特許第6067807号(P6067807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許60678072次事故防止システムおよび2次事故防止方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067807
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】2次事故防止システムおよび2次事故防止方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20170116BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20170116BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   G08G1/16 AZIT
   G08G1/09 F
   G08G1/09 P
   B60R21/00 630F
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-177667(P2015-177667)
(22)【出願日】2015年9月9日
(62)【分割の表示】特願2013-170624(P2013-170624)の分割
【原出願日】2013年8月20日
(65)【公開番号】特開2016-1501(P2016-1501A)
(43)【公開日】2016年1月7日
【審査請求日】2015年9月9日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0090917
(32)【優先日】2012年8月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513210541
【氏名又は名称】エルオーシー アンド オール インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LOC&ALL Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】シン,ミョン ジン
(72)【発明者】
【氏名】オー,クァン ジン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヒ マン
【審査官】 高田 基史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−003408(JP,A)
【文献】 特開2001−138846(JP,A)
【文献】 特開平07−047866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00−21/36
23/00−25/00
G08G 1/00−99/00
B60R 21/00−21/13
21/34−21/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPSナビゲーション機能を有し、車両の運転状態を監視し、通信ネットワークを介して、前記運転状態の情報を送信し、受信した情報をスクリーンに表示するように構成された端末機と、
前記端末機と情報を交換し、前記端末機から受信した前記運転状態の情報に基づいて、事故の発生を判断するためのアルゴリズムを有し、前記事故の発生を他の端末機に知らせるように構成されたサーバープラットフォームと、
を備え、
前記運転状態の情報は、前記車両の速度、前記車両の位置、および、前記車両の異なる3方向の加速度を含み、
前記アルゴリズムは、X軸(体軸方向)、Y軸(横軸方向)、およびZ軸(長手軸方向)上で測定されたそれぞれの加速度をフィルタリングし、前記フィルタリングされた加速度の絶対値を合計し、合計した加速度の絶対値に基づいて、衝撃の発生を検出し、前記衝撃の発生が前記事故の発生によって生じたものか否かを判断するインストラクションを含む、ことを特徴とする二次事故を防止するシステム。
【請求項2】
前記アルゴリズムは、前記衝撃の検出後に前記車両が移動すれば、前記事故が解除されたと判断するインストラクションをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アルゴリズムは、前記衝撃の方向が前記X軸に沿っていれば、前記車輌の状態を正常状態に転換するインストラクションをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記アルゴリズムは、前記車両がGPSの視界外の陰影領域にあるか否かを判断し、前記車両の加速度を参照することにより、たとえ前記車両の速度が正確にゼロでなくとも、前記車両が効果的に停止しているか否かを判断するインストラクションをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記アルゴリズムは、前記X、Y、Z軸に沿って重力加速度を計測することにより、前記車両の転覆を検出するインストラクションをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
車両の異なる3方向の加速度情報に基づいて衝撃の発生を検出する前記車両に設けられた端末機と通信するサーバープラットフォームを使用して、前記車両の最初の事故に続く、二次事故を防止するための方法であって、
前記サーバープラットフォームによって、前記衝撃の発生の検出に応答して、前記車両の速度に基づいて、所定の時間の間に前記車両が停止しているか否かを判断する段階と、
前記サーバープラットフォームによって、前記車両がある時間間隔の間に停止していると判断された場合、事故の発生を判断し、前記車両がある時間間隔の間に停止していると判断された場合、当該車両の前方の車両に比べ、当該車両の後方の車両がより低い速度で走行するか否かの判断に基づく前記事故の発生を確認する段階と、
前記サーバープラットフォームによって、当該車両の前方の車両に比べ、当該車両の後方の車両がより低い速度で走行するとき、前記事故が発生したことを検出する段階と、
前記サーバープラットフォームによって、前記事故が検出された場合、当該車両の近くの車両に設けられた前記端末機に事故の発生を知らせる段階と、
を備え、
前記衝撃の発生を検出する段階は、X軸(体軸方向)、Y軸(横軸方向)、およびZ軸(長手軸方向)上で測定されたそれぞれの加速度をフィルタリングし、前記フィルタリングされた加速度の絶対値を合計し、合計した加速度の絶対値に基づいて、衝撃の発生を検出する、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記衝撃の発生の検出後に前記車両が移動した場合、前記事故が解除されたと判断する段階をさらに備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記車両が停止しているか否かを判断する段階は、
GPSの視界外の陰影領域に前記車両が存在するか否かを判断する段階と、
前記車両の加速度を参照することにより、たとえ前記車両の速度が正確にゼロでなくとも、前記車両は効果的に停止しているか否かを判断する段階と、
を有することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
X、Y、Z軸の各々に沿って重力加速度を測定することによって、前記車両の転覆を検出する段階をさらに備える、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
一次車両のX軸(体軸方向)、Y軸(横軸方向)、およびZ軸(長手軸方向)上で測定されたそれぞれの加速度をフィルタリングし、前記フィルタリングされた加速度の絶対値を合計し、衝撃を検出するべく前記合計した加速度の絶対値を使用することにより、前記一次車両に関連する衝撃を検出する車両に設けられた端末機と通信するサーバープラットフォームによって、前記一次車両に関連する第1事故に続く、二次車両に関する第2事故を防止する方法であって、
前記端末機による前記衝撃の検出に続いて、前記サーバープラットフォームによって、前記一次車両の速度に基づいて、所定の時間間隔の間に前記一次車両が停止しているか否かを判断する段階と、
前記サーバープラットフォームによって、前記衝撃が検出された後の所定の時間間隔の間に前記一次車両が停止していれば、前記第1事故の発生を検出し、前記一次車両の前方の車両に比べ、前記一次車両の後方の二次車両がより低い速度で走行するか否かの判断に基づいて、前記第1事故の発生を確認する段階と、
前記サーバープラットフォームによって、前記第1事故を、前記二次車両および前方車両のそれぞれの前記端末機に知らせる段階と、
を備える方法。
【請求項11】
前記衝撃を検出した後、前記一次車両が移動したとき、前記第1事故は解除されたことを検出する段階をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通事故時、2次衝突事故防止のための事故お知らせシステムに関し、より詳しくは、自動車運行記録をリアルタイムに把握して事故か否かを判断して周辺運行者に知らせる、交通事故時の2次衝突事故防止のための事故お知らせシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記述された内容は単純に本発明の実施形態に対する背景情報を提供するだけであり、従来技術を構成するものではない。
【0003】
センサーの機能が発展し、移動通信を通じた情報処理が可能になるにしたがって、交通状況を伝達するシステムが開発されてきた。この時に伝達する情報は、運行量と運行速度のような断片的な情報に過ぎず、事故か否かに対する判断は、人が判断した後、事故事実を周辺の運転手に伝達する技法のみが商用化されてきた。
【0004】
しかしながら、この場合、数千台に達する車両の運行情報に基づいて一々人が事故か否かを判断することができないので、一般的に個々の事故申告を伝達する水準に限定されたものであり、リアルタイムに事故発生か否かを認知し判断して伝達することはできなかった。高速道路で2次事故は、事故が起こって周辺の車両が事故を認知できない期間の間に起こるので、既存の技術では2次事故を効率的に防止できないという問題がある。
【0005】
したがって、車両から事故を判断することができる情報を集めて判断するシステムを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、リアルタイムに事故か否かを判断して、他の運転手に事故情報を知らせることによって、2次衝突を予防する技術を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明のひとつの態様にしたがい、二次事故を防止するシステムが提供される。当該システムは、GPSナビゲーション機能を有し、車両の運転状態を監視し、通信ネットワークを介して、運転状態の情報を送信し、受信した情報をスクリーンに表示するように構成された端末機と、端末機と情報を交換し、端末機から受信した運転状態の情報に基づいて、事故の発生を判断するためのアルゴリズムを有し、事故の発生を他の端末機に知らせるように構成されたサーバープラットフォームと、を有する。運転状態の情報は、車両の速度、車両の位置、および、車両の異なる3方向の加速度を含み、アルゴリズムは、X軸(体軸方向)、Y軸(横軸方向)、およびZ軸(長手軸方向)上で測定されたそれぞれの加速度をフィルタリングし、フィルタリングされた加速度の絶対値を合計し、合計した加速度の絶対値に基づいて、衝撃の発生を検出し、衝撃の発生が事故の発生によって生じたものか否かを判断するインストラクションを含む。
【0008】
好適には、アルゴリズムは、衝撃の検出後に車両が移動すれば、事故が解除されたと判断するインストラクションをさらに含む。
【0009】
本願発明の他の態様において、車両の異なる3方向の加速度情報に基づいて衝撃の発生を検出する車両に設けられた端末機と通信するサーバープラットフォームを使用して、車両の最初の事故に続く、二次事故を防止するための方法が提供される。当該方法は、サーバープラットフォームによって、衝撃の発生の検出に応答して、車両の速度に基づいて、所定の時間の間に車両が停止しているか否かを判断する段階と、サーバープラットフォームによって、車両がある時間間隔の間に停止していると判断された場合、衝撃の発生を判断し、車両がある時間間隔の間に停止していると判断された場合、当該車両の前方の車両に比べ、当該車両の後方の車両の速度がより低い速度で走行するか否かの判断に基づく事故の発生を確認する段階と、サーバープラットフォームによって、当該車両の前方の車両に比べ、当該車両の後方の車両の速度がより低い速度で走行するとき、事故が発生したことを検出する段階と、サーバープラットフォームによって、事故が検出された場合、当該車両の近くの車両に設けられた端末機に事故の発生を知らせる段階とを有する。衝撃の発生を検出する段階は、X軸(体軸方向)、Y軸(横軸方向)、およびZ軸(長手軸方向)上で測定されたそれぞれの加速度をフィルタリングし、フィルタリングされた加速度の絶対値を合計し、合計した加速度の絶対値に基づいて、衝撃の発生を検出する。
【0010】
本願発明のさらに他の態様にしたがい、一次車両のX軸(体軸方向)、Y軸(横軸方向)、およびZ軸(長手軸方向)上で測定されたそれぞれの加速度をフィルタリングし、フィルタリングされた加速度の絶対値を合計し、衝撃を検出するべく合計した加速度の絶対値を使用することにより、一次車両に関連する衝撃を検出する車両に設けられた端末機と通信するサーバープラットフォームによって、一次車両に関連する第1事故に続く、二次車両に関する第2事故を防止する方法が提供される。当該方法は、端末機による衝撃の検出に続いて、サーバープラットフォームによって、一次車両の速度に基づいて、所定の時間間隔の間に一次車両が停止しているか否かを判断する段階と、サーバープラットフォームによって、衝撃が検出された後の所定の時間間隔の間に一次車両が停止していれば、第1事故の発生を検出し、一次車両の前方の車両に比べ、一次車両の後方の二次車両がより低い速度で走行するか否かの判断に基づいて、第1事故の発生を確認する段階と、サーバープラットフォームによって、第1事故を、二次車両および前方車両のぞれぞれの端末機に知らせる段階とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、事故発生を直ちに分析し、周辺の車両に事故発生事実を通報して2次事故を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に従う2次事故防止システムの概念図である。
図2図1に示した事故防止システムブロックの各々の具体的な機能を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に従う端末機に情報を提供する加速度測定センサーで測定された加速度グラフである。
図4】本発明の一実施形態に従う加速度測定センサーで測定された加速合計グラフである。
図5】本発明の一実施形態に従う加速度測定センサーで車両の姿勢によって測定される加速度グラフである。
図6】本発明の一実施形態に従うGPS分析を通じた速度グラフである。
図7】本発明の一実施形態に従う事故発生時の、加速合計と速度の測定グラフである。
図8】本発明の一実施形態に従うGPS速度情報及び位置情報を用いて移動状態を分析したグラフである。
図9】本発明の一実施形態に従う衝撃状態分析のための事故時の、3軸加速合計と前後加速度のグラフである。
図10】本発明の一実施形態に従う事故判断アルゴリズムの順序図である。
図11】本発明の一実施形態に従う事故判断アルゴリズムのうち、陰影区間の判断が改善された順序図である。
図12a】本発明の一実施形態に従う事故感知及びお知らせ機能の端末機表示画面である。
図12b】本発明の一実施形態に従う事故感知及びお知らせ機能の端末機表示画面である。
図12c】本発明の一実施形態に従う事故感知及びお知らせ機能の端末機表示画面である。
図12d】本発明の一実施形態に従う事故感知及びお知らせ機能の端末機表示画面である。
図12e】本発明の一実施形態に従う事故感知及びお知らせ機能の端末機表示画面である。
図12f】本発明の一実施形態に従う事故感知及びお知らせ機能の端末機表示画面である。
図13a】本発明の一実施形態に従う事故感知及びお知らせ機能の端末機の事故表示画面である。
図13b】本発明の一実施形態に従う事故感知及びお知らせ機能の端末機の事故表示画面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
各図面の構成要素に参照符号を付加するに当たって、同一の構成要素に対してはたとえ他の図面上に示されても、できる限り同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するに当たって、関連した公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。
【0015】
また、本発明の構成要素を説明するに当たって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語により当該構成要素の本質や回順序または順序などが限定されるものではない。ある構成要素が他の構成要素に“連結”、“結合”、または“接続”されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、または接続できるが、各構成要素の間に更に他の構成要素を“連結”、“結合”、または“接続”することもできると理解されるべきである。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に従う2次事故防止システムの概念図である。
【0017】
事故が発生した場合、事故車両110に取り付けられた端末機は、事故判断に必要な情報を収集し、これを通信網120を通じて事故判断機能を遂行するサーバプラットフォーム130に送信する。サーバプラットフォーム130は、既設定されたアルゴリズムによって受信した情報を分析して事故か否かなどを判断し、交通情報提供システム140から交通情報を受信して判断された事故か否かの判断結果を考慮して経路を探索するか、保険/事故処理連係業体150に事故情報を提供し、周辺車両160の端末機に事故と関連した情報を提供する。この際、周辺車両160は本実施形態では、事故が発生した時、情報を提供する事故車両110と同様に、サーバプラットフォームと情報をやり取りすることができる端末機を有するものとして描写したが、事故車両110はサーバプラットフォーム130に事故情報の伝達のみを行い、周辺車両160はサーバプラットフォーム130で判断された資料を一方的に受信のみを行う機能の端末機であってもよい。また、サーバプラットフォーム130が、交通情報を具備しており、交通情報提供システム140の機能も実現できれば、交通情報提供システム140は省略できる。保険/事故処理連係業体150は、実施形態に使われるだけであり、本発明の構成要素ではないが、状況によっては本実施形態に含まれることもできる。
【0018】
図2は、図1に示した事故防止システム構成要素の各々の具体的な機能を示すブロック図である。端末機200は事故防止システムの構成要素として車両に提供される。端末機200は、基本走行案内と経路上の案内情報、POI(Point of Interest)マッチング、UI制御、通信インターフェース、位置、カメラ制御機能など、ナビゲーターが揃えるべき多様な機能を揃えた端末機200であり、加速センサー、GPS機能とカメラ機能、センサーを通じて外部状況についての情報を獲得することができる。
【0019】
端末機200から通信網を通じて情報をやり取りするサーバプラットフォーム130は、経路探索、事故情報お知らせ、経路交通状況変動確認、ユーザ位置共有、追加POI提供、名称/地番/新住所検索、交通情報統合、交通情報収集機能を有し、端末機200から受けた情報を加工して事故状況を事故端末機の周辺にある端末機に提供する。サーバプラットフォーム130と情報をやり取りする外部連動機関は、サーバプラットフォーム130で使用する交通状況情報を提供して事故状況の提供を受ける交通情報提供業体、または事故が起こった場合、具体的な利害関係がある保険会社/事故処理連係業体などとすることができる。
【0020】
以上の構成に具体的に使われる技術は<表1>の通りである。
【0021】
【表1】
【0022】
サーバプラットフォーム130は経路探索及び案内生成などの通信型ナビゲーション機能を含み、事故発生に対する情報を分析処理してユーザにお知らせを転送して2次的な事故を防止できる機能を有し、端末機200はサーバプラットフォームから受信された走行案内情報をユーザに提供し、GPS、カメラ、センサーなどの制御を通じて車両衝撃感知し、事故状況を認識することができる機能を有する。
【0023】
以上の技術を通じて運転者の移動状態及び事故についての情報を集めて判断し、事故処理したか否かを確認して情報を知らせる機能を具体的に実現する技術は<表2>の通り整理できる。
【0024】
【表2】
【0025】
交通事故が起きた場合、結局、車両が停止することになるので、衝撃発生があるか否かを確認し、停車したか否かをまた確認して、交通事故か否かを確定することができる。
【0026】
交通事故か否かを確認する方法に、事故発生時の位置、加速度、及び映像情報を用い、停車を感知する方法にGPS及び速度情報、道路情報の入力を受けてサーバプラットフォーム130に転送する。
【0027】
事故が発生した場合、周辺車両の速度が低下し、その後、事故処理が完了した場合、周辺の車両の速度が回復するので、これを分析して事故発生を確定し、また、事故処理が完了したか否かを判断することができる。
【0028】
事故が発生したり解除された場合、該当区間を過ぎる車両を検索して該当区間を過ぎる車両に事故情報を知らせる。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態に従う端末機に情報を提供する加速度測定センサーで測定された加速度グラフである。加速度はベクトル量であるので、一方向に測定される。したがって、3方向に測定するセンサーが必要である。各センサーで測定された加速度は高域通過フィルタを通過させた値を分析対象とする。(a)は上下方向のX軸のグラフであり(b)は前後方向のZ軸グラフであり、(c)は左右方向のY軸グラフである。(d)はX軸とY側とZ軸で測定された加速度を高域通過フィルタを適用して合算した加速合計グラフである。X(F)、Z(F)、Y(F)が各々X、Z、Y値で測定されたグラフを高域通過フィルタを適用させた加速度である。
【0030】
図3のグラフは20km定速走行後、急停車状況で測定された加速度の一例であって、上下、左右側の加速度は定速運行中に発生するノイズであり、前後方向に測定されたZ軸加速度のみ減速による加速度変化が計測される。急停車時、後方に加速度が増加してから、一定の加速度に減速され、停止が完了した後、反動により一時的に前方に加速度が生成される。この加速グラフにフィルタを適用したグラフ上では(b)のように平均値が0に正規化され、加速度の変化の大きい区間が選択的に抽出される。これを通じて、急減速時点と停止後に反動が起こった時点が明確に表れる。図3に表れた状況は前後方向に発生した加速度、即ち前方及び後方衝突状況を想定したものである。側面でぶつかったり対角線方向の場合、Y軸またはY軸とZ軸に衝撃が表れる。したがって、事故発生か否かを判断する加速度グラフは、X、Y、Z軸方向の加速度を合算した加速合計グラフ(d)を活用して判断する。
【0031】
図4は、本発明の一実施形態に従う加速度測定センサーで測定された加速合計グラフである。(a)のようにしきい値以上の加速合計が急激に発生した場合、衝撃によるものと判断することができる。しかしながら、一定水準以上の加速合計であっても急激に発生したとすれば、事故と疑うことができる。例えば、道路凹凸による衝撃や非常時の急停車による衝撃の場合、加速合計が急激に発生すれば事故ではない。(c)のように、急停車時、のろく発生した加速度は低く計測されるので、衝撃状況と区分することができる。(b)のように、正常に走行する場合は、加速度の急激な変動は計測されない。
【0032】
図5は、本発明の一実施形態に従う加速度測定センサーで車両の姿勢によって測定される加速度グラフである。各々、Xは上下方向、Yは左右方向、Zは前後方向の加速度を表す。(b)は正常姿勢を示すものであって、X軸のみに重力加速度が測定されるので、残りは0を有する。しかしながら、(a)のようにひっくり返った場合(上方転覆)、X軸には重力加速度が逆に測定され、側方に転覆された場合、X軸には重力加速度が測定されず、Y軸に重力加速度が測定される。(c)のように左側方に転覆された場合、Y軸のみで加速度が計測される。したがって、各軸に重力加速度が測定されるセンサーを確認して、車体の転覆か否かを確認することができる。
【0033】
図6は、本発明の一実施形態に従うGPS分析による速度グラフである。GPSデータの速度及び位置変化値を分析する場合、走行、加速、減速、及び停車状態を判断することができる。高速道路上で続けて停車していると、事故を疑うことができるが、路肩停車などの場合も存在するので、確定することはできない。したがって、停車したか否かのみを分析して事故を判断することはできず、図4図5で判断された事故の直後に持続的に速度が0の区間が発生した場合に限り‘事故’と判断される。グラフ上で速度が持続的に変わるが、速度が0の区間と表示された陰影区間で定速に測定される。速度が0の区間は停車したものと判断できるが、トンネルなどで走行した場合、速度が測定できないので、陰影区間として定速運行と判断されて停車した場合として、誤った判断がなされる。
【0034】
図7は、本発明の一実施形態に従う事故発生時、加速合計と速度の測定グラフである。図6で説明したように、加速合計を通じて衝撃発生があるか否かを判断し、停車が持続する場合、‘事故’と判断される。この場合、事故を判断する時間が長くて、短い区間2次衝突を防止することができない。衝撃直後、速度が0に近く減った場合、直ちに後方数km以内の接近端末に限って‘事故疑心’警報を伝達することができる。トンネルのような陰影区間で事故が発生した場合、加速度は測定されるが、速度が測定できないので、事故と判断できない。したがって、陰影区間で衝撃が感知された場合、加速度、移動状態などを基準に停車したか否かを判断する。サーバプラットフォームから見て、地域の交通変化を考慮して2次判断を遂行して判断する。(a)で点線の円で表示した‘衝撃’発生地点を基点にして、(b)で速度が急激に低くなって‘停車’状態に転換したことが計測された。
【0035】
図8は、本発明の一実施形態に従うGPS速度情報及び位置情報を用いて移動状態を分析したグラフである。(a)の速度をモニタリングして停車状態を区分し、速度の分析を通じて(b)の加速度グラフを抽出する。この際、加速度は速度の局地的な変化に過度に敏感に反応するので、これをフィルタなどを通じて平坦化した(c)のグラフを得る。臨界領域を超過した加速度に対して速度グラフで加速及び減速状態を抽出した(d)のグラフを得る。これを通じて車両の走行状態を具体的に獲得することができる。速度情報判断が不能な陰影区間では位置の変化をモニタリングして、停止、移動状態を抽出して、2次判断を遂行する。
【0036】
ナビゲーションクライアントから提供を受けた経路情報、交通情報を用いて道路の状態を分析する。この際、経路情報を分析して道路情報(TG区域、IC区域、JC区域、休憩所区域、道路)などを抽出し、交通情報を分析して交通状態(停滞、遅滞、円滑)を抽出する。
【0037】
道路状態分析のための交通情報データは、別途の交通情報提供社から提供を受けなければならず、現在、道路公社で交通情報を提供しているので、これを用いることができる。
【0038】
図8で抽出された停車、移動状態情報を道路情報と交通状態と比較して、停車状態の種類を<表3>のように判断することができる。<表3>は停車と判断された場合を表す状態表示である。
【0039】
【表3】
【0040】
図9は、本発明の一実施形態に従う衝撃状態分析のための事故時、3軸加速合計と前後加速度のグラフである。(a)は加速合計グラフであり、(b)はZ軸の前後加速度グラフである。加速度センサーは、3軸(X、Y、Z)センサーを用いる。これらの加速度測定値に高域通過フィルタを適用して測定値に含まれたノイズを除去し、これらの絶対値を足して3軸加速合計グラフを得る。(a)で、加速合計がしきい値を超過した領域である920と表示された衝突時の加速度と、920と表示された反動加速度時点を‘衝撃’状態と判断し、衝撃状態の場合、各軸の測定値を分析して衝撃方向(Y軸、Z軸:前後左右)を抽出する。(b)で、930と表示された衝突時の加速度と、940と表示された反動加速度が抽出される。この際、X軸方向(上下)の衝撃の場合、凹凸による衝撃と判断して‘正常’状態に転換する。
【0041】
図10は、本発明の一実施形態に従う事故判断アルゴリズムの順序図である。本アルゴリズムは、図1の説明のように、サーバプラットフォームで判断過程に使われることが一般的であるが、これに限定されるものではない。前述したように、各端末機で集められた加速度、速度、位置情報に基づいて事故か否かを判断し、これを他の端末機に伝達する過程の間に存在しさえすればよい。したがって、各端末機に本アルゴリズムのうち、事故判断に関する部分が適用された判断回路が設けられ、事故確定及びお知らせのみをサーバプラットフォームで処理しても、本発明の権利範囲に該当すると解釈されなければならない。本アルゴリズムは事故判断アルゴリズムであるので、図9で説明した衝撃判断結果及び図8で説明した走行状態についての判断結果を活用する。
【0042】
最初の事故状態は‘正常’状態を維持する。この際、正常状態は走行状態で走行、または停車状態である。
【0043】
加速度と速度を活用した衝撃判断結果、‘衝撃’状態の場合、‘事故発生疑心’状態(S1010)に転換する。この際、該当端末機の走行方向を基準に後方数km以内の端末機に該当情報を通報することができる。
【0044】
‘事故発生疑心’状態(S1010)で、一定時間の内に走行状態が‘停車’状態に転換される場合、‘事故発生判断’状態(S1020)に転換する。
【0045】
事故発生判断状態に転換時、走行状態をモニタリングして走行状態が‘停車’から‘走行’に転換される場合、事故状態を‘正常’状態に転換する。
【0046】
一定時間以上‘事故発生判断’状態(S1020)を維持する場合、事故分析システムに事故発生を通報する。
【0047】
事故分析システムから事故発生確定判断を受信した場合、‘事故発生確定’状態(S1040)に転換する。この際、事故分析システムは交通情報提供社(現在、道路公社の交通情報)から提供した交通情報データや各端末機から提供を受けた転覆されたか否かのデータ、該当端末機から後方に位置した端末機が前方に位置した端末機より格段に低い速度で走行するか否か、その他の事故申告情報に基づいて事故を分析することができ、周辺端末機に事故か否かを知らせるシステムである。
【0048】
‘事故発生確定’状態の場合、走行状態をモニタリングして事故発生確定状態のうち、走行状態が‘走行’状態に転換される場合、事故分析システムに事故解除通報(S1050)を行い、正常状態に転換する。即ち、停車がなされた‘事故発生判断’状態から持続的に‘走行’状態に転換されるか否かを確認する。
【0049】
図11は、本発明の一実施形態に従う事故判断アルゴリズムのうち、陰影区間の判断が改善された順序図である。図10で説明したように、衝撃が発生した場合、‘事故発生疑心’ステップ(S1110)となり、停車に転換されない場合、トンネルのような陰影区間であるかを確認して、陰影区間の場合、位置変動及び加速合計測定値に基づいて停車したか否かをまた判断する。最終的に、停車と判断された場合、‘事故発生判断’ステップ(S1120)となり、一定時間以上停車状態が維持される場合、事故分析システムに事故発生を通報する‘事故発生通報’ステップ(S1130)となる。事故分析システムで分析された結果が事故と確定されれば、‘事故発生確定’ステップ(S1140)となり、走行に転換されるか否かを持続的に判断して、転換された場合、‘事故解除通報’ステップ(S1150)となって事故分析システムに事故解除を通報する。
【0050】
図12は、本発明の一実施形態に従う事故感知及びお知らせ機能の端末機表示画面である。本実施形態は、一般的なナビゲーションのPOI機能である休憩所などの位置が表示され、速度、位置、道路情報が表示される形態に具現されている。車両の状態は、提供された交通情報、走行するか否か、及び衝撃判断に基づいて判断された状態が表示される。図面に表示された状態は、<表3>で分類された走行状態のうちの一部と、加速度で分析された事故疑心状態のみ表示されているが、<表3>に記載された‘停車(分岐点)’のような表示も可能である。
【0051】
図13は、本発明の一実施形態に従う事故感知及びお知らせ機能の端末機の事故表示画面である。アルゴリズム上で衝撃が発生し、事故と確定されれば、事故事実を該当事故車両の進行方向に対して後方に位置した車両に対して伝達する。図面に示されたように、アルゴリズムの上、判断された事故内容と発生時間、事故位置が伝達され、これを通じて進行経路に位置した事故車両との2次事故を予防することができ、停滞するか否かを予測することができる。
【0052】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎないものであって、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能である。したがって、本発明に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであるので、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は請求範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0053】
110 事故車両
120 通信網
130 サーバプラットフォーム
140 保険、経路伝達通信網
150 周辺車両
910 衝突時の加速度
920 反動時の加速度
930 衝突時の加速度
940 反動時の加速度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12a
図12b
図12c
図12d
図12e
図12f
図13a
図13b