(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アニオン性界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びカリウム、並びに直鎖アルキルベンゼンスルホネートの酸形態(HLAS)からなる群から選択される合成アニオン性界面活性剤であり、アルキル基の炭素原子の平均数が11〜14である、請求項1に記載の外部構造化系。
前記アニオン性界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネートの酸形態(HLAS)であり、アルキル基の炭素原子の平均数が11〜14である、請求項1に記載の外部構造化系。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で使用するとき、「外部構造化系」又は「ESS」という用語は、洗剤組成物の洗浄性界面活性剤のいずれの構造化作用からも独立して又は付帯的に、洗剤組成物に構造を提供する特定の化合物又は化合物の混合物を指す。構造化効果としては、サイズ及び密度が広範である粒子の懸濁に好適な降伏応力の付与が挙げられる。使用するESSは、以下に詳述されている化学的同一性を有してよい。
【0010】
理論に束縛されるものではないが、多くの外部構造化剤は、洗剤組成物中で特定の形態を有する固体構造体を形成することによって作用すると考えられている。これらの固体構造体は、1つ又は2つ以上の物理的形状を取ってもよい。典型的な物理的又は形態的形状の非限定例としては、糸、針、リボン、円花、及びこれらの組み合わせが挙げられる。理論に束縛されるものではないが、糸様、リボン様、スピンドル様、又は微細繊維様構造化系、即ち、非球状の伸長型粒子を有する構造化系は、液体において最も効率的な構造をもたらすと考えられている。したがって、いくつかの実施形態において、糸様、リボン様、スピンドル様、又は微細繊維様構造化系が好ましい。CHOと、有機非アミノ官能性アルコールと、を含む結晶性グリセリドを含む外部構造化剤系は、ESSと洗剤組成物の双方において、そうでなければ類似の組成物であるが、この組み合わせではない形で存在するよりも完璧な剪断抵抗繊維網を含有して提供し得る、と更に考えられる。理論によって束縛されるものではないが、流れの下での繊維の不可逆的凝集(fibers irreversible aggregation)は、特定の界面活性剤により繊維表面に堆積した電荷による(due electrical charges)静電反発力と対照的であると考えられる。更に、有機非アミノ官能性アルコールを加えると、より高い距離で静電力がより強く感知されるため、剪断力下の凝集をより良く防止する。
【0011】
本明細書で使用するとき、「液体」として、液体、ゲル、泡、ムース、及び実質的に気相を持たないその他の任意の流動性組成物を挙げることができる。本発明の範囲内の流体の非限定例としては、軽質及び重質液体洗剤組成物、硬質表面洗浄組成物、洗濯用として一般的に使われている洗剤ゲル、並びに漂白剤及び洗濯用添加剤が挙げられる。気体、例えば懸濁泡を液体に含めてもよい。
【0012】
「内部構造化」とは、構造化作用に関して、洗濯成分の大半の部類を形成する洗剤界面活性剤に依存することを意味する。これと反対の意味で、本発明は、所望のレオロジー及び粒子懸濁力を得るために非界面活性剤、例えば結晶化グリセリド(硬化ヒマシ油が挙げられるが、これに限定されない)に依存する構造化を意味する「外部構造化」を目的とするものである。
【0013】
本明細書で使用するとき、「限界溶解性」とは、液体組成物に実際に溶解するのは、配合された薬剤の9割以下であることを意味する。外部構造化剤としての硬化ヒマシ油のような結晶性グリセリドの利点は、非常に限定的な水溶性である。
【0014】
本明細書で使用するとき、「可溶性」とは、配合された薬剤の9割超が、20℃の温度にて液体組成物に実際に溶解することを意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「プレミックス」とは、市販される前に、液状又はゲル状の洗濯洗剤の残部のような他の成分と混ぜるように設計された成分の混合物を意味する。「プレミックス」は、それ自体を商品にすることができると共に、遠く離れた場所で後に洗濯洗剤の残部と混ぜるように、例えばバルクコンテナで販売することができる。その一方で(One the other hand)、単一の設備で作られる完全な洗剤組成物をもたらすために、直接用いてもよいプレミックスもある。
【0016】
本明細書で使用するとき、「エマルション」とは、特に断らない限り、構造化剤プレミックス(ESS)中の硬化ヒマシ油、及び/又はその他のトリグリセリドの液滴であって、従来の光学顕微鏡を用いて見えるほど十分に大きい巨視的な液滴を指す。エマルションは、温度に応じて、液体液滴を伴うこともあれば、凝固液滴を伴うこともある。硬化ヒマシ油は、アルカノールアミンで中和したプレミックスを含有するアニオン性界面活性剤中に、限られた程度で溶解可能であり、その結果、マイクロエマルションが存在する場合もある。
【0017】
「アスペクト比」とは、本明細書で定義するとき、粒子の最大寸法(l)と粒子の最小寸法(w)との比を意味し、「l:w」と表される。アスペクト比は、例えば、硬化ヒマシ油のような結晶性グリセリドの構造化剤結晶粒子を特徴付けることができる。分散体のアスペクト比は、TEM(透過電子顕微鏡法)又は類似の技法、例えばcryo−ESEMによって十分に特徴付けることができる。本発明でこのような技法を用いる場合、その意図は、硬化ヒマシ油、又は、更に一般的には、同程度に結晶性である任意のグリセリドの結晶を調べることであり、したがって、アーチファクトの出現を最小限に抑えて測定を行うのが好ましい。アーチファクトは、例えば、ESSから溶媒を蒸発させて、界面活性剤の結晶が沈殿するようにすることによって出現することがある。これらは、例えば硬化ヒマシ油のようなグリセリドの結晶ではない。本発明で用いるための外部構造化剤中の硬化ヒマシ油では、大きいアスペクト比が望ましい。ESS及び/又はESSを含む洗剤中の硬化ヒマシ油の結晶のアスペクト比は、1:1よりも大きいのが好ましく、換言すれば、構造化剤の結晶は、伸長型であるのが好ましい。1つの好ましい実施形態では、アスペクト比は、少なくとも5:1である。1つの好ましい実施形態では、アスペクト比は、5:1〜約200:1であり、好ましくは約10:1〜約100:1である。典型的なケースでは、アスペクト比は、10:1〜50:1であり得る。結晶の凝集又は破損によりアスペクト比が下がるが、これは、好ましくない。
【0018】
「円花状粒子」とは、本明細書で定義するとき、例えばグリセリド(例えば硬化ヒマシ油等)の結晶の結晶化構造化剤の粒子で、例えば、円花様の外観を持つ粒子を意味する。このような粒子は、微分干渉顕微鏡、又はその他の目視顕微鏡技法を用いることによって、簡単に見ることができる。円花状粒子のおよその直径は、1〜50マイクロメートル、より典型的には2〜20マイクロメートル、例えば約5マイクロメートルであり得る。本明細書における好ましいESSは、円花状粒子を含まなくてもよい。本明細書における他の好ましいESSは、針様結晶に対して低い比率の円花状粒子を有してもよい。理論に制限されるものではないが、針状粒子に対する円花状粒子の比率を下げると、ESSの質量効率が改善される。
【0019】
本明細書で用いる百分率、比率、及び割合は、全て、特に断らない限り、組成物の重量パーセントである。平均値は、全て、特に明確に断らない限りは、組成物又はその構成成分の「重量」に基づいて計算したものである。
【0020】
外部構造化系
本発明のESSは、(a)結晶性グリセリドと、(b)pH調整剤と、(c)アニオン性界面活性剤と、(d)有機非アミノ官能性アルコールと、(e)追加の構成成分と、(f)任意の構成成分と、を含む。これらの構成成分のそれぞれについては、以下に詳細に論じる。
【0021】
(a)結晶性グリセリド
本明細書で使用する結晶性グリセリドは、「硬化ヒマシ油」又は「HCO」を含み、本発明のESSの必須構成成分(an essential component the ESS)である。本発明で最も広く使われるHCOは、ESSプレミックス中で結晶化できるものであれば、任意の硬化ヒマシ油であってよい。ヒマシ油としては、ヒドロキシル基を組み込んだC
10〜C
22アルキル又はアルケニル部分を含むグリセリド、とりわけトリグリセリドを挙げてよい。HCOを作製するためにヒマシ油を水素化すると、出発油中にリシノレイル部分として存在し得る二重結合が変換されて、リシノレイル部分が飽和ヒドロキシアルキル部分、例えばヒドロキシステアリルに変換される。本明細書におけるHCOは、いくつかの実施形態において、トリヒドロキシステアリン、ジヒドロキシステアリン、及びこれらの混合物から選択し得る。HCOは、固体、溶融物、及びこれらの混合物から選択されるものを含むが、これらに限定されない任意の好適な開始形態で加工処理することができる。HCOは、典型的には、本発明のESS中に、構造化系の2重量%〜10重量%、3重量%〜8重量%、又は4重量%〜6重量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、完成した洗濯洗剤製品に供給される硬化ヒマシ油に相当する百分率は、1.0重量%未満、典型的には0.1重量%〜0.8重量%である。
【0022】
有用なHCOは、以下の特性を有し得る:40℃〜100℃、好ましくは65℃〜95℃の融点;及び/又は0〜5、好ましくは0〜4、最も好ましくは0〜2.6の範囲のヨウ素価。HCOの融点は、いずれもDSC、すなわち示差走査熱量測定法を用いた試験であるASTM D3418又はISO 11357を使用して測定することができる。
【0023】
本発明で使用するHCOとしては、市販されているものが挙げられる。本発明で使用する市販のHCOの非限定例としては、Rheox,Inc.製のTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。有用なHCOの更なる例は、米国特許第5,340,390号において見られる。水素化してHCOを形成するためのヒマシ油源は、ブラジル又はインドのような任意の好適な原産国のものであり得る。1つの好適な実施形態では、貴金属、例えばパラジウム触媒を用いてヒマシ油を水素化すると共に、水素化温度及び水素化圧力を制御して、許容できないレベルの脱ヒドロキシル化を回避しつつ、天然ヒマシ油の二重結合の水素化を最適化する。
【0024】
本発明は、硬化ヒマシ油の使用のみを対象とすることは、意図していない。他の任意の好適な結晶性グリセリドを使用することができる。1つの例では、構造化剤は、実質的に純粋な12−ヒドロキシステアリン酸のトリグリセリドである。この分子は、完全に水素化した12−ヒドロキシ(hydrox)−9−シス−オクタデセン酸のトリグリセリドの純粋形態に当たる。本来、ヒマシ油の組成は、比較的一定であるが、ある程度は変化し得る。同様に、水素化手順も変化する場合がある。少なくとも80重量%がヒマシ油由来であるトリグリセリドの混合物のような他の任意の好適な同等の物質を用いてもよい。代表的な同等物質は、トリグリセリドを主に含むか、若しくはトリグリセリドから本質的になるか、又は、ジグリセリドとトリグリセリドとの混合物を主に含むか、若しくはジグリセリドとトリグリセリドとの混合物から本質的になるか、又は、トリグリセリドとジグリセリドとの混合物と、限られた量、例えばグリセリド混合物の約20重量%未満のモノグリセリド(monoglyerides)とを主に含むか、若しくはトリグリセリドとジグリセリドとの混合物と、限られた量、例えばグリセリド混合物の約20重量%未満のモノグリセリドとから本質的になるか、又は、上記グリセリドのいずれかと、限られた量、例えば約20重量%未満の前記グリセリドのいずれかの対応する酸加水分解生成物を主に含むか、若しくは、上記グリセリドのいずれかと、限られた量、例えば約20重量%未満の前記グリセリドのいずれかの対応する酸加水分解生成物から本質的になる。上記における条件は、いずれかの前記グリセリドの大部分、典型的には少なくとも80重量%が、完全水素化リシノール酸のグリセリド、即ち12−ヒドロキシステアリン酸のグリセリドと化学的に同一であることである。例えば、硬化ヒマシ油を改質して、所定のトリグリセリド中に、2つの12−ヒドロキシステアリン部分及び1つのステアリン部分が存在するようにすることは、当該技術分野において周知である。同様に、硬化ヒマシ油が完全に水素化されていない場合も考えられる。これに対して、本発明では、ポリ(オキシアルキル化)ヒマシ油は、溶融基準を満たさない場合には除外する。
【0025】
(b)pH調整剤
pH調整剤は、本発明のESSの必須構成成分である。本発明の組成物は、1つ又は2つ以上のpH調整剤を含む。pH調整剤は、典型的には、構造化系の2重量%〜20重量%、好ましくは、22重量%〜10重量%、より好ましくは、0.3重量%〜5.0重量%の濃度で存在する。
【0026】
一般に、本明細書において、任意の既知のpH調整剤が有用であり、無機系と有機系の双方のアルカリ度源(alkalinity sources)及び酸性化剤を含む。
【0027】
無機アルカリ度源は、これらに限定されないが、水溶性アルカリ金属水酸化物、酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、ホウ酸塩、珪酸塩、メタ珪酸塩、及びこれらの混合物;水溶性アルカリ土類金属水酸化物、酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、ホウ酸塩、珪酸塩、メタ珪酸塩、及びこれらの混合物;水溶性第13族元素金属水酸化物、酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、ホウ酸塩、珪酸塩、メタ珪酸塩、及びこれらの混合物;並びにこれらの混合物を含む。好ましい無機アルカリ度源は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びこれらの混合物であり、無機アルカリ度源が水酸化ナトリウムであるのが、最も好ましい。環境上の理由で好ましくないが、ピロリン酸塩、オルトリン酸塩、ポリリン酸塩、ホスホン酸塩、及びこれらの混合物を含む水溶性リン酸塩をアルカリ度源として使用し得る。
【0028】
有機アルカリ度源は、これらに限定されないが、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、及びこれらの混合物を含む。
【0029】
他の有機アルカリ度源は、アルカノールアミン又はアルカノールアミンの混合物である。好適なアルカノールアミンは、低級アルカノールモノアルカノールアミン、低級アルカノールジアルカノールアミン、及び低級アルカノールトリアルカノールアミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、又はトリエタノールアミンから選択してよい。高級なアルカノールアミンほど、分子量が大きく、本発明の目的には質量効率が低い可能性がある。質量効率の理由から、モノアルカノールアミン及びジアルカノールアミンが、好ましい。モノエタノールアミンは、特に好ましいが、トリエタノールアミンなどの更なるアルカノールアミンが、特定の実施形態では緩衝剤として有用となり得る。本明細書で使用される最も好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミンである。
【0030】
無機酸性化剤は、これらに限定されないが、HF、HCl、HBr、HI、ホウ酸、リン酸、ホスホン酸、硫酸、スルホン酸、及びこれらの混合物を含む。好ましい無機酸性化剤は、ホウ酸である。
【0031】
有機酸性化剤は、これらに限定されないが、置換並びに置換、分枝、直鎖及び/又は環状C
1〜C
30カルボキシル酸、並びにこれらの混合物を含む。
【0032】
(c)アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤は、本発明のESSの必須構成成分である。理論に束縛されるものではないが、アニオン性界面活性剤は、HCO及び同様に結晶性であるグリセリドの溶解物の乳化剤として作用すると考えられる。外部構造化系の場合のみに関していえば(界面活性剤系を含む液体洗剤組成物の場合とは対照的に)、以下の事項が当てはまる。本明細書で使用するとき、好ましい実施形態における「アニオン性界面活性剤」には、石鹸及び脂肪酸は、含まれない。それらは、最終的な洗濯洗剤組成物中に存在してもよいが、一般的に、硬化ヒマシ油のグリセリドの限定加水分解から生じる場合のある限られた量の12−ヒドロキシステアリン酸以外のものは、ESS中に意図的には含まれていない。全体的配合を記述する目的上、「石鹸」及び「脂肪酸」は、ビルダーとして記述する。他の点では、任意の好適なアニオン性界面活性剤が、本発明のESSで使用される。
【0033】
本明細書において有用である好適なアニオン性界面活性剤は、液体製品で典型的に使用される従来の種類のいかなるアニオン性界面活性剤をも含むことができる。これらには、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、エトキシル化アルキルサルフェート及びこれらの塩並びにアルコキシル化又は非アルコキシル化アルキルサルフェート物質が含まれる。
【0034】
本明細書で使用する好適なアニオン性界面活性剤の非限定例としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)、アルキルサルフェート(AS)、アルキルエトキシル化スルホン酸(AES)、ラウレス硫酸、及びこれらの混合物、が挙げられ、最も好ましいアニオン性界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)である。いくつかの実施形態において、アニオン性界面活性剤は、5重量%〜50重量%の濃度で外部構造化系の中に存在し得る。しかし、ESSの25重量%を超えるアニオン性界面活性剤を用いるときには、典型的には、水に加えて有機溶媒を用いて、その界面活性剤を薄める必要がある。
【0035】
好ましいアニオン性界面活性剤は、C
10〜16アルキルベンゼンスルホン酸、好ましくはC
11〜14アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩である。好ましくは、アルキル基は、直鎖であり、このような直鎖アルキルベンゼンスルホン酸は、「LAS」として知られている。アルキルベンゼンスルホン酸、特にLASは、当該技術分野において周知である。このような界面活性剤及びそれらの調製については、例えば、米国特許第2,220,099号及び米国特許第2,477,383号に記載されている。好ましいものは、アルキル基の炭素原子の平均数が約11〜14の直鎖のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びカリウムである。最も好ましいものは、アルキル基の炭素原子の平均数が約11〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホネートの酸形態(HLAS)である。C
11〜C
14、例えば、C
12のHLASが、最も好ましい。
【0036】
他の好ましい種類のアニオン性界面活性剤は、エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を含む。アルキルエーテルサルフェート又はアルキルポリエトキシレートサルフェートとしても知られる、このような物質は、以下の式に対応するものである。
R’−O−(C
2H
4O)
n−SO
3M
式中、R’は、C
8〜C
20アルキル基であり、nは、約1〜20であり、Mは、塩形成カチオンである。好ましくは、R’は、C
10〜C
18アルキル、nは、約1〜15、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウム、又はアルカノールアンモニウムである。最も好ましくは、R’は、C
12〜C
16、nは、約1〜6であり、Mは、ナトリウムである。
【0037】
アルキルエーテルサルフェートは、一般的に、変動するR’鎖長と、変動するエトキシル化度と、を有する、混合物の形態で使用される。このような混合物は、必然的に、いくつかの非エトキシル化アルキルサルフェート物質、すなわち、上記エトキシル化アルキルサルフェートの式の界面活性剤をも含有する場合が多く、式中、n=0である。非エトキシル化アルキルサルフェートを、本発明の組成物に別個に加えてもよく、存在し得る任意のアニオン性界面活性剤構成成分として、又は存在し得る任意のアニオン性界面活性剤構成成分中で、使用してもよい。
【0038】
好ましい非アルコキシル化(unalkoyxylated)、例えば、非エトキシル化アルキルエーテルサルフェート界面活性剤は、高級C
8〜C
20脂肪族アルコールの硫酸化によって生成されるものである。従来の一級アルキルサルフェート界面活性剤は、一般式を有する。
ROSO
3−M
+
式中、Rは、典型的には、直鎖C
8〜C
20ヒドロカルビル基であり、該ヒドロカルビル基は、直鎖又は分枝鎖であり、Mは、水溶性化カチオンである。好ましくは、Rは、C
10〜C
15アルキルであり、Mは、アルカリ金属である。最も好ましくは、Rは、C
12〜C
14であり、Mは、ナトリウムである。
【0039】
(d)有機非アミノ官能性アルコール
有機非アミノ官能性アルコールは、本発明のESSの必須構成成分である。有機非アミノ官能性アルコール(Organic Organic non-aminofunctional alcohols)は、典型的には、C、H、及びO(すなわち、非シリコーン、かつヘテロ原子を含まない)から本質的になり、ESS中に存在して、特にCHOと組み合わせた処理の間、剪断抵抗を改善する。
【0040】
よって、有機非アミノ官能性有機アルコールは、ESSプレミックスを調製するときに存在する。好ましい有機非アミノ官能性アルコールは、一価アルコール、二価アルコール、多価アルコール、グリセロール、グリコール、及びこれらの混合物を含む。極めて好ましいものは、溶媒の混合物、特に、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノールなどの低級脂肪族アルコール、及び/又は1,2−プロパンジオール又は1,3−プロパンジオールなどのジオールの混合物;ジエチレングリコール、並びにこれらの混合物である。好適なアルコールとしては、特にC1〜C4アルコールが挙げられる。好ましくは、有機非アミノ官能性アルコールは、1,2−プロパンジオール又は1,3−プロパンジオールであり、最も好ましくは、有機非アミノ官能性アルコールは、1,2−プロパンジオールである。ESS中、有機非アミノ官能性アルコールは、ESSの1重量%超〜2.5重量%以下の濃度、より好ましくは、1重量%超〜2重量%以下の濃度で存在し、最も好ましくは、有機非アミノ官能性アルコールは、ESSの2重量%以下の濃度で存在する。
【0041】
(e)追加の構成成分
追加の界面活性剤
本発明のESSは、アニオン性界面活性剤に加えて、それ以外の界面活性剤を任意で含有してもよい。いくつかの実施形態において、系は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を更に含んでもよい。
【0042】
緩衝剤
本発明のESSは、pH緩衝剤を任意で含有してもよい。いくつかの実施形態において、pHは、5〜11、又は6〜9.5、又は7〜9のpH範囲内で維持される。理論に束縛されるものではないが、緩衝剤は、ESSのpHを安定化して、それによって、HCO構造化剤の任意の潜在的な加水分解を限定すると考えられる。しかしながら、緩衝剤を含まない実施形態も考えることができ、HCOが加水分解したときには、多少の12−ヒドロキシステアレートが形成される場合があるが、当該技術分野では、構造化できるものとして説明されてきている。緩衝剤を含有する特定の好ましい実施形態では、pH緩衝剤は、構造化系中にナトリウムのような一価の無機カチオンを導入しない。いくつかの実施形態において、好ましい緩衝剤は、ホウ酸のモノエタノールアミン塩である。しかしながら、緩衝剤が、ナトリウム及びホウ素を含まないか、又は意図的に加えたナトリウム、ホウ素、又はリンをいずれも含まない実施形態も考えられる。いくつかの実施形態において、MEAで中和したホウ酸が、構造化系の0重量%〜5重量%、0.5重量%〜3重量%、又は0.75重量%〜1重量%の濃度で存在してもよい。
【0043】
既に述べたとおり、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン、及び/又はその他のアミンを緩衝剤として用いることができるが、酸形態のアニオン性界面活性剤を中和するという、第一である構造化剤を乳化させる目的に十分な量で、まずアルカノールアミンを提供することを条件とする。
【0044】
水
本発明のESSは、水を含有してもよい。水は、他の全ての成分の重量パーセントを計算に入れた後の本発明の構造化系の残部を形成し得る。
【0045】
いくつかの実施形態において、水は、外部構造化系の5重量%〜90重量%、好ましくは、10重量%〜80重量%、より好ましくは、15重量%〜78重量%、最も好ましくは、30重量%〜78重量%の濃度で存在し得る。
【0046】
(f)任意構成成分
防腐剤
微生物による汚染を抑えるために、可溶性防腐剤のような防腐剤をESS又は最終的な洗剤製品に加えてもよい。そのような汚染は、相分離、不快な、例えば腐ったような臭い等をもたらし得るバクテリア及び菌類のコロニーを生じさせる可能性がある。バクテリア及び菌類の増殖を制御する広域スペクトルの防腐剤の使用が好ましい。単一の微生物群に対してのみ有効な限定されたスペクトルを有する防腐剤を、広域スペクトルを有する物質と組み合わせて、あるいは付加的な活性を有するスペクトルが限定された防腐剤の「パッケージ」として使用することもできる。製造及び消費者による使用の状況に応じて、広域スペクトルの防腐剤を2種以上用いて、潜在的ないかなる汚染の作用をも最小限に抑えるのが望ましい場合もある。
【0047】
2つの殺菌物質、即ち、バクテリア及び菌類を殺すか又は破壊する物質、並びに静菌防腐剤、即ち、微生物の増殖を調節又は遅延する物質の使用が、本発明に示され得る。
【0048】
典型的には、防腐剤は、有効量でのみ用いられる。本開示の目的上、「有効量」という用語は、製品の安定性及び物理的特性が悪影響を受けないように、特定の期間、即ち2週間にわたって、製品中の微生物の増殖を制御するのに十分な濃度を意味する。大半の防腐剤では、有効量は、全配合物の重量に対して0.00001重量%〜0.5重量%である。しかしながら、有効濃度が使用される物質に応じて変化し得ることは、明らかであり、当業者であれば、適切な防腐剤及び使用濃度を選択することが可能である。
【0049】
本発明の組成物における好ましい防腐剤としては、有機硫黄化合物、ハロゲン化物質、環状有機窒素化合物、低分子量のアルデヒド、第四級アンモニウム物質、デヒドロ酢酸、フェニル及びフェノキシ化合物、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0050】
本発明の組成物において使用するための好ましい防腐剤の例としては、Rohm & Haas(Philadelphia PA)により1.5%水溶液としてKathonの商品名で市販される、77%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、23%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物;例えば、Arch Chemicals(Atlanta,GA)より商品名Proxel(商標)GXLで販売される20%ジプロピレングリコール溶液として、Avecia(Wilmington,DE)より市販される1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン;及び、例えばLonza(Fair Lawn,NJ)よりGlydant Plusとして入手可能な1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチル−2,4−イミダゾリジンジオンと、3−ブチル−2−ヨードプロピニルカルバメートとの95:5混合物が挙げられる。非常に好ましい防腐系としては、Acticide(商標)MBSとして市販され、活性成分であるメチル−4−イソチアゾリン(MIT)及び1,2−ベンズイソチアゾリン(benzisothizolin)−3−オン(BIT)をほぼ同じ重量比で、Acticide(商標)MBS中の全濃度が5%となるように含むものがある。Acticideは、ESSプレミックス中100%活性ベースで0.001〜0.1重量%、より典型的には0.01〜0.1重量%の濃度で配合される。
【0051】
その他の増粘剤
当該技術分野において既知の高分子増粘剤、例えばLubrizol(Wickliffe、OH)製のCarbopol(商標)、会合増粘剤として既知であるもののようなアクリレートコポリマー等を用いて、ESSを補ってもよい。これらの物質は、ESSプレミックス中に加えても、最終的な洗剤組成物に別個に加えてもよい。これに加えて、又はこの代わりに、ジベンジリデンソルビトールのような既知のLMOG(低分子量有機ゲル化剤)を、ESSプレミックス中、又は最終的な洗剤組成物中のいずれかで組成物に加えてもよい。好適な使用濃度は、最終的な洗剤組成物の0.01重量%〜5重量%、又は0.1〜1重量%である。
【0052】
粒子状物質
ESS又は最終的な洗剤組成物のいずれかに、泡抑制剤、カプセル化された反応しやすい成分、例えばカプセル化形態の香料、漂白剤、若しくは酵素;又は真珠光沢剤、顔料粒子、若しくは雲母等のような審美的な添加剤といった微粒子物質が更に含まれていてもよい。好適な使用濃度は、最終的な洗剤組成物の0.0001重量%〜5重量%、又は0.1重量%〜1重量%である。本発明の実施形態では、特定の微粒子物質、例えば外観上の効果のための雲母を直接ESSに組み込むのが有用である一方で、もっと後の時点に、より反応しやすい微粒子物質、例えばカプセル化酵素及び/又は漂白剤を最終的な洗剤組成物に配合するのが有用であることが分かっている。
【0053】
外部構造化系を作製する方法
本発明のESSは、(a)一般的に、アニオン性界面活性剤と、溶液、例えば、水と、有機非アミノ官能性アルコールと、アルカノールアミンと、を含有する、第1のプレミックスを調製する工程と、(b)50℃〜150℃の温度の前記プレミックス中に結晶性グリセリドを含んで、高温のプレミックスを形成する工程と、(c)工程(a)及び(b)の生成物を少なくとも部分的に冷却するか、又は冷却することを可能にして、本発明の外部構造化系(ESS)を提供する工程と、(d)任意で、該外部構造化系に防腐剤を加える工程と、を有する方法を使用して、作製し得る。これらの工程は、以下の順序で完了し得る:「a」〜「d」。しかし、糸状のESSとなる変型を、本発明の範囲内に包含することも意図され、例えば、防腐剤を、別個の工程(d)ではなく、工程(a)に含めてもよいことに留意すべきである。ESSは、一旦調製されると、洗剤組成物の残部に加えられてもよく(it may added)、典型的には、ESSと洗剤組成物の残部との温度差が20℃以下〜30℃であり、好ましくは、ESSと洗剤の残部が、低温下で化合される。
【0054】
各調製工程(プレミックスを調製する工程、HCOを乳化する工程、該プレミックスを冷却して防腐剤を加える工程)のより詳細な説明は、国際公開第2011/031940号、17〜18ページに認められる。
【0055】
一般的な剪断条件
すでに指摘したとおり、本明細書のESSは、様々な設備タイプ及び剪断状況を用いて製造することができる。1つの好ましい実施形態では、製造プロセスでは、剪断速度が最大100〜500s
−1に達する比較的小さい剪断状況を採用し、ESSは、滞留時間中、60〜100秒(s)以下の最高の剪断条件下で、この剪断最大値を経る。実際的な言い方をすれば、1つのプロセスでは、バッチ、パイプ、ポンプ、及びプレート式の熱交換器装置を採用し、最大剪断力は、ESSを冷却するのに用いるプレート式熱交換器の段階で生じるが、ESSがこの高い剪断力区域を経ることは、非常に少なく、例えば、プロダクションラン1回につき約3〜約5回のみである。
【0056】
洗剤組成物
本発明のESSは、以下に説明されるような洗剤組成物又は洗剤組成物の構成成分に組み込むことができる。洗剤組成物は、任意の好適な形態を取ることができ、液体洗濯洗剤、1回量洗剤、及び/又は硬質表面洗浄組成物から選択し得る。
【0057】
外部構造化系を組み込む方法
本発明のESSを洗剤組成物又はその構成成分に組み込む任意の好適な手段を用いてよい。当業者であれば、洗剤製造プロセスのどの時点でESSを組み込むべきかを判断することができる。本発明のESSは、剪断力の影響を受けやすい場合があるので、いくつかの実施形態において、製造プロセス中の可能な限り遅い時点で、ESSを洗剤組成物又はその構成成分に加えるのが望ましい場合がある。しかしながら、いくつかの実施形態において、製造プロセスの早い時点でESSを加えて、後の製品差別化プロセスで洗剤を仕上げる前に、あらゆる非均質性を安定化させるのが望ましい場合がある。したがって、いくつかの実施形態において、系は、連続液体プロセスを介して加えてもよく、一方、他の実施形態では、系は、後の製品差別化を介して加えてもよい。
【0058】
剪断力の影響を受けやすいESSを他の構成成分に組み込んで、洗剤組成物を形成するときには、特定の作業パラメータを設定するのが有益であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、ESSを組み込むのに用いる平均剪断速度は、300s
−1〜500s
−1、100s
−1〜5000s
−1、又は0.01s
−1〜10000s
−1であってよい。瞬間剪断力は、短時間、3000s
−1〜5000s
−1ほど大きくてもよい。レオロジープロファイルを定義するために、TA Instrumentsから入手可能なTA550 Rheometerを用いて、組成物の流動曲線を割り出す。この割り出しは、20℃で、500マイクロメートルのギャップを設けた4cmの平板測定システムを用いて行う。上記の割り出しは、ある期間(3分間)にわたって、剪断速度を連続的に上昇させる(典型的には0.05s
−1〜30s
−1)プログラム済みのアプリケーションによって行う。これらのデータを用いて、粘度対剪断速度の流動曲線を作成する。
【0059】
ESSを他の構成成分中に組み込んで洗剤組成物を形成するのに必要な時間は、約1s〜120s、0.5s〜1200s、又は0.001s〜12000sである。
【0060】
液体洗濯洗剤組成物
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明のESSを含む液体洗濯洗剤組成物を対象とする。この液体洗濯洗剤組成物は、任意の好適な形態であってよく、任意の好適な構成成分を含んでよい。好適な構成成分の非限定例については、以下で順に説明する。
【0061】
界面活性剤構成成分
本明細書の洗剤組成物は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双極性、及び/又は両性の表面活性剤から選択される界面活性剤構成成分を1重量%〜70重量%含む。より好ましくは、界面活性剤構成成分は、組成物を5重量%〜45重量%含み、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせを含む。
【0062】
アニオン性界面活性剤
本明細書で有用である好適なアニオン性界面活性剤は、液体洗剤製品で典型的に使用される従来のアニオン性界面活性剤のいかなる種類をも含むことができる。これらには、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、並びにアルコキシル化又は非アルコキシル化アルキルサルフェート物質が含まれる。本明細書で使用する好ましいアニオン性界面活性剤については、国際公開第2011/0319940号、20〜21ページに記載されている。
【0063】
非イオン性界面活性剤
本明細書で有用である好適な非イオン性界面活性剤は、液体洗剤製品で典型的に使用される従来の非イオン性界面活性剤のいかなる種類をも含むことができる。これらには、アルコキシル化脂肪族アルコール及びアミンオキシド界面活性剤が含まれる。本明細書の液体洗剤製品で用いるのに好ましいのは、通常は液体である非イオン性界面活性剤である。本明細書で使用する好ましい非イオン性界面活性剤については、国際公開第2011/0319940号、21〜22ページに記載されている。
【0064】
アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との組み合わせ
本明細書の液体洗剤組成物において、洗浄性界面活性剤構成成分は、アニオン性及び非イオン性界面活性剤物質の組み合わせを含んでよい。
【0065】
水性液体担体
一般的に、本明細書の組成物で使用される水性の非表面活性液体担体の量は、比較的多い。例えば、非水性の非表面活性液体担体構成成分は、本明細書の組成物の0重量%〜40重量%を構成することができる。より好ましくは、この液体担体構成成分は、本明細書の組成物の1重量%〜30重量%、更に好ましくは2重量%〜25重量%を構成する。
【0066】
最もコスト的に有効な種類の水性非表面活性液体担体は、言うまでもなく水そのものである。それ故に、水性の非表面活性液体担体構成成分は、一般的に、完全にではないとしても、ほとんど水からなる。従来から、そのようなアルカノール、ジオール、他のポリオール、エーテル及びアミン等の他の種類の水相溶性液体が共溶媒又は安定剤として液体洗剤組成物に添加されているが、本発明の目的のためには、そのような水相溶性液体の利用は、組成物コストを抑えるため最小限にすべきである。したがって、本明細書の液体洗剤製品の水性液体担体構成成分は、一般的に、組成物の0重量%〜90重量%、より好ましくは5重量%〜70重量%の範囲の濃度で存在する水を含む。
【0067】
任意の洗剤組成物成分
本発明の洗剤組成物は、任意の数の追加の任意成分を含んでもよい。これらには、洗浄性ビルダー、酵素、酵素安定剤(プロピレングリコール、ホウ酸及び/又はホウ砂など)、泡抑制剤、汚れ懸濁剤、汚れ放出剤、他の布地ケア有益剤、pH調整剤、キレート化剤、スメクタイト粘土、溶媒、ヒドロトロープ及び相安定剤、構造化剤、移染抑止剤、蛍光増白剤、香料、及び着色剤等の従来の洗濯洗剤組成物の構成成分が含まれる。種々の任意の洗剤組成物成分は、本明細書の組成物中に存在する場合、それらの所望される貢献を組成物又は洗濯作業にもたらすため、従来使用されている濃度で利用されるべきである。このような任意の洗剤組成物成分の総量は、組成物の2重量%〜50重量%、より好ましくは5重量%〜30重量%の範囲であり得る場合が多い。いくつかの使用し得る任意の成分の詳細については、国際公開第2011/031940号に記載されている:有機洗剤ビルダー、23〜24ページ;洗浄性酵素、24ページ;溶媒、ヒドロトロープ及び相安定剤、24ページ;並びにpH制御剤、24ページ。
【0068】
1回量洗剤
本発明のいくつかの実施形態において、液体洗剤組成物は、1回量のパウチに包装されており、この場合、そのパウチは、ポリビニルアルコールのような水溶性フィルム物質で作られている。いくつかの実施形態において、1回量のパウチは、単一又は複数の区画を有するパウチを含み、この場合、本発明の液体洗剤組成物は、任意の他の従来の粉末又は液体洗剤組成物と併せて用いることができる。好適なパウチ及び水溶性フィルム物質の例は、米国特許第6,881,713号、同第6,815,410号、及び同第7,125,828号に示されている。1回量のパウチを作製する従来のプロセスは、縦ピロー包装(VFFS)、及び横ピロー包装(HFFS)であり、好ましくは、熱成形(formin)、及び/又は真空成形のHFFSである。
【0069】
硬質表面洗浄組成物
いくつかの実施形態において、ESSを液体硬質表面洗浄組成物中で用いてよい。このような組成物としては、これらに限定されないが、ゲル、ペースト、増粘液体組成物、並びに水様の粘度を有する組成物から選択される形態が挙げられる。本明細書において好ましい液体硬質表面洗浄組成物は、水性の液体硬質表面洗浄組成物であり、したがって、好ましくは水を、より好ましくは全組成物の50重量%〜98重量%、更に好ましくは75重量%〜97重量%、最も好ましくは80重量%〜97重量%の量で含む。
【実施例】
【0070】
以下の表I〜IIIを参照すると、本明細書に開示されている非限定例として(are non−limiting examples)、本発明の複数の実施形態の実例となるものが、比較のためのものと共に挙げられる。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
1 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の重量パーセントには、プレミックスを介して組成物に加えられたものの重量パーセントが含まれる。
2 −NH当たり20個のエトキシレート基を有する、分子量600g/molのポリエチレンイミンコア。
3 PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有する、ポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は、約6000で、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルの重量比は、約40対60であり、50エチレンオキシド単位当たり1グラフト点を超えない。
【0073】
【表3】
1 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の重量パーセントには、プレミックスを介して組成物に加えられたものの重量パーセントが含まれる。
2 −NH当たり20個のエトキシレート基を有する、分子量600g/molのポリエチレンイミンコア。
【0074】
比較データ
図1は、従来の(非有機非アミノ官能性アルコール)硬化ヒマシ油外部構造化剤(D)と比較した、本発明によるESS(C)の剪断抵抗に関する。
【0075】
図1は、有機非アミノ官能性アルコール(1,2プロパンジオール)をEESに加えることにより、該EESが剪断の影響を受けにくくなることを示している。1重量%超〜2重量%の濃度の有機非アミノ官能性アルコールは、剪断損傷が発生し始める剪断速度閾値をシフトアップすることが分かった。剪断速度閾値は、1,2プロパンジオールの濃度と共に、徐々に上がった。
【0076】
図1において、x軸で特定された剪断速度における剪断の60秒後に、G’回復(G’recovery)がプロットされた。G’回復は、剪断速度が適用された前後の弾性率の比である。試験は、CP形状のARG2レオメーターにより、35℃で行われた。なお、剪断速度閾値(treshhold)は、剪断後のG’回復が100%未満になった剪断速度として定義された。原料の粘度及びG’は、どの程度良好にESSが完成品を構造化するかの尺度である。更に、以下の試験は、35℃で行われる。剪断速度閾値は、試料温度によって決まる。試験を20℃で行うと、認められる剪断損傷は、少ないであろう。しかし、35℃は、プレミックスを保存し、輸送し、完成品に組み込む温度であるため、選ばれている。
【0077】
図1は、参照ESSについて、100%回復していないG’が見られる剪断速度閾値は、10〜15/sであることを示す(Figure 1 shows that for the reference ESS the shear rate threshold at which can be seen that see G’not recovering 100% is between 10 and 15/s.)。ここで、2%の1,2プロパンジオールを含む本発明によるESSについて、これは、20/sである。
【0078】
本明細書に開示されている寸法、及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりもむしろ、特に断らない限り、こうした各寸法は、列挙された値と、その値周辺の機能的に同等の範囲と、の両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。