(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸と、化粧品として許容される担体との混合物が、流動可能な液体である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施例又は他の明示する箇所以外では、材料の量、又は反応条件、材料の物性、及び/又は使用を示す本明細書におけるすべての数は、「約」という言葉により修飾されると理解されたい。すべての量は、特に明記しない限り、最終組成物の重量に基づいている。
【0009】
ある範囲の濃度又は量が明記されている場合、ある具体的な上限濃度又は量は、任意の具体的な下限濃度又は量と組み合わされ得ることに注意すべきである。
【0010】
誤解を避けるために記すと、「を含む」という言葉は、「を包含する」を意味し、必ずしも「からなる」や「から構成される」を意味しないことを意図したものである。言い換えれば、工程及び選択肢の列挙は、網羅的である必要はない。
【0011】
本明細書に記載されている本発明の開示内容は、特許請求の範囲が、それらを多項従属関係及び冗長性がないように記載することができるという事実とは関係なく多項従属していることから理解されるとおり、特許請求の範囲に記載されているすべての実施形態を包含するとみなされたい。
【0012】
「リーブオン型の」は、本明細書において使用する場合、皮膚に適用される組成物を意味し、クレンジング組成物、又は洗い流す若しくはすすぎ落とすタイプの組成物とは対照的に、一定の期間内に洗い流す又はすすぎ落とすことを意図した組成物ではない。
【0013】
「非固形の」は、本明細書において使用する場合、組成物の測定可能な粘度[例えば、Brookfield粘度計DV-I +(20RPM、RV6、30秒)を用いて測定可能]が1Pas〜500Pas、好ましくは2Pas〜100Pas、より好ましくは3Pas〜50Pasの範囲であることを意味する。
【0014】
「流動可能な液体」は、本明細書において使用する場合、最高で約40℃までの温度において液体である混合物を包含し、分散液、エマルション、及び溶液が包含される。
【0015】
12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸
[製造方法]
12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸は、以下(スキームI)に図示するとおりに調製することができる。簡潔に言えば、12HSAを、以下の化合物(4)及び(3)により例示するとおり、オルトゴナルな保護基を用いて、カルボン酸及びヒドロキシル官能基の位置で戦略的に誘導体化する。遊離カルボン酸とヒドロキシル官能基との間でカップリングを行うことにより、二重に保護された(diprotected)12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸(5)が得られる。その後、ヒドロキシル保護基を除去することにより化合物(6)が得られ、次いでカルボン酸保護基を除去することにより、所望の12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸(7)が得られる。
【0017】
典型的には、12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸は、本組成物の最高で10重量%まで、好ましくは最高で5重量%まで、最も好ましくは最高で1重量%まで、好ましくは0.0001重量%〜3重量%の量で使用する。ごく少量で、ヒト線維芽細胞によるエネルギー産生の増加がもたらされることが見出された。
【0018】
12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸の一価及び二価の塩が上述した量で含まれていてもよい。
【0019】
[化粧品として許容される担体]
本発明の組成物は、化粧品として許容される担体も含む。本発明によれば、最高で40℃までの温度において液体である親油性担体が好ましいが、その理由は、12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸は、そのような担体に可溶性だからである。
【0020】
担体の量は、本組成物の約1〜約99.9重量%、好ましくは約70〜約95重量%、最適には約80〜約90重量%の範囲であってよい。有用な担体には、水、皮膚軟化剤、脂肪酸、脂肪アルコール、増粘剤、及びそれらの組合せがある。担体は、水性でも非水性でもエマルションでもよい。好ましくは、本組成物は、水性のもの、特に、W/O若しくはO/Wタイプの水と油とのエマルション、又は、W/O/W若しくはO/W/O型の多相エマルションである。水が存在する場合、水は、約5〜約95重量%、好ましくは約20〜約70重量%、最適には約35〜約60重量%の範囲の量であってもよい。
【0021】
皮膚軟化材料は、化粧品として許容される担体として役立ち得る。このような材料は、シリコーン油、天然又は合成のエステル、炭化水素、アルコール、及び脂肪酸の形態であってよい。皮膚軟化剤の量は、本組成物の約0.1〜約95重量%の任意の量、好ましくは約1〜約50重量%の範囲であってよい。
【0022】
シリコーン油は、揮発性のものと不揮発性のものとに分けることができる。用語「揮発性の」は、本明細書において使用する場合、測定可能な蒸気圧を周囲温度で有する物質を指す。揮発性シリコーン油は、3〜9個、好ましくは5〜6個のケイ素原子を有する、環状(シクロメチコン)又は直鎖状のポリジメチルシロキサンから好ましくは選ばれる。
【0023】
皮膚軟化材料として有用な不揮発性シリコーン油としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、及びポリエーテルシロキサンコポリマーが挙げられる。本発明において有用な、本質的に不揮発性のポリアルキルシロキサンとしては、例えば、25℃で粘度が約5×10
-6〜0.1m
2/sのポリジメチルシロキサンが挙げられる。本発明の組成物において有用な好ましい不揮発性の皮膚軟化剤には、25℃で粘度が約1×10
-5〜約4×10
-4m
2/sのポリジメチルシロキサンがある。
【0024】
別の系統の不揮発性シリコーンは、乳化型及び非乳化型のシリコーンエラストマーである。このカテゴリーを代表するものは、Dow Corning 9040、General Electric SFE 839、及びShin-Etsu KSG-18として入手可能なジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーである。シリコーンワックス、例えばSilwax WS-L(ジメチコンコポリオールラウレート)も有用であり得る。
【0025】
エステル皮膚軟化剤には、以下のものがある:
a)10〜24個の炭素原子を有する飽和脂肪酸のアルキルエステル。その例としては、ネオペンタン酸ベヘニル、イソノナン酸(isonanonoate)イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、及びステアリン酸オクチルが挙げられる。
b)エーテルエステル(エトキシル化飽和脂肪アルコールの脂肪酸エステルなど)。
c)多価アルコールエステル。エチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200〜6000)モノ及びジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリプロピレングリコール2000、エトキシル化モノステアリン酸プロピレングリコール、グリセリルモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪酸エステル、エトキシル化モノステアリン酸グリセリル、1,3-ブチレングリコールモノステアレート、1,3-ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、要件を満たす多価アルコールエステルである。とりわけ有用なものは、C
1〜C
30アルコールである、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、及びネオペンチルグリコールのエステルである。
d)蝋エステル(蜜蝋、鯨蝋、及びトリベヘニン蝋など)。
e)脂肪酸の糖エステル(ポリベヘン酸スクロース及びポリ綿実脂肪酸スクロースなど)。
【0026】
天然のエステル皮膚軟化剤は、主として、モノ-、ジ-、およびトリグリセリドがベースである。代表的なグリセリドとしては、ヒマワリ種子油、綿実油、ルリヂサ油、ルリヂサ種子油、サクラソウ油、ヒマシ油及び硬化ヒマシ油、米ぬか油、大豆油、オリーブ油、ベニバナ油、シアバター、ホホバ油、及びそれらの組合せが挙げられる。動物由来の皮膚軟化剤は、ラノリン油及びラノリン誘導体に代表される。これらの天然エステルの量は、本組成物の約0.1〜約20重量%の範囲であってよい。
【0027】
化粧品として許容される好ましい担体である炭化水素としては、ワセリン、鉱油、C
11〜C
13イソパラフィン、ポリブテン、特に、Presperse Inc.からPermethyl 101Aとして市販されているイソヘキサデカンが挙げられる。
【0028】
10〜30個の炭素原子を有する脂肪酸も、化粧品として許容される担体として好ましい場合がある。このカテゴリーの例示的なものは、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヒドロキシステアリン酸、及びベヘン酸、並びにそれらの混合物である。
【0029】
10〜30個の炭素原子を有する脂肪アルコールは、化粧品として許容される担体の別の有用なカテゴリーである。このカテゴリーの例示的なものは、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、及びセチルアルコール、並びにそれらの混合物である。
【0030】
増粘剤は、本発明による組成物を構成する、化粧品として許容される担体の一部として利用できる。典型的な増粘剤としては、以下が挙げられる:架橋アクリレート(例えばCarbopol 982(登録商標))、疎水性修飾アクリレート(例えばCarbopol 1382(登録商標))、ポリアクリルアミド(例えばSepigel 305(登録商標))、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸/塩のポリマー及びコポリマー(例えば、Aristoflex HMB(登録商標)及びAVC(登録商標))、セルロース誘導体及び天然ゴム。有用なセルロース誘導体には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、及びヒドロキシメチルセルロースがある。本発明に適した天然ゴムとしては、グアー、キサンタン、スクレロチウム、カラギーナン、ペクチン、及びこれらのゴムの組合せが挙げられる。無機物、とりわけ、粘土(ベントナイト及びヘクトライトなど)、フュームドシリカ、タルク、炭酸カルシウム、及びケイ酸塩[ケイ酸マグネシウムアルミニウム(Veegum(登録商標))など]を増粘剤として利用することもできる。増粘剤の量は、本組成物の0.0001〜10重量%、通常は0.001〜1重量%、最適には0.01〜0.5重量%の範囲であってよい。
【0031】
感覚的な特性を高めるための皮膚軟化剤、特に、顔に適用することが意図された製品に使用できる皮膚軟化剤が好ましく、このような皮膚軟化剤は、12-HSAと共に固いゲルを形成しない油の群から選ばれる。このような皮膚軟化剤としては、ポリプロピレングリコール-14ブチルエーテル(Tegosoft PBEとして知られている)、又は、PPG15ステアリルエーテル(Tegosoft Eなど)、他の油(例えばエステル、具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル)が挙げられ、他の油としては、ヒマシ油及びその誘導体を挙げることができよう。
【0032】
多価アルコールタイプの湿潤剤は、化粧品として許容される担体として用いることができる。典型的な多価アルコールとしては、グリセロール、ポリアルキレングリコール、より好ましくはアルキレンポリオール、及びそれらの誘導体が挙げられ、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びそれらの誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、へキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール、及びそれらの混合物が含まれる。湿潤剤の量は、本組成物の0.5〜50重量%の任意の量、好ましくは1〜15重量%の間の範囲であってよい。
【0033】
皮膚保湿剤、例えばヒアルロン酸及び/又はその前駆体であるN-アセチルグルコサミンが含まれていてもよい。N-アセチルグルコサミンは、サメ軟骨又はシイタケ中に見出すことができ、Maypro Industries, Inc(New York)から市販されている。他の好ましい保湿剤としては、ヒドロキシプロピルトリ(C
1〜C
3アルキル)アンモニウム塩が挙げられる。これらの塩は、さまざまな合成法で、中でもとりわけ、クロロヒドロキシプロピルトリ(C
1〜C
3アルキル)アンモニウム塩の加水分解により、入手できる。最も好ましい種は1,2-ジヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドであって、C
1〜C
3アルキルがメチル基であるものである。この塩の量は、本局所用組成物の約0.2〜約30重量%、好ましくは約0.5〜約20重量%、最適には約1重量%〜約12重量%の範囲であってよく、その中に包含される範囲すべてが含まれる。
【0034】
通常、第四級化アンモニウム基上のC
1〜C
3アルキル構成要素は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、又はヒドロキシエチル、及びそれらの混合であろう。とりわけ好ましいものは、INCI命名法により「トリモニウム」基として知られているトリメチルアンモニウム基である。第四級塩(quat salt)においては、任意の陰イオンを使用することができる。陰イオンは、有機イオンであっても無機イオンであってもよいが、その材料が化粧品として許容されることが条件である。典型的な無機陰イオンは、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、及びホウ酸イオンである。最も好ましいイオンはハロゲン化物イオン、特に塩化物イオンである。有機陰イオン性対イオンとしては、メト硫酸イオン、トルオイル硫酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、乳酸イオン、グルコン酸イオン、及びベンゼンスルホン酸イオンが挙げられる。
【0035】
使用可能な、特に、前述のアンモニウム塩と共に使用可能な、さらなる他の好ましい保湿剤としては、置換尿素、例えば、ヒドロキシメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、ヒドロキシプロピル尿素;ビス(ヒドロキシメチル)尿素;ビス(ヒドロキシエチル)尿素;ビス(ヒドロキシプロピル)尿素;N,N'-ジヒドロキシメチル尿素;N,N'-ジヒドロキシエチル尿素;N,N'-ジヒドロキシプロピル尿素;N,N,N'-トリヒドロキシエチル尿素;テトラ(ヒドロキシメチル)尿素;テトラ(ヒドロキシエチル)尿素;テトラ(ヒドロキシプロピル)尿素;N-メチル-N'-ヒドロキシエチル尿素;N-エチル-N'-ヒドロキシエチル尿素;N-ヒドロキシプロピル-N'-ヒドロキシエチル尿素、及びN,N'ジメチル-N-ヒドロキシエチル尿素が挙げられる。用語「ヒドロキシプロピル(hydroypropyl)」が出現した場合、その意味は、3-ヒドロキシ-n-プロピル基、2-ヒドロキシ-n-プロピル基、3-ヒドロキシ-i-プロピル基、又は2-ヒドロキシ-i-プロピル基のいずれも包括している。最も好ましいものは、ヒドロキシエチル尿素である。ヒドロキシエチル尿素は、Hydrovanceの商標で、ICIのNational Starch&Chemical Divisionから50%水性液として入手可能である。
【0036】
本発明の局所用組成物中で使用可能な置換尿素の量は、本組成物の総重量を基準にして約0.01〜約20%、好ましくは約0.5〜約15%、最も好ましくは約2〜約10%の範囲であり、これらの範囲に包含される範囲すべてが含まれる。
【0037】
アンモニウム塩及び置換尿素を使用する場合、中でも特に好ましい一実施形態においては、本局所用組成物の総重量を基準にして、少なくとも約0.01〜約25%、好ましくは約0.2〜約20%、最も好ましくは約1〜約15%の湿潤剤(グリセリンなど)を使用し、これらの範囲に包含される範囲すべてが含まれる。
【0038】
[組成物の形態]
本発明の組成物は、非固形である。本質的には、組成物の「非固形性」は、例えばBrookfield DV-I + 粘度計(20RPM、RV6、30秒)を用いて測定した場合の組成物の粘度を意味する。粘度は、一般には、1Pas〜500Pas、好ましくは1Pas〜200Pas、より好ましくは2Pas〜100Pas、最も好ましくは3Pas〜50Pasの範囲である。
【0039】
本発明の組成物は、リーブオン型の組成物である。本発明の組成物は、皮膚上に残るように適用することを意図したものである。このようなリーブオン型の組成物は、皮膚に適用し、続いて、製品の適用後又は適用中のいずれかに、洗う、すすぐ、拭き取るなどのいずれかにより除去する組成物と区別すべきものである。すすぎ落とすタイプの組成物に典型的に使用される界面活性剤は、使用中にすすぎやすい泡/石鹸泡を生じさせる能力をもたらす物理化学的な特性を有するものであり、陰イオン性、陽イオン性、両性、及び非イオン性界面活性剤の混合物からなり得る。一方、リーブオン型の組成物中で使用される界面活性剤は、そのような特性を有する必要はない。むしろ、リーブオン型の組成物は、すすぎ落とすことを意図したものではないため、非刺激性である必要があり、したがって、リーブオン型の組成物中の界面活性剤の合計濃度及び陰イオン性界面活性剤の合計濃度を最小化させることが必要であろう。したがって、本発明の組成物は、界面活性剤に関しては、主に非イオン性界面活性剤を含有する。陰イオン性界面活性剤は、最高で5%、好ましくは0.01〜4%、より好ましくは0.01〜3%、最も好ましくは0.01〜2%の量で存在し、最適には、実質的に存在しない(1%未満、好ましくは0.1%未満、又はさらには0.01%未満)。12HSAの塩は、本発明においては陰イオン性界面活性剤とはみなされない。本発明の組成物中の界面活性剤の合計レベルは、好ましくは10%以下、より好ましくは8%未満、最も好ましくは最高で5%である。
【0040】
本発明の組成物は、典型的にはエマルションの形態であり、水中油エマルションでも油中水エマルションでもよく、好ましくは、本組成物は水中油エマルションである。別の好ましい形態はクリームであり、さらに好ましくは、バニシングクリームベースを有するものである。バニシングクリームベースは、脂肪酸5〜40%と石鹸0.1〜20%とを含むものである。そのようなクリームにおいては、脂肪酸は、好ましくは実質的に、ステアリン酸とパルミチン酸との混合物であり、石鹸は、好ましくは、脂肪酸混合物のカリウム塩であるが、他の対イオン及びそれらの混合物を使用することもできる。バニシングクリームベース中の脂肪酸は、多くの場合、ヒステリック酸を用いて調製され、ヒステリック酸は、実質的に(一般には約90〜95%が)、ステアリン酸とパルミチン酸との混合物である。典型的なヒステリック酸は、パルミチン酸-ステアリン酸混合物の合計に対し約52〜55%のパルミチン酸と45〜48%のステアリン酸とを含む。したがって、ヒステリック酸及びその石鹸を組み入れてバニシングクリームベースを調製することは、本発明の範囲内である。本組成物が、7%超、好ましくは10%超、より好ましくは12%超の脂肪酸を含むことがとりわけ好ましい。
【0041】
[任意選択による成分]
[12HSA]
12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸と12HSAとの両方を含有する組成物がとりわけ好ましく、このような組成物は、さまざまな皮膚コンディショニングの利益をもたらすために使用することができる。「コンディショニング」は、本明細書において使用する場合、老化した皮膚及び光により損傷を受けた皮膚、皺の出現、加齢による染み、老化した皮膚を防止及び処置すること、皮膚の張り(firmness)を高めること、角質層の柔軟性を高めること、皮膚の色を明るくすること、皮脂排出を制御すること、並びに皮膚の質及び輝きを全般に高めることを包含する。本組成物は、線維芽細胞の代謝活性及び増殖、皮膚の落屑、及び表皮の分化を促進し、皮膚の外観又は全般的な美観を向上させるために使用することができる。
【0042】
本組成物は、好ましくは、12HSAの生体利用性、したがって有効性を高めるために、12HSAの合計の少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%を酸の形態で含有する。他の脂肪酸と同様、12HSAのpKaは8を超えると予想される。そのpKaでは、脂肪酸は、石鹸50%、酸50%として存在する。したがって、好ましくは、本発明の組成物のpHは、約8未満、より好ましくは3.5〜8.0の範囲、最も好ましくは5〜7.8である。12HSAは、好ましくは、本発明の組成物中に0.01〜15%、より好ましくは0.1〜12%、最も好ましくは0.5〜10%、最適には1〜5%の量で含まれる。12HSA又はその塩の量は、本明細書において、界面活性剤の量の内に含まれない。
【0043】
[界面活性剤]
界面活性剤が存在する場合、その総濃度は、本組成物の約0.1〜約90重量%、好ましくは約1〜約40重量%、最適には約1〜約20重量%の範囲であってよく、パーソナルケア製品のタイプに大幅に依存する。界面活性剤は、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、及び両性の活性剤からなる群から選択することができる。とりわけ好ましい非イオン性界面活性剤は、C
10〜C
20脂肪アルコール又は酸である疎水性物質が、疎水性物質1モル当たり2〜100モルの酸化エチレン又は酸化プロピレンと縮合しているもの;2〜20モルのアルキレンオキシドと縮合したC
2〜C
10アルキルフェノール;エチレングリコールのモノ及びジ脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセリド;ソルビタン、モノ及びジC
8〜C
20脂肪酸;並びにポリオキシエチレンソルビタン、並びにそれらの組合せである。アルキルポリグリコシド及び糖脂肪アミド(例えばメチルグルコンアミド)、並びにトリアルキルアミンオキシドも、適切な非イオン性界面活性剤である。
【0044】
有用な両性界面活性剤としては、ココアミドプロピルベタイン、C
12〜C
20トリアルキルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、及びラウロジアンホ酢酸ナトリウムが挙げられる。
【0045】
好ましい陰イオン性界面活性剤としては、石鹸、硫酸アルキルエーテル及びスルホン酸アルキルエーテル、硫酸アルキル及びスルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルベンゼン、スルホコハク酸アルキル及びジアルキル、C
8〜C
20アシルイセチオネート、C
8〜C
20アルキルエーテルホスフェート、C
8〜C
20サルコシネート、C
8〜C
20アシルラクチレート、スルホアセテート、並びにそれらの組合せが挙げられる。12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸と12HSAとの両方を含有する組成物においては、好ましい界面活性剤は、アルキルポリグルコシド、糖脂肪酸エステル、アルドビオナミド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、及びそれらの混合物からなる群から選択される、HLB値が少なくとも7の高HLB非イオン性糖型界面活性剤である。
【0046】
[レオロジー調節剤]
レオロジー調節剤が含まれていてもよく、レオロジー調節剤は、フュームドシリカ又は親水性シリカなどのシリカ、及びケイ酸マグネシウムアルミニウム、ベントナイト(betonite)、ヘクトライト、ラポナイトなどの粘土、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。レオロジー調節剤は、0.01〜2%、好ましくは0.05〜1%の量で用いられる。
【0047】
[皮膚に有益な成分]
本発明の組成物は、好ましくは、最適なコストで最適な皮膚美白性能を得るための追加的な皮膚美白化合物を含んでいる。例示的な物質は、胎盤抽出物、乳酸、ナイアシンアミド、アルブチン、コウジ酸、フェルラ酸、ヒドロキノン、レゾルシノール、及びその誘導体(4-置換レゾルシノールを含む)、並びにそれらの組合せである。より好ましくは、そのような追加的な皮膚美白化合物は、置換モノアミンのメラニン形成阻害活性を補完するためのチロシナーゼ阻害剤、最も好ましくは、コウジ酸、ヒドロキノン、及び4-置換レゾルシノールからなる群から選択される化合物である。また、式HOOC-(CxHy)-COOH(式中、x=4〜20、y=6〜40)により表されるジカルボン酸、例えば、アゼライン酸、セバシン酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、オクタデセン二酸、又はそれらの塩又はそれらの混合物、最も好ましくはフマル酸又はその塩、特に二ナトリウム塩。12HSAとフマル酸又はその塩との組合せは、特に皮膚美白配合物用にとりわけ好ましいことが明かとなっている。これらの作用剤の量は、本組成物の約0.1〜約10重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%の範囲であってよい。本発明による皮膚美白用の補助活性剤(coactive)は、ビタミンB3又はその誘導体であり、ナイアシンアミド、ニコチン酸エステル、ニコチン酸の非血管拡張性エステル、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N-オキシド、ナイアシンアミドN-オキシド、及びそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0048】
日焼け止め剤(sunscreen)は、本発明の組成物の別の好ましい成分である。とりわけ好ましい日焼け止め剤は、エチルヘキシルp-メトキシシンナメート(Parsol MCX(登録商標)として入手可能)、Avobenzene(Parsol 1789(登録商標)として入手可能)、サリチル酸オクチル(Dermablock OS(登録商標)として入手可能)、テトラフタリリデンジカンファースルホン酸(Mexoryl SX(登録商標)として入手可能)、ベンゾフェノン-4及びベンゾフェノン-3(オキシベンゾン)などの材料である。無機の日焼け止め活性剤、例えば、超微細な二酸化チタン、酸化亜鉛、ポリエチレン、及び多様な他のポリマーを用いてもよい。用語「超微細な」とは、平均サイズが約10〜約200nm、好ましくは約20〜約100nmの範囲の粒子を意味する。日焼け止め剤が存在する場合、その量は一般に、本組成物の0.1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、最適には4〜10重量%の範囲であってよい。
【0049】
より好ましい本発明の組成物は、追加的な皮膚美白化合物、特にチロシナーゼ阻害剤と日焼け止め剤化合物との両方を含んでいる。
【0050】
本発明の組成物の別の好ましい成分は、レチノイドである。本明細書において使用する場合、「レチノイド」は、皮膚においてビタミンAの生物活性を有する、ビタミンA又はレチノール様化合物の天然及び/又は合成の類似体すべて、並びに、これらの化合物の幾何異性体及び立体異性体を包含する。レチノイドは、好ましくは、レチノール、レチノールエステル(例えば、レチノールのC
2〜C
22アルキルエステル、例を挙げればパルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル)、レチナール、及び/又はレチノイン酸(all-transレチノイン酸及び/又は13-cis-レチノイン酸を包含する)、より好ましくはレチノイン酸以外のレチノイドである。これらの化合物は、当技術分野ではよく知られており、いくつかの供給源、例えば、Sigma Chemical Company(St Louis、Mo.)、及びBoerhinger Mannheim(Indianapolis、Ind.)から市販されている。本発明において有用である他のレチノイドは、US 4 677 120(Parishらに1987年6月30日交付)、US 4 885 311号(Parishらに1989年12月5日交付)、US 5 049 584号(Purcellらに1991年9月17日交付)、US 5 124 356号(Purcellらに1992年6月23日交付)、及び米国特許再発行第34,075号(Purcellらに1992年9月22日交付)に記載されている。他の適当なレチノイドは、レチノイン酸トコフェリル[(trans-又はcis-)レチノイン酸のトコフェロールエステル]、アダパレン{6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸}、及びタザロテン{エチル6-[2-(4,4-ジメチルチオクロマン-6-イル)-エチニル]ニコチノエート}である。好ましいレチノイドは、レチノール、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、レチナール、及びそれらの組合せである。レチノイドは、好ましくは実質的に純粋な、より好ましくは本質的に純粋なものである。本発明の組成物は、安全且つ有効量のレチノイドを含有してもよく、それにより、結果として得られる組成物は、安全で、且つ、ケラチン組織の調子の調整に、好ましくは皮膚における視覚的及び/又は触覚的な不連続性の調整に、より好ましくは皮膚の加齢徴候の調整に、さらにより好ましくは皮膚の加齢に伴う皮膚の質感の視覚的及び/又は触覚的な不連続性の調整に有効である。本組成物は、好ましくは、約0.005%〜約2%、より好ましくは0.01%〜約2%のレチノイドを含有する。レチノールは、約0.01%〜約0.15%の量で好ましくは使用され、レチノールエステルは、約0.01%〜約2%(例えば約1%)の量で好ましくは使用され、レチノイン酸は、約0.01%〜約0.25%の量で好ましくは使用され、レチノイン酸トコフェリル、アダパレン、及びタザロテンは、約0.01%〜約2%の量で好ましくは使用される。
【0051】
防腐剤は、潜在的に有害な微生物の増殖を防止するために、本発明の化粧料組成物中に望ましくは組み込むことができる。本発明の組成物に適した伝統的な防腐剤は、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。最近使用されるようになった他の防腐剤としては、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、及びさまざまな第四級アンモニウム化合物が挙げられる。化粧品化学者は、適切な防腐剤に精通しており、防腐剤の保存効力試験(preservative challenge test)に合格し製品安定性をもたらすような防腐剤を慣例的に選ぶ。とりわけ好ましい防腐剤は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びベンジルアルコールである。防腐剤は、本組成物の用途、及び、エマルション中での防腐剤と他の成分との間の不適合性の可能性を考慮して選択すべきである。防腐剤は、本組成物の0.01重量%〜2重量%の範囲の量で好ましくは用いられる。
【0052】
本発明の組成物は、ビタミンを含んでいてもよい。例示的なビタミンは、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB
2、ビタミンB
3(ナイアシンアミド)、ビタミンB
6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、及びビオチンである。ビタミンの誘導体を用いることもできる。例えば、ビタミンC誘導体としては、テトライソパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルリン酸マグネシウム、及びアスコルビルグリコシドが挙げられる。ビタミンEの誘導体としては、酢酸トコフェリル、パルミチン酸トコフェリル、及びリノール酸トコフェリルが挙げられる。DL-パンテノール及び誘導体を用いることもできる。とりわけ適当なビタミンB
6誘導体は、パルミチン酸ピリドキシンである。フラボノイド、とりわけ、グルコシルヘスペリジン、ルチン、及び大豆イソフラボン(ゲニステイン、ダイゼイン、エクオール、及びそれらのグルコシル誘導体を含む)、並びにそれらの混合物も有用である場合がある。ビタミン又はフラボノイドが存在する場合、その合計量は、本組成物の0.0001〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%、最適には0.1〜0.5重量%の範囲であってよい。
【0053】
別のタイプの有用な物質は、酵素、例えばオキシダーゼ、プロテアーゼ、リパーゼといった物質、及び組合せであってよい。とりわけ好ましい物質は、スーパーオキシドジスムターゼ(Brooks Company、USAからBiocell SODとして市販されている)である。
【0054】
落屑促進剤が存在していてもよい。例示的な落屑促進剤は、モノカルボン酸である。モノカルボン酸は、置換されていても置換されていなくてもよく、炭素鎖の長さが最大16である。とりわけ好ましいカルボン酸は、α-ヒドロキシカルボン酸、β-ヒドロキシカルボン酸、又はポリヒドロキシカルボン酸である。用語「酸」は、遊離酸だけでなく、その塩及びC
1〜C
30アルキル又はアリールエステル、並びに、水を除去することにより生成して環状又は直鎖状のラクトン構造を形成されるラクトンを包含することを意図している。代表的な酸は、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、及び酒石酸である。とりわけ好ましい代表的な塩は、乳酸アンモニウムである。サリチル酸は、β-ヒドロキシカルボン酸を代表する。これらの材料が存在する場合、その量は、本組成物の約0.01〜約15重量%の範囲であってもよい。他のフェノール酸としては、フェルラ酸、サリチル酸、コウジ酸、及びそれらの塩が挙げられる。
【0055】
さまざまな草木抽出物が、場合により、本発明の組成物中に含まれていてもよい。例示的なものは、ザクロ、シラカバ(Betula Alba)、緑茶、カモミール、甘草、及びそれらの抽出物の組合せである。抽出物は、水溶性であり親水性溶媒中に担持されているものでも、不水溶性であり疎水性溶媒中に担持されているものでも、いずれでもよい。水及びエタノールは、好ましい抽出溶媒である。
【0056】
レスベラトロール、α-リポ酸、エラグ酸、キネチン、レチノキシトリメチルシラン(Silcare 1M-75の商標でClariant Corp.から入手可能)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、及びそれらの組合せなどの材料を含ませることもできる。セラミド(セラミド1、セラミド3、セラミド3B、セラミド6、及びセラミド7など)並びに擬似セラミドも、本発明の多くの組成物に利用できるが、除外してもよい。これらの材料の量は、本組成物の約0.000001〜約10%、好ましくは約0.0001〜約1重量%の範囲であってよい。
【0057】
着色料、不透明化剤(opacifier)、及び研磨剤を本発明の組成物中に含ませることもできる。これらの物質は、それぞれ、本組成物の約0.05〜約5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の間の範囲であってもよい。
【0058】
本発明の組成物は、ペンタペプチド、ペンタペプチド誘導体、及びそれらの混合物から選択される安全且つ有効量のペプチド活性剤を含有してもよい。本明細書において使用する場合、「ペンタペプチド」は、天然に存在するペンタペプチドと合成ペンタペプチドとの両方を指す。さらに、本発明において有用なものは、ペンタペプチドを含有する、天然に存在し市販されている組成物である。好ましい市販のペンタペプチド誘導体を含有する組成物は、Sederma、フランスから市販されているMatrixyl(商標)である。ペンタペプチド及び/又はペンタペプチド誘導体は、好ましくは、本組成物の約0.000001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.000001重量%〜約0.1重量%、さらにより好ましくは約0.00001重量%〜約0.01重量%の量で含まれる。ペンタペプチドを含有する組成物であるMatrixyl(商標)が使用される実施形態においては、その結果得られる組成物は、好ましくは、その結果得られる組成物の約0.01重量%〜約50重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約20重量%、さらにより好ましくは約0.1重量%〜約10重量%のMatrixyl(商標)を含有する。
【0059】
追加的なペプチドとしては、ジ、トリ、及びテトラペプチド及びその誘導体、並びに、分子量200〜20000のポリアミノ酸配列が挙げられるが、これらに限定されない。アミノ酸は、天然に存在するものでも合成のものでも、右旋性でも左旋性でも、直鎖状でも環化していてもよく、本発明の組成物中に安全且つ有効な量で含まれていてよい。本明細書において使用する場合、「ペプチド」は、天然に存在するペプチドと合成ペプチドの両方を指す。さらには、本発明において有用なものは、ペプチドを含有する、天然に存在し市販されている組成物である。
【0060】
本発明における使用に適したジペプチドとしては、カルノシンが挙げられる。好ましいトリペプチド及びその誘導体は、Biopeptide CL(商標)、及びSigma(St.Louis、Mo.)からラミンとして市販されている銅誘導体として、購入することができる。
【0061】
本発明におけるスキンケア組成物において有用なさらなる成分は、以下のいずれから選択してもよい:皮膚コンディショニング剤、皮膚の感触を穏やかにする作用剤、懸濁化剤、補助増粘剤、粘性制御剤、分散剤、可溶化剤/清澄化剤、安定化剤、不透明化剤/真珠光沢剤(pearlescent agent)、キレート化剤/金属イオン封鎖剤、ヒドロトロープ、殺菌剤/抗真菌剤、酸化防止剤、pH制御剤、緩衝剤、着色料、及び香料/芳香物質、水、他の任意選択による成分(補助剤)など。
【0062】
本発明の組成物は、場合により、処理を施した拭き布の形態などの、皮膚に適用するための不水溶性基材中に組み込むこともできる。
【0063】
[組成物を調製する方法]
本発明の範囲内の組成物を、次のように調製した。すべての水溶性成分(防腐剤、増粘ポリマー、場合によりグリセリンなど)と水とを混合し、70〜90℃の温度に加熱する。別の容器中で、すべての油溶性成分(糖型界面活性剤及び12HSAを含む)を混合して、70〜90℃の温度にする。70〜90℃の温度で、撹拌しながら油相を水相に加える。場合により、45℃でナイアシンアミドを加え、次いで、芳香物質及びフェノキシエタノールを40℃で加える。この混合物を、混合しながら室温に冷却する。
【0064】
[組成物を使用する方法]
本発明による組成物は、主として、ヒトの皮膚に局所適用するための製品として、特に、皮膚をコンディショニングし、滑らかにし、皺のある若しくは老化した皮膚又は加齢による染みの出現を防止又は抑制し、或いは皮膚を明るくするための作用剤として意図されている。
【0065】
使用の際は、少量、例えば1〜5mlの本組成物を、適当な容器又はアプリケーターから、皮膚の露出領域に適用し、次いで必要に応じ、手若しくは指又は適当な器具を用いて、皮膚に広げ及び/又は擦り込む。
【0066】
これまでの記載は本発明の概要を述べたものであるが、当業者には、本明細書中に記載し特許請求する本発明の範囲及び精神から逸脱せずに改変、変形、及び変更を行うことができることは明らかであろう。次に、以下の非限定的な例において、本発明をさらに例証することとする。
【実施例】
【0067】
(実施例1)
12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸を次のように調製した:
[試薬及び分析方法]
すべての試薬及び溶媒は、商業的供給源(Sigma-Aldrich、Alfa Aesar、EMD Chemicals)から入手し、特に指示しない限り、さらに精製せずに使用した。反応モニタリングは、薄層クロマトグラフィー(TLC)又はガスクロマトグラフィー(GC)のいずれかを用いて実施した。TLCは、シリカゲル60 F
254プレート(EMD Chemicals)を用い、UV(254nm)、4%のリンモリブデン酸のエタノール溶液、4%のニンヒドリンのエタノール溶液により可視化し、及び/又はヨウ素チャンバー(iodine chamber)を用いて、実施した。GCは、Hewlett Packard 5890 Series II Plus Gas ChromatographにHP-1架橋メチルシリコーンゴム(25m×0.2mm×フィルム厚0.33μm)カラムを搭載したものを用いて実施し、GC Chemstation(HP、バージョンA.06.01[403]、Hewlett Packard)ソフトウェアにより動作させ、以下のパラメーター及びグラジエントを適用した:注入装置温度250℃、オーブン温度70℃(2分)、25℃/分で250℃まで上昇、250℃で保持(11分)。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、Waters 2695 Separations ModuleにWaters 2996 Photodiode Array Detectorを搭載したものを用いて実施し、Empower Proソフトウェア(Waters Corp.)で動作させた。液体クロマトグラフィー/質量分析(LC-MS)は、Finnigan Mat LCQ Mass Spectrometerを用い、試料(50ppm)のメタノール溶液の直接注入により実施し、エレクトロスプレーイオン化法を(-)モード(ESI-)で用いて合計イオン数をモニタリングした。
1H及び
13C核磁気共鳴(NMR)分光法は、Eft-60 NMR Spectrometer(Anasazi instruments, Inc.)を用いて実施し、WinNutsソフトウェア(Acorn NMR, Inc.)を用いて加工した。純度は、GC、TLC、及びLC/MSにより決定した。
【0068】
[合成手順]
【0069】
【化2】
【0070】
メチル12-ヒドロキシオクタデカノエート(1)。12-ヒドロキシオクタデカン酸(12HSA)(40g、0.13mol)をメタノール(MeOH)(700ml)に溶解した溶液に硫酸(H
2SO
4)(7ml)を加え、その結果得られた溶液を45分間還流させた。この時点で、TLC[50μLアリコートをクロロホルム(CHCl
3)(500μL)中に添加したもの、30%酢酸エチル(EA)のヘキサン(H)溶液で溶出]は、不純物のない単一の生成物が形成されたこと(clean formation)を示し、出発物質(S.M.、starting material)を示さなかった。炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)(12g)を加え、高真空(H.V.、high vacuum)下、50℃で、溶媒を除去した。残留物をt-ブチルメチルエーテル(MTBE)(500ml)で希釈し、続いて、水:飽和NaHCO
3(1:1、500ml)、飽和塩化ナトリウム(NaCl)(500ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)で乾燥させ、濾過し、H.V.下、50℃で溶媒を除去したところ、白色の固体としての生成物が得られた(40.5g、97%)。
【0071】
【化3】
【0072】
メチル12-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)オクタデカノエート(2)。メチル12-ヒドロキシオクタデカノエート(1)(40g、0.127mol)及びポリスチレンp-トルエンスルホン酸(PS-TsOH)(2.5mmol/g、2.54g、6.36mmol)をジクロロメタン(DCM)(400ml)に溶解した溶液に、ジヒドロピラン(DHP)(21.6ml、0.254mol)を加え、その結果得られた混合物を室温(R.T.)で1.5時間撹拌した。この時点で、TLC[(40μLアリコートをMTBEに添加したもの:飽和NaHCO
3(400μL:400μL)中に添加、5%EAのH溶液で溶出]は、不純物のない単一の生成物の形成を示しS.M.を示さなかった。固形物を濾過により除去し、この溶液をMTBE(1L)で希釈し、続いて、飽和NaHCO
3(250ml)、飽和NaCl(250ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、H.V.下、50℃で溶媒を除去したところ、オレンジ色の油としての生成物が得られた(55.8g、110%)。
【0073】
【化4】
【0074】
12-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)オクタデカン酸(3)。水酸化カリウム(KOH)(83.8g、1.27mol)をMeOH(900ml)に溶解した溶液を、メチル12-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)オクタデカノエート(2)(50.6g、0.127mol)に加え、次いで、水(60ml)をゆっくり加え、この溶液を室温(R.T.)で1.5時間撹拌した。この時点で、TLC[(40μLアリコートをMTBE:1NのHCl(400μL:400μL)中に添加に添加したもの、30%EAのH溶液で溶出]は、不純物のない単一の生成物の形成を示しS.M.を示さなかった。溶媒をH.V.下、45℃で除去し、残留物を水(200ml)に溶解した。この溶液を氷浴中で冷却し、氷冷したMTBE(1L)を加え、次いで、2NのHCl(700mL)を加えた。有機層を分離し、飽和NaCl(200ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒をH.V.下、10℃未満で除去した。H.V.下、30℃未満でさらに乾燥させると、淡黄色のペーストとしての生成物が得られた(53.4g、109%)。
【0075】
【化5】
【0076】
アリル12-ヒドロキシオクタデカノエート(4)。12-ヒドロキシオクタデカン酸(12HSA)(30g、0.1mol)をアリルアルコール(AllOH)(500ml)に溶解した溶液に硫酸(H
2SO
4)(5ml)を加え、その結果得られた溶液を1時間還流させた。この時点で、TLC[50μLアリコートをクロロホルム(CHCl
3)(500μL)中に添加したもの、30%EAのH溶液で溶出]は、不純物のない単一の生成物の形成を示しS.M.を示さなかった。炭酸水素ナトリウム(8.6g)を加え、H.V.下、50℃で溶媒を除去した。残留物をt-ブチルメチルエーテル(MTBE)(500ml)で希釈し、続いて水:飽和NaHCO
3(1:1、500ml)、飽和NaCl(500ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、H.V.下、50℃で溶媒を除去したところ、薄い琥珀色の固体としての生成物が得られた(34.6g、101%)。
【0077】
【化6】
【0078】
アリル12-([(12-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)オクタデカノイル]オキシ)オクタデカノエート(5)。12-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)オクタデカン酸(3)(41.2g、0.107mol)及びアリル12-ヒドロキシオクタデカノエート(4)(34.6g、0.102mol)をCHCl
3(400ml)に溶解した溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(28.7g、0.139mol)、次いでN,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(3.92g、32.1mmol)を加え、その結果得られた溶液を室温で20時間撹拌した。この時点で、TLC[(40μLアリコートをMTBE:1NのHCl(400μL:400μL)中に添加したもの、10%EAのH溶液で溶出]は、主要な生成物1つが形成されており小量のS.M.が存在することを示した。固体を濾過により除去し、CHCl
3(600ml)で洗浄し、H.V.下で溶媒を除去した。残留物をMTBE(1L)に溶解し、飽和NaHCO
3(1×800ml)、10mMのHCl(1×800ml)、飽和NaCl(1×800ml)で順に洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、H.V.下で溶媒を除去すると、黄色の油としての粗生成物が得られた(81.3g)。0〜5%EAのH溶液で溶出させるさらなるシリカゲル精製により、生成物が無色オイルとして得られた(45g、66%)。
【0079】
【化7】
【0080】
アリル12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカノエート(6)。アリル12-([(12-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)オクタデカノイル]オキシ)オクタデカノエート(5)(45g、63.6mmol)をテトラヒドロフラン(THF):MeOH(1:1、540ml)に溶解した溶液にp-トルエンスルホン酸一水和物(TsOH)(2.42g、12.7mmol)を加え、その結果得られた溶液を40℃で1時間撹拌した。この時点で、TLC[(10μLアリコートをMTBE:飽和NaHCO
3(200μL:200μL)中に添加したもの、10%EAのH溶液で溶出]は、主要な生成物2つが形成されておりS.M.は存在しないことを示した。炭酸カリウム(K
2CO
3)(2M、3.2ml)を加え、H.V.下、50℃で溶媒を除去した。残留物をMTBE(350ml)に溶解し、続いて、飽和NaHCO
3(1×150ml)、飽和NaCl(1×150ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、H.V.下で溶媒を除去すると、黄色の油としての粗生成物が得られた(39.6g、100%)。
【0081】
【化8】
【0082】
12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸(7)。パラジウム(II)ジアセテート[Pd(OAc)
2](1.40g、6.26mmol)及びトリフェニルホスフィン(PPh
3)(6.57g、25.0mmol)をCHCl
3(350ml)に溶解した溶液を、アリル12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカノエート(6)(39g、62.6mmol)及びモルホリン(54.5g、626mmol)をTHF(230ml)に溶解した溶液に室温で加え、この溶液を1時間撹拌した。この時点で、TLC[(40μLをMTBE:0.1NのHCl(400μL:400μL)中に添加したもの、30%EAのH溶液で溶出]は、主要な生成物1つが形成されたことを示した。溶媒をH.V.下、34℃で除去し、残留物をMTBE(500ml)で希釈し、続いて、1NのHCl(3×300ml)、飽和NaCl(1×300ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、H.V.下で溶媒を除去すると、固体を含有する油が得られた。この混合物をセライトのプラグを通して濾過し、MTBEで洗浄し、溶媒を蒸発させて除くと、オレンジ色の油が得られた(40.5g)。この未精製の材料を、25〜30%EAのH溶液で溶出させるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより予備精製した。さらなる精製は、試料を飽和NaHCO
3(800ml)に懸濁させ、この二相性の混合物を激しく撹拌後ヘキサンで洗浄(3×800ml)し、濃HClでpH1に再び酸性化(reacidifying)し、MTBE(800ml)で抽出することによって達成された。この有機層を飽和NaCl(500ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、H.V.下で溶媒を除去すると、純粋な生成物が、室温で静置した際に固化する粘稠性の高い無色の油として得られた(10.7g、29%)。純度は、LC-MS及びTLCにより、98%超であることが示された。
【0083】
【数1】
【0084】
(実施例2)
12HSA及び12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸が、初代ヒトケラチン生成細胞の分化に及ぼす効果を評価した。
【0085】
化合物をDMSOに10mMで溶解して最初のストック溶液とし、次いで、処理用に、培養培地を用いて、以下の適切な最終濃度に希釈した:12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸は0.1μM、1μM、10μM、モノマーは1μM、10μM。0.1%DMSOをビヒクル対照として使用した。初代ヒトケラチン生成細胞(2代継代)を、EpiLife培地(Gibco MEP 1500CA、0.06mMカルシウム)中で細胞密度70%になるまで培養し、トリプシン処理し、細胞数を計数し、培地に再懸濁させて、最終的な細胞数を5×10
4/mlにした。6ウェルプレートに、1ウェル当たり10万細胞を播種した。細胞を再び細胞密度70%になるまで培養し、次いで、12-HSAモノマー、12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸、及び0.1%DMSO(対照として)で処理した。処理した細胞を24時間及び48時間インキュベートし、それぞれ24時間及び48時間の時点で回収した。培養液からタンパク質を抽出し、Quick start Bradford染色試薬(BioRad #500-0205)によりタンパク質濃度を定量化した。5μgのタンパク質試料を、4〜20%タンパク質ゲル(BioRad Criterion #345-0034)にさらし、175Voltで約1時間ゲルに通電することにより、分離した。タンパク質をPVDF膜に転写した(iBlot Gel transfer stacks PVDF、Invitrogen IB4010-01)。PVDF膜を1%BSA/PBS中で30分間ブロックし、インボルクリン一次抗体(1:4000希釈)を1%BSA/PBSに溶解したもので4℃にて一晩インキュベートし(Sigma I9018)、TBS-Tween(Sigma T-9039)で3回、各々15分間洗浄した。次いで、この膜を、二次抗体を1%BSA/PBSに溶解したものと共に室温にて1時間インキュベートし(Cy5-conjugated Affipure Goat anti mouse IgG、Jackson ImmunoResearch Lab #115-175-003)、TBS-Tweenで3回、各々15分間洗浄し、Licor/Odyssey(Li-Cor Bioscience)でスキャンした。得られた画像を、Odyssey v3.0分析プログラム(Li-Cor Bioscience)により、インボルクリンのバンドのシグナル強度について分析した。
【0086】
インボルクリン発現のデータを以下の表に示した。
【0087】
【表1】
【0088】
データから、12HSAは、2日目に、ビヒクル対照(0.1%DMSO)に比してインボルクリン発現を刺激したことが明確に実証され、これにより、12HSAはヒトケラチン生成細胞の分化を刺激することが示された。12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸は、ケラチン生成細胞の分化に対して効果を有さなかった。
【0089】
(実施例3)
12HSA及び12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸が、初代ヒト線維芽細胞によるATP産生に及ぼす効果をアッセイした。
【0090】
試料は、実施例2に記載のとおりに調製したが、但し、最終濃度は両方の化合物について0.1μM、1μM、10μM、100μMとした。今回も、0.1%DMSOを培地に溶解したものをビヒクル対照として使用した。初代ヒト新生児線維芽細胞をDMEM培地(高グルコースに、2mMのLグルタミン、10%ウシ胎仔血清、抗生物質を添加したもの)において細胞密度70%になるまで培養し、トリプシン処理し、培地に再懸濁させた。96ウェルプレートの内部ウェル60個に、同じDMEM培地中で1ウェル当たり7,500細胞を播種し、3日間培養した。培地を除去し、細胞を無血清DMEMで洗浄し、次いで、適切な濃度の試験化合物を含有する無血清DMEM培地200μlをこれに添加した。各添加を4個のウェルで繰り返した。24時間後、試験化合物溶液を除去し、同じ処理を施した新鮮な溶液で細胞を処理した。さらに24時間後、CellTiter-Glo luminescent Cell viability assay(Promega #G7572)により、培養液のATP産生をアッセイし、発光値を測定した。すべての処理について平均値を算出した。結果を以下の表にまとめた。
【0091】
【表2】
【0092】
統計分析はスチューデントt検定により実施し、その際、2つの試料は、等分散の両側分布を有すると仮定した。CellTiter-Gloにより得られた発光値は、存在するATPの定量化に基づいて培養液中の生存細胞数を決定したものであることから、100μMの12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸で処理した培養液における発光値が統計的に有意に向上していることは、12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸は線維芽細胞のエネルギー産生を刺激したが12HSAは刺激しなかったことを実証するものであった。
【0093】
(実施例4)
最高で40℃までの温度において液体である、化粧品として許容される一般的な親油性担体を用いて、さまざまな混合物を調製した。観察内容を表 3に記録した。
【0094】
【表3】
【0095】
12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸と示した担体との混合物は、流動可能な、又は、さらには透明な液体となったが、12HSAは担体をゲル化したことが分かる。
【0096】
(実施例5)
本実施例では、本発明によるローションを、以下の表 4に概略を示すとおりの配合物を用いて例証する。この配合物は、ねじ蓋式の標準的なポリプロピレンボトルにパッケージングする。ボトルの外側周囲のラベルには、本組成物は加齢徴候に対する有効性(小皺及び皺の排除など)を有することを明記する。
【0097】
【表4】
【0098】
(実施例7)
本発明による、油中水タイプの局所用液体メイクアップファンデーションを以下の表 表5に記載する。このファンデーションは、ねじ蓋式のキャップが付いたガラスボトルから出す。ボトルは、外箱内に配置する。箱の内側には、加齢徴候の改善(輝きの向上など)を達成するためにこのファンデーションを顔に適用することを含め、使用のための取扱説明書を配置する。
【0099】
【表5】
【0100】
(実施例8)
本実施例では、12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸を組み込んだ皮膚用クリームについて例証する。このクリームは、ねじ蓋式のキャップが付いた広口瓶に入れる。瓶のラベルには、このクリームは加齢徴候(色素沈着過剰及び皮膚のたるみなど)を制御する旨の取扱説明書を印刷する。
【0101】
【表6】
【0102】
(実施例9)
12-[(12-ヒドロキシオクタデカノイル)オキシ]オクタデカン酸を組み込んだ別の美容用パーソナルケア組成物の例示的なものは、表8の配合物である。この組成物は、チューブの開口部から組成物を押し出すための柔軟な側壁を有する可塑性のポリプロピレンチューブにパッケージングする。チューブの外側には、この組成物は顔に適用するものであり、約2週間〜約6カ月の期間で加齢徴候が軽減されることを説明する取扱説明書を印刷する。
【0103】
【表7】
【0104】
(実施例10)
皮膚コンディショニングローションを次のように調製する:
【0105】
【表8】
【0106】
現時点で好ましい実施形態について記載してあるが、そのような開示は限定的なものと解釈されるべきでないことが理解されるべきである。前述の開示内容を読めば、当業者にはおそらく、多様な改変及び変更が想起されよう。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのような改変及び変更がすべて本発明の真の精神及び範囲内に含まれるものとして包含されるものと解釈されることが意図される。