【実施例】
【0014】
実施例の検電器の側面図と正面図を
図1と
図2に、同検電器を使用している状態の正面側斜視図と背面側斜視図を
図3と
図4に示す。
実施例の検電器は、
図1、2に示す本体装置1を主要な構成とし、使用に当たっては、
図3、4に示す様に本体装置1の下端部に設けてある操作棒取付部2に、使用状況に応じて適当な長さの操作棒3を取り付け、本体装置1の上端部に設けてある検知子4を検電対象(
図3、4では電線)に接触させる。
【0015】
本体装置1は、側面が
図1に示す形状、正面が
図2に示す形状となっており、全体の長さは約37cm(長さ約6.5cmの操作棒取付部2及び長さ約14.1cmの検知子4を含む)、側面の最も広い箇所は約6.8cm、正面の中央部の幅は約5cmである。
そして、本体装置1は、その中央部の絶縁性樹脂等でなる筐体部分に、検電対象が充電状態であることを知らせる作業者用発光部5及び監視者用発光部6、検電対象が充電状態であることを知らせる発音部7、並びに作業者用発光部5、監視者用発光部6及び発音部7の作動をチェックするテスト釦8を備えている。
さらに、図示はしないが、筐体部分の内部には、検知子4を接触させた検電対象が充電状態であるか否かを判定し、充電状態である場合に作業者用発光部5及び監視者用発光部6を点灯又は点滅させるとともに発音部7から警告音を発生させる判定手段、並びに判定手段、作業者用発光部5、監視者用発光部6及び発音部7を動作させるための電源(交換式の乾電池又は充電式のバッテリー)が設けてある。
【0016】
検知子4は、良導体からなっており、根元部分は判定手段と電気的に接続され、先端付近は検電対象に引掛け易くするために鉤状となっている。
また、その先端部は検電対象との接触をスムーズにするため、外側へ円弧状に曲げてある。
【0017】
作業者用発光部5は、作業者及び監視者がその発光を確認し易くするため、本体装置1の正面側中央の斜面部に設けてある透孔の内側に、発光色が赤又は白のLEDを配置してある。
また、監視者用発光部6は、検電器の本体装置1から離れたところにいる監視者がその発光を確認し易くするため、本体装置1の背面側中央に突出して設置されているカバー体9の内側に9個の砲弾型白色LEDランプ10を
図5のように配置してある。
【0018】
カバー体9は、透明部材又は散光部材(例えば、透明樹脂又は半透明白色樹脂)を半円筒状に成形したものであり、
図5に示すように、砲弾型白色LEDランプ10の発光を広い範囲で視認できるようにするため、7個の砲弾型白色LEDランプ10を放射状に配置するとともに、2個の砲弾型白色LEDランプ10を下方に向けて配置してある。
なお、砲弾型白色LEDランプ10の光量は、62,000ルクスの条件下で本体装置1から30m離れた箇所において、直接発光が見えるように選択されている。
【0019】
発音部7は、作業者及び監視者がその警告音を聞き取り易くするため、本体装置1の背面側中央に設けてある透孔の内側に設けてある。
発音部7を本体装置1の背面側に設けた理由は、作業者の反対側に向けて放音した方が、遠くに位置している監視者に警告音が届き易いからである。
また、発音部用の透孔には、筐体内部に異物等が入りにくくするため、
図4に示すように網状のネットを装着してある。
なお、発音部7の音量は、周囲騒音が75dbの条件下で本体装置1から30m離れた箇所において、直接警告音が聞こえるように選択されている。
【0020】
検電対象が充電状態であるか否かを確認するに際して、実施例の検電器を使用する手順は次のとおりである。
(1)作業者は検電器の本体装置1の正面側にあるテスト釦8を押す。
すると、テスト釦8を押している間、作業者用発光部5、監視者用発光部6及び発音部7が作動する。
なお、テスト釦8を押しても作業者用発光部5等が作動しない時は、電源が消耗しているか故障しているので、電池の交換若しくは充電又は検電器の修理を行う。
(2)作業者は本体装置1の筐体部分又は操作棒取付部2に取り付けた操作棒3を持ち、検知子4を検電対象の適宜の箇所に接触させる。
そして、検知子4を接触させた検電対象が充電状態であれば、作業者用発光部5及び監視者用発光部6が点灯又は点滅するとともに発音部7から警告音が発生する。
また、検知子4を接触させた検電対象が充電状態でなければ、作業者用発光部5等は作動しない。
(3)検電対象が充電状態であるか否かの確認が終了したら、検知子4を検電対象から外し、必要ならば他の検電対象が充電状態であるか否かの確認を行う。
【0021】
実施例の変形例を列記する。
(1)実施例においては、作業者用発光部5を本体装置1の正面側中央の斜面部に設置し、監視者用発光部6を本体装置1の背面側中央に設置したが、設置位置はこれらの位置に限定されない。
要するに、作業者用発光部5は作業者から見え易い位置(通常は本体装置1の正面側)に配置し、監視者用発光部6は監視者から見え易い位置(通常は本体装置1の背面又は両側面側)に配置すれば良い。
(2)実施例においては、作業者用発光部5に発光色が赤又は白のLEDを用い、監視者用発光部6に晴天時において最も見え易い砲弾型白色LEDランプ10を用いたが、LEDに限らず発光体であれば何でも良く、発光色も視認性の良いものであれば特に限定されない。
また、実施例においては、砲弾型白色LEDランプ10を放射状に配置したが、その理由は砲弾型白色LEDランプが指向性の強い光源であることによるから、光を放射状に出射できる発光体であればカバー体9のほぼ中央に配置すれば良く、面状発光体であればカバー体の内面に沿って配置すれば良い。
【0022】
(3)実施例においては、本体装置1に作業者用発光部5、監視者用発光部6及び発音部7が設けてあるが、発音部7は設けなくても良い。
また、本体装置1に無線音声信号送信器を設け、送信された無線音声信号を受信器で受信して適宜の場所において警告音を聞くことができるようにしても良い。
この変形例は、作業する場所の周囲騒音が大きい場合、特に有効である。
(4)実施例においては、検知子4の先端付近は鉤状とし、さらに先端部は円弧状に曲げてあるが、検知子4の形状は単純な棒状、L字状、U字状等どのような形状でも良い。
【0023】
(5)実施例においては、電源スイッチを設けず、常時検電できるようにしているが、電源の消耗を避けるために、テスト釦8を作業者用発光部5、監視者用発光部6及び発音部7の作動をチェックするだけでなく、電源スイッチとしても機能するものとしても良い。
そうした場合、例えば、テスト釦8を押してから数秒間、作業者用発光部5、監視者用発光部6及び発音部7を作動させた後に検電器を使用可能状態とし、使用後は数分間放置することで電源オフとなるようにすれば良い。
また、テスト釦8とは別に電源スイッチを設けても良い。