全体的な構成について説明する。
図21は、第14実施形態に係るセンサの断面図である。本実施形態のセンサ1mを備えた測定装置10は、カバー体33が調光ミラーで構成されている点で、第1実施形態のセンサ1を備えた測定装置10と異なる。
【0094】
測定装置10は、カバー体33を透明な状態から光を反射するミラー状態へ切り替える切替スイッチ(不図示)を備えている。測定装置10は、切替スイッチが操作されると、切替スイッチがON又はOFFにされた旨の制御信号を制御装置8に出力する。
【0095】
カバー体33は、調光ミラーで構成されている。より詳しくは、カバー体33は、電圧を印加することにより、透明な状態と、光を反射するミラー状態とを切り替え可能に構成されている。より詳しくは、カバー体33は、測定装置10の切替スイッチがONされると、制御装置8によって電圧が印加されてミラー状態とされ、測定装置10の切替スイッチがOFFされると、制御装置8によって電圧の印加が解除されて透明な状態に復帰する。カバー体33が透明な状態のとき、レーザー光は、カバー体33を透過する。カバー体33を透過したレーザー光は、カバー体33に接触している手の指Fの生体組織で散乱する。このとき、後述する受光部34によって手の指Fの血流量を測定する。カバー体33がミラー状態のとき、カバー体33は、レーザー光を反射する。このとき、受光部34によって手の指Fの接触圧を測定する。
【0096】
受光部34は、第1受光部及び第2受光部としての機能を有する。受光部34は、手の指Fの血流量を測定する血流用センサ及びカバー体33における手の指Fの接触圧を測定する接触圧用センサとして機能する。受光部34は、散乱光S及び反射光Rを受光するものである。受光部34は、基体2の底面2aに配置されている。受光部34は、ピンホール22を備えている。ピンホール22は、入射された散乱光S及び反射光Rを受光中心点34aまで案内するものである。ピンホール22は、内周面が散乱光S及び反射光Rを反射する反射部材で形成されている。
【0097】
センサ1mを備えた測定装置10は、カバー体33が透明な状態とミラー状態とを切り替え可能に構成されている。これにより、1つの受光部34で、血流量の測定と接触圧の測定とを実施することができる。このような構成のセンサ1mを備えた測定装置10は、第1実施形態に比べて小型化することができる。
【0098】
本出願の開示する実施形態は、発明の要旨及び範囲を逸脱しない範囲で変更することができる。さらに、本出願の開示する実施形態及びその変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
【0099】
例えば、制御装置8の各プログラムは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと結合されていてもよい。また、上記実施形態では、基体2の凹部2cの表面は、光を吸収する材料で形成したが、光を吸収しない材料としてもよい。
【0100】
上記の実施形態では、装置は、独立した装置として説明したが、添付の請求項に係る装置は、これに限定されない。添付の請求項に係る装置は、他の装置、例えば、ウェアラブル端末を含む携帯電子機器と組み合わせられていてもよい。携帯電子機器は、例えば、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、及びゲーム機を含むが、これらに限定されない。この場合、装置の制御装置8は、携帯電子機器の他の機能を実装する制御装置の一部として組み込まれていてもよい。
【0101】
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。
【解決手段】測定装置10は、基体2と、カバー体3と、反射ミラー4と、射出部5と、血流用受光部6と、接触圧用受光部7とを有するセンサ1と、制御装置8とを備える。基体2は、底面2aと底面2aの周囲を覆う側壁2bとを有し、側壁2bで底面2aを囲って凹部2cを形成する。カバー体3は、凹部2cを覆いレーザー光を透過可能な板状の部材であり、外力が付与されると底面2aに対して変位する。反射ミラー4は、カバー体3に配置され、レーザー光の一部を反射する。射出部5は、凹部2cの底面2aに配置され、カバー体3に向けてレーザー光を射出する。血流用受光部6は、凹部2cの底面2aに配置され、レーザー光の散乱光Sを受光する。接触圧用受光部7は、凹部2cの底面2aに配置され、反射ミラー4で反射したレーザー光の反射光Rを受光する。