特許第6067466号(P6067466)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6067466骨粗鬆症の治療および予防用のビスホスホン酸
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067466
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】骨粗鬆症の治療および予防用のビスホスホン酸
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/663 20060101AFI20170116BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   A61K31/663ZMD
   A61P19/10
【請求項の数】4
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-88493(P2013-88493)
(22)【出願日】2013年4月19日
(62)【分割の表示】特願2008-293614(P2008-293614)の分割
【原出願日】2003年5月2日
(65)【公開番号】特開2013-166773(P2013-166773A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2013年5月20日
【審判番号】不服2015-19245(P2015-19245/J1)
【審判請求日】2015年10月26日
(31)【優先権主張番号】02010136.6
(32)【優先日】2002年5月10日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】バオス,フリーダー
(72)【発明者】
【氏名】ピヒラー,ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ターレイ,シュテファン
【合議体】
【審判長】 内藤 伸一
【審判官】 松澤 優子
【審判官】 前田 佳与子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第01/15703号
【文献】 特表2000−508673号公報
【文献】 Roche, GlaxoSmithKline in Drug Pact,CHEMICAL MARKET REPORTER,2001年12月17日,第148頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00-33/44
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨粗鬆症の予防または治療用の医薬の製造のための、リセドロン酸または薬学的に許容され得るその塩の使用であって、その医薬が、
a)リセドロン酸または薬学的に許容され得るその塩の100150mgと1種以上の薬学的に許容され得るその添加剤とを含み、
b)その医薬が1ヶ月当たり1日経口投与される、
使用。
【請求項2】
医薬が、単回投与量として投与される、請求項記載の使用。
【請求項3】
骨粗鬆症の予防または治療用の医薬組成物であって、その医薬組成物が、
a)リセドロン酸または薬学的に許容され得るその塩の100150mgと1種以上の薬学的に許容され得るその添加剤とを含み、
b)1ヶ月当たり1日経口投与される、
医薬組成物。
【請求項4】
医薬組成物が、単回投与量として投与される、請求項記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病理学的に上昇した骨吸収を特徴とする障害の予防または治療用の、特に骨粗鬆症の予防および治療用の医薬の製造のための、ビスホスホン酸、特に(1−ヒドロキシ−3−(N−メチル−N−ペンチル)アミノプロピリデン−1,1−ビスホスホン酸(イバンドロン酸)または薬学的に許容され得るその塩の使用に関する。
【0002】
骨は、主に支持体として役割を果たし、結果として骨はしばしば単純な構成材料として見なされる。しかしながら、骨は、それが暴露される広範囲にわたる要求事項、刺激、および毒素に適合した複雑な生体材料である。体内プロテーゼは、骨および関節の代用物として利用できる。しかしながら、体内プロテーゼは、生態機械的に高度に改良したときでさえ、環境および負荷因子に対して活性効果を持たない。
【0003】
ヒトおよび哺乳類の各種の障害は、異常な骨吸収を伴うか、異常な骨吸収に関連している。そのような障害は、これに限定されるわけではないが、骨粗鬆症、パジェット病、プロテーゼ周囲の骨損失もしくは骨溶解、ならびに悪性腫瘍の高カルシウム血症および転移性骨疾患を含む。これらの障害で最も一般的なのが骨粗鬆症であり、その最も頻繁な発現は、閉経後の女性に生じる。骨粗鬆症は、骨損失に関連する他の障害と同様に慢性症状であるため、適切な療法は一般に、慢性的な治療を必要とすると考えられている。
【0004】
ビスホスホネート、すなわちビスホスホン酸または薬学的に許容され得るその塩は、天然に存在するピロホスフェートの合成類似物質である。固相カルシウムホスフェートへのその顕著な親和性により、ビスホスホネートは、骨無機質に強力に結合する。薬理学的に活性なビスホスホネートは、当業界で周知であり、骨吸収の強力な阻害物質であり、したがって異常骨吸収を含む疾患、特に骨粗鬆症、パジェット病、悪性腫瘍の高カルシウム血症、ならびに転移性および代謝性骨疾患の治療および予防に有用である。
【0005】
薬剤としてのビスホスホネートは、例えば欧州特許出願第170,228号、欧州特許出願第197,478号、欧州特許出願第22,751号、欧州特許出願第252,504号、欧州特許出願第252,505号、欧州特許出願第258,618号、欧州特許出願第350,002号、欧州特許出願第273,190号、国際公開第90/00798号などに述べられており、そのそれぞれは参照として本明細書に組み入れられる。
【0006】
現在販売されているビスホスホネートの剤形は、経口製剤(錠剤またはカプセル剤)または静脈内注射または点滴用の液剤である。それらは、治療用量で投与された場合には、全身的によく耐容性を示す。しかしながら、クラスとしてのビスホスホネートは、皮膚および粘膜に対して刺激性であり、継続ベースで経口投与される場合、消化管の副作用、例えば食道有害事象または胃腸障害が発生することがある。結果として、その低い経口生物学的利用能により、経口投与経路は今までのところ、患者に不便な使用勧告に従う必要があった。
【0007】
ビスホスホネートは、異なる作用方式を持つ2つの群に分類できる。イバンドロネートは、更に強力な窒素含有ビスホスホネートに属する[Russell 1999 Russell RGG,Rogers MJ.Bisphosphonates:From the laboratory to the clinic and back again.Bone 25(1):97-106(1999);Rogers MJ,Gordon S,Benford HL,Coxon FP,Luckman SP,Monkkonen J,Frith JC.Cellular Molecular mechanisms of action of bisphosphonates.Cancer 88(12)Suppl:2961-2978(2000)]。イバンドロネートは、骨粗鬆症および転移性骨疾患において現在臨床開発中の最も強力なビスホスホネートの1つである。骨吸収動物モデルにおいて、イバンドロネートは、リセドロネート、アレンドロネート、パミドロネート、およびクロドロネートのそれぞれ2、10、50、および500倍強力である[Muhlbauer R.C.,F.Bauss,R.Schenk,M.Janner,E.Bosies,K.Strein,and H.Fleisch.BM 21.0955 a potent new bisphosphonate to inhibit bone resorption.J.Bone Miner.Res.6:1003-1011(1991)]。
【0008】
イバンドロネートは、鉱化作用を障害することなく骨吸収を阻害する(Muhlbauerら、Muhlbauer R.C.,F.Bauss,R.Schenk,M.Janner,E.Bosies,K.Strein,and H.Fleisch.BM 21.0955 a potent new bisphosphonate to inhibit bone resorption.J.Bone Miner.Res.6:1003-1011(1991))。破骨細胞活性を低下させ、その結果骨破壊を阻害することが示されている。高用量では、それは破骨細胞の数も減少させる(Muhlbauerら Muhlbauer R.C.,F.Bauss,R.Schenk,M.Janner,E.Bosies,K.Strein,and H.Fleisch.BM 21.0955 a potent new bisphosphonate to inhibit bone resorption.J.Bone Miner.Res.6:1003-1011(1991))。
【0009】
先に記載したように、ビスホスホネートは、骨粗鬆症の管理において強力な有効性を供給するとして認められる。しかしながら、胃腸効果のための低い経口生物学的利用能および可能性に関連する投与制限を考えると、高レベルの服薬率および優れた患者管理/満足につながる、改善された利便性および柔軟性を提供する投与計画の明確な機会がある。間欠投与計画、例えば週1回の投与が技術的に述べられているが、そのような間欠治療は所望の結果を生じない。
【0010】
病理学的に上昇した骨吸収を特徴とする障害、例えば骨粗鬆症の予防または治療が、ビスホスホネートまたは薬学的に許容され得るその塩の50〜250mgを月1回投与することによって、特にイバンドロネート、すなわちイバンドロン酸または薬学的に許容され得るその塩の月1回の投与によって改善され得ることが、今回見出された。
【0011】
それゆえ、本発明は、病理学的に上昇した骨吸収を特徴とする障害の予防または治療用の医薬の調製のための、ビスホスホン酸または薬学的に許容され得るその塩の使用、特にイバンドロン酸または薬学的に許容され得るその塩の使用に関するが、ここで、その医薬は、
a)ビスホスホン酸または許容され得るその塩を約50〜250mg、好ましくは約100〜150mg含み、そして
b)その医薬は、1ヶ月当たり1、2、または3日間連日投与される。
【0012】
期待量の少なくとも120%、特に120%〜200%の投与による毎月の経口処置は、優れた結果と同様に、利便性および服薬率に関して増加する患者の利益を提供する。「期待量」(100%)は、累積有効1日量に一致する。イバンドロネートの臨床開発プログラムの完了前に、いずれのビスホスホネートも、毎日投与を超える無薬剤期間をおくと、予期される骨折減少有効性は示さなかった。要約すれば、骨折減少の利益が、単回または複数回の錠剤投与方式を用いた経口ビスホスホネートの月1回投与に由来しうることは、全く予想外である。
【0013】
したがって、本発明は、病理学的に上昇した骨吸収を特徴とする障害、例えば骨粗鬆症の予防または治療用の医薬の製造のための、ビスホスホン酸または薬学的に許容され得る塩、特にイバンドロン酸または薬学的に許容され得るその塩の使用に関するが、ここで、その医薬はビスホスホン酸または許容され得るその塩の期待有効1日量の少なくとも120%を含み、1ヶ月当たり1、2、または3日間連日投与される。
【0014】
更に好ましくは、本発明は、病理学的に上昇した骨吸収を特徴とする障害の予防または治療用の医薬の製造のための、イバンドロン酸または薬学的に許容され得るその塩の使用を含むが、ここで、その医薬は、
a)イバンドロン酸または薬学的に許容され得るその塩約100〜約150mgを含み、
b)1ヶ月当たり1、2、または3日間連日経口投与される。
【0015】
用語「ビスホスホン酸」は、ホスホエーテル結合によって中心(ジェミナル)炭素原子に結合された、2個のホスホネート基を特徴とする化合物を意味する。そのようなP−C−P構造は、以下の式Iで例示される。本発明の治療剤を指すのに本明細書で使用される用語「ビスホスホン酸」は、ビスホスホネート、ビホスホン酸、およびビスホスホン酸はもちろんのこと、これらの物質の塩および誘導体も包含する意味であることに注目すべきである。ビスホスホネートを指す具体的な命名の使用は、特に指示しない限り、本発明の範囲を限定することを意味しない。
【0016】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容され得る」は、塩またはキレート剤が毒性の観点から許容され得ることを意味する。
【0017】
用語「薬学的に許容され得る塩」は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばカリウムおよびナトリウム(モノ、ジ−およびトリ−ナトリウムを含む)塩(これらが好ましい)、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩、有機塩基との塩、例えばジクロロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン、およびアミノ酸、例えばアルギニン、リジンなどとの塩を指す。
【0018】
用語「病理学的に上昇した骨吸収を特徴とする障害」は、特定できる原因のあるかまたはない医学的に定義された症状(例えば閉経後骨粗鬆症、特発性若年性骨粗鬆症、クラインフェルター症候群に関連する骨粗鬆症、男性骨粗鬆症、栄養上の要因による骨粗鬆症、臓器移植関連骨粗鬆症、運動不足関連骨粗鬆症、炎症症状、およびコルチコステロイド誘発性骨粗鬆症)を指す。
【0019】
用語「1ヶ月当たり1、2、または3日間連日」は、その月の1、2、または3日間連日で、1〜3錠の用量比例または非用量比例の錠剤を投与することを意味し、好ましくは1ヶ月当たり1日である。本明細書で使用する用語「月」は、約4週間、約30日、または暦年の約1/12になる時間の尺度として一般に受入れられている意味に従って使用される。
【0020】
用語「医薬」は、医薬組成物を指す。その用語は、単回または複数回投与方式を含む。
【0021】
医薬は、好ましくは、1ヶ月当たり1日投与される。好ましくは医薬は、単回投与量として投与されるが、しかしながら、本発明の範囲は、複数回投与の下位投与量(multiple sub-dose)、例えば1ヶ月当たり2日間連日で、または1ヶ月当たり3日間連日で投与される医薬を含む。
【0022】
好ましくは、医薬は、ビスホスホン酸または薬学的に許容され得るその塩の、更に好ましくは、イバンドロン酸または薬学的に許容され得るその塩の有効量の少なくとも100%、好ましくは120〜200%、最も好ましくは120〜150%を含む。
【0023】
用語「有効量」は、ビスホスホネートまたは薬学的に許容され得るその塩、例えばイバンドロン酸または薬学的に許容され得るその塩の約50〜約250mg、更に好ましくは約100〜約150mgを指す。ここで述べたように、有効量は、単回投与量または複数回投与の下位投与量であってもよい。例えば有効量が150mgである場合、1日または2日間連日で投与される1回の150mg投与量、2回の75mg下位投与量、あるいは1日または2日間連日で投与される3回の50mg下位投与量であり、有効量が100mgである場合、投与量は、1日または2日間連日で、好ましくは2日間連日で投与される1回の100mg投与量、2回の50mg下位投与量である。
【0024】
薬学的作用物質としての「ビスホスホン酸および薬学的に許容され得るその塩」は、例えば、そのような記述の参照として本明細書に組み入れられる、米国特許第4,509,612号、第4,666,895号、第4,719,203号、第4,777,163号、第5,002,937号、第4,971,958号、および第4,958,839号ならびに欧州特許出願第252,504号および第252,505号に記載されている。
【0025】
ビスホスホン酸および薬学的に許容され得るその塩の調製方法は、参照として本明細書に組み入れられる、例えば米国特許第3,962,432号、第4,054,598号、第4,267,108号、第4,327,039号、第4,407,761号、第4,621,077号、第4,624,947号、第4,746,654号、第4,922,077号、第4,970,335号、第5,019,651号、第4,761,406号、第4,876,248号に、J.Org.Chem.32,4111(1967)および欧州特許出願第252,504号に見られる。ビスホスホン酸の薬学的に許容され得る塩も本発明で利用してもよい。ビスホスホン酸の塩基性塩の例は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばカリウムおよびナトリウム(モノ、ジ−およびトリ−ナトリウムを含む)塩(これらが好ましい)、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩、有機塩基との塩、例えばジクロロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン、およびアミノ酸、例えばアルギニン、リジンなどとの塩を含む。非毒性の生理的に許容され得る塩が好ましい。塩は、当業界で既知の、例えば参照として本明細書に組み入れられる、欧州特許出願第252,504号または米国特許第4,922,077号に記載されている方法によって調製してもよい。
【0026】
好ましくは、医薬は、イバンドロン酸または薬学的に許容され得るその塩を100〜150mg含む。好ましくは医薬は、単回投与量として投与される。
【0027】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の用語「ビスホスホネート」は一般式
【0028】
【化1】
【0029】
(式中、AおよびXは、独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;アミノ;SH;フェニル;アルキル;モノもしくはジアルキルアミノ;モノもしくはジアルキルアミノアルキル;アルコキシ;チオアルキル;チオフェニル;ならびにフェニル、ピリジル、フラニル、ピロリジニル、イミダゾリル、およびベンジルから成る群より選択されるアリールまたはヘテロアリール部分から成る群より選択され、ここでアリールまたはヘテロアリール部分は場合によりアルキルで置換される)の化合物に相当する。
【0030】
上述の化学式において、AはXを含むことができ、XはAを含み、その2つの部分は同じ環状構造の部分を形成できる。
【0031】
上述の化学式は、Aおよび/またはX置換基について炭素環式、芳香族および複素芳香族構造、例えばナフチル、キノリル、イソキノリル、アダマンチル、およびクロロフェニルチオも包含するものとする。
【0032】
好ましい構造は、Aが水素、ヒドロキシ、およびハロゲンから成る群より選択され、Xがアルキル、ハロゲン、チオフェニル、チオアルキル、およびジアルキルアミノアルキルから成る群より選択されるものである。
【0033】
更に好ましい構造は、Aが水素、ヒドロキシ、およびClから成る群より選択され、Xがアルキル、Cl、クロロフェニルチオ、およびジアルキルアミノアルキルから成る群より選択されるものである。
【0034】
好ましいビスホスホン酸または薬学的に許容され得る塩は、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、EB−1053、チルドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、リセドロネート、ピリドロネート、パミドロネート、ゾレンドロネート、または許容され得るその塩、例えばイバンドロン酸、モノナトリウム塩、モノヒドレートから成る群より選択される。
【0035】
イバンドロン酸(1−ヒドロキシ−3−(N−メチル−N−ペンチル)アミノプロピリデン−1,1−ビスホスホン酸)または生理的に適合性のあるその塩、例えばイバンドロン酸、モノナトリウム塩、モノヒドレートが特に好ましい。
【0036】
ビスホスホネートおよび薬学的に許容され得る塩は、単独で投与してもよく、あるいはホルモン、例えばステロイドホルモン、例としてエストロゲン;部分エストロゲンアゴニスト、またはエストロゲン−ゲスターゲン併用;カルシトニンまたはその類似体もしくは誘導体、例えばサケ、ウナギ、またはヒトのカルシトニン副甲状腺ホルモンまたはその類似物質、例としてPTH(1−84)、PTH(1−34)、PTH(1−36)、PTH(1−38)、PTH(1−31)NH2またはPPTS 893;SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレータ)、例としてラロキシフェン、ラソフォキシフェン、TSE−434、FC1271、チボロン、ビタミンDまたは類似物質を含む他の骨活性薬と併用して、固定併用によるかまたは物理的および時間的の両方で分けるかのどちらかで投与してもよい。そのようなさらなる骨活性薬は、ビスホスホネートよりも頻繁に投与してもよい。
【0037】
適切な医薬組成物は、当業界で既知であり、参照として本明細書に組み入れられる米国特許第6,143,326号および第6,294,196号に記載されている。
【0038】
錠剤、コーティング錠、糖衣錠、または硬ゼラチンカプセル剤の調製について、本発明の化合物は、薬学的に不活性な無機または有機添加剤と混合してもよい。錠剤、糖衣錠または硬ゼラチンカプセル剤用の適切な添加剤の例は、ラクトース、トウモロコシデンプンもしくはその誘導体、タルク、またはステアリル酸もしくはその塩を含む。
【0039】
医薬組成物は、保存剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、着臭剤、浸透圧変化のための塩、緩衝剤、コーティング剤、または酸化防止剤も含有してもよい。それは他の治療上有効な薬剤を含有できる。医薬組成物は、好ましくはフィルムコーティング錠であって、錠剤核は上記のビスホスホン酸または薬学的に許容され得るその塩の50〜200mgと、ラクトース、ポリビニルピロリドン、微結晶性セルロース、クロスポビドン、ステアリン酸、二酸化ケイ素から成る群より選択される1種以上の薬学的に許容され得る添加剤とを含み、そして錠剤核はヒドロキシプロピルメチルセルロース、二酸化チタン、タルクおよびポリエチレングリコール6000から成る群より選択される1種以上の薬学的に許容され得る添加剤を含む。これらの組成物は当業界で既知であり、例えば米国特許第6,143,326号および第6,294,196号に記載されている。
【0040】
本発明の別の態様は、ビスホスホン酸または許容され得るその塩の有効量を哺乳類に投与することを含む、病理学的に上昇した骨吸収を特徴とする障害を治療、低減、または予防するための方法である。特に本発明は、ビスホスホン酸または薬学的に許容され得るその塩の有効量を経口投与することを含む、病理学的に上昇した骨吸収を特徴とする障害を治療、低減、または予防するための方法に関するが、ここで、ビスホスホン酸または薬学的に許容され得るその塩の約50〜250mgが1ヶ月当たり1、2、または3日間連日投与される。上述のとおり、ビスホスホン酸または薬学的に許容され得るその塩の有効量は、単回投与量または複数回投与の下位投与量として投与してもよい。
【0041】
好ましくは、本方法は、1ヶ月当たり1、2、または3日間連日でビスホスホネートまたは薬学的に許容され得るその塩の約50〜250mg、好ましくは約100〜150mgを投与することを含む。本方法は複数回投与の下位投薬による投与量の投与を含むが、好ましい方法は、単回投与量を提供する。複数回投与の下位投薬による投与量の投与の例は、以下のとおり、有効量が150mgである場合は、投与量が1日または2日間連日投与される2回の75mg下位投与量であるか、あるいは1日または2もしくは3日間連日投与される3回の50mgの下位投与量であり;有効量が100mgである場合は、投与量は1日または2日間連日で、好ましくは2日間連日で投与される、2回の50mg下位投与量である。好ましいビスホスホネートは、イバンドロネートまたは薬学的に許容され得るその塩、例えばイバンドロン酸、モノナトリウム塩、モノヒドレートである。
【0042】
好ましくは、本発明による方法において、ビスホスホン酸は、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、EB−1053、チルドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、リセドロネート、ピリドロネート、パミドロネート、ゾレンドロネート、または許容され得るその塩から成る群より選択される。更に好ましくはビスホスホン酸は、イバンドロネートまたは薬学的に許容され得るその塩、例えばイバンドロン酸、モノナトリウム塩、モノヒドレートである。
【0043】
本発明を、例示された実施形態を参照して説明する。
【実施例】
【0044】
実施例1:医薬組成物
実施例は、50mg錠剤の組成物を示す。これらの錠剤の組成および調製は当業界で既知であり、例えば米国特許第6,143,326号および第6,294,196号に記載されている。
【0045】
他の組成物は、ビスホスホネート、例えばイバンドロン酸、モノナトリウム塩、モノヒドレートの量に従って成分を調整することによって調製してもよい。
【0046】
【表1】