特許第6067468号(P6067468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067468
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】垂直度測定器
(51)【国際特許分類】
   G01C 9/12 20060101AFI20170116BHJP
   G01C 9/16 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   G01C9/12 P
   G01C9/16
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-89692(P2013-89692)
(22)【出願日】2013年4月22日
(65)【公開番号】特開2014-215054(P2014-215054A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】512203595
【氏名又は名称】ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
(72)【発明者】
【氏名】有木 正浩
(72)【発明者】
【氏名】多田 豊
【審査官】 櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−032415(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3145259(JP,U)
【文献】 特開2011−047913(JP,A)
【文献】 特開2001−033239(JP,A)
【文献】 特開平08−159759(JP,A)
【文献】 実開平05−038518(JP,U)
【文献】 実開昭60−154810(JP,U)
【文献】 実開昭56−119507(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 9/12
G01C 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース(2)と、
前記ケース(2)に取り付けた表示板(3)と、
前記表示板(3)の表示面(6)に形成され、前記表示面(6)の上下方向に延びる垂直目盛線(7)、および、前記垂直目盛線(7)に直交する前記表示面(6)の左右方向に延びる水平目盛線(8)と、
前記表示面(6)上において、前記表示面(6)に垂直な第1支軸(13)を中心として前記左右方向に揺動自在な状態で当該第1支軸(13)から吊り下げられている第1指針(11)と、
前記表示面(6)上において、前記表示面(6)に垂直な第2支軸(14)を中心として前記左右方向に揺動自在な状態で当該第2支軸(14)から吊り下げられている第2指針(12)と、
前記ケース(2)の内部において、前記水平目盛線(8)に平行な第3支軸(21)を中心として前記表示面(6)の前後方向に揺動自在な状態で当該第3支軸(21)から吊り下げられている振り子(22)と、
前記振り子(22)における揺動中心から前記表示板(3)に向かう方向に延び、前記振り子(22)が前記前後方向に揺動すると前記表示面(6)の上下方向に揺動する揺動腕(24)と、
を有し、
前記揺動腕(24)の先端部(24a)は、前記表示板(3)に形成した貫通穴(3e)から前記表示面(6)の前方に突出して、前記第2指針(12)における前記第2支軸(14)から前記左右方向に外れた部位に係合していることを特徴とする垂直度測定器(1)。
【請求項2】
前記ケース(2)は、当該ケース(2)を測定対象の部材(30)に取り付けるマグネット(4a、4b)を備えている請求項1に記載の垂直度測定器(1)。
【請求項3】
前記第2支軸(14)は、前記垂直目盛線(7)および前記水平目盛線(8)の交点に位置し、
前記第1支軸(13)は、前記交点よりも下方の前記垂直目盛線(7)上に位置し、
前記第1指針(11)の表面には、前記第1支軸(13)の中心から延びる第1垂直指標線(15)が形成されており、
前記第2指針(12)の表面には、前記第2支軸(14)の中心から、相互に直交する方向に延びる第2垂直指標線(17)および水平指標線(16)が形成されており、
前記表示面(6)が左右方向に傾きなく重力方向を向くと前記第1垂直指標線(15)が前記垂直目盛線(7)に一致し、
前記表示面(6)が前後方向に傾きなく重力方向を向くと、前記第2垂直指標線(17)が前記垂直目盛線(7)に一致し、前記水平指標線(16)が前記水平目盛線(8)に一致する請求項1または2に記載の垂直度測定器(1)。
【請求項4】
前記第2指針(12)は、前記表示面(6)の左右方向に延びる腕部分(12a)と、前記腕部分(12a)の長さ方向の中央部から下方に延びる脚部分(12b)とを備え、
前記腕部分(12a)の中央部が前記第2支軸(14)によって支持されており、
前記腕部分(12a)の表面に前記水平指標線(16)が形成され、
前記脚部分(12b)の表面に前記第2垂直指標線(17)が形成されている請求項3に記載の垂直度測定器(1)。
【請求項5】
前記表示面(6)は、前記垂直目盛線(7)および前記水平目盛線(8)を境にして色分けされており、
前記第1指針(11)は、前記第1垂直指標線(15)を境に色分けされており、
前記第2指針(12)は、前記第2垂直指標線(17)および前記水平指標線(16)を境に色分けされている請求項4に記載の垂直度測定器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭、柱等の部材を地面に立てる際に、その前後左右の垂直度を測定、確認するために用いる垂直度測定器に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光パネルを屋外に設置する場合、看板施設を屋外に設置する場合等において、それらの杭打ち作業、支柱を建てる作業等においては杭、支柱を傾きの無い状態に設置する必要がある。このために、水準器等の各種の器具が使用されている。このような野立て作業においては、杭、支柱などの垂直度を測定あるいは確認するための器具として、簡単に杭、支柱に取り付けて使用でき、また、携帯に便利なものが要望される。
【0003】
特許文献1(実開昭57−118319号公報)には、アンテナポールの垂直度を測定するために、磁石によって測定対象のアンテナポールに取付け可能な垂直度測定器が提案されている。特許文献2(特開平08−219785号公報)には、マグネットによって測定対象のポールに取付け可能であり、直交する方向の傾きを測定できるように2個の水準器を備えた垂直度測定器が提案されている。特許文献3(実開昭53−129959号公報)には、直交する方向の傾きを表示する2個の振り子を備え、同一方向から、直交する二方向の傾きを確認できる垂直度測定器が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭57−118319号公報
【特許文献2】特開平08−219785号公報
【特許文献3】実開昭53−129959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来における携帯可能な垂直度測定器においては次のような解決すべき課題がある。特許文献1〜3に開示の測定器では、作業員が離れた位置から表示面を簡単に確認できない。特許文献1では表示面が上方を向いており、作業員は設置されるポールの傍に立って表示面を上から覗く必要がある。特許文献2に開示の測定器では、2つの表示面が側方を向いているが、相互に異なる方向を向いている。したがって、作業員は離れた位置から双方の表示面を同時に確認できない。
【0006】
特許文献3に開示の測定器では、同一の側から作業員が表示面を確認できる。しかしながら、左右方向の傾きを表示する表示面は横方を向く平面であるが、前後方向の傾きを表示する表示面は円弧面となっている。前方から円弧面を見た場合には、円弧面に沿って上下に移動する指針の位置を簡単に確認できないことがある。また、左右方向の傾きは左右に移動する指針によって表示されるが、前後方向の傾きは円弧面に沿って上下に移動する指針によって表示される。このため、前後方向の垂直度が得られている状態を、表示面を一瞥しただけでは分かりにくい場合がある。
【0007】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、前後左右の傾き状態を同一平面上において表示することができ、前後左右において垂直度が得られたことが表示面を一瞥して直ちに理解できるようにした垂直度測定器を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の垂直度測定器は、
ケースと、
前記ケースに取り付けた表示板と、
前記表示板の表示面に形成され、前記表示板の上下方向に延びる垂直目盛線、および、前記垂直目盛線に直交する前記表示板の左右方向に延びる水平目盛線と、
前記表示面上において、前記表示面に垂直な第1支軸を中心として前記左右方向に揺動自在な状態で当該第1支軸から吊り下げられている第1指針と、
前記表示面上において、前記表示面に垂直な第2支軸を中心として前記左右方向に揺動自在な状態で当該第2支軸から吊り下げられている第2指針と、
前記ケースの内部において、前記水平目盛線に平行な第3支軸を中心として前記表示面の前後方向に揺動自在な状態で当該第3支軸から吊り下げられている振り子と、
前記振り子における揺動中心から前記表示板に向かう方向に延び、前記振り子が前記前後方向に揺動すると前記表示板の上下方向に揺動する揺動腕と、
を有し、
前記揺動腕の先端部は、前記表示板に形成した貫通穴から前記表示面の前方に突出して、前記第2指針における前記第2支軸から前記左右方向に外れた部位に係合していることを特徴としている。
【0009】
本発明の垂直度測定器は、測定対象の部材、例えば杭の側面に取り付けて使用する。杭の中心軸線に垂直目盛線が一致するように垂直度測定器を杭の側面に取り付ける。垂直目盛線に第1指針が一致した状態が、杭の左右方向の垂直度が得られた状態である。また、水平目盛線に第2指針が一致した状態が、杭の前後方向の垂直度が得られた状態である。双方の指針が双方の指標線に一致するように、杭の姿勢を直すことで杭を垂直に打設することができる。
【0010】
杭の左右方向の傾き、および前後方向の傾きは、同一表示面上に配置した第1、第2指針を同一方向から目視することによって確認できる。よって、杭等の前後左右の垂直度を簡単に知ることができる。
【0011】
ここで、垂直度測定器を簡単に測定対象の杭、柱の側面に取り付けることができるようにするために、本発明の垂直度測定器の前記ケースに、当該ケースを測定対象の部材に取り付けるマグネットを取り付けておくことが望ましい。
【0012】
また、本発明の垂直度測定器において、
前記第2支軸は、前記垂直目盛線および前記水平目盛線の交点に位置し、
前記第1支軸は、前記交点よりも下方の前記垂直目盛線上に位置し、
前記第1指針の表面には、前記第1支軸の中心から延びる第1垂直指標線が形成されており、
前記第2指針の表面には、前記第2支軸の中心から相互に直交する方向に延びる第2垂直指標線および水平指標線が形成されており、
前記表示面が左右方向に傾きなく重力方向を向くと前記第1垂直指標線が前記垂直目盛線に一致し、
前記表示面が前後方向に傾きなく重力方向を向くと、前記第2垂直指標線が前記垂直目盛線に一致し、前記水平指標線が前記水平目盛線に一致するように構成することが望ましい。
【0013】
このように構成すると、測定対象の杭、柱の前後左右の垂直度が得られた場合には、第1指針の第1垂直指標線と第2指針の垂直指標線が一直線上に並ぶ。よって、表示面を一瞥するだけで前後左右の垂直度が得られているか否かを知ることができる。
【0014】
この場合において、離れた位置からの視認性を高めるためには、前記表示面は、前記垂直目盛線および前記水平目盛線を境にして色分けし、前記第1指針の表面は前記第1垂直指標線を境に色分けし、前記第2指針の表面は前記第2垂直指標線および前記水平指標線を境に色分けしておくことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明を適用した垂直度測定器の正面図である。
図2図1の垂直度測定器の前側斜視図である。
図3図1の垂直度測定器の後側斜視図である。
図4図1の垂直度測定器の縦断面図である。
図5】(a)、(b)は、図1の垂直度測定器の使用状態を示す説明図である。
図6】(a)、(b)は、図1の垂直度測定器の正面図および背面図である。
図7】(a)、(b)は、図1の垂直度測定器の左側面図および右側面図である。
図8】(a)、(b)は、図1の垂直度測定器の平面図および底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照して本発明を適用した垂直度測定器の実施の形態を説明する。図1は本実施の形態に係る垂直度測定器の正面図であり、図2および図3はその前側斜視図および後側斜視図である。図6図8は垂直度測定器の6面を示す図である。これらの図を参照して説明すると、垂直度測定器1は、ケース2と、このケース2の前面に取り付けた表示板3と、ケース2の背面に取り付けた2個のマグネット4a、4bを備えている。
【0017】
ケース2は、ほぼ正方形の溝形断面となるように折り曲げた所定の高さのものである。ケース2の前方の開口を封鎖する状態に、表示板3がケース2に固定されている。表示板3は、ケース2と高さが同一であるが、ケース2よりも広幅である。マグネット4a、4bは円盤形状をしており、それらの中心部分を貫通する状態に取り付けた固定用のビス5a、5bによって、ケース2の背面板2aに固定されている。マグネット4a、4bによって、垂直度測定器1が測定対象の杭、柱等の側面に取り付けられる。なお、表示板3の四隅には矩形の貫通穴3a〜3dが形成されている。測定対象の杭、柱が木等の素材の場合には、貫通穴3a〜3dに締結バンドなどの締結具を通して、垂直度測定器1を測定対象の杭、柱等に取り付け可能である。
【0018】
表示板3は平坦な表示面6を備えている。表示面6には垂直目盛線7および水平目盛線8が描かれている。垂直目盛線7は、表示面6の左右方向の中心において、その上下方向の途中位置から表示面6の下辺縁6aまで延びている。水平目盛線8は、垂直目盛線7の上端から表示板3の左右方向の一方の側辺縁6bまで延びている。表示面6の表面色は例えば黒色などの第1の色である。本例では、垂直目盛線7、水平目盛線8、下辺縁6aおよび側辺縁6bで囲まれた矩形の領域が、黄色など、第1の色とは異なる視認しやすい第2の色で塗り潰された色付き領域9となっている。図においては、グレーで表示した部分が色付き領域9である。
【0019】
表示面6には、板材からなる第1指針11と第2指針12が配置されている。第1指針11は、上下方向に長い長方形輪郭をしており、その下端部は下方に向けて山形状に尖っている。第1指針11の上端部は、表示面6に対して垂直に固定した第1支軸13を中心として表示面6の左右方向に揺動自在の状態で、当該第1支軸13から吊り下げられている。第1支軸13は、表示面6の垂直目盛線7と水平目盛線8の交点よりも下方における垂直目盛線7上に位置している。
【0020】
第2指針12は、左右方向に延びる細長い長方形の腕部分12aと、この腕部分の左右方向の中央から下方に突出している脚部分12bを備えた偏平なT形状をしている。腕部分12aにおける表示面6の側辺縁6bの側の端が、山形状に尖った先端部となっている。第2指針12は、その腕部分12aの中央部が、表示面6に対して垂直に固定した第2支軸14を中心として表示面6の左右方向に揺動自在の状態で、当該第2支軸14から吊り下げられている。第2支軸14は、垂直目盛線7と水平目盛線8の交点に位置している。
【0021】
ここで、第1指針11の表面には、その第1支軸13の中心から、当該第1指針11の長さ方向に直線状に延びる第1垂直指標線15が描かれている。本例では、第1垂直指標線15を境にして、表示面6の色付き領域9の側が、当該色付き領域9と同一の第2の色で塗りつぶされており、他方が表示面6の第1の色と同一の色となっている。
【0022】
第2指針12の表面には、その腕部分12aに、第2支軸14の中心から先端側に延びる直線状の水平指標線16が描かれている。また、その脚部分12bには、第2支軸14の支軸から下方に延びる直線状の第2垂直指標線17が描かれている。第2指針12の表面においても、水平指標線16および第2垂直指標線17を境にして、表示面6の色付き領域9の側が、同一の第2の色で塗りつぶされており、他方の領域が表示面6の第1の色と同一の色となっている。
【0023】
次に、図4は垂直度測定器1の縦断面図である。この図から分かるように、ケース2の内部には、その両側のケース側面板2b、2cの間に、第3支軸21が架け渡されている。第3支軸21は、表示面6に描いた水平目盛線8と同一高さ位置において、当該水平目盛線8と平行に延びている。第3支軸21には、板状の振り子22の上端部が表示板3の前後方向に揺動自在の状態で吊り下げられている。振り子22の下端部分には錘23が取り付けられている。
【0024】
振り子22の上端部には、第3支軸21の中心から表示板3に向かう前方に向かって直角に折れ曲がって延びる揺動腕24が一体形成されている。振り子22が第3支軸21を中心として前後方向に揺れると、揺動腕24は、第3支軸21を中心として上下方向に揺動する。
【0025】
揺動腕24の先端部24aは、表示板3に形成した貫通穴3eから前方に突出している。貫通穴3eは、図1に示すように、上下方向に揺動する揺動腕24の先端部24aに干渉しないように、上下方向に長い長穴である。前方に突出している先端部24aは、第2指針12の腕部分12aに形成した貫通穴12cに係合している。貫通穴12cは、図1に示すように、腕部分12aにおいて、第2支軸14の中心よりも後端側に外れた部位に形成されている。先端部24aは貫通穴12cに対して、左右方向にスライド可能な状態で係合している。揺動腕24の先端部24aが上下方向に揺動すると、これに係合している第2指針12は第3支軸21を中心として上下方向に揺動する。
【0026】
図5(a)、(b)は垂直度測定器1の使用状態を示す説明図である。例えば、地面に垂直に杭を打ち込む場合には、杭30の側面に垂直度測定器1を取り付ける。垂直度測定器1の表示面6の垂直目盛線7が杭30の中心軸線に一致するように、垂直度測定器1を取り付ける。垂直度測定器1の表示面6を目視し、その第1指針11および第2指針12によって、杭30の左右方向および前後方向の傾きの有無を確認できる。
【0027】
第1指針11が表示面6の垂直目盛線7に一致していれば、表示面6の左右方向において杭30は垂直である。図5(a)はこの状態を示してある。第1指針11の第1垂直指標線15が表示面6の垂直目盛線7に一致していることで、杭30の左右方向の傾きが無いことを確認できる。
【0028】
杭30が表示面6の前後方向に傾いている場合には、振り子22の吊り下げ方向に対して、表示面6は前後方向に傾く。従って、振り子22の揺動腕24は表示面6に対して上下に傾斜した方向を向く。このため、揺動腕24の先端部24aに係合している第2指針12は、第2支軸14を中心として傾き、表示面6の水平目盛線8に対して傾く。すなわち、第2指針12の水平指標線16が表示面6の水平目盛線8に対して傾く。また、第2指針12の第2垂直指標線17が表示面6の垂直目盛線7に対して傾く。図5(a)はこの状態を示してある。これらが一致するように杭30の前後方向の向きを調整することで、杭30の前後方向の傾きを無くすことができる。
【0029】
図5(b)に示すように、前後左右方向の垂直度が得られた状態では、第1指針11と第2指針12は表示面6上において直角に交差する。したがって、表示面6を一瞥するだけで、杭等の垂直度が得られたか否かを知ることができる。
【符号の説明】
【0030】
1 垂直度測定器、2 ケース、2a 背面板、2b、2c 側面板、3 表示板、3a〜3d 貫通穴、3e 貫通穴、4a,4b マグネット、5a,5b ビス、6 表示面、6a 下辺縁、6b 側辺縁、7 垂直目盛線、8 水平目盛線、
11 第1指針、12 第2指針、12a 腕部分、12b 脚部分、12c 貫通穴、13 第1支軸、14 第2支軸、15 第1垂直指標線、16 水平指標線、17 第2垂直指標線、
21 第3支軸、22 振り子、23 錘、24 揺動腕、24a 先端部、
30 杭
図3
図4
図7
図8
図1
図2
図5
図6