【実施例】
【0009】
<1>全体の構成
本発明のトラックの速度測定方法は、ラインセンサ1とその検出装置によって構成する。
【0010】
<2>ラインセンサ
ラインセンサ1はラインスキャンカメラを使用して画像を連続処理することで高速の検出が可能なセンサである。
ラインスキャンカメラは主にCCDイメージングセンサ素子又はCMOSイメージング素子とレンズドライバ−、コントロール回路によって構成する公知の装置である。
この構成によって、対象物の映像をレンズによって素子面に結像させて、光の量をビデオパルス信号に変換して出力することができる。
このビデオパルス信号は時系列パルスとして取り出されるが、移動体に対して一定ピッチ毎に平均した積分値が出力される。
【0011】
<3>ラインの方向
一般にラインセンサ1のラインは、測定物の移動方向と直交する方向に設定する。
しかし本発明の測定方法では、ラインセンサ1のラインは、トラック2の走行方向と平行に設定する。
こうしてトラック2のある1点を追跡して速度を計測するのであるが、前記したように追跡点がトラック2のフロント部分であると、ある位置を通過した後に運転台21などの陰になり、ラインセンサ1による追跡が不可能となるという問題があった。
【0012】
<4>追跡点の決定
追跡する点を決定するには、どの機種のトラック2においても間違いなく選択できる点を探さなければならない。
【0013】
<4−1>最高点の選択
トラック2は無数のタイプのものが存在し、独自の寸法で構成してあるから、ラインセンサ1にいずれかの1点を認識させることは困難であり、そのために前記したようにトラック2ごとに認識番号を入力するような作業が必要となる。
それでは効率的な計測が不可能なので、本発明では荷台22の前部の鉛直の壁面上部に水平に取り付けたルーフキャリヤ、シートキャリア23と称する張り出し部に着目した。
以下「特許請求の範囲」の記載を含めて、名称の統一上、シートを積めるか否かにかかわらず、この張り出し部を「シートキャリア23」と称することにするが、このシートキャリア23は、荷台22と一体の構造であり、かつ運転席21の天井面よりも上の空間に張り出して位置している。
したがって、どの種類のトラック2においても、このシートキャリア23が一番高い位置に存在することになる。
【0014】
<4−2>信号量の急激な変化
このように、シートキャリア23の上部の位置がトラック2の中で最も高く、シートキャリア23の後部の荷台22の位置との間に大きな鉛直方向の高低差が存在している。
するとラインセンサ1で検知した場合に、このシートキャリア23と荷台22との間において、光信号量の急激な変化が発生することになる。
この急激な変化の発生は、トラック2の種類を問わずどの機種においても常に発生する。
そこでトラック2の中で最も高いシートキャリア23の上部の位置と、シートキャリア23の後部の荷台22の位置との間の高低差を、追跡する対象とする点として決定する。
【0015】
<5>追跡
前記したようにラインセンサ1は光の量をラインセンサ1のビデオ信号に変換して出力するものである。
したがって追跡する点を、トラック2の種類によらずに、シートキャリア23と荷台22との高低差という、常に安定して決定できる点とすれば、時系列パルスとして取り出して、各パルスごとに一点の位置を追跡して出力することができる。
【0016】
<6>積載量の計測
前記したように本発明は積載量を計測する場合に、ゲートを通過するトラック2の速度が変化した場合にも正確な速度を計測する発明である。
この発明の方法から得られた速度をもとに、他の公知の方法によって輪切りにした測定断面を積分して体積算出することができる。