特許第6067082号(P6067082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067082
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】空気圧縮機構造
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/14 20060101AFI20170116BHJP
   G01L 7/00 20060101ALI20170116BHJP
   G01L 7/16 20060101ALI20170116BHJP
   F04B 41/02 20060101ALI20170116BHJP
   F04B 51/00 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   G01L19/14
   G01L7/00 F
   G01L7/16
   F04B41/02 Z
   F04B51/00
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-197509(P2015-197509)
(22)【出願日】2015年10月5日
(65)【公開番号】特開2016-75682(P2016-75682A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2015年10月5日
(31)【優先権主張番号】103134920
(32)【優先日】2014年10月7日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501164676
【氏名又は名称】周 文三
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】周 文三
【審査官】 濱本 禎広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−149290(JP,A)
【文献】 特開2003−184744(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0133565(US,A1)
【文献】 特開2014−084852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00−23/32
G01L 27/00−27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧縮機のメインフレームには、モータ及びシリンダーが固定され、
前記モータが回転すると、前記シリンダー内でピストン本体が往復圧縮運動して圧縮空気を発生させ、
前記シリンダーの一端には、開口状を呈する開口端が設けられ、前記ピストン本体が前記シリンダー内に設置され、前記開口端の他端には、封止が完全でない頂壁が形成され、円形状外周側部の前記シリンダーは、頂壁に隣接した前後の両側辺に外方へ延びた長側板が水平に延設され、2つの前記長側板の左右両端には、上方へ延びて2つの対をなして逆L字状を呈するドッキングプレートが形成され、前記ドッキングプレートと前記長側板との間には、収容槽が形成され、円筒柱状を呈して内空部を有する空気貯蔵ユニットは、完全に貫通された開口を一端に有し、封止が完全な封止面を他端に有し、前記空気貯蔵ユニットの前記開口には、周囲に広がるように形成されて適宜な厚さを有する平面側板が設けられ、互いに対向した2つの前記平面側板上には、前記L字状を呈するドッキングプレートが設けられ、前記ドッキングプレートと前記平面側板との間には収容槽が形成され、前記空気貯蔵ユニットを回転させると、前記空気貯蔵ユニットの前記平面側板が前記ドッキングプレートの前記収容槽内へ速やかに進入され、前記シリンダーの前記長側板は、前記ドッキングプレートの前記収容槽内に収容され、前記空気貯蔵ユニットが前記シリンダーに強固に結合され、前記空気貯蔵ユニットと前記シリンダーとが着脱自在に結合され、
前記空気貯蔵ユニットと前記シリンダーとを組み合わせ、前記空気貯蔵ユニットの内空部を、前記シリンダーから供給された圧縮空気を収容するために用いるメイン空気貯蔵チャンバとして用い、前記空気貯蔵ユニットの外周壁には、前記空気貯蔵ユニットの外界と前記空気貯蔵ユニットの前記内空部とを連通させる2つの排気口が延設され、
前記2つの排気口のうち一方の前記排気口は、前記空気貯蔵ユニットから直接延びた圧力計を有し、他方の前記排気口には、ノズルを有するホースが接続され、
前記圧力計は、中空円管体、メーター蓋、スライダー、ばね及び蓋体を含み、前記円管体の略中間部の内側管壁面には、外方へ拡大した半径を有して放射線状を呈する斜リング部が形成され、前記円管体の管中心軸線を基準中心点として、前記斜リング部の最小半径r1は、左方へ延びた前記円管体の左セクションに位置し、前記斜リング部の半径は、最大半径r2に至るまで漸増し、半径r2>半径r1であり、右方へ延びた右セクションが形成され、前記左セクションには、左セクション内室が形成され、前記右セクションには、右セクション内室が形成され、前記右セクションの前記円管体の上端には、前記斜リング部に隣接した長尺状開口が形成され、
前記メーター蓋は、水平パネルを有し、前記メーター蓋上にはマーキングラインが設けられ、前記メーター蓋は、前記円管体に連結され、
前記スライダーは、前記円管体内に設置され、前記空気圧縮機により発生された圧縮空気が前記円管体内へ進入すると、前記スライダーを押動して直線変位させる上、前記スライダーは、一端に開口端が形成され、他端に封止面が形成され、前記スライダー内には、チャンバが形成され、前記チャンバ内には、前記開口端から突出した中空管が設けられ、前記スライダーの前記開口端には、上方へ延びた縦ピンが延設され、前記縦ピンには、前記縦ピンに対して垂直に平面状パネルが上へ向かって形成され、前記パネル上には、圧力数値が記載された表示用カードが設けられ、
前記ばねは、前記スライダーの前記チャンバ中に収容され、前記中空管の外周に嵌合され、
前記蓋体は、内面側中央部にインナーベースが設けられ、前記インナーベースの頂端には、内空部を有する中軸管が延設され、前記内空部の内径は、前記スライダーの前記中空管の外径より大きいが、前記中軸管の外径は、前記ばねの半径より小さく、
上述の構造により、前記空気圧縮機が発生させる圧縮空気が前記円管体内に進入し、前記円管体内で前記スライダーを押動して直線変位させ、ユーザは、透光性の前記メーター蓋上の前記マーキングラインが指し示す前記パネル上の前記表示用カードの圧力数値を読み取って現在の圧力値を知り、
進入した圧縮空気の圧力値が最大安全圧力値を超えると、前記長尺状開口を介して超過分の圧力が排出されることを特徴とする空気圧縮機構造。
【請求項2】
前記シリンダーの前記頂壁上端には、縦方向の深さを有して内空状である緩圧気道を含む緩圧ベースが縦方向に延設され、
前記緩圧気道の一端と前記頂壁とにより第1の端口が形成され、
前記緩圧気道の他端には、第2の端口が形成され、
前記緩圧気道により前記シリンダー内の前記ピストン本体の運動抵抗力が減り、動作の円滑性が向上することを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機構造。
【請求項3】
前記緩圧ベースの前記第2の端口には、金属シートが埋設され、
前記金属シートは、上下に貫通して形成された貫通孔を有し、
前記貫通孔は、前記緩圧気道と連通し、
前記緩圧ベースの外周には、環状溝が形成され、
前記環状溝には、シールリングが嵌合され、
前記金属シート上には、バルブプラグが配設されて前記金属シートの前記貫通孔が封止され、
前記ばねは、前記バルブプラグの上端に配設されることを特徴とする請求項2に記載の空気圧縮機構造。
【請求項4】
前記空気貯蔵ユニットの前記内空部の内周壁には、複数の縦リブが間隔をおいて形成され、
前記空気貯蔵ユニット内の中心部には、下方へ延びた円柱が延設され、
前記円柱の長さを調整することにより、前記バルブプラグが閉じる速度を制御し、前記円柱の外周には、環状ショルダが設けられ、
前記環状ショルダと前記円柱との間には、凹状環状溝が形成され、
前記ばねの他端は、前記環状ショルダに嵌合されて前記環状溝内に当接されることを特徴とする請求項3に記載の空気圧縮機構造。
【請求項5】
前記円管体の前記右セクションには、開口及び雄ねじ部が設けられ、
前記円管体の側辺には、上方へ延びた4つの固定ピンが設けられ、前記固定ピンの末端には、フックが設けられ、
前記メーター蓋の前記パネルの2つの長側辺には、下方へ延びた側フランジが設けられ、前記側フランジには、複数の穿孔が形成され、前記メーター蓋全体は、前記穿孔に前記円管体の固定ピンが嵌合され、前記固定ピン末端に設けられたフックにより、前記メーター蓋全体が強固に固定されることを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機構造。
【請求項6】
前記スライダーの中空管外周の底部には、インナーステップが形成され、
前記蓋体は、内周面に雌ねじ部が形成され、前記中軸管と前記インナーベースとの接続箇所には、外表面が形成され、前記中軸管の末端には、開口が形成され、前記中軸管の底端には、底壁が形成され、前記底壁の中心部には、気体抜き口が形成され、前記気体抜き口を介して超過分の空気圧力が外界へ放出され、
前記底蓋は、前記蓋体の前記インナーベースの外周に嵌合され、前記蓋体が前記円管体の開口端と螺合し、前記ばねは、一端が前記インナーステップ上に当接され、他端が前記底蓋の内周に位置して外表面に当接され、
前記円管体と前記蓋体との螺着深さを調整することにより前記ばねの張力を調整し、圧力測定の精度を向上させることを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機構造。
【請求項7】
前記メーター蓋の互いに対向した2つの側フランジのパネル下には、内凹空間が形成され、前記内凹空間末端の前記パネルの後底には、後端壁が形成され、
前記パネルの前端には、前端壁が形成され、前記パネルの両側辺には、複数の滑り止めブロックがそれぞれ設けられ、前記スライダー上方の縦ピンは、前記円管体の長尺状開口の経路に沿って、前記スライダー全体が前記円管体内に収容され、前記パネルも前記メーター蓋の内凹空間に進入し、前記パネルの前端が前記メーター蓋の後端壁に当接され、前記パネルの両側辺の滑り止めブロックは、前記メーター蓋の前記2つの側フランジの内側壁に点接触され、前記メーター蓋内で前記パネルが円滑に摺動するとともに、前記パネルの前端壁が前記メーター蓋内に当接されることを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機構造。
【請求項8】
前記スライダーの前記封止面の周側部には、環状凹溝が形成され、
前記環状凹溝には、Oリングが嵌合され、
圧力値が安全圧力最大値を超えて前記スライダーの前記環状凹溝上に設けた前記Oリングが前記斜リング部に至るまで変位すると、前記長尺状開口を介して超過分の圧力が前記圧力計の外部へ排出されることを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧縮機構造に関し、特に、空気圧縮機のシリンダーと空気貯蔵ユニットとの2つの独立部材が着脱自在に結合され、結合された後にメイン空気貯蔵チャンバ及び緩圧気道が形成され、ピストン本体の運動抵抗力が減って動作の円滑性が向上し、緩圧気道とメイン空気貯蔵チャンバとが接続された箇所に金属シートが設けられ、バルブプラグの上下運動の安定性が向上し、空気貯蔵チャンバの周壁上に延設された圧力計により、現在の圧力値を表示することができる上、圧力値が所定の安全圧力最大値に達すると、斜リング部、長尺状開口などの構造を介して超過分の圧縮空気を外界へ排出し、空気圧縮機に安全弁を別途取り付けなくとも安全性を高めることができる上、過圧により気体被注入物にダメージが加わることを防ぐことができる、空気圧縮機構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空気圧縮機、特に自動車のタイヤ、エアクッションなどに気体注入するために用いる小型空気圧縮機は、シリンダーと空気貯蔵ユニットとが一体成形され、シリンダーと空気貯蔵ユニットとが接続される壁には、空気が出入りする空気口が形成され、空気口の空気貯蔵ユニットの底壁上には、バルブプラグが設けられる。バルブプラグの他端にはばねが当接され、ばねの他端には、空気貯蔵ユニットの開口端にボルトにより固定されたトップカバーが当接される。しかしこのような設計は、ばね及びバルブプラグを空気貯蔵ユニットへ組立てることが困難である上、空気貯蔵ユニット内の空気圧力がバルブプラグに対して反対方向の圧力を発生させるため、ピストン本体の運動抵抗力が増大して動作の円滑性が好ましくないことがあった。空気貯蔵ユニットの周壁には、排気マニホールド(duct)が2本だけ設けられ、そのうち一方のマニホールドには、円筒状の圧力表示計が取り付けられ、他方のマニホールドには、ノズルを一端に有するホースが接続されている。ノズルは、例えば自動車のタイヤなどの気体被注入物に接続され、空気圧縮機により発生された圧縮空気が気体被注入物へ送られ、気体注入を行う。ユーザは圧力表示計を見ると現在の圧力値を知ることができるため、気体注入を安全に行うことができる。このような従来の円筒状の圧力表示計は、ブルドン管(Burden tube)の原理を利用して製作した機械式圧力ゲージに属するが、このようなブルドン管式圧力表示計には多くの精密部品が用いられているため、例えば地面に落としたり、大きな衝撃を受けたりして精密部品が損傷すると、測定精度が低下する虞があり、ブルドン管圧力表示計の使用性は好ましくなかった。
【0003】
本発明者は、従来の空気圧縮機が有する欠点に鑑み、積極的に研究・改良を行い、空気圧縮機のシリンダー及び空気貯蔵ユニットの2つの独立部材が着脱自在に結合され、結合した後にメイン空気貯蔵チャンバ及び緩圧気道が形成され、ピストン本体の運動抵抗力が少なく動作の円滑性が向上するとともに、空気圧縮機に過圧安全弁を別途設ける必要は無く、圧力値が所定の安全圧力最大値に達したときに、空気貯蔵ユニット上の圧力計が瞬時に反応し、超過分の圧力を放出する本願発明を完成させた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の第1の目的は、空気圧縮機のシリンダー及び空気貯蔵ユニットの2つの独立部材が着脱自在に結合され、結合された後にメイン空気貯蔵チャンバ及び緩圧気道が形成され、ピストン本体の運動抵抗力が減って動作の円滑性が向上する空気圧縮機構造を提供することにある。
本発明の第2の目的は、緩圧気道とメイン空気貯蔵チャンバとが接続された箇所に金属シートが埋設され、バルブプラグの上下運動の安定性が向上する空気圧縮機構造を提供することにある。
本発明の第3の目的は、空気貯蔵チャンバの周壁上に圧力計が延設され、ユーザは圧力計を介して現在の圧力値を知ることができる上、圧力値が所定の安全圧力最大値に達すると、斜リング部、長尺状開口などの構造を介して超過分の圧縮空気を外界へ排出し、空気圧縮機に安全弁を別途取り付けなくとも安全性を高めることができる上、過圧により気体被注入物にダメージが加わることを防ぐことができる空気圧縮機構造を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機構造のシリンダー及び空気貯蔵ユニットを示す分解斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機構造のシリンダー及び空気貯蔵ユニットを示す斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機構造の圧力計の部品全体を示す分解斜視図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機構造の空気貯蔵ユニット及び圧力計を示す断面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機構造の空気貯蔵ユニット及び単独の円管体を示す断面図である。
図6図6は、本発明の圧力計の開始状態を示す平面図である。
図7図7は、本発明の圧力計の開始状態を示す断面図である。
図8図8は、本発明の圧力計が圧縮空気を受け、スライダーがピストンのような運動を行うときの状態を示す平面図である。
図9図9は、本発明の圧力計が圧縮空気を受け、スライダーがピストンのような運動を行うときの状態を示す断面図である。
図10図10は、本発明の圧力計が圧縮空気を受け、スライダーがピストンのような運動を行うときの状態を示す断面図である。
図11図11は、本発明の圧力計の圧力が超過したときの状態を示す平面図である。
図12図12は、図11で圧力を放出するステップで、スライダーの極限位置を示す説明図である。
図13図13は、図11の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0007】
以下、本発明に係る空気圧縮機構造について詳しく説明する。図1図7を参照する。図1図7に示すように、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機構造は、空気圧縮機を含む。空気圧縮機のメインフレーム7には、モータ71が固定される。モータ71の出力軸には、小歯車72が設けられる。メインフレーム7には、小歯車72と噛合する大歯車73が固定される。シリンダー6内で上下往復運動を行うピストン本体76の杆末端には、前述した大歯車73に結合された重量回転盤74上のクランクピン75が枢着され、モータ71が回転すると、小歯車72により大歯車73が駆動され、シリンダー6内でピストン本体76が往復圧縮運動を行い、圧縮空気を発生させる。
【0008】
本発明の空気圧縮機のシリンダー6内には、一端が開口状を呈する開口端60を介し、ピストン本体76が挿入され、開口端60の他端には、封止が不完全な頂壁61(図7を参照する)が形成され、シリンダー6の頂壁61の上端には、縦方向の深さを有して内空状の緩圧気道62を有する緩圧ベース66が縦方向へ延設されている。緩圧気道62の一端と頂壁61とにより第1の端口621が形成される。緩圧気道62の他端には、第2の端口622が形成される。第2の端口622上には、金属シート64が埋設される。金属シート64は、上下に貫通して形成された貫通孔640を有する。貫通孔640は、緩圧気道62と連通する。緩圧ベース66の外周には、環状溝661が形成される。環状溝661には、シールリング67が嵌合される。円形状外周側部のシリンダー6の頂壁61に隣接した前後の両側辺には、外方へ延びた長側板65が水平に延設される。2つの長側板65の左右両端には、上方へ延びて2つの対をなし、逆L字状を呈するドッキングプレート650が形成される。ドッキングプレート650と長側板65との間には、収容槽652が形成される。
【0009】
円筒柱状を呈する空気貯蔵ユニット8は、完全に貫通した開口81を一端に有し、完全に封止された封止面88を他端に有する。空気貯蔵ユニット8の内空部82の内周壁には、複数の縦リブ89が間隔をおいて形成される。空気貯蔵ユニット8の開口81には、周囲に広がって適宜な厚さを有する平面側板85が形成され、互いに対向した2つの平面側板85には、L字状を呈するドッキングプレート851が設けられる。ドッキングプレート851と平面側板85との間には、収容槽850が形成される。空気貯蔵ユニット8内の中心部には、下方へ延びた円柱86が延設される。円柱86の長さを調整することによりバルブプラグ92が閉じる速度を制御する。円柱86が長めであるとき、バルブプラグ92の上下運動の行程が短くなるため、前述した金属シート64の貫通孔640が閉じる速度が速くなる。反対に、円柱86が短めであるとき、バルブプラグ92の上下運動の行程が長くなるため、前述した金属シート64の貫通孔640の速度が遅くなる。円柱86の外周には、環状ショルダ87が設けられる。環状ショルダ87と円柱86との間には、凹状の環状溝80が形成される。バルブプラグ92は、前述した金属シート64上に配設され、金属シート64の貫通孔640が閉止される。金属シート64は、バルブプラグ92の上下運動の円滑性を向上させ、バルブプラグ92の振動周波数が高くなり、それ自身がプラスチック材料からなり、金属シート64もプラスチック材料からなる場合、これら両者間が高周波数で接触して当たり、プラスチック材料からなるシートが高熱で変形し、シートの閉止貫通孔640の気密性に悪影響を与える虞があるため、本発明のシートは金属材料からなる。空気貯蔵ユニット8を回転させると、空気貯蔵ユニット8の平面側板85がドッキングプレート650の収容槽652内に速やかに進入され(図1及び図2を参照する)、シリンダー6の長側板65がドッキングプレート851の収容槽850内に収容されるため(図7を参照する)、空気貯蔵ユニット8をシリンダー6に強固に結合させることができる。空気貯蔵ユニット8及びシリンダー6の2つの部材が着脱自在であるため、作業員はその内部にばね93及びバルブプラグ92を容易に組み合わせることができる。シリンダー6と空気貯蔵ユニット8とが組み合わされた後、ばね93の一端がバルブプラグ92の上端に当接され、ばね93の他端が前述した円柱86に嵌合されて環状溝80内に着座する。空気貯蔵ユニット8とシリンダー6とを組み合わせた後、空気貯蔵ユニット8の内空部82を、シリンダー6から供給された圧縮空気を収容するために用いるメイン空気貯蔵チャンバ99として用いることができる。前述した空気貯蔵ユニット8の外周壁には、空気貯蔵ユニット8の外界と空気貯蔵ユニット8の内空部82とを連通させる2つの排気口83,84が延設される。そのうち一方の排気口83は、空気貯蔵ユニット8から直接延びた圧力計を有し、他方の排気口84には、ノズル91を有するホース90が接続される。
【0010】
本発明の圧力計は、中空円管体1を含む。円管体1の略中間部の内側管壁面には、外方へ拡大した半径を有して放射線状を呈する斜リング部10が形成される。斜リング部10は、直線状又は円弧状に形成されてもよく、円管体1の管中心軸線Cを基準中心線として、前述した斜リング部10の最小半径r1は、左方へ延びた円管体1の左セクション22に位置する。斜リング部10の半径は、最大半径r2に至るまで漸増し、半径r2>半径r1であり、右方へ延びた右セクション21が形成される。左セクション22には、左セクション内室220が形成される。右セクション21には、右セクション内室210が形成される。右セクション21の円管体1の上端には、前述した斜リング部10に隣接した長尺状開口25が形成される。長尺状開口25の他端には、右セクション21に完全に貫通した開口23が形成される。長尺状開口25の両側には、互いに対向した上方へ延びた2つの軌道板26,27が設けられる。前述した右セクション21の開口23端部には、雄ねじ部24が形成され、円管体1の左セクション22に接続された空気貯蔵ユニット8の外周面には、間隔をおいて形成された複数の緩衝パッド28が設けられる。円管体1の側辺には、上方へ延びた4つの固定ピン13が設けられる。これら固定ピン13の末端には、フック131が設けられる。
【0011】
メーター蓋4は、水平パネルを有する。パネルの2つの長側辺には、下方へ延びた側フランジ41が設けられる。側フランジ41には、複数の穿孔42が形成され、互いに対向した2つの側フランジ41のパネル下には、内凹空間43が形成される。内凹空間43の末端は、パネルの後底に後端壁40が形成される。メーター蓋4のパネルは、透光性パネルである。メーター蓋4上にはマーキングライン45が設けられる。メーター蓋4は、穿孔42に前述した円管体1の固定ピン13が嵌合され、固定ピン13末端に設けられるフック131により、メーター蓋4全体を強固に固定させることができる。
【0012】
スライダー5は、前述した円管体1内に設置され、空気圧縮機により発生された圧縮空気が前述した円管体1内へ進入すると、スライダー5を押動して直線変位させる上、スライダー5の移動長さにより現在の圧力値を示す。本実施形態のスライダー5は、一端に開口32端が形成され、他端に封止面51が形成される。スライダー5内には、チャンバ50が形成される。チャンバ50中の封止面51の底部中心部から延び、開口32端の中空管56から突出され、中空管56の周壁上には、間隔をおいて形成された複数の長尺状開口561が形成される。中空管56外周の底部にはインナーステップ57が形成される。前述した封止面51の周側部には、環状凹溝53が形成される。環状凹溝53には、Oリング54が嵌合される。前述したスライダー5の開口52端には、上方へ延びた縦ピン55が延設され、縦ピン55には、縦ピン55に対して垂直に平面状パネル58が上へ向かって形成される。パネル58の前端には、前端壁581が形成される。パネル58の両側辺には、複数の滑り止めブロック582がそれぞれ設けられる。前述したパネル58上には、圧力数値を有する表示用カード583が設けられる。スライダー5とパネル58とが一体成形され、スライダー5が力を受けて直線運動を行うと、それに伴ってパネル58が変位する。スライダー5上方の縦ピン55は、円管体1の長尺状開口25の経路に沿って、スライダー5全体が前述した円管体1内に収容され、スライダー5が円管体1内に挿入される上、パネル58も前述したメーター蓋4の内凹空間43に進入する。パネル58の前端がメーター蓋4の後端壁40に当接され、パネル58の両側辺の滑り止めブロック582は、メーター蓋4の2つの側フランジ41の内側壁44に点接触され、メーター蓋4内でパネル58が円滑に摺動するとともに、パネル58の前端壁581がメーター蓋4内の内凹空間43の入口に当接される。スライダー5が円管体1の左セクション22の奥まで完全に進入されると、封止面51が円管体1の左セクション22に接続された空気貯蔵ユニット8の外周面の緩衝パッド28に当接され、排気口83と円管体1内の空間とが連通し、圧縮空気が排気口83を介してスライダー5を押圧すると、スライダー5は、円管体1の空間中の左セクション内室102、右セクション内室101でピストンのような運動を行い、直線変位する(図7図10を参照する)。
【0013】
ばね59は、前述したスライダー5のチャンバ50中に収容され、中空管56の外周に嵌合される。ばね59の一端は、インナーステップ57に当接される。ばね59の外径縁は、スライダー5の内壁面に僅かに当接される(図4参照)。
【0014】
図3及び図4を参照する。図3及び図4に示すように、蓋体3は、内周面に雌ねじ部33が形成され、内面側中央部にインナーベース30が設けられる。インナーベース30の頂端には、内空部310を有する中軸管31が延設される。中軸管31の外周直径は、インナーベース30の外周直径より小さい。中軸管31とインナーベース30との接続箇所には、外表面301が形成される。中軸管31の末端には、開口32が形成される。中軸管31の底端には、底壁312が形成される。底壁312の中心部には、気体抜き口311が形成され、超過分の空気圧力が気体抜き口311を介して外界へ放出される。内空部310の内径は、前述した中空管56の外径より大きいが、中軸管31の外径はばね59の半径より小さい。前述したばね59の他端は、外表面301に当接される。底蓋14は、前述した蓋体3のインナーベース30の外周に嵌合され、蓋体3の雌ねじ部33が円管体1の開口23の雄ねじ部24と螺合し、ばね59の他端は、底蓋14の内周に位置して外表面301に当接されると、蓋体3の中軸管31が開口32を介して中空管56に嵌合され、中空管56の外径縁が中軸管31の内筒壁に近づく。蓋体3と円管体1の開口23との螺着深さを調整することによりばね59の張力を調整し、圧力測定の精度を向上させる。円管体1と、メーター蓋4と、パネル58を有するスライダー5と、ばね59と、蓋体3とが完全に組み合わされると、図2に示すような圧力計が完成する。
【0015】
図4図13を参照する。図4図6及び図7は、空気圧縮機が発生させた圧縮空気の圧力を圧力計が受けていないときの静的な状態を示す図である。空気圧縮機の圧縮空気が排気口83を介して圧力計の円管体1内に進入し、進入した圧縮空気により押動されたスライダー5が内部のばね59へ力を加え、継続的に進入する圧縮空気により押動されたスライダー5が蓋体3へ向けて移動し(図8図10を参照する)、ユーザは透光性のメーター蓋4上のマーキングライン45が位置するパネル58上の表示用カード583の圧力数値を読み取り、現在の圧力値を知ることができる。
【0016】
圧力計により圧力を測定する過程は、図8図10の動作を行った後に、所望の圧力になるまで気体被注入物に気体を注入する。圧力計を気体被注入物から外した後、ばね59の回復力によりスライダー5が零に戻って元の開始位置に回復する(図4図6及び図7を参照する)。安全に保護することができるように、圧力値が安全圧力最大値を超えると、スライダー5の封止面51の環状凹溝53上に設けたOリング54が斜リング部10に至るまで変位すると、図13に示すように、超過分の圧力が長尺状開口25を介し、図13の経路Aで圧力計の外部へ排出される。同時に圧縮空気は、斜リング部10を介して右セクション内室210へ進入し、圧力気流がスライダー5のチャンバ50へ進入し、中空管56の長尺状開口561を介し、中軸管31の内空部310へ進入してから、最終的に蓋体3の気体抜き口311を介して超過分の圧力が図13に示す経路Bで圧力計の外部へ完全に排出される。また、気体注入を行う際、不適切な操作により過圧されると、スライダー5の中空管56の末端が、蓋体3の底壁312に当接される(図12及び図13を参照する)。このような設計方式によりばね59を保護し、超過分の圧力によりばね59が変形することを防ぐ。
【0017】
上述したことから分かるように、本発明の空気圧縮機構造、特に、空気圧縮機のシリンダー6及び空気貯蔵ユニット8の2つの独立部材が着脱自在に結合され、結合された後にメイン空気貯蔵チャンバ99及び緩圧気道62が形成され、ピストン本体76の運動抵抗力が少なく動作の円滑性が向上するとともに、緩圧気道62とメイン空気貯蔵チャンバ99とが接続された箇所に金属シート64が埋設され、バルブプラグ92に高周波数で接触して当たる状況下であっても、金属シート64は変形することはなく、バルブプラグ92の上下運動の円滑性を向上させるとともに高い気密性を得る。また、空気貯蔵ユニット8の周壁上には、圧力計が延設される。圧力計は、現在の圧力値を示すとともに、圧力値が所定の安全圧力最大値に達すると、斜リング部10を介して超過分の圧縮空気が放出されるため、空気圧縮機に安全弁を別途設ける必要が無い上、安全性を高め、過圧により気体被注入物にダメージを与えることを防ぐことができる。このように本発明は、構造設計が従来の空気圧縮機と異なり、新規性及び進歩性を有する。
【符号の説明】
【0018】
1 円管体
3 蓋体
4 メーター蓋
5 スライダー
6 シリンダー
7 メインフレーム
8 空気貯蔵ユニット
10 斜リング部
13 固定ピン
14 底蓋
21 右セクション
22 左セクション
24 雄ねじ部
25 長尺状開口
26 軌道板
27 軌道板
28 緩衝パッド
30 インナーベース
31 中軸管
32 開口
33 雌ねじ部
40 後端壁
41 側フランジ
42 穿孔
43 内凹空間
44 内側壁
45 マーキングライン
50 チャンバ
51 封止面
52 開口
53 環状凹溝
54 Oリング
55 縦ピン
56 中空管
57 インナーステップ
58 パネル
59 ばね
60 開口端
61 頂壁
62 緩圧気道
64 金属シート
65 長側板
66 緩圧ベース
67 シールリング
71 モータ
72 小歯車
73 大歯車
74 重量回転盤
75 クランクピン
76 ピストン本体
80 環状溝
81 開口
82 内空部
83 排気口
84 排気口
85 平面側板
86 円柱
87 環状ショルダ
88 封止面
89 縦リブ
90 ホース
91 ノズル
92 バルブプラグ
93 ばね
99 メイン空気貯蔵チャンバ
131 フック
210 右セクション内室
220 左セクション内室
301 外表面
310 内空部
311 気体抜き口
312 底壁
561 長尺状開口
581 前端壁
582 滑り止めブロック
583 表示用カード
621 第1の端口
622 第2の端口
640 貫通孔
650 ドッキングプレート
652 収容槽
661 環状溝
850 収容槽
851 ドッキングプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13