(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記化合物(a)が、L−メントングリセリンケタール(FEMA GRAS 3807)、又はDL−メントングリセリンケタール(FEMA GRAS 3808)、又はこれらの混合物である、請求項1に記載の組成物。
前記過脂肪剤が、ラノリン、レシチン、ポリエトキシ化若しくはアシル化されたラノリン誘導体、ポリエトキシ化若しくはアシル化されたレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、脂肪酸アルカノールアミド、及びこれらの混合物から成る群から選択されている、請求項1又は2に記載の組成物。
前記粘稠要素が、脂肪族アルコール、ヒドロキシ脂肪族アルコール、部分グリセリド、炭素原子数が12〜22である脂肪酸とヒドロキシ脂肪酸、及びこれらの混合物から成る群から選択されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
前記光沢ワックスが、アルキレングリコールエステル、脂肪酸アルカノールアミド、部分グリセリド、多塩基酸エステル、炭素原子数が6〜22の脂肪族アルコールを有するヒドロキシ置換若しくは非置換のカルボン酸、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族アルデヒド、脂肪族エーテル、及び炭素原子数が合計で少なくとも24である脂肪族カーボネート、脂肪酸、炭素原子数が12〜22のオレフィンエポキシドを、炭素原子数が12〜22の脂肪族アルコールで、及び/又はヒドロキシ基を2〜10個有する炭素原子数が2〜15のポリオールで開環させた生成物、並びにこれらの混合物から成る群から選択されている、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
前記天然ワックスが、カンデリラワックス、カルナウバワックス、木蝋、エスパルトグラスワックス、コルクワックス、グアルマワックス、ライスワックス、サトウキビワックス、オーリクリーワックス、モンタンワックス、蜜蝋、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン、尾腺ワックス、セレシン、オゾセライト、ワセリン、パラフィンワックス、及びマイクロワックス、モンタンエステルワックス、サゾールワックス、水素化ホホバワックス、ポリアルキレンワックス、ポリエチレングリコールワックス、及びこれらの混合物から成る群から選択されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物。
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧品分野に属し、特定のメントン化合物を含有する新規組成物に関する。この組成物はヒトの肌に適用した場合、安定性が改善され、知覚性が増強されている。
【0002】
従来技術
化粧品組成物は通常、多様な成分を含有する。標準的な夜用クリームの成分表を見ると、最大で20種類もの成分が記載されており、多くの異なる問題に対処するため、できるだけ多くの成分を同時に添加しようとする傾向がある。実際に多くの消費者は、利点を有する組成の複雑さに耐え、また高い価格を受け入れている。消費者は高い性能も期待するからである。その一方で、組成が複雑になればなるほど、成分間の否定的な相互作用を避けることがますます困難になる。化粧品組成物(もちろん、特にあらゆる種類のエマルジョン)にとって大きな問題となるのは、その安定性、特に困難な貯蔵条件(例えば高温、又は低温)にさらされた場合の安定性である。
【0003】
別の目的は、知覚性に関する。発散性、使用感、及び匂いは、肌に適用した後の化粧品調製物の好み全体に貢献する重要なパラメータである。
【0004】
エマルジョンの油状物質が肌の上で発散するのが速ければ速いほど、消費者の知覚性が良好になる。調製物の発散性、ひいてはその知覚性は、組成物における液滴の平均粒径と結びついている。液滴が小さければ小さいほど、発散が早くなる。よって、平均粒径分布を低い値に移行可能な添加剤に対する需要がある。
【0005】
また、特に脂肪材料を多量に含有する組成物では、悪臭がなお問題となっている。一般的に調香者は、化粧品調製物の悪臭をマスキングするために、香気の特別な組み合わせを必要としている。しかしながら、前述の問題(特に伸び、油っぽい使用感、及び安定性)を解決しながら同時に、この問題に対処可能な新規添加剤を使用することが有利であり得る。
【0006】
よって本発明の課題は、化粧品調製物のための多機能添加剤であって、他の成分と否定的な相互作用を起こさずに、前記添加剤を含有する化粧品組成物の安定性と知覚性を改善するものを特定することであった。
【0007】
発明の詳細な説明
本発明の対象は、以下の成分(a)〜(d):
(a)下記式(Ia)若しくは(Ib)に記載のメントン化合物:
【化1】
及び
(b)少なくとも1種の油状物質(b1)若しくはワックス(b2)、及び任意で、
(c)少なくとも1種の乳化剤、及び/又は
(d)少なくとも1種の活性成分
を含有する化粧品組成物である。
【0008】
意外なことに、本発明によるメントンケタールは、前述の要求をすべて同時に満たすことが判明した。
・メントンケタールの付加によって化粧品組成物の安定性が、貯蔵条件が厳しい場合であっても改善する。
・同時に、化粧品組成物におけるメントンケタールの付加によって、化粧品組成物の知覚性向上に役立つ。
・まず、メントンケタールは肌に清涼感をもたらすことができる。
・メントンケタールによって、組成物中で形成される液滴が小さくなる。油滴又は水滴がより細かく分配されることに基づき、肌での感覚が改善される。例えば、クリーム及びローションの油っぽい使用感が、これにより減少する。消臭剤はまた、肌に適用した時に、より滑らかな感覚と、よりクリーミーな感覚を有することができる。
・メントンケタールはまた、特有の油臭さを有する組成物の悪臭を、減少させることができる。
【0009】
このため、メントンケタールはいわゆる「真の多機能成分」として用いられる。
【0010】
メントンケタール
メントンケタール(成分a)は、2つの構造(すなわち、L−メントングリセロールアセタール/ケタール(FEMA GRAS 3807)とDL−メントングリセリンケタール(FEMA GRAS 3808))、及びこれらの混合物を有する。FEMA GRAS 3807は例えば、Frescolat(登録商標)MGA、及びINCI:メントングリセリンアセタール(Symrise AG社)という登録商標で手に入り、肌に清涼感をもたらし、粘液性の膜を有するメントン誘導体の群に属する。この生成物は特に、オーラルケア、ヘアケア、サンケア、スキンケア、洗面用品、医薬品、洗濯用品、及び栄養品、特にチューインガムと飲料の分野での適用が提案されている。これまでにWrigley Co.により、チューインガム用の清涼剤として推奨されており(EP 0485170 B1)、またHaarmann & Reimerにより、化粧品における非治療的な使用も提案されている(EP 0507190 B1)。
【0011】
油状物質
適切な油状物質(成分b1)は例えば、
・炭素原子数が6〜18、好ましくは8〜10の脂肪族アルコールをベースとするゲルベアルコール、
・直鎖状C
6〜C
22脂肪酸と、直鎖状若しくは分枝鎖状のC
6〜C
22脂肪族アルコールとのエステル、又は
・分枝鎖状C
6〜C
13カルボン酸と、直鎖状若しくは分枝鎖状のC
6〜C
22脂肪族アルコールとのエステル、例えば、ミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネート、及びエルシルエルケートである。適切なのはまた、以下のものである:
・直鎖状C
6〜C
22脂肪酸と、分枝鎖状アルコールとのエステル、特に2−エチルヘキサノール、
・C
18〜C
38アルキルヒドロキシカルボン酸と、直鎖状若しくは分枝鎖状のC
6〜C
22脂肪族アルコールとのエステル、特にジオクチルマレエート、
・直鎖状及び/又は分枝鎖状の脂肪酸と、多価アルコール(例えばプロピレングリコール、二量体のジオール、若しくは三量体のトリオール)及び/又はゲルベアルコールとのエステル、
・C
6〜C
10脂肪酸をベースとするトリグリセリド、
・C
6〜C
18脂肪酸をベースとするモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドの液状混合物、
・C
6〜C
22脂肪族アルコール及び/又はゲルベアルコールと、芳香族カルボン酸とのエステル、特に安息香酸、
・C
2〜C
12ジカルボン酸と、炭素原子数が1〜22である直鎖状若しくは分枝鎖状のアルコールとの、又はヒドロキシ基を2〜6個有する炭素原子数が2〜10のポリオールとのエステル、
・植物油、
・分枝鎖状第一級アルコール、
・置換シクロヘキサン、
・直鎖状及び分枝鎖状のC
6〜C
22脂肪族アルコールカーボネート、例えばジカプリルイルカーボネート(Cetiol(登録商標)CC)、
・炭素原子数が6〜18、好ましくは8〜10の脂肪族アルコールをベースとする、ゲルベカーボネート、
・安息香酸と、直鎖状及び/又は分枝鎖状のC
6〜C
22アルコールとのエステル、例えばFinsolv(登録商標)TN、
・アルキル基1個当たり炭素原子を6〜22個有する、直鎖状若しくは分枝鎖状の対称性若しくは非対称性のジアルキルエーテル、例えばジカプリルイルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)
・エポキシ化脂肪酸エステルをポリオールにより開環した生成物、
・シリコーン油(シクロメチコン、シリコーンメチコーングレードなど)、
・脂肪族若しくはナフテン系の炭化水素(例えばスクワラン、スクアレン、若しくはジアルキルシクロヘキサン)、及び/又は
・鉱油。
【0012】
ワックス
適切なワックス(成分b2)の群は、以下の種類に分けることができる:
・過脂肪剤
・粘稠要素
・光沢ワックス、及び
・天然ワックス。
【0013】
過脂肪剤:過脂肪剤は例えば、ラノリン、レシチン、並びにポリエトキシ化若しくはアシル化されたラノリン誘導体、及びポリエトキシ化若しくはアシル化されたレシチン誘導体、ポリ脂肪酸エステル、モノグリセリド、及び脂肪酸アルカノールアミドといった物質から選択することができる。脂肪酸アルカノールアミドは、発泡安定剤として用いることもできる。
【0014】
粘稠要素:粘稠要素は例えば、炭素原子数が12〜22、好ましくは16〜18の脂肪族アルコール又はヒドロキシ脂肪族アルコール、並びに炭素原子数が12〜22、好ましくは16〜18である、部分グリセリド、脂肪族若しくはヒドロキシ脂肪酸であり得る。これらの物質と、炭素鎖の長さが同じであるアルキルオリゴグルコシド及び/又は脂肪酸N−メチルグルカミド、及び/又はポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレートとの組み合わせを用いるのが好ましい。
【0015】
光沢ワックス:適切な光沢ワックスは例えば、アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート、脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ油ジエタノールアミド、部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド、多価塩基性カルボン酸(ヒドロキシ置換されていてよい)と、炭素原子数が6〜22の脂肪族アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル、脂肪族化合物、例えば脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族アルデヒド、脂肪族エーテル、及び全部で少なくとも24個の炭素原子を有する脂肪族カーボネート、特にラウロンとジステアリルエーテル、脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸若しくはベヘン酸、炭素原子数が12〜22のオレフィンエポキシドを炭素原子数が12〜22の脂肪族アルコールで、及び/又は炭素原子数が2〜15でありかつヒドロキシ基を2〜10個有するポリオールで開環させた生成物、及びこれらの混合物である。
【0016】
天然ワックス:使用される天然油に加えて、調製物中にワックスが存在していてよく、それは特に天然ワックス、例えばカンデリラワックス、カルナウバワックス、木蝋、エスパルトグラスワックス、コルクワックス、グアルマワックス、ライスワックス、サトウキビワックス、オーリクリーワックス、モンタンワックス、蜜蝋、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛脂)、尾腺ワックス、セレシン、オゾセライト(地蝋)、ワセリン、パラフィンワックス、及びマイクロワックス、化学的に変性したワックス(硬質ワックス)、例えばモンタンエステルワックス、サゾールワックス、水素化ホホバワックス、並びに合成ワックス、例えばポリアルキレンワックス、及びポリエチレングリコールワックスである。
【0017】
乳化剤
本発明による組成物は任意で、乳化剤(成分c)を含有することができる。乳化剤は非イオン性、アニオン性、カチオン性、及び/又は両性であり得る。
【0018】
特に好ましいのは非イオン性乳化剤であり、それは例えば以下のものである:
・エチレンオキシド2〜30mol、及び/又はプロピレンオキシド0〜5molを、直鎖状のC
8〜C
22脂肪酸に、及びアルキル基中に炭素原子を8〜15個有するアルキルフェノールに付加した生成物
・エチレンオキシドを1〜30molグリセリンに付加した、C
12/18脂肪酸のモノエステルとジエステル、
・炭素原子数が6〜22である飽和及び不飽和脂肪酸のグリセリンモノエステルとグリセリンジエステル、及び炭素原子数が6〜22である飽和及び不飽和脂肪酸のソルビタンモノエステルとソルビタンジエステル、並びにそのエチレンオキシド付加生成物、
・エチレンオキシドを15〜60mol、ヒマシ油及び/又は水素化ヒマシ油に付加した生成物
・ポリオールエステル、特にポリグリセリンエステル、例えばポリグリセロールポリリシノレート、ポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレート、又はポリグリセロールジメレートイソステアレート。これらの群の幾つかの化合物の混合物もまた、適切である
・エチレンオキシドを2〜15mol、ヒマシ油及び/又は水素化ヒマシ油に付加した生成物
・直鎖状、分枝鎖状、不飽和若しくは飽和のC
6/22脂肪酸、リシノール酸、及び12−ヒドロキシステアリン酸と、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、及びポリグルコシド(例えばセルロース)とをベースとする部分エステル、
・モノアルキルホスフェート、ジアルキルホスフェート、及びトリアルキルホスフェート、並びにモノPEGアルキルホスフェート、ジPEGアルキルホスフェート、及び/又はトリPEGアルキルホスフェート、並びにこれらの塩
・羊毛脂アルコール
・ポリシロキサンとポリアルキルポリエーテルとのコポリマー、及び相応する誘導体
・ペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸、及び脂肪族アルコール、及び/又はC
6〜22脂肪酸の混合エステル、メチルグルコース、及びポリオール、特にグリセリン、又はポリグリセリン
・ポリアルキレングリコール、及び
・グリセリンカーボネート。
【0019】
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを脂肪族アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセリンモノエステル、グリセリンジエステル、ソルビタンモノエステル、及びソルビタンジエステルに、又はヒマシ油に付加した生成物は、市販で手に入る製品として知られている。これらは均質混合物であり、その平均的なアルコキシ化度は、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド及び付加反応を行う物質の比率に相当する。エチレンオキシドをグリセリンに付加した生成物のC
12/18脂肪酸モノエステルとジエステルは、化粧品調製物用の脂質層強化剤として知られている。最も好ましい乳化剤については、以下で詳細に記載する。
【0020】
部分グリセリド
適切な部分グリセリドの典型的な例は、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、及びこれらの工業的混合物(製造工程に由来するトリグリセリドをさらに少量、含有していてよい)である。エチレンオキシドを1〜30mol、好ましくは5〜10mol、上記部分グリセリドに付加した生成物もまた、適している。
【0021】
B.ソルビタンエステル
適切なソルビタンエステルは、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノエルケート、ソルビタンセスキエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタントリエルケート、ソルビタンモノリシノレート、ソルビタンセスキリシノレート、ソルビタンジリシノレート、ソルビタントリリシノレート、ソルビタンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキタルトレート、ソルビタンジタルトレート、ソルビタントリタルトレート、ソルビタンモノシトレート、ソルビタンセスキシトレート、ソルビタンジシトレート、ソルビタントリシトレート、ソルビタンモノマレエート、ソルビタンセスキマレエート、ソルビタンジマレエート、ソルビタントリマレエート、及びこれらの工業的混合物である。エチレンオキシドを1〜30mol、好ましくは5〜10mol、上記ソルビタンエステルに付加した生成物もまた、適している。
【0022】
C.ポリグリセリンエステル
適切なポリグリセリンエステルの典型的な例は、ポリグリセリル−2ジポリヒドロキシステアレート(Dehymuls(登録商標)PGPH)、ポリグリセリン−3−ジイソステアレート(Lameform(登録商標)TGI)、ポリグリセリル−4−イソステアレート(Isolan(登録商標)Gl 34)、ポリグリセリル−3オレエート、ジイソステアロイルポリグリセリル−3ジイソステアレート(Isolan(登録商標)PDI)、ポリグリセリル−3−メチルグルコールジステアレート(Tego Care(登録商標)450)、ポリグリセリル−3蜜蝋(Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル−4カプレート(Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル−3セチルエーテル(Chimexane(登録商標)NL)、ポリグリセリル−3ジステアレート(Cremophor(登録商標)GS 32)、及びポリグリセリルポリリシノレート(Admul(登録商標)WOL 1403)、ポリグリセリルジメレートイソステアレート、及びこれらの混合物である。適切な他のポリオールエステルの例は、トリメチロールプロパン又はペンタエリトリトールと、ラウリン酸、ヤシ油酸、獣脂酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとのモノエステル、ジエステル、及びトリエステルであり、これらは任意で、エチレンオキシド1〜30molと反応されていてもよい。
【0023】
D.アニオン性乳化剤
典型的なアニオン性乳化剤は、脂肪族のC
12〜
22脂肪酸、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、又はベヘン酸であり、例えばC
12〜
22ジカルボン酸、例えばアゼライン酸又はセバシン酸である。
【0024】
E.両性又は双性の乳化剤
他の適切な乳化剤は、両性又は双性の界面活性剤である。双性界面活性剤とは、少なくとも1個の第四級アンモニウム基、少なくとも1個のカルボキシレート、及び少なくとも1個のスルホネート基を分子中に有する界面活性化合物である。特に適切な双性イオン界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えばN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート(例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)、及びアルキル基若しくはアシル基中に炭素原子を8〜18個有する2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、及びココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。ココアミドプロピルベタイン(CTFA)という名称で知られる脂肪酸アミド誘導体が、特に好ましい。両性の界面活性剤もまた、適切な乳化剤である。両性の界面活性剤は、C
8/18アルキル基若しくはアシル基に加えて、遊離アミノ基を少なくとも1個、及び−COOH基、又は−SO
3H基を少なくとも1個、分子中に有する界面活性化合物であり、これは分子内塩を形成可能である。適切な両性界面活性剤の例は、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸、及びアルキル基中に約8〜18個の炭素原子を有するアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート、及びC
12/18アシルサルコシンである。
【0025】
活性成分
本発明による組成物はさらに、「活性成分」という用語で包括されるさらなる成分を含有することができる。適切な成分の例は、界面活性剤、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、安定剤、一次的及び二次的な日焼け止め、フケ防止剤、生物由来の薬剤、塗膜形成剤、膨潤剤、ヒドロトロープ、保存料、可溶化剤、錯化剤、還元剤、アルカリ化剤、香油、及び着色剤である。
【0026】
A.界面活性剤
他の好ましい助剤と添加剤は、アニオン性及び/又は両性及び/又は双性の界面活性剤である。アニオン性界面活性剤の典型的な例は、セッケン、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、脂肪族アルコールエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノアルキルスルホスクシネート、ジアルキルスルホスクシネート、モノアルキルスルホスクシンナメート、ジアルキルスルホスクシンナメート、スルホトリグリセリド、アミドセッケン、エーテルカルボン酸、エーテルカルボン酸塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N−アシルアミノ酸、例えばアシルラクチレート、アシルタルタレート、アシルグルタメート、及びアシルアスパルテート、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に小麦ベースの植物製品)、及びアルキル(エーテル)ホスフェートである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有する場合、アニオン性界面活性剤は慣用の均質分布を有することができるが、均質分布が狭い範囲にあるのが好ましい。両性又は双性の界面活性剤の典型的な例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタイン、及びスルホベタインである。上記界面活性剤は全て、公知の化合物である。これらの界面活性剤の構造と製造についての情報は、関連の概説書、例えばJ. Falbe編、「Surfactants in Consumer Products」、Springer Verlag, Berlin, 1987年、p.54〜124、又はJ. Falbe(編)「Katalysatoren, Tenside und Mineraloladditive (Catalysts, Surfactants and Mineral Oil Additives)」、Thieme Verlag, Stuttgart、1978年、p.123〜217に記載されている。調製物中の界面活性剤のパーセンテージ割合は、調製物に対して0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%である。
【0027】
B.増粘剤、及びレオロジー助剤
適切な増粘剤は、ポリマー粘稠剤、例えばAerosil(登録商標)系のもの(疎水性シリカ)、多糖類、特にキサンタンガム、グアールグアール、アガールアガール、アルギネート、及びチロース、カルボキシメチルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース、また脂肪酸の比較的分子量が高いポリエチレングリコールモノエステルとジエステル、ポリアクリレート(例えばCarbopols(登録商標)[Goodrich社]、又はSynthalens(登録商標)[Sgma社])、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリジン、界面活性剤、例えばエトキシ化された脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオール(例えばペンタエリトリトール若しくはトリメチロールプロパン)とのエステル、狭い範囲の脂肪族アルコールエトキシレート、及び電解質、例えば塩化ナトリウム、及び塩化アンモニウムである。
【0028】
C.ポリマー
適切なカチオン性ポリマーは例えば、カチオン性セルロース誘導体、例えば四級化されたヒドロキシエチルセルロース(Amerchol社から、Polymer JR400(登録商標)という名称で得られる)、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマー、四級化されたビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(登録商標)(BASF社)、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、四級化されたコラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L, Grunau社)、四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアモジメチコン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとのコポリマー(Cartaretine(登録商標)、Sandoz社)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(Merquat(登録商標)550、Chemviron社)、ポリアミノポリアミド、及び架橋された水溶性のポリアミノポリアミドポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば第四級キトサン(微結晶性分布のものであってもよい)、ジハロアルキル(例えばジブロモブタン)を、ビスジアルキルアミン(例えばビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパン)で縮合した生成物、カチオン性グアールガム誘導体、例えばCelanese社のJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C-17、Jaguar(登録商標)C-16、四級化されたアンモニウム塩ポリマー、例えばMiranol社のMirapol(登録商標)A-15、Mirapol(登録商標)AD-1、Mirapol(登録商標)AZ-1、及び様々なポリクアテルニウム類(例えば、ポリクアテルニウム6、7、32、又は37)、であり、これらはRheocare(登録商標) CC、又はUltragel(登録商標)300という商標名で得られる。
【0029】
適切なアニオン性、双性、両性、及び非イオン性のポリマーは例えば、酢酸ビニル/クロトン酸のコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートのコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/イソボルニルアクリレートのコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸のコポリマー、及びこれらのエステル、非架橋の、又はポリオールで架橋されたポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートのコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/t−ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートのコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムのターポリマー、セルロースエーテル、セルロースエーテル誘導体、及びシリコーンである。
【0030】
D.シリコーン
適切なシリコーン化合物は例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、並びにアミノ変性、脂肪酸変性、アルコール変性、ポリエーテル変性、エポキシ変性、フッ素変性、グリコシド変性、及び/又はアルキル変性されたシリコーン化合物であって、これらは室温で液状であっても、樹脂状であってもよい。他の適切なシリコーン化合物はシメチコンであり、これは平均鎖長が200〜300のジメチルシロキサン単位を有するジメチコンと、水素化ケイ酸塩との混合物である。適切な揮発性シリコーンについての詳細な説明は、ToddらがCosm. Toil. 91, 27(1976年)に記載している。
【0031】
E.一次的な日焼け防止成分
本発明の文脈において一次的な日焼け防止成分とは例えば、有機物質(光フィルター)であり、これは室温で液状又は結晶であり、紫外線吸収性であり、比較的波長が長い形態(例えば熱)で吸収したエネルギーを放出可能なものである。
【0032】
本発明による調製物は有利には、少なくとも1つの紫外線A波フィルター、及び/又は少なくとも1つの紫外線B波フィルター、及び/又は広帯域フィルター、及び/又は少なくとも1種の無機顔料を含有する。本発明による調製物は好ましくは、少なくとも1つの紫外線B波フィルター、又はブロードバンドフィルターを、特に好ましくは少なくとも1つの紫外線A波フィルター、及び少なくとも1つの紫外線B波フィルターを含有する。
【0033】
好ましい化粧品組成物、好ましくは本発明による上記調製物は、4−アミノ安息香酸とその誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリレート、3−イミダゾール−4−イルアクリル酸とそのエステル、ベンゾフラン誘導体、ベンジリデンマロネート誘導体、有機ケイ素基を1つ以上有するポリマーの紫外線吸収剤、桂皮酸誘導体、カンファー誘導体、トリアニリノ−s−トリアジン誘導体、2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸誘導体とその塩、アントラニル酸メチルエステル、ベンゾトリアゾール誘導体、及びインドール誘導体から成る群から選択される日焼け防止成分を1種、2種、3種、又はそれ以上含有する。
【0034】
加えて、式(I)の化合物を、肌に浸透して皮膚細胞を内部から、太陽光に起因するダメージから保護し、かつ皮膚のマトリックスメタロプロテアーゼレベルを減少させる活性成分と組み合わせることが有利である。好ましい各成分(いわゆるアリール炭化水素レセプターアンタゴニスト)については、WO 2007/128723に記載されており、これについては、参照を以て本明細書に組み込まれるものとする。好ましいのは、2−ベンジリデン−5,6−ジメトキシ−3,3−ジメチリンダン−1−オンである。
【0035】
以下に記載する紫外線フィルターは、本発明の文脈において使用するのが好ましいが、もちろんこれらに限られるわけではない:
使用するのが好ましい紫外線フィルターは、以下の群から選択される:
・p−アミノ安息香酸
・p−アミノ安息香酸エチルエステル(エトキシ化度:25mol、INCI名称:PEG−25PABA)
・p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル
・p−アミノ安息香酸エチルエステル(N−プロポキシ化度:2mol)
・p−アミノ安息香酸グリセロールエステル
・サリチル酸ホモメンチルエステル(ホモサレート)(Neo Heliopan(登録商標)HMS)
・サリチル酸−2−エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)OS)
・トリエタノールアミンサリしレート
・4−イソプロピルベンジルサリしレート
・アントラニル酸メンチルエステル(Neo Heliopan(登録商標)MA)
・ジイソプロピル桂皮酸エチルエステル
・p−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)AV)
・ジイソプロピル桂皮酸メチルエステル
・p−メトキシ桂皮酸イソアミルエステル(Neo Heliopan(登録商標)E 1000)
・p−メトキシ桂皮酸ジエタノールアミン塩
・p−メトキシ桂皮酸イソプロピルエステル
・2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸とその塩(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)
・3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オンメチルスルフェート
・β−イミダゾール−4(5)−アクリル酸(ウロカニン酸)
・3−(4’−スルホ)ベンジリデンボルナン−2−オンとその塩
・3−(4’−メチルベンジリデン)−D,L−カンファー(Neo Heliopan(登録商標)MBC)
・3−ベンジリデン−D,L−カンファー
・N−[(2及び4)−[2−(オキソボロン−3−イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・4,4’−[(6−[4−(1,1−ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス−(安息香酸−2−エチルヘキシルエステル)(Uvasorb(登録商標)HEB)
・ベンジリデンマロネートポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・グリセリルエチルヘキサノエートジメトキシシンナメート
・ジプロピレングリコールサリしレート、
・トリス(2−エチルヘキシル)−4,4’−4’’−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリルトリイミノ)トリベンゾエート(=2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン)(Uvinul(登録商標)T150)。
【0036】
本発明による調製物において式(I)の化合物1種以上と組み合わせるのが好ましい広帯域フィルターは、以下の群から選択される:
・2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(Neo Heliopan(登録商標)303)
・エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート
・2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(Neo Heliopan(登録商標)BB)
・2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸
・ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
・2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
・テトラヒドロキシベンゾフェノン
・2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン
・2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン
・2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン
・ナトリウムヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホネート
・ジナトリウム−2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5,5’−ジスルホベンゾフェノン
・フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキサニル)プロピル(Mexoryl(登録商標)XL)
・2,2’−メチレンビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(Tinosorb(登録商標)M)
・2,4−ビス−[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(Tinosorb(登録商標)S)
・2,4−ビス−[{(4−(3−スルホナト)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンナトリウム塩
・2,4−ビス−[{(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−[4−(2−メトキシエチルカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス−[{4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−[4−(2−エチルカルボキシル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(1−メチルピロール−2−イル)−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス−[{(4−トリス(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス−[{4−(2’’−メチルプロペニルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス−[{4−(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’−ヘプタメチルシロキシ−2’’−メチルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0037】
本発明による調製物において式(I)の化合物1種以上と組み合わせるのが好ましい紫外線A波フィルターは、以下の群から選択される:
・4−イソプロピルジベンジルメタン
・テレフタルイリデンジボロネートスルホン酸とその塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン)(Neo Heliopan(登録商標)357)
・フェニレンビスベンズイミダジルテトラスルホン酸二ナトリウム塩(Neo Heliopan(登録商標)AP)
・2,2’−(1,4−フェニレン)−ビス−(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)、モノナトリウム塩
・2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標)A Plus)
・DE 100 55 940 A1(=WO 2002 038537 A1)に記載のインダニリデン化合物。
【0038】
本発明による調製物において式(I)の化合物1種以上と組み合わせるのがより好ましい紫外線フィルターは、以下の群から選択される:
・p−アミノ安息香酸
・3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オンメチルスルフェート
・サリチル酸ホモメンチルエステル(Neo Heliopan(登録商標)HMS)
・2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(Neo Heliopan(登録商標)BB)
・2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸と(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)
・テレフタルイリデンジボロネートスルホン酸とその塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Neo Heliopan(登録商標)357)
・3−(4’−スルホ)ベンジリデンボルナン−2−オンとその塩
・2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(Neo Heliopan(登録商標)303)
・N−[(2及び4)−[2−(オキソボロン−3−イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・p−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)AV)
・p−アミノ安息香酸エチルエステル(エトキシ化度:25mol、INCI名称:PEG−25PABA)
・p−メトキシ桂皮酸イソアミルエステル(Neo Heliopan(登録商標)E 1000)
・2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(Uvinul(登録商標)T150)
・フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキサニル)プロピル(Mexoryl(登録商標)XL)
・4,4’−[(6−[4−(1,1−ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス−(安息香酸−2−エチルヘキシルエステル)(Uvasorb(登録商標)HEB)
・3−(4’−メチルベンジリデン)−D,L−カンファー(Neo Heliopan(登録商標)MBC)
・3−ベンジリデンカンファー
・サリチル酸−2−エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)OS)
・4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル(Padimate O)
・ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸とそのナトリウム塩
・2,2’−メチレンビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(Tinosorb(登録商標)M)
・フェニレンビスベンズイミダジルテトラスルホン酸二ナトリウム塩(Neo Heliopan(登録商標)AP)
・2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(Tinosorb(登録商標)S)
・ベンジリデンマロネートポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・メンチルアントラニレート(Neo Heliopan(登録商標)MA)
・2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標)A Plus)
・DE 100 55 940(=WO 2002 038537)に記載のインダニリデン化合物。
【0039】
WO 2005 123101 A1で言及された一次的及び二次的な日焼け防止成分が有利である。これらの調製物は有利には、少なくとも1つの紫外線A波フィルター、及び/又は少なくとも1つの紫外線B波フィルター、及び/又は少なくとも1種の無機顔料を含有する。ここで調製物は、日焼け防止調製物のために慣用に使用されるような様々な形態で存在することができる。よって調製物は、溶液、油中水型(W/O)エマルジョン、又は水中油型(O/W)エマルジョン、又は多相エマルジョン、例えば水中油中水型(W/O/W)のエマルジョン、ゲル、水性分散液、固体スティックなど、又はエアロゾルの形態で存在し得る。
【0040】
さらなる好ましい態様において本発明による調製物は、太陽光遮断剤(すなわち、特に紫外線フィルター)、及び/又は無機顔料(紫外線フィルター顔料)を合計量で、本発明による調製物が2以上(好ましくは5以上)の光保護係数を有するように含有する。本発明によるこのような調製物は特に、皮膚と毛髪を保護するために適している。
【0041】
F.二次的な日焼け防止成分
上述の一次的な日焼け防止成分の群に加えて、抗酸化剤型の二次的な日焼け防止成分が使用できる。抗酸化剤型の二次的な日焼け防止成分は、紫外線が皮膚に浸入すると始まる光化学反応の連鎖を中断する。通常の例は、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)、及びこれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)、及びこれらの誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン、及びこれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコピン)、及びこれらの誘導体、クロロゲン酸とその誘導体、リポ酸とその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシル、及び他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、及びグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、及びラウリル、パルミトイル、オレイル、α−リノレイル、コレステリル、及びこれらのグリセリルエステル)、並びにこれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸、及びこれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、及び塩)、及びスルホキシイミン化合物(例えばブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタチオニンスルホキシイミン、ヘキサチオニンスルホキシイミン、及びヘプタチオニンスルホキシイミン)であり、これらは非常に相容性が低い投与量で、また(金属)キレート剤(例えばα−ヒドロキシ酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA、及びこれらの誘導体、不飽和脂肪酸とその誘導体(例えばリノール酸、オレイン酸)、葉酸とその誘導体、ユビキノン、及びユビキノール、及びこれらの誘導体、ビタミンCとその誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロールとその誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAとその誘導体(ビタミンAパルミテート)、及びベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸とその誘導体、グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアヤク脂酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸とその誘導体、マンノースとその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、二酸化チタン(例えばエタノール中の分散液)、亜鉛とその誘導体(例えばZnO、ZnSO
4)、セレンとその誘導体(例えばセレンメチオニン)、スチルベンとその誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランススチルベンオキシド)、及び本発明の目的に適したこれらの活性物質の誘導体である(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、及び脂質)。
【0042】
無機の二次的な日焼け防止顔料は有利には、微細に分散した金属酸化物と金属塩である(WO 2005 123101 A1でも言及されている)。本発明による最終的な化粧品調製物における無機顔料、特に疎水性の無機マイクロ顔料の合計量は有利には、それぞれ調製物の全質量に対して0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜10.0質量%である。
【0043】
また、微粒子状の紫外線フィルター又は無機顔料(疎水化されていてよい)を使用することも好ましく、その例は、酸化チタン(TiO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(Fe
2O
3)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、酸化ケイ素(SiO
2)、酸化マンガン(例えばMnO)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、セリウム(例えばCe
2O
3)、及び/又はこれらの混合物である。
【0044】
G.老化防止成分
本発明の文脈において、老化防止剤又は生体物質とは例えば、抗酸化剤、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(MMPI)、肌保湿剤、グリコサミノグリカン刺激剤、抗炎症剤、TRPV1アンタゴニスト、及び植物抽出物である。
(i)抗酸化剤
アミノ酸(好ましくはグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)、及びこれらの誘導体、イミダゾール(好ましくはウロカニン酸)とその誘導体、ペプチド、好ましくはD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン、及びこれらの誘導体(好ましくはアンセリン)、カルニチン、クレアチン、マトリキンペプチド(好ましくはリシル−トレオニル−トレオニル−リシル−セリン)、及びパルミトイル化されたペンタペプチド、カロテノイド、カロテン(好ましくはα−カロテン、β−カロテン、リコペン)、及びこれらの誘導体、リポ酸とその誘導体(好ましくはジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル、及び他のチオール(好ましくはチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、及びグリコシル、n−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、及びラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリル、グリセリル、及びこれらのオリゴグリセリルエステル)、並びにこれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピロネート、チオジプロピオン酸とその誘導体(好ましくはエステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、及び塩)、スルホキシイミン化合物(好ましくはブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタチオニンスルホキシイミン、ヘキサチオニンスルホキシイミン、ヘプタチオニンスルホキシイミン)、非常に僅かな許容量(pmol〜μmol/kg)で、また(金属)キレート剤(好ましくはα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、α−ヒドロキシ酸(好ましくはクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、タンニン、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA、及びこれらの誘導体)、不飽和脂肪酸とその誘導体(好ましくはγ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸とその誘導体、ユビキノンとその誘導体、ユビキノールとその誘導体、ビタミンCとその誘導体(好ましくはアスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート、アスコルビルグルコシド)、トコフェロールとその誘導体(好ましくはビタミンEアセテート)、ビタミンAとその誘導体(ビタミンAパルミテート)、及びベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸とその誘導体、フラボノイド、及びグリコシル化されたその誘導体、特にケルセチンとその誘導体、好ましくはα−グルコシルルチン、ローズマリー酸、カルノソール、カルノソール酸、レスベラトロール、コーヒー酸とその誘導体、シナピン酸とその誘導体、フェルラ酸とその誘導体、クルクミノイド、クロロゲン酸とその誘導体、レチノイド、好ましくはレチニルパルミテート、レチノール、又はトレチノイン、ウルソール酸、レブリン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアヤク脂酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸とその誘導体、マンノースとその誘導体、亜鉛とその誘導体(好ましくはZnO、ZnSO
4)、セレンとその誘導体(好ましくはセレンメチオニン)、スーパーオキシドジスムターゼ、スチルベンとその誘導体(好ましくは酸化スチルベン、トランス酸化スチルベンオキシド)、及び本発明に適した上記成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、及び脂質)、又は抗酸化作用を有する植物(好ましくは緑茶、ルイボス、ハニーブッシュ、ブドウ、ローズマリー、セージ、メリッサ、タイム、ラベンダー、オリーブ、燕麦、ココア、イチョウ、薬用ニンジン、カンゾウ、スイカズラ、エンジュ、葛根、マツ、ミカン、ユカン(マラッカノキ)、グレープシード、小麦麦芽、ユカン)の抽出物又は留分、コエンザイム、好ましくはコエンザイムQ10、プラストキノン、及びメナキノンである。好ましい抗酸化剤は、ビタミンAとその誘導体、ビタミンCとその誘導体、トコフェロールとその誘導体(好ましくはトコフェリルアセテート)、及びユビキノンから成る群から選択される。
(ii)マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(MMPI)
好ましい組成物は、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤を含有し、これらは特に、マトリックスメタロプロテアーゼが酵素により開裂してコラーゲンになることを阻害するものであり、これは以下のものから成る群から選択される:ウルソール酸、レチニルパルミテート、プロピルガレート、プレコセン、6−ヒドロキシ−7−メトキシ−2,2−ジメチル−1(2H)−ベンゾピラン、3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−7−メトキシ−2,2−ジメチル−1(2H)−ベンゾピラン、ベンズアミジンヒドロクロリド、システインプロテアーゼ阻害剤のN−エチルマレイミド、及びε−アミノ−n−カプロン酸のセリンプロテアーゼ阻害剤、フェニルメチルスルホニルフルオリド、コルヒビン(Pentapharm社、INCI:加水分解米タンパク質)、エノテロール(Soliance社、INCI:プロピレングリコール、水、月見草根抽出物、エラグ酸、及びエラジタンニン、例えばザクロ由来のもの)、ホスホアミドンヒノキチオール、EDTA、ガラルジン、EquiStat(Collaborative Group社、リンゴ果実抽出物、大豆種抽出物、ウルソール酸、大豆イソフラボン、及び大豆タンパク質)、セージ抽出物、MDI(Atrium社、INCI:グリコサミノグリカン)、fermiskin(Silab/Mawi社、水及びシイタケ抽出物)、actimp1.9.3(Expanscience/Rahn、INCI:加水分解ルピナスタンパク質)、リポベルソーヤグリコン(Mibelle社、INCI:アルコール、ポリソルベート80、レシチン、及び大豆イソフラボン)、緑茶と紅茶からの抽出物、並びにその他の植物抽出物(WO 02 069992 A1の表1〜12に記載されたもの、この内容はここで参照を以て本明細書に組み込まれる)、大豆由来のタンパク質又は糖タンパク質、米、落花生、又はルピナス由来の加水分解タンパク質、MMPを阻害する植物抽出物、シイタケキノコ由来の抽出物、バラ科、バラ亜科の葉由来の抽出物、極めて特に好ましくはブラックベリーの葉由来の抽出物(好ましくはWO2005 123101 A1に記載のもの、この内容はここで参照を以て本明細書に組み込まれる)、例えばSymMatrix(Symrise社、INCI:マルトデキストリン、Rubus Fruticosus(ブラックベリー)の葉抽出物)。好ましい活性物質は、レチニルパルミテート、ウルソール酸、バラ科の葉由来の抽出物、バラ亜科の葉由来の抽出物、ゲニステイン、及びダイゼインから成る群から選択される。
(iii)肌湿潤剤
好ましい肌湿潤剤は、炭素原子数が3〜12のアルカンジオール又はアルカントリオールからなる群から、好ましくはC
3〜C
10アルカンジオール及びC
3〜C
10アルカントリオールから成る群から選択される。肌湿潤剤はより好ましくは、グリセロール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、及び1,2−デカンジオールから成る群から選択される。
(iv)グルコサミノグリカン刺激剤
好ましい組成物は、以下の群から選択されるグリコサミノグリカンの合成を刺激する物質を含有する:ヒアルロン酸とその誘導体若しくは塩、Subliskin(Sederma社、INCI:シノリゾビウム・メリロティ発酵物濾過体、セチルヒドロキシエチルセルロース、レシチン)、Hylufix(BASF社、INCI:水、ブチレングリコール、ナンキョウソウの葉抽出物、キサンタンガム、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)、Stimuhyal(Soliance社、INCI:カルシウムケトグルコネート)、Syn-Glycan(DSM社、INCI:テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアトリフルオロアセテート、グリセリン、塩化マグネシウム)、Kalpariane(Biotec Marine社)、DC Upregulex(Distinctive Cosmetic Ingredients社、INCI:水、ブチレングリコール、ホスホリピド、加水分解セリシン)、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、レチノイド、好ましくはレチノール及びビタミンA、ゴボウの実抽出液、ビワ抽出液、ゲンクワニン、N−メチル−L−セリン、(−)−α−ビサボロール、又は合成α−ビサボロール、例えばSymrise社のDragosantolとDragosantol 100、及び燕麦グルカン、ムラサキバレンギク抽出物、及び大豆タンパク質加水分解物。好ましい活性剤は、ヒアルロン酸とその誘導体若しくは塩、レチノールとその誘導体、(−)−α−ビサボロール、又は合成α−ビサボロール、例えばSymrise社のDragosantolとDragosantol 100、燕麦グルカン、ムラサキバレンギク抽出物、シノリゾビウム・メリロティ発酵物濾過体、カルシウムケトグルコネート、ナンキョウソウ葉抽出物、及びテトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアトリフルオロアセテートから成る群から選択される。
(v)抗炎症剤
組成物はまた、抗炎症剤及び/又は赤み及び/又は痒み改善成分を含有することができ、特にコルチコイド系のステロイド物質(ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロン、及びメチルコルチゾンから成る群から選択されるもの)は、抗炎症性活性成分として、又は発赤と痒みを緩和させるための活性成分として、有利に使用できる。上記活性成分は、他のステロイド系抗炎症剤を添加することによって、増強できる。非ステロイド系の抗炎症剤も使用できる。その例は、オキシカム(例えばピロキシカム若しくはテノキシカム)、サリシレート(例えばアスピリン、ジサリシド、ソルプリン、若しくはフェンドサール)、酢酸誘導体(例えばジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、若しくはクリンダナク)、フェナメート(例えばメフェナミック、メクロフェナミック、フルフェナミック、若しくはニフルミック)、プロピオン酸誘導体(例えばイブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン)、又はピラゾール(例えばフェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾン、若しくはアザプロパゾン)である。アントラニル酸誘導体(特にWO 2004047833 A1に記載のアベナンスラミド)は、本発明による組成物において、好ましい痒み防止成分である。
【0045】
天然の若しくは天然由来の、抗炎症性物質の混合物、又は赤み及び/又は痒みを抑える物質の混合物も使用でき、それは特に以下の群から選択される抽出物又は留分である:カモミール、アロエベラ、モツヤクジュ、アカネ、ヤナギ、ヤナギラン、燕麦、キンセンカ、アルニカ、オトギリソウ、スイカズラ、ローズマリー、チャボトケイソウ、マンサク、ショウガ、及びエキヌス。好ましいのは、以下の群から選択される抽出物又は留分である:カモミール、アロエベラ、燕麦、キンセンカ、アルニカ、スイカズラ、ローズマリー、マンサク、ショウガ、及びエキヌス、及び/又は純粋物質、好ましくはα−ビサボロール、アピゲニン、アピゲニン−7−グルコシド、ジンゲロール、ショウガオール、ジンゲルジオール、デヒドロジンゲルジオール、パラドール、天然の若しくは天然由来のアベナンスラミド(好ましくはトラニラスト、アベナンスラミドA、アベナンスラミドB、アベナンスラミドC)、非天然の若しくは非天然由来のアベナンスラミド(好ましくはジヒドロアベナンスラミドD、ジヒドロアベナンスラミドE、アベナンスラミドD、アベナンスラミドE、アベナンスラミドF、ボスウェリン酸、フィトステロール、グリシリジン、グラブリジン、及びリコカルコンA。好ましくは以下の群から選択される:α−ビサボロール、天然アベナンスラミド、非天然のアベナンスラミド(好ましくはジヒドロアベナンスラミドD)(WO 2004 047833 A1に記載のもの)、ボスウェリン酸、フィトステロール、グリシリジン、及びリコカルコンA、及び/又はアラントイン、パンテノール、ラノリン、(擬)セラミド[好ましくはセラミド2、ヒドロキシプロピルビスパルミタミドMEA、セチルオキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミド、N−(1−ヘキサデカノール)−4−ヒドロキシ−L−プロイン(1−ヘキサデシル)エステル、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロピルパルミタミド]、グリコスフィンゴリピド、フィトステロール、キトサン、マンノース、ラクトース、及びβ−グルカン、特に燕麦由来の1,3−1,4−β−グルカン。
(vi)TRPV1アンタゴニスト
TRPV1アンタゴニストとしての作用に基づき皮膚神経の過敏性を減少させる適切な化合物には例えば、トランス−4−t−ブチルシクロヘキサノール(WO 2009 087242 A1に記載のもの)が含まれる。或いは、μレセプターの活性化によるTRPV1の間接的な制御剤(例えばアセチルテトラペプチド−15)が好ましい。
(vii)植物抽出物
組成物は様々な植物抽出物を含有することもでき、それは例えば、イチョウ、オリーブ、スペインカンゾウ、セイヨウスノキ、ムラサキツメクサ、ライチ、ブドウ、ヴィニフェラブドウ、キャベツ、ザクロ、パセリ、ツボクサ、チャボトケイソウ、ムラサキウマゴヤシ、レモンバーム、セイヨウカノコソウ、ヨーロッパグリ、セイヨウシロヤナギ、及びハロパゴフィツム・プロカムベンスである。
【0046】
H.冷却剤
組成物は、物理的な冷却効果を有する物質(冷却剤)を1種以上含有することもでき、これは好ましくは以下の群から選択されるものである:メントールとその誘導体、(例えばL−メントール、D−メントール、ラセミ体のメントール、イソメントール、ネオイソメントール、ネオメントール)、メンチルエーテル(例えば(l−メントキシ)−1,2−プロパンジオール、(l−メントキシ)−2−メンチル−1,2−プロパンジオール、l−メンチルメチルエーテル)、メンチルエステル(例えばメンチルホルミエート、メンチルアセテート、メンチルイソブチレート、メンチルアセテート、L−メンチル−L−ラクテート、L−メンチル−D−ラクテート、メンチル−(2−メントキシ)アセテート、メンチル−(2−メントキシエトキシ)アセテート、メンチルピログルタメート)、メンチルカーボネート(例えばメンチルプロピレングリコールカーボネート、メンチルエチレングリコールカーボネート、メンチルグリセロールカーボネート、若しくはこれらの混合物)、メントールとジカルボン酸若しくはその誘導体との半エステル(例えばモノメンチルスクシネート、モノメンチルスクシネート、モノメンチルグルタレート、モノメンチルマロネート、O−メンチルコハク酸エステル−N,N−(ジメチル)アミド、O−メンチルコハク酸エステルアミド)、メンタンカルボン酸アミド(この場合、メンタンカルボン酸−N−エチルアミド[WS3]、又はN
α−(メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル[WS5]が好ましい:US4,150,052に記載)メンタンカルボン酸−N−(4−シアノフェニル)アミド、又はメンタンカルボン酸−N−(4−シアノメチルフェニル)アミド(WO 2005 049553 A1に記載)、メタンカルボン酸−N−(アルコキシアルキル)アミド)、メンタンとメンタン誘導体(例えばL−メントングリセリンケタール)、2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)酪酸誘導体(例えば2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)酪酸−N−メチルアミド[WS23])、イソプレゴール、又はそのエステル(l−(−)−イソプレゴール、l−(−)−イソプレゴールアセテート)、メンタン誘導体(例えばp−メンタン−3,8−ジオール)、クベボール、又は天然若しくは合成のクベボール含有混合物、シクロアルキルジオン誘導体のピロリドン誘導体(例えば3−メチル−2(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オン)、又はテトラヒドロピリミジン−2−オン(例えばイシリン又はその関連化合物、WO 2004/026840に記載)、さらなるカルボキサミド(例えばN−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)−3−p−メンタンカルボキサミド、又はその関連化合物)、(1R,2S,5R)−N−(4−メントキシフェニル)−5−メチル−2−(1−イソプロピル)シクロヘキサンカルボキサミド[WS12]、オキサメート(好ましくはEP 2033688 A2に記載のもの)。
【0047】
I.抗微生物剤
適切な抗微生物剤は原則的に、グラム陽性バクテリアに対して有効なあらゆる物質であり、それは例えば、4−ヒドロキシ安息香酸とその塩及びエステル、N−(4−クロロフェニル)−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、3−メチル−4−(1−メトキシエチル)フェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、クロロヘキシジン、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(TTC)、抗微生物性芳香剤、チモール、タイム油、オイゲノール、クローブ油、メントール、ミント油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸N−アルキルアミド(例えばn−オクチルサリシルアミド、若しくはn−デシルサリシルアミド)である。
【0048】
J.酵素阻害剤
適切な酵素阻害剤は例えば、エステラーゼ阻害剤である。これらは好ましくは、トリアルキルシトレート、例えばトリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレート、及び特に、トリエチルシトレートである(Hydagen CAT)。これらの物質は酵素活性を阻害し、これによって匂いの形成が抑えられる。適切なエステラーゼ阻害剤である他の物質は、ステロールスルフェート又はステロールホスフェートであり、それは例えば、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール、及びシトステロールのスルフェート又はホスフェート、ジカルボン酸とそのエステル、例えばグルタル酸、モノエチルグルタレート、ジエチルグルタレート、アジピン酸、モノエチルアジペート、ジエチルアジペート、マロン酸、及びジエチルマロネート、ヒドロキシカルボン酸とそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、又はジエチルタルトレート、及び亜鉛グリシネートである。
【0049】
K.匂い吸収剤、及び制汗活性成分
適切な匂い吸収剤とは、匂い形成化合物を吸収し、その大部分を保持可能な物質である。匂い吸収剤は各成分の分圧を低下させ、これにより各成分の拡散速度が減少する。この過程において、香料が損なわれないことが重要である。匂い吸収剤は、微生物に対しては効果的ではない。匂い吸収剤は例えば、主成分として、リシノール酸の亜鉛錯塩、又はほとんど匂いがない特定の香料(当業者には「定着剤」として知られる)を含有し、それは例えば、ラブダナムの抽出物、又はスチラックス、又は特定のアビエチン酸誘導体である。匂いマスキング剤とは、匂いマスキング剤としての作用に加えて、消臭剤にそれぞれの香調をもたらす香料又は香油である。香油として挙げられるのは例えば、天然香料と合成香料の混合物である。天然香料は、花、幹、及び葉、果実、果皮、根、材、茎、草、棘、枝、及び樹脂、並びにバルサムからの抽出物である。適切なのはまた、動物性製品、例えばシベット、及びカストリウムである。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、及び炭化水素類の生成物である。エステル類の香料化合物は例えば、ベンジルアセテート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルミエート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、ステアリルプロピオネート、及びベンジルサリシレートである。これらのエーテルには例えばベンジルエチルエーテルが含まれ、アルデヒドには例えば、炭素原子数が8〜18の直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール、及びブルゲオナールが含まれ、ケトンには例えば、イオノン、及びメチルセドリルケトンが含まれ、アルコールには例えば、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、及びテルピノールが含まれ、炭化水素には主に、テルペンとバルサムが含まれる。しかしながら好ましいのは、異なる香料の混合物(これらが一緒になって心地よい香調を作り出す)を用いるのが好ましい。揮発性が比較的低いエッシェンシャルオイル(たいていは芳香成分として使用される)もまた、香油として適切であり、それは例えば、セージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ミント油、シナモンリーフオイル、菩提樹の花の油、杜松子油、ベチバー油、オリバナム油、ガルバナム油、ラブダナム油、及びラバンジン油である。好ましくは、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール(lilial)、ライラール(lyral)、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサンブレン・フォルテ(boisambrene forte)、アンブロキサン(ambroxan)、インドール、ヘジオン、サンデライス、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール、ラバンジン油、サルビアセージ油、β−ダマスコン、ゼラニウムブルボン油、シクロヘキシルサリシレート、ヴェルトフィックス・クール(Vertofix coeur)、イソ−E−スーパー(iso-E-super)、フィクソリドNP(Fixolide NP)、エヴェルニル(evernyl)、イラルデイン−γ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミレート(romilat)、イロチル(irotyl)、及びフロラメート(floramat)を単独で、又は混合物で用いることができる。
【0050】
適切な収斂性の制汗活性物質は、アルミニウム、ジルコニウム、又は亜鉛の第一級塩である。このような汗を防止する適切な活性成分は例えば、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロ水和物、アルミニウムジクロロ水和物、アルミニウムセスキクロロ水和物、及びこれらの錯体化合物(例えば1,2−プロピレングリコールとの錯体化合物)、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、塩化アルミニウムタルトレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロ水和物、アルミニウムジルコニウムテトラクロロ水和物、アルミニウムジルコニウムペンタクロロ水和物、及びこれらの錯体化合物(例えばアミノ酸(例えばグリシン)との錯体化合物)である。
【0051】
L.塗膜形成剤、フケ防止剤
標準的な塗膜形成剤は例えば、キトサン、微結晶性キトサン、第四級化されたキトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルのコポリマー、アクリル酸系ポリマー、四級化セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸、及びこれらの塩、並びに類似化合物である。
【0052】
適切なフケ防止剤は、Pirocton Olamin(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−(1H)ピリジノンモノエタノールアミン塩)、Baypival(クリムバゾール)、Ketoconazol(登録商標)(4−アセチル−1−{4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)r−2−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキシラン−c−4−イルメトキシフェニル}ピペラジン、ケトコナゾール、エルビオール、二硫化サレン、コロイド状硫黄、硫黄ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、硫黄リシノールポリエトキシレート、硫黄タール蒸留物、サリチル酸(又はヘキサクロロフェンと組み合わせて)、ウンデシレン酸、モノエタノールアミドスルホスクシネートナトリウム塩、Lamepon UD(タンパク質/ウンデシレン酸の縮合物)、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチオン、及びマグネシウムピリチオン/ジピリチオンマグネシウム硫酸塩である。
【0053】
M.担体、及びヒドロトロープ
好ましい化粧品担体材料は、25℃、1013mabrで固体状又は液状であり(高粘度物質を含む)、それは例えばグリセロール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エタノール、水、並びに前記液状担体材料2種以上と、水との混合物である。本発明によるこれらの調製物は任意で、保存料又は可溶化剤を用いて作製できる。他の好ましい液状担体物質(本発明による調製物の成分となり得る)は、油、例えば植物油、中性油、及び鉱油から成る群から選択される。
【0054】
本発明による調製物の成分となり得る好ましい固体担体材料は、親水コロイド、例えばデンプン、分解デンプン、化学的若しくは物理的に変性されたデンプン、デキストリン、(粉末状)マルトデキストリン(好ましくはデキストロース等量が5〜25、好ましくは10〜20のもの)、ラクトース、二酸化ケイ素、グルコース、変性セルロース、アラビアガム、ガティガム、トラガント、カラヤ、カラギナン、プルラン、カードラン、キサンタンガム、ゲランガム、グアール粉、キャロブ豆粉、アルギネート、寒天、ペクチン、及びイヌリン、及びこれらの固体2種以上の混合物、特にマルトデキストリン(好ましくはデキストロース等量が15〜20のもの)、ラクトース、二酸化ケイ素、及び/又はグルコースである。
【0055】
さらに、ヒドロトロープ(例えばエタノール、イソプロピルアルコール、若しくはポリオール)が、流動性を改善させるために使用できる。適切なポリオールは好ましくは、炭素原子を2〜15個、そしてヒドロキシ基を少なくとも2個有する。ポリオールは他の官能基、特にアミノ基を有することができ、窒素で変性されていてよい。その典型的な例は、
・グリセリン
・アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、及び平均分子量が100〜1000ドルトンであるポリエチレングリコール、
・自己縮合度が1.5〜10である工業的なオリゴグリセリン混合物、例えばジグリセリン含分が40〜50質量%の工業的なジグリセリン混合物
・メチロール化合物、例えば特に、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトール、及びジペンタエリトリトール、
・低級アルキルグルコシド、特にアルキル基中に炭素原子を1〜8個有するもの、例えばメチルグルコシドとブチルグルコシド、
・炭素原子数が5〜12の糖アルコール、例えばソルビトール又はマンニトール、
・炭素原子数が5〜12の糖、例えばグルコース又はスクロース、
・アミノ糖、例えばグルカミン、
・ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミン、又は2−アミノプロパン−1,3−ジオール。
【0056】
N.保存料
適切な保存料は例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベンス、ペンタンジオール、又はソルビン酸、及びKosmetikverordnungのAppendix 6、Part A 及びPart B(「Cosmetics Directive」)で挙げられた他の化合物群である。
【0057】
O.香油、及び香料
適切な香油は、天然及び合成の香料の混合物である。天然香料に含まれるのは例えば、花の抽出物(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、橙花、イランイラン)、幹と葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェー、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゲリカ、セロリ、カルダモン、コスツス、アヤメ、ショウブ)、材(マツ、ビャクダン、グアヤクウッド、セダーウッド、シタン)、草と茎(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、棘と枝(トウヒ、モミ、マツ、ハイマツ)、樹脂、及びバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポポナックス)である。動物性原料、例えばシベットとビーバーも使用できる。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、及び炭化水素類の生成物である。エステル型の香料化合物の例は、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルミエート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート、及びベンジルサリシレートである。エーテルに含まれるのは例えば、ベンジルエチルエーテルであり、アルデヒドに含まれるのは例えば、炭素原子数が8〜18の直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール、及びブルゲオナールである。適切なケトンの例は、イオノン、α−イソメチリオノン、及びメチルセドリルケトンである。適切なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、及びテルピネオールである。炭化水素に含まれるのは主に、テルペンとバルサムである。しかしながら、ともに調和的な香りをもたらす異なる香料化合物の混合物を使用するのが好ましい。他の適切な香油は、比較的揮発性が低いエッセンシャルオイルであり、これはたいてい芳香成分として用いられる。その例はセージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、杜松子油、ベチベル油、オリバヌム油、ガルバヌム油、ラダナム油、及びラベンジン油である。以下のものを単独で、又は混合物の形で使用するのが好ましい:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール(lilial)、ライラール(lyral)、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサンブレン・フォルテ(boisambrene forte)、アンブロキサン(ambroxan)、インドール、ヘジオン、サンデライス、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール、ラベンジン油、サルビア油、ダマスコン、ゼラニウムブルボン油、シクロヘキシルサリシレート、ヴェルトフィックス・クール(Vertofix coeur)、イソ−E−スーパー(iso-E-super)、フィクソリドNP(Fixolide NP)、エヴェルニル(evernyl)、イラルデイン−γ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミレート(romilat)、イロチル(irotyl)、及びフロラメート(floramat)。
【0058】
P.着色剤
適切な着色剤は、化粧品目的のために適し、また認められているあらゆる物質であり、例えば「Farbstoff-kommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft」という文献(Verlag Chemie, Weinheim, 1984年)の"Kosmetische Farbemittel"、p.81〜106に記載のものである。これには例えば、コチニールレッド(C.I. 16255)、パテントブルーV(C.I. 42051)、インディゴチン(C.I. 73015)、クロロフィリン(C.I. 75810)、キノリンイエロー(C.I. 47005)、二酸化チタン(C.I. 77891)、特にインダントレンブルーRS(C.I. 69800)、及びマダーレーキ(C.I. 58000)が含まれる。ルミノールが、発光性着色剤として存在していてよい。有利な着色顔料は例えば、二酸化チタン、雲母、酸化鉄(例えばFe
2O
3、Fe
3O
4、FeO(OH))、及び/又は酸化スズである。有利な着色剤は例えば、カルミン、ベルリンブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルー、及び/又はマンガンバイオレットである。
【0059】
本発明による好ましい組成物は、手入れ用、保護用、ケア用、毛髪及び/若しくは皮膚の洗浄用の生成物、又は化粧品としての、好ましくは塗りっぱなしの生成物(つまり、すすぎ製品とは異なり、式(I)の化合物1種以上が皮膚及び/又は毛髪に長時間留まることにより、保湿、及び/又は抗老化、及び/又は傷の治癒促進作用が、より強化される)としての生成物の群から選択される。
【0060】
本発明による調製物は好ましくは、エマルジョン形態、例えばW/O(油中水型)、O/W型(水中油型)、W/O/W型(水中油中水型)、O/W/O型(油中水中油型)のエマルジョン、PITエマルジョン、ピッカリングエマルジョン、低油分エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、溶液形態(例えば油中(脂肪油若しくは脂肪酸エステル、特にC
6〜C
32脂肪酸C
2〜C
30エステル)、又はシリコーン油中の溶液)、分散液、懸濁液、クリーム、ローション、又は乳液といった形態(製造法と成分による)、ゲル(ヒドロゲル、ヒドロ分散ゲル、オレオゲルを含む)、スプレー(例えばポンプ式スプレー、若しくはプロペラ式スプレー)、フォーム、又は化粧品拭き取り用の含浸液、洗剤(例えばセッケン)、合成洗剤、液状の洗浄調製物、シャワー用、風呂用の調製物、浴用製品(カプセル、オイル、タブレット、ソルト、バスソルト、セッケンなど)、発泡性調製物、スキンケア製品、例えばエマルジョン(前述の通り)、軟膏、ペースト、ゲル(前述の通り)、オイル、バルサム、血清、粉末(例えば顔用粉末、身体用粉末)、マスク、鉛筆、スティック、ロールオン、ポンプ、アエロゾル(泡状、非泡状、又は事後発泡性)、消臭剤、及び/又は制汗剤、口内洗浄剤、洗口液、足用ケア用品(角質溶解剤、消臭剤)、昆虫忌避剤、日焼け止め、日焼けケア剤、ヒゲ剃り用品、アフターシェーブバーム、プリシェーブローション、アフターシェーブローション、脱毛剤、ヘアケア用品、例えばシャンプー(2液一体型シャンプー、フケ防止シャンプー、ベビーシャンプー、乾燥肌用シャンプー、濃縮シャンプーを含む)、コンディショナー、ヘアトニック、ヘアウォーター、ヘアリンス、スタイリングクリーム、ポマード、パーマローション、セット用ローション、ヘアスプレー、スタイリング剤(例えばジェル若しくはワックス)、髪を滑らかにする薬剤(絡み防止剤、リラクサ)、髪染め、例えば一時的な直接染髪剤、半永久的な染髪剤、永久的な染髪剤、ヘアコンディショナー、ヘアムース、目のケア用品、メイクアップ、メイク除去剤、又は乳児用製品の形態である。
【0061】
本発明による調製物は特に好ましくは、エマルジョン形態(特にW/O、O/W、W/O/W、O/W/Oのエマルジョンの形態)、PITエマルジョン、ピッカリングエマルジョン、低油分エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、ゲル(ヒドロゲル、ヒドロ分散ゲル、オレオゲルを含む)、溶液(例えば油中(脂肪油若しくは脂肪酸エステル、特にC
6〜C
32脂肪酸C
2〜C
30エステル)、又はシリコーン油中の溶液)、又はスプレー(例えばポンプ式スプレー、若しくはプロペラ式スプレー)である。
【0062】
補助物質と助剤は、調製物の全質量に対して5〜99質量%、好ましくは10〜80質量%の量で含まれていてよい。それぞれの場合において使用できる化粧品的な、若しくは外皮用の助剤と添加剤、及び香料は、当業者であれば、特定の製品の性質に基づき単純な試行錯誤によって、容易に特定できる。
【0063】
調製物はまた水を、調製物の全質量に対して最大99質量%、好ましくは5〜80質量%の量で含有することができる。
【0064】
産業上の用途
好ましい態様において本発明による組成物は、前記成分を以下の量で含有する:
(a)上記式(I)のメントンケタールを約0.1〜約5質量%、好ましくは約0.3〜約3質量%、より好ましくは約0.5〜約2.5質量%、
(b)油状物質、及び/又はワックスを約99.9〜約50質量%、好ましくは約95〜約65質量%、より好ましくは約80〜約70質量%、
(c)乳化剤を0〜約25質量%、好ましくは約1〜約15質量%、より好ましくは約4〜約8質量%、
(d)活性成分を0〜約25質量%、好ましくは約0.5〜約10質量%、より好ましくは約1〜約5質量%、
ただし上記量は、任意で水及びさらなる成分とともに、合計で100質量%となる。
【0065】
本発明による組成物は、水を含有することができるか、又は実質的に水不含である。「実質的に不含」とは、水の量が最終的な生成物に対して計算して2質量%未満、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.5質量%未満ということである。
【0066】
本発明による組成物は、o/w若しくはw/oで、又は多相のo/w/o若しくはw/o/wで存在しうる。これらは中間体として、又は最終的な生成物として、例えばローション、クリーム、又はスティクの形態で使用できる。
【0067】
本発明の他の2つの態様は、化粧品組成物用の安定剤として、また化粧品組成物の知覚性を改善可能な添加剤としての、式(I)に記載のメントンケタールの使用に関する。