特許第6067570号(P6067570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067570
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】衛生順守モジュール
(51)【国際特許分類】
   A47K 5/12 20060101AFI20170116BHJP
【FI】
   A47K5/12 Z
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-538767(P2013-538767)
(86)(22)【出願日】2011年10月27日
(65)【公表番号】特表2013-543757(P2013-543757A)
(43)【公表日】2013年12月9日
(86)【国際出願番号】US2011058059
(87)【国際公開番号】WO2012064515
(87)【国際公開日】20120518
【審査請求日】2014年10月23日
(31)【優先権主張番号】12/941,287
(32)【優先日】2010年11月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100077861
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 勝三
(72)【発明者】
【氏名】ウェゲリン ジャクソン
(72)【発明者】
【氏名】アーチャー マシュー
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−227560(JP,A)
【文献】 特開2002−143022(JP,A)
【文献】 特表2007−525258(JP,A)
【文献】 特開2007−061157(JP,A)
【文献】 特開2003−108529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータが材料を分注するように作動される時に、作動信号を通信インターフェースに供給するディスペンサコントローラを有するディスペンサの中に挿入されるように構成される衛生順守モジュールであって、前記ディスペンサの前記通信インターフェースが、前記衛生順守モジュールを受容するための通信ポートを有する、衛生順守モジュールにおいて、
コネクタを有し、前記ディスペンサコントローラに電気的に連結するために前記ディスペンサの前記通信ポートに挿入されるように適応するカードと、
前記カード上に配置され、前記コネクタに連結されるモジュールコントローラであって、前記コネクタが前記ディスペンサの前記通信ポートに挿入される時に、前記モジュールコントローラが前記ディスペンサコントローラからの前記作動信号を分注事象データとして検出するように構成される、モジュールコントローラと、
前記モジュールコントローラに連結される送信機と、
を備え、
前記ディスペンサの前記アクチュエータが作動される時に、前記送信機が前記分注事象データを監視ステーションへ送信する、衛生順守モジュール。
【請求項2】
前記モジュールコントローラは、前記ディスペンサが認証コードを無効であると判定する場合、前記モジュールコントローラが少なくとも部分的に使用不可能であり、前記認証コードが有効な場合、前記モジュールコントローラが完全に使用可能であるように、前記ディスペンサによって評価される前記認証コードを含む、請求項1に記載の衛生順守モジュール。
【請求項3】
前記ディスペンサは、前記認証コードが前記モジュールコントローラによって認証されるまで使用不可能である、請求項2に記載の衛生順守モジュール。
【請求項4】
前記送信機は、認証のため前記認証コードを前記監視ステーションに送信する、請求項3に記載の衛生順守モジュール。
【請求項5】
前記認証コードがいつ認証されたかを示す、前記モジュールコントローラに連結された指標をさらに備える、請求項2に記載の衛生順守モジュール。
【請求項6】
前記作動信号がいつ検出されたかを示す、前記モジュールコントローラに連結された指標をさらに備える、請求項1に記載の衛生順守モジュール。
【請求項7】
前記モジュールコントローラに連結され、無線データタグから識別コードを無線で受信するように構成される受信機をさらに備え、
前記ディスペンサの前記アクチュエータが作動される時に、前記モジュールコントローラが前記識別コードを前記分注事象データと関連付け、前記送信機が前記識別コード及び前記分注事象データを前記監視ステーションへ送信する、請求項1に記載の衛生順守モジュール。
【請求項8】
ディスペンサコントローラに電気的に連結される作動端末及び通信ポートを含む通信インターフェースを有するディスペンサを提供することと、
モジュールコントローラに電気的に連結されるコネクタを備えるカードを含む衛生順守モジュールを提供することと、
前記ディスペンサの前記作動端末を前記衛生順守モジュールの前記モジュールコントローラに電気的に連結するように前記衛生順守モジュールの前記コネクタを前記ディスペンサの前記通信ポートに挿入することと、
識別コードを前記衛生順守モジュールに無線で送信するデータタグを提供することと、
前記衛生順守モジュールにて前記作動端末を監視することと、
前記ディスペンサから材料を分注することと、
前記モジュールコントローラにて前記作動端末上の作動信号を分注事象データとして検出することと、
前記識別コードを前記分注事象データと関連付けることと、
を含む、ディスペンサにて衛生順守監視機能性を使用可能にする方法。
【請求項9】
前記識別コード及び前記関連付けられた分注事象データを遠隔の監視ステーションに送信することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ディスペンサの動作を使用不可能にすることと、
前記識別コードを認証することと、
前記識別コードが認証される場合、前記ディスペンサの動作を使用可能にすることと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
アクチュエータが容器から材料を分注するように作動される時に、作動信号を通信インターフェースに供給するディスペンサコントローラを有するディスペンサの中に挿入されるように構成される衛生順守モジュールであって、前記ディスペンサの前記通信インターフェースが、前記衛生順守モジュールを受容するための通信ポートを有する、衛生順守モジュールにおいて、
前記ディスペンサの前記通信ポートに挿入されるように適応するコネクタを有するカードと、
前記カード上に配置され、前記コネクタに連結されるモジュールコントローラであって、前記コネクタが前記ディスペンサの前記通信ポートに挿入される時に、前記モジュールコントローラが前記ディスペンサコントローラからの前記作動信号を分注事象データとして検出するように構成される、モジュールコントローラと、
前記モジュールコントローラに連結される送信機と、
を備え、
前記アクチュエータが作動される時、前記送信機が監視ステーションに前記分注事象データを送信する、衛生順守モジュール。
【請求項12】
前記モジュールコントローラは、前記ディスペンサが認証コードを無効であると判定する場合、前記モジュールコントローラが少なくとも部分的に使用不可能であり、前記認証コードが有効な場合、前記モジュールコントローラが完全に使用可能であるように、前記ディスペンサによって評価される認証コードを含む、請求項11に記載の衛生順守モジュール。
【請求項13】
前記認証コードがいつ認証されたかを示す、前記モジュールコントローラに連結された指標をさらに備える、請求項12に記載の衛生順守モジュール。
【請求項14】
前記作動信号がいつ検出されたかを示す、前記モジュールコントローラに連結された指標をさらに備える、請求項11に記載の衛生順守モジュール。
【請求項15】
ディスペンサコントローラによって設定される構成コードに従い構成される通信インターフェースを有するディスペンサの中に挿入されるように構成される衛生順守モジュールであって、アクチュエータが材料を分注するように作動される時に、前記ディスペンサコントローラが作動信号を前記通信インターフェースに提供し、前記通信インターフェースが、前記衛生順守モジュールを受容するための通信ポートを有する、衛生順守モジュールにおいて、
前記ディスペンサの前記通信ポートに挿入されるように適応するコネクタを有するカードと、
前記カード上に配置され、前記コネクタに連結されるモジュールコントローラであって、前記通信インターフェースを通して前記モジュールコントローラを前記ディスペンサと適合して通信できるよう、前記モジュールコントローラの作動が前記ディスペンサコントローラから受信した前記構成コードに従い修正されるように構成される、モジュールコントローラと、
前記モジュールコントローラに連結される送信機と、
を備え、
前記アクチュエータが作動される時に、前記モジュールコントローラは、前記ディスペンサコントローラからの前記作動信号を分注事象データとして検出し、前記送信機が監視ステーションに前記分注事象データを送信する、衛生順守モジュール。
【請求項16】
無線データタグから識別コードを受信するように構成され、前記モジュールコントローラに連結される受信機をさらに備え、
前記モジュールコントローラは、前記無線データタグの前記識別コードを前記分注事象データと関連付け、前記識別コード及び前記分注事象データを前記監視ステーションに送信する、請求項15に記載の衛生順守モジュール。
【請求項17】
前記識別コードがいつ認証されたかを示す、前記モジュールコントローラに連結された指標をさらに備える、請求項16に記載の衛生順守モジュール。
【請求項18】
前記作動信号がいつ検出されたかを示す、前記モジュールコントローラに連結された指標をさらに備える、請求項15に記載の衛生順守モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ソープディスペンサ等のディスペンサに関する。特に本発明は、衛生順守監視機能を使用可能にするように、既存のディスペンサを改良されることができる、衛生順守モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、市民は、益々疾患及びその伝播を心配するようになるなど一般的に洗浄及び衛生の重要性への認識が高まっている。例えば、外食産業における大腸菌、小学校におけるライノウイルス、及び医療機関内における院内の疾患の伝播に関して、数々の研究で、疾患の伝播を防ぐための効果的な対策として、手指衛生に言及している。それに対して、医療産業、外食産業、ならびにホテル及び旅行産業では、職員が、疾患の伝播防止において効果的である、手の消毒習慣を身に付けていることを保証するために、手順書及び手順を検証するように強いられてきた。
【0003】
それに対して、個人が石鹸及び消毒剤へのアクセスを有する十分な機会を提供する努力として、多くの機関及び産業が、個人が自分たちの手を清潔にし消毒することを可能にするように、据え付けのディスペンサ数を増やしてきた。石鹸及び消毒剤が利用可能になることで、個人が自分たちの手を洗浄又は消毒する機会が増えてきた一方、所定の手洗い衛生基準の順守は未だ欠いている。さらに、一人の個人が自分の手を適切に消毒しないことが、このような個人と接触することになる、他人の努力を台無しにし得ることから、手洗いによるバクテリア又はウイルス伝播の可能性を最小化するために、衛生基準の完全な順守は守られなければならない。
【0004】
所望のレベルの衛生順守を達成するために、多くの機関は、識別された個人に対して、ディスペンサの使用を追跡することができる、ディスペンサを含む衛生順守監視システムを採用している。残念ながら、衛生順守監視機能性を欠く、既に据え付けられた多数の既存のディスペンサを持つ事業体には、それらのディスペンサと、衛生順守特性を有する新しいディスペンサとの全面的な交換が必要であろうし、それには費用がかかり、多くの状況において実現不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ、衛生順守監視特性を提供するように、以前に据え付けたディスペンサでもって改良することができる、衛生順守モジュールに対するニーズがある。加えて、衛生順守監視機能性を提供するように、既存のディスペンサでもって使いやすい方式に改良することができる、衛生順守モジュールに対するニーズがある。さらに、前に据え付けたディスペンサでもって改良することができ、かつ衛生順守モジュールが取り付けられるディスペンサによって提供される電源により電力が供給される、衛生順守モジュールに対するニーズがある。また、前に据え付けたディスペンサでもって改良される時、衛生順守モジュールが、ディスペンサによって認証されていたかどうかにより、使用可能又は使用不可能である、衛生順守モジュールに対するニーズもある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述を考慮すると、本発明の第1の態様は、アクチュエータが材料を分注するように作動される時に、作動信号を通信インターフェースに供給するディスペンサコントローラを有するディスペンサの中に挿入されるように構成される衛生順守モジュールであって、ディスペンサの通信インターフェースが、衛生順守モジュールを受容するための通信ポートを有する、衛生順守モジュールにおいて、コネクタを有し、ディスペンサコントローラに電気的に連結するためにディスペンサの通信ポートに挿入されるように適応するカードと、カード上に配置され、コネクタに連結されるモジュールコントローラであって、コネクタがディスペンサの通信ポートに挿入される時に、モジュールコントローラがディスペンサコントローラからの作動信号を分注事象データとして検出するように構成される、モジュールコントローラと、モジュールコントローラに連結される送信機と、を備え、ディスペンサのアクチュエータが作動される時に、送信機が分注事象データを監視ステーションへ送信する、衛生順守モジュールを提供することである。
【0007】
本発明の別の態様は、ディスペンサコントローラに電気的に連結される作動端末及び通信ポートを含む通信インターフェースを有するディスペンサを提供することと、モジュールコントローラに電気的に連結されるコネクタを備えるカードを含む衛生順守モジュールを提供することと、ディスペンサの作動端末を衛生順守モジュールのモジュールコントローラに電気的に連結するように、衛生順守モジュールのコネクタをディスペンサの通信ポートに挿入することと、識別コードを衛生順守モジュールに無線で送信するデータタグを提供することと、衛生順守モジュールにて作動端末を監視することと、ディスペンサから材料を分注することと、モジュールコントローラにて作動端末上の作動信号を分注事象データとして検出することと、識別コードを分注事象データと関連付けることと、を含む、ディスペンサにて衛生順守監視機能性を使用可能にする方法を提供することである。
【0008】
本発明のまた別の態様は、アクチュエータが容器から材料を分注するように作動される時に、作動信号を通信インターフェースに供給するディスペンサコントローラを有するディスペンサの中に挿入されるように構成される衛生順守モジュールであって、ディスペンサの通信インターフェースが、衛生順守モジュールを受容するための通信ポートを有する、衛生順守モジュールにおいて、ディスペンサの通信ポートに挿入されるように適応するコネクタを有するカードと、カード上に配置され、コネクタに連結されるモジュールコントローラであって、コネクタがディスペンサの通信ポートに挿入される時に、モジュールコントローラがディスペンサコントローラからの作動信号を分注事象データとして検出するように構成される、モジュールコントローラと、モジュールコントローラに連結される送信機と、を備え、アクチュエータが作動される時、送信機が監視ステーションに分注事象データを送信する、衛生順守モジュールを提供することである。
【0009】
本発明のさらなる態様は、ディスペンサコントローラによって設定される構成コードに従い構成される通信インターフェースを有するディスペンサの中に挿入されるように構成される衛生順守モジュールであって、アクチュエータが材料を分注するように作動される時に、ディスペンサコントローラが作動信号を通信インターフェースに提供し、通信インターフェースが、衛生順守モジュールを受容するための通信ポートを有する、衛生順守モジュールにおいて、ディスペンサの通信インターフェースに連結されるように適応するコネクタを有するカードと、カード上に配置され、コネクタに連結されるモジュールコントローラであって、通信インターフェースを通してモジュールコントローラをディスペンサと適合して通信できるよう、モジュールコントローラの作動がディスペンサコントローラから受信した構成コードに従い修正されるように構成される、モジュールコントローラと、モジュールコントローラに連結される送信機と、を備え、アクチュエータが作動される時に、モジュールコントローラは、ディスペンサコントローラからの作動信号を分注事象データとして検出し、送信機が監視ステーションに分注事象データを送信する、衛生順守モジュールを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明のこれらのならびに他の特性及び利点は、以下の記載、添付の特許請求項の範囲、及び付随する図面に関して、より良く理解されるであろう。
【0011】
図1】本発明の概念に従う、衛生順守モジュールの分解斜視図である。
図2】本発明の概念に従う、衛生順守モジュールの後方部分の斜視図である。
図3】本発明の概念に従う、その後部カバーが取り付けられ、その前部カバーが除去された、衛生順守モジュールの斜視図である。
図4】本発明の概念に従う、そこに取り付けられたその前後部カバーを有する、衛生順守モジュールの斜視図である。
図5】本発明の概念に従う、そこに取り付けられたその前後部カバーを有する、衛生順守モジュールの別の斜視図である。
図6】本発明の概念に従う、衛生順守モジュールを伴う使用に対して適合する、ディスペンサの概略図である。
図7】本発明の概念に従う、衛生順守モジュールを伴い改良されるように構成される、ディスペンサの概略図である。
図8】本発明の概念に従う、そこに取り付けられた衛生順守モジュールを有する、ディスペンサの斜視図である。
図9A】本発明の概念に従う、衛生順守モジュールの改良された接続を使用可能にする通信インターフェースを示す、ディスペンサの立面図である。
図9B】本発明の概念に従う、ディスペンサの通信インターフェースに連結された衛生順守モジュールを示す、ディスペンサの立面図である。
図10】本発明の概念に従う、改良された衛生順守モジュールが、そこを通って無線でデータを伝達することを可能にする、ディスペンサの斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
衛生順守モジュールは、概して、図面の図1〜6に示す通り、数字の10で称される。衛生順守モジュール10は、対向する内面及び外面30A及び30Bを有する、ライザーカード20と、対向する内面及び外面50A及び50Bを有するメインカード40とを備える。ライザーカード20及び、回路基板を備えるメインカード40は、議論する方式で共に連結される。しかしながら、ライザーカード及びメインカード20、40は、単一の統合カード構造を形成するように、一体化されてもよいことは理解されるべきである。ライザーカード20は、ピン70A〜Hにそれぞれ連結される、複数の電気接点60A〜Hを備える、エッジコネクタ52を含む。ピン70A〜Hは、ピン70A〜Hが、メインカード40によって提供される、それぞれの接続ブロック80A〜Hで終結する、ライザーカード20の内面30Aと実質的に平行になるために、ライザーカード20を通って延在し、実質的に右の各角に延在する。接続ブロック80A〜Hは、それぞれのピン60A〜Hを支持し、それらが、メインカード40によって提供される、対応する接触開口部90A〜Hの中に延在することを可能にする。従って、接触開口部90A〜Hは、議論する衛生順守モジュール10によって提供される種々の電気部品に、エッジコネクタ52の接点60A〜Hを、電気的に連結させる。具体的には、ライザーカード20のエッジコネクタ52は、議論するモジュール10によって提供される種々の衛生順守監視機能を使用可能にするように、図6に示すソープディスペンサ等の通信ポート等のディスペンサ110によって提供される電力、接地、及び作動信号にアクセスするために、通信ポートなどの通信インターフェース100に接続するように構成される。1つの態様では、接点60A、60G、及び60Hは、通信インターフェース100によって提供される、それぞれの接地、電力、及び作動信号を受信するように構成される。
【0013】
メインカード40の外面50B上に配置されているのは、議論する機能を実施する必要がある、必要なハードウェア、ソフトウェア、及び/又はメモリで構成されるモジュールコントローラ200である。エッジコネクタ52の接点60A〜Hに連結されることに加えて、モジュールコントローラ200は、IR(赤外線)受信機210、IR(赤外線)送信機212、及びRF(無線周波数)送受信機220に連結される。従って、図10に示す通り、IR受信機210及びRF送受信機220は、個人によって身に着けられている、RFID(無線周波数識別)タグ等のデータタグ250、及び遠隔の衛生順守監視ステーション252と無線で通信するように構成される。データタグ250及び監視ステーション252は、順守モジュール10の動作と適合する、IRもしくはRF信号を送信及び/又は受信するように構成されてもよい。加えて、衛生順守監視ステーション252は、順守モジュール10から無線で転送される、衛生順守データを獲得及び整理するように構成される、いかなる好適なコンピュータシステムを備えていてもよい。代替的に、衛生順守監視ステーション252は、それらの動作パラメータのうちの1つ以上を変更するか、そうでなければ修正するよう、設定データを順守モジュール10及び/又はディスペンサ110に送信するように構成されてもよい。さらに、また、順守モジュール10は、RF信号のみ、IR信号のみ、又はいかなるそれらの組み合わせを使用して、データタグ250及び監視ステーション252と通信してもよく、従って、本明細書で議論する機能を実施するために必要である、ある特定の通信信号を送信及び受信するために必要な、ある特定のIR又はRF送信機及び受信機のみが、順守モジュール10によって提供されると考えられる。1つの態様では、RF送受信機220は、RF送信機としてのみ構成されてもよいことは理解されるべきである。
【0014】
メインカード40はまた、LED(発光ダイオード)、又は音源等の可聴表示手段を含むいずれの他の好適な表示手段を備える、一対の視覚的指標260及び270も含む。具体的には、指標260は、データタグ250が、モジュールコントローラ200によって、いつ認識又は認証されるかを識別するように、視覚的又は可聴プロンプトを提供する一方、指標270は、ディスペンサ110が、データタグ250を身に着けている個人に、いつ材料を分注したかを識別するように、視覚的プロンプトを提供する。
【0015】
衛生順守モジュール10は、図1及び3〜5に示す通り、メインカード40及びライザーカード20の一部分を取り囲むのに役立つ、前後部カバー300及び310から成る保護筺体280を含む。前部カバー300は、個人が指標260及び270を眺めることを可能にする、透明な、又は少なくとも部分的に透明な視界窓350を含む。加えて、視界窓350はまた、衛生順守モジュール10から、及び衛生順守モジュール10へ伝達される、無線IR(赤外線)及びRF(無線周波数)信号の通路に対して、電気的に透過であるようにも構成される。前後部カバー300及び310は、例えば、ねじ又は接着剤を含む、固定のいかなる好適な手段を使用して、共に保持される。保護筺体280は、例えば、プラスチックといったいかなる好適な材料から形成されてもよいことは、理解されるべきである。
【0016】
ディスペンサ110は、いかなる好適な材料を分注するように構成されてもよいが、衛生順守モジュール10は、図6〜10に示す通り、例えば、石鹸、消毒剤、又は保湿剤ディスペンサを含んでもよい、ディスペンサ110でもって改良されるように構成される。ディスペンサ110は、ディスペンサ110に可撤的に取り付けられる、交換可能な詰め替え容器400から液体材料を分注するように構成される。詰め替え容器400は、例えば、石鹸、消毒剤、又は保湿剤といった、いかなる所望の材料を含有してもよい。ディスペンサ110は、議論する機能を実施するために必要である、必要なハードウェア及び/又はソフトウェアを提供する、コントローラ410を含む。コントローラ410は、個人の手の存在を自動的に検出することができる、バイオメトリックセンサ又は近接センサを備えてもよい、アクチュエータ420に連結する。アクチュエータ420はまた、個人によって手動で押し下げられるように構成される、機械スイッチ又はボタンを備えてもよい。ディスペンサ110はまた、コントローラ410に連結される、ポンプ430も含み、アクチュエータ420が作動される時、そこに流体連結される詰め替え容器400から、所定の量の液体材料を分注するように制御される。例えば、アクチュエータ420が近接センサを備える場合、コントローラ410は、アクチュエータ420が、個人の手の存在を検出する時、ポンプ430に詰め替え容器400から液体材料の量を分注させる。
【0017】
ディスペンサ110は、バッテリ等の電源440によって電力を供給されるか、又は太陽電池、もしくは電気コンセントによって提供されるA.C.(交流)本線からの電力等、いずれの他の好適な電源によって電力を供給されてもよい。
【0018】
ディスペンサ110を伴う衛生順守モジュール10の改良を促進するために、通信インターフェース100が利用される。具体的には、通信インターフェース100は、ディスペンサ110のコントローラ410に連結され、従って、ディスペンサ110の動作中、コントローラ410から生成される対応する信号をその上に提供する電力、接地、ならびに作動端末460、470、及び480にアクセスするための電気的インターフェースを提供する。従って、モジュール10のエッジコネクタ52が、通信インターフェース100の中に挿入される時、接点60A、60G、及び60Hは、それぞれの端末460、470、480によって供給される接地、電力、及び作動信号を、衛生順守モジュール10のモジュールコントローラ200に連結する。また、接点60B〜Fは、分注コントローラ410が、ディスペンサ110及び順守モジュール10がそれ用に構成されていた、許可済み順守モジュール10のみと通信することを保証するように、認証のために衛生順守モジュール10のコントローラ200によって利用されることも理解されるべきである。以下でより詳細に議論する、このようなシステムは、無許可の順守モジュール10、又は通信インターフェース100の中に挿入されるいずれの他の電気デバイスが、分注コントローラ410と通信するのを防止する。
【0019】
ディスペンサ110の基本動作が説明されて、以下の議論では、これから、衛生順守モジュール10がディスペンサ110でもって改良される方式を提示する。具体的には、順守モジュール10は、電気接点60A〜Hを有するエッジコネクタ52が、図7〜10に示す通り、通信インターフェース100内で受容されるように、相互作用されるか、又はそうでなければディスペンサ110の中に差し込まれ、モジュール10がコントローラ410と電気的に通信することを可能にする。順守モジュール10が、ディスペンサ110の通信インターフェース100に連結されると、順守モジュール10は、ディスペンサ110の対応する端末460、470、480によって提供される電力、接地、及び作動信号にアクセスすることができる。特に、衛生順守モジュール10は、ディスペンサ110の電源440及びコントローラ410に連結される、通信インターフェース100の端末460、480上で提供される、電力及び接地信号によって電力を供給される。加えて、アクチュエータ420が作動される時、材料を分注するようにポンプ430を作動させる、ディスペンサコントローラ410によって生成される、通信インターフェース100の端末470上に提供される作動信号は、モジュール10によって処理され、議論する種々の衛生順守監視機能を実施するように使用される。また、分注事象が発生する時、ディスペンサコントローラ410によって生成される、別個の作動信号(及び接点60H)を使用する代わりに、ディスペンサコントローラ410は、分注事象がいつ発生するかを示すよう、衛生順守モジュール10に電力を選択的に供給するように構成されてもよいことも、理解されるべきである。従って、順守モジュール10は、分注事象が起こる度に、本明細書で議論する機能を実施するように、電力が供給され動作させられるであろう。
【0020】
衛生順守モジュール10は、RFID(無線周波数識別)タグ又は他の通信デバイス等の無線データタグ250、及び遠隔の衛生順守ステーション252との無線通信を通して、衛生順守データを収集及び共有するように構成される。特に、無線データタグ250は、彼又は彼女の手の上に材料の量を分注するように、ディスペンサ110とかかわり合っている、医療提供者等の個人によって身に着けられるように構成される。データタグ250を身に着けている個人が、そこから材料を分注するように、ディスペンサ110によって提供されるアクチュエータ420を作動させる時、ディスペンサコントローラ410は作動信号を生成する。作動信号は、材料の分注を完了するよう、ポンプ430を作動させるように使用され、また、通信インターフェース100の端末480によって、衛生順守モジュール10のモジュールコントローラ200にも運ばれる。通信インターフェース100を介する作動信号の受信により、個人が詰め替え容器400から材料を分注した時に、分注事象が発生したことを順守モジュール10に示す。作動信号が順守モジュールコントローラ200によって受信されると、各データタグ250と関連付けられる固有の識別コードは、IR受信機210(IR送信データタグ250の場合)又はRF送受信機220(RF送信データタグ250の場合)を介して無線で獲得され、IR送信機212又はRF送受信機220を介して、衛生順守データとして、遠隔の衛生順守監視ステーション252に無線で伝達される前に、分注事象が発生したことを示す分注事象データと組み合わせられるか、そうでなければ関連付けられる。代替的に、順守モジュール10は、順守モジュール10が、データタグ250の識別コードを分注事象データと関連付けないような、匿名方式で衛生順守データを収集するように構成されてもよい。
【0021】
さらに、順守モジュール10は、順守モジュール10のみが識別コード等のデータをデータタグ250から受信する一方向方式、又は順守モジュール10がデータをデータタグ250から受信し、データをデータタグ250に送信する双方向方式で、データタグ250と通信するように構成されてもよい。同様に、順守モジュール10は、順守モジュール10のみが順守データを監視ステーション252に送信する一方向方式、又は順守モジュール10が衛生順守データを監視ステーション252に送信し、モジュール10によって提供される機能の修正と関連付けられる動作設定データ等のデータを、監視ステーション252から受信する双方向方式で、監視ステーション252と通信するように構成されてもよい。例えば、順守モジュール10は、順守モジュール10が、データタグ250からIR受信機210を介してデータを受信し、RF送信機を使用して、順守監視ステーション252にデータをフォワードするような、IR受信機210及びRF送信機のみで構成されてもよい。
【0022】
加えて、指標260及び270は、順守モジュール10が、データタグ250をディスペンサ110にアクセスし使用するように許可されているといつ認証したか、及びディスペンサ110が分注事象をいつ完了したかを示すようにそれぞれ構成される。1つの態様では、衛生順守モジュール10は、データタグ250と関連付けられた固有の識別コードを獲得し、ディスペンサ110の動作が使用可能になる前に、認証のため遠隔の衛生順守監視ステーション252にそれを無線で送信してもよい。遠隔の衛生順守監視ステーション252は、データタグ250の識別コードを許可されていると認証する場合、個人がディスペンサ110から材料を分注することを可能にするように、ディスペンサ110の動作を限定された期間使用可能にする、衛生順守モジュール10に承認コードを無線で送信する。
【0023】
さらに、順守モジュール10の接点60B〜Fは、ディスペンサ100の電力端末470及び接地端末460に選択的に接続されてもよい。これにより、順守モジュールコントローラ200が、ディスペンサコントローラ410によって受信される、5ビットの認証コード等のコードを生成することを可能にする。ディスペンサコントローラ410は、コードが有効かどうかを判定するように、ディスペンサコントローラ410又は順守監視ステーション252に記憶されたコードに対して、認証コードを評価する。ディスペンサコード410が、コードは有効であると判定する場合、ディスペンサ110及び順守モジュール10は、動作可能なままの状態を継続するであろう。しかしながら、ディスペンサ110が、コードは無効であると判定する場合、モジュール10及び/又はディスペンサ100は、完全に又は部分的に使用不可能になってもよい。例えば、無効なコードの場合、ディスペンサ110は、それと相互作用する衛生順守モジュール10が、ディスペンサ100によって認識されないであろうか、又は順守モジュール10によって提供される機能が限定されてもよいように、部分的に使用不可能になってもよい。それゆえ、無許可のデバイスが、有効なコードを生成し損ねる、インターフェース100に連結される事象では、デバイス及び/又はディスペンサ10は、完全に又は部分的に使用不可能である。このようなシステムは、無許可の順守モジュール10が、ディスペンサ110と共に使用されることを防止する点で有益である。
【0024】
別の態様では、ディスペンサコントローラ410は、インターフェース100を通って供給され、順守モジュール10のモジュールコントローラ200に連結する接点60B〜Fを介して受信される、5ビットのコード等の構成コードを生成するように構成されてもよい。構成コードは、ディスペンサ110と順守モジュール10との間の通信中、ディスペンサコントローラ410によって利用されるべき、特定の通信構成を識別する。従って、モジュールコントローラ200は、構成コードの意味を解釈することができ、また、構成コードによって識別される特定の接点60B〜Fが、ディスペンサコントローラ410との適合する通信が発生するよう、構成コードの中で定義される特定の方式において使用されるように、接点60B〜Fに連結される通信ポート等のその内部部品を物理的に構成することもできなくてはならない。それゆえ、モジュールコントローラ200が、使用される正しい接点60B〜Fと、ディスペンサ110から受信される構成コードからディスペンサ110によって発生する、適合する通信に対して必要とされる、各接点60B〜Fに割り当てられる正しい機能とを識別しない場合、順守モジュール10は、衛生順守機能をディスペンサ110に提供することができないであろう。加えて、ディスペンサ110によって供給される構成コードは、所定の又は無作為の間隔で、ディスペンサ10によって周期的に変更されてもよいか、又はデータ又は電子信号が順守モニタ10に送られる度に変更されてもよい。さらに、特定の方式で構成又は利用される、順守モジュール10のハードウェア部品(接点60B〜F)を必要とすることによって、安全性レベルの追加が提供され、無許可の順守モジュールがディスペンサ110と相互作用することをさらに防止する。
【0025】
それゆえ、本発明の1つの利点は、衛生順守モジュールが、衛生順守監視機能性を提供するよう、据え付けられたディスペンサでもって改良されるように構成されることであることは理解されるであろう。本発明の別の利点は、衛生順守モジュールが、そこへ改良される時に、ディスペンサの電源を利用することができることである。本発明のまた別の利点は、衛生順守モジュールが、そこへ改良される時に、衛生順守監視機能を提供するために、ディスペンサの作動信号を利用することができることである。本発明のさらに別の利点は、許可済み衛生順守モジュールが、ディスペンサと相互作用する場合、ディスペンサ及び/又は衛生順守モジュールは、完全に又は部分的に使用不可能になってもよいことである。
【0026】
本発明について、ある実施形態を参照してかなり詳細に記載してきたが、他の実施形態も可能である。それゆえ、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲は、本明細書に含有される実施形態に限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10