特許第6067571号(P6067571)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6067571-脈動マッサージ装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067571
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】脈動マッサージ装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 15/00 20060101AFI20170116BHJP
   A61H 7/00 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   A61H15/00 310D
   A61H7/00 310D
【請求項の数】18
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-541397(P2013-541397)
(86)(22)【出願日】2011年11月30日
(65)【公表番号】特表2014-501577(P2014-501577A)
(43)【公表日】2014年1月23日
(86)【国際出願番号】FI2011051064
(87)【国際公開番号】WO2012089910
(87)【国際公開日】20120705
【審査請求日】2014年11月11日
(31)【優先権主張番号】20106268
(32)【優先日】2010年12月1日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】513137444
【氏名又は名称】ハーエルデー ヘルシー ライフ ディヴァイシーズ オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100082924
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】タスキネン,タパニ
(72)【発明者】
【氏名】バックマン,アキ
【審査官】 今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−513208(JP,A)
【文献】 特表2008−532591(JP,A)
【文献】 特開2008−125577(JP,A)
【文献】 特開2011−83423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 15/00
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療ヘッドに連動して生成される吸引効果によってマッサージ効果が得られるマッサージ装置であって、
前記治療ヘッドは、皮膚に接触する表面、フレーム(13)、この表面に接続された低圧チャンバー(11)、及び皮膚組織を持ち上げるために、低圧吸引を行う前記低圧チャンバー(11)に接続された低圧ホース(8)を有しており、
前記低圧ホース(8)内又は前記低圧ホースと前記低圧チャンバー(11)との接続部分にバルブ(15)が配置されており、当該バルブ(15)により、前記低圧チャンバー(11)内の圧力が上限値と下限値の間で振動するように、前記低圧チャンバー(11)内で生成された低圧吸引を調整し、且つ、前記低圧ホース(8)は前記低圧チャンバー(11)の圧力変化を加速するための圧力リザーバとし使用れることを特徴とするマッサージ装置。
【請求項2】
センサー(14)によって測定された結果に基いて低圧吸引が調整できるように配置されている特徴を有する請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
圧力の変動の前記上限値及び前記下限値が調節できるように配置されている特を有する請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
少なくとも5ヘルツ以上の圧力振動周波数が得られるように配置されている特を有する請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項5】
多くても100ヘルツの圧力振動周波数が得られるように配置されている特を有する請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項6】
5ヘルツ以下の周期の脈動低圧治療、及び5ヘルツ以上の周期の振動治療同時に行えるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項7】
5ヘルツ以上の周期の振動治療において、前記脈動低圧治療の吸引フェーが加えられている特徴を有する請求項に記載されたマッサージ装置。
【請求項8】
バルブ(15)の制御によってパルス変調の利点が活用できるように、前記低圧ホースは前記低圧チャンバー(11)より高い負圧で動作ることを特徴とする請求項に記載のマッサージ装置。
【請求項9】
に負圧が生成されるように配置されている吸引ローラー(10a及び10b)が前記低圧チャンバー(11)の少なくとも一部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項10】
動性及び/又は脂肪分などのような皮膚組成や油含有量及び/又は膨張を測定するためのセンサー(14)を有しており、測定によって調整量が決定できることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項11】
械特性/皮膚の特性における強さや伸縮性及び/または回復力を測定するためのセンサー(14)を有しており、測定によって調整量が決定できることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項12】
気特性/皮膚の特性における静電容量、インピーダンス、抵抗、リアクタンス及び/又はインダクタンスを測定するためのセンサー(15)を有しており、測定によって調整量が決定できることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項13】
ンパ体液の流量を測定するためのセンサー(14)を有しており測定によって調整量が決定できることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項14】
膚内の血の循環を測定するためのセンサー(14)を有しており測定によって調整量が決定できる特徴を有する請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項15】
皮水分喪失量を測定するためのセンサー(14)を有しており測定によって調整量が決定できる特を有する請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項16】
膚組織のバルジを測定するためのセンサー(14)を有しており測定結果によって調整量が決定できる特を有する請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項17】
織内の特定周波数を測定するためのセンサー(14)を有しており測定結果によって調整量が決定できる特を有する請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項18】
度を測定するためのセンサー(14)を有しており測定結果によって調節量が決定できる特を有する請求項2に記載のマッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、調整可能なマッサージ装置を得ることにあり、そのマッサージ効果は、圧力チャンバー装置内の圧力の変動に基づいている。
【背景技術】
【0002】
マッサージすることは、皮膚や筋肉へ様々な影響を与える。マッサージとは治療目的として軟部組織に適用する押圧運動であり、それは、軽擦、強擦、揉捏及び異なる形式の叩打によって行われる。伝統的にマッサージは、筋骨格系の代謝を改善しながら筋肉の緊張を緩和させて、労働能力を維持することが目的とされている。
【0003】
今日では、異なるデバイスを用いたマッサージ治療が増えている。さらに、組織を緩和させたり引き締めたり及び線維筋痛症の治療を行う目的の整形や強制治療、リウマチ性の問題、火傷損傷、血液循環障害の治療、腫れの治療、セルライト治療、リンパ液の刺激など解決するためにマッサージが行われている。皮下脂肪に関する脂肪の吸引整形マッサージ及び結合組織においては、新陳代謝及び血液の循環の刺激や組織の硬さの復元並びにセルライトやむくみや緊張を除去が行われる。治療法はまた、線維筋痛症の痛み、瘢痕組織の問題、スポーツ活動、不眠症やストレスに起因する条件について有効な結果を生成する。
【0004】
マッサージの方法は、行う治療に依存する。吸引ローラー治療は特に、セルライト及び腫れなどの皮膚に関連した問題を治療するために行われる。それは、治療ヘッドからなる装置を用いて皮膚の上を移動させるように行われる。吸引装置に可撓性コードも用いて接続されている治療ヘッドによって、患者の身体の上を治療ヘッドが移動させるときに、皮膚上に真空を生成することができる。吸引ローラー装置は、ローラーを備えており、ローラー間に底部を開放した吸引チャンバーがあり、チャンバー中で皮膚にバルジ(膨らみ)を生じさせるような吸引が生成されるようになっている。皮膚バルジ部分をローラーとローラー表面部分の間で押すことによって、皮膚のひだは形成される。
【0005】
組織に振動を与えることによってマッサージを高めることができる。異なる振動周波数は、身体及び組織へ異なった効果をもたらす。18〜33ヘルツの間の周波数は特に適している。
【0006】
従来技術の装置では、組織の振動は患者が立つシェーカー板によって引き起こされる。シェーカー板は、骨を振動させると共に組織を振動させる方法である。これは、特に身体の骨にストレスを与え、目的の治療を果たすために行うのではなく、単に振動を伝達するための中間ピースとして動作する。また、従来の装置は、組織に対して機械的に行う振動装置を使用している。なお、機械装置は、組織を押すのには必要であるが、組織の液体の流動性には有益ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述の従来の技術の装置の欠点を改善し、組織を治療するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、調整可能なマッサージ装置を得ることにあり、そのマッサージ効果は、治療ヘッドに連動して生成される吸引効果に基づいている。当該装置の治療ヘッドは、皮膚に接触する表面、フレーム、この表面に関連した低圧チャンバー、及び皮膚組織を持ち上げるために、低圧吸引を行なう前記低圧チャンバーに関連した低圧ホースを有している。この装置は、低圧チャンバー内の圧力が上限値と下限値との間で振動するように、低圧チャンバー内で生成された低圧吸引を調整する低圧ホース(8)に関連して、バルブ(15)が配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、センサー(14)によって測定された結果を元に調整ができるように、低圧吸引系が配置されている。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、前記圧力の上限値及び下限値が調整できるように配置されている。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、マッサージ装置は、少なくとも5ヘルツ以上の圧力振動周波数が得られるように配置されている。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、マッサージ装置は、高々100ヘルツまでの圧力振動周波数が得られるように配置されている。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、マッサージ装置は、低圧チャンバーに、5ヘルツ以下の周波数の脈動低圧治療(パルスを用いた低圧治療)、及び5ヘルツ以上の周波数の振動治療を同時に行なえるように配置されている。更に、本発明の別の実施形態によれば、5ヘルツ以上の周波数(高周波数)の振動治療において、前記脈動低圧治療の吸引過程が加えられている。この場合の高周波数とは、インパルス状の圧力並びに5、10、又は15ヘルツの周波数の振動を意味している。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、低圧チャンバー内の低圧力の調整をパルス幅変調によって制御できるようにバルブが配置されている。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、低圧チャンバー内で圧力の変動を加速するための圧力リザーバとして低圧ホースが使用できるように配置されている。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、バルブの制御下でパルス幅変調を使用して、低圧チャンバーより高い負圧で動作できる低圧ホースが配置されている。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、装置は、組織の特定周波数の測定によって調整量を決定することができるセンサーが備えられている。また、組織の特定周波数の測定によって調整された振動によって、わずかな出力でも強力な治療効果を提供することができる。一方、より慎重さを伴う治療においては、組織の特定の周波数の測定を故意に避けることができる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に示されている。
【0019】
本発明の実施形態によれば、装置フレームに関連した二つのローラーとの間で低圧チャンバー内に負圧マッサージを生成できることを含むことができる。ローラーは、皮膚表面に沿って作動することも静止することも可能である。更に、一つ又は複数のローラーを備えることもできる。本発明の別の実施形態によれば、治療ヘッドは、空洞の低圧チャンバーを備えることも可能であり、又摺動面をローラーの代わりとして使用することができる。
【0020】
本発明の好ましい態様によれば、マッサージ装置は、異なるセンサーを備えることもでき、第1のセンサーによって、例えば、液体含有量や脂肪分や油含有量を有利に測定することが可能である。なお、二つのセンサーは、液体及び脂肪分を測定するのに使用することができる。第2のセンサーによって、例えば、吸引効果によって盛り上がった皮膚のバルジを測定することができる。また、第3のセンサーによって、例えば、マッサージの強さを皮膚へ与えることができる。低圧吸引及びマッサージの強さは、測定の結果によって調整ができる。更に、マッサージ装置は、皮膚の温度の測定するための第4のセンサー及び以下を測定するための他のセンサーを備えており、これらのセンサーから求められた測定結果によって、低圧吸引及びマッサージの強さを調整することができる。また、一つのセンサーによって、一つの特性又は複数の特性を測定することができる。更に、センサーは装置に有線又は無線で接続できるようになっており、無線とは、例えば装置無線周波数信号、赤外線信号又は類似の信号である。従って、センサーは装置の一部分、又は装置と別の場所に備えることができる。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、機械特性及び/又は、電気特性及び/又は、構造及び/又は皮膚の組成に基づいて調整することができる。例えば、機械特性には、強さ、柔軟性、弾力及び反発力などを含むことができる。また、電気特性には、例えば、電気容量、インピーダンス、抵抗、リアクタンス及びインダクタンスを含むことができる。
【0022】
更に、本発明の別の実施形態によれば、リンパ液の流量測定に基づいて調整することが可能である。尚、リンパ液の流量の測定は、公知の測定技術によって行うことができる。
【0023】
また、本発明の装置に関する別の実施形態によれば、皮膚内の血の循環を測定することによって調整量が決定できるセンサーを備えることができる。更に、経皮水分喪失量及び皮膚のpH値の測定に基づいて調整することができる。
【0024】
本発明の別の実施形態によれば、患者の皮膚痛の経験値の測定に基づいて調整することができる。これに基づけば、患者が男性/女性でも、又はセラピスト、又は両方を組み合わせて装置のパラメータ実行を調整することができる。本発明に記載の皮膚の特性には、皮膚に感じられる痛み及び経験を含むことができる。皮膚は、例えば、表皮、真皮、下皮又は皮下組織など全ての表面薄層に対して言及している。患者の吸引効果の増加/減少をどの信号に基づいて記録できるのか調整できるようなセンサーを備えることができる。患者は、従って痛みの経験などに基づいて信号をセンサーへ送ることができる上、吸引効率の増加/減少に要望に応じて装置にリレーすることができる。
【0025】
本発明の別の実施形態によれば、装置は、皮膚組織を暖めるエネルギー源を有することができ、更に一つ又は複数のセンサーで得られる測定値に基づくセットポイントの値にこれらのエネルギー現を自動的に調整させるための手段を備えることができる。
【0026】
本発明の別の実施形態によれば、測定技術には、異なる音の周波数の測定、すなわち超音波及び超低周波不可聴音や高周波に基づく技術及び異なる光の波長のような、例えばレーザー及び赤外線測定、バイオインピーダンス分光学、磁気共鳴分光法、ラマン分光法、核磁気共鳴分光法、マイクロセンサー・マッピング、熱カメラ・イメージング及び複雑な分光光度法イメージング光学的測定などが含むことができる。
【0027】
本発明の別の実施形態によれば、コンピュータプログラムのガイドによって、マッサージ師が治療中に適用している強さを、外部画面を通して力のレベルが視覚的に確認できるような機能を備えることができる。マッサージ師が低圧吸引の調整をすることなく治療ができるように、コンピュータプログラムを用いて自動的に低圧吸引の調整ができるようになっている。また、マッサージの強さが許容値を超えた場合は、プログラムが装置を停止するような利便性も備えられている。
【0028】
本発明の別の態様によれば、測定値を監視することによってマッサージ師が皮膚や組織を傷めずに最適又は最高のマッサージ結果を得ることができる。皮下流体含有量、脂肪分、皮膚の持ち上げ量やマッサージの強さが加えられた皮膚及び吸引効果に関しては、マッサージ機能は療法士の能力にほとんど依存しない。
【0029】
本発明の別の実施形態によれば、最適な治療速度を計算できるような速度を測定できるような手段を装置内に組み込むことが可能である。また、吸引は、吸引ローラー内に設けることができる。
【0030】
本発明の別の実施形態によれば、ローラー内部で作り出された吸引力及び吸引セクターによって、すなわち、皮膚の折り目における皮膚の持ち上げの生成によって、正確な吸引領域の調整を決定することができる。これによって一つのローラー治療装置が実現可能になる。更にマルチローラーを解決することも可能になり、ローラーの間に吸引を発生させながら、正確で広範囲にスキンの持ち上げを制御することが可能になる。
【0031】
次のセクションでは、本発明が図面を参照して本発明のある実施形態について詳細に説明されるが、本発明はこれらの実施形態に限定されることはない。必要ならば、異なる実施形態が組み合わされても良いし、組み合わされなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の実施形態に係るマッサージ装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明の実施形態に係るマッサージ装置の一例を示す図である。マッサージ装置のマッサージ効果は、図1に示す装置フレーム13に配置された2つのローラー10a及び10bとの間に生成された吸引効果に基づいている。
【0034】
装置の治療ヘッドは、フレーム13及びフレームの底部に連結されている二つのローラー10a及び10bを備えている。ローラー10aと10bを有するフレーム13の底部には、低圧ポンプ9を用いて真空管/ホース8を介して生成される低圧吸引用の低圧チャンバー11が配置されている。必須の調整バルブが、低圧ポンプ9にも取り付けられている。さらに、低圧ホース8は、バルブ15を備えていても良く、特に、バルブ15は低圧チャンバー近傍に配置されるのが望ましい。
【0035】
マッサージ装置の治療ヘッドは、最も快適にはハンドル7を用いて、患者の皮膚に対して移動する。治療ヘッドの移動につれて皮膚のひだをローラー10aと10b間及び低圧チャンバー11内に引っ張り上げながら低圧効果をもたらすことができる。
【0036】
コンピュータプログラムは、自動的に計算して求められた測定値に基づいて、目標の低圧吸引レベルを調整することができる。低圧吸引の目標値に影響をもたらすパラメータとして、皮膚組織の液体含有量、皮膚組織の脂肪含有量、皮膚の持ち上げ量すなわちバルジ(皮膚のひだの大きさ)及び/又は皮膚の温度が含まれる。
【0037】
測定値を得る手段として、皮膚組織の液体含有量を測定するためのセンサー1や皮膚組織の持ち上げ量を測定するためのセンサー12及び任意に皮膚温度を測定できるセンサー14を備えている。更に、装置は、音、光、無線周波数又は電力に基づいて、エネルギー源を用いて加熱によって組織の治療を行う一つまたは複数の要素を含んでも良い。例えば、それは赤外線センサー、無線周波数センサー(RF)、超音波センサー、レーザー又は単色光を発生する他の要素、超低周波音センサー、電気抵抗または電気電極であっても良い。これらの要素は、有線または無線であってもよい。
【0038】
センサーによって自動的に測定された一つ又は複数の結果に基づいて求められた測定値結果を低圧吸引及びその他のエネルギー源を調整する用途に使用することができる。装置の内部又は外部に接続されたマイクロプロセッサの制御ユニット4を用いて低圧吸引の自動調整を行うことができる。制御ユニット4は、一つ又は複数の測定値に基づいて、低圧吸引の目標値を算出するマイクロプロセッサで実行されるコンピュータプログラムからの低圧吸引の目標値を受信することができる。更に制御ユニットは、中央記憶装置を有している。更に制御ユニット、マイクロプロセッサ及び中央記憶装置は、治療ヘッドの中に全て一体化して取り付けられても分離して取り付けられても良いし、又は、一体化及び分離の双方を併用しても良い。
【0039】
マッサージ装置を示す図1は、二つ以上のローラー10a及び10bを有しており、ローラーの間の低圧チャンバー11内で負圧が生成される。内部で負圧が生成される内部の一つ又は複数の穿孔ローラー(穴あきローラー)(図示されてない)を使用することも可能である。ローラーは、はさみ効果を生成するために、マッサージ中に相互に移動することができ、又はローラーは、はさみ効果を排除するために互いから所定の距離に固定しても良い。
【0040】
吸引力の設定値及び/又はマッサージの強さに基づいて得られた測定値などを用いて一つ又は複数の進行中の治療の強さの目標値をコンピュータプログラムによって算出することができる。従って、装置は、マッサージ強さのレベルに応じて、一つ又は複数の進行中の治療の強さの目標値を算定できるようにセンサー6を更に含んでいる。
【0041】
治療ヘッドは、マッサージの強さを表示するディスプレイ5を有しており、治療を行う者は、治療中のマッサージの強さと、目標値の両方をディスプレイ5(すなわち、目標値)に表示させながら、マッサージの強さを監視してもよく、治療中のマッサージの強さの値及びそれに応じて強さを更に加えることができる。マッサージの強さが許容値を超えた場合や患者の治療情報を含むデータベースにプログラムがつながれる可能性がある場合は、装置が停止する仕組みになっている。また、コントロールパネル内のディスプレイ5は、治療ヘッド内に組み込んで設置してもよく、又は別に設けても更に両方設けても良い。
【0042】
また、エネルギー源14の動力は、組織の測定値に基づいて制御をすることができる。温度測定センサー14は、治療ヘッドに組み込まれてもよく、又は別々に使用するようにしてもよい。
【0043】
本発明の別の実施形態によれば、低圧チャンバーの圧力は、バルブ15を制御することによって調整できる。この調整により、圧力チャンバー内の圧力は所望の脈動(パルセーション)が得られるように、振動する。バルブ15は、例えば、低圧ホース8内、又は低圧ホース8の接続部内又は圧力チャンバー11など可能な限り低圧チャンバーに近い位置に設けるのが有利である。また、脈動風量を最小限に抑えることを目的に低圧チャンバーの近傍にバルブ15を配置することによって、素早い反応が得られるシステムが構築されている。低圧リザーバとして低圧ホース8を使用することによって、システムの速度はさらに改善することができる。このように、後続の変化における圧力チャンバー内の所望の圧力に比較してより高い圧力又はより低い圧力が低圧ホース内に得ることができる。
【0044】
もし150〜200mmHgまでの脈動が望まれる場合は、低圧チャンバーの圧力は、150mmHgであり、その後の過程で200mmHgでの圧力が所望される場合には、バルブの開度に基づいて低圧チャンバー内で200mmHgでの圧力が速やかに達成されるように、バルブを閉じることによって、例えば、低圧ホースの圧力を前以て500mmHgに設定することができる。続いて、150mmHgの圧力が再び所望される場合、200mmHgから150mmHgに切り替えが迅速にできるようにするために、ホース内の圧力は、50mmHgに設定することができる。さらに、別の様態では、目標に対して配置される低圧チャンバーはシールされたり、又は小孔を通してリーク制御されても良い。
【0045】
低圧ホース8内の低圧力が治療ヘッドよりも高い場合は、例えば、低圧力の平均値を調整するためのバルブ15の制御を使用することによって、低圧チャンバー11の圧力を調整することができる。別の実施形態によれば、低速の低脈動圧力を早いインパルス状振動治療、即ち、脈動低圧治療によって変調することができる振動治療を組み合わせることができる。
【0046】
低圧チャンバー11の脈動周波数は、例えば2から200ヘルツあってよく、好ましくは5〜100ヘルツが望ましい。治療のための有利な周波数の帯域は、例えば、組織内の流体の移動を高めるには18〜20ヘルツが望ましく、また、21〜25ヘルツは、予備運動とウォーミングアップに用いることができ、間接及び節膜の強化の移動性を高めるには26〜28ヘルツが望ましく、更に29〜33ヘルツは、痛みを和らげることができる。
【0047】
また、適用可能な新しい実施形態を得るために異なる特性を持つ実施の形態を組み合わせてもよい。
【0048】
上記の例示的な実施形態に関する構造及び機能に関しては、説明の明瞭化のための比較的単純であることは当業者には明らかである。なお、本特許出願において提示され本発明の原理を活用するソリューションを用いて、本特許出願で提示されているモデルと異なるむしろ複雑なソリューションを構築することも可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 センサー(液体含有量測定用)
4 制御ユニット
5 表示部
6 センサー(治療中の強さ測定用)
7 ハンドル
8 低圧ホース
9 低圧ポンプ
10a、10b ローラー
11 低圧チャンバー
12 センサー(皮膚の持ち上げ量測定用)
13 フレーム
14 センサー(温度測定用)
15 バルブ
図1