特許第6067802号(P6067802)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067802
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】相互接続ルーティング構成及び関連技術
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20170116BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   H01L23/12 Q
   H01L23/12 N
   H05K3/46 G
   H05K3/46 N
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-160885(P2015-160885)
(22)【出願日】2015年8月18日
(65)【公開番号】特開2016-63218(P2016-63218A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2015年9月18日
(31)【優先権主張番号】14/491,693
(32)【優先日】2014年9月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ジーグオ チエン
(72)【発明者】
【氏名】ケマル アイグン
(72)【発明者】
【氏名】デ−ウー キム
【審査官】 秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0042612(US,A1)
【文献】 特開2008−283192(JP,A)
【文献】 特開2007−005536(JP,A)
【文献】 特開2006−261311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に配置され且つ複数の配線を有する第1のルーティング層と、
前記第1のルーティング層に直に隣接して配置され且つ複数の配線を有する第2のルーティング層と
を有し、
前記第1のルーティング層の前記複数の配線のうちの第1の配線が、前記第2のルーティング層の前記複数の配線のうちの第2の配線の幅よりも大きい幅を有し、前記第1のルーティング層の前記複数の配線のうちの第3の配線が、前記第2のルーティング層の前記複数の配線のうちの第4の配線の幅よりも小さい幅を有し、前記第1の配線は、前記第2の配線と前記基板とのちょうど間に配置されており、前記第1の配線は信号配線であり、前記第2の配線はダミー配線であり、前記第3の配線及び前記第4の配線はグランド配線である、
装置。
【請求項2】
基板と、
前記基板の上に配置され且つ複数の配線を有する第1のルーティング層と、
前記第1のルーティング層に直に隣接して配置され且つ複数の配線を有する第2のルーティング層と、
を有し、
前記第1のルーティング層の前記複数の配線のうちの第1の配線が、前記第2のルーティング層の前記複数の配線のうちの第2の配線の幅よりも大きい幅を有し、前記第1のルーティング層の前記複数の配線のうちの第3の配線が、前記第2のルーティング層の前記複数の配線のうちの第4の配線の幅よりも小さい幅を有し、前記第1の配線は、前記第2の配線と前記基板とのちょうど間に配置されており、前記第1の配線及び前記第2の配線はグランド配線であり、前記第3の配線はダミー配線であり、前記第4の配線は信号配線である、
装置。
【請求項3】
前記第1の配線は、ビアによって前記第2の配線と結合されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
記第3の配線は、前記第1のルーティング層内で前記第1の配線のすぐ隣であり、且つ
前記第4の配線は、前記第2のルーティング層内で前記第2の配線のすぐ隣である、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
記第3の配線は、前記第の配線と前記基板とのちょうど間に配置されている、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
基板を用意し、
前記基板の上に、複数の配線を有する第1のルーティング層を形成し、
前記第1のルーティング層の上に直に隣接して、複数の配線を有する第2のルーティング層を形成する
ことを有し、
前記第1のルーティング層の前記複数の配線のうちの第1の配線が、前記第2のルーティング層の前記複数の配線のうちの第2の配線の幅よりも大きい幅を有し、前記第1のルーティング層の前記複数の配線のうちの第3の配線が、前記第2のルーティング層の前記複数の配線のうちの第4の配線の幅よりも小さい幅を有し、前記第1の配線は、前記第2の配線と前記基板とのちょうど間に配置され、前記第1の配線は信号配線であり、前記第2の配線はダミー配線であり、前記第3の配線及び前記第4の配線はグランド配線である、
方法。
【請求項7】
基板を用意し、
前記基板の上に、複数の配線を有する第1のルーティング層を形成し、
前記第1のルーティング層の上に直に隣接して、複数の配線を有する第2のルーティング層を形成する
ことを有し、
前記第1のルーティング層の前記複数の配線のうちの第1の配線が、前記第2のルーティング層の前記複数の配線のうちの第2の配線の幅よりも大きい幅を有し、前記第1のルーティング層の前記複数の配線のうちの第3の配線が、前記第2のルーティング層の前記複数の配線のうちの第4の配線の幅よりも小さい幅を有し、前記第1の配線は、前記第2の配線と前記基板とのちょうど間に配置されており、前記第1の配線及び前記第2の配線はグランド配線であり、前記第3の配線はダミー配線であり、前記第4の配線は信号配線である、
方法。
【請求項8】
ビアを形成することによって前記第1の配線を前記第2の配線と結合することを更に有する請求項に記載の方法。
【請求項9】
記第3の配線は、前記第1のルーティング層内で前記第1の配線のすぐ隣であり、且つ
前記第4の配線は、前記第2のルーティング層内で前記第2の配線のすぐ隣である、
請求項6乃至8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
記第3の配線は、前記第の配線と前記基板とのちょうど間に配置される
請求項6乃至9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
パッケージ基板と、
前記パッケージ基板に埋め込まれたブリッジインターコネクトであり、
基板、
前記基板の上に配置され且つ複数の配線を有する第1のルーティング層、及び
前記第1のルーティング層に直に隣接して配置され且つ複数の配線を有する第2のルーティング
を有し、
前記第1のルーティング層の前記複数の配線のうちの第1の配線が、前記第2のルーティング層の前記複数の配線のうちの第2の配線の幅よりも大きい幅を有し、前記第1のルーティング層の前記複数の配線のうちの第3の配線が、前記第2のルーティング層の前記複数の配線のうちの第4の配線の幅よりも小さい幅を有し、前記第1の配線は、前記第2の配線と前記基板とのちょうど間に配置されており、前記第1の配線は信号配線であり、前記第2の配線はダミー配線であり、前記第3の配線及び前記第4の配線はグランド配線である、
ブリッジインターコネクトと、
を有するパッケージアセンブリ。
【請求項12】
パッケージ基板と、
前記パッケージ基板に埋め込まれたブリッジインターコネクトであり、
基板、
前記基板の上に配置され且つ複数の配線を有する第1のルーティング層、及び
前記第1のルーティング層に直に隣接して配置され且つ複数の配線を有する第2のルーティング層
を有し、
前記第1のルーティング層の前記複数の配線のうちの第1の配線が、前記第2のルーティング層の前記複数の配線のうちの第2の配線の幅よりも大きい幅を有し、前記第1のルーティング層の前記複数の配線のうちの第3の配線が、前記第2のルーティング層の前記複数の配線のうちの第4の配線の幅よりも小さい幅を有し、前記第1の配線は、前記第2の配線と前記基板とのちょうど間に配置されており、前記第1の配線及び前記第2の配線はグランド配線であり、前記第3の配線はダミー配線であり、前記第4の配線は信号配線である、
ブリッジインターコネクトと、
を有するパッケージアセンブリ。
【請求項13】
前記ブリッジインターコネクトと電気的に結合された第1のダイと、
前記ブリッジインターコネクトと電気的に結合された第2のダイと、
を更に有し、
前記第1のルーティング層及び前記第2のルーティング層のうちの少なくとも一方が、前記第1のダイと前記第2のダイとの間で電気信号をルーティングするように構成されている、
請求項11又は12に記載のパッケージアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して集積回路(IC)アセンブリの分野に関し、より具体的には、インターコネクト(相互接続)ルーティング構成及びそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば複数ダイなどの集積回路(IC)アセンブリの小型化への意欲が、パッケージアセンブリ内のダイ間に密なインターコネクトを実現することへの同様の意欲を生み出している。例えば、ダイ間又はその他のコンポーネント間に密なインターコネクトルーティングを提供するために、例えば埋込式マルチダイインターコネクトブリッジ(Embedded Multi-die Interconnect Bridge;EMIB)テクノロジなどの、インターポーザ及びブリッジが出現している。そのようなインターポーザ及びブリッジは、半導体処理(例えば、CMOS)技術を利用して密な相互接続ルーティング機構を形成し得る。しかしながら、そのような相互接続ルーティング機構は、損失が多く且つ容量性であり、それにより、ルーティング長とともに信号上昇時間を急激に劣化させることがあり、また、電力効率を低下させ得る。例えば、一部の例において、0.16ピコファラッド(pF)のキャパシタンスごとに0.1ピコジュール毎ビット(pJ/b)の大きさだけ電力効率を低下させ得る。より厚い誘電体材料及びより低い誘電率は、この影響を軽減する助けとなり得るが、現在の処理シナリオへのそのような変更は、リスクがあり且つ/或いはコストがかかり得る。より高い信号速度及び電力効率を達成するには、インターコネクトのキャパシタンス及び時定数を低減するその他の技術が必要である。インターポーザ及びブリッジにおけるルーティング構成は、改善された歩留りでの製造を支援し得るものであるDFM(Design For Manufacturing;生産性を考慮した設計)に関するレイアウト設計ルールに基づき得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
添付の図面とともに以下の詳細な説明を参照することにより実施形態がたやすく理解されることになる。ここでの説明を容易にするため、同様の構成要素は似通った参照符号で指し示す。実施形態は、添付の図面の図への限定としてではなく、例として示されるものである。
図1】一部の実施形態に従った集積回路(IC)パッケージアセンブリの一例を模式的に示す側断面図である。
図2】一部の実施形態に従ったルーティング構成を模式的に示す側断面図である。
図3】一部の実施形態に従った図2のルーティング構成のグランドプレーン構成を模式的に示す上断面図である。
図4】一部の実施形態に従った他のルーティング構成を模式的に示す側断面図である。
図5】一部の実施形態に従った更なる他のルーティング構成を模式的に示す側断面図である。
図6】一部の実施形態に従ったルーティング構造を製造する方法を模式的に示すフロー図である。
図7】一部の実施形態に従った、ここに記載のICパッケージアセンブリを含んだコンピューティング装置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本開示の実施形態により、インターコネクトルーティング構成及び関連する技術が記述される。以下の記載においては、当業者が自身の仕事の内容を他の当業者に伝えるために一般に使用する用語を用いて、例示の実装例の様々な態様が説明される。しかしながら、当業者に明らかなように、本開示の実施形態は、記載される態様のうちの一部のみを用いて実施されてもよい。例示の実装例の完全なる理解を提供するために、説明目的で、具体的な数、材料及び構成が説明される。しかしながら、当業者に明らかなように、本開示の実施形態はそのような具体的な詳細事項を用いずに実施されてもよい。また、例示の実装例を不明瞭にしないよう、周知の機構は省略あるいは単純化されている。
【0005】
以下の詳細な説明においては、その一部をなす添付図面を参照する。図面全体を通して、同様の部分は似通った参照符号で指し示され、また、図面には、本開示に係る事項が実施され得る実施形態が例として示される。理解されるように、他の実施形態も用いられることができるのであり、本開示の範囲を逸脱することなく構造的あるいは論理的な変更が為され得る。故に、以下の詳細な説明は限定的な意味で参酌されるべきではなく、実施形態の範囲は、添付の請求項及びその均等範囲によって定められるものである。
【0006】
本開示の目的で、“A及び/又はB”という言い回しは、(A)、(B)、又は(A及びB)を意味する。本開示の目的で、“A、B及び/又はC”という言い回しは、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B及びC)を意味する。
【0007】
この説明は、例えば頂部/底部、内/外、上方/下方、及びこれらに類するものなど、視点に基づく記述を使用することがある。このような記述は、単に説明を容易にするために使用されており、ここに記載の実施形態の適用を特定の向きに限定することを意図したものではない。
【0008】
この説明は、“一実施形態において”又は“実施形態において”という言い回しを使用することがあるが、これらは各々、同じあるいは異なる実施形態のうちの1つ以上に言及するものである。また、本開示の実施形態に関して使用されるとき、用語“有する”、“含む”、“持つ”及びこれらに類するものは同義である。
【0009】
ここでは、用語“〜と結合される”及びその派生語が使用されることがある。“結合される”は以下に挙げるもののうちの1つ以上を意味し得る。“結合される”は、2つ以上の要素が物理的あるいは電気的に直接的に接触していることを意味し得る。しかしながら、“結合される”はまた、2つ以上の要素が、互いに間接的に接触しながら、依然として互いに協働あるいは相互作用することを意味することもあるし、互いに結合されると言われる要素同士の間に1つ以上のその他の要素が結合あるいは接続されることを意味することもある。用語“直接的に結合される”は、2つ以上の要素が直接的に接触していることを意味し得る。
【0010】
様々な実施形態において、“第2の機構上に形成、堆積、あるいはその他の方法で配置される第1の機構”という言い回しは、第1の機構が第2の機構上に形成、堆積あるいは配置されて、第1の機構の少なくとも一部が第2の機構の少なくとも一部と直接的に接触(例えば、物理的且つ/或いは電気的に直接的に接触)あるいは間接的に接触(例えば、第1の機構と第2の機構との間に1つ以上の他の機構を有する)していることを意味し得る。
【0011】
ここで使用されるとき、用語“モジュール”は、記載される機能を提供する1つ以上のソフトウェア若しくはファームウェアプログラム、組み合わせ的な論理回路、及び/又はその他の好適コンポーネントを実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、システム・オン・チップ(SoC)、プロセッサ(共有、専用、又はグループ)、及び/又はメモリ(共有、専用、又はグループ)の部分であること、又はそれらを含むことを意味し得る。
【0012】
図1は、一部の実施形態に従った集積回路(IC)パッケージアセンブリ(以下、“パッケージアセンブリ100”)の一例の側断面図を模式的に示している。様々な実施形態によれば、パッケージアセンブリ100は、例えばバンプ、ピラー又はその他のダイレベルインターコネクト構造などの、第1階層インターコネクト(first-level interconnect;FLI)構造103aを用いてパッケージ基板104と結合されたダイ102a、102bを含み得る。パッケージ基板104は、例えばはんだボール108又はその他の好適なパッケージレベルインターコネクト構造などの、第2階層インターコネクト(second-level interconnect;SLI)構造を用いて回路基板106と結合され得る。図示した実施形態において、ダイ102a、102bは、フリップチップ構成でパッケージ基板104上にマウントされている。ダイは、他の実施形態において、その他の好適な技術及び構成を用いてパッケージ基板104と結合されてもよい。
【0013】
パッケージ基板104は、一部の実施形態において、パッケージ基板104の第1の面S1と第2の面S2との間を含め、パッケージ基板104を貫いてダイ102a、102bの電気信号をルーティングする(経路付ける)例えば導電配線、ビア、及びこれらに類するものなどの1つ以上のルーティング構造103bを含み得る。該1つ以上のルーティング構造103bは、例えば銅などの金属を含む如何なる好適な導電材料からなっていてもよい。一部の実施形態において、該1つ以上のルーティング構造103bは、ダイ102a、102bの一方若しくは双方と、例えば回路基板106などの、パッケージ基板104の外部の電気デバイスとの間で電気信号をルーティングするように構成され得る。
【0014】
一部の実施形態において、ブリッジインターコネクト構造(以下、“ブリッジ105”)が、パッケージ基板104に埋め込まれて、ダイ102a、102b間で電気信号をルーティングするように構成され得る。例えば、一部の実施形態において、ダイ102a、102bの各々が、ブリッジ105のダイコンタクト105aと結合されたFLI構造103a及び/又はルーティング構造103bを用いて、ブリッジ105と電気的に結合され得る。ダイコンタクト105aは、例えば、ブリッジ105の表面上のパッド又は配線を含み得る。
【0015】
ブリッジ105は、例えば配線又はその他の好適機構などの高密度電気ルーティング機構を持つ1つ以上のルーティング層105bを含むことができ、この高密度電気ルーティング機構は、ダイコンタクト105a間に配置されて、ダイ102a、102b間の電気信号のためのブリッジ105内の電気経路を提供する。例えば、該1つ以上のルーティング層105bは、図2−5に関連して説明する実施形態に適合し得る。ブリッジ105は、ダイ102a、102bの動作に関連する例えば入力/出力(I/O)信号及び/又は電源/グランドなどの電気信号のルーティングを提供し得る。一部の実施形態において、ダイ102a、102bのうちの一方は例えば中央演算処理ユニット(CPU)などのプロセッサとすることができ、ダイ102a、102bのうちの他方はメモリとし得る。他の実施形態において、ダイ102a、102bは、プロセッサ、メモリ、システム・オン・チップ(SoC)、若しくはASICを含むか、その一部であるかであってもよく、あるいは、別の好適機能を実行するように構成されてもよい。ブリッジ105は、例えば半導体材料又はガラスを含む多様な好適材料からなり得る。一実施形態において、ブリッジ105は、シリコンからなっていてもよく、また、ダイの形態であってもよい。ブリッジ105を横切るAからBへの破線は、図2−5のルーティング構成にて更に詳細に図示して説明する断面部分を表し得る。
【0016】
一部の実施形態において、パッケージ基板104は、電気絶縁材料104aからなり得る。一部の実施形態において、電気絶縁材料104aは、ブリッジ105を少なくとも部分的に封入する1つ以上のビルドアップ層の材料(例えば、エポキシ系材料)を含み得る。一部の実施形態において、ブリッジ105とパッケージ基板104の第1の面S1との間に配置された電気絶縁材料104aは、パッケージ基板104の電気絶縁層(例えば、ビルドアップ層)である。一部の実施形態において、パッケージ基板104は、例えば味の素ビルドアップフィルム(Ajinomoto Build-up Film;ABF)基板など、コア及び/又はビルドアップ層を持つエポキシ系ラミネート基板である。電気絶縁材料104aは、他の実施形態において、その他の好適材料を含んでいてもよい。
【0017】
パッケージ基板104は、図示したものより多数又は少数のルーティング構造103bを含み得る。一部の実施形態において、例えば成形コンパウンド又はアンダーフィル材(図示せず)などの電気絶縁材料が、ダイ102a及び/又はFLI103aの一部を少なくとも部分的に封入し得る。
【0018】
回路基板106は、例えばエポキシラミネートなどの電気絶縁材料からなる印刷回路基板(PCB)とし得る。例えば、回路基板106は、ポリテトラフルオロエチレン、例えばFR(Flame Retardant)−4、FR−1などのフェノール系コットン紙材料、コットン紙と例えばCEM−1若しくはCEM−3などのエポキシ材料、又は、エポキシ樹脂プリプレグ材を用いて重ね合わされた織ガラス材、などの材料から成る電気絶縁層を含み得る。回路基板106を通じてダイ102a、102bの電気信号をルーティングするために、例えば配線、トレンチ、ビア、及びこれらに類するものなどの構造が、電気絶縁層内に形成され得る。回路基板106は、他の実施形態において、その他の好適材料からなっていてもよい。一部の実施形態において、回路基板106はマザーボード(例えば、図7のマザーボード702)である。
【0019】
ボールグリッドアレイ(BGA)構成に配列され得るものである例えばはんだボール108などのパッケージインターコネクトが、図示のように、パッケージ基板104の第2の面S2上の1つ以上のパッド110と回路基板106上の1つ以上のパッド110とに結合されて、パッケージ基板104と回路基板106との間でのダイ102a、102bの電気信号を更にルーティングするように構成された、対応するはんだジョイントを形成し得る。これらのパッドは、例えば、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、又はこれらの組み合わせを含む金属などの、如何なる好適材料からなっていてもよい。他の実施形態において、パッケージ基板104を回路基板106と物理的且つ/或いは電気的に結合する他の好適技術が使用されてもよい。例えば、一部の実施形態において、パッケージインターコネクトは、ランドグリッドアレイ(LGA)構造又はその他の好適構造を含み得る。
【0020】
図2は、一部の実施形態に従ったルーティング構成200の側断面図を模式的に示している。一部の実施形態において、ルーティング構成200は、図1中の破線ABによって示されたブリッジ105の断面部分を表し得る。ルーティング構成200又は構造は、ブリッジ105の基板202と、基板202上に形成された複数のルーティング層(例えば、ルーティング層210、212、214及び216)とを含み得る。一部の実施形態において、基板202は、例えばシリコンなどの半導体材料又はガラスからなり得る。基板202は、他の実施形態において、その他の好適材料からなっていてもよい。
【0021】
ルーティング層210、212、214及び216は、基板上に、例えば半導体製造技術を用いて形成され得る。例えば、一部の実施形態において、ルーティング層210、212、214及び216は、高密度ルーティング構造を形成するように例えば薄膜堆積、エッチング及び/又はリソグラフィプロセスなどの相補型金属酸化膜半導体(CMOS)製造技術を用いて形成されたルーティング構造(例えば、トレンチ及び/又はビア)を含み得る。これらの技術は、ダイ上のバックエンド相互接続ルーティング(例えば、トレンチ及び/又はビア)を製造するのに使用されるものと同様とし得る。ルーティング層210、212、214及び216は、例えば酸化シリコン(SiO)又はその他周知の誘電体材料などの電気絶縁材料204内に配置され得る。一部の実施形態において、ルーティング層210、212、214及び216は、それぞれ、メタル1(MT1)層、メタル2(MT2)層、メタル3(MT3)層、及びメタル4(MT4)層と称され得る。
【0022】
様々な実施形態によれば、ルーティング層210、212、214及び216は各々、互いに平行に延在し得る導電ライン(例えば、配線206、209)を用いて、ブリッジ105を横切って共通の方向(例えば、図2の紙面に入って出る方向)に電気信号をルーティングように構成され得る。例えば、導電ラインは、グランド接続をルーティングするように構成されたグランド配線206と、ダイのI/O信号をルーティングするように構成された信号配線209とを含み得る。ルーティング構成200は更に、何らかの電気信号をルーティングするようには全く構成されない(例えば、グランド及び/又はI/O信号に電気的に接続されない)ダミー配線208を含み得る。ダミー配線は、製造を容易にする密度の材料(例えば、金属)を供するために形成され得る。配線206、208、209は、例えば金属などの導電材料からなり得る。一実施形態において、配線206、208、209は銅からなる。
【0023】
図示した実施形態において、図示のように、複数の配線を持つ第1のルーティング層210が基板202の上に形成され、複数の配線を持つ第2のルーティング層212が第1のルーティング層210の上に形成され得る。第1のルーティング層210は、図示のように、交互構成で配置されたグランド配線206及びダミー配線208を含み得る。第1のルーティング層210内のグランド配線206の幅W1は、第1のルーティング層210内のダミー配線208の幅W2よりも大きいとし得る。
【0024】
第2のルーティング層212は、図示のように、第2のルーティング層212内のグランド配線206が第1のルーティング層210内のグランド配線206の真上でそれに隣接して配置されるようにして、交互構成で配置されたグランド配線206及び信号配線209を含み得る。すなわち、第1のルーティング層210及び第2のルーティング層212のグランド配線206が、同じ配線列(例えば、カラムC1)にて、上下にアライメントされ、第1のルーティング層210のダミー配線208及び第2のルーティング層212の信号配線が、同じ配線列(例えば、カラムC2)にて、上下にアライメントされ得る。第1のルーティング層210の個々のグランド配線206は、図示のように、第2のルーティング層212の個々のグランド配線206と基板202とのちょうど間に配置され得る。
【0025】
信号配線209の幅W3は、図示のように、第2のルーティング層212内のグランド配線206の幅W4よりも大きいとし得る。一部の実施形態において、幅W1とW3は同じであってもよく、幅W2とW4は同じであってもよい。一部の実施形態において、幅W1及びW3は1ミクロンから3ミクロンの範囲とすることができ、幅W2及びW4は0.5ミクロンから1ミクロンの範囲とし得る。一部の実施形態において、幅W1又はW3は、幅W2又はW4の1.5倍以上とし得る。一部の実施形態において、ダミー配線208は、同じルーティング層(例えば、第1のルーティング層210及び第3のルーティング層214)内でグランド配線206のすぐ隣に配置されることができ、信号配線209は、同じルーティング層(例えば、第2のルーティング層212及び第4のルーティング層216)内でグランド配線206のすぐ隣に配置され得る。幅W1、W2、W3及びW4は、他の実施形態において、その他の好適な値又は関係を有し得る。
【0026】
一部の実施形態において、他のルーティング層が、第1のルーティング層210及び第2のルーティング層212の上に形成され得る。例えば、図示した実施形態において、第3のルーティング層214が第2のルーティング層212上に形成され、第4のルーティング層216が第3のルーティング層214上に形成され得る。第3のルーティング層214は、第1のルーティング層210内の対応する配線に関連して図示して説明したのと同様の構成で配置されたグランド配線206及びダミー配線208を有することができ、第4のルーティング層216は、第2のルーティング層212内の対応する配線に関連して図示して説明したのと同様の構成で配置されたグランド配線206及び信号配線209を有し得る。
【0027】
ルーティング構成200は、高密度ルーティングをなおも提供しながら、例えば向上された電気性能を含む多様な利点を提供し得る。例えば、信号配線209は、基板202と信号配線209との間の距離を増大させるよう、第1のルーティング層210には配置されないとし得る。例えば、高い誘電率を有するバルクシリコンから基板202がなる場合、第1のルーティング層210内の信号配線209を省くことで、基板202によるいっそう高いキャパシタンスを回避し得る。故に、第2のルーティング層212は、より低いキャパシタンス環境を信号配線209に提供し得る。ダミー配線208は、グランドまでの信号配線209の距離を実効的に増大させ、故に、グランドに対する信号配線209のキャパシタンスを低減し得る。信号配線209及びグランド配線206の幅及びそれら間の間隔が、所望の抵抗及び/又はキャパシタンスに従って設計され得る。例えば、より広い幅(又は、より小さい間隔)は、抵抗を低減するとともにキャパシタンスを増大させ、より小さい幅(又は、より広い間隔)は、キャパシタンスを低減するとともに抵抗を増大させ得る。第2のルーティング層212及び第4のルーティング層216のグランド配線206は、最小配線幅の設計ルールに合うように、且つ/或いは製造を容易にする最小金属密度を提供するように設計される幅W4を有し得る。ダミー配線208及び/又はグランド配線206の、より狭い幅W2、W4は、同じルーティング層又は異なるルーティング層の中の隣接する配線をいっそう近く配置することを可能にし得る。第1のルーティング層210及び第3のルーティング層214のダミー配線208は、ダミー配線を含まない構成に対して、半導体処理技術を用いた製造を容易にする金属密度を供し得る。ダミー配線208は、電気的にフローティング(例えば、電気的に非接続)にすることができ、それにより、隣接する信号配線209のキャパシタンスを低減し得る。
【0028】
一部の実施形態において、ルーティング構成200は、1ミリメートル当たり300の入力/出力配線(IO)(例えば、信号配線209)のルーティング密度(IO/mm)を持つ4層の埋込式マルチダイインターコネクトブリッジ(EMIB)に使用され得る。ルーティング構成200は、他の実施形態において、例えばアクティブなダイ(例えば、ダイのアクティブデバイス層上のインターコネクト層の部分)又は別種類のインターポーザに関するルーティングを含むその他の好適インターコネクト用途に使用されてもよい。ルーティング構成200は、他の実施形態において、図示したものより多数又は少数のルーティング層を含み得る。
【0029】
一部の実施形態において、ルーティング構成200は、同列(例えば、カラムC1又はカラムC2)内の隣接するグランド配線206の間に配置された1つ以上のビア213を含み得る。ビア213は、これらのグランド配線206を共に電気的に結合して、メッシュ構造を形成し得る。一実施形態において、同じルーティング層内の隣接するグランド配線206間のピッチは、半導体処理技術を用いたルーティング構成200の製造を容易にする密度のビア213を提供するよう、約6.88ミクロンとし得る。
【0030】
一部の実施形態において、配線206、208、209は、上下方向に約1.4ミクロンである厚さを有することができ、ビア213は、約0.6ミクロンである厚さを有し得る。配線206、208、209及びビア213は、他の実施形態において、その他の好適厚さを有し得る。一実施形態において、ルーティング構成200は、従来のマイクロストリップ/ストリップライン構成より約5%大きいアイ(eye)マージンを達成することができ、これは、約1mmのルーティング長の増加と等価であり得る。
【0031】
図3は、一部の実施形態に従った、図2のルーティング構成200のグランドプレーン構成300の上断面図を模式的に示している。グランドプレーン構成300は、例えば、図2の第1のルーティング層210又は第3のルーティング層214の上断面図を表し得る。一部の実施形態において、図2のルーティング構成200の側断面図は、図3のグランドプレーン構成300のCからDへの破線に沿った断面図を含むとし得る。
【0032】
様々な実施形態によれば、グランドプレーン構成300は、図2の紙面上で左から右への縦方向に延在するグランド配線であって、これらグランド配線206に垂直に延在して横方向のグランド接続を形成する導電ライン206aによって共に電気的に結合されたグランド配線206、によって形成されるメッシュ構造を含み得る。導電ライン206aは、例えば、グランド配線206を形成するのに使用されるのと同じ製造プロセスにおいて形成されるトレンチなどの、金属機構を含み得る。
【0033】
図示のように、隣接するグランド配線206間且つ隣接する導電ライン206a間に、ダミー配線208が配置され得る。一部の実施形態において、ダミー配線208は各々、例えばSiO又はその他の誘電体材料などの電気絶縁材料204に封入され得る。ダミー配線208は、図示のように、上記縦方向に延在し得る。一部の実施形態において、個々のダミー配線208は、上記縦方向に約50ミクロンの長さを有する。ダミー配線208は、他の実施形態において、その他の好適寸法を有し得る。
【0034】
図4は、一部の実施形態に従った他のルーティング構成400の側断面図を模式的に示している。図4のルーティング構成400は、図2の第1のルーティング層210が図2の第2のルーティング層212と入れ換えられた場合の図2のルーティング構成200を示すとし得る。一部の実施形態において、ルーティング構成400は、図示のように、第1のルーティング層210及び第2のルーティング層212の中の配線206、208、209の配置の鏡像である第3のルーティング層214及び第4のルーティング層216の中の配線206、208、209の配置を提供し得る。
【0035】
一部の実施形態において、第1のルーティング層210は、交互構成で配置されたグランド配線206及び信号配線209を含み得る。グランド配線206は、第1のルーティング層210及び第4のルーティング層216の信号配線209のすぐ隣に配置され得る。第1のルーティング層210内のグランド配線206は、信号配線209の幅W3より小さい幅W4を有している。
【0036】
第2のルーティング層212は、各ルーティング層のグランド配線206が同じ列(例えば、カラムC1)を共有し、且つ各ルーティング層の信号配線209及びダミー配線208が同じ列(例えば、カラムC2)を共有するようにして、交互構成で配置されたグランド配線206及びダミー配線208を含み得る。これらのグランド配線206は、第2のルーティング層212及び第3のルーティング層214のダミー配線208のすぐ隣に配置され得る。
【0037】
一部の実施形態において、第1のルーティング層210及び第4のルーティング層216が、同じ構成の配線206、208を有していてもよい。第2のルーティング層212及び第3のルーティング層214が、同じ構成の配線206、209を有していてもよい。一部の実施形態において、図示のように、第2のルーティング層212及び第3のルーティング層214の中の幅W1を持つグランド配線206が、互いに直に隣接して配置され、第2のルーティング層212及び第3のルーティング層214の中の幅W2を持つダミー配線208が、互いに直に隣接して配置され得る。ルーティング構成400は、同列内の2つの信号を、ルーティング構成200に対して、更に上下に離して維持することによって、これらの信号間のクロストークを低減し得る。
【0038】
図5は、一部の実施形態に従った更なる他のルーティング構成500の側断面図を模式的に示している。様々な実施形態によれば、ルーティング構成500においては、第1のルーティング層210、第2のルーティング層212、第3のルーティング層214及び第4のルーティング層216の各々が、図示のように、同じ交互構成をしたグランド配線206及び信号配線209を有し得る。
【0039】
一部の実施形態において、グランド配線206及び信号配線209は、図示のように、それぞれグランド配線206の列(例えば、カラムC1)及び信号配線209の列(例えば、カラムC2)を形成するように配列される。一部の実施形態において、グランド配線206は、信号配線209の幅W2よりも大きい幅W1を有し得る。
【0040】
一部の実施形態において、ルーティング層210、212、214及び216の中のグランド配線206が、図示のように、ビア213を用いて共に結合され得る。一部の実施形態において、異なるルーティング層の中の信号配線209の対(ペア)が、ビア213を用いて共に結合され得る。例えば、図示した実施形態において、第1のルーティング層210の信号配線209が、第2のルーティング層212の中の直に隣接する信号配線209と、ビア213によって電気的に結合されて、第1のルーティング層210と第2のルーティング層212とに跨って同じ信号をルーティングするようにされている。同様に、第3のルーティング層214の信号配線が、第4のルーティング層216の中の直に隣接する信号配線209と、ビア213によって電気的に結合されて、第3のルーティング層214と第4のルーティング層216とに跨って同じ信号をルーティングするようにされている。
【0041】
様々な実施形態によれば、第1のルーティング層210のグランド配線206は、第2のルーティング層212、第3のルーティング層214及び第4のルーティング層216の中の同列(例えば、カラムC1)内にあるグランド配線206のうちの何れかと基板202とのちょうど間に配置される。様々な実施形態によれば、第1のルーティング層210の信号配線209は、第2のルーティング層212、第3のルーティング層214及び第4のルーティング層216の中の同列(例えば、カラムC2)内にある信号配線209のうちの何れかと基板202とのちょうど間に配置される。ルーティング構成500は、同一の信号に2つの平行な配線を利用することができ、それにより冗長性を付加して、これらの配線のうちの一方が製造時に破断したとしてもその信号がなおも機能するようにし得る。これは、ルーティング構成500を含んだ製品の歩留まりを向上させ得る。
【0042】
一部の実施形態において、ルーティング構成200、400又は500は、図示したものより多数又は少数のルーティング層を含み得る。一部の実施形態において、ルーティング構成200、400又は500は、同じインターコネクトアセンブリ上で、共に、又はその他のルーティング構成と、好適に組み合わされ得る。
【0043】
図6は、一部の実施形態に従ったルーティング構造(例えば、図2、4又は5のルーティング構成200、400又は500)を製造する方法600のフロー図を模式的に示している。方法600は、図1−5に関連して説明した実施形態に適合し得るものであり、その逆もまた然りである。
【0044】
602にて、方法600は、基板(例えば、基板202)を用意することを含み得る。基板は、例えば、シリコンなどの半導体材料若しくはガラス、又はその他の好適材料を含み得る。一部の実施形態において、基板は、インターコネクト回路を製造するための周知の半導体製造技術(例えば、CMOS技術)に従って処理され得る。
【0045】
604にて、方法600は、基板上に第1のルーティング層(例えば、図2、4又は5の第1のルーティング層210)を形成することを含み得る。第1のルーティング層は、第1の複数の配線(例えば、図2の配線206、208、図4の配線206、209、又は図5の配線206、209)を有する。第1のルーティング層は、例えば基板上に電気絶縁材料(例えば、図2、3、4又は5の電気絶縁材料204)の層を堆積する膜堆積、並びに、複数の配線を形成する金属の堆積のために電気絶縁材料の一部を選択的に除去するリソグラフィ及び/又はエッチングなどのパターニングプロセスなどの、半導体製造技術を用いて形成され得る。パターニングプロセスの部分として、配線に関して異なるサイズを持つマスクを用いることにより、異なる幅(例えば、図2、4又は5の幅W1、W2、W3又はW4)の配線が達成され得る。
【0046】
606にて、当該方法は、第1のルーティング層上に直に隣接して第2のルーティング層(例えば、図2、4又は5の第2のルーティング層212)を形成することを含み得る。第2のルーティング層は、第2の複数の配線(例えば、図2の配線206、209、図4の配線208、209、又は図5の配線206、209)を有し、第1の複数の配線のうちの第1の配線は、第2の複数の配線のうちの第2の配線の幅よりも大きい幅を持つ。例えば、図2、4又は5それぞれの構成200、400又は500の各々において、第1のルーティング層内の少なくとも1つの配線は、第2のルーティング層内の或る配線の幅よりも大きい幅を有している。第1及び第2のルーティング層の配線は、図2、4又は5に関連して説明した構成200、400又は500を提供するように形成され得る。
【0047】
第2のルーティング層は、第1のルーティング層に関連して説明した技術に従って形成され得る。一部の実施形態において、第2のルーティング層を形成することは、第2のルーティング層の配線を第1のルーティング層の配線と電気的に結合するように1つ以上のビア(例えば、図2、4及び/又は5のビア213、又は図5のビア213)を形成することを含み得る。一部の実施形態において、同じルーティング層のビア及び配線は、デュアルダマシンプロセスの部分として一緒に形成されてもよいし、あるいは、従来技術に従って別々のパターニング・充填プロセスによって独立に形成されてもよい。
【0048】
608にて、方法600は、第2のルーティング層上に更なるルーティング層を形成することを含み得る。例えば、第1及び第2のルーティング層上に、第1及び第2のルーティング層に関連して説明した技術に従って、第3及び第4のルーティング層(例えば、図2、4又は5の第3及び第4のルーティング層214及び216)が形成され得る。一部の実施形態において、ICアセンブリ内に埋め込むことを容易にするため、実質的に製造後に、基板が薄化されてもよい。特許請求に係る事項を理解するのに最も役立つように、様々な処理を複数の別個の処理として順々に説明した。しかしながら、説明の順序は、これらの処理が必然的に順序依存であることを意味するものとして解釈されるべきではない。
【0049】
本開示の実施形態は、所望のように構成するのに適した如何なるハードウェア及び/又はソフトウェアを用いてシステムに実装されてもよい。図7は、一部の実施形態に従った、ここに記載のICパッケージアセンブリ(例えば、図1のICパッケージアセンブリ100又はブリッジ105)を含むコンピューティング装置を模式的に示している。コンピューティング装置700は、(例えば、筐体708内に)例えばマザーボード702などのボードを収容し得る。マザーボード702は、以下に限られないがプロセッサ704及び少なくとも1つの通信チップ706を含む多数のコンポーネントを含み得る。プロセッサ704は、マザーボード702に物理的且つ電気的に結合され得る。一部の実装例において、上記少なくとも1つの通信チップ706もマザーボード702に物理的且つ電気的に結合され得る。更なる実装例において、通信チップ706はプロセッサ704の一部であってもよい。
【0050】
コンピューティング装置700は、その用途に応じて、他のコンポーネントを含むことができ、それら他のコンポーネントは、マザーボード702に物理的及び電気的に結合されたものであってもよいし、結合されていないものであってもよい。それら他のコンポーネントは、以下に限られないが、揮発性メモリ(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))、不揮発性メモリ(例えば、読み出し専用メモリ(ROM))、フラッシュメモリ、グラフィックスプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、暗号プロセッサ、チップセット、アンテナ、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、タッチスクリーンコントローラ、バッテリー、オーディオコーデック、ビデオコーディック、電力増幅器(AMP)、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)デバイス、方位計、ガイガーカウンタ、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、カメラ、及び大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、等々)を含み得る。
【0051】
通信チップ706は、コンピューティング装置700への、及びそれからのデータの伝送のための無線(ワイヤレス)通信を可能にし得る。用語“無線(ワイヤレス)”及びその派生形は、変調された電磁放射線を用いて非固体媒体を介してデータを伝達し得る回路、装置、システム、方法、技術、通信チャネルなどを記述するために使用され得る。この用語は、関連する装置が如何なるワイヤをも含まないことを意味するものではない(一部の実施形態では、如何なるワイヤをも含まないことがあり得る)。通信チップ706は、数多くある無線規格又はプロトコルのうちの何れを実装してもよい。無線規格又はプロトコルは、以下に限られないが、WiFi(IEEE802.11ファミリ)、IEEE802.16規格(例えば、IEEE802.16−2005補正)を含むIEEE規格、ロングタームエボリューション(LTE)プロジェクト及びその補正、更新及び/又は改正(例えば、アドバンストLTEプロジェクト)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)プロジェクト(“3GPP2”とも呼ばれている)、等々)を含む。IEEE802.16準拠のブロードバンドワイヤレスアクセス(BWA)ネットワークは一般にWiMAXネットワーク(WiMAXはワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェイブ・アクセスを表す頭文字である)と呼ばれており、これは、IEEE802.16規格の適合性・相互運用性試験を合格した製品の証明マークとなっている。通信チップ706は、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーション(GSM(登録商標))、ジェネラル・パケット・ラジオ・サービス(GPRS)、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)、ハイ・スピード・パケット・アクセス(HSPA)、エボルブドHSPA(E−HSPA)、又はLTEネットワークに従って動作してもよい。通信チップ706は、エンハンスト・データレート・フォー・GSMエボリューション(EDGE)、GSM EDGEラジオ・アクセス・ネットワーク(GERAN)、ユニバーサル・テレストリアル・ラジオ・アクセス・ネットワーク(UTRAN)、又はエボルブドUTRAN(E−UTRAN)に従って動作してもよい。通信チップ706は、符号分割多重アクセス(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、デジタル・エンハンスト・コードレス・テレコミュニケーションズ(DECT)、エボリューション・データ・オプティマイズド(EV−DO)、これらの派生形、並びに、3G、4G、5G及びそれ以降として指定されるその他の無線プロトコルに従って動作してもよい。通信チップ706は、他の実施形態において、その他の無線プロトコルに従って動作してもよい。
【0052】
コンピューティング装置700は複数の通信チップ706を含み得る。例えば、第1の通信チップ706は、例えばWi−Fi及び/又はBluetooth(登録商標)など、より短距離の無線通信用にされ、第2の通信チップ706は、例えばGPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev−DO及び/又はその他など、より長距離の無線通信用にされ得る。
【0053】
コンピューティング装置700のプロセッサ704は、ここに記載されたように、ICアセンブリ(例えば、図1のICパッケージアセンブリ100)にパッケージングされ、且つ/或いはブリッジ(例えば、図1のブリッジ105)と結合され得る。例えば、図1及び図7を手短に参照するに、図1の回路基板106はマザーボード702とすることができ、プロセッサ704は、図1のパッケージ基板104上にマウントされるかパッケージ基板104に埋め込まれるかし且つここに記載されたルーティング構成(例えば、図2、4又は5のルーティング構成200、400又は500)を有するブリッジ105と結合された、ダイ102aとし得る。ブリッジ105は、製品厚さを減らすため、及び/又は電気性能を向上させるために、パッケージ基板104に埋め込まれる前に薄化され得る。パッケージ基板104及びマザーボード702は、例えばはんだボール108などのパッケージレベルインターコネクトを用いて、共に結合され得る。その他の好適構成が、ここに記載された実施形態に従って実装されてもよい。用語“プロセッサ”は、レジスタ及び/又はメモリからの電子データを処理して、該電子データをレジスタ及び/又はメモリに格納され得る他の電子データへと変換する如何なるデバイス又はデバイス部分をも意味し得る。
【0054】
通信チップ706もまた、ここに記載されたようにICアセンブリ(例えば、図1のICパッケージアセンブリ100)にパッケージングされ且つ/或いはブリッジ(例えば、図1のブリッジ105)と結合され得るダイを含み得る。更なる実装例において、コンピューティング装置700に収容された他のコンポーネント(例えば、メモリデバイス又は他の集積回路デバイス)が、ここに記載されたようにICアセンブリ(例えば、図1のICパッケージアセンブリ100)にパッケージングされ且つ/或いはブリッジ(例えば、図1のブリッジ105)と結合され得るダイを含んでいてもよい。
【0055】
様々な実装例において、コンピューティング装置700は、ラップトップ、ネットブック、ノートブック、ウルトラブック、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末(PDA)、ウルトラモバイルPC、携帯電話、デスクトップコンピュータ、サーバ、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップボックス、娯楽制御ユニット、デジタルカメラ、ポータブル音楽プレーヤ、又はデジタルビデオレコーダとし得る。コンピューティング装置700は、一部の実施形態においてモバイルコンピューティング装置とし得る。更なる実装例において、コンピューティング装置700は、データを処理するその他の如何なる電子装置であってもよい。
【0056】

様々な実施形態によれば、本開示は装置を記述する。装置の例1は、基板と、前記基板の上に配置され且つ第1の複数の配線を有する第1のルーティング層と、前記第1のルーティング層に直に隣接して配置され且つ第2の複数の配線を有する第2のルーティング層であり、前記第1の複数の配線のうちの第1の配線が、該第2の複数の配線のうちの第2の配線の幅よりも大きい幅を有する、第2のルーティング層とを含み得る。例2は、前記第1の配線が前記第2の配線と前記基板とのちょうど間に配置されている例1の装置を含み得る。例3は、前記第1の配線がビアによって前記第2の配線と結合されている例2の装置を含み得る。例4は、前記第1の配線及び前記第2の配線がグランド配線である例2の装置を含み得る。例5は、前記第1の複数の配線のうちの第3の配線が前記第2の複数の配線のうちの第4の配線の幅よりも小さい幅を有し、前記第3の配線が前記第1の配線のすぐ隣であり、且つ前記第4の配線が前記第2の配線のすぐ隣である例4の装置を含み得る。例6は、前記第3の配線がダミー配線であり、且つ前記第4の配線が信号配線である例5の装置を含み得る。例7は、前記第1の配線が信号配線であり、且つ前記第2の配線がダミー配線である例2の装置を含み得る。例8は、前記第1の複数の配線のうちの第3の配線が前記第2の複数の配線のうちの第4の配線の幅よりも小さい幅を有し、前記第3の配線が前記第1の配線のすぐ隣であり、前記第4の配線が前記第2の配線のすぐ隣であり、且つ前記第3の配線及び前記第4の配線が、共に電気的に結合されたグランド配線である例7の装置を含み得る。例9は、前記第1の複数の配線が第3の配線を含み、前記第2の複数の配線が第4の配線を含み、前記第3の配線が前記第2の配線と前記半導体基板とのちょうど間に配置され、且つ前記第1の配線が前記第4の配線と前記半導体基板とのちょうど間に配置されている例1の装置を含み得る。例10は、前記第2の配線及び前記第3の配線が、同じ幅を有する信号配線であり、且つ前記第1の配線及び前記第4の配線が、同じ幅を有するグランド配線である例9の装置を含み得る。例11は、前記第2の配線及び前記第3の配線が、前記第1のルーティング層及び前記第2のルーティング層にわたって同じ信号をルーティングするように、共に電気的に結合されている例10の装置を含み得る。
【0057】
様々な実施形態によれば、本開示は方法を記述する。方法の例12は、基板を用意することと、前記基板の上に、第1の複数の配線を有する第1のルーティング層を形成することと、前記第1のルーティング層の上に直に隣接して、第2の複数の配線を有する第2のルーティング層を形成することとを含むことができ、前記第1の複数の配線のうちの第1の配線が、該第2の複数の配線のうちの第2の配線の幅よりも大きい幅を有する。例13は、前記第2のルーティング層を形成することが、前記第1の配線が前記第2の配線と前記基板とのちょうど間に配置されるように、前記第2の配線を形成することを含む例12の方法を含み得る。例14は、ビアを形成することによって前記第1の配線を前記第2の配線と結合することを更に有する例12の方法を含み得る。例15は、前記第1の配線及び前記第2の配線がグランド配線である例12の方法を含み得る。例16は、前記第1の複数の配線のうちの第3の配線が前記第2の複数の配線のうちの第4の配線の幅よりも小さい幅を有し、前記第3の配線が前記第1の配線のすぐ隣であり、且つ前記第4の配線が前記第2の配線のすぐ隣である例15の方法を含み得る。例17は、前記第3の配線がダミー配線であり、且つ前記第4の配線が信号配線である例16の方法を含み得る。例18は、前記第1の配線が信号配線であり、且つ前記第2の配線がダミー配線である例13の方法を含み得る。例19は、前記第1の複数の配線のうちの第3の配線が前記第2の複数の配線のうちの第4の配線の幅よりも小さい幅を有し、前記第3の配線が前記第1の配線のすぐ隣であり、前記第4の配線が前記第2の配線のすぐ隣であり、且つ前記第3の配線及び前記第4の配線が、共に電気的に結合されたグランド配線である例18の方法を含み得る。例20は、前記第1の複数の配線が第3の配線を含み、前記第2の複数の配線が第4の配線を含み、前記第3の配線が前記第2の配線と前記基板とのちょうど間に配置され、且つ前記第1の配線が前記第4の配線と前記基板とのちょうど間に配置される例18の方法を含み得る。
【0058】
様々な実施形態によれば、本開示はパッケージアセンブリを記述し得る。パッケージアセンブリの例21は、パッケージ基板と、前記パッケージ基板に埋め込まれたブリッジインターコネクトとを有し、前記ブリッジインターコネクトは、基板と、前記基板の上に配置され且つ第1の複数の配線を有する第1のルーティング層と、前記第1のルーティング層に直に隣接して配置され且つ第2の複数の配線を有する第2のルーティング層とを含み、前記第1の複数の配線のうちの第1の配線が、該第2の複数の配線のうちの第2の配線の幅よりも大きい幅を有する。例22は、前記ブリッジインターコネクトと電気的に結合された第1のダイと、前記ブリッジインターコネクトと電気的に結合された第2のダイとを更に有し、前記第1のルーティング層及び前記第2のルーティング層のうちの少なくとも一方が、前記第1のダイと前記第2のダイとの間で電気信号をルーティングするように構成されている例21のパッケージアセンブリを含み得る。
【0059】
様々な実施形態は、以上では論理積(及び)形態で記述された実施形態の選言的(又は)実施形態を含め(例えば、“及び”は“及び/又は”であってもよい)、上述の実施形態の好適な組み合わせを含み得る。また、一部の実施形態は、実行されるときに上述の実施形態のうちの何れかのアクションを生じさせる命令を格納して有する1つ以上の製造品(例えば、非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体)を含み得る。さらには、一部の実施形態は、上述の実施形態の様々な操作を実行するのに好適な手段を有する装置又はシステムを含み得る。
【0060】
例示した実装例の以上の説明は、要約書に記載した事項も含めて、網羅的であることや、本開示の実施形態を開示そのままの形態に限定することを意図したものではない。具体的な実施形態及び例が例示目的でここに記載されているが、当業者が認識するように、本開示の範囲内で様々な均等な変更が可能である。
【0061】
そのような変更は、以上の詳細な説明を踏まえて、本開示の実施形態に対して為され得るものである。請求項中で使用される用語は、本開示の様々な実施形態を明細書及び特許請求の範囲にて開示された具体的な実装形態に限定するように解釈されるべきでない。むしろ、その範囲はもっぱら、確立されたクレーム解釈の原則に則って解釈される以下の請求項によって決定されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7