特許第6067580号(P6067580)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6067580オキシム連結反応の放射性安定化におけるアニリンの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067580
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】オキシム連結反応の放射性安定化におけるアニリンの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 51/00 20060101AFI20170116BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20170116BHJP
【FI】
   A61K49/02 A
   A61K49/02 CZNA
   !C07B61/00 300
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-546219(P2013-546219)
(86)(22)【出願日】2011年12月15日
(65)【公表番号】特表2014-508126(P2014-508126A)
(43)【公表日】2014年4月3日
(86)【国際出願番号】US2011065036
(87)【国際公開番号】WO2012087725
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2014年12月2日
(31)【優先権主張番号】61/425,399
(32)【優先日】2010年12月21日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】305040710
【氏名又は名称】ジーイー・ヘルスケア・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】インジェル,トーグリム
(72)【発明者】
【氏名】オスボーン,ナイジェル
【審査官】 山村 祥子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−516894(JP,A)
【文献】 特表2004−509848(JP,A)
【文献】 特表2006−508084(JP,A)
【文献】 特開昭58−085823(JP,A)
【文献】 Proc Natl Acad Sci U S A.,2008年,Vol.105,No.35,p.13039-13044
【文献】 J.AM.CHEM.SOC.,2008年,Vol.130,p.9106-9112
【文献】 The Journal of Nuclear Medicine,2009年,Vol.50,p.116-122
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 51/00
CAplus/REGISTRY(STN)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結反応を放射性安定化するための放射性安定化剤としてアニリンを使用する方法であって、放射性標識アルデヒド(I)をアミノオキシ(II)とアニリン(III)の存在下で、2.8〜3.5の範囲内のpHで反応させてイミン−オキシ(IV)を形成する工程を含む方法。
【化1】
【請求項2】
前記放射性標識アルデヒド(I)が次式(VIII)の化合物である、請求項1記載の方法。
【化2】
式中、R1*は放射性標識有機又は生物学的部分である。
【請求項3】
前記放射性標識アルデヒドが[18F]パラベンズアルデヒドである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記アミノオキシ(II)が次式(IX)の化合物である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
R2−O−NH2 (IX)
式中、R2は有機又は生物学的部分である。
【請求項5】
前記アミノオキシ(II)が次式のものである、請求項4記載の方法。
【化3】
【請求項6】
前記放射性標識イミン−オキシが次式(X)の化合物である、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
【化4】
【請求項7】
連結反応を放射性安定化するための放射性安定化剤としてアニリンを使用する方法であって、アルデヒド(V)を放射性標識アミノオキシ(VI)とアニリン(III)の存在下で、2.8〜3.5の範囲内のpHで反応させてイミン−オキシ(VII)を形成する工程を含む方法。
【化5】
【請求項8】
前記アルデヒドが次式(XI)の化合物である、請求項7記載の方法。
【化6】
式中、R1は有機又は生物学的部分である。
【請求項9】
前記アルデヒドがベンズアルデヒドである、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記放射性標識アミノオキシが次式(XII)の化合物である、請求項7乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
2*−O−NH2 (XII)
式中、R2*は放射性標識有機又は生物学的部分である。
【請求項11】
前記放射性標識イミン−オキシが次式(XIII)の化合物である、請求項7乃至請求項10のいずれか1項記載の方法。
【化7】
【請求項12】
連結反応を放射性安定化するための放射性安定化剤としてアニリンを使用する方法であって、次式の放射性標識アルデヒド(VIII)をアミノオキシ(IX)とアニリン(III)の存在下で、2.8〜3.5の範囲内のpHで反応させてイミン−オキシ(X)を形成する工程を含む方法。
【化8】
式中、
1*は少なくとも1つの放射性同位体又は放射性核種で標識された有機又は生物学的部分であり、
2は有機又は生物学的部分である。
【請求項13】
前記アルデヒド(V)が以下の式のアルデヒド(XI)であり、前記放射性標識アミノオキシ(VI)が以下の式の放射性標識アミノオキシ(XII)であり、前記イミン−オキシ(VII)が以下の式のイミン−オキシ(XIII)である、請求項7記載の方法。
【化9】
式中、
2*は少なくとも1つの放射性同位体又は放射性核種で標識された有機又は生物学的部分であり、
1は有機又は生物学的部分である。
【請求項14】
前記アニリンが次式のもの、その塩若しくは誘導体又はこれらの混合物である、請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の方法。
【化10】
【請求項15】
前記アニリンをパラ−アミノ安息香酸又は放射性安定化剤と組み合わせて使用する、請求項14記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アニリンを用いてオキシム連結反応を放射性安定化すると共に触媒する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オキシム連結又はイミン形成におけるアニリンの使用は、全体の反応速度を増大する点で効果的であり、かつかかる反応がより低い酸性pH値で起こることを可能にすることが示されている(A.Dirksen,ら,“Nucleophilic Catalysis of Oxime Ligation,Angew.Chem.Int.Ed.2006,45,7581−7584 A.Dirksen,T.Hackeng及びP.Dawson)。しかし、かかる反応は非放射性標識化合物に限定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/117016号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下により詳細に記載するように、驚くべきことに、アニリンを使用して、放射性標識された反応物質のオキシム連結又はイミン形成反応を放射性安定化することができ、改善された反応動力学と顕著な放射性安定化という予想外の結果が得られることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、各々本明細書に記載されている以下の放射性標識アルデヒド(I)を以下のアミノオキシ(II)と以下のアニリン(III)の存在下で反応させて以下の放射性標識イミン−オキシ(IV)を形成する工程を含む放射性安定化する方法を提供する。
【0006】
【化1】
本発明はまた、各々本明細書に記載されている以下のアルデヒド(V)を以下の放射性標識アミノオキシ(VI)と以下のアニリン(III)の存在下で反応させて以下の放射性標識イミン−オキシ(VII)を形成する工程を含む放射性安定化する方法も提供する。
【0007】
【化2】
本発明はさらに、各々本明細書に記載されている以下の放射性標識アルデヒド(VIII)を以下のアミノオキシ(IX)と以下のアニリン(III)の存在下で反応させて以下の放射性標識イミン−オキシ(X)を形成する工程を含む放射性安定化する方法を提供する。
【0008】
【化3】
本発明はさらに、各々本明細書に記載されている以下のアルデヒド(XI)を以下の放射性標識アミノオキシ(XII)と以下のアニリン(III)の存在下で反応させて以下の放射性標識イミン−オキシ(XIII)を形成する工程を含む放射性安定化する方法を提供する。
【0009】
【化4】
【発明の効果】
【0010】
本発明の放射性安定化する方法においてアニリンを使用することによって、(i)高まった反応動力学と、驚くべきことに(ii)顕著な放射性安定化という2つの明確な利点が得られる。従って、本発明の放射性安定化する方法において使用するアニリンは予想外に触媒と放射性安定化剤の両方としての二元の機能性を示す。放射性安定化の増大によって、殊に高い放射能の、得られる放射性標識イミン−オキシの収率の増大が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
放射性標識アルデヒド
本発明の放射性安定化方法で使用される放射性標識アルデヒド(I)は、本明細書に記載されているアミノオキシと反応することができる、本明細書に記載されている少なくとも1種の放射性同位体で標識されたあらゆるアルデヒドであることができる。本発明の一実施形態では、放射性標識アルデヒドは次式(VIII)の化合物である。
【0012】
【化5】
式中、
1*は、あらゆる放射性標識された有機又は生物学的部分であることができる。本発明によると、放射性標識された有機又は生物学的部分は、各々本明細書に記載されている少なくとも1種の放射性同位体/放射性核種を含有する有機又は生物学的部分である。
【0013】
1*の放射性標識は、限定されることはないが米国特許出願公開第2008/0279771号(援用によりその全体が本明細書の内容の一部をなす)に記載されているイメージング部分を含めて当技術分野で公知のあらゆる放射性同位体又は放射性核種であることができる。好ましくは、放射性同位体又は放射性核種はイメージング(例えば、PET、SPECT)に適した放射性同位体/放射性核種である。一実施形態では、放射性核種はPETイメージングに適した放射性同位体である。より好ましくは、放射性核種は11C、13N、15O、68Ga、62Cu、18F、76Br、124I又は125Iであり、さらにより好ましくは、放射性核種は18Fである。一実施形態では、放射性核種はSPECTイメージングに適した放射性同位体である。より好ましくは、放射性核種は99mTc、111In、67Ga、201Tl、123I、又は133Xeであり、さらにより好ましくは、放射性核種は99mTc又は123Iである。
【0014】
本発明の一実施形態では、R1*はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、及びシクロアルキルから選択される放射性標識有機部分である。別の実施形態では、R1*はC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C5〜C20アリール、C3〜C20シクロアルキル、C5〜C20ヘテロシクリル、C5〜C20ヘテロアリール、又はC3〜C20シクロアルキル基から選択される放射性標識有機部分である。
【0015】
本発明の一実施形態では、R1*はアミノ酸、ペプチド、及びベクターから選択される放射性標識生物学的部分である。
【0016】
適切な放射性標識アルデヒドの例には、限定されることはないが、次式の[18F]−パラベンズアルデヒド、
【0017】
【化6】
並びに米国特許出願公開第2010/0068139号及び米国特許出願公開第2004/080492号(各々援用により本明細書の一部の内容の一部をなす)に記載されているものがある。本発明の一実施形態では、放射性標識アルデヒドは[18F]−パラベンズアルデヒドである。
【0018】
本明細書に記載されている放射性標識アルデヒドは、文献及び当技術分野で知られている方法によって製造することができる。
【0019】
アミノオキシ
本発明の放射性安定化方法で使用されるアミノオキシ(II)は、本明細書に記載されている放射性標識アルデヒドと反応することができるアミノ−オキシ部分(すなわち、−O−NH2)を含有するあらゆる化合物であることができる。本発明の一実施形態では、アミノオキシ(II)は次式(IX)の化合物である。
【0020】
R2−O−NH2 (IX)
式中、R2はあらゆる有機又は生物学的部分であることができる。本発明の一実施形態では、R2はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、及びシクロアルキルから選択される有機部分である。別の実施形態では、R2はC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C5〜C20アリール、C3〜C20シクロアルキル、C5〜C20ヘテロシクリル、C5〜C20ヘテロアリール、又はC3〜C20シクロアルキル基から選択される有機部分である。
【0021】
本発明の一実施形態では、R2はアミノ酸、ペプチド、及びベクターから選択される生物学的部分である。
【0022】
適切なアミノオキシ化合物の例には、限定されることはないが次式のFluciclatideペプチド前駆体
【0023】
【化7】
及び次式のcMETがある。
【0024】
【化8】
本明細書に記載されているアミノオキシは、文献及び当技術分野で知られている方法で製造することができる。
【0025】
アニリン
本発明の放射性安定化方法で使用されるアニリン(III)は、当技術分野で公知のあらゆるアニリンであることができ(例えば、Adam R. Blanden、ら、Bioconjugate Chem.、2011、22(10)、pp 1954−1961; Mikkel B. Thygesen、ら、J. Org. Chem.、2010、75(5)、pp 1752−1755)、例えば、市販されている次式のアニリン、
【0026】
【化9】
又はその塩(例えば、臭化物、塩化物、ヨウ化物、HBr、HCl、HI、トリフルオロ酢酸(TFA))又はその誘導体(例えば、4−メトキシアニリン、4−ニトロアニリン、2,6−ジメチルアニリン、重水素化アニリン誘導体(すなわち、少なくとも1つの水素が重水素で置き換えられているアニリン化合物)、ポリマーに結合したアニリン(例えば、Sigma−Aldrich製品番号第564761号参照))であることができる。アニリン誘導体は本発明の放射性安定化方法を実施するのに使用することができる任意のアニリン系化合物である。本発明の一実施形態では、本発明の放射性安定化方法で使用されるアニリン(III)はまた、本明細書に記載されているアニリン類の混合物(例えばアニリンとアニリン塩酸塩の混合物)であることもできる。
【0027】
本発明の一実施形態では、本発明の反応で使用するアニリン(III)はその市販のHCl塩形態である。
【0028】
【化10】
本発明の一実施形態では、アニリン(III)は単独で、又は市販のパラ−アミノ安息香酸(pABA)と組み合わせて使用することができる。
【0029】
本発明の一実施形態では、アニリン(III)は単独で、又は当技術分野で公知の他の放射性安定化剤と組み合わせて使用することができる。中性又は塩基性のpH条件を必要とする適切な放射性安定化剤の例には、限定されることはないが、p−アミノ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、トコフェロール、ヒドロキノン、ジ−t−ブチルフェノール、及びジ−t−ブチル化ヒドロキシトルエン)がある。脱プロトン化を必要としない放射性安定化剤も使用することができる。公知のラジカルトラップの例として、限定されることはないが、ガルビノキシル(2,6−ジ−tert−ブチル−α−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−オキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン)−p−トリルオキシ、フリーラジカル、Sigma−Aldrichから市販)、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシド)、DPPH(ジフェニルピクリルヒドラジル)、1,2−ジフェニルエチレン、ベータ−カロチン、及びDMPO(5,5−ジメチル−1−ピロリン−1−オキシド)がある。
【0030】
pH
本発明の放射性安定化方法は約1.0〜7.0のpHで実施することができる。本発明の一実施形態では、pH範囲は約2.0〜5.0である。本発明の一実施形態では、pH範囲は約2.8〜4.2である。本発明の一実施形態では、pH範囲は約2.8〜3.5である。
【0031】
放射性標識イミン−オキシ(IV)
本発明の放射性安定化方法の放射性標識イミン−オキシ(IV)は、各々本明細書に記載されている放射性標識アルデヒド(I)とアミノオキシ(II)とのアニリン(III)の存在下における所定のpHでのオキシム連結反応生成物である。
【0032】
本発明の一実施形態では、放射性標識イミン−オキシは次式(X)の化合物である。
【0033】
【化11】
式中、R2及びR1*は各々本明細書に記載されている通りである。
【0034】
アルデヒド
本発明の放射性安定化方法で使用されるアルデヒド(V)、本明細書に記載されている放射性標識アミノオキシと反応することができる当技術分野で公知のあらゆるアルデヒドであることができる。本発明の一実施形態では、アルデヒドは次式(XI)の化合物である。
【0035】
【化12】
式中、R1はあらゆる有機又は生物学的部分であることができる。
【0036】
本発明の一実施形態では、R1はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、及びシクロアルキルから選択される有機部分である。別の実施形態では、R1はC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C5〜C20アリール、C3〜C20シクロアルキル、C5〜C20ヘテロシクリル、C5〜C20ヘテロアリール、又はC3〜C20シクロアルキル基から選択される有機部分である。
【0037】
本発明の一実施形態では、R1はアミノ酸、ペプチド、及びベクターから選択される生物学的部分である。
【0038】
適切なアルデヒドの例には、限定されることはないが、次式のベンズアルデヒドがある。
【0039】
【化13】
本明細書に記載されているアルデヒドは市販されているか、又は文献及び当技術分野で知られている方法によって製造することができる。
【0040】
放射性標識アミノオキシ
本発明の放射性安定化方法で使用される放射性標識アミノオキシ(VI)は、本明細書に記載されている少なくとも1つの放射性同位体を含有する本明細書に記載されているあらゆるアミノオキシ化合物であることができる。本発明の一実施形態では、放射性標識アミノオキシ(VI)は次式(XII)の化合物である。
【0041】
2*−O−NH2 (XII)
式中、R2*はあらゆる放射性標識有機又は生物学的部分であることができ、ここで放射性標識有機又は生物学的部分は各々本明細書に記載されている少なくとも1つの放射性同位体/放射性核種を含有する有機又は生物学的部分である。
【0042】
2*の放射性標識は、限定されることはないが米国特許出願公開第2008/0279771号(援用によりその全体が本明細書の内容の一部をなす)に記載されているイメージング部分を含めて当技術分野で公知のあらゆる放射性同位体又は放射性核種であることができる。好ましくは、放射性同位体又は放射性核種はイメージング(例えば、PET、SPECT)に適した放射性同位体/放射性核種である。一実施形態では、放射性核種はPETイメージングに適した放射性同位体である。さらにより好ましくは、放射性核種は11C、13N、15O、68Ga、62Cu、18F、76Br、124I又は125Iであり、さらにより好ましくは、放射性核種は18Fである。一実施形態では、放射性核種はSPECTイメージングに適した放射性同位体である。さらにより好ましくは、放射性核種は99mTc、111In、67Ga、201Tl、123I又は133Xeであり、さらにより好ましくは、放射性核種は99mTc又は123Iである。
【0043】
本明細書に記載されている放射性標識アミノオキシは、文献及び当技術分野で知られている方法により製造することができる。
【0044】
放射性標識イミン−オキシ(VII)
本発明の放射性安定化方法の放射性標識イミン−オキシ(VII)は、所定のpHでの各々本明細書に記載されているアニリン(III)の存在下におけるアルデヒド(V)と放射性標識アミノオキシ(VI)のオキシム連結反応生成物である。
【0045】
本発明の一実施形態では、放射性標識イミン−オキシは次式(XIII)の化合物である。
【0046】
【化14】
式中、R1及びR2*は各々本明細書に記載されている通りである。
【0047】
一実施形態では、本発明の放射性安定化方法は自動放射性合成装置を用いて自動化される。TRACERlab(商標)及びFASTlab(商標)(いずれもGeneral Electric Companyの一部門であるGE Healthcareから市販されている)を含めて、かかる装置の市販の例が幾つかある。かかる装置は一般に、放射性合成を実行するために装置に嵌め込まれて放射化学が行われる、使い捨て式であることが多い「カセット」を含んでいる。カセットは通常、流体通路、反応容器、及び試薬バイアルを受容する口並びに放射性合成後のクリーンアップ工程で使用される固相抽出カートリッジを含む。従って、本発明は、本発明の自動化された放射性安定化方法のためのカセットを提供する。
【実施例】
【0048】
実施例1 Fluciclatideの放射性安定化されたコンジュゲーション反応
アニリンの存在下で様々なpH範囲において4−[18F]フルオロベンズアルデヒドをアミノオキシ、すなわち以下の式のAH111695(fluciclatideペプチド前駆体)と反応させてfluciclatideを得た。
【0049】
【化15】
反応の放射化学結果を図1に示す。
【0050】
以下の図1は、FASTlabでの粗fluciclatideの生成の結果を示す。菱形は、放射性安定化されてないコンジュゲーション反応(すなわち、アニリンもpABAも存在しない)であり、明らかに出発活性の量と未補正収率との間の直線関係を示す。三角形は、放射性安定化されたコンジュゲーション反応条件下におけるFASTlabでの粗Fluciclatideの生成の結果を示す。すなわち、pH6.1でpABAをコンジュゲーション反応に添加すると未補正収率がおよそ50%増大し、空気の存在はコンジュゲーションをさらに安定化するのに役立った。pHをおよそ1pH単位下げると収率がさらに5%上昇し、さらにアニリンを添加すると同様な量RCPが改善された。
【0051】
図1は、明らかに、fluciclatideペプチド前駆体と[18F]フルオロベンズアルデヒドとのコンジュゲーション反応に対するアニリンの放射性安定化効果を示している。菱形の(放射性安定化されてない)点は放射性安定化剤が存在しない場合の反応の未補正収率%の明らかな相関を示している。しかし、三角形の点(放射性安定化)は明らかに放射性安定化剤を用いることの劇的な効果を示している。
【0052】
図1:Fluciclatideのコンジュゲーション反応の放射性安定化
pH5.0の10mgのアニリン塩酸塩又は同じpHの10mgのアニリンとアニリン塩酸塩の混合物の存在は、未補正収率%の劇的な改善を示す。しかし、放射性安定化剤のパラアミノ安息香酸の存在は、これがコンジュゲーション反応の放射性安定化の部分的な原因であることを排除しない。しかし、空気の存在下又は不在下でp−アミノ安息香酸を全て除去すると未補正収率%の劇的なシフトが生じ、前記結果がpABAの存在の効果よりもアニリン自体の存在の結果であることが立証される。
図1
比較例1.Fluciclatideの非放射性安定化コンジュゲーション反応
以下のグラフは、fluciclatideペプチド前駆体と[18F]フルオロベンズアルデヒドとの非放射性安定化反応における収率とRCP%との強い相関を示す。これらのデータの回帰分析により、原点を通る直線が引かれた。明らかに、収率はfluciclatideのRCP%と直接相関しており、観察された変化を説明するのに他の重大な要因は必要とされない。
図2
実施例2
5mgのfluciclatideペプチド前駆体を水中の1.7mlのアニリン塩酸塩(10mg/ml)に加え、[18F]フルオロベンズアルデヒドを含有する1.15mlのエタノールを加える。反応を60℃で5分進行させる。
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]