特許第6067314号(P6067314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067314
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20170116BHJP
【FI】
   E02F9/00 P
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-225992(P2012-225992)
(22)【出願日】2012年10月11日
(65)【公開番号】特開2014-77301(P2014-77301A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2015年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】502246528
【氏名又は名称】住友建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】林 茂耕
【審査官】 大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−145086(JP,A)
【文献】 特開2008−240676(JP,A)
【文献】 特開2011−012661(JP,A)
【文献】 特開2008−274579(JP,A)
【文献】 実開平05−072549(JP,U)
【文献】 特開2010−261373(JP,A)
【文献】 特開2000−062478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
F01N 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部旋回体を有する建設機械の上部旋回体の右前方かつ、ブーム支持ブラケットの外側に配置され、液体還元剤が貯留され、樹脂により形成される液体還元剤用タンクと、
前記液体還元剤用タンクが内部に収容され、建設機械のフレームに固定される箱部材と、
前記箱部材の上部に設けられ、前記液体還元剤用タンクの上面の一部に作用して前記液体還元剤用タンクの上方への移動を抑制する拘束部材とを備え
前記液体還元剤用タンクの前側の側面の上部は、傾斜面を備え、前記傾斜面を備える前記液体還元剤用タンクの前側の側面は、ブーム支持ブラケットのブームフートピン用穴よりも後方に位置し、
前記拘束部材は、前記液体還元剤用タンクの前記傾斜面に沿った傾斜面を備えることを特徴とする、建設機械。
【請求項2】
前記液体還元剤用タンクは、底面から鉛直方向に延在する平面状の側面部を備え、
前記箱部材は、前記液体還元剤用タンクの側面部の略全体をカバーする、請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記箱部材と前記液体還元剤用タンクとの間に、緩衝材が設けられる、請求項1又は2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記拘束部材は、給水口周辺を覆わずに前記移動を拘束する、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体還元剤が貯留されるタンクが配置された建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディーゼルエンジンを搭載した油圧ショベル等の建設機械では、高次の排ガス規制に対応すべく、ディーゼルエンジンの排気系に排ガス処理装置が設置され、ディーゼルエンジンからの排ガスは、排気管の下流側に設けたNOx還元触媒を通って大気中に放出される。
【0003】
従来、此種排ガス処理装置としては、尿素水溶液(液体還元剤)を用いた尿素選択還元型のNOx処理装置が多く採択され、尿素水溶液は金属製又は樹脂製の液体還元剤用タンクに貯留されている。また、液体還元剤用タンクは液体還元剤供給パイプにより排気管に接続され、液体還元剤供給ポンプにより液体還元剤用タンク内の尿素水溶液を排気管に供給できるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−20936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、液体還元剤用タンクを上部旋回体に設置する場合、液体還元剤用タンクを振動から適切に保護する必要がある。特に建設機械は、過酷な環境下での作業が多いので、液体還元剤用タンクを上部旋回体に例えばボルト等で固定した場合、液体還元剤用タンクの固定部に破損が生じる可能性が高くなる。
【0006】
また、液体還元剤用タンク内の液体還元剤(例えば尿素水溶液)は、低温環境下で凍結して膨張するが、かかる膨張時に伴って液体還元剤用タンクが変形すると、液体還元剤用タンクの破損や周辺部品との干渉が生じる虞もある。
【0007】
そこで、本発明は、膨張液体還元剤用タンクの破損等を防止しつつ、フレームに対して液体還元剤用タンクを適切に拘束することができる建設機械の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一局面によれば、上部旋回体を有する建設機械の上部旋回体の右前方かつ、ブーム支持ブラケットの外側に配置され、液体還元剤が貯留され、樹脂により形成される液体還元剤用タンクと、
前記液体還元剤用タンクが内部に収容され、建設機械のフレームに固定される箱部材と、
前記箱部材の上部に設けられ、前記液体還元剤用タンクの上面の一部に作用して前記液体還元剤用タンクの上方への移動を抑制する拘束部材とを備え
前記液体還元剤用タンクの前側の側面の上部は、傾斜面を備え、前記傾斜面を備える前記液体還元剤用タンクの前側の側面は、ブーム支持ブラケットのブームフートピン用穴よりも後方に位置し、
前記拘束部材は、前記液体還元剤用タンクの前記傾斜面に沿った傾斜面を備えることを特徴とする、建設機械が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、膨張液体還元剤用タンクの破損等を防止しつつ、フレームに対して液体還元剤用タンクを適切に拘束することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】建設機械の一例として油圧ショベルを示す側面図である。
図2】上部旋回体の後部を上面視で概略的に示す平面図である。
図3】液体還元剤用タンク70の設置状態を概略的に示す斜視図である。
図4】液体還元剤用タンク70の搭載構造の一例を示す斜視図である。
図5図4に示す例における収容状態の液体還元剤用タンク70を示す斜視図である。
図6】液体還元剤用タンク70の搭載構造の他の一例を示す斜視図である。
図7】液体還元剤用タンク70の搭載構造の更なる他の一例を示す斜視図である。
図8図7に示す液体還元剤用タンク70の搭載構造において箱部材72等を半透視して示す斜視図である。
図9図7に示す液体還元剤用タンク70の搭載構造において箱部材72等を半透視して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0012】
図1は、建設機械の一例として油圧ショベルを示す側面図である。
【0013】
図1に示すように、下部走行体1上には上部旋回体2が旋回可能に装架され、上部旋回体2の前方一側部にキャブ3が設けられている。また、上部旋回体2の前方中央部にブーム4が俯仰可能に枢着され、該ブーム4の先端部にはアーム5が上下回動可能に連結されているとともに、該アーム5の先端部にバケット6が上下回動可能に取り付けられている。尚、掘削アタッチメントは、ブレーカや破砕機等のような他のアタッチメントであってもよい。
【0014】
図2は、上部旋回体の後部を上面視で概略的に示す平面図である。
【0015】
図2に示すように、上部旋回体2の後部にはエンジンルーム7が形成され、該エンジンルーム7内にはディーゼルエンジン8が設置されている。また、ディーゼルエンジン8の前方側(図2における手前側)には冷却ファン12が設けられているとともに、該冷却ファン12の前方にはラジエータ等を含む熱交換機ユニット13が設置されている。
【0016】
更に、ディーゼルエンジン8には排気管9が接続され、該排気管9の下流側には、高次の排ガス規制に対応すべく、排ガス処理装置10が設置されている。排ガス処理装置10としては、尿素水溶液(液体還元剤)を用いた尿素選択還元型のNOx処理装置が採択されている。
【0017】
図3は、液体還元剤用タンク70の設置状態を概略的に示す斜視図である。
【0018】
図3に示すように、上部旋回体2の旋回フレーム14の前部には左右一対のブーム取り付け用の支持ブラケット17L,17Rが立設されている。また、支持ブラケット17Lの外側であって、後方には燃料タンク18及びサンプタンク19が直列に配置されている。また、燃料タンク18の前側には、液体還元剤用タンク70が配置される。従って、図示の例では、前から液体還元剤用タンク70、燃料タンク18及びサンプタンク19が順に隣接して配置されている。尚、燃料タンク18及びサンプタンク19の順序は任意である。燃料タンク18及びサンプタンク19は、幅方向に横並びに配置されてもよい。
【0019】
液体還元剤用タンク70は、樹脂材料から形成される。液体還元剤用タンク70内には尿素水溶液が貯留されている。更に、液体還元剤用タンク70は液体還元剤供給パイプ(図示せず)を介して、排ガス処理装置10に接続されている。液体還元剤用タンク70は、前側の側面がブーム支持ブラケット17L,17Rの穴172L,172Rよりも後方に位置するように配置される。尚、図3では、液体還元剤用タンク70は、非常に概略的に示されている。液体還元剤用タンク70のより詳細な構造等については、図4以降に図示される。
【0020】
図4は、液体還元剤用タンク70の搭載構造の一例を示す斜視図である。図5は、図4に示す例における収容状態の液体還元剤用タンク70を示す斜視図である。
【0021】
図4に示す例では、液体還元剤用タンク70は、箱部材72内に収容される。液体還元剤用タンク70は、略直方体の形態を有するが、液体還元剤用タンク70の形状は任意である。尚、液体還元剤用タンク70が箱部材72内に収容された状態において、液体還元剤用タンク70と箱部材72の側壁724との間には、所定の隙間(例えば、2mm程度の隙間)が設定されていてもよい。箱部材72は、金属材料から形成される。箱部材72は、上部旋回体2の旋回フレーム14上に載置されて、上部旋回体2の旋回フレーム14に固定される。箱部材72は、例えば図4に示すように、ボルト80により旋回フレーム14に固定されてもよい。図4に示す例では、箱部材72は、底面に補強部材722を備え、補強部材722にボルト締結部が設定される。尚、補強部材722は、箱部材72に溶接等により固定されてよい。
【0022】
箱部材72の内部には、図5に示すように、液体還元剤用タンク70が収容される。箱部材72内に収容された液体還元剤用タンク70の上部は、拘束部材90にて拘束される。拘束部材90は、液体還元剤用タンク70の上方を押さえ、液体還元剤用タンク70の上方への移動を抑制する。これにより、箱部材72と液体還元剤用タンク70とは、ボルト等によって互いに結合されなくても、液体還元剤用タンク70は拘束部材90と箱部材72の側壁724及び底面によって、箱部材72内に収容された状態に保持される。尚、図5に示す例では、拘束部材90は、バンドの形態であり、拘束部材90は、箱部材72に形成されたバンド留め部721に固定される。
【0023】
図4及び図5に示す例によれば、液体還元剤用タンク70が箱部材72内に収容されるので、物理的な規制が液体還元剤用タンク70の側面にかかる。即ち、液体還元剤用タンク70の側面は、箱部材72の側壁724により面で拘束される。これにより、尿素水溶液の凍結時に、尿素水溶液の膨張に伴い液体還元剤用タンク70の側面が変形する(外方に膨らむ態様で変形する)のが規制され、液体還元剤用タンク70の破損や周辺部品との干渉を適切に防止することができる。
【0024】
また、図4及び図5に示す例によれば、金属材料からなる箱部材72が旋回フレーム14に対して固定され(例えばボルト80により締結され)、樹脂材料からなる液体還元剤用タンク70自体はボルト等により直接的に旋回フレーム14や箱部材72に対して固定されない。これにより、箱部材72と旋回フレーム14との間の結合部が金属同士で強固となるので、旋回フレーム14の振動が箱部材72と旋回フレーム14との間の結合部に繰り返し作用しても、箱部材72と旋回フレーム14との間の結合部の破損を適切に防止することができる。
【0025】
尚、箱部材72の側壁724による液体還元剤用タンク70の側面の拘束(液体還元剤用タンク70の面直方向の変位・変形に対する規制)を確実にするため、好ましくは、箱部材72は、液体還元剤用タンク70の鉛直方向に延在する平面状の鉛直側面部70aの略全体をカバーする態様の側壁724を有する。即ち、箱部材72の側壁724の高さは、好ましくは、液体還元剤用タンク70の平面状の鉛直側面部70aの高さと同一又はそれよりも高い。尚、図4及び図5に示す例では、箱部材72は、液体還元剤用タンク70の平面状の鉛直側面部70aの全体を完全にカバーしていないが、液体還元剤用タンク70の平面状の鉛直側面部70aの約7割以上(鉛直側面部70aの略全体)をカバーしている。これにより、箱部材72の側壁724による液体還元剤用タンク70の側面の拘束を確実に実現することができ、液体還元剤用タンク70の破損や周辺部品との干渉を適切に防止することができる。
【0026】
図6は、液体還元剤用タンク70の搭載構造の他の一例を示す斜視図である。
【0027】
図6に示す例では、液体還元剤用タンク70と箱部材72との間に緩衝材92が設けられる。緩衝材92は、例えばゴムや軟質樹脂からなるラバープレートや樹脂シートの形態であってよい。緩衝材92は、変形可能であり、液体還元剤用タンク70と箱部材72の側壁724との間の隙間を埋める。緩衝材92は、液体還元剤用タンク70と箱部材72との間の直接的な干渉(当たり)を防止する機能を果たす。緩衝材92は、液体還元剤用タンク70と箱部材72から独立して設けられてもよいし、液体還元剤用タンク70又は箱部材72に予め取り付けられていてもよい。例えば、緩衝材92は、液体還元剤用タンク70に貼り付けられ、液体還元剤用タンク70は、緩衝材92が貼り付けられた状態で、箱部材72内に収容されてもよい。
【0028】
尚、緩衝材92は、1箇所以上の任意の箇所に設けられてよい。例えば、緩衝材92は、液体還元剤用タンク70の四方の側面の各面に設けられてよく、また、液体還元剤用タンク70の底面に設けられてもよい。
【0029】
図6に示す例によれば、液体還元剤用タンク70が箱部材72内に収容されるので、物理的な規制が緩衝材92を介して液体還元剤用タンク70の側面にかかる。即ち、液体還元剤用タンク70の側面は、緩衝材92を介して箱部材72の側壁724により面で拘束される。これにより、尿素水溶液の凍結時に、尿素水溶液の膨張に伴い液体還元剤用タンク70の側面が変形する(外方に膨らむ態様で変形する)のが規制され、液体還元剤用タンク70の破損や周辺部品との干渉を適切に防止することができる。
【0030】
また、図6に示す例によれば、図4及び図5に示した例と同様に、金属材料からなる箱部材72が旋回フレーム14に対して固定され(例えばボルト80により締結され)、樹脂材料からなる液体還元剤用タンク70自体はボルト等により直接的に旋回フレーム14や箱部材72に対して固定されない。これにより、箱部材72と旋回フレーム14との間の結合部が金属同士で強固となるので、旋回フレーム14の振動が箱部材72と旋回フレーム14との間の結合部に繰り返し作用しても、箱部材72と旋回フレーム14との間の結合部の破損を適切に防止することができる。
【0031】
また、特に、図6に示す例によれば、液体還元剤用タンク70と箱部材72との間に緩衝材92が設けられるので、箱部材72内部で箱部材72の側壁724や底面と液体還元剤用タンク70とが直接干渉することが無くなり、液体還元剤用タンク70の擦れが抑制され、液体還元剤用タンク70の劣化や破損を防止することができる。また、尿素水溶液の膨張に伴い液体還元剤用タンク70の側面が僅かに外方に膨張した場合でも、箱部材72の側壁724と液体還元剤用タンク70とが直接干渉することが無く、液体還元剤用タンク70の擦れ及びそれに伴う劣化や破損を防止することができる。また、作業等において生じる旋回フレーム14の振動時においても、緩衝材92により振動が緩衝されるので、液体還元剤用タンク70の擦れが抑制され、液体還元剤用タンク70の劣化や破損を防止することができる。
【0032】
図7は、液体還元剤用タンク70の搭載構造の更なる他の一例を示す斜視図である。図7において、図中のX1,X2方向は、図3のX1,X2方向に対応する。図8及び図9は、図7に示す液体還元剤用タンク70の搭載構造において箱部材72及びブラケット96を半透視(一部点線で図示)して示す斜視図である。
【0033】
図7に示す例においても、同様に、液体還元剤用タンク70は、箱部材72内に収容される。上述した各例と同様に、箱部材72は、底面に補強部材722を備え、補強部材722にボルト締結部が設定される。箱部材72は、同様に、ボルト締結部に締結されるボルト80(図9参照)により旋回フレーム14に固定される。
【0034】
図7に示す例では、液体還元剤用タンク70は、略直方体の形態を有するが、液体還元剤用タンク70の前側の側面の上部には、傾斜面70bを備える。即ち、液体還元剤用タンク70の前側の側面は、下方側は鉛直方向に延在する平面状の鉛直側面部70a(図8参照)を備え、上方側は傾斜面70bを備える。傾斜面70bは、上方に向かうにつれて後方側に倒れる態様で傾斜する。かかる傾斜面70bは、液体還元剤用タンク70の前側の側面をブーム支持ブラケット17L,17Rの穴172L,172Rよりも後方に位置させるために形成される。これにより、ブームフートピンの抜き差し作業時におけるブームフートピンと液体還元剤用タンク70との間の干渉が防止され、ブームフートピンの抜き差し作業の作業性が向上する。また、液体還元剤用タンク70の横方向内側の側面についても、図8に示すように、傾斜面70bを備え、傾斜面70bは、更に凹部70cを備える。傾斜面70bは、液体還元剤用タンク70の液体還元剤供給モジュール(液体還元剤供給パイプ等)を配置するためのスペースを確保するために形成される。凹部70cは、液体還元剤用タンク70を箱部材72に対して着脱する際の把持部(持ち手)として機能する。
【0035】
箱部材72は、液体還元剤用タンク70の側面における鉛直側面部70aの全体をカバーする態様の側壁724を有する。即ち、箱部材72の側壁724の高さは、液体還元剤用タンク70の平面状の鉛直側面部70aの高さと同一又はそれよりも高い。図7に示す例では、箱部材72は、液体還元剤用タンク70の鉛直側面部70aの全体を完全にカバーしている。例えば、図7に示す例では、液体還元剤用タンク70の後側の側面は、鉛直方向に延在する平面状の鉛直側面部70aからなり、従って、箱部材72の後側の側壁724は、液体還元剤用タンク70の上面付近まで延在している。また、液体還元剤用タンク70の前側の側面は、上述の如く下方側は鉛直側面部70aを備え、上方側は傾斜面70bを備え、従って、箱部材72の前側の側壁724は、液体還元剤用タンク70の傾斜面70bの下端付近まで延在している。これにより、箱部材72の側壁724による液体還元剤用タンク70の側面の拘束を確実に実現することができ、液体還元剤用タンク70の破損や周辺部品との干渉を適切に防止することができる。
【0036】
また、図7に示す例では、箱部材72は、補強リブ74を備える。補強リブ74は、箱部材72に溶接等により固定されてよい。補強リブ74は、箱部材72の前側の側壁724及び後側の側壁724に設けられてよい。箱部材72の前側の側壁724の補強リブ74は、図7に示すように、箱部材72の外側に突出する形態のリブであってよい。他方、箱部材72の後側の側壁724の補強リブ74は、図9に示すように、箱部材72の内側に突出する形態のリブであってよい。これにより、箱部材72の強度を高めることができ、液体還元剤用タンク70等から受ける力等に起因した破損等を防止することができる。尚、液体還元剤用タンク70は、箱部材72の内側に突出する形態の補強リブ74に対応した凹部を有してよい。これにより、箱部材72に対して液体還元剤用タンク70が適切に位置決めされる。
【0037】
液体還元剤用タンク70の上部は、拘束部材としてのブラケット96にて拘束される。ブラケット96は、液体還元剤用タンク70の上方への移動を抑制する。これにより、箱部材72と液体還元剤用タンク70とは、ボルト等によって互いに結合されなくても、液体還元剤用タンク70はブラケット96と箱部材72の側壁724及び底面によって、箱部材72内に収容された状態に保持される。尚、図7に示す例では、ブラケット96は、箱部材72に形成されたボルト締結部にボルト97により固定される。また、ブラケット96は、液体還元剤用タンク70の傾斜面70bに沿った傾斜面を備え、液体還元剤用タンク70の上面と共に傾斜面70bを上方から押えて拘束する。
【0038】
液体還元剤用タンク70と箱部材72との間には、図6に示した例と同様、緩衝材92が設けられる。図7に示す例では、緩衝材92は、箱部材72と液体還元剤用タンク70との間のみならず、液体還元剤用タンク70とブラケット96との間にも設けられる。箱部材72と液体還元剤用タンク70との間については、図8及び図9に示すように、緩衝材92は、液体還元剤用タンク70の四方の側面の各面と共に、底面にも設けられる。尚、液体還元剤用タンク70とブラケット96との間の緩衝材92は、液体還元剤用タンク70側に取り付けられもよいし、ブラケット96側に取り付けられてもよい。
【0039】
図7に示す例によれば、図6に示した例と同様に、液体還元剤用タンク70が箱部材72内に収容されるので、物理的な規制が緩衝材92を介して液体還元剤用タンク70の側面にかかる。即ち、液体還元剤用タンク70の側面は、緩衝材92を介して箱部材72の側壁724により面で拘束される。これにより、尿素水溶液の凍結時に、尿素水溶液の膨張に伴い液体還元剤用タンク70の側面が変形する(外方に膨らむ態様で変形する)のが規制され、液体還元剤用タンク70の破損や周辺部品との干渉を適切に防止することができる。
【0040】
また、図7に示す例によれば、図4及び図5に示した例と同様に、金属材料からなる箱部材72が旋回フレーム14に対して固定され(例えばボルト80により締結され)、樹脂材料からなる液体還元剤用タンク70自体はボルト等により直接的に旋回フレーム14や箱部材72に対して固定されない。これにより、箱部材72と旋回フレーム14との間の結合部が金属同士で強固となるので、旋回フレーム14の振動が箱部材72と旋回フレーム14との間の結合部に繰り返し作用しても、箱部材72と旋回フレーム14との間の結合部の破損を適切に防止することができる。
【0041】
また、図7に示す例によれば、図6に示した例と同様に、液体還元剤用タンク70と箱部材72との間に緩衝材92が設けられるので、箱部材72内部で箱部材72の側壁724や底面と液体還元剤用タンク70とが直接干渉することが無くなり、液体還元剤用タンク70の擦れが抑制され、液体還元剤用タンク70の劣化や破損を防止することができる。また、尿素水溶液の膨張に伴い液体還元剤用タンク70の側面が僅かに外方に膨張した場合でも、箱部材72の側壁724と液体還元剤用タンク70とが直接干渉することが無く、液体還元剤用タンク70の擦れ及びそれに伴う劣化や破損を防止することができる。また、作業等において生じる旋回フレーム14の振動時においても、緩衝材92により振動が緩衝されるので、液体還元剤用タンク70の擦れが抑制され、液体還元剤用タンク70の劣化や破損を防止することができる。
【0042】
また、図7に示す例によれば、液体還元剤用タンク70とブラケット96との間に緩衝材92が設けられるので、ブラケット96と液体還元剤用タンク70とが直接干渉することが無くなり、液体還元剤用タンク70の擦れが抑制され、液体還元剤用タンク70の劣化や破損を防止することができる。
【0043】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0044】
例えば、図7に示す例では、好ましい実施例として、緩衝材92が設けられるが、緩衝材92の一部又は全てが省略されてもよい。例えば、液体還元剤用タンク70とブラケット96との間の緩衝材92が省略されてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 下部走行体
2 上部旋回体
3 キャブ
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 エンジンルーム
8 ディーゼルエンジン
9 排気管
10 排ガス処理装置
12 冷却ファン
13 熱交換機ユニット
14 旋回フレーム
17L,17R ブーム支持ブラケット
172L,172R 穴
18 燃料タンク
19 サンプタンク
70 液体還元剤用タンク
70a 鉛直側面部
70b 傾斜面
70c 凹部
72 箱部材
74 補強リブ
80 ボルト
90 拘束部材
92 緩衝材
96 ブラケット
97 ボルト
721 バンド留め部
722 補強部材
724 側壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9