特許第6067713号(P6067713)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フェイスブック,インク.の特許一覧

特許6067713ソーシャル・ネットワーキング・システムを通じて伝搬される通信の効果の理解
<>
  • 特許6067713-ソーシャル・ネットワーキング・システムを通じて伝搬される通信の効果の理解 図000002
  • 特許6067713-ソーシャル・ネットワーキング・システムを通じて伝搬される通信の効果の理解 図000003
  • 特許6067713-ソーシャル・ネットワーキング・システムを通じて伝搬される通信の効果の理解 図000004
  • 特許6067713-ソーシャル・ネットワーキング・システムを通じて伝搬される通信の効果の理解 図000005
  • 特許6067713-ソーシャル・ネットワーキング・システムを通じて伝搬される通信の効果の理解 図000006
  • 特許6067713-ソーシャル・ネットワーキング・システムを通じて伝搬される通信の効果の理解 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067713
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】ソーシャル・ネットワーキング・システムを通じて伝搬される通信の効果の理解
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20120101AFI20170116BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20170116BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   G06Q50/00 300
   G06Q30/02 382
   G06F13/00 540R
   G06F13/00 540P
【請求項の数】17
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-529721(P2014-529721)
(86)(22)【出願日】2012年8月8日
(65)【公表番号】特表2014-531649(P2014-531649A)
(43)【公表日】2014年11月27日
(86)【国際出願番号】US2012050033
(87)【国際公開番号】WO2013036343
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2015年7月27日
(31)【優先権主張番号】13/229,515
(32)【優先日】2011年9月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508178054
【氏名又は名称】フェイスブック,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】リヤナゲ、ジャナカ
(72)【発明者】
【氏名】バワーズ、ネビル
(72)【発明者】
【氏名】キング、アルド アイバン
(72)【発明者】
【氏名】ボーラ、アミ
(72)【発明者】
【氏名】グロス−ベーサー、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ、ウェンルイ
【審査官】 山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0182589(US,A1)
【文献】 特表2011−503701(JP,A)
【文献】 特表2010−537323(JP,A)
【文献】 特開2008−176570(JP,A)
【文献】 特開2008−146655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーシャル・ネットワーキング・システム内のオブジェクトに対してユーザによって実行されたアクションに関する帰属情報を求める要求を受信する工程と、
前記アクションの前の所定の期間内に前記ユーザに提供された複数の広告インプレッションであって、前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対応している複数の広告インプレッションを収集する工程と、
プロセッサが、帰属得点モデルに基づいて前記複数の広告インプレッションのうちの各々を得点付けする工程であって、前記帰属得点モデルは、得点付けされる前記広告インプレッションによって前記ユーザによって実行されるアクションが引き起こされる確率に基づいて各広告インプレッションに対して帰属値を計算する、得点付け工程と、
少なくとも部分的に前記得点付け工程に基づいて前記複数の広告インプレッションのうち1つの広告インプレッションを選択する、広告インプレッション選択工程と、
前記複数の広告インプレッションうちの広告インプレッションの識別子によって、前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションにラベル付けを行う工程と、
ラベル付けされた前記アクションを選択された広告インプレッションとともに、前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの別のユーザに表示するために提供する工程と、からなる方法。
【請求項2】
前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションは、前記ソーシャル・ネットワーキング・システムのページに関心を提示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションは、前記ソーシャル・ネットワーキング・システム上にアプリケーションをインストールすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションは、オープンなカスタム・グラフ・アクションを実行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションは、前記オブジェクトによって表現される物理的ロケーションにチェック・インすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションは、前記ソーシャル・ネットワーキング・システム上の別のユーザと対話することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションは、前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの他のユーザによる閲覧用のコンテンツを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記広告インプレッション選択工程は、
所定の規則および重み付け因子に基づいて該帰属得点モデルを定義すること、
前記複数の広告インプレッションの特性に基づいて前記複数の広告インプレッションの各々についての得点を求めること、
前記複数の広告インプレッションの得点に基づいて該複数の広告インプレッションのうち前記1つの広告インプレッションを選択すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
サーバシステムによって実行されるように構成される1以上のプログラムを記憶している非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記1以上のプログラムは、
ソーシャル・ネットワーキング・システム内のオブジェクトに対してユーザによって実行されたアクションに関する帰属情報を求める要求を受信する工程と、
前記アクションの前の所定の期間内に前記ユーザに提供された複数の広告インプレッションであって、前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対応している前記複数の広告インプレッションを収集する工程と、
プロセッサが、帰属得点モデルに基づいて前記複数の広告インプレッションのうちの各々を得点付けする工程であって、前記帰属得点モデルは、得点付けされる前記広告インプレッションによって前記ユーザによって実行されるアクションが引き起こされる確率に基づいて各広告インプレッションに対して帰属値を計算する、得点付け工程と、
少なくとも部分的に前記得点付け工程に基づいて前記複数の広告インプレッションのうち1つの広告インプレッションを選択する、広告インプレッション選択工程と、
前記複数の広告インプレッションうちの広告インプレッションの識別子によって、前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションにラベル付けを行う工程と、
ラベル付けされた前記アクションを選択された広告インプレッションとともに、前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの別のユーザに表示するために提供する工程と、を行う命令を含む、記憶媒体。
【請求項10】
前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションは、前記ソーシャル・ネットワーキング・システムのページに関心を提示することを含む、請求項9に記載の記憶媒体。
【請求項11】
前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションは、前記ソーシャル・ネットワーキング・システム上にアプリケーションをインストールすることを含む、請求項9に記載の記憶媒体。
【請求項12】
前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユー
ザによって実行された前記アクションは、オープンなカスタム・グラフ・アクションを実行することを含む、請求項9に記載の記憶媒体。
【請求項13】
前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションは、前記オブジェクトによって表現される物理的ロケーションにチェック・インすることを含む、請求項9に記載の記憶媒体。
【請求項14】
前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションは、前記ソーシャル・ネットワーキング・システム上の別のユーザと対話することを含む、請求項9に記載の記憶媒体。
【請求項15】
前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションは、前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの他のユーザによる閲覧用のコンテンツを生成することを含む、請求項9に記載の記憶媒体。
【請求項16】
前記広告インプレッション選択工程は、
所定の規則および重み付け因子に基づいて該帰属得点モデルを定義すること、
前記複数の広告インプレッションの特性に基づいて前記複数の広告インプレッションの各々についての得点を求めること、
前記複数の広告インプレッションの得点付け工程に基づいて該複数の広告インプレッションのうち前記1つの広告インプレッションを選択すること、をさらに含む、請求項9に記載の記憶媒体。
【請求項17】
コンピュータ・プロセッサと、
メモリと、を備えるシステムであって、
前記システムは、
ソーシャル・ネットワーキング・システム内のオブジェクトに対してユーザによって実行されたアクションに関する帰属情報を求める要求を受信する工程のためのアクション・ロガーであって、前記アクション・ロガーは、さらに前記アクションの前の所定の期間内に前記ユーザに提供された少なくとも1つの広告であって、前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対応している前記少なくとも1つの広告インプレッションを収集する工程のために構成されている、アクション・ロガーと、
帰属得点モデルに基づいて前記複数の広告インプレッションのうちの各々を得点付けする、得点付け工程のための帰属モジュールであって、前記帰属得点モデルは、得点付けされる前記広告インプレッションによって前記ユーザによって実行されるアクションが引き起こされる確率に基づいて各広告インプレッションに対して帰属値を計算し、前記帰属モジュールはさらに、少なくとも部分的に前記得点付け工程に基づいて該複数の広告インプレッションのうち1つの広告インプレッションを選択する、広告インプレッション選択工程、および、前記複数の広告インプレッションうちの広告インプレッションの識別子によって、前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内の前記オブジェクトに対して前記ユーザによって実行された前記アクションにラベル付けを行う工程のために構成されている、帰属モジュールと、
ラベル付けされた前記アクションを選択された広告インプレッションとともに、前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの別のユーザに表示するために提供する工程のためのウェブ・サーバと、を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してソーシャル・ネットワーキングに関し、特に、ソーシャル・ネットワーキング・システム内の通信の効果の追跡に関する。
【背景技術】
【0002】
道路脇の広告掲示板ならびにテレビおよびラジオの一般的なコマーシャルから、従来のディスプレイ広告主が広告インプレッションのダウンストリーム効果を測定する術はなかった。こうした情報は、広告主にとって、より多くのコンバージョン等、より良いダウンストリーム効果を生み出す広告に自分たちの広告予算を費やすために有用となり得る。しかし、この広告媒体の戦略は、消費者をできるだけ多くのブランド・インプレッション(印象)であふれさせることであった。これは無駄な広告費を生じさせる。
【0003】
ユーザのブラウザ内のトラッキング・クッキーが潜在顧客の追跡を可能にしたおかげで、オンライン・ディスプレイ広告は従来のディスプレイ広告を上回るほど進歩した。例えば、ユーザが最初のウェブ検索からインターネットをブラウズするに際し、トラッキング・クッキーが、ユーザに表示された広告、ならびに広告またはスポンサー付き検索結果のクリック・スルー等の情報であって、ユーザによって行われた直接アクションに関する情報を記録することができる。しかし、クリック・スルー挙動を追跡するこの方法は、何がユーザにクリックを実行させたのかについて、限られた視点しか提示しない。アクションは、ユーザがクリックを実行した広告に帰属され得るのみである。提示された広告のコンテンツに関するウェブサイトの閲覧等の、その他のアクションは広告に帰属し得ない。
【0004】
近年、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザは、写真を共有すること、リアルタイム状況更新、およびソーシャル・ゲームをすることによって、自分たちの関心を共有し、ソーシャル・ネットワーキング・システムの他のユーザと関わっている。ユーザから収集される情報−ソーシャル・ネットワーキング・システムの他のユーザと共有されるニュース記事、ビデオ、写真、およびゲーム成績に関する情報−の量は膨大である。ソーシャル・ネットワーキング・システムに投稿されたあるコンテンツは、ユーザがそのコンテンツをソーシャル・ネットワーキング・システムの他のユーザと共有する傾向がより強くなるという意味で、「バイラル(viral)」になる場合がある。ソーシャル・ネットワーキング・システムは、コンテンツ・アイテムの「バイラリティ(virality)」、および広告主にとってソーシャル・メディア広告キャンペーンの計画に有用となり得るその他の指標を測定するツールを欠いていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特に、ソーシャル・ネットワーキング・システムは、ユーザに対するコンテンツ・インプレッションの効果を追跡することができなかった。ユーザがブランド・ページと関わること、外部ウェブサイトへクリック・スルーすること、ブランドに関連付けられる物理的ロケーションにチェック・インすること等、ダウンストリーム効果を決定する機構は作成されていなかった。広告主およびソーシャル・ネットワーキング・システムの管理者は、基準を定めより関連性の高いコンテンツをユーザに提供するために、ユーザに提示されたコンテンツのこれらのダウンストリーム効果を知ることから恩恵を受けるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに伝搬されるコンテンツ通信の効果
がソーシャル・ネットワーキング・システムによって追跡され、測定され得る。ユーザによって実行されたアクションの前の所定の期間内にユーザに提示されたコンテンツの識別子が、アクションに関連付けられる第1ラベル・オブジェクト内に記録される。ユーザによって実行されたアクションは、他のユーザに提示される新たなコンテンツを生成する。新たなコンテンツの識別子および第1ラベル・オブジェクトの識別子が、新たなコンテンツを閲覧した後に他のユーザによって実行されたアクションに関連付けられる新たなラベル・オブジェクト内に記録される。ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザによって実行されたアクションに関連付けられる、バイラリティ、リーチなどのラベル・オブジェクトを分析し、特定のコンテンツ・アイテムを共有するユーザを特定することによって、種々の指標が決定され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本発明の一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システム内で伝搬されているコンテンツ・インプレッションを追跡するプロセスを示すブロック図。
図1B】本発明の一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザによって実行されたアクションをコンテンツ・インプレッションに帰属させるプロセスを示すブロック図。
図2】本発明の一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システムのブロック図を示す、ソーシャル・ネットワーキング・システム内で伝搬される通信の効果を追跡するシステムのネットワーク図。
図3】本発明の一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザによって実行されたアクションを、そのアクションの前にユーザに提供されるコンテンツにラベル付けするプロセスのフローチャート。
図4】本発明の一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザによって実行されたアクションを、そのアクションの前にユーザに以前に提供されたコンテンツ・アイテムに帰属させるプロセスのフローチャート。
図5】本発明の一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システム内のコンテンツおよびユーザの指標を求めるための種々のモジュールを含む指標分析モジュールを示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図は、本発明の種々の実施形態を単に例示の目的のために示している。当業者は、本明細書に記載されている本発明の原理から逸脱することなく、本明細書に示されている構造および方法の代替実施形態が利用されてよいことを以下の説明から容易に認識するであろう。
【0009】
概説
ソーシャル・ネットワーキング・システムは、そのユーザに、ソーシャル・ネットワーキング・システムの他のユーザと通信し、対話する能力を提供する。ユーザは、ソーシャル・ネットワーキング・システムに加入し、つながりになりたいと思う多数の他のユーザとのつながりを追加する。ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザは、ユーザ・プロフィールとして記憶される自己紹介情報を提供することができる。例えば、ユーザは、自分の年齢、性別、地理的ロケーション、学歴、職歴および同様のものを提供することができる。ユーザによって提供された情報は、情報をユーザに向けるためにソーシャル・ネットワーキング・システムによって利用されてよい。例えば、ソーシャル・ネットワーキング・システムは、ソーシャル・グループ、イベント、共有コンテンツ・アイテム、および潜在的な友達をユーザに勧めてよい。ソーシャル・ネットワーキング・システムは、広告をユーザに向けるためにユーザ・プロフィール情報を利用し、関連性のある広告のみがユーザに向けられることを確実にしてもよい。広告を無視する可能性が高いユーザに減り続ける資源を無駄に費やすのではなく、関連性のある広告により自分たちの意図する
受け手に確実に広告費を到達させる。
【0010】
ユーザによって宣言される情報に加えて、ソーシャル・ネットワーキング・システムは、ソーシャル・ネットワーキング・システム上におけるユーザのアクションを記録してもよい。これらのアクションとして、他のユーザとの通信、写真の共有、ソーシャル・ネットワーキング・システム上で動作するソーシャル・ゲーム・アプリケーション等のアプリケーションとの対話、ポーリングに対する応答、関心の追加、および従業者ネットワークへの加入が挙げられる。ソーシャル・ネットワーキング・システムは、そのユーザによってアクセスされる外部ウェブサイト・データを取り込むこともできてよい。この外部ウェブサイト・データは、頻繁に閲覧されているウェブサイト、選択されたリンク、およびその他のブラウジング・データを含んでよい。ユーザの挙動に基づく、特定のユーザおよびアプリケーションに対する、他のものよりも強い関心等の情報であって、ユーザに関する情報を、これらの記録されたアクションから、ソーシャル・ネットワーキング・システムによる分析および機械学習を通じて生成することができる。
【0011】
ソーシャル・グラフは、ソーシャル・ネットワーキング・システム上に記憶されたエッジによって接続されるノードを含む。ノードは、ソーシャル・ネットワーキング・システムの、ユーザ、ならびにコンセプトおよびエンティティを具体化するウェブ・ページ等のオブジェクトを含み、エッジがノード同士を接続する。エッジは、ユーザが、他のユーザによって共有された「アメリカズカップ」に関するニュース記事に関心を示した時などに、2つのノード間の特定の対話を表す。ソーシャル・グラフは、これらの対話を表すノードおよびエッジ内の情報を記憶することによって、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザ間の対話、ならびにソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザとオブジェクトとの間の対話を記録してよい。グラフ・オブジェクトおよびグラフ・アクションの属性を定義するために、カスタム・グラフ・オブジェクト・タイプおよびグラフ・アクション・タイプが、サード・パーティ開発者、およびソーシャル・ネットワーキング・システムの管理者によって定義されてよい。例えば、映画のためのグラフ・オブジェクトは、タイトル、俳優、監督、プロデューサ、年、および同様のもの等のオブジェクト・プロパティであって、いくつかの定義されたオブジェクト・プロパティを有してよい。「購入」等のグラフ・アクションは、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザによって実行されたカスタム・アクションを報告するために、ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のウェブサイト上のサード・パーティ開発者によって利用されてよい。このように、ソーシャル・グラフは「オープン」であってよく、サード・パーティ開発者が外部ウェブサイト上のカスタム・グラフ・オブジェクトおよびアクションを作成して使用することを可能にする。
【0012】
サード・パーティ開発者は、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザが、ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のウェブサイト上でホストされたウェブ・ページに関心を示すことを可能にしてよい。これらのウェブ・ページは、iFrameなどのページ・オブジェクトであって、ウィジェット、ソーシャル・プラグイン、プログラマブル・ロジックまたはコード・スニペットをウェブ・ページ内に埋め込んだ結果、ソーシャル・ネットワーキング・システム内のページ・オブジェクトとして表現されてよい。ウェブ・ページ内で具体化することができる任意のコンセプトが、このようにソーシャル・ネットワーキング・システム上のソーシャル・グラフ内のノードになってよい。その結果、ユーザは、「ジャスティン・ビーバー」等のキーワードまたはキーワード・フレーズに関するオブジェクトであって、ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部の多くのオブジェクトと対話し得る。オブジェクトとの対話の各々が、ソーシャル・ネットワーキング・システムによってエッジとして記録されてよい。カスタム・オブジェクト・タイプおよびカスタム・アクション・タイプをサード・パーティ開発者が定義することを可能にすることが、「Structured Objects and Actions o
n a Social Networking System」、米国特許出願にさらに記載されている。同文献は本願明細書に援用される。
【0013】
写真、ビデオ、テキスト状況更新、ウェブサイトへのリンク、ならびにソーシャル・ネットワーキング・システムの内部および外部のユーザ・アクション等のユーザ生成コンテンツが、ユーザによってソーシャル・ネットワーキング・システムの他のユーザと共有されてよい。その結果、一部のコンテンツ・アイテムがソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザの間で繰り返し共有され得る。これらの「バイラル」コンテンツ・アイテムは、任意の種類のユーザ生成コンテンツ、およびソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザによって共有された広告を含んでよい。コンテンツ・アイテムは、ユーザがそのコンテンツ・アイテムを共有する傾向が他のコンテンツ・アイテムよりも強いという意味で、「バイラル」となり得る。一実施形態では、コンテンツ・アイテムの「バイラリティ」は、コンテンツ・アイテムがその他のコンテンツ・アイテムと比べて所与の期間内にどの程度の頻度でユーザに露出されたのかについての尺度として求められてよい。従来通り、コンテンツ・アイテムのバイラリティは、コンテンツ・アイテムの分布、および所与の期間内のコンテンツ拡散のパターンを観察することによって求められてよい。
【0014】
コンテンツ・アイテムは、ソーシャル・ネットワーキング・システム内のオブジェクトに対して所与のアクションを実行するようにユーザに働きかけてよく、その所与のアクションは、例えば、ソーシャル・ネットワーキング・システム上のページで「いいね」をクリックすること(liking)であり、この結果、ソーシャル・ネットワーキング・システム上のユーザとページとの間のつながりの生成を生じさせ、コンテンツ・アイテムをソーシャル・ネットワーキング・システムの他のユーザと共有し、およびコンテンツ・アイテムにコメントすることになる。ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザによって実行されたそれぞれのアクションは、新たなコンテンツ・アイテムとしてソーシャル・ネットワーキング・システム上で公開されてよい。これらの新たなコンテンツ・アイテムは、そのコンテンツ・アイテムが、ユーザによって実行されたアクションを説明するという意味で、「ストーリー」と呼ばれ得る。その結果、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザによって実行されたアクションを、そのアクションを実行する前にユーザに提示されたコンテンツ・アイテムに帰属させ得る。従来の媒体では、ユーザに提示されたコンテンツ(靴の広告等)へのアクションの帰属を決定することができなかった。しかし、今では、ソーシャル・ネットワーキング・システムが、アクションの前にユーザに提示されたコンテンツ・アイテムの識別子にアクションをラベル付けすることによって、アクションが広告等の特定のコンテンツ・アイテムに帰属され得るのか否かを決定してもよい。
【0015】
ソーシャル・ネットワーキング・システム上のユーザ・アクションの原因を追跡する際に集められる膨大な量のデータを整理するには、かなりの資源が投じられなければならない。例えば、何億人ものユーザを有するソーシャル・ネットワーキング・システムは、そのユーザに関する膨大な量の情報を収集し、推論する。スケーラビリティ、およびコンピューティング資源を効率良く投ずる課題に対処するために、ソーシャル・ネットワーキング・システムは、大規模なデータベースを処理するための効率的な機構を利用してよい。
【0016】
ユーザはどのようにして所定のアクションを実行するように影響を受けたのか、およびどのようなコンテンツ・アイテムがそれらのユーザに提示されたのかに関する信頼性の高い情報は、ソーシャル・ネットワーキング・システムの管理者にとって価値がある。なぜなら、この情報は、一実施形態では、広告を価格決定するために利用され得るからである。例えば、広告の価格決定は、ダウンストリームのユーザに与えられたインプレッションの数に基づく指標に依存し得る。ユーザが広告と対話するであろう確率、広告に関連付けられるロケーションにチェック・インするであろう確率、および広告に関連付けられるソ
ーシャル・ネットワーキング・システム上のページに関心を示すであろう確率等のその他の指標が、ユーザに提示されたコンテンツ・アイテム・インプレッションに関して収集された情報から求められてよい。これらの確率は、ユーザによって実行されたアクションの前にユーザに提示されたコンテンツ・アイテムの追跡から収集されたデータに基づいて求められてよい。こうした情報は、ブランドとの関わりの増加、および広告に関連付けられる物理的ロケーションにユーザを連れて来ること等の有益な成果をもたらす上で、インプレッションがどの程度効果があったのかについて、より良い理解を広告主に提供するであろう。
【0017】
ソーシャル・ネットワーキング・システム上に投稿された広告またはコンテンツ・アイテム等のうちどのコンテンツ・インプレッションがユーザ・アクションを生じさせたのかの帰属は、種々の方法によって決定されてよい。一実施形態では、ユーザ・アクションに関連する、ユーザに与えられた最後のインプレッションが、そのユーザ・アクションについての帰属コンテンツ・アイテム・インプレッションとされてよい。別の実施形態では、ユーザがアクションを実行することに結びついたインプレッションであって、ユーザに与えられた最初のインプレッションが、ユーザ・アクションを生じさせたコンテンツ・アイテム・インプレッションとして帰属されてよい。ユーザ・アクションの原因をコンテンツ・インプレッションに帰属させる際には、機械学習、ヒューリスティック分析、および統計分析が用いられてよい。
【0018】
図1Aは、一実施形態における、ソーシャル・ネットワーキング・システム内で伝搬されているコンテンツ・インプレッションを追跡するプロセスのブロック図を示す。この図では、ページ投稿102等の通信のダウンストリーム効果が示されている。ソーシャル・ネットワーキング・システム100のユーザは、ソーシャル・ネットワーキング・システム100を利用して、1つまたは複数のオブジェクトに関連付けられるアクションを行ってよい。ソーシャル・ネットワーキング・システム上では、写真アルバムにコメントすること、ユーザ間の通信、ミュージシャンのファンになること、およびカレンダーにイベントを追加することを含む、さまざまな種類の対話が行われてよい。ユーザは、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上の広告、およびソーシャル・ネットワーキング・システム100上で動作するその他のアプリケーションによってアクションを実行してもよい。これらのアクションは、ソーシャル・ネットワーキング・システム100内の通信として、フィード104、ページ・ウォール106、およびスポンサーによるストーリー124を含む、異なる通信チャネルを通じて公開されてよい。コンテンツ・インプレッションの合計リーチを算出するべくコンテンツ・インプレッションを追跡する目的のために、スポンサーによるストーリーとの対話はカウントが容易である。なぜなら、これらのコンテンツ・インプレッションは広告主によって代価を支払われているからである。フィード104およびページ・ウォール106を通じて提示される通信は、ユーザが、ユーザ・アクションを含む、コンテンツ・アイテムを他のユーザと共有することを可能にする組織のディストリビューション・ポイント(配布点)を表す。
【0019】
第1世代の通信では、ユーザ110は、ページ投稿102に関連付けられるページに以前に接続したことがあるのか否か、またはユーザ110が、ページに関連付けられるページ・ウォール106を自主的に閲覧したのか否かに依存して、これらの通信チャネルを通じて通信されるページ投稿102がユーザ110に到達してよい。ページ投稿102を閲覧した後、ユーザ110は、ページ投稿102にコメントすること、ページ投稿102を他のユーザと共有すること、ページ投稿102に関連付けられるページに関心を示すこと、ページ投稿102に関連付けられるページに関連付けられるカスタム・アクションを実行すること、ページ投稿102内のリンクをクリックすること、ページ投稿102に関連付けられるロケーションにチェック・インすること、およびさらには、ページ投稿102と関連のないアクションを実行すること等のユーザ・アクション108を実行してよい。
ユーザ110によって実行されたユーザ・アクション108の種類にかかわらず、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、ユーザ・アクション108の前にユーザ110に提供されたコンテンツの識別子を追跡してよい。ここでは、トラッキング・コンテンツはページ投稿102を含む。トラッキング・コンテンツは、ユーザ・アクション108に関連付けられたラベルとして記憶されてよい。
【0020】
第2世代の通信では、ユーザ110によって実行されたユーザ・アクション108が、フィード112、ユーザ110に関連付けられるプロフィール114、およびスポンサーによるストーリー126を含む、種々の通信チャネル内で公開されてよい。フィード112は、ユーザ110によって行われる通信を含む通信のストリームを含む。例えば、ユーザ110とつながりになっているユーザ118は、ユーザ118がユーザ110とつながっているため、ユーザ・アクション108をフィード112内のコンテンツ・アイテムとして受信できる。ユーザ110に関連付けられるプロフィール114は、ユーザ110によってソーシャル・ネットワーキング・システム100上で行われた通信を含んでよい。ユーザ118は、別の例では、ユーザ110とつながっていなくてもよく、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上で公開されている情報をブラウズすることによって、ユーザ110に関連付けられるプロフィール114上のユーザ・アクション108を閲覧することができる。第1世代の通信が第2世代の通信に影響を与えている。すなわち、ページ投稿102がユーザ・アクション108を生じさせ、それが次にユーザ118に通信された。
【0021】
次に、ユーザ118は、ユーザ・アクション108にコメントすること、ユーザ・アクション108を共有すること、およびユーザ・アクション108に関心を表明すること等のユーザ・アクション116を実行してよい。ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、ユーザ・アクション116の前にユーザ118に提供されたコンテンツの識別子を再び追跡してよい。ここでは、トラッキング・コンテンツはユーザ・アクション108を含む。ユーザ・アクション116に関連付けられるトラッキング・コンテンツは、ユーザ・アクション108、およびユーザ・アクション108に関連付けられるラベルを含む。このトラッキング・コンテンツは、ユーザ・アクション116に関連付けられるラベル内に記憶される。
【0022】
第3世代の通信では、ユーザ・アクション116が、フィード120、ユーザ118に関連付けられるプロフィール122内の通信として、およびソーシャル・ネットワーキング・システム100内のスポンサーによるストーリー128として公開されてよい。ユーザ130がユーザ・アクション116をコンテンツ・インプレッションとして閲覧し、その後、ユーザ・アクション116に関連してもよいしまたは関連しなくてもよいユーザ・アクション132を実行してよい。ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、ユーザ・アクション132の前にユーザ130に提供されたコンテンツを追跡してよい。このトラッキング・コンテンツは、ユーザ・アクション116、およびユーザ・アクション116に関連付けられるラベルを含み、ユーザ・アクション132に関連付けられるラベル内に記憶される。
【0023】
ユーザ・アクションに関連付けられるラベルの参照性の特質により、第1、第2、および第3世代内のユーザ・アクションについてのトラッキング・コンテンツがアクセスされてよく、それにより、第3世代の通信内で生じたユーザ・アクション132が第1世代の通信内のページ投稿102に帰属され得るようになってよい。したがって、ユーザ・アクション132についての帰属プロセスにおいて、ページ投稿102が、ユーザ・アクション132を生じさせたコンテンツ・インプレッションとして浮上してよい。図1Aは、通信の世代ごとに1人のユーザのみ示しているが、何百万人ものユーザを含むソーシャル・ネットワーキング・システムは、それぞれの世代において何百人またはさらには何千人も
のユーザを有し得る。加えて、ユーザ・アクションに関連付けられるラベルは、ユーザ・アクションが実行される前の所定の期間内のコンテンツ・インプレッションを含んでよい。期間はアクションの種類によって異なってよい。例えば、特定のロケーションへのチェック・インは、そのチェック・インの24時間の間に提供されたトラッキング・コンテンツを含んでよいのに対して、ソーシャル・ネットワーキング・システム上のページに示された関心は、示された関心の1週間の間に提供されたトラッキング・コンテンツを含んでよい。
【0024】
図1Aがソーシャル・ネットワーキング・システム内の通信のダウンストリーム効果を示しているのに対して、図1Bは、一実施形態において、ソーシャル・ネットワーキング・システムが、ダウンストリームのユーザ・アクションを生じさせるコンテンツ・インプレッションをどのように追跡し得るのかを示している。第1コンテンツ・アイテム134がソーシャル・ネットワーキング・システム100によって公開されてよい。例えば、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上のページの管理者が、チェック・インすることによって地元の店で無料のアイスクリームがもらえることをユーザに知らせる特別宣伝を投稿してよい。ユーザA(138)は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上の通信チャネル内の組織の配布点を通じて、ソーシャル・ネットワーキング・システム100のページ上の宣伝等の、第1コンテンツ・アイテム134を閲覧136することができる。それに続き、ユーザA(138)は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100内の第1オブジェクト142に対してアクション140を実行する。ユーザA(138)によって第1オブジェクト142に対して実行されるアクション140は、例えば、ユーザA(138)が、宣伝に関連付けられるページに関心を示すことであってよい。
【0025】
アクション140の実行は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100内の第2コンテンツ・アイテム144を生成する。加えて、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、実行されたアクション140、またはユーザA(138)と第1オブジェクト142との間に作成されたエッジに関連付けられる第1ラベル・オブジェクト146を生成する。実行されたアクション140に関連付けられる第1ラベル・オブジェクト146は、アクション140の実行前のユーザAに対するコンテンツ・インプレッションを含む。ここでは、第1ラベル・オブジェクト146は第1コンテンツ・アイテム134の閲覧136を含む。一実施形態では、第1ラベル・オブジェクト146は、閲覧136のタイム・スタンプ、および第1コンテンツ・アイテム134に関する識別情報を含む。
【0026】
第2コンテンツ・アイテム144はソーシャル・ネットワーキング・システム100内の他のユーザによって閲覧されてよい。図1Aを参照すると、第2コンテンツ・アイテム144は、第2世代の通信においてソーシャル・ネットワーキング・システム100の他のユーザに通信される。ユーザB(150)は第2コンテンツ・アイテム144を閲覧152することができる。加えて、ユーザB(150)は第3コンテンツ・アイテム148を閲覧152することができる。それらのコンテンツ・インプレッションの後、ユーザB(150)は第2オブジェクト158に対してアクション156を実行する。ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、ユーザB(150)による第2オブジェクト158に対するアクション156の実行と関連する第2ラベル・オブジェクト160を生成する。第2ラベル・オブジェクト160は、ユーザB(150)がアクション156の前に閲覧した第2コンテンツ・アイテム144および第3コンテンツ・アイテム148に関する情報を含む。第2コンテンツ・アイテム144は、第1ラベル・オブジェクト146に関連付けられる実行アクション140から生成されたため、第2ラベル・オブジェクト160は第1ラベル・オブジェクト146も含む。
【0027】
アイスクリームの宣伝に関する上述の例に戻ると、ユーザB(150)は、ユーザA(
138)がアイスクリームの宣伝に関連付けられるページに関心を示したことを閲覧できる。加えて、ユーザB(150)は、公園で天気の良い日を楽しんでいるという友達からの状況更新も閲覧できる。次に、ユーザBは、地元のアイスクリーム店へのチェック・インを実行しての宣伝内容のアイスクリームを直接引き換えることができる。ユーザB(150)による物理的ロケーションへのチェック・インのアクションは、第2オブジェクト158に対して実行されるアクション156に対応する。
【0028】
帰属プロセスは、ユーザB(150)によって第2オブジェクト158に対して実行されたアクション156を生じさせた可能性があるコンテンツ・アイテムであって、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上で提供されたコンテンツ・アイテムを分析してよい。これらのコンテンツ・アイテムを特定するために、帰属プロセスは、実行されたアクション156に関連付けられる第2ラベル・オブジェクト160を利用する。上述のように、第2ラベル・オブジェクト160は第1ラベル・オブジェクト146を含む。ラベル・オブジェクトの参照性の特質により、第1ラベル・オブジェクト146内の情報は帰属プロセスによってアクセスされてよく、第1コンテンツ・アイテム134が、実行されたアクション156を帰属させる潜在コンテンツ・アイテムとして特定されてよい。したがって、帰属プロセスは、ユーザA(138)の第1コンテンツ・アイテム134の閲覧136が、ユーザB(150)が第2オブジェクト158に対してアクションを実行する156原因となった最初のインプレッションであったと続いて決定してよい。その結果、本例では、ソーシャル・ネットワーキング・システム100の管理者は、ユーザBのアイスクリーム店へのチェック・インを、ユーザAによって閲覧された、無料アイスクリーム店を宣伝するアイスクリーム店に関連付けられるページ上の投稿に帰属させてよい。
【0029】
図1Bに示されるように、ソーシャル・ネットワーキング・システム100内のオブジェクト間のつながり、またはノード間のエッジは、ユーザがオブジェクトに対してアクションを実行するのに伴って形成されてよい。図1Bには示されていないが、エッジ・オブジェクトは、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上のユーザのつながりに関する情報を記憶する。このような情報は、ユーザと、ウォール投稿、写真に対するコメント、地理的場所、および写真内のタグを含む、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上の他のオブジェクトとの間の対話を含んでよい。オブジェクトに対してアクションが実行される結果として作成されるエッジ・オブジェクトに、ラベル・オブジェクトが関連付けられてよい。一実施形態では、エッジ・オブジェクトが、相性得点(affinity score)等の情報であって、ノード間のつながりの強さに関する情報を含む。ユーザが特定のオブジェクトに対して高い相性得点を有する場合、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、ユーザがそのオブジェクトと頻繁に対話していると認識する。高い相性得点を有するエッジ・オブジェクトに関連付けられるラベル・オブジェクトは、一実施形態では、ユーザ・アクションの帰属を決定する際に重み付けされてよい。
【0030】
ユーザ・アクションの帰属は、コンテンツ・アイテムの選択における規則および重み付け因子を含む得点モデルを用いて決定されてよい。一実施形態では、最後にクリックされたコンテンツ・アイテムが後続のユーザ・アクションに帰属される。別の実施形態では、最初に閲覧されたコンテンツ・アイテムに後続のユーザ・アクションが帰属する。ユーザがコンテンツ・アイテムを共有する尤度を測定するバイラリティ指標、コンテンツ・アイテムを閲覧した人の数を測定するリーチ指標、コンテンツ・アイテムのコンバージョンの数を測定するコンバージョン指標、および所定のオブジェクトとのエッジを作成したユーザの数を測定するストーリーテラー(storyteller)指標等の種々の指標が、ソーシャル・ネットワーキング・システム100のユーザによって実行されたアクションに関連付けられるラベル・オブジェクト内の追跡された情報に基づいて求められてよい。
【0031】
システム・アーキテクチャ
図2は、本発明の一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システム内で伝搬される通信の効果の追跡に適したシステム環境を示すブロック図である。システム環境は、1つまたは複数のユーザ・デバイス202、ソーシャル・ネットワーキング・システム100、ネットワーク204、ならびに1つまたは複数の外部ウェブサイト216からなる。代替的な構成では、異なるおよび/または追加のモジュールをシステム内に含めることができる。
【0032】
ユーザ・デバイス202は、ユーザ入力を受信することができ、ネットワーク204を通じてデータを送信および受信することができる、1つまたは複数のコンピューティング・デバイスからなる。一実施形態では、ユーザ・デバイス202は、例えば、Microsoft Windows(登録商標)互換オペレーティング・システム(OS)、Apple OS X、および/またはLinux(登録商標)ディストリビューションを実行する従来のコンピュータ・システムである。別の実施形態では、ユーザ・デバイス202は、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、携帯電話、スマート・フォンなどのコンピュータ機能を有するデバイスであり得る。ユーザ・デバイス202は、ネットワーク204を通じて通信するように構成される。ユーザ・デバイス202は、アプリケーション、例えば、ユーザ・デバイス202のユーザがソーシャル・ネットワーキング・システム100と対話することを可能にするブラウザ・アプリケーションを実行することができる。別の実施形態では、ユーザ・デバイス202は、iOS4およびANDROID(登録商標)等の、ユーザ・デバイス202の固有のオペレーティング・システム上で動作するアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を通じてソーシャル・ネットワーキング・システム100と対話する。
【0033】
一実施形態では、ネットワーク204は標準通信技術および/またはプロトコルを利用する。それゆえ、ネットワーク204は、イーサネット(登録商標)、802.11、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX)、3G、4G、CDMA、デジタル加入者回線(DSL)等の技術を利用するリンクを含むことができる。同様に、ネットワーク204上で利用されるネットワーク・プロトコルは、マルチプロトコル・ラベル・スイッチング(multiprotocol label switching、MPLS)、転送制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)、ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、簡易メール転送プロトコル(SMTP)、およびファイル転送プロトコル(FTP)を含むことができる。ネットワーク204を通じて交換されるデータは、ハイパテキストマークアップ言語(HTML)および拡張マークアップ言語(XML)を含む技術ならびに/または形式を用いて表現することができる。加えて、リンクの全てまたは一部は、セキュア・ソケット・レイヤ(SSL)、トランスポート層セキュリティ(TLS)、およびインターネット・プロトコル・セキュリティ(IPsec)等の、従来の暗号化技術を用いて暗号化することができる。
【0034】
図2は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100のブロック図を包含する。ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、ユーザ・プロフィール・ストア206、ウェブ・サーバ208、アクション・ロガー210、コンテンツ・ストア212、エッジ・ストア214、ラベル・ストア230、原因トラッキング・モジュール218、指標分析モジュール220、帰属モジュール222、統計分析モジュール224、ヒューリスティック分析モジュール226、および機械学習モジュール228を含む。他の実施形態では、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、種々の用途のために、追加のモジュールを含んでもよいし、含まれるモジュールはさらに少なくてもよいし、または異なるモジュールを含んでもよい。システムの細部を分かりにくくしないようにするために、ネットワーク・インタフェース、セキュリティ機能、ロード・バランサ、フェイルオーバ・サーバ、管理およびネットワーク運用コンソール、ならびに同様のもの等の従来の構
成要素は図示されていない。
【0035】
ウェブ・サーバ208は、ネットワーク204を通じてソーシャル・ネットワーキング・システム100を1つまたは複数のユーザ・デバイス202にリンクし、ウェブ・サーバ208は、ウェブ・ページ、およびJava(登録商標)、Flash、XML等の他のウェブ関連コンテンツを提供する。ウェブ・サーバ208は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100とユーザ・デバイス202との間のメッセージ、例えば、インスタント・メッセージ、待ち行列型メッセージ(例えば、電子メール)、テキストおよびSMS(ショート・メッセージ・サービス)メッセージ、あるいは任意の他の好適なメッセージング技法を用いて送られるメッセージの受信およびルーティングの機能を提供してよい。ユーザは、情報、例えば、コンテンツ・ストア212内に記憶されている画像またはビデオをアップロードするようウェブ・サーバ208に要求を送ることができる。追加として、ウェブ・サーバ208は、iOS、ANDROID、ウェブOS、およびRIM等の固有のユーザ・デバイス・オペレーティング・システムに直接データを送るAPI機能を提供してよい。
【0036】
ソーシャル・ネットワーキング・システム100内の原因トラッキング・モジュール218によって、ラベル・オブジェクトが生成される。これらのラベル・オブジェクトはラベル・ストア230内に記憶される。帰属モジュール222が、ユーザ・アクションについての帰属を決定するために、ソーシャル・ネットワーキング・システム100のアクション・ロガー210によって記録されたユーザ・アクションに関連付けられるラベル・オブジェクトを分析する。ユーザ・アクションはエッジ・オブジェクトとしてエッジ・ストア214内に記憶されている。帰属モジュール222は、ユーザ・アクションについてのエッジ・オブジェクトに関連付けられるラベル・オブジェクト内で特定されたコンテンツ・アイテム・オブジェクトに基づいて、ユーザ・アクションについての帰属を決定してよい。指標分析モジュール220は、統計分析モジュール224、ヒューリスティック分析モジュール226、および機械学習モジュール228と連携して、ソーシャル・ネットワーキング・システム100内のラベル・オブジェクト、ユーザ・プロフィール・オブジェクト、およびコンテンツ・オブジェクトの分析に基づく指標を求めてよい。
【0037】
アクション・ロガー210は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上および/またはその外部のユーザ・アクションに関するウェブ・サーバ208からの通信を受信することができる。アクション・ロガー210は、ユーザ・アクションに関する情報を、それらを追跡するべくアクション・ログに登録する。このようなアクションは、例えば、とりわけ、他のユーザとのつながりを追加すること、他のユーザへメッセージを送信すること、画像をアップロードすること、他のユーザからのメッセージを読むこと、他のユーザに関連付けられるコンテンツを閲覧すること、他のユーザによって投稿されたイベントに参加することを含んでよい。加えて、他のオブジェクトに関連して記述される多数のアクションが特定のユーザに向けられ、そのため、これらのアクションもそれらのユーザに関連付けられる。
【0038】
アクション・ログは、ソーシャル・ネットワーキング・システム100、およびソーシャル・ネットワーキング・システム100へ情報を通信して返す外部ウェブサイト上のユーザのアクションを追跡するために、ソーシャル・ネットワーキング・システム100によって利用されてよい。上述のように、ユーザは、投稿にコメントする、リンクを共有する、および携帯デバイスを通じて物理的ロケーションにチェック・インするなど、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上の種々のオブジェクトと対話できる。アクション・ログは外部ウェブサイト上のユーザ・アクションを含んでもよい。例えば、主として高級靴を廉売価格で販売する電子商取引ウェブサイトは、電子商取引ウェブサイトでユーザを識別することを可能にするウェブサイト・プラグ・インを通じて、ソーシャル・ネ
ットワーキング・システム100のユーザを認識してよい。ソーシャル・ネットワーキング・システム100のユーザは一意的に識別可能であるため、この高級靴再販業者等の電子商取引ウェブサイトは、ユーザが自分たちのウェブサイトを閲覧した際に、これらのユーザに関する情報を利用できる。アクション・ログは、閲覧履歴、クリックされた広告、購入アクティビティ、および購買パターンを含むこれらのユーザに関するデータを記録する。
【0039】
ユーザ・プロフィール・ストア206内には、ユーザについてのユーザ・アカウント情報およびその他の関連情報が記憶される。ユーザ・プロフィール・ストア206内に記憶されたユーザ・プロフィール情報は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100のユーザについて記載され、職務経験、学歴、性別、趣味または嗜好、ロケーション、および同様のもの等の人物紹介情報、人口統計学的情報、およびその他の種類の記述的情報を含む。ユーザ・プロフィールは、ユーザによって提供されるその他の情報、例えば、画像またはビデオを記憶してもよい。一部の実施形態では、ユーザの画像が、画像内に表示されるソーシャル・ネットワーキング・システム100のユーザの識別情報でタグ付けされてよい。ユーザ・プロフィール・ストア206は、年齢、性別、関心、地理的ロケーション、電子メールアドレス、クレジット・カード情報、およびその他の個人情報等のソーシャル・ネットワーキング・システム100のユーザに関するプロフィール情報を維持する。ユーザ・プロフィール・ストア206は、アクション・ログ内に記憶され、コンテンツ・ストア212内のオブジェクトに対して実行されたアクションへの参照も維持する。
【0040】
エッジ・ストア214は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上のユーザと他のオブジェクトとの間のつながりを記述する情報を記憶する。一部のエッジはユーザによって定義されてよく、ユーザが他のユーザとの関係を指定することを可能にする。例えば、ユーザは、友達、同僚、パートナーなど等のユーザの現実の関係に対応する他のユーザとのエッジを生成できる。他のエッジは、ソーシャル・ネットワーキング・システム上のページに関心を示す、ソーシャル・ネットワーキング・システムの他のユーザとリンクを共有する、およびソーシャル・ネットワーキング・システムの他のユーザによってなされた投稿にコメントするなどして、ユーザがソーシャル・ネットワーキング・システム100内のオブジェクトと対話するとき生成される。エッジ・ストア214は、オブジェクトについての相性得点、関心、および他のユーザ等のエッジに関する情報を含むエッジ・オブジェクトを記憶する。
【0041】
原因トラッキング・モジュール218は、ユーザ・アクションについてのエッジ・オブジェクトに関連付けられるラベル・オブジェクトを生成する。ラベル・オブジェクトは、図1Aおよび図1Bに示されるように、アクションを実行したユーザに、アクションの前の期間内に提示されたコンテンツ・アイテム・オブジェクトのための識別子を含む。一実施形態では、原因トラッキング・モジュール218は、異なるアクションの種類ごとに異なる期間を利用してよい。例えば、ユーザ・デバイス202によって作成された地理的ロケーションにおけるチェック・イン・イベントについては、1週間の期間が用いられてよく、一方、ユーザ・デバイス202による、ソーシャル・ネットワーキング・システム100の他のユーザによって共有された広告のクリック・スルーについては、24時間の期間が用いられてよい。
【0042】
新たなラベル・オブジェクトを生成する際、原因トラッキング・モジュール218は、ユーザに提示されたコンテンツ・アイテム・オブジェクトに関連付けられるエッジ・オブジェクトに関連付けられる他のラベル・オブジェクトも含む。その結果、以前のユーザ・アクションの結果として以前のコンテンツ・アイテム・オブジェクトが生成され、新たなラベル・オブジェクトに関連付けられるアクションをユーザが実行する前にその以前のコンテンツ・アイテム・オブジェクトがユーザに提供された場合、以前のユーザ・アクショ
ンに関連付けられる古いラベル・オブジェクトが原因トラッキング・モジュール218によって新たなラベル・オブジェクト内に含められる。
【0043】
指標分析モジュール220は、原因トラッキング・モジュール218によって生成されたラベル・オブジェクトによって収集された情報を利用して種々の指標を求めることができる。ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、より高いまたは値下げした広告価格決定モデルを正当化し得る指標情報を広告主に提供するために、指標分析モジュール220を用いることができる。このような指標は、バイラリティ指標、リーチ指標、エンゲージメント指標、コンバージョン指標、ロケーション指標、およびストーリーテラー指標を含み得る。バイラリティ指標は、コンテンツ・アイテムがソーシャル・ネットワーキング・システム全体に亘ってどの程度迅速に配付されたのかについての測定値、コンテンツ・アイテムの経時的な複製率、コンテンツ・アイテムのバイラリティ率、および単一の広告キャンペーン内の複数のコンテンツ・アイテムのバイラリティ指標の比較を含み得る。リーチ指標は、コンテンツ・アイテムについて、そのコンテンツ・アイテムを閲覧したユニーク・ユーザの数を概算するために求めることができる。これらのリーチ指標は、人口統計、地理的ロケーション、ユーザ・アクションの種類、ユーザの関心、およびその他のユーザ特性に基づいて区分されてよい。エンゲージメント指標は、ユーザ・アクションに関連付けられるラベル・オブジェクトから収集された原因トラッキング情報に基づいて求められてよく、ユーザによって共有されたコンテンツ・アイテムのバイラリティに基づくソーシャル・ネットワーキング・システムとのユーザ・エンゲージメントの段階、つながりになっているユーザがコンテンツ・アイテムと対話したことに基づき、ユーザはコンテンツ・アイテムと対話するのにどのように影響を受けたのか、およびユーザはどの程度の頻度で高バイラル・コンテンツ・アイテムと繰り返し対話したのかを含む。
【0044】
コンバージョン指標は、ユーザが外部ウェブサイト上で取り引きを完了したことを示す情報であって、外部ウェブサイトから収集された情報に基づいて求められてもよい。指標は、外部ウェブサイト上におけるコンバージョンをソーシャル・ネットワーキング・システム100上の広告に帰属させるために求めることができる。ロケーション指標は、何人のユーザが、広告に関連付けられる物理的ロケーションにおいてチェック・イン・イベントを実行するように影響を受けた可能性があるのか、どのコンテンツ・アイテムがユーザにチェック・イン・イベントを実行させる原因となった可能性があるのか、およびユーザがソーシャル・ネットワーキング・システム100上でチェック・イン機能を積極的に使う地理的ロケーションを追跡するために求めることができる。ストーリーテラー指標は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100内のオブジェクトとのエッジを作成したユーザに関する情報を提供する。そのため、広告に関するエッジを生成したユーザの数が広告主にストーリーテラー指標として提供されてよい。
【0045】
帰属モジュール222は、得点モデルにおけるいくつかの規則および重み付け因子を用いて、ユーザ・アクションを帰属させるコンテンツ・アイテムを選択してよい。一実施形態では、ソーシャル・ネットワーキング・システム100の管理者は、ユーザ・アクションについての帰属の決定において、広告の一番最近のクリックに大きな重みを付けることができる。別の実施形態では、ユーザ・アクションに関連するコンテンツ・アイテムの最初のインプレッションが帰属のために選択され得る。ユーザ・アクションに対するコンテンツ・アイテムの関連性は、関連性の確率を得るべく統計分析モジュール224を用いて決定することができる。さらに別の実施形態では、得点モデルを利用し、ユーザ・アクションを帰属させる候補のコンテンツ・アイテムに得点を付けることができる。コンテンツ・アイテムの関連性、コンテンツ・アイテムの古さ、およびコンテンツ・アイテムが以前のユーザ・アクションに関連付けられているか否か等の因子が、帰属させるのに最良のコンテンツ・アイテムを選択するために、得点モデルにおいて重み付けされてよい。重みは、最初は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100の管理者によって指定されて
よく、フィードバックおよび機械学習の結果に基づいて時間とともに調整されてよい。一実施形態では、得点モデルにおける重みを最適化するために回帰分析が用いられてもよい。
【0046】
統計分析モジュール224は、ユーザ・アクションの原因を追跡するためにソーシャル・ネットワーキング・システム100内の他のモジュールと連携して用いられてよい。例えば、ユーザ・アクションとのコンテンツ・アイテムの関連性に基づいて帰属の確率を求めるために、統計分析が帰属モジュール222と連携して用いられてよい。統計分析は、コンテンツ・アイテムについて、同様のコンテンツ・アイテムに関して収集された以前の情報に基づき、ユーザによるコンバージョン率、エンゲージメント率、およびチェック・イン・イベントの確率を求める際に、指標分析モジュール220と連携して用いられてもよい。
【0047】
ヒューリスティック分析モジュール226は、オブジェクト、ユーザ、および挙動パターンの特性を分析するために、ソーシャル・ネットワーキング・システムのモジュールによって用いられてよい。例えば、コンテンツ・アイテムが閲覧された回数に基づくコンテンツ・アイテムの人気のヒューリスティック分析が、そのコンテンツ・アイテムを帰属のために選択するべきか否かを決定するために用いられてよい。ヒューリスティック分析は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上における挙動を外部ウェブサイト216上の挙動と相関させることなど、ソーシャル・ネットワーキング・システム100によって追跡された情報に関する種々の指標を概算する際に用いられてもよい。例えば、ブリトニー・スピアーズのコンサート・チケットがもらえる特別コンテンツを宣伝する広告をソーシャル・ネットワーキング・システム100上の第1のユーザに提供することができ、続いて、ユーザがそれをクリックする。クリック・スルーは、第1のユーザを、ブリトニー・スピアーズに関連付けられるソーシャル・ネットワーキング・システム100上のページに移動させ得る。次に、第1のユーザはページに関心を示し、ページ上のコンテンツ・アイテムを生成することができる。次に、コンテンツ・アイテムは、そのページに同様に関心を示すソーシャル・ネットワーキング・システム上の他のユーザと共有され得る。
【0048】
次に、第1のユーザは、ブリトニー・スピアーズ・コンサート・チケット・プレゼント・コンテストに参加するために、外部ウェブサイト216へのリンクをたどり得る。一実施形態では、外部ウェブサイト216上のトラッキング・ピクセルが、第1のユーザが外部ウェブサイト216上のコンテストに参加したとの情報をソーシャル・ネットワーキング・システム100に提供し得る。次に、帰属モジュール222は、ヒューリスティック分析モジュール226と連携して、サイト外挙動(外部ウェブサイト216上のチケット・プレゼント・コンテストへの参加)を、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上の第1のユーザに提供された広告に帰属させ得る。第2のユーザが、第1のユーザによってソーシャル・ネットワーキング・システム100上のページ上で生成されたコンテンツ・アイテムを閲覧し得る。その結果、第2のユーザは、ヒューリスティック分析モジュール226と連携した指標分析モジュール220によって、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上の第1のユーザに元々提供された広告が届いたユーザとしてカウントされてよい。なぜなら、コンテストへの第2のユーザの参加は、第1のユーザによって生成された投稿に帰属され、その投稿は、第1のユーザに提供された広告に帰属さ得るからである。したがって、ヒューリスティック分析モジュール226は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100が、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上のユーザの挙動と、外部ウェブサイト216上のソーシャル・ネットワーキング・システム100の外部のユーザの挙動との間の点を接続することを可能にし得る。
【0049】
一実施形態では、サード・パーティ開発者がカスタム・アクション・タイプおよびカス
タム・オブジェクト・タイプを用いて、ユーザによってソーシャル・ネットワーキング・システム100の外部のウェブサイト上のカスタム・オブジェクトに対して実行されるカスタム・アクションを報告することができる。例えば、電子商取引小売業者がソーシャル・ネットワーキング・システム100に、ユーザが「書籍」オブジェクトに対して「購入」アクションを実行したことを報告することができる。ユーザによって閲覧または対話されたコンテンツ・アイテムであって、電子商取引小売業者に関連するソーシャル・ネットワーキング・システム上のエンティティに関連するコンテンツ・アイテムが存在する場合、アクションは、ヒューリスティック分析モジュール226と連携した帰属モジュール222を用いて、そのコンテンツ・アイテムに帰属されてよい。このようにして、ソーシャル・ネットワーキング・システム100によってカスタム・アクション・タイプおよびカスタム・オブジェクト・タイプを用いて取り込みされたサイト外挙動が、サイト上挙動に帰属され得る。
【0050】
機械学習モジュール228は、受け取った情報に基づいて種々のモデルを訓練するために、ソーシャル・ネットワーキング・システム100の他のモジュールと連携して用いられてよい。一実施形態では、コンテンツ・アイテムへのユーザ・アクションの帰属が正しかったのか否かをユーザ・フィードバックを用いて決定するために、機械学習が用いられ得る。別の実施形態では、帰属モジュール222のための得点モデルにおける重みを、その得点モデルの使用に基づいて最適化するために、機械学習が用いられ得る。さらに別の実施形態では、ソーシャル・ネットワーキング・システム100が、候補コンテンツ・アイテムの帰属の確率を決定するモデルを再訓練するべく対象広告のコンバージョン率を分析するために、機械学習アルゴリズムを用いる。
【0051】
ラベルを用いた原因トラッキング
図3は、本発明の一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザによって実行されたアクションを、そのアクションの前にユーザに提供されたコンテンツにラベル付けするプロセスを示すフローチャート図を示す。一実施形態では、図3に示されるプロセスは原因トラッキング・モジュール218によって実行される。ユーザがアクションを実行するのに応答して、新たなエッジが作成される(302)。新たなエッジはエッジ・オブジェクトとしてエッジ・ストア214内に記憶されてよい。一実施形態では、新たなエッジは、ユーザによってアクションが実行された直後にリアルタイムで作成され得る(302)。別の実施形態では、新たなエッジは、アクション・ロガー210によって情報を登録されたアクション・ログを分析するバッチプロセスの一部として作成され得る(302)。
【0052】
新たなエッジが作成された後(302)、ユーザに所定の期間内に提示されたインプレッションが特定される(304)。インプレッションは、状況更新、写真、ビデオ、リンク、ゲーム成績等のアプリケーションによって生成される通信内容、および広告等のコンテンツ・アイテムであって、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上で提供されるコンテンツ・アイテムを含んでよい。一実施形態では、期間は、全種類のアクションに対して所定の長さの時間である。別の実施形態では、期間はアクションの種類によって異なり得る。例えば、現実世界の地理的ロケーションにおけるチェック・イン・イベントは1週間の長さの期間を有してよく、それに対して、コンテンツ・アイテムのクリックは24時間の期間を有してよい。
【0053】
インプレッションが特定された後(304)、特定済みのインプレッションに関連付けられる、以前に作成されたエッジが特定される(306)。例えば、ユーザが別のユーザのウォール上に投稿を書き込むこと、ユーザによって、他のユーザによって共有されたリンクにコメントがなされること、ゲーム・アプリケーションが、ゲームにおいてユーザによって得られた成績を示すコンテンツ・アイテムを投稿すること等のアクションであって
、ソーシャル・ネットワーキング・システム100内のオブジェクトに対して実行されたアクションの結果として、ユーザによって閲覧されたコンテンツ・アイテムが生成されていてよい。広告およびページ投稿等のその他のコンテンツ・アイテムは、インプレッションに関連付けられるエッジを有しなくてもよい。一実施形態では、エッジは、特定されたインプレッション内のコンテンツ・オブジェクトの識別子を利用してエッジ・ストア214を検索することによって、特定され得る。別の実施形態では、特定されたコンテンツ・オブジェクトに関連付けられるエッジであってインプレッションとして特定されたエッジのために、コンテンツ・ストア212を検索することによって、エッジが特定され得る。
【0054】
以前に作成されたエッジが特定されると(306)、以前に作成されたエッジごとに以前に作成されたラベルが特定される(308)。以前に作成されたエッジに関連付けられる、以前に作成されたラベルは、ラベル・ストア230内に記憶されているラベル・オブジェクトから特定されてよい(308)。次に、新たなラベルが、新しく作成されたエッジのためにラベル・オブジェクトとして生成され(310)、ラベル・ストア230内に記憶される。新たなラベルは、特定済みのインプレッションに加えて特定済みの以前に作成済みのラベルも含み、その特定済みの以前に作成されたラベルは特定済みの以前に作成されたエッジに関連付けられており、以前に作成されたエッジはその特定済みのインプレッションに関連付けられる。
【0055】
ソーシャル・ネットワーキング・システム内で提供されたコンテンツ・アイテムへのユーザ・アクションの帰属
図4は、本発明の一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザによって実行されたアクションを、そのアクションの前にユーザに以前に提供されたコンテンツ・アイテムに帰属させるプロセスを示すフローチャート図である。一実施形態では、コンテンツ・アイテムに帰属させるアクションの要求が、帰属モジュール222によって受信される(402)。別の実施形態では、帰属の要求が、ソーシャル・ネットワーキング・システム100によって外部システムからネットワーク204を通じて受信される(402)。コンテンツ・アイテムは、広告、ページ投稿、状況更新、共有リンク、および同様のものを含んでよい。一実施形態では、要求は、コンテンツ・アイテムの識別子を含んでよい。
【0056】
コンテンツ・アイテムの識別子を含むラベル・オブジェクトを求めてラベル・ストア230を検索することによって、コンテンツ・アイテムを特定する第1のラベル群が収集される(402)。例えば、shoedazzle.comの広告は、帰属を求めて要求されているコンテンツ・アイテムであってよい。帰属モジュール222は、shoedazzle.comの広告の識別子を求めてラベル・ストア230に問い合わせを行う。問い合わせの結果は、アクションが実行された後に記録されたインプレッションとして広告の識別子を有するラベル・オブジェクトを含む。
【0057】
第1のラベル群内のラベルを参照するラベル・オブジェクトを求めてラベル・ストア230を検索することによって、第1のラベル群を特定する第2のラベル群が収集される(404)。例示を続けると、shoedazzle.comの広告の識別子を含む第1のラベル・オブジェクト群がラベル・ストア230内で検索され得る。検索の結果は、第2のラベル・オブジェクト群を含む。ここで、第2のラベル・オブジェクト群内の各ラベル・オブジェクトは、第1のラベル・オブジェクト群内に包含されている少なくとも1つのラベル・オブジェクトを含む。ジェーン(ソーシャル・ネットワーキング・システム100のユーザ)がshoedazzle.comの広告を閲覧し、続いて広告をクリックし、shoedazzle.comのページがジェーンに提示されたと想定する。ジェーンは、次に、ページに関心を示し、次に、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上でジェーンとつながりになっている他のユーザとページを共有し得る。キース(ソーシ
ャル・ネットワーキング・システム100上でジェーンとつながりになっているユーザ)がshoedazzle.comの共有ページを閲覧し、同様にページに関心を示し得る。本例では、ジェーンの広告のクリック、ジェーンのページへの関心の提示、およびジェーンのアクション(ソーシャル・ネットワーキング・システム100上で彼女とつながりになっているユーザとのページの共有を含む)によって、第1のラベル・オブジェクト群が作成されることになる。第2のラベル・オブジェクト群は、キースのページへの関心の提示についてのラベル・オブジェクトを含むことになる。なぜなら、キースのページへの関心の提示についてのラベル・オブジェクトは、ジェーンのページの共有であって、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上で彼女とつながりになっているユーザとのページの共有についてのラベル・オブジェクトを含むことになるからである。
【0058】
次に、第2のラベル群内のラベルを参照するラベル・オブジェクトを求めてラベル・ストア230を検索することによって、第2のラベル群を特定する第3のラベル群が収集され得る(406)。検索の結果は、第3のラベル・オブジェクト群を含む。ここで、第3のラベル・オブジェクト群内の各ラベル・オブジェクトは、第2のラベル・オブジェクト群内に包含されている少なくとも1つのラベル・オブジェクトを含む。一実施形態では、ラベルを収集することができなくなるまでこのようにラベルが収集される。別の実施形態では、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、収集されるラベルの数に制限を課すことができる。さらに別の実施形態では、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は所定の数のラベル群を収集し得る。例示を続けると、キースのページへの関心の提示についてのラベル・オブジェクトへの参照がラベル・ストア230内で問い合わせされる。本例では、第3のラベル群は空のセットである。
【0059】
次に、エッジ・ストアから、第1、第2、および第3のラベル群内のラベル・オブジェクトに関連付けられるエッジ・オブジェクトを取り出すことによって、第1、第2、および第3のラベル群内のラベルに関連付けられるエッジが収集される(408)。エッジ・オブジェクトは、ユーザがソーシャル・ネットワーキング・システム100および外部ウェブサイト216内のオブジェクトに対してアクションを実行したことを表すエッジに関する情報を含む。エッジは、状況更新を投稿すること、写真のタグ付け、ビデオのアップロード、リンクを共有すること、アプリケーションをインストールすること、ページに関心を提示すること、コメントに関心を提示すること、および同様のもの等のソーシャル・ネットワーキング・システム100上で実行され得る任意のアクションを表してよい。エッジは、歌を聴くこと、ニュース記事を読むこと、またはゲームをすること等の外部ウェブサイト上で実行されるカスタム・アクションを表してもよい。代替実施形態では、第1のラベル群内のラベルに関連付けられるエッジは、エッジ・ストアから、第1のラベル群内のラベル・オブジェクトに関連付けられるエッジ・オブジェクトを取り出すことによって、収集される(408)。
【0060】
第1、第2、および第3のラベル群のラベル、ならびに収集されたエッジ内に含まれる情報に基づいて、コンテンツ・アイテムに帰属し得るアクションを決定することができる(410)。ラベルおよび収集されたエッジ内に含まれる情報は、コンテンツ・アイテムの識別子、エッジに関連付けられるアクションを実行するユーザのユーザ識別子、およびアクションが実行されたオブジェクトのオブジェクト識別子を含む。この情報から、帰属モジュール222は、帰属基準を満たすアクションを決定することができる。このような基準は、地理的ロケーションにおけるチェック・イン・イベントは、コンテンツ・アイテムが投稿されてから1週間以内に実行されたのか否か、状況更新内のページの言及は、コンテンツ・アイテムが投稿されてから24時間以内に実行されたのか否か等、アクションが、アクションの種類に関連付けられる期間内に実行されたのか否かを含んでよい。その他の基準は、アクションが、異なるコンテンツ・アイテムにすでに帰属されているのか否か、そのコンテンツ・アイテムは、アクションを実行したユーザによって最後にクリック
されたのか否か、およびそのコンテンツ・アイテムは、アクションを実行したユーザによって最初に閲覧されたのか否かを含んでよい。ソーシャル・ネットワーキング・システム上で物を購入すること、コンテンツ・アイテムを共有すること、ならびに書籍を読むこと、音楽を聴くこと、およびマラソンをすることのようなカスタム・アクション・タイプ等のさまざまな種類のアクションが帰属基準を満たすことができる。一実施形態では、コンテンツ・アイテムの作成に関連付けられるエンティティが、コンバージョンを表すオブジェクトにも関連付けられるのか否かに基づいて、コンテンツ・アイテムに帰属し得るアクションが決定され得る(410)。
【0061】
各アクションについてのコンテンツ・アイテムの帰属はソーシャル・ネットワーキング・システム100内に記憶される(412)。一実施形態では、帰属は、アクションについての関連エッジ内に記憶される(412)。別の実施形態では、コンテンツ・オブジェクトは、そのコンテンツ・オブジェクト内のフィールドが、コンテンツ・アイテムに帰属し得る決定されたアクション情報を含むように、コンテンツ・アイテムのためにコンテンツ・ストア212内に記憶される(412)。
【0062】
ソーシャル・ネットワーキング・システム内のトラッキング・コンテンツに関する指標の提供
図5は、一実施形態における、指標分析モジュール220のさらに詳細なハイレベル・ブロック図である。指標分析モジュール220は、バイラリティ指標モジュール500、リーチ指標モジュール502、エンゲージメント指標モジュール504、コンバージョン指標モジュール506、ロケーション指標モジュール508、およびストーリーテラー指標モジュール510を含む。これらのモジュールは、トラッキング・コンテンツについての指標を提供するために、互いに連携して、独立して、またはソーシャル・ネットワーキング・システム内の他のモジュールとともに、機能してよい。
【0063】
バイラリティ指標モジュール500は、ラベル・ストア230内の生成されたラベル・オブジェクトから情報を収集し、バイラリティ指標を提供する。バイラリティ指標の1つの種類として、バイラリティ率がある。一実施形態では、バイラリティ率は、1つの世代のリーチの、以前の世代のリーチに対する比として測定され得る。リーチとは、コンテンツ・アイテムを閲覧したユーザの数と定義できる。世代とは、バイラル感染の1つの段階におけるユーザの集団と定義できる。例えば、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上において、第1世代のユーザによる閲覧のために広告が提供できる。次に、第1世代のユーザは、広告に関連するアクションを実行でき、それらが第2世代のユーザと共有される。図1Aを参照すると、第1世代のユーザは、フィード104またはページ・ウォール106を通じてユーザ110に提供されたページ投稿102等の、第1世代の通信を受信した。第2世代のユーザは、ユーザ110によって実行され、フィード112またはプロフィール114を通じてユーザ118に提供されたユーザ・アクション108等の第2世代の通信を受信した。フィード104またはページ・ウォール106を通じてページ投稿102が通信される第1世代の通信のリーチは、ページ投稿102を閲覧したユーザの数である。このリーチはユーザ110を含む。フィード112またはプロフィール114を通じてユーザ・アクション108が通信される第2世代の通信のリーチは、ユーザ・アクション108を閲覧したユーザの数である。このリーチはユーザ118を含む。別の実施形態では、バイラリティ率は、第1世代のリーチに対する全世代の合計リーチの比として測定され得る。その結果、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、バイラル広告キャンペーンの有効性を追跡するために、コンテンツ・アイテムのバイラリティ率を広告主に提供できる。
【0064】
リーチ指標モジュール502は、コンテンツ・アイテムのリーチを、ソーシャル・ネットワーキング・システム100内の何世代もの通信に亘って測定する。リーチ指標モジュ
ール502は、コンテンツ・アイテムへのユーザ・アクションの帰属を決定する帰属モジュール222と連携して、コンテンツ・アイテムのリーチを測定してよい。例えば、shoedazzle.comに関する広告が数世代の深さの合計リーチを有してよく、そのため、広告のリーチは、shoedazzle.comに関連付けられるページに関心を示したユーザの数、shoedazzle.com上で購入を行ったユーザの数、shoedazzle.comへのリンクを共有したユーザの数、ユーザのプロフィールに、shoedazzle.comに関連付けられるページに言及する投稿を行ったユーザの数などを含むことができる。リーチは、アクションのタイプによって区分されてもよいし、通信の生成によって提供されてもよいし、または帰属されたユーザ・アクションによって到達したユーザの総数として提供されてもよい。
【0065】
エンゲージメント指標モジュール504は、ラベル・ストア230内の生成ラベル・オブジェクトからの追加情報とともに、コンテンツ・アイテムとのユーザ・エンゲージメントを測定する。一実施形態では、エンゲージメント指標モジュール504は、ユーザによって共有されているコンテンツ・アイテムの数、およびそれらのコンテンツ・アイテムのバイラリティに基づいて、ソーシャル・ネットワーキング・システム100とのユーザのエンゲージメントを測定できる。エンゲージメント指標モジュール504は、現在の出来事に関するニュース記事、外部ウェブサイトに対する社会的物議を醸しそうな論評、および同様のもの等のバイラル・コンテンツ・アイテムに関してアクションを実行するように他のユーザに影響を与えるユーザを分析し得る。さらに、ラベル・オブジェクト内で追跡された情報は、コンテンツ・アイテムを共有すること、コンテンツ・アイテムにコメントすること、コンテンツ・アイテムに関心を提示すること、コンテンツ・アイテム内のコメントに関心を提示すること等、ユーザがどの程度の頻度でバイラル性の高いコンテンツ・アイテムと繰り返し対話したのかに基づいて、エンゲージメント指標モジュール504が、ソーシャル・ネットワーキング・システム100内におけるユーザ・エンゲージメントに対する効果を決定することを可能にできる。
【0066】
コンバージョン指標モジュール506は、ラベル・オブジェクト内で収集された情報、および外部ウェブサイト216から受信された、ユーザ挙動に関する情報を分析できる。従来のコンバージョン追跡では、shoedazzle.comの広告を閲覧したユーザが外部ウェブサイト216へ案内され、そこでユーザが靴の購入を行う等、1段間の深さのコンバージョンしか追跡することができなかった。ソーシャル・ネットワーキング・システム100によってラベル・ストア230内のラベル・オブジェクトを用いて収集された情報を用いれば、外部ウェブサイト216上のコンバージョンが、数世代の通信に亘る、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上の広告、状況更新、ビデオコンテンツ、およびその他のコンテンツ・アイテムに帰属できる。追加的に、コンバージョン指標モジュール506は、外部ウェブサイト上で繰り返しコンバージョンを行うユーザの特定、およびコンバージョンをもたらしたユーザ・アクションおよびコンテンツ・アイテムの経路の追跡等の情報であって、ソーシャル・ネットワーキング・システムの管理者および広告主にとって価値のある情報となり得るその他のコンバージョン指標を求めることができる。
【0067】
ロケーション指標モジュール508は、GPS技術を用いてランニング運動を地図表示するモバイル・アプリケーション、ソーシャル・ネットワーキング・システム100から分離したチェック・インを可能にするアプリケーション、およびナビゲーション方向を提供する地図表示アプリケーション等、ソーシャル・ネットワーキング・システム100内のロケーション・ベースのユーザ・アクション、およびソーシャル・ネットワーキング・システム100の外部で実行されたアクションを分析する。ロケーション指標モジュール508は、ソーシャル・ネットワーキング・システム上の物理的ロケーションにおけるチェック・イン・イベントをユーザに作成させた広告および/またはコンテンツ・アイテム
の特定等、有用なロケーション・ベースの指標を提供してよい。外部ウェブサイト216からの情報を用いて、ロケーション指標モジュール508は、外部ウェブサイト216上の物理的ロケーションにおけるチェック・イン・イベントを、ラベル・ストア230内に記憶されたラベル・オブジェクト内で収集された情報に基づき、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上のコンテンツ・アイテムおよび広告に帰属させてもよい。
【0068】
一実施形態では、ソーシャル・ネットワーキング・システム上の状況更新として投稿された旅行計画、および場所の写真が、ロケーション指標モジュール508を用いて、旅行関連企業によるソーシャル・ネットワーキング・システム上の広告、およびページ投稿に帰属され得る。ロケーション指標モジュール508は、旅行を示すキーワードを求めてステータス・メッセージを分析し、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上に投稿された写真内に埋め込まれた地理座標を分析できる。例えば、中国からの写真、および万里の長城に関する状況更新を投稿するユーザは、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上の中国に関する旅行案内ページを閲覧するように他のユーザに影響を与えることができる。
【0069】
ストーリーテラー指標モジュール510は、ラベル・ストア230内に記憶されたラベル・オブジェクト内で収集された情報に基づいて、ソーシャル・ネットワーキング・システム100のユーザに関する情報を分析し、これらのユーザに関する指標を提供する。1つのストーリーテラー指標は、ソーシャル・ネットワーキング・システム上のコンテンツ・アイテム・オブジェクトとのエッジを作成したユーザの数を提供してよい。例えば、shoedazzle.com等のウェブサイトへのリンクを共有したユーザの数がストーリーテラー指標モジュール510によって求められてよい。他のストーリーテラー指標は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100上のページによってなされたビデオ投稿を共有するユーザに関する人口統計情報、関心によって区分された、ニュース記事にコメントしたユーザ等、ソーシャル・ネットワーキング・システム100内のオブジェクトに関してアクションを実行したユーザに関するその他の情報を含んでよい。
【0070】
追跡された通信に基づく広告の価格決定モデル
ソーシャル・ネットワーキング・システムの管理者は、ソーシャル・ネットワーキング・システム上の通信を追跡することによって収集された情報に基づく、広告の種々の価格決定モデルを生成できる。一実施形態では、到達したユーザの総数に基づいて広告の価格を設定するために、リーチ指標が用いられてよい。別の実施形態では、ニュースフィード配信、ミニ・ニュースフィード配信、プロフィール、ページ、グループ、アプリケーション、およびプラットフォーム・アプリケーションを含む基本配布点を通じて到達したユーザ等のユーザ区分によって種々の価格決定構造が実装されてよい。さらに別の実施形態では、1より大きいバイラリティ率(ユーザが広告と対話する尤度が高いことを意味する)の方が、1未満のバイラリティ率(ユーザが広告と対話する尤度が低いことを意味する)よりも高い価格決定構造に対応するように、広告の価格決定は広告のバイラリティ率に基づいて時間とともに変化してよい。さらなる実施形態では、広告配信を最適化するために、コンバージョン追跡に関する情報がソーシャル・ネットワーキング・システムによって用いられてよい。これは、例えば、他の同様のユーザよりも頻繁に広告上でコンバージョンを行うユーザをターゲットにすることによって達成され得る。追跡されたコンバージョンに基づいて広告配信を最適化することによって、この種のターゲティング最適化の価格決定は高められてよい。
【0071】
総括
本発明の実施形態の上述の説明は例示の目的で提示されており、包括的となること、または本発明を、開示された厳密な形に限定することが意図されていない。当業者は、上述の開示に照らして、多くの変更および変形が可能であること理解することができる。
【0072】
この記述内容のいくつかの部分は、本発明の実施形態を、情報に対する操作のアルゴリズムおよび記号表現を用いて記述している。こうしたアルゴリズム的記述および表現は、データ処理の技術分野の当業者によって、自分の仕事の内容を他の当業者に効果的に伝えるために、一般的に用いられている。これらの操作は、機能的、計算的、または論理的に記述されているが、コンピュータ・プログラムもしくは同等の電気回路、マイクロコード、または同様のものによって実装されるものであると理解される。さらに、場合によっては、操作のこれらの機構をモジュールと呼ぶことが、一般性を失うことなく、便利であることも分かっている。上述の操作およびそれらの関連モジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウエア、またはこれらの任意の組み合わせの形で具体化されてよい。
【0073】
本明細書に記載されている工程、操作、またはプロセスはいずれも、1つまたは複数のハードウエアまたはソフトウェア・モジュールによって、単独で、または他のデバイスと組み合わせて、実行または実装されてよい。一実施形態では、上述の工程、操作、またはプロセスのいずれかまたは全てを実行するためのコンピュータ・プロセッサによって実行することができるコンピュータ・プログラム・コードを包含するコンピュータ可読媒体からなるコンピュータ・プログラム製品で、ソフトウェア・モジュールが実装される。
【0074】
本発明の実施形態は、本明細書における操作を実行する装置に関する可能性もある。この装置は、要求される目的に合わせて特別に構築されてよく、および/またはそれは、コンピュータ内に記憶されたコンピュータ・プログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピューティング・デバイスからなってよい。このようなコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム・バスに結合され得る、非一時的有形コンピュータ可読記憶媒体、または電子命令の記憶に適した任意の種類の媒体内に記憶され得る。さらに、本明細書において言及されているコンピューティング・システムはいずれも単一のプロセッサを含んでもよいし、または計算能力を高めるために複数のプロセッサ設計を用いるアーキテクチャであってもよい。
【0075】
本発明の実施形態は、本明細書に記載されている計算処理によって製造される製品に関する可能性もある。このような製品は、計算処理の結果として得られた情報からなってよく、この場合、情報は非一時的有形コンピュータ可読記憶媒体上に記憶され、本明細書に記載されているコンピュータ・プログラム製品またはその他のデータ結合の任意の実施形態を含んでよい。
【0076】
最後に、本明細書において用いられている文言は主に読みやすさおよび教育的目的のために選択されており、それは、本発明の主題を線引きまたは限定するために選択された可能性はない。したがって、本発明の範囲はこの詳細な説明によって限定されるのではなく、むしろ、本明細書に基づく出願時に提出される任意の請求項によって限定されることが意図されている。それゆえ、本発明の実施形態の開示は、本発明の範囲の限定ではなく、その例示であることが意図されている。本発明の範囲は添付の請求項に明記されている。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5